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【発明の名称】 空気調和装置の施工方法
【発明者】 【氏名】沼本 浩直

【氏名】佐藤 成広

【氏名】茂木 仁

【氏名】渡邊 幸男

【氏名】武内 裕幸

【氏名】中角 英二

【要約】 【課題】環境への影響を考慮し、簡易な空気調和装置の施工方法を提供すること。

【解決手段】圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を炭酸ガスと置換し、その後前記炭酸ガスを、ゼオライトを有するトラップ装置にて捕集し、前記炭酸ガスの捕集後に、前記室外機内の冷媒ガスを前記室内熱交換器内や前記接続配管内に充填する空気調和装置の施工方法であって、前記室内熱交換器内や前記接続配管内を炭酸ガスで置換した時、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の圧力を正圧状態とする空気調和装置の施工方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を炭酸ガスと置換し、その後前記炭酸ガスを、ゼオライトを有するトラップ装置にて捕集し、前記炭酸ガスの捕集後に、前記室外機内の冷媒ガスを前記室内熱交換器内や前記接続配管内に充填する空気調和装置の施工方法であって、前記室内熱交換器内や前記接続配管内を炭酸ガスで置換した時、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の圧力を正圧状態とすることを特徴とする空気調和装置の施工方法。
【請求項2】 圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を炭酸ガスと置換し、その後前記炭酸ガスを、ゼオライトを有するトラップ装置にて捕集し、前記炭酸ガスの捕集後に、前記室外機内の冷媒ガスを前記室内熱交換器内や前記接続配管内に充填する空気調和装置の施工方法であって、前記室内熱交換器内や前記接続配管内を炭酸ガスで置換した時、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の圧力を、前記トラップ装置内圧力よりも高い圧力状態とすることを特徴とする空気調和装置の施工方法。
【請求項3】 前記トラップ装置として、ゼオライトを主体とする被覆層を担体に形成した構造体を内部に備えたトラップ装置を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法。
【請求項4】 前記トラップ装置として、室内機側配管及び接続配管の内容積1リットルに対して60g以上のゼオライトを有するトラップ装置を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法。
【請求項5】 ゼオライトを主体とする被覆層を、担体に形成した構造体を内部に備えたことを特徴とする空気調和装置の施工用トラップ装置。
【請求項6】 前記構造体が、ハニカム構造体、又はコルゲート構造体であることを特徴とする請求項5に記載の空気調和装置の施工用トラップ装置。
【請求項7】 奥側よりも入口側が大きな流路空間を形成するようにゼオライトを充填したことを特徴とする空気調和装置の施工用トラップ装置。
【請求項8】 中空の円筒状ゼオライトを用いたことを特徴とする空気調和装置の施工用トラップ装置。
【請求項9】 奥側よりも入口側に表面積の大きなゼオライトを充填したことを特徴とする空気調和装置の施工用トラップ装置。
【請求項10】 球状又は円柱状のゼオライトを用い、奥側よりも入口側に径又は長さ寸法の大きなゼオライトを充填したことを特徴とする空気調和装置の施工用トラップ装置。
【請求項11】 内部圧力を1mmHg以下の負圧状態としたことを特徴とする請求項5から請求項10のいずれかに記載の空気調和装置の施工用トラップ装置。
【請求項12】 請求項5から請求項10に記載の空気調和装置の施工用トラップ装置を用いて、室内熱交換器内や接続配管内の空気と置換した炭酸ガスを捕集することを特徴とする空気調和装置の施工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接続配管にて室内機と室外機を接続する空気調和装置の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気調和装置の施工方法は、室外機側にエアパージ用として冷媒ガスを規定量よりも余分に充填し、その冷媒ガスを利用して液側2方弁から接続配管と室内機内部の空気をパージし、ガス側3方弁のサービスボートと呼ばれるバルブより冷媒ガスを大気放出することで行っていた。