| 【発明の名称】 |
ガスサイクル機関冷凍機 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤並 太
【氏名】遠藤 幸一
|
| 【要約】 |
【課題】スターリング冷凍機,パルス管冷凍機のガスサイクル機関冷凍機を実施対象に、そのコールドヘッドにおける死容積,圧力損失を小さく抑えつつ熱通過率を高めて熱効率の向上化を図る。
【解決手段】ディスプレーサ4のシリンダ4a,もしくはパルス管と外筒7との間に蓄冷器2を内蔵するとともに、該蓄冷器の低温側端とディスプレーサのシリンダ開口端にまたがって頂部内面にガス流路5aを形成したコールドヘッド5を被着して一体に組立てた構成において、前記コールドヘッドをキャップ状体となしてその内周面にガス流路の螺旋溝5bを形成するとともに、該螺旋溝の始端,および終端部を開放してコールドヘッドの内部にリング状の栓状部材を装填し、前記螺旋溝を経由して作動ガスをコールドヘッドに流すようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ガス圧縮機,蓄冷器,ディスプレーサ,および頂部を寒冷発生部とするコールドヘッドを組合せて構成したスターリング冷凍機を対象とするガスサイクル機関冷凍機であり、ディスプレーサの膨張シリンダを内筒としてこれを取り巻く外筒との間の空間に蓄冷器を内蔵するとともに、蓄冷器の低温側端とディスプレーサのシリンダ開口端にまたがって頂部内面にガス流路を形成したコールドヘッドを被着して蓄冷器,ディスプレーサ,コールドヘッドを一体に組立てたものにおいて、前記コールドヘッドをキャップ状体となしてその内周面に螺旋溝を形成するとともに、該螺旋溝の始端,および終端部を除く面域を覆ってコールドヘッドの内周面と前記膨張シリンダの外周面との間に栓状部材を装着し、前記螺旋溝を経由して作動ガスをコールドヘッドに流すようにしたことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項2】ガス圧縮機,蓄冷器,パルス管,および頂部を寒冷発生部とするコールドヘッドを組合せて構成したパルス管冷凍機を対象とするガスサイクル機関冷凍機であり、パルス管を内筒としてこれを取り巻く外筒との間の空間に蓄冷器を内蔵するとともに、蓄冷器の低温側端とパルス管の開口端にまたがって頂部内面にガス流路を形成したコールドヘッドを被着して蓄冷器,パルス管,コールドヘッドを一体に組立てたものにおいて、前記コールドヘッドをキャップ状体となしてその内周面に螺旋溝を形成するとともに、該螺旋溝の始端,および終端部を除く面域を覆ってコールドヘッドの内周面と前記膨張シリンダの外周面との間に栓状部材を装着し、前記螺旋溝を経由して作動ガスをコールドヘッドに流すようにしたことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項3】請求項1,または2に記載の冷凍機において、コールドヘッドの内周面に形成した螺旋溝を断面三角形のV溝となしたことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項4】請求項1,2,3のいずれかの項に記載の冷凍機において、コールドヘッドの内周面に複数条の螺旋溝を形成したことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項5】請求項1,または2に記載の冷凍機において、コールドヘッドの頂部内面に形成したガス流路が、内筒の開口端と向かい合わせに形成した凹状のガス集流部と、該ガス集流部から放射状に延びたガス流路溝とからなることを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項6】請求項1,または2に記載の冷凍機において、栓状部材の両端面に、コールドヘッドの内周面に形成した螺旋溝の始端と蓄冷器との間,および低温螺旋溝の終端とコールドヘッドの頂部内面に形成したガス流路との間を連通する溝部を形成したことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項7】請求項1,2,6のいずれかの項に記載の冷凍機において