| 【発明の名称】 |
冷凍サイクル制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】永井 宏典
【氏名】倉持 威
【氏名】中野 晴雄
【氏名】小田木 広征
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| 【要約】 |
【課題】圧縮機の吐出温度のふらつきをなくし、吐出温度の安定化を早めること。
【解決手段】冷凍サイクル制御部11は、所定基準時間毎に圧縮機の吐出温度を測定し、この吐出温度の現在値と目標値との偏差に応じて電子膨張弁4の弁開度補正量を求め、この弁開度補正量を用いて電子膨張弁4の弁開度を補正制御する際、前回測定した吐出温度である前回値と前記現在値との変化値に応じて現在の前記所定基準時間を延長させ、弁開度補正の時期を遅らせて、吐出温度がある程度安定した時点で弁開度補正を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定基準時間毎に冷凍サイクルに関する温度特性値を測定し、この温度特性値の現在値と目標値との偏差に応じて電子膨張弁の弁開度補正量を求め、この弁開度補正量を用いて電子膨張弁の弁開度を補正制御することによって冷凍サイクル温度制御を行う冷凍サイクル制御装置において、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値に応じて現在の前記所定基準時間を延長させる制御手段を備えたことを特徴とする冷凍サイクル制御装置。 【請求項2】 所定基準時間毎に冷凍サイクルに関する温度特性値を測定し、この温度特性値の現在値と目標値との偏差に応じて電子膨張弁の弁開度補正量を求め、この弁開度補正量を用いて電子膨張弁の弁開度を補正制御することによって冷凍サイクル温度制御を行う冷凍サイクル制御装置において、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値が所定値以下の場合に前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする冷凍サイクル制御装置。 【請求項3】 前記制御手段は、前記温度特性値の現在値と目標値との偏差に対応させて前記所定値を変化させることを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル制御装置。 【請求項4】 前記制御手段は、前記変化値と前記偏差の正負の符号が同符号であるか否かを判定する判定手段を、さらに備え、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間毎に前記偏差に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載された冷凍サイクル制御装置。 【請求項5】 前記制御手段は、前記変化値と前記偏差の正負の符号が同符号であるか否かを判定する判定手段を、さらに備え、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間を短くし、一定の弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を強制的に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載された冷凍サイクル制御装置。 【請求項6】 前記制御手段は、前記変化値と前記偏差の正負の符号が同符号であるか否かを判定する判定手段を、さらに備え、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記変化値に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載された冷凍サイクル制御装置。 【請求項7】 前記温度特性値は、圧縮機吐出温度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載された冷凍サイクル制御装置。 【請求項8】 前記温度特性値は、凝縮温度と膨張前温度との温度差と、圧縮機吸入温度と蒸発温度との温度差とであり、前記電子膨張弁の弁開度の制御を行うことによって、冷媒の過冷却度制御および過熱度制御を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載された冷凍サイクル制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、所定基準時間毎に圧縮機吐出温度等の冷凍サイクルに関する温度特性値を測定し、この温度特性値の現在値と目標値との偏差に応じて電子膨張弁の弁開度補正量を求め、この弁開度補正量を用いて電子膨張弁の弁開度を補正制御することによって冷凍サイクル温度制御を行う空気調和機や冷凍機等の冷凍サイクル制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、空気調和機や冷凍機等の冷凍サイクル制御装置では、電子膨張弁の弁開度を制御して冷媒の温度を適正に制御して所望の冷凍能力で運転できるようにしている。図15は、従来の冷凍サイクル制御装置が適用される冷媒回路の構成を示す図である。図15において、この冷媒回路では、圧縮機1によって圧縮された冷媒は、圧縮機1の吐出側から四方弁2を介して、暖房時は室内熱交換器3Aに送られ、冷房時は室外熱交換器3Bに送られる。 【0003】暖房時において室内熱交換器3Aに送られた冷媒は、室内熱交換器3Aによって熱交換され、その後、電子膨張弁4によって膨張され、室外熱交換器3Bによって再び熱交換され、四方弁2を介して圧縮機1の吸入側に送られるという循環を繰り返す。一方、冷房時において、室外熱交換器3Bに送られた冷媒は、室外熱交換器3Bによって熱交換され、その後、電子膨張弁4によって膨張され、室内熱交換器3Aによって再び熱交換され、四方弁2を介して圧縮機1の吸入側に送られるという循環を繰り返す。 【0004】冷凍サイクル制御部11は、圧縮機1から吐出される冷媒の吐出温度を制御するため、吐出温度検出部21から吐出温度を取得し、この吐出温度をもとに弁開度補正部5によって電子膨張弁4の弁開度補正を行わせて、弁開度制御を行う。