また、ガス側3方弁のサービスボートと呼ばれるバルブより、真空ポンプを使用して接続配管と室内機内部を十分に減圧状態にした後に、液側2方弁から冷媒ガスを接続配管と室内機内に導入することによって行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年のオゾン層の破壊や、地球温暖化など、環境に対する規制の高揚により、空機調和装置の施工時に、オゾン層破壊係数や地球温暖化係数の高い冷媒ガスを大気放出することは問題となっている。大気に放出しない施工方法として、真空ポンプを使用した施工方法を指導しているが、たとえば屋根上等の設置場所の悪い条件では、真空ポンプを利用することは困難である。また、真空ポンプを使用した施工方法は、室外機の冷媒ガスを使用して冷媒ガスを大気に放出する方法に比べて、施工に時間がかかっていた。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を鑑みて、環境への影響を考慮し、簡易な空気調和装置の施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の空気調和装置の施工方法は、圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を炭酸ガスと置換し、その後前記炭酸ガスを、ゼオライトを有するトラップ装置にて捕集し、前記炭酸ガスの捕集後に、前記室外機内の冷媒ガスを前記室内熱交換器内や前記接続配管内に充填する空気調和装置の施工方法であって、前記室内熱交換器内や前記接続配管内を炭酸ガスで置換した時、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の圧力を正圧状態とすることを特徴とする。請求項2記載の本発明の空気調和装置の施工方法は、圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を炭酸ガスと置換し、その後前記炭酸ガスを、ゼオライトを有するトラップ装置にて捕集し、前記炭酸ガスの捕集後に、前記室外機内の冷媒ガスを前記室内熱交換器内や前記接続配管内に充填する空気調和装置の施工方法であって、前記室内熱交換器内や前記接続配管内を炭酸ガスで置換した時、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の圧力を、前記トラップ装置内圧力よりも高い圧力状態とすることを特徴とする。請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法において、前記トラップ装置として、ゼオライトを主体とする被覆層を担体に形成した構造体を内部に備えたトラップ装置を用いることを特徴とする。請求項4記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法において、前記トラップ装置として、室内機側配管及び接続配管の内容積1リットルに対して60g以上のゼオライトを有するトラップ装置を用いることを特徴とする。請求項5記載の本発明の空気調和装置の施工用トラップ装置は、ゼオライトを主体とする被覆層を、担体に形成した構造体を内部に備えたことを特徴とする。請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の空気調和装置の施工用トラップ装置において、前記構造体が、ハニカム構造体、又はコルゲート構造体であることを特徴とする。請求項7記載の本発明の空気調和装置の施工用トラップ装置は、奥側よりも入口側が大きな流路空間を形成するようにゼオライトを充填したことを特徴とする。請求項8記載の本発明の空気調和装置の施工用トラップ装置は、中空の円筒状ゼオライトを用いたことを特徴とする。請求項9記載の本発明の空気調和装置の施工用トラップ装置は、奥側よりも入口側に表面積の大きなゼオライトを充填したことを特徴とする。請求項10記載の本発明の空気調和装置の施工用トラップ装置は、球状又は円柱状のゼオライトを用い、奥側よりも入口側に径又は長さ寸法の大きなゼオライトを充填したことを特徴とする。請求項11記載の本発明は、請求項5から請求項10のいずれかに記載の空気調和装置の施工用トラップ装置において、内部圧力を1mmHg以下の負圧状態としたことを特徴とする。請求項12記載の本発明の空気調和装置の施工方法は、請求項5から請求項10に記載の空気調和装置の施工用トラップ装置を用いて、室内熱交換器内や接続配管内の空気と置換した炭酸ガスを捕集することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による空気調和装置の施工方法は、室内熱交換器内や接続配管内を炭酸ガスで置換した時、室内熱交換器内や接続配管内の圧力を正圧状態とするものである。本実施の形態によれば、空気を炭酸ガスで置換する時、内部を正圧状態に保持することによって、次にトラップ装置と連通した時に、内部の正圧状態が気体対流のトリガーとなり、トラップ装置内部にあるゼオライトに素早く吸着して炭酸ガスを迅速に捕集することができる。
