| 【発明の名称】 |
ヒートポンプ式冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】穐山 和之
【氏名】関屋 慎
【氏名】小林 教秀
【氏名】岩田 征彦
|
| 【要約】 |
【課題】電源ブレーカがオフのまま放置され、クランクケースヒータ等の液冷媒排出装置が機能せず、圧縮機の油溜め空間に液冷媒が寝込んだ場合でも、圧縮機は液冷媒による油希釈、フォーミング、液圧縮を生じることなく、常に安定した状態で起動できる信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ること。
【解決手段】密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、この運転スイッチがオンになった時に、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に圧縮機を起動するように制御する制御装置とを備えたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、当該ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、この運転スイッチがオンになった時に、前記電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して前記油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に前記圧縮機を起動するように制御する制御装置と、を備えたことを特徴とするヒートポンプ式冷凍装置。 【請求項2】 前記予め設定された設定時間を、前記密閉容器内が液冷媒で満液の状態から、前記圧縮機が容易に起動できる液面高さになるまでに必要な液冷媒排出のための時間としたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式冷凍装置。 【請求項3】 前記三相電動機に設けた各コイル巻線のうち二相の巻線を通電状態にする欠相通電用のリレーを設けたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式冷凍装置。 【請求項4】 密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、前記密閉容器の外周に設けられ、前記圧縮機の油溜め空間内へ冷媒が寝込むのを防止するためのクランクケースヒータと、当該ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、前記ヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカと、前記運転スイッチがオフで前記電源ブレーカのみオンの場合は、前記クランクケースヒータに通電し、前記クランクケースヒータが設定時間以上通電された後に、前記運転スイッチがオンになった場合は、前記電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して前記油溜め空間等を加熱する欠相通電を行わないで前記圧縮機を起動するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするヒートポンプ式冷凍装置。 【請求項5】 密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、当該ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、前記圧縮機の油溜め空間への液冷媒の寝込みを検出する寝込み検出手段と、前記運転スイッチがオンになった後、前記寝込み検出手段による寝込み検出時のみ、前記電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して前記油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に前記圧縮機を起動するように制御する制御装置と、を備えたことを特徴とするヒートポンプ式冷凍装置。 【請求項6】 前記寝込み検出手段は、前記圧縮機に通電される電流を検出する圧縮機電流検出センサーを備え、前記圧縮機起動電流が前記圧縮機への三相通電開始から予め設定した時間の間に継続して予め設定した電流値以上となった場合のみ寝込み信号を出力するように構成したことを特徴とする請求項5記載のヒートポンプ式冷凍装置。 【請求項7】 前記予め設定した電流値を拘束電流値の80%程度としたことを特徴とする請求項6記載のヒートポンプ式冷凍装置。 