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【発明の名称】 空気調和装置の施工方法
【発明者】 【氏名】沼本 浩直

【氏名】佐藤 成広

【氏名】茂木 仁

【氏名】渡邊 幸男

【氏名】武内 裕幸

【氏名】中角 英二

【要約】 【課題】環境への影響を考慮し、簡易な空気調和装置の施工方法を提供すること。

【解決手段】圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、前記室内熱交換器内や前記接続配管内に導入することで、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を排出する空気調和装置の施工方法であって、排出される前記空気及び前記冷媒ガスを、気体トラップ用治具にて捕集する空気調和装置の施工方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、前記室内熱交換器内や前記接続配管内に導入することで、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を排出する空気調和装置の施工方法であって、排出される前記空気及び前記冷媒ガスを、気体トラップ用治具にて捕集することを特徴とする空気調和装置の施工方法。
【請求項2】 圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを2つの弁体を用いて接続配管で接続し、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、前記室内熱交換器内や前記接続配管内に導入することで、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を排出する空気調和装置の施工方法であって、一方の弁体に気体トラップ用治具を接続して前記室内熱交換器と前記気体トラップ用治具とを連通状態とする第1の施工工程と、第1の施工工程の後に、他方の弁体によって前記室内機側と前記室外機側を連通させることで、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、前記室内熱交換器内や前記接続配管内に導入し、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を前記気体トラップ用治具に捕集する第2の施工工程と、第2の施工工程の後に、他方の弁体によって前記室内機側と前記室外機側を遮断する第3の施工工程と、前記第3の施工工程の後に、前記気体トラップ用治具を一方の弁体から取り外す第4の施工工程と、前記第4の施工工程の後に、前記他方の弁体によって前記室内機側と前記室外機側を連通させる第5の施工工程とを有することを特徴とする空気調和装置の施工方法。
【請求項3】 前記気体トラップ用治具に捕集する気体の量を計測することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法。
【請求項4】 前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入するパージ用の冷媒ガスの量を、前記室内熱交換器やその他前記室内機側の配管及び前記接続配管の内容積1リットルに対して3〜6リットルとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法。
【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法に用いる気体トラップ用治具であって、内容積の変化によって構造や形状が変化する構成としたことを特徴とする気体トラップ用治具。
【請求項6】 前記気体トラップ用治具は、袋体であることを特徴とする請求項5に記載の気体トラップ用治具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接続配管にて室内機と室外機を接続する空気調和装置の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気調和装置の施工方法は、室外機側にエアパージ用として冷媒ガスを規定量よりも余分に充填し、その冷媒ガスを利用して液側2方弁から接続配管と室内機内部の空気をパージし、ガス側3方弁のサービスボートと呼ばれるバルブより冷媒ガスを大気放出することで行っていた。また、ガス側3方弁のサービスボートと呼ばれるバルブより、真空ポンプを使用して接続配管と室内機内部を十分に減圧状態にした後に、液側2方弁から冷媒ガスを接続配管と室内機内に導入することによって行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年のオゾン層の破壊や、地球温暖化など、環境に対する規制の高揚により、空機調和装置の施工時に、オゾン層破壊係数や地球温暖化係数の高い冷媒ガスを大気放出することは問題となっている。大気に放出しない施工方法として、真空ポンプを使用した施工方法を指導しているが、たとえば屋根上等の設置場所の悪い条件では、真空ポンプを利用することは困難である。また、真空ポンプを使用した施工方法は、室外機の冷媒ガスを使用して冷媒ガスを大気に放出する方法に比べて、施工に時間がかかっていた。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を鑑みて、環境への影響を考慮し、簡易な空気調和装置の施工方法を提供することを目的とする.