電子膨張弁4は、ステップモータ等によって駆動され、弁開度補正部5は、このステップモータ等の駆動補正を行う。冷凍サイクル制御部11は、電子膨張弁データベース12を有し、検出された圧縮機1の吐出温度の現在値Tdと吐出温度の目標値Tdoとの温度差に対応した弁開度補正値を弁開度補正部5に出力して電子膨張弁4の弁開度を補正し、これによって、吐出温度を制御する。 【0005】図16は、電子膨張弁データベース12の内容を示す図である。図16において、電子膨張弁データベース12には、吐出温度の現在値Tdと目標値Tdoとの温度差(Td−Tdo)の値に応じて区分された吐出温度補正バンド毎に、冷房時の補正開度と暖房時の補正開度とが対応づけられている。たとえば、吐出温度補正バンド「1」は、温度差(Td−Tdo)が−7(deg)以下であり、この時の冷房時および暖房時の補正開度は、ともに「−3」として電子膨張弁4の弁開度補正がなされることになる。また、冷凍サイクル制御部11は、一定時間である所定基準時間毎、たとえば2分毎に吐出温度を取得し、この所定基準時間毎に、弁開度補正を行っている。 【0006】このような従来の冷凍サイクル制御装置としては、たとえば特開平8−166169号公報に記載されており、この冷凍サイクル制御装置では、圧縮機の吐出温度を検出し、弁開度用吐出温度制御テーブルを用いて、上記と同様に電子膨張弁の弁開度制御を行っている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の冷凍サイクル制御装置では、図17に示すように圧縮機の吐出温度の現在値Tdが急激に変化した場合、常に所定基準時間毎に電子膨張弁の弁開度補正を行っていることから、吐出温度の目標値Tdoを超えてしまう場合が生じ、この場合さらに弁開度補正を行うことによって吐出温度の現在値が目標値Tdoを再び超えてしまう現象が起き、結局、制御のタイムラグ等によって吐出温度がふらついて吐出温度の安定化に時間がかかるという問題点があった。 【0008】この発明は上記に鑑みてなされたもので、圧縮機の吐出温度のふらつきをなくし、安定化を早めることができる冷凍サイクル制御装置を得ることを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、所定基準時間毎に冷凍サイクルに関する温度特性値を測定し、この温度特性値の現在値と目標値との偏差に応じて電子膨張弁の弁開度補正量を求め、この弁開度補正量を用いて電子膨張弁の弁開度を補正制御することによって冷凍サイクル温度制御を行う冷凍サイクル制御装置において、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値に応じて現在の前記所定基準時間を延長させる制御手段を備えたことを特徴とする。 【0010】この発明によれば、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値に応じて現在の前記所定基準時間を延長させ、電子膨張弁の弁開度の補正時期を遅らせて温度特性値が安定した時点で前記偏差に応じた弁開度補正を行うようにしている。 【0011】つぎの発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、所定基準時間毎に冷凍サイクルに関する温度特性値を測定し、この温度特性値の現在値と目標値との偏差に応じて電子膨張弁の弁開度補正量を求め、この弁開度補正量を用いて電子膨張弁の弁開度を補正制御することによって冷凍サイクル温度制御を行う冷凍サイクル制御装置において、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値が所定値以下の場合に前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする。 【0012】この発明によれば、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値が所定値以下の場合に前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行い、電子膨張弁の弁開度時期を実質的に遅らせて温度特性値が安定した時点で前記偏差に応じた弁開度補正を行うようにしている。 【0013】つぎの発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記温度特性値の現在値と目標値との偏差に対応させて前記所定値を変化させることを特徴とする。 【0014】この発明によれば、前記制御手段は、前記温度特性値の現在値と目標値との偏差に対応させて前記所定値を変化させて、きめの細かい効率的な弁開度補正を行うようにしている。 【0015】つぎの発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記変化値と前記偏差の正負の符号が同符号であるか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間毎に前記偏差に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行うことを特徴とする。 【0016】この発明によれば、温度変化の方向が目標値から遠ざかることに対応する場合である、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間毎に前記偏差に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行い、温度変化の方向が目標値に近づくことに対応する、異符号であると判定した場合には、実質的に所定基準時間の延長を許した弁開度補正を行う。 【0017】つぎの発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記変化値と前記偏差の正負の符号が同符号であるか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間を短くし、一定の弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を強制的に行うことを特徴とする。 