| 【発明の名称】 |
吸収式冷凍機 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊豆 正弥
【氏名】小林 唯人
【氏名】古川 雅裕
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| 【要約】 |
【課題】吸収液が流れる配管の腐食を抑えるための腐食抑制剤を、必要な分だけ自動的に添加できるようにする。
【解決手段】少なくとも高温再生器4の温度、高温再生器4の再生圧力、濃吸収液濃度、または冷水出入口温度差を検出し、少なくとも前記何れかの検出データに基づいて制御盤37で負荷率を演算し、この負荷率から腐食抑制剤の消耗量を求める。制御盤37は得られた消耗量に基づいて必要な時間だけ電磁弁41を開き、腐食抑制剤タンク43から腐食抑制剤を吸収液回路に添加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸収式冷凍機の負荷率を演算するのに必要なデータを検出する検出手段と、前記検出した検出データから負荷率を演算し、この負荷率から腐食抑制剤の消耗量を計算する制御手段と、この制御手段から前記消耗量を元に出された指令信号により、腐食抑制剤を吸収式冷凍機の吸収液の回路に添加するための腐食抑制剤添加手段と、を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機。 【請求項2】 高温再生器温度、高温再生器の再生圧力、濃吸収液濃度、または冷水出入口温度差を検出する検出手段と、前記検出した検出データから負荷率を演算し、この負荷率から腐食抑制剤の消耗量を計算する制御手段と、この計算された消耗量を元に前記制御手段から出された指令信号により開閉する開閉弁と、この開閉弁を介して腐食抑制剤を吸収式冷凍機の吸収液の回路に添加するための腐食抑制剤タンクと、を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、吸収式冷凍機の吸収液が流れる回路に腐食抑制剤を添加するための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】吸収式冷凍機の吸収液が流れる回路を構成する配管は、金属など腐食を伴う材料で作られており、この回路を流れる吸収液には腐食を抑えるための腐食抑制剤が添加されるのが一般的である。 【0003】この添加は、従来、以下の方法で行っていた。すなわち、先ず吸収式冷凍機の吸収液を一部サンプリングして、その中に含まれる腐食抑制剤の濃度を分析する。この分析結果に基づいて、濃度が不足している場合には、サービス員が吸収式冷凍機が据え付けられている現場に出向いて、腐食抑制剤を添加する。 【0004】また、特許第2575966号には、吸収液中に添加されている腐食抑制剤の消耗量を知るために、吸収式冷凍機の運転時間を積算する方法が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者のサービス員が人手により添加を行う方法は、分析するのに時間がかかり、また、添加するのに人手を必要とするという欠点があった。後者の特許第2575966号の技術は、吸収式冷凍機の運転時間のみを考慮するものであり、運転状態によって消耗量が異なってしまうことを考慮していない。更に、消耗量が一定量を超えると警報を発するのみであり、腐食抑制剤を自動的に添加することができなかった。 【0006】この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、分析の時間がかからず、人手を必要とせず、運転状況に応じて変わる腐食抑制剤の消耗量を知ることができ、しかも自動的に腐食抑制剤を添加することができる吸収式冷凍機を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、第1の発明は、吸収式冷凍機の負荷率を演算するのに必要なデータを検出する検出手段と、前記検出した検出データから負荷率を演算し、この負荷率から腐食抑制剤の消耗量を計算する制御手段と、この制御手段から前記消耗量を元に出された指令信号により、腐食抑制剤を吸収式冷凍機の吸収液の回路に添加するための腐食抑制剤添加手段と、を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機である。 【0008】第2の発明は、高温再生器温度、高温再生器の再生圧力、濃吸収液濃度、または冷水出入口温度差を検出する検出手段と、前記検出した検出データから負荷率を演算し、この負荷率から腐食抑制剤の消耗量を計算する制御手段と、この計算された消耗量を元に前記制御手段から出された指令信号により開閉する開閉弁と、この開閉弁を介して腐食抑制剤を吸収式冷凍機の吸収液の回路に添加するための腐食抑制剤タンクと、を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を、図1〜図3において説明する。先ず、図1において、吸収式冷凍機の全体概略を説明する。図において、1は蒸発吸収器胴(下胴)であり、この蒸発吸収器胴1に蒸発器2および吸収器3が収納されている。4は高温再生器でありバーナ5を備える。吸収器3から高温再生器4に至る稀吸収液配管6の途中に吸収液ポンプP1、低温熱交換器7および高温熱交換器8が設けられている。 【0010】10は凝縮再生器胴(上胴)であり、この凝縮再生器胴10に低温再生器11および凝縮器12が収納されている。