、栓状部材をディスプレーサの膨張シリンダおよびパルス管よりも熱膨張率の大きな材料で構成したことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項8】請求項7記載の冷凍機において、ディスプレーサの膨張シリンダおよびパルス管の材質をステンレス,もしくはチタン合金とし、栓状部材の材質をアルミニウム,もしくはアルミニウム合金としたことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項9】請求項2記載の冷凍機において、コールドヘッドのガス流路に通じるパルス管の開口端に整流部を配し、該整流部を筒状のホルダに収容保持した上で、該ホルダの頂部から外周に張り出す鍔状フランジを栓状部材の端面と該部材の端面に締結した支持板との間に挟持したことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。 【請求項10】請求項9記載の冷凍機において、整流部ホルダの先端にパルス管内に向けて拡大するテーパ面を形成したことを特徴とするガスサイクル機関冷凍機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、逆スターリングサイクル冷凍機(以下「スターリング冷凍機」と呼称する),もしくはパルス管冷凍機を対象とするガスサイクル機関冷凍機、詳しくは該冷凍機の低温伝熱部の構造に関する。 【0002】 【従来の技術】クライオクーラなどに適用して低温(絶対温度80K程度)の寒冷を得る冷凍機として、頭記したスターリング冷凍機,パルス管冷凍機などのガスサイクル機関冷凍機が公知である。 【0003】ここで、スターリング冷凍機を例に挙げて、従来におけるスターリング冷凍機の構成,動作を図4で説明する。図において、1は放熱フィン付きのシリンダ1aに内装した圧縮ピストン1bをリニアモータなどの駆動モータ(図示せず)で往復動するガス圧縮機、2はガス圧縮機1のシリンダ1aの吐出口にガス導管3を介して接続した蓄冷器、4は膨張シリンダ4aと膨張ピストン4bからなるディスプレーサ(膨張機)、5は蓄冷器2の低温側端とディスプレーサ4のシリンダ開口端との間を連通するように両者間にまたがって被せ、その内面を凹面として蓄冷器2とディスプレーサ4の膨張シリンダ4aとの間を連通するガス流路5aを形成した円盤状のコールドヘッド(低温伝熱部材)、6は組立ベース板である。 【0004】ここで、蓄冷器3はディスプレーサ4のシリンダ4aを取り巻いて組立ベース板6の上に固定した外筒7との間の環状空間に装填されており、コールドヘッド5とともに一体に組立られている。また、ガス圧縮機1とディスプレーサ4の間の閉じた空間を作動空間としてここに作動ガス(ヘリウムガス)が封入されており、かつガス圧縮機1とディスプレーサ4とは相対的に90°の位相差で図示されてないモータで往復動される。そして、前記のコールドヘッド5はその頂部外面Aを寒冷発生部として、ここに被冷却体(例えば赤外線センサの光電素子)Wを搭載して伝熱的に結合し、次に記す冷凍サイクル(逆スターリングサイクル)により寒冷を発生して被冷却体Wを極低温に冷却する。 【0005】周知のように逆スターリングサイクルは、等温圧縮,等容移送,等温膨張,等容移送の4工程でコールドヘッドに寒冷を発生させる。すなわち、冷凍機の定常動作では、等温圧縮工程でガス圧縮機1により作動ガスが圧縮され、続く等容移送工程で作動ガスは蓄冷器2により冷却されて膨張空間に送られる。次の等温膨張工程では作動ガスが寒冷を発生し、コールドヘッド5を伝熱して被冷却体8から熱を奪う。続く等容移送工程で低温の作動ガスが蓄冷器2を冷却してガス圧縮機1に戻る。そして、この冷凍サイクルを繰り返すことによりコールドヘッド5に搭載した被冷却体Wが極低温に冷却される。 【0006】なお、冷凍機の始動開始直後は低温部の作動ガスは常温状態にあるので、最初の膨張過程ではガスとコールドヘッド5との間に熱の移動はなく、作動ガスは断熱膨張してガス温度が降下する。