【0018】この発明によれば、温度変化の方向が目標値から遠ざかることに対応する場合である、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間を短くし、一定の弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を強制的に行い、温度変化の方向が目標値に近づくことに対応する、異符号であると判定した場合には、実質的に所定基準時間の延長を許した弁開度補正を行う。 【0019】つぎの発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記変化値と前記偏差の正負の符号が同符号であるか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記変化値に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行うことを特徴とする。 【0020】この発明によれば、温度変化の方向が目標値から遠ざかることに対応する場合である、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記変化値に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行い、温度変化の方向が目標値に近づくことに対応する、異符号であると判定した場合には、実質的に所定基準時間の延長を許した弁開度補正を行う。 【0021】つぎの発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、上記の発明において、前記温度特性値は、圧縮機吐出温度であることを特徴とする。 【0022】この発明によれば、前記温度特性値を圧縮機吐出温度としている。 【0023】つぎの発明にかかる冷凍サイクル制御装置は、上記の発明において、前記温度特性値は、凝縮温度と膨張前温度との温度差と、圧縮機吸入温度と蒸発温度との温度差とであり、前記電子膨張弁の弁開度の制御を行うことによって、冷媒の過冷却度制御および過熱度制御を行うことを特徴とする。 【0024】この発明によれば、前記温度特性値を、凝縮温度と膨張前温度との温度差と、圧縮機吸入温度と蒸発温度との温度差とにし、前記電子膨張弁の弁開度の制御を行うことによって、冷媒の過冷却度制御および過熱度制御を行うようにしている。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この発明にかかる冷凍サイクル制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。 【0026】実施の形態1.まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1である冷凍サイクル装置を含む冷媒回路の構成を示すブロック図である。なお、図15に示す冷媒回路と同一構成部分については同一符号を付している。図1において、この冷媒回路では、圧縮機1によって圧縮された冷媒は、圧縮機1の吐出側から四方弁2を介して、暖房時は室内熱交換器3Aに送られ、冷房時は室外熱交換器3Bに送られる。 【0027】暖房時において室内熱交換器3Aに送られた冷媒は、室内熱交換器3Aによって熱交換され、その後、電子膨張弁4によって膨張され、室外熱交換器3Bによって再び熱交換され、四方弁2を介して圧縮機1の吸入側に送られるという循環を繰り返す。一方、冷房時において、室外熱交換器3Bに送られた冷媒は、室外熱交換器3Bによって熱交換され、その後、電子膨張弁4によって膨張され、室内熱交換器3Aによって再び熱交換され、四方弁2を介して圧縮機1の吸入側に送られるという循環を繰り返す。なお、実線矢印は、暖房時の冷媒の流れを示し、破線矢印は、冷房時の冷媒の流れを示している。 【0028】冷凍サイクル制御部11は、電子膨張弁データベース12、補正時期変更データベース13、および温度差・変化算出部14を有する。温度差・変化算出部14は、圧縮機1の吐出温度の現在値Tdを吐出温度検出部21から基本的に所定基準時間毎、たとえば2分毎に取得し、この現在値Tdと吐出温度の目標値Tdoとの温度差(Td−Tdo)を算出するとともに、前回、吐出温度検出部21から取得した前回値Tdiと現在値Tdi+1(Td)との温度変化値を算出する。 【0029】冷凍サイクル制御部11は、温度差・変化算出部14が算出した温度変化値を補正時期変更データベース13に送出し、算出された温度変化値に対応させて現在の所定基準時間を延長し、弁開度補正を見合わせる。図2は、補正時期変更データベース13の具体的内容を示す図である。図2に示す補正時期変更データベース13では、温度変化値ΔTdiを所定の範囲毎に7つに区分し、この区分された範囲毎に補正タイミング延長時間を設定している。 【0030】すなわち、図7に示す補正時期変更データベース13では、+5<ΔTdiのとき3分、+3<ΔTdi≦+5のとき2分、+1<ΔTdi≦+3のとき1分、−1<ΔTdi≦+1のとき0分、−3<ΔTdi≦−1のとき1分、−5<ΔTdi≦−3のとき2分、ΔTdi≦−5のとき4分のそれぞれ補正タイミング延長時間を所定基準時間に加算するようにしている。この場合、吐出温度の温度変化値が大きい程、つぎの弁開度補正の時期が長く設定されるようになっている。なお、−1<ΔTdi≦+1のときの補正タイミング延長時間は0分であるので所定基準時間は延長されないことになる。 【0031】冷凍サイクル制御部11は、補正時期変更データベース13によって延長された時間後に再度吐出温度Tdを取得し、温度差・変化算出部14によって温度差(Td−Tdo)を算出するとともに温度変化値ΔTdiを算出し、温度差(Td−Tdo)を図16に示したような電子膨張弁データベース12に送出し、温度差(Td−Tdo)の各吐出補正バンドに対応した弁開度補正値を獲得し、この弁開度補正値を弁開度補正部5に出力する。 【0032】なお、補正時期変更データベース13によって補正タイミング延長時間が0分である場合には、そのまま、このときの温度変化値ΔTdiが電子膨張弁データベース11に送出され、温度差(Td−Tdo)に応じた弁開度補正がなされる。また、一度延長された所定基準時間はさらに延長されず、延長後には必ず電子膨張弁データベース11によって得られた弁開度補正値によって弁開度補正がなされる。 