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の空気調和装置の施工方法は、圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを接続配管で接続し、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、前記室内熱交換器内や前記接続配管内に導入することで、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を排出する空気調和装置の施工方法であって、排出される前記空気及び前記冷媒ガスを、気体トラップ用治具にて捕集することを特徴とする。請求項2記載の本発明の空気調和装置の施工方法は、圧縮機内や室外熱交換器内に冷媒ガスを封入した室外機と、室内熱交換器内を大気中に開放した室内機とを2つの弁体を用いて接続配管で接続し、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、前記室内熱交換器内や前記接続配管内に導入することで、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を排出する空気調和装置の施工方法であって、一方の弁体に気体トラップ用治具を接続して前記室内熱交換器と前記気体トラップ用治具とを連通状態とする第1の施工工程と、第1の施工工程の後に、他方の弁体によって前記室内機側と前記室外機側を連通させることで、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、前記室内熱交換器内や前記接続配管内に導入し、前記室内熱交換器内や前記接続配管内の空気を前記気体トラップ用治具に捕集する第2の施工工程と、第2の施工工程の後に、他方の弁体によって前記室内機側と前記室外機側を遮断する第3の施工工程と、前記第3の施工工程の後に、前記気体トラップ用治具を一方の弁体から取り外す第4の施工工程と、前記第4の施工工程の後に、前記他方の弁体によって前記室内機側と前記室外機側を連通させる第5の施工工程とを有することを特徴とする。請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法において、前記気体トラップ用治具に捕集する気体の量を計測することを特徴とする。請求項4記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法において、前記圧縮機内や前記室外熱交換器内に封入するパージ用の冷媒ガスの量を、前記室内熱交換器やその他前記室内機側の配管及び前記接続配管の内容積1リットルに対して3〜6リットルとすることを特徴とする。請求項5記載の本発明の気体トラップ用治具は、請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の施工方法に用いる気体トラップ用治具であって、内容積の変化によって構造や形状が変化する構成としたことを特徴とする。請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の気体トラップ用治具において、前記気体トラップ用治具は、袋体であることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による空気調和装置の施工方法は、排出される空気及び冷媒ガスを、気体トラップ用治具にて捕集するものである。本実施の形態によれば、環境に問題となる冷媒ガスを気体トラップ用治具にて捕集するので、冷媒ガスは大気排出されることなく、又真空ポンプを使用した施工方法に比べて、短時間で空気調和装置の施工を完了させることができる。
【0007】本発明の第2の実施の形態による空気調和装置の施工方法は、一方の弁体に気体トラップ用治具を接続して室内熱交換器と気体トラップ用治具とを連通状態とする第1の施工工程と、第1の施工工程の後に、他方の弁体によって室内機側と室外機側を連通させることで、圧縮機内や室外熱交換器内に封入した冷媒ガスを、室内熱交換器内や接続配管内に導入し、室内熱交換器内や接続配管内の空気を気体トラップ用治具に捕集する第2の施工工程と、第2の施工工程の後に、他方の弁体によって室内機側と室外機側を遮断する第3の施工工程と、第3の施工工程の後に、気体トラップ用治具を一方の弁体から取り外す第4の施工工程と、第4の施工工程の後に、他方の弁体によって室内機側と室外機側を連通させる第5の施工工程とを有するものである。本実施の形態によれば、空気とともに排出される冷媒ガスを気体トラップ用治具に捕集する第2の施工工程の後に、第3の施工工程にて一旦他方の弁体によって室内機側と室外機側を遮断し、気体トラップ用治具を取り外した後に、再び第5の施工工程によって室内機側と室外機側を連通させるため、必要以上に冷媒ガスを気体トラップ用治具に排出することを防止でき、また環境に問題となる冷媒ガスを気体トラップ用治具にて捕集するので、冷媒ガスは大気排出されることがなくなり、又真空ポンプを使用した施工方法に比べて、短時間で空気調和装置の施工を完了させることができる。
【0008】本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態における空気調和装置の施工方法において、気体トラップ用治具に捕集する気体の量を計測するものである。本実施の形態によれば、冷媒ガスを容積計量することによってパージ用に使用する冷媒ガスの無駄を省き、冷媒ガスの有効活用を図ることができる。
【0009】本発明の第4の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態における空気調和装置の施工方法において、圧縮機や室外熱交換器内に封入するパージ用の冷媒ガスの量を、室内熱交換器やその他室内機側の配管及び接続配管の内容積1リットルに対して3〜6リットルとするものである。本実施の形態によれば、パージ内容積に対して使用する冷媒ガス量をコントロールすることで信頼性に大きな影響を及ぼす残留酸素量を制限できる。
【0010】本発明の第5の実施の形態おける気体トラップ用治具は、内容積の変化によって構造や形状が変化する構成としたものである。本実施の形態によれば、気体トラップ用治具に捕集する気体の量を簡便に把握することができ、第1又は第2の実施の形態における空気調和装置の施工を容易に行うことができる。