【請求項8】 密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、前記圧縮機の油溜め空間内へ冷媒が寝込むのを防止するためのクランクケースヒータと、当該ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、前記ヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカと、前記圧縮機の油溜め空間への液冷媒の寝込みを検出する寝込み検出手段と、前記運転スイッチがオフで前記電源ブレーカのみオンの場合は、前記クランクケースヒータに通電し、前記電源ブレーカがオンになってから予め設定された設定時間内に前記運転スイッチがオンした場合のみ、前記寝込み検出手段による寝込み検出時に、前記電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して前記油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に前記圧縮機を起動するように制御し、前記クランクケースヒータが設定時間以上通電された後に、前記運転スイッチがオンになった場合は、前記電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して前記油溜め空間等を加熱するを行わないで前記圧縮機を起動するよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするヒートポンプ式冷凍装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍機及び空気調和機等のヒートポンプ式冷凍装置に関するもので、詳細には、ヒートポンプ式冷凍装置の圧縮機油溜め空間に寝込んだ冷媒を排出するための装置を備えたヒートポンプ式冷凍装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、圧縮機に室内及び室外側熱交換器を冷媒配管で接続したヒートポンプ式冷凍装置においては、圧縮機の運転停止時にヒートポンプ式冷凍装置の最も冷却された部分に冷媒が移動して凝縮する傾向がある。例えば夜間に暖房運転を停止した時には、室内側熱交換器の方が圧縮機や室外側熱交換器に比べ温度が高いため、これら圧縮機や室外側熱交換器の方に室内側熱交換器内の冷媒が移動する。また、朝方になって外気温度が上昇すると圧縮機の熱容量は室外側熱交換器よりも大きく、この室外側熱交換器の方が早く温度上昇することから、室外熱交換器内の冷媒が温度の低い圧縮機側へと移動して凝縮し、この圧縮機の密閉容器内に設けた油溜め空間の油中に液冷媒が溶け込んで寝込むのである。 【0003】この冷媒寝込みにより、液冷媒が油溜め空間内の油を希釈したり、また、圧縮機の再起動を行うとき、油溜め空間内の油中に溶け込んだ液冷媒が気泡状になって溶出することによりフォーミング現象が発生したり、或は、液冷媒を圧縮機が直接吸い込むことにより液圧縮が発生し、圧縮機の故障の原因になることがあった。 【0004】従来のヒートポンプ式冷凍装置では、圧縮機への冷媒寝込みを防止するため、圧縮機の密閉容器にクランクケースヒータを巻いて設置し、このクランクケースヒータで密閉容器内の油溜め空間を加熱して、油溜め空間の油中に液冷媒が溶け込むのを防止し、また、油中に溶け込んだ液冷媒を速やかに外部排出させることにより、油溜め空間に液冷媒が寝込むのを防止するようにしていた。 【0005】しかし、上記のようにクランクケースヒータを使用する場合、クランクケースヒータの発熱量は小さく、油溜め空間の油中に溶け込んだ液冷媒を排出するのに時間がかかるため、クランクケースヒータは常時通電させる必要があった。従って、例え油溜め空間に液冷媒が溶け込んでいない場合でも、クランクケースヒータへの通電を行うので、この分のランニングコストが必要だった。 【0006】上記のような問題点を解決する圧縮機の液冷媒排出装置が、例えば特開平8−28987号公報に開示されている。図5は同公報に記載された液冷媒排出装置付きのヒートポンプ式冷凍装置の配管系統図である。図に示すように、圧縮機1、四方弁2、ファン31が付設された室内熱交換器3、同じくファン41が付設された室外熱交換器4をそれぞれ冷媒配管で接続して構成されている。 【0007】また、圧縮機1は、底部に油溜め空間10を有する密閉容器11に、圧縮要素12と、圧縮要素12を駆動する三相電動機13とを内装している。尚、図5中、5は各熱交換器3、4間の冷媒配管に介装された膨張弁である。また、密閉容器11の胴体の一部で油溜め空間10の近くには胴体温度T1を検出する第1温度センサー61が配設され、室外熱交換器4の近くには室外熱交換器4の近くの周囲温度を検出する第2温度検出センサー62が配設されている。これら各温度検出センサー61、62は、加熱制御手段8に接続されている。 【0008】第1温度検出センサー61で検出される胴体温度T1が予め設定する設定温度T0より低い第1条件(T1<T0)のときと、第2温度検出センサー62で検出される周囲温度T2と胴体温度T1との温度差△T(T2−T1)が、予め設定する設定温度差△T0以上の第2条件(△T≧△T0)との少なくとも何れか一方の条件を満足するとき、油溜め空間10に液冷媒の寝込みが発生していると判断して、加熱制御手段8から寝込み信号を出力し、三相電動機13の欠相通電で油溜め空間10を加熱することにより、この油溜め空間10の油中に混入する液冷媒を排出して、液冷媒の油溜め空間10への寝込みを防止するようにしている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平8−28987号公報に記載された液冷媒排出装置では、第1条件(T1<T0)、又は、第2条件(△T≧△T0)の何れか一方の条件を満たした場合のみ欠相通電による液冷媒排出が行われるため、ヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカーをオフにして、ヒートポンプ式冷凍装置に通電されていない状態で放置され、液冷媒が既に油溜め空間10に寝込んだ状態で、しかも温度が平衡状態にあり第1条件(T1<T0)も第2条件(△T≧△T0)も満たさない状態で、ヒートポンプ式冷凍装置の電源が投入された場合は、液冷媒排出装置は、機能せず、油溜め空間10内に液冷媒が寝込んだ状態で圧縮機1が起動されるため、油希釈、フォーミング現象、液圧縮等が生じて圧縮機の故障につながるという問題点があった。 