【0033】ここで、図3のタイミングチャートを参照して、冷凍サイクル制御部11による弁開度補正制御について詳述する。図3においては、所定基準時間を2分として設定している。まず、時点ti+1で弁開度補正が行われる。この時の吐出温度の現在値はTdi+1である。その2分後の時点ti+2において吐出温度の現在値Tdi+2が検出され、温度差・変化算出部14は、温度変化値((Tdi+2)−(Tdi+1))を算出し、補正時期変更データベース13から、この温度変化値に対応する補正タイミング延長時間X分を得ると、時点ti+2においては弁開度補正を行わずに、所定基準時間をX分延長する。 【0034】そして、時点ti+1から(2+X)分後の時点tj+1において、吐出温度の現在値Tdj+1が検出され、温度差・変化算出部14は、温度変化値((Tdj+1)−(Tdi+1))を算出し、時点tj+1における現在値Tdj+1と目標値Tdoとの偏差に応じた弁開度補正値を電子膨張弁データベース12から取得して弁開度補正部5に出力する。 【0035】この実施の形態1によれば、吐出温度の現在値と前回値との温度変化値に応じて所定基準時間を延長するようにし、特に温度変化値が大きいときに所定基準時間の延長を長く設定し、吐出温度がある程度安定した時点で弁開度補正を行うようにしているので、温度変化が大きい場合における吐出温度のふらつきをなくし、吐出温度の安定を早めることができる。 【0036】実施の形態2.つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1では、吐出温度の現在値と前回値との温度変化値をもとに所定基準時間を延長して弁開度補正時期をずらすようにしているが、この実施の形態2では、各所定基準時間経過時に温度変化値をもとに弁開度補正を行うか否かを判定し、温度変化値が大きい場合に弁開度補正を行わないようにして吐出温度の安定化を図っている。 【0037】図4は、この発明の実施の形態2である冷凍サイクル制御装置を含む冷媒回路の構成を示すブロック図である。図4において、冷凍サイクル制御部11は、実施の形態1と同一構成の温度差・変化算出部14と電子膨張弁データベース12とを有するとともに、温度変化値をもとに弁開度補正を行うか否かを判定する実施判定部15を有している。その他の構成は、図1に示す冷媒回路と同一であり、同一構成部分については同一符号を付している。 【0038】冷凍サイクル制御部11の温度差・変化算出部14は、圧縮機1の吐出温度の現在値Tdを吐出温度検出部21から所定基準時間毎、たとえば2分毎に取得し、この現在値Tdと吐出温度の目標値Tdoとの温度差(Td−Tdo)を算出するとともに、前回、吐出温度検出部21から取得した前回値Tdiと現在値Tdi+1(Td)との温度変化値ΔTdiを算出する。 【0039】冷凍サイクル制御部11の実施判定部15は、温度差・変化算出部14が算出した温度変化値が、予め設定された基準値以下であるか否かを判定する。冷凍サイクル制御部11は、実施判定部15の判定結果が基準値以下でない場合には、弁開度補正を行わせず、基準値以下である場合には、この時に温度差・変化算出部14が算出した温度差(Td−Tdo)を、電子膨張弁データベース12に送出し、温度差(Td−Tdo)の各吐出補正バンドに対応した弁開度補正値を獲得し、この弁開度補正値を弁開度補正部5に出力することによって弁開度補正を行わせる。 【0040】ここで、図5のタイミングチャートを参照して、冷凍サイクル制御部11による弁開度補正制御について詳述する。図5においては、所定基準時間を2分として設定しているとともに、実施判定部15における基準値ΔTdiを「4」として設定している。まず、時点ti+1で弁開度補正が行われる。このときの吐出温度の現在値はTdi+1である。その2分後の時点ti+2において吐出温度の現在値Tdi+2が検出され、温度差・変化算出部14は、温度変化値ΔTdi=((Tdi+2)−(Tdi+1))=8を算出し、この温度変化値ΔTdi=8を実施判定部15に送出するが、実施判定部15は、ΔTdiが「4」以下でないため、弁開度補正を行わない。 【0041】つぎの2分後の時点ti+3において吐出温度の現在値Tdi+3が検出され、温度差・変化算出部14は、温度変化値ΔTdi=((Tdi+3)−(Tdi+2))=5を算出し、この温度変化値ΔTdi=5を実施判定部15に送出するが、実施判定部15は、ΔTdiが「4」以下でないため、弁開度補正を行わない。 【0042】つぎの2分後の時点ti+4において吐出温度の現在値Tdi+4が検出され、温度差・変化算出部14は、温度変化値ΔTdi=((Tdi+4)−(Tdi+3))=3を算出し、この温度変化値ΔTdi=3を実施判定部15に送出する。実施判定部15は、ΔTdiが「4」以下であるため、この時の温度差((Tdi+4)−Tdo)を電子膨張弁データベース12に送られ、この温度差に対応した弁開度補正値が弁開度補正部5に送出されて、電子膨張弁4の弁開度補正が行われる。これによって、温度変化値ΔTdiが基準値「4」を超える大きな値である場合には、弁開度補正が行われず、実質的に所定基準時間が2分単位で延長されることになる。 【0043】この実施の形態2によれば、吐出温度の現在値と前回値との温度変化値に応じて、温度変化値が大きい場合には、所定基準時間が実質的に所定基準時間単位で延長され、吐出温度がある程度安定した時点で弁開度補正が行われるので、実施の形態1と同様に温度変化が大きい場合における吐出温度のふらつきをなくし、吐出温度の安定を早めることができる。 【0044】実施の形態3.つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。実施の形態2では、実施判定部15が温度変化値が一律に基準値以下であるか否かを判定し、基準値を超える場合に弁開度補正を行わないようにして所定基準時間単位で所定基準時間を延長するようにしていたが、この実施の形態3では、基準値の値を吐出温度の現在値と前回値との温度差に対応させた複数の基準条件を持たせて、さらに詳細な弁開度補正を行うようにしている。 【0045】図6は、この発明の実施の形態3である冷凍サイクル制御装置を含む冷媒回路の構成を示すブロック図である。