この冷えたガスが等容変化でガス圧縮機側に戻る過程で蓄冷器2を冷却するので、次のサイクルで作動ガスがディスプレーサに送り出されるときには、蓄冷器2の温度は前のサイクルよりも低くなっており、これに冷やされたガスがさらに断熱膨張するので温度はますます低下し、この冷凍サイクルの繰り返しにより定常運転状態に移行して極低温の寒冷を発生するようになる。 【0007】なお、ガスサイクル機関冷凍機には、前記のスターリング冷凍機におけるディスプレーサ4をパルス管に置き換え、このパルス管にオリフィス,リザーバを組合せて構成したパルス管冷凍機も知られている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図4に示した従来構造では次に記すような問題点がある。すなわち、コールドヘッド5については、その製作,加工性の面から円盤の内面を単純な凹面に加工してガス流路5aを形成しているが、この構造では作動ガスとの接触面積が大きく取れないことから、ここを通流する作動ガスとの間の熱通過率が低く、このために小型で高効率な冷凍機を得ることが困難である。 【0009】すなわち、冷凍機は冷凍能力に対する消費電力,体格(外形寸法)で評価され、その評価の因子としてコールドヘッド5の熱通過率,ガス流路容積(死容積),および圧力損失が挙げられる。ここでコールドヘッド5の熱通過率,ガス流路の容積(死容積),圧力損失の冷凍性能に与える影響について述べる。 【0010】(1) まず熱通過率については、冷凍機の運転状態でコールドヘッド5の冷却端温度Taとガス流路5aを通流する低温ガスのガス温度Tcとの間には、コールドヘッド5の熱通過率(熱貫流率とも言う)に対応した温度差ΔTが発生する。したがって、冷却端温度Taを被冷却体8の要求する温度にするためには、低温ガス温度Tcを冷却端温度Taよりもさらに温度差ΔTだけ低く(Tc=Ta−ΔT)する必要がある。一方、スターリング冷凍機の理論熱効率(成績係数:COP)は、高温ガス温度をThとすると、【0011】 【数1】COP=Tc/(Th−Tc)=(Ta−ΔT)/(Th−Ta+ΔT) として表され、温度差ΔTが大きくなると成績係数(COP)が低下し、同一の熱負荷に対しては冷凍機の入力(消費電力)が増大する。また、冷却端温度Taに対して温度差ΔTを補償するように低温ガス温度Tcを低くすると、蓄冷器2での熱損失,ディスプレーサ4のピストン4bとシリンダ4aとの相対変位に伴って生じるシャトルロスなどの冷凍機自身の熱損失も増加して熱負荷が増大する。このように、コールドヘッド5の熱通過率が低いと、その分だけ被冷却体8が要求する冷却端温度Taに対して低温ガス温度Tcを低めなければならず、その結果として冷凍機の成績係数(COP)が低下するとともに冷却すべき熱負荷が増大するので入力が増加し、冷凍機の効率が低下するようになる。 【0012】かかる点、従来のコールドヘッド5では、図4で示したように伝熱部材の内面を単純な凹面として、その内面と蓄冷器2の端面,および膨張器4のシリンダ開口端面との間の隙間で作動ガスが流れるガス流路5aを形成しているため、ガス流路5aの内容積に対する作動ガスが直接接触する伝熱面積(穴の内周面)の比率が小さく、このためにコールドヘッド5の熱通過率が低くなる。 【0013】(2) また、コールドヘッド5に形成したガス流路5aの容積(死容積)についてガス流路5aの容積が大きいと、ガス圧縮機1のピストン1bの変位(移動)に対するガス圧力の変化が小さくなる。このために、冷凍サイクルの等温圧縮工程と等温膨張工程の間で必要な圧力振幅を得るには、ピストン1aのストロークを大きくするか、ピストン1aの断面積を大きくする必要があるが、これは冷凍機の体格大型化を招くとともに、同一のガス圧変化に要するガス圧縮機1のガス吐出し量が増して冷凍機の入力,つまり消費電力が大きくなる。 【0014】(3) 一方、コールドヘッド5のガス流路5aにおける圧力損失は、ガス圧縮機1の入力を増加させるほか、ディスプレーサ4におけるガス圧振幅を小さくして冷凍出力を低下させる原因となるため、ガス流路の断面積(流路の容積)との関連でできるだけ小さく抑えることが必要である。また、上記した問題点は、そのままパルス管冷凍機についてもあてはまる。 