【0010】この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、電源ブレーカがオフのまま放置され、クランクケースヒータ等の液冷媒排出装置が機能せず、圧縮機の油溜め空間に液冷媒が寝込んだ場合でも、圧縮機は液冷媒による油希釈、フォーミング、液圧縮を生じることなく、常に安定した状態で起動できる信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることを目的とする。 【0011】また、三相電動機のコイル巻線への通電時間を短くしても、常に安定した状態で起動できる信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることを目的とする。 【0012】また、クランクケースヒータのように常時通電する必要が無くランニングコストを低減できるヒートポンプ式冷凍装置を得ることを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】この発明に係るヒートポンプ式冷凍装置は、密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、この運転スイッチがオンになった時に、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に圧縮機を起動するように制御する制御装置とを備えたものである。 【0014】また、予め設定された設定時間を、密閉容器内が液冷媒で満液の状態から、圧縮機が容易に起動できる液面高さになるまでに必要な液冷媒排出のための時間としたものである。 【0015】また、三相電動機に設けた各コイル巻線のうち二相の巻線を通電状態にする欠相通電用のリレーを設けたものである。 【0016】また、密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、密閉容器の外周に設けられ、圧縮機の油溜め空間内へ冷媒が寝込むのを防止するためのクランクケースヒータと、ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、ヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカと、運転スイッチがオフで電源ブレーカのみオンの場合は、クランクケースヒータに通電し、クランクケースヒータが設定時間以上通電された後に、運転スイッチがオンになった場合は、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱する欠相通電を行わないで圧縮機を起動するように制御する制御手段とを備えたものである。 【0017】また、密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、圧縮機の油溜め空間への液冷媒の寝込みを検出する寝込み検出手段と、運転スイッチがオンになった後、寝込み検出手段による寝込み検出時のみ、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に圧縮機を起動するように制御する制御装置とを備えたものである。 【0018】また、寝込み検出手段は、圧縮機に通電される電流を検出する圧縮機電流検出センサーを備え、圧縮機起動電流が圧縮機への三相通電開始から予め設定した時間の間に継続して予め設定した電流値以上となった場合のみ寝込み信号を出力するように構成したものである。 【0019】また、予め設定した電流値を拘束電流値の80%程度としたものである。 【0020】また、密閉容器内に三相電動機で構成された電動要素と、この電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、密閉容器底部に油溜め空間を形成した圧縮機と、圧縮機の油溜め空間内へ冷媒が寝込むのを防止するためのクランクケースヒータと、ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチと、ヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカと、圧縮機の油溜め空間への液冷媒の寝込みを検出する寝込み検出手段と、運転スイッチがオフで電源ブレーカのみオンの場合は、クランクケースヒータに通電し、電源ブレーカがオンになってから予め設定された設定時間内に運転スイッチがオンした場合のみ、寝込み検出手段による寝込み検出時に、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に圧縮機を起動するように制御し、クランクケースヒータが設定時間以上通電された後に、運転スイッチがオンになった場合は、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱するを行わないで前記圧縮機を起動するよう制御する制御手段とを備えたものである。