【0007】本発明の第2の実施の形態による空気調和装置の施工方法は、室内熱交換器内や接続配管内を炭酸ガスで置換した時、室内熱交換器内や接続配管内の圧力を、トラップ装置内圧力よりも高い圧力状態とするものである。本実施の形態によれば、空気を炭酸ガスで置換する時、内部をトラップ装置内圧力よりも高い圧力状態に保持することによって、次にトラップ装置と連通した時に、内部の正圧状態が気体対流のトリガーとなり、トラップ装置内部にあるゼオライトに素早く吸着して炭酸ガスを迅速に捕集することができる。
【0008】本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態における空気調和装置の施工方法において、トラップ装置として、ゼオライトを主体とする被覆層を担体に形成した構造体を内部に備えたトラップ装置を用いるものである。本実施の形態によれば、構造体の表面にゼオライトが存在するので、炭酸ガスとの接触面積を大きく設計することができ、炭酸ガスを迅速に捕集することができる。
【0009】本発明の第4の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態における空気調和装置の施工方法において、トラップ装置として、室内機側配管及び接続配管の内容積1リットルに対して60g以上のゼオライトを有するトラップ装置を用いるものである。本実施の形態によれば、接続配管および室内機の内容積を考慮してゼオライトの重量を設定することで、充分な速度で炭酸ガスを捕集することができる。
【0010】本発明の第5の実施の形態による空気調和装置の施工用トラップ装置は、ゼオライトを主体とする被覆層を、担体に形成した構造体を内部に備えたものである。本実施の形態によれば、構造体の表面にゼオライトが存在するので、炭酸ガスとの接触面積を大きく設計することができる。
【0011】本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態における空気調和装置の施工用トラップ装置方法において、構造体が、ハニカム構造体、又はコルゲート構造体である。本実施の形態によれば、炭酸ガスとの接触面積を大きく設計でき、炭酸ガスの捕集速度を速めることができる。
【0012】本発明の第7の実施の形態による空気調和装置の施工用トラップ装置は、奥側よりも入口側が大きな流路空間を形成するようにゼオライトを充填したものである。本実施の形態によれば、奥側よりも入口側が大きな流路空間を形成することで、トラップ装置内での炭酸ガスの拡散をスムーズに進行させることができる。
【0013】本発明の第8の実施の形態による空気調和装置の施工用トラップ装置は、中空の円筒状ゼオライトを用いたものである。本実施の形態によれば、中空の円筒状ゼオライトを用いることで、炭酸ガス拡散に必要な流路が充分に確保でき、炭酸ガストラップのスピードを促進することができる。
【0014】本発明の第9の実施の形態による空気調和装置の施工用トラップ装置は、奥側よりも入口側に表面積の大きなゼオライトを充填したものである。本実施の形態によれば、奥側よりも入口側に表面積の大きなゼオライトを充填したことで、トラップ装置内での炭酸ガスの拡散をスムーズに進行させることができる。
【0015】本発明の第10の実施の形態による空気調和装置の施工用トラップ装置は、球状又は円柱状のゼオライトを用い、奥側よりも入口側に径又は長さ寸法の大きなゼオライトを充填したものである。本実施の形態によれば、球状又は円柱状のゼオライトを用いることで、炭酸ガス拡散に必要な流路が充分に確保でき、奥側よりも入口側に表面積の大きなゼオライトを充填したことで、トラップ装置内での炭酸ガスの拡散をスムーズに進行させることができる。
【0016】本発明の第11の実施の形態は、第5から第10の実施の形態における空気調和装置の施工用トラップ装置において、内部圧力を1mmHg以下の負圧状態としたものである。本実施の形態によれば、空気を炭酸ガスで置換する時、トラップ装置内部が負圧状態であるので、この負圧状態が気体対流のトリガーとなり、トラップ装置内部にあるゼオライトに素早く吸着して炭酸ガスを迅速に捕集することができる。