図6において、冷凍サイクル制御部11は、実施の形態1と同一構成の温度差・変化算出部14と電子膨張弁データベース12とを有するとともに、電子膨張弁データベース12で用いられた温度差の区分である吐出温度補正バンドに対応した複数の基準条件が設定された補正開始条件データベース16と、温度変化値が、この補正開始条件データベース16内の対応する基準条件を満たすか否かを判定する条件判定部17を有している。その他の構成は、図1に示す冷媒回路と同一であり、同一構成部分については同一符号を付している。 【0046】冷凍サイクル制御部11の温度差・変化算出部14は、圧縮機1の吐出温度の現在値Tdを吐出温度検出部21から所定基準時間毎、たとえば2分毎に取得し、この現在値Tdと吐出温度の目標値Tdoとの温度差(Td−Tdo)を算出するとともに、前回、吐出温度検出部21から取得した前回値Tdiと現在値Tdi+1(Td)との温度変化値ΔTdiを算出する。 【0047】冷凍サイクル制御部11の条件判定部17は、温度差・変化算出部14が算出した温度変化値ΔTdiが、予め設定された基準条件を満足するか否かを判定するが、この際、補正開始条件データベース16に格納された吐出温度補正バンド毎の基準条件を用いるため、温度差・変化算出部14が算出した温度差(Td−Tdo)を獲得し、この温度差(Td−Tdo)をもつ吐出温度補正バンドに対応する基準条件を取り出し、温度変化値ΔTdiがこの基準条件を満足するか否かを判定する。 【0048】この補正開始条件データベース16の具体的内容を図7に示す。図7において、この補正開始条件データベース16では、図16に示した電子膨張弁データベースの吐出温度補正バンドと同じ区分を用い、各吐出温度補正バンド毎に異なる補正開始条件である基準条件を設定している。すなわち、吐出温度補正バンドの「1」〜「7」に対して、それぞれΔTdi<8、ΔTdi<4、ΔTdi<2、ΔTdi<1、ΔTdi>−2、ΔTdi>−4、ΔTdi>−8として設定している。 【0049】たとえば、温度差(Td−Tdo)が−4(吐出温度補正バンド=2)で、温度変化値ΔTdiが3の場合には、基準条件ΔTdi<4を満足するので弁開度補正が行われ、温度差(Td−Tdo)が−4(吐出温度補正バンド=2)で、温度変化値ΔTdiが5の場合には、基準条件ΔTdi<4を満足しないので弁開度補正は行われない。 【0050】すなわち、冷凍サイクル制御部11は、条件判定部17の判定結果が基準条件を満足しない場合には、弁開度補正を行わせず、基準条件を満足する場合には、この時に温度差・変化算出部14が算出した温度差(Td−Tdo)を、電子膨張弁データベース12に送出し、温度差(Td−Tdo)の各吐出補正バンドに対応した弁開度補正値を獲得し、この弁開度補正値を弁開度補正部5に出力することによって弁開度補正を行わせる。 【0051】ここで、図8のタイミングチャートを参照して、冷凍サイクル制御部11による弁開度補正制御について説明する。図8においては、所定基準時間を2分として設定している。まず、時点tiで弁開度補正が行われる。このときの吐出温度の現在値はTdiである。その2分後の時点ti+1において吐出温度の現在値Tdi+1が検出され、温度差・変化算出部14は、温度変化値ΔTdi=((Tdi+1)−Tdi)を算出するとともに、温度差(Tdi−Tdo)を算出して、条件判定部17に送る。条件判定部17は、この温度差(Tdi−Tdo)に対応する基準条件を補正開始条件データベース16から取得し、このときの温度変化値ΔTdiが基準条件を満足するか否かを判定する。 【0052】図8においては、基準条件を満足していないと判定して弁開度補正を行わせない。また、時点ti+2においても、基準条件を満足しないとして判定されて弁開度補正を行わせない。つぎの時点ti+3では、基準条件を満足すると判定されて弁開度補正を行っている。これによって、温度変化値が基準条件を満足しない大きな値である場合には、弁開度補正が行われず、実質的に所定基準時間が2分単位で延長されることになる。 【0053】この実施の形態3によれば、温度変化値が、吐出温度の温度差に応じた基準条件を満足しない程、大きい値である場合には、所定基準時間が実質的に所定基準時間単位で延長され、吐出温度がある程度安定した時点で弁開度補正が行われるので、実施の形態2と同様に温度変化が大きい場合における吐出温度のふらつきをなくし、吐出温度の安定を早めることができるとともに、基準条件が温度差に対応して設けられているので、きめの細かい弁開度制御を行うことができる。 【0054】実施の形態4.つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。実施の形態1〜3では、いずれも、圧縮機1の吐出温度が急激な外乱等によって吐出温度が目標値を超えてしまった場合においても、すなわち、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が同符号の場合においても、安定的な温度制御を行うべく所定基準時間を延長するようにしているが、実施の形態4では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が異符号の場合、吐出温度は順調に目標値に向かっているため、実施の形態1〜3を適用し、同符号の場合には所定基準時間を変えず、各所定基準時間毎に温度差(Td−Tdo)のみに対応した弁開度補正を行って迅速に目標値に近づけるようにしている。 【0055】図9は、この発明の実施の形態4である冷凍サイクル制御装置を含む冷媒回路の構成を示すブロック図である。図9において、冷凍サイクル制御部11は、実施の形態1と同一構成の温度差・変化算出部14と補正時期変更データベース13と電子膨張弁データベース12とを有するとともに、上述した温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が異符号か同符号かを判定する温度方向判定部18を有している。その他の構成は、図1に示す冷媒回路と同一であり、同一構成部分については同一符号を付している。 【0056】冷凍サイクル制御部11の温度差・変化算出部14は、圧縮機1の吐出温度の現在値Tdを吐出温度検出部21から所定基準時間毎、たとえば2分毎に取得し、この現在値Tdと吐出温度の目標値Tdoとの温度差(Td−Tdo)を算出するとともに、前回、吐出温度検出部21から取得した前回値Tdiと現在値Tdi+1(Td)との温度変化値ΔTdiを算出する。 