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 実施の形態1.図1は実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式冷凍装置の配管系統図である。図に示すように、ヒートポンプ式冷凍装置は、圧縮機1、四方弁2、ファン31が付設された室内熱交換器3、同じくファン41が付設された室外熱交換器4をそれぞれ冷媒配管で接続して構成されている。 【0022】また、圧縮機1は底部に油溜め空間10を有する密閉容器11に、圧縮要素12と、圧縮要素12を駆動する電動要素を構成する三相電動機13とを内装している。また、5は各熱交換器3、4間の冷媒配管に介装された膨張弁であり、100はヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカ、140はヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチである。 【0023】そして、上記のように構成されたヒートポンプ式冷凍装置により冷房運転を行う場合には、四方弁2を同図破線で示すように切換えて、圧縮機1からの吐出冷媒を室外側熱交換器4から室内側熱交換器3に送って室内冷房を行う。また、暖房運転を行うときには、四方弁2を同図実線のように切換えて、圧縮機1からの吐出冷媒を室内側熱交換器3から室外側熱交換器4に送って室内暖房を行う。 【0024】以上のような暖房運転を行った後に、運転用スイッチ140をオフして停止し放置した時、または、ヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカ100をオフして停止し、ヒートポンプ式冷凍装置が通電されないまま放置された時に、密閉容器11に設けた油溜め空間10の油中に液冷媒が寝込む。この寝込んだ液冷媒を排出するための液冷媒排出機構を以下に説明する構成とした。 【0025】即ち、この液冷媒排出機構は、ヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチ140をオンにした時のみ、予め設定する時間内だけ圧縮機1の三相電動機13に設ける各コイル巻線のうち二相の巻線に単相通電し、かつ、その後に圧縮機1に三相通電を行うよう制御するための制御装置50を設けたものであり、次にその動作を説明する。 【0026】ヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチ140をオンにして電源が投入されると、制御回路50の制御により、予め設定した時間(欠相通電による液冷媒排出実験等により決定した時間、即ち、密閉容器11内が液冷媒で満液の状態から、圧縮機が問題なく起動できる液面高さになるまでに必要な液冷媒排出のための時間)だけ、欠相通電用52Cリレー71(通常運転用52Cリレー70に対し並列接続されている)がオンし、圧縮機1の三相電動機13に設けた各コイル巻線のうち二相の巻線に単相通電される。 【0027】この状態では三相電動機13は回転せず、単相通電によるコイル巻線の発熱のみが生じ、油溜め空間10内に寝込んだ液冷媒を加熱する。加熱された液冷媒は、圧縮機1内から蒸発し、温度の低いアキュムレータ20や室内、室外熱交換器3、4等に移動する。予め設定した時間後に、圧縮機1内には、圧縮機1が起動時に支障が無い量の液冷媒しか残らない。この時、制御回路50により、欠相通電用52Cリレー71はオフし、通常運転用52Cリレー70がオンして、圧縮機1は、液冷媒の寝込み量が極めて少ない状態で起動する。 【0028】従って、電源ブレーカ100がオフの状態でヒートポンプ式冷凍装置が通電されないまま放置され、クランクケースヒータや特開平8−28987記載の液冷媒排出装置が機能せず、圧縮機1の油溜め空間10に液冷媒が寝込んだ場合でも、本実施の形態においては、電源投入時に必ず欠相通電を行って油溜め空間10内の液冷媒を排除するため、圧縮機1は液冷媒による油希釈、フォーミング、液圧縮を生じることなく、常に安定した状態で起動でき、信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることができる。 【0029】実施の形態2.図2は実施の形態2を示す図で、ヒートポンプ式冷凍装置の配管系統図である。図に示すように、クランクケースヒータ15を圧縮機1の密閉容器11の油溜め空間10部付近の外周に付設し、ヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチ140がオフで電源ブレーカ100のみオンの時は、常にクランクケースヒータ15に通電し、運転用スイッチ140と電源ブレーカ100ともにオンの場合は、クランクケースヒータ15は通電されないようになっている。 【0030】また、クランクケースヒータ15が設定時間(クランクケースヒータ15の容量にもよるが、通常10時間程度)以上通電された後にヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチ140がオンになった場合は、欠相通電を行わないで圧縮機1を起動するよう制御するようにしたものである。 【0031】更に詳述すると、電源ブレーカ100のみがオンの場合は、クランクケースヒータ15は常に通電され発熱しているため、油溜め空間10への冷媒寝込みを防止でき、電源ブレーカ100がオフでクランクケースヒータ15が通電されない状態で放置された場合のみ、油溜め空間10への冷媒寝込みが発生する。