【0017】本発明の第12の実施の形態による空気調和装置の施工方法は、第5から第10の実施の形態における空気調和装置の施工用トラップ装置を用いて、室内熱交換器内や接続配管内の空気と置換した炭酸ガスを捕集するものである。本実施の形態によれば、炭酸ガスを迅速に捕集することができ、施工を容易に行うことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1及び図2は、同実施例に用いる空気調和装置の冷凍サイクルの構成図であり、図1は炭酸ガスボンベを接続した状態を示し、図2はトラップ装置を接続した状態を示している。まず、図1及び図2を用いて空気調和装置を構成する冷凍サイクルの全体構成について説明する。冷凍サイクルは、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5、室内熱交換器6によって構成されている。圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5は、室外機Aに配設され、室内熱交換器6は、室外機Bに配設されている。室外機Aには、液側2方弁7とガス側3方弁8が設けられている。室外機Aと室内機Bとを接続する接続配管9,10は、それぞれ液側2方弁7とガス側3方弁8を用いて接続されている。液側2方弁7は、ネジ部7aを有しており、このネジ部7aを開くことで室外機A側の配管と接続配管7とを連通する。また、ガス側3方弁8は、ネジ部8aとサービスポート8bを有しており、このネジ部8aを開くことで室外機A側の配管と接続配管10とを連通する。サービスポート部8bには、図1に示すように、治具12を用いて炭酸ガスボンベ11を接続することができ、また図2に示すように、治具14を用いてトラップ装置13を接続することができる。これら炭酸ガスボンベ11やトラップ装置13は、治具12,14に接続することで、接続配管10と連通することができる。
【0019】次に、図3から図7を用いて、本発明に用いることのできるトラップ装置の実施例について説明する。図3は、第1の実施例によるトラップ装置の概略構成図である。トラップ装置13Aは、その内部に球状体からなるゼオライト15A、15Bを充填している。ゼオライト15Aは、6〜8メッシュ径のゼオライト、ゼオライト15Bは、4〜6メッシュ径のゼオライトである。また、トラップ装置13Aの内部には、入口Cとゼオライト15Aとを分離するバッフル16を備えており、ゼオライト15A、15Bを固定保持している。このバッフル16は、ゼオライト15A、15Bを通過させない大きさの孔を有している。本実施例では、バッフル16の開口率を60%に設定している。同図に示すように、本実施例によるトラップ装置13Aは、径の大きなゼオライト15Aを入口C側に充填し、奥側には径の小さなゼオライト15Bを充填している。このようにトラップ装置13Aの入口C側に、径の大きなゼオライト15Aを充填することで、奥側よりも入口C側が大きな流路空間を形成することができる。なお、本実施例では、ゼオライト15A、15Bは、総量で100g充填した。
【0020】図4は、第2の実施例によるトラップ装置の概略構成図である。トラップ装置13Bは、その内部に中空の円筒状体からなるゼオライト15Cを充填している。ゼオライト15Cは、φ5×7mm、肉厚2mmのゼオライトである。また、トラップ装置13Bの内部には、第1の実施例と同様に、入口Cとゼオライト15Cとを分離するバッフル16を備えており、ゼオライト15Cを固定保持している。本実施例においても、バッフル16の開口率を60%に設定している。同図に示すように、本実施例によるトラップ装置13Bは、中空の円筒状体からなるゼオライト15Aを充填することで、流路空間を拡大することができるとともに、接触面積を大きくすることができる。なお、本実施例では、ゼオライト15Cは、総量で100g充填した。
【0021】図5から図7は、第3の実施例によるトラップ装置である。図5は同実施例に用いるトラップ装置の概略構成図、図6は図5におけるA−A線断面図、図7は図6における内部構造体を示す要部拡大断面図である。トラップ装置13Cは、その内部にハニカム構造体17を備えている。このハニカム構造体17は、400セル/inch、70φ×90mmの体積を有し、表面にゼオライトを主体とする被覆層15Dを総量で100g形成している。
【0022】次に、上記空気調和装置の施工方法について説明する。なお、施工前の状態では、圧縮機1内や室外熱交換器3内等の室外機A側の配管内には冷媒ガスが充填されている。このとき、室外機Aには、運転時に必要な作動用冷媒ガスの他にパージ用冷媒ガスが充填されている。一方、室内熱交換器6等の室内機B側の配管と、接続配管9,10とは、特に密封状態にはなく、大気中に開放された状態である。
【0023】まず、室外機Aと室内機Bとを接続配管9,10にて接続する。このとき、液側2方弁7のネジ部7aとガス側3方弁8のネジ部8aとは閉状態としておく。そして、室外機Aのガス側3方弁8のサービスポート8bに、炭酸ガスボンベ11を、治具12を介して取り付ける。サービスポート8bに、炭酸ガスボンベ11を取り付けた後、液側2方弁7のフレアー部に少し緩みを持たせる。そして、炭酸ガスボンベ11を回転させながら治具12に押し付けることによって、炭酸ガスボンベ11内部の炭酸ガスを、接続配管10および室内機B内に導入する。接続配管10及び室内機B内部の空気は、導入された炭酸ガスとともに液側2方弁7のフレアー部の緩み部分から大気に放出される。この時、接続配管10及び室内機B内を、正圧(約0.1kgf/cm)に保った状態で液側2方弁7のフレアー部をしっかりと閉じる。次に、サービスポート部8bから炭酸ガスボンベ11とともに治具12を取り外す。