【0057】冷凍サイクル制御部11の温度方向判定部17は、温度差・変化算出部14が算出した温度変化値ΔTdiの正負の符号と、温度差(Td−Tdo)の正負の符号とが同符号である否かを判定する。同符号である場合には、図10(c)に示すように、吐出温度は目標値から遠ざかる方向に向かうため、冷凍サイクル制御部11は、補正時期変更データベース13を用いた所定基準時間の延長をすることなく、電子膨張弁データベース12のみによって、一定の所定基準時間毎に、温度差(Td−Tdo)に対応する弁開度制御値を獲得し、この弁開度制御値によって弁開度補正を行い、迅速に吐出温度の目標値Tdoに向かわせる。 【0058】一方、温度方向判定部17が同符号でないと判定した場合には、図10(d)に示すように、吐出温度は目標値に近づく方向に向かうため、補正時期変更データベース13を用いた所定基準時間の延長を可能として、この所定基準時間の延長を行った後に、電子膨張弁データベース12を用いて温度差(Td−Tdo)に対応する弁開度補正値を取得し、この弁開度補正値によって弁開度補正を行わせ、吐出温度の安定化を図る。なお、温度変化値ΔTdiあるいは温度差(Td−Tdo)の符号が0である場合には、どちらかの符号に属させるようにする。 【0059】これによって、実施の形態4では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)とが同符号の場合には、迅速に吐出温度の目標値に近づけることができるとともに、異符号の場合には、実施の形態1のように所定基準時間の延長を可能として、吐出温度の安定化を早めることができる。 【0060】なお、上述した実施の形態4では、実施の形態1に対応する実施の形態として説明したが、これに限らず、実施の形態2、3に対応する実施の形態としてもよい。実施の形態2、3のいずれの場合においても、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の符号が異符号の場合にのみに当該実施の形態2、3による所定基準時間の実質的延長を行わせるようにすればよい。 【0061】実施の形態5.つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。実施の形態4では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が同符号の場合に所定基準時間の延長を許さずに迅速に吐出温度が目標値に近づくようにしているが、この実施の形態5では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が同符号の場合に強制的に一定の弁開度補正量に設定するとともに、所定基準時間を短縮する設定を行って弁開度補正を行うようにしている。 【0062】図11は、この発明の実施の形態5である冷凍サイクル制御装置を含む冷媒回路の構成を示すブロック図である。図11において、冷凍サイクル制御部11は、実施の形態1と同一構成の温度差・変化算出部14と補正時期変更データベース13と電子膨張弁データベース12とを有するとともに、上述した温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が異符号か同符号かを判定する温度方向判定部18と、この正負の符号が同符号の場合に、強制的に一定の弁開度補正量に設定し、かつ所定基準時間を短縮させる設定を行い、この設定された一定の弁開度補正量による弁開度補正を、短縮された所定基準時間毎に行う強制補正部19とを有している。その他の構成は、図1に示す冷媒回路と同一であり、同一構成部分については同一符号を付している。 【0063】冷凍サイクル制御部11の温度差・変化算出部14は、所定基準時間毎、または強制補正部19によって短縮設定された場合には、この短縮された所定基準時間後に、圧縮機1の吐出温度の現在値Tdを吐出温度検出部21から取得し、この現在値Tdと吐出温度の目標値Tdoとの温度差(Td−Tdo)を算出するとともに、前回、吐出温度検出部21から取得した前回値Tdiと現在値Tdi+1(Td)との温度変化値ΔTdiを算出する。 【0064】冷凍サイクル制御部11の温度方向判定部17は、温度差・変化算出部14が算出した温度変化値ΔTdiの正負の符号と、温度差(Td−Tdo)の正負の符号とが同符号である否かを判定する。同符号である場合には、図10(c)に示すように、吐出温度は目標値から遠ざかる方向に向かうため、冷凍サイクル制御部11は、強制制御部19によって予め設定されている一定の弁開度補正量によって弁開度補正を行わせるとともに、つぎの所定基準時間を短縮設定して、吐出温度を目標値に迅速に近づけさせる。 【0065】一方、温度方向判定部17が同符号でないと判定した場合には、図10(d)に示すように、吐出温度は目標値に近づく方向に向かうため、補正時期変更データベース13を用いた所定基準時間の延長を可能として、電子膨張弁データベース12を用いた温度差(Td−Tdo)に対応した弁開度補正量によって弁開度補正を行い、吐出温度の安定化を図る。なお、温度変化値ΔTdiあるいは温度差(Td−Tdo)の符号が0である場合には、どちらかの符号に属させるようにする。 【0066】この実施の形態5では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)とが同符号の場合には、迅速に吐出温度の目標値に近づけることができるとともに、異符号の場合には、実施の形態1のように所定基準時間の延長を可能として、吐出温度の安定化を早めることができる。 【0067】なお、上述した実施の形態5では、実施の形態1に対応する実施の形態として説明したが、これに限らず、実施の形態2、3に対応する実施の形態としてもよい。実施の形態2、3のいずれの場合においても、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の符号が異符号の場合にのみに当該実施の形態2、3による所定基準時間の実質的延長を行わせるようにすればよい。 【0068】実施の形態6.つぎに、この発明の実施の形態6について説明する。