この場合は、電源ブレーカ100をオンにしてクランクケースヒータに通電しても、油溜め空間10内に寝込んだ液冷媒を排出するためには、通常10時間程度は必要となるため、欠相通電による液冷媒排出を行う必要がある。 【0032】従って、電源ブレーカ100がオンになって10時間程度の設定時間内に運転用スイッチ140をオンにした場合のみ、実施の形態1で述べた欠相通電による液冷媒排出を行うように制御装置50を構成した。また、電源ブレーカがオンになって10時間程度の設定時間以上の時間が経過して運転用スイッチ140がオンになった場合は、油溜め空間10内の液冷媒は排出されているため、欠相通電による液冷媒排出を行わないで圧縮機1を起動するよう制御できるように制御装置50を構成した。 【0033】上記のように構成することにより、欠相通電の回数が減り、三相電動機13のコイル巻線の信頼性が高くなる。これによって、更に信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることができる。 【0034】実施の形態3.図3,4は実施の形態3を示す図で、図3はヒートポンプ式冷凍装置の配管系統図、図4は圧縮機起動電流を示す概略図である。実施の形態3は、実施の形態1で示したヒートポンプ式冷凍装置に加えて、圧縮機1の油溜め空間10への液冷媒の寝込みを検出する手段6を設け、寝込み検出手段6による寝込み検出時のみ欠相通電を予め設定した時間内だけ行うような制御を制御回路50が行うものである。 【0035】ここで、寝込み検出手段6の構成の一例を以下に示す。寝込み検出手段6は、圧縮機1に通電される電流を検出する圧縮機電流検出センサー63を備え、圧縮機起動電流が圧縮機1への三相通電開始から予め設定した時間の間に継続して予め設定した電流値以上となった場合のみ寝込み信号を出力するよう構成したものである。 【0036】次に、この寝込み検出手段6について詳述する。圧縮機の起動電流は図4に示すように、油溜め空間10内に液冷媒が寝込んでいない場合、拘束電流Imaxは0.05秒程度の時間しか流れない。これに対し、油溜め空間10内に液冷媒が寝込んでいる場合は、液冷媒が油溜め空間10内からある程度排出され終わるまで拘束電流Imaxが流れ続ける。 【0037】従って、電流を起動後のt秒間(例えば0.2秒間程度の短い時間)検出し、拘束電流Imaxがその時間内で継続してImaxの80%程度の設定電流値I0を超えていれば、油溜め空間10内に液冷媒が寝込んでいると判断し、寝込み検出を行うことが可能である。 【0038】更に動作を説明すると、ヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチ140がオンになった場合、まず、通常運転用52Cリレー70がオンして圧縮機1の三相電動機13に三相通電され圧縮機1が起動し、この時の電流値Iを圧縮機電流センサー63で検出し、予め設定された時間t秒の間に電流値Iが設定電流値I0(I0<Imax)を継続して越えた場合(即ち、I>I0)、寝込み検出手段6は、寝込みを検出したと判断し、寝込み検出信号が制御回路50に出力される。 【0039】寝込みを検出しない場合は、通常運転用52Cリレー70はオンを継続し通常運転を行う。制御回路50に寝込み検出信号が出力された場合、制御回路50により通常運転用52Cリレー70がオフされ、代わって欠相通電用52Cリレー71がオンし、圧縮機1の三相電動機13に設けた各コイル巻線のうち二相の巻線に単相通電される。 【0040】この状態では三相電動機13は回転せず、単相通電によるコイル巻線の発熱のみが生じ、油溜め空間10内に寝込んだ液冷媒を加熱する。加熱された液冷媒は、圧縮機1内から蒸発し、温度の低いアキュムレータ20や室内、室外熱交換器3、4等に移動する。予め設定した時間後に、圧縮機1内には、圧縮機1が起動時に支障が無い量の液冷媒しか残らなく、また、制御回路50により、欠相通電用52Cリレー71はオフし、通常運転用52Cリレー70がオンし圧縮機1は、液冷媒の寝込み量が極めて少ない状態で起動する。 【0041】従って、液冷媒が油溜め空間に寝込んだ場合のみ欠相通電による液冷媒排出が行われるため、クランクケースヒータのように常時通電する必要が無くランニングコストを低減できる。 【0042】実施の形態4.実施の形態4は、実施の形態3で示したヒートポンプ式冷凍装置に加えて、クランクケースヒータ15を圧縮機密閉容器11の油溜め空間10部付近の外周に付設し、ヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチ140がオフで電源ブレーカのみオンの時は、常にクランクケースヒータ15に通電し、運転用スイッチ140と電源ブレーカ100ともにオンの場合は、クランクケースヒータ15は通電されないようになっている。 【0043】また、クランクケースヒータ15が設定時間(クランクケースヒータ15の容量にもよるが、通常10時間程度)以上通電された後にヒートポンプ式冷凍装置の運転用スイッチ140がオンになった場合は、寝込み検出手段6による寝込みの検出操作を行わないで圧縮機1を起動するよう制御するようにしたものである。 