【0024】そして、図2に示すように、サービスパート部8bに治具14を介して、トラップ装置13を取り付ける。トラップ装置13の取付は、トラップ装置13を回転させながら治具14に押し付けることで行う。この取付によって、トラップ装置13の内部は、接続配管10と連通する。トラップ装置13と接続配管10とが連通することによって、接続配管10内の炭酸ガスは、サービスポート8bからトラップ装置13内に導入される。この導入された炭酸ガスは、トラップ装置13内部のゼオライトに物理吸着して捕集される。このような状態になった後、液側2方弁7のネジ部7aを少し緩め、室外機A側の冷媒ガスを導入することによって、接続配管10及び室内機B側配管の内部を正圧状態(約0.2kgf/cm)にする。その後、サービスポート部8bからトラップ装置13とともに治具14を取り外し、再度液側2方弁7のネジ部7aを完全に開放する。最後に、ガス側3方弁8のネジ部8aも完全に開放することで空気調和装置の施工に関する据え付け作業が完了する。
【0025】図3に示す第1の実施例によるトラップ装置13Aを用い、上記の施工を行った。なお、上記実施例での室内熱交換器6を含む室内機B側配管および接続配管9,10の内容積は1.5リットルであった。その結果、室内熱交換器6を含む室内機B側配管および接続配管9,10の内部は、4分間で充分な負圧雰囲気(10mmHg以下)に達した。次に、図4に示す第2の実施例によるトラップ装置13Bを用い、上記の施工を行った。その結果、室内熱交換器6を含む室内機B側配管および接続配管9,10の内部は、3分間で充分な負圧雰囲気(10mmHg以下)に達した。次に、図5から図7に示す第3の実施例によるトラップ装置13Cを用い、上記の施工を行った。その結果、室内熱交換器6を含む室内機B側配管および接続配管9,10の内部は、2分間で充分な負圧雰囲気(10mmHg以下)に達した。上記の各実施例を比較すると、負圧到達速度が速いのは、第3の実施例によるハニカム構造体にゼオライトを被覆形成したものであった。しかし、第3の実施例は、ゼオライト100gを収納するために必要なトラップ装置本体容器が、第1の実施例や第2の実施例と比べて大きくなってしまう。第1の実施例のような球状体のゼオライトを直接収納した場合が一番コンパクトであった。従って、施工に必要とされる時間およびそれに必要な工具の大きさも考慮して選択することが望ましい。
【0026】本実施例では内部空気を炭酸ガスで置換した後、接続配管9,10及び室内機B側の配管内を、約0.1kgf/cmに保った状態で次の作業に移ったが、この時に必要な正圧のレベルは大気圧に比べてわずかに正圧であればよく、0.3kgf/cm以下とすることが好ましい。これによってトラップ装置13と内部を連通させた時に、気体の対流効果を生じて炭酸ガスの捕集を迅速に行うことができる。また、仮に大気圧以下の圧力であってもトラップ装置13内の圧力よりも高ければ同様の効果を得ることができる。また、これと同様な効果として、トラップ装置13内部を1mmHg以下の十分な負圧状態にしておくことによっても、接続配管9,10及び室内機B側の配管内から、トラップ装置13内部への気体対流効果を得ることができる。
【0027】また、第1の実施例では、球状体のゼオライトを用いたが、楕円球等であってもよく、表面積を大きくするために、表面に凹凸処理を施したものであればさらに効果は高い。なお、第1の実施例では、大きさの異なる球状体のゼオライトで説明したが、形状の異なるゼオライトを用いてもよく、この場合、入口側に表面積の大きなゼオライトを配置することが好ましい。
【0028】また、第3の実施例では、ハニカム構造体を使用したが、同様な効果を得られるものとしてコルゲート構造体もある。本発明で使用できるのは、トラップ装置13の入口から奥にかけて連通孔を有するもので、表面または内部にゼオライトを担持でき、炭酸ガスを吸着して捕集するために十分大きな接触面積を有するものであればこれらに限定されるものではない。また、ハニカム構造体やコルゲート構造体とすることで、施工工具として運搬され、また仮に衝撃を受けても、ゼオライトが破砕されて粉化してしまうことが少ない。
【0029】また、本実施例では、室内機B側の配管及び接続配管9,10の内容積が1.5リットルの場合についてゼオライト100gで行ったが、本実施例で効果を期待できるゼオライトの重量は、室内機B側の配管及び接続配管9,10の内容積1リットル当たり60g以上であった。それによって2〜5分間で炭酸ガスをトラップして、10〜30mmHgレベルの負圧状態にすることができた。ゼオライトが多すぎて問題となることはないが、あまり多すぎるとトラップ材料を収納する容器がかさ張って好ましいとはいえない。また、60g以下では負圧の到達度および速度が遅くなって本発明の目的が達成できない。