実施の形態4では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が同符号の場合に所定基準時間の延長を許さずに迅速に吐出温度が目標値に近づくようにしているが、この実施の形態6では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が同符号の場合に、温度変化値ΔTdiに対応した弁開度補正量によって直接弁開度補正を行うようにしている。 【0069】図12は、この発明の実施の形態6である冷凍サイクル制御装置を含む冷媒回路の構成を示すブロック図である。図12において、冷凍サイクル制御部11は、実施の形態1と同一構成の温度差・変化算出部14と補正時期変更データベース13と電子膨張弁データベース12とを有するとともに、上述した温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の正負の符号が異符号か同符号かを判定する温度方向判定部18と、この正負の符号が同符号の場合に用いられ、温度変化値ΔTdiに対応した弁開度補正量を保持した電子膨張弁データベース20とを有している。その他の構成は、図1に示す冷媒回路と同一であり、同一構成部分については同一符号を付している。 【0070】冷凍サイクル制御部11の温度差・変化算出部14は、所定基準時間毎、圧縮機1の吐出温度の現在値Tdを吐出温度検出部21から取得し、この現在値Tdと吐出温度の目標値Tdoとの温度差(Td−Tdo)を算出するとともに、前回、吐出温度検出部21から取得した前回値Tdiと現在値Tdi+1(Td)との温度変化値ΔTdiを算出する。 【0071】冷凍サイクル制御部11の温度方向判定部17は、温度差・変化算出部14が算出した温度変化値ΔTdiの正負の符号と、温度差(Td−Tdo)の正負の符号とが同符号である否かを判定する。同符号である場合には、図10(c)に示すように、吐出温度は目標値から遠ざかる方向に向かうため、冷凍サイクル制御部11は、電子膨張弁データベース20に保持された、温度変化値ΔTdiの絶対値によって区分され、かつ正の同符号と負の同符号とに区分された弁開度補正量の対応関係をもとに弁開度補正を行わせる。 【0072】図13は、電子膨張弁データベース20の具体的内容を示す図である。図13において、温度変化値ΔTdiは、その絶対値によってまず、3つに区分され、各区分には、さらに正の同符号の場合と負の同符号の場合とに区分される。すなわち、4<|ΔTdi|で、(Td−Tdo)>0のとき+4の補正を行い、(Td−Tdo)<0のとき−3の補正を行う。 【0073】2<|ΔTdi|≦4で、(Td−Tdo)>0のとき+2の補正を行い、(Td−Tdo)<0のとき−2の補正を行う。0≦|ΔTdi|≦2で、(Td−Tdo)>0のとき+1の補正を行い、(Td−Tdo)<0のとき−1の補正を行う。これにより、温度変化値ΔTdiの絶対値が大きい程、すなわち遠ざかる方向であればあるほど、弁開度補正量が大きくなり、吐出温度の目標値に迅速に向かわせることになる。 【0074】一方、温度方向判定部17が同符号でないと判定した場合には、図10(d)に示すように、吐出温度は目標値に近づく方向に向かうため、補正時期変更データベース13を用いた所定基準時間の延長を可能として、電子膨張弁データベース12を用いた温度差(Td−Tdo)に対応した弁開度補正量によって弁開度補正を行い、吐出温度の安定化を図る。なお、温度変化値ΔTdiあるいは温度差(Td−Tdo)の符号が0である場合には、どちらかの符号に属させるようにする。 【0075】この実施の形態6では、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)とが同符号の場合には、吐出温度が目標値から遠ざかる方向に向かうときほど、迅速に吐出温度の目標値に近づけることができるとともに、異符号の場合には、実施の形態1のように所定基準時間の延長を可能として、吐出温度の安定化を早めることができる。 【0076】なお、上述した実施の形態6では、実施の形態1に対応する実施の形態として説明したが、これに限らず、実施の形態2、3に対応する実施の形態としてもよい。実施の形態2、3のいずれの場合においても、温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)の符号が異符号の場合にのみに当該実施の形態2、3による所定基準時間の実質的延長を行わせるようにすればよい。 【0077】実施の形態7.つぎに、この発明の実施の形態7について説明する。実施の形態1〜6では、いずれも、吐出温度検出部21によって検出された吐出温度をもとに温度変化値ΔTdiと温度差(Td−Tdo)を求めて弁開度補正を行っていたが、この実施の形態7では、吐出温度検出部21が検出する吐出温度以外の温度特性値によって弁開度補正するものであり、結果的に冷媒の過冷却制御あるいは過熱制御を行うものである。 【0078】図14は、この発明の実施の形態7である冷凍サイクル制御装置を含む冷媒回路の構成を示すブロック図である。図14において、吸入温度検出部22は、圧縮機1に吸入される冷媒の温度を検出する。温度検出部23Aは、室内熱交換器3B内に設けられ、冷房時には、凝縮温度を検出し、暖房時には、蒸発温度を検出する。温度検出部24Aは、室外熱交換器3A内に設けられ、冷房時には、蒸発温度を検出し、暖房時には、凝縮温度を検出する。温度検出部23Bは、電子膨張弁4の室外熱交換器3B側に設けられ、冷房時における膨張前の温度を検出する。温度検出部24Bは、電子膨張弁4の室内熱交換器3A側に設けられ、暖房時における膨張前の温度を検出する。 【0079】温度差・変化算出部14Aは、温度差・変化算出部14に対応し、所定基準時間毎に、冷房時には、冷媒の過冷却度制御を行うために、温度検出部23Aの凝縮温度と温度検出部23Bの膨張前の温度との温度差と、この温度差の変化値とを求め、冷媒の過熱度制御を行うために、吸入温度検出部22の吸入温度と温度検出部24Aの蒸発温度との温度差と、この温度差との変化値とを求める。 【0080】また、温度差・変化算出部14Aは、所定基準時間毎に、暖房時には、冷媒の過冷却度制御を行うために、温度検出部24Aの凝縮温度と温度検出部24Bの膨張前の温度との温度差と、この温度差の変化値とを求め、冷媒の過熱度制御を行うために、吸入温度検出部22の吸入温度と温度検出部23Aの蒸発温度と、この温度差の変化値とを求める。 