【0044】更に詳述すると、電源ブレーカ100のみがオンの場合は、クランクケースヒータ15は常に通電され発熱しているため、油溜め空間10への冷媒寝込みを防止でき、電源ブレーカ100がオフでクランクケースヒータ15が通電されない状態で放置された場合のみ、油溜め空間10への冷媒寝込みが発生する。 【0045】この場合は、電源ブレーカ100をオンにしてクランクケースヒータに通電しても、油溜め空間10内に寝込んだ液冷媒を排出するためには、通常10時間程度は必要となるため、欠相通電による液冷媒排出を行う必要がある。但し、季節や放置時間によって、油溜め空間10内への液冷媒の寝込み量は異なり、この寝込み量が少なく圧縮機1の起動に支障の無いレベルであれば、欠相通電を行う必要はない。 【0046】そこで、本実施の形態では、電源ブレーカ100がオンになって10時間程度の設定時間内に運転用スイッチ140をオンにした場合のみ、実施の形態3で述べた寝込み検出手段6による寝込みの検出操作を行うように制御装置50を構成した。 【0047】また、電源ブレーカ100がオンになって10時間程度の設定時間以上の時間が経過して運転用スイッチ140がオンになった場合は、油溜め空間10内の液冷媒は排出されているため、欠相通電による液冷媒排出を行わないで圧縮機1を起動するよう制御できるように制御装置50を構成した。従って、欠相通電の回数は大幅に減り、三相電動機13の巻線の信頼性が非常に高くなる。即ち、非常に信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることができる。 【0048】 【発明の効果】この発明に係るヒートポンプ式冷凍装置は、ヒートポンプ式冷凍装置の電源ブレーカがオフのまま放置され、クランクケースヒータ等の液冷媒排出装置が機能せず、圧縮機の油溜め空間に液冷媒が寝込んだ場合でも、ヒートポンプ式冷凍装置の運転スイッチがオンになった時に必ず欠相通電を行って油溜め空間内の液冷媒を排除するため、圧縮機は液冷媒による油希釈、フォーミング、液圧縮を生じることなく、常に安定した状態で起動でき、信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることができる。 【0049】また、予め設定された設定時間を、密閉容器内が液冷媒で満液の状態から、圧縮機が容易に起動できる液面高さになるまでに必要な液冷媒排出のための時間としたので、圧縮機は液冷媒による油希釈、フォーミング、液圧縮を生じることなく、常に安定した状態で起動できる。 【0050】また、運転スイッチがオフで電源ブレーカのみオンの場合は、クランクケースヒータに通電し、クランクケースヒータが設定時間以上通電された後に、運転スイッチがオンになった場合は、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱する欠相通電を行わないで圧縮機を起動するように制御する制御手段を備えたので、欠相通電の回数が減り、三相電動機のコイル巻線の信頼性が高くなり、更に信頼性の高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることができる。 【0051】また、運転スイッチがオンになった後、寝込み検出手段による寝込み検出時のみ、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に圧縮機を起動するように制御するので、クランクケースヒータのように常時通電する必要が無くランニングコストを低減できる。 【0052】また、寝込み検出手段は、圧縮機に通電される電流を検出する圧縮機電流検出センサーを備え、圧縮機起動電流が圧縮機への三相通電開始から予め設定した時間の間に継続して予め設定した電流値以上となった場合のみ寝込み信号を出力するように構成したので、圧縮機油溜め空間に液冷媒が寝込んでいるかどうかの検出が直接的に、また、正確に検出できる。従って、欠相通電の回数を最小限にすることができ、更に信頼性の高く、ランニングコストの安いヒートポンプ式冷凍装置を得ることができる。 【0053】また、運転スイッチがオフで電源ブレーカのみオンの場合は、クランクケースヒータに通電し、電源ブレーカがオンになってから予め設定された設定時間内に運転スイッチがオンした場合のみ、寝込み検出手段による寝込み検出時に、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱し、かつ、この欠相通電を行った後に圧縮機を起動するように制御し、クランクケースヒータが設定時間以上通電された後に、運転スイッチがオンになった場合は、電動要素を予め設定された設定時間内だけ欠相通電して油溜め空間等を加熱するを行わないで前記圧縮機を起動するよう制御する制御手段とを備えたので、欠相通電の回数は大幅に減り、圧縮機の三相電動機のコイル巻線の信頼性が高くなり、信頼性が高いヒートポンプ式冷凍装置を得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年4月8日(1999.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099461 【弁理士】 【氏名又は名称】溝井 章司 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−292017(P2000−292017A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−101814 |
|