【0030】図6は、トラップ装置内に充填されるゼオライト重量と10分間後の到達圧力との関係図である。同図の実験は、室内機B側の配管及び接続配管9,10の内容積が1.5リットルの場合について測定したものである。従って、内容積1リットル当たりでは、60g以下でも十分な効果があるはずであるが、水分が吸着されると炭酸ガスの捕集を阻害することになるため、実用的には60〜100g程度が好ましいと考えられる。
【0031】また、本実施例では、通常の2方弁と3方弁を具備した室外機の施工方法について説明したが、3方弁と3方弁を具備した室外機にも適用できる。また2方弁に2種類の治具を使用して施工を行ったが、治具をT分岐形状として、一方の接続部から炭酸ガスを供給し、他方の接続部から炭酸ガスを捕集することも可能である。また同一の治具として共用することが好ましい。
【0032】なお、本実施例では室外機A内にドライヤー5を配置している。真空ポンプを用いた施工方法では、室内機A内および接続配管9,10内に存在する水分も真空ポンプの稼動時間を長くすることで排除することができるが、本発明のような冷媒ガスによるパージ方法では水分まで十分に排除することは困難である。従って、冷凍サイクル内にドライヤー5を配置することで、空気調和装置の長期信頼性を確保することができる。
【0033】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、発明によれば、電源を必要とせず、物理吸着を使用するので短時間に施工を完了することが可能である。また環境に問題となる冷媒ガスに代わって炭酸ガスを大気放出するので温暖化への影響度は極めて小さい。また、本発明によれば、空気を炭酸ガスで置換する時、内部を正圧状態に保持することによって、次にトラップ装置と連通した時に、内部の正圧状態が気体対流のトリガーとなり、トラップ装置内部にあるゼオライトに素早く吸着して炭酸ガスを迅速に捕集することができる。また、本発明によれば、空気を炭酸ガスで置換する時、内部をトラップ装置内圧力よりも高い圧力状態に保持することによって、次にトラップ装置と連通した時に、内部の正圧状態が気体対流のトリガーとなり、トラップ装置内部にあるゼオライトに素早く吸着して炭酸ガスを迅速に捕集することができる。また、本発明によれば、構造体の表面にゼオライトが存在するので、炭酸ガスとの接触面積を大きく設計することができ、炭酸ガスを迅速に捕集することができる。また、本発明によれば、室内機側配管及び接続配管の内容積1リットルに対して60g以上のゼオライトを有するトラップ装置を用いることで、接続配管および室内機の内容積を考慮してゼオライトの重量を設定することで、充分な速度で炭酸ガスを捕集することができる。また、本発明によれば、ゼオライトを主体とする被覆層を、担体に形成した構造体を内部に備えることで、構造体の表面にゼオライトが存在するので、炭酸ガスとの接触面積を大きく設計することができる。また、本発明によれば、ハニカム構造体、又はコルゲート構造体とすることで、炭酸ガスとの接触面積を大きく設計でき、炭酸ガスの捕集速度を速めることができる。また、本発明によれば、奥側よりも入口側が大きな流路空間を形成することで、トラップ装置内での炭酸ガスの拡散をスムーズに進行させることができる。また、本発明によれば、中空の円筒状ゼオライトを用いることで、炭酸ガス拡散に必要な流路が充分に確保でき、炭酸ガストラップのスピードを促進することができる。また、本発明によれば、奥側よりも入口側に表面積の大きなゼオライトを充填したことで、トラップ装置内での炭酸ガスの拡散をスムーズに進行させることができる。また、本発明によれば、球状又は円柱状のゼオライトを用いることで、炭酸ガス拡散に必要な流路が充分に確保でき、奥側よりも入口側に表面積の大きなゼオライトを充填したことで、トラップ装置内での炭酸ガスの拡散をスムーズに進行させることができる。また、本発明によれば、空気を炭酸ガスで置換する時、トラップ装置内部が負圧状態であるので、この負圧状態が気体対流のトリガーとなり、トラップ装置内部にあるゼオライトに素早く吸着して炭酸ガスを迅速に捕集することができる。また、本発明によれば、上記のような施工用トラップ装置を用いて、室内熱交換器内や接続配管内の空気と置換した炭酸ガスを捕集することで、炭酸ガスを迅速に捕集することができ、施工を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】 【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善▲廣▼ (外2名)
【公開番号】 特開2000−283610(P2000−283610A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−91806