【0081】補正時期変更データベース13Aは、補正時期変更データベース13に対応し、温度差・変化算出部14Aが算出した変化値とこの変化値に対応した補正タイミング延長時間との関係が格納している。また、電子膨張弁データベース12Aは、電子膨張弁データベース12に対応し、現在温度差と目標温度差との偏差に対応した弁開度補正量が格納されている。冷凍サイクル制御部11Aは、補正時期変更データベース13Aに従って、所定基準時間を延長し、この延長された所定基準時間後に、電子膨張弁データベース12Aから取得される弁開度補正量を弁開度補正部5に送出し、これによって電子膨張弁4の弁開度を制御し、結果として、冷媒の過冷却度制御および過熱度制御を安定的に行う。 【0082】この実施の形態7によれば、凝縮温度と膨張前の温度との温度差およびこの温度差の変化値、圧縮機吸入温度と蒸発温度との温度差およびこの温度差の変化値とから、電子膨張弁4の弁開度制御を行う際、所定基準時間を変化させて行うようにしているので、冷媒の過冷却度制御および過熱度制御の安定を早めることができる。 【0083】なお、上述した実施の形態7では、実施の形態1に対応する実施の形態として説明したが、これに限らず、実施の形態2〜6に対応する実施の形態としてもよい。実施の形態2〜6のいずれの場合においても、温度差を、検出された温度差と目標温度差との偏差とし、温度変化値を、検出された温度差の変化値とすればよい。 【0084】さらに、上述した実施の形態7において、凝縮温度、蒸発温度、室内熱交換器を通過した直後の風の温度、室内温度等の温度特性値自体の温度を検出して弁開度制御を行い、これらの温度制御を行うようにしてもよい。この場合、これらの温度を検出し、この温度差と温度変化値とをもとに上述したような温度制御を行うようにすればよい。 【0085】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値に応じて現在の前記所定基準時間を延長させ、電子膨張弁の弁開度の補正時期を遅らせて温度特性値が安定した時点で前記偏差に応じた弁開度補正を行うようにしているので、吐出温度の安定を早めることができるという効果を奏する。 【0086】つぎの発明によれば、前回測定した温度特性値である前回値と前記現在値との変化値が所定値以下の場合に前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行い、電子膨張弁の弁開度時期を実質的に遅らせて温度特性値が安定した時点で前記偏差に応じた弁開度補正を行うようにしているので、吐出温度の安定を早めることができるという効果を奏する。 【0087】つぎの発明によれば、前記制御手段は、前記温度特性値の現在値と目標値との偏差に対応させて前記所定値を変化させて、きめの細かい効率的な弁開度補正を行うようにしているので、効率的に吐出温度の安定を早めることができるという効果を奏する。 【0088】つぎの発明によれば、温度変化の方向が目標値から遠ざかることに対応する場合である、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間毎に前記偏差に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行い、温度変化の方向が目標値に近づくことに対応する、異符号であると判定した場合には、実質的に所定基準時間の延長を許した弁開度補正を行うようにしているので、吐出温度の安定を早めることができるとともに、吐出温度が目標値から遠ざかる方向に向かう場合でも、吐出温度を迅速に目標値に近づけることができるという効果を奏する。 【0089】つぎの発明によれば、温度変化の方向が目標値から遠ざかることに対応する場合である、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記所定基準時間を短くし、一定の弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を強制的に行い、温度変化の方向が目標値に近づくことに対応する、異符号であると判定した場合には、実質的に所定基準時間の延長を許した弁開度補正を行うようにしているので、吐出温度の安定を早めることができるとともに、吐出温度が目標値から遠ざかる方向に向かう場合でも、吐出温度を迅速に目標値に近づけることができるという効果を奏する。 【0090】つぎの発明によれば、温度変化の方向が目標値から遠ざかることに対応する場合である、前記判定手段が同符号であると判定した場合、前記変化値に応じた弁開度補正量によって前記電子膨張弁の弁開度の補正制御を行い、温度変化の方向が目標値に近づくことに対応する、異符号であると判定した場合には、実質的に所定基準時間の延長を許した弁開度補正を行うようにしているので、吐出温度の安定を早めることができるとともに、吐出温度が目標値から遠ざかる方向に向かう場合でも、吐出温度を迅速に目標値に近づけることができるという効果を奏する。 【0091】つぎの発明によれば、前記温度特性値を圧縮機吐出温度としている。これにより、具体的な圧縮機吐出温度制御時における吐出温度の安定を早めることができるという効果を奏する。 【0092】つぎの発明によれば、前記温度特性値を、凝縮温度と膨張前温度との温度差と、圧縮機吸入温度と蒸発温度との温度差とにし、前記電子膨張弁の弁開度の制御を行うことによって、冷媒の過冷却度制御および過熱度制御を行うようにしている。これにより、具体的に冷媒の過冷却度制御および過熱度制御の安定を早めることができるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月6日(1999.4.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089118 【弁理士】 【氏名又は名称】酒井 宏明
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| 【公開番号】 |
特開2000−292012(P2000−292012A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−99446 |
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