【0015】この発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は先記のスターリング冷凍機,パルス管冷凍機などを実施対象に、そのコールドヘッドにおける死容積,圧力損失を小さく抑えつつ熱通過率を高めるよう改良して小型な体格で熱効率の高いガスサイクル機関冷凍機を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明によればスターリング冷凍機,あるいはパルス管冷凍機を対象に次記のように構成するものとする。 (1) ガス圧縮機,蓄冷器,ディスプレーサ,および頂部を寒冷発生部とするコールドヘッドを組合せて構成したスターリング冷凍機を対象とするガスサイクル機関冷凍機であり、ディスプレーサの膨張シリンダを内筒としてこれを取り巻く外筒との間の空間に蓄冷器を内蔵するとともに、蓄冷器の低温側端とディスプレーサのシリンダ開口端にまたがって頂部内面にガス流路を形成したコールドヘッドを被着して蓄冷器,ディスプレーサ,コールドヘッドを一体に組立てたものにおいて、前記コールドヘッドをキャップ状体となしてその内周面に螺旋溝を形成するとともに、該螺旋溝の始端,および終端部を除く面域を覆ってコールドヘッドの内周面と前記膨張シリンダの外周面との間に栓状部材を装着し、前記螺旋溝を経由して作動ガスをコールドヘッドに流すように構成する(請求項1)。 【0017】(2) ガス圧縮機,蓄冷器,パルス管,および頂部を寒冷発生部とするコールドヘッドを組合せて構成したパルス管冷凍機を対象とするガスサイクル機関冷凍機であり、パルス管を内筒としてこれを取り巻く外筒との間の空間に蓄冷器を内蔵するとともに、蓄冷器の低温側端とパルス管の開口端にまたがって頂部内面にガス流路を形成したコールドヘッドを被着して蓄冷器,パルス管,コールドヘッドを一体に組立てたものにおいて、前記コールドヘッドをキャップ状体となしてその内周面に螺旋溝を形成するとともに、該螺旋溝の始端,および終端部を除く面域を覆ってコールドヘッドの内周面と前記膨張シリンダの外周面との間に栓状部材を装着し、前記螺旋溝を経由して作動ガスをコールドヘッドに流すように構成する(請求項2)。 【0018】前項(1),(2) の構成によれば、冷凍サイクルでコールドヘッドを通流する作動ガスは経路の長い螺旋溝を経由し、コールドヘッドの内周面を旋回して流れ、その通流過程で低温の作動ガスが溝面を洗流してその冷熱がコールドヘッドに伝熱する。したがって、作動ガスとコールドヘッドとの接触面積が大きくとれるとともに、適正なガス流速も得られ、作動ガスとコールドヘッドとの間の熱貫流が増大して両者間の熱通過率が高まる。また、コールドヘッドの内方に栓状部材を装填したことでガス流路の死容積が小さくなる。これにより、小型な体格で熱効率の高いガスサイクル機関冷凍機が得られる。また、本発明によれば、前項(1),(2) の構成は、次記のような具体的態様で構成することができる。 【0019】(3) コールドヘッドの内周面に形成した螺旋溝を断面三角溝となして作動ガスとの接触面積の増大化を図るようにする(請求項3)。 (4) コールドヘッドの内周面に複数条の螺旋溝を形成して作動ガスとの接触面積を一層増大化するようにする(請求項4)。 (5) コールドヘッドの頂部内面に形成したガス流路を、その中央に形成した凹状のガス集流部と、該ガス集流部から放射状に延びたガス流路溝とで形成し、作動ガスとの接触面積の増大化を図るようにする(請求項5)。 【0020】(6) 栓状部材の両端面に、コールドヘッドの内周面に形成した螺旋溝の始端と蓄冷器との間,および低温螺旋溝の終端とコールドヘッドの頂部内面に形成したガス流路との間を連通する溝部を形成し、蓄冷器から流出した作動ガス,あるいはコールドヘッドのガス流路を経由してディスプレーサ,ないしパルス管から還流する作動ガスの圧力損失を押さえて螺旋溝へ円滑に導くようにする(請求項6)。 