【0011】本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態における気体トラップ用治具において、 気体トラップ用治具を袋体としたものである。本実施の形態によれば、袋体の膨張によって捕集する気体の量を簡便に把握することができ、第1又は第2の実施の形態における空気調和装置の施工を容易に行うことができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、同実施例に用いる空気調和装置の冷凍サイクルの構成図である。まず、図1を用いて空気調和装置を構成する冷凍サイクルの全体構成について説明する。冷凍サイクルは、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5、室内熱交換器6によって構成されている。圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、絞り装置4、ドライヤー5は、室外機Aに配設され、室内熱交換器6は、室外機Bに配設されている。室外機Aには、液側2方弁7とガス側3方弁8が設けられている。室外機Aと室内機Bとを接続する接続配管9,10は、それぞれ液側2方弁7とガス側3方弁8を用いて接続されている。液側2方弁7は、ネジ部7aを有しており、このネジ部7aを開くことで室外機A側の配管と接続配管7とを連通する。また、ガス側3方弁8は、ネジ部8aとサービスポート8bを有しており、このネジ部8aを開くことで室外機A側の配管と接続配管10とを連通する。サービスポート部8bには、気体トラップ用治具11を接続することができ、気体トラップ用治具11を接続することで、気体トラップ用治具11と接続配管10とを連通することができる。
【0013】次に、上記空気調和装置の施工方法について説明する。なお、施工前の状態では、圧縮機1内や室外熱交換器3内等の室外機A側の配管内には冷媒ガスが充填されている。このとき、室外機Aには、運転時に必要な作動用冷媒ガスの他にパージ用冷媒ガスが充填されている。一方、室内熱交換器6等の室内機B側の配管と、接続配管9,10とは、特に密封状態にはなく、大気中に開放された状態である。まず、室外機Aと室内機Bとを接続配管9,10にて接続する。このとき、液側2方弁7のネジ部7aとガス側3方弁8のネジ部8aとは閉状態としておく。そして、室外機Aのガス側3方弁8のサービスポート8bに、気体トラップ用治具13を取り付ける。気体トラップ用治具13をサービスポート8bに取り付けることで、気体トラップ用治具13と接続配管10とは連通状態となる。上記の状態の後に、液側2方弁7のネジ部7aを開放する。ネジ部7aを徐々に開くことによって、室外機A側に封入されている冷媒ガスは、接続配管9を通って室内機B側に導入され、室内熱交換器6および接続配管10に導入される。この室外機A側からの冷媒ガスの導入によって、接続配管9,10や室内熱交換器6内の空気は、冷媒ガスとともにサービスポート8bを介して気体トラップ用治具11内に補集される.液側2方弁7から所定量の冷媒ガスが導出し、接続配管9,10や室内熱交換器6内の空気がパージされた後に、液側2方弁7のネジ部7を締める。液側2方弁7のネジ部7を締めることによって、室外機A側からの冷媒ガスの導出を止める。そして、液側2方弁7のネジ部7を締めた後に、サービスポート8bから気体トラップ用治具11を取り外す。この状態で、室内機Bおよび接続配管9,10内は、室外機A側の冷媒ガスによって置換されている。そして、次に再度液側2方弁7のネジ部7aを開くとともに、ガス側3方弁のネジ部8aを開くことで、空気調和装置の施工に関する据え付け作業が完了する。
【0014】上記実施例で使用する気体トラップ用治具11は、ある程度大きなものであれば問題ないが、施工時のパージ状態をコントロールするためには、サービスポート8bからの排出気体量を容量で管理できるものが好ましい。すなわち、内容積の変化によって構造や形状が変化する構成とすることが好ましく、具体的には、袋体の形状で、一定量を管理できるタイプが汎用的である。またこの袋体は、冷媒ガスの大気流出を防止できるようにガス透過率の小さいもの、たとえばアルミニウムラミネート等で形成された袋体が好ましい。また、気体トラップ用治具11とサービスポート8bとの間に排出気体量を測定できる計測装置を用い、気体トラップ用治具11にて捕集する気体量を計測することで、排出気体量を管理することができる。なお、排出気体量を測定できる手段は、気体トラップ用治具11自体に設けてもよい。
【0015】次に、最適なパージ用冷媒ガスの量について、図2を用いて説明する。環境面を考慮して、冷媒ガスを有効に活用するためには、室外機A内に封入しておくパージ用冷媒ガスの量を最適化することが好ましい。図2に示すグラフは、横軸を置換に用いる冷媒ガス量とし、縦軸を置換すべき空間内の置換率としている。同図は、室内機B側の配管と接続配管9,10の内容積が、合計して1.4リットルの場合について、冷媒ガスを導入して空気を排除し、冷媒ガスと置換できた比率の関係を容積換算で示した。同図から明らかなように、最適なパージ用冷媒ガスは、置換すべき空間の内容積1リットルに対して3〜6リットルであることが分かる。3リットル以下では室内機B側配管および接続配管9,10内の残留酸素率が1vol%以上となり、空気調和装置の長期間の使用での信頼性を確保することができない。また、6リットル以上ではパージ率はほとんど変わらないため、パージ用にそれ以上の冷媒ガスを使用することは無駄である。
【0016】なお、本実施例では室外機A内にドライヤー5を配置している。真空ポンプを用いた施工方法では、室内機A内および接続配管9,10内に存在する水分も真空ポンプの稼動時間を長くすることで排除することができるが、本発明のような冷媒ガスによるパージ方法では水分まで十分に排除することは困難である。従って、冷凍サイクル内にドライヤー5を配置することで、空気調和装置の長期信頼性を確保することができる。
【0017】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、発明によれば、環境に問題となる冷媒ガスを気体トラップ用治具にて捕集するため、パージ用冷媒ガスは大気に排出されることがなく、また短時間で空気調和装置の施工を完了させることができる。また発明によれば、冷媒ガスを容積計量することによってパージ用に使用する冷媒ガスの無駄を省き、有効活用を図ることができる。また発明によれば、パージ内容積に対して使用する冷媒ガス量をコントロールすることで信頼性に大きな影響を及ぼす残留酸素量を制限することができる。また本発明によれば、例えば袋体の膨張等によって気体トラップ用治具に捕集する気体の量を簡便に把握することができ、空気調和装置の施工を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】 【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善▲廣▼ (外2名)
【公開番号】 特開2000−283608(P2000−283608A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−92245