【0021】(7) 栓状部材をディスプレーサの膨張シリンダおよびパルス管よりも熱膨張率の大きな材料で構成し、冷凍機運転時の低温状態では熱膨張差を利用してリング状になる栓状部材がディスプレーサの膨張シリンダ,ないしパルス管の外周に締まり嵌め(焼き嵌めと同様な原理)となって、作動ガスがコールドヘッドのガス流路を流れずに栓状部材の内周面側の隙間にバイパスするのを防止するようにし(請求項7)、具体的にはディスプレーサの膨張シリンダおよびパルス管の材質をステンレス,もしくはチタン合金とし、栓状部材の材質を比熱が小さく、かつ熱膨張率がステンレスおよびチタン合金よりも大きなアルミニウム,もしくはアルミニウム合金とし、前記のように熱膨張差を利用して栓状部材をディスプレーサのシリンダ,ないしパルス管の外周に締まり嵌め式に密着結合させるとともに、冷凍機の起動から定常運転に移行するまでのプルダウン時間の短縮化を図るようにする(請求項8)。 【0022】(9) 前項(2) のパルス管冷凍機において、低温伝熱部部材のガス流路に通じるパルス管の開口端に整流部を配し、かつ該整流部を筒状のホルダに収容した上で、該ホルダの頂部から外周に張り出す鍔状フランジを栓状部材の端面と該部材の端面に締結した支持板との間に挟持固定し(請求項9)、さらに前記整流部ホルダの先端にパルス管内に向けて拡大するテーパ面を形成する(請求項10)ことで、パルス管を通流する作動ガスの乱流発生を押さえて圧力損失の低減化を図るようにする。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、先記した各項に対応する本発明の実施の形態を図1,図2,図3に示す実施例に基づいて説明する。なお、各実施例の図中で図4に対応する同一部材には同じ符号を付してその説明は省略する。 【0024】〔実施例1〕図1は本発明の請求項2,3を除く1〜8に対応する実施例として、スターリング冷凍機を対象とした蓄冷器,ディスプレーサ,コールドヘッドの組立構造を示すものである。この実施例においては、蓄冷器2の低温側端とディスプレーサ4の膨張シリンダの開口端との間にまたがって被着したコールドヘッド5をキャップ状体となして外筒7に被着,溶接接合し、さらにその内方にはリング状の栓状部材8が装填されている。 【0025】ここで、コールドヘッド5の内周面域にはガス流路となる1ないし複数条の螺旋溝5bが形成されている。また、コールドヘッド5の頂部内面に形成したガス流路5aは、図1(b) で示すように、その中心部に形成したディスプレーサ4と略同径な凹状のガス集流部5a-1と、該ガス集流部5a-1からコールドヘッド5の内周面に向けて放射状に延在する複数条のガス流路溝5a-2とからなる。 【0026】一方、リング状の栓状部材8は、その内径,外径寸法がそれぞれディスプレーサ4の膨張シリンダ4aの外径,キャップ状コールドヘッド5の内径に対応して設定されており、組立て状態では図示のように栓状部材8がコールドヘッド5の内周面に形成した螺旋溝5aの端面をその内周側から塞ぐ。また、蓄冷器2と対向する底面側端面にはガス流路として、図1(c) で示すように栓状部材8の内外周縁に沿って形成した周溝8a,8b,および中央のリブ突起8cを貫いて周溝8aと8bとの間を結ぶ半径方向の凹溝8dが形成されており、さらにコールドヘッド5の頂部内面に形成したガス流路5aと対向する上面側には外周縁に沿って周溝8eが切欠き形成されている。そして、前記の周溝8a,8eは、それぞれ組立て位置で先記した螺旋溝5bの始端,終端と連通し合い、さらに上面側の周溝8eは先記したコールドヘッド5のガス流路溝5a-1に連通し合う。 【0027】かかる構成において、スターリング冷凍機の運転時には、蓄冷器2から流出した作動ガスは、栓状部材8の底面側に形成した前記溝8a,8b,8dを通じてコールドヘッド5の内周面に形成した螺旋溝5bを通流し、その終端から出た後に栓状部材8の上面に形成した周溝8eを通じてコールドヘッド5の頂部内面に形成したガス流路5aのガス流路溝5a-2,ガス集流部5a-1を流れてディスプレーサ4の膨張シリンダ4aに送られる。したがって、このガス通流過程では、作動ガスは通路容積に対する伝熱面積の割合が大きな螺旋溝5bに沿ってコールドヘッド5の内周面側を旋回しながら流れた後、さらに頂部側ではガス流路溝5a-1を流れ、この通流過程で作動ガスの冷熱がコールドヘッド5に伝熱する。 【0028】したがって、ガス流路の容積(死容積)を低く抑えながら、一方ではコールドヘッド5と作動ガスとの間の伝熱面積を大きくとれ、これによりコールドヘッド5の熱通過率が高くなり、冷凍サイクルで発生した冷熱がコールドヘッド5に効率よく伝熱する。なお、螺旋溝5bを多条溝として形成すれば、作動ガスとの伝熱面積がより一層大きくなる。 【0029】また、ディスプレーサ4は管壁からの熱伝導による熱侵入を極力低く抑えるために、通常はステンレス鋼,あるいはTi合金などの熱伝導率の低い材料が用いられているが、これに対して栓状部材8はディスプレーサ4よりも熱膨張率の大きな材質で構成する。これにより、冷凍機運転時の低温状態ではディスプレーサ4との熱膨張率の差を利用して栓状部材8がディスプレーサの膨張シリンダ4aの外周に締まり嵌め状態に密着される。したがって、作動ガスがコールドヘッド5のガス流路5a,螺旋溝5bを経由せずに栓状部材8の内周面と膨張シリンダ4aとの間の隙間にバイパス(短絡)するのを効果的に防止できる。また、この場合に栓状部材8の材質として、比熱の小さなアルミニウム,あるいはアルミニウム合金を採用すれば、栓状部材8の熱容量が小さくなるので前記効果に加えて冷凍機の起動から定常運転に移行するプルダウン時間が短縮する効果が期待できる。 【0030】〔実施例2〕図2は本発明の請求項3に対応する実施例を示すものである。この実施例においては、その構成が基本的に先記実施例1と同様であるが、コールドヘッド5の内周面に形成した螺旋溝5bが断面三角溝としてなる。 【0031】これにより、図1の断面矩形溝と比べて螺旋溝の周長/断面積比が大きくなるので、これによりガス流路の死容積を小さく抑えつつ、作動ガスとコールドヘッド5との間の接触面積,つまり伝熱面積をより一層高めることができ、これによりコールドヘッド5の熱通過率を高めて大きな冷凍出力が得られる。 【0032】〔実施例3〕図3はパルス管冷凍機を実施対象とした本発明の請求項2,および9,10に対応する実施例を示すものである。この実施例においては、図1,図2に示したスターリング冷凍機のディスプレーサ4に代えてパルス管9を設置し、このパルス管9と蓄冷器2,コールドヘッド5,および栓状部材8が一体に組立てられている。 【0033】ここで、コールドヘッド5は先記実施例1と同様に、キャップ状体となしてその内周面には螺旋溝5bが形成されており、さらにコールドヘッド5の内周面とパルス管9との間にはリング状の栓状部材8が装着されている。また、パルス管9の開口端部には積層金網などで作られた整流部10が筒状のホルダ11に収容されこの位置に保持されている。この筒状ホルダ11は図示のように筒部の断面がZ字形であり、その頂部から外周に張出した鍔状フランジ11aを栓状部材8の端面と該部材の上に載置した支持板12との間に挟持し、かつ支持板12を栓状部材8にねじ13で締結して定位置に固定している。さらに、整流部10を支持してパルス管9の内方に突き出した筒形ホルダ11の先端部には、パルス管9の管内に向けて拡大するテーパ面11bを形成している。 【0034】かかる構成により、実施例1のスターリング冷凍機と同様にコールドヘッド5の熱通過率を高めてパルス管冷凍機の熱効率向上が図れるほか、作動ガスがパルス管9に流入,流出する際には整流部10の整流作用と併せて、前記のテーパ面11bが渦などの乱流発生を抑えてパルス管冷凍機の効率改善に寄与する。 【0035】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれば、コールドヘッドの内周面に螺旋溝を形成したことで、ここを流れる作動ガスとの熱交換面積の増加,並びに適切なガス流速が得られて熱通過率,熱交換量の増大化が図れる。さらに、コールドヘッド内に栓状部材を装填したことでガス流路の死容積を低減して冷凍出力を高めることができ、これにより小型な体格で熱効率の高いガスサイクル機関冷凍機を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年4月2日(1999.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088339 【弁理士】 【氏名又は名称】篠部 正治
|
| 【公開番号】 |
特開2000−292022(P2000−292022A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−96158 |
|