そして、13は高温再生器4から低温再生器11を経由して凝縮器12に至る冷媒管、16は凝縮器12から蒸発器2に至る冷媒液流下管、17は蒸発器2に配管接続された冷媒循環管、P2は冷媒ポンプである。21は蒸発器2に接続された冷温水管である。 【0011】22は高温再生器4から高温熱交換器8に至る中間吸収液管、23は高温熱交換器8から低温再生器11に至る中間吸収液管である。24は低温再生器11から低温熱交換器7に至る濃吸収液管、25は低温熱交換器7から吸収器3に至る濃吸収液管である。26は冷媒管13の低温再生器11入口側から吸収器3に至る冷媒管、27は中間吸収液管22から吸収器3に至る中間吸収液管であり、V1とV2はそれぞれの管に設けられて、冷水供給運転時に閉弁され、温水供給運転時に開弁される冷/暖切替弁である。又、29は冷却水管である。 【0012】上記のように構成した吸収式冷凍機の冷水供給運転時、高温再生器4のバーナ5が燃焼し、吸収器3から流れて来た稀吸収液が加熱される。この稀吸収液は、例えば臭化リチウム(LiBr)水溶液(界面活性剤を含む)などである吸収液が、水などの冷媒を多く含んだものである。この加熱により、稀吸収液が沸騰し、冷媒蒸気が稀吸収液から分離する。これにより稀吸収液が濃縮され、濃度が中程度の中間吸収液になる。 【0013】冷媒蒸気は冷媒管13を経て低温再生器11へ流れる。そして、低温再生器11で高温再生器4からの中間吸収液を加熱して凝縮した冷媒液が、凝縮器12へ流れる。凝縮器12では低温再生器11から流れて来た冷媒蒸気が、冷却水管29の冷却水により冷却され凝縮して冷媒液になり、低温再生器11から流れて来た冷媒液と共に、蒸発器2へ流下する。 【0014】蒸発器2では冷媒ポンプP2の運転によって、冷媒液が散布装置31から散布される。そして、この散布された冷媒に気化熱を奪われて冷却され、温度が低下した冷温水管21の冷水が、負荷に供給される。蒸発器2で気化した冷媒蒸気は吸収器3へ流れ、散布装置30から散布される濃吸収液に吸収される。 【0015】他方、高温再生器4で冷媒蒸気が分離して濃度が上昇した中間吸収液は中間吸収液管22、高温熱交換器8、中間吸収液管23を経て低温再生器11へ流れる。この低温再生器11において、中間吸収液は、高温再生器4からの冷媒蒸気が内部を流れる伝熱管14によって加熱される。そして、中間吸収液から冷媒蒸気が分離して吸収液の濃度はさらに上昇し、濃吸収液になる。 【0016】この濃吸収液は濃吸収液管24へ流入して低温熱交換器7および濃吸収液管25を経て吸収器3へ流れ、散布装置30から冷却水管29の上に滴下する。そして、冷却水管29によって冷却された濃吸収液は、蒸発器2を経由して入ってくる冷媒蒸気を、よく吸収して冷媒濃度が高くなり、稀吸収液になる。この稀吸収液は、吸収液ポンプP1の駆動力により、低温熱交換器7および高温熱交換器8で予熱され、高温再生器4に流入する。 【0017】そして、このような吸収式冷凍機に備えられる冷却水管29は、例えば図示しない冷却塔に繋がれて冷却水が循環するように配管される。 【0018】また、バーナ5に向かって取り込まれる燃料33と、ブロア35から送られる空気とは、混合され点火されて燃焼を開始する。 【0019】さて、高温再生器4は、加熱された稀吸収液の温度を検出するための温度センサーM1と、蒸発した冷媒蒸気の圧力すなわち再生圧力を検出するための圧力センサーM2を有する。また濃吸収液管25には、濃吸収液の濃度を検出するための濃度センサーM3が設けられる。また、冷温水管21の出口と入口にはそれぞれ温度センサーM4、M5が設けられ、両者の温度差が検出できるよう構成される。これらの各センサーは、制御盤37の内部に設けられる制御部へ接続され、この制御部へ必要な検出データが送られる。 【0020】吸収器3の内部に、腐食抑制剤を添加するための添加パイプ39の一端が配置され、この添加パイプ39の途中には、開閉弁として電磁弁41が設けられる。添加パイプ39の他端は、腐食抑制剤タンク43の底部に接続される。 【0021】図2(B)(C)(D)に示したように、高温再生器4の吸収液温度、再生圧力、または濃吸収液濃度と、吸収式冷凍機の負荷率の間には、各々一定の関係が存在する。すなわち、これらの温度、圧力、濃度などが高いほど負荷率は高い。また、実際の冷水出口温度差と設計冷水出口温度差の比によって、負荷率が定義される(図2(E))。 【0022】前記何れかの検出データに基づいて負荷率を求め、こうして求めた負荷率から腐食抑制剤の消耗速度(ppm/hr)を求める(図2(A))。この消耗速度に基づいて腐食抑制剤の消耗量を計算することが可能である。なお、異なる物理量、例えば高温再生器4の吸収液温度と再生圧力それぞれに基づいて求めた負荷率の平均値を、そのときの負荷率とするようにしても良い。 【0023】次に、図3において前記制御部が行う実際の制御を説明する。先ず、前回の検出時刻から一定時間が経過しているか否かを判断し(S1)、経過していれば各センサーからのデータを取り込む(S2)。すなわち、高温再生器4の温度、再生圧力、濃吸収液濃度、および実際の冷水出入口温度差である。そして、これらの検出データに基づいて前記図2で説明したように負荷率を演算し(S3)、この負荷率に基づいて腐食抑制剤の消耗速度を演算する(S4)。 【0024】この消耗速度と前記検出を行う一定時間との積により、今回の腐食抑制剤の消耗量を計算する(S5)。この消耗量を、前回までに検出された消耗量と足し合わせた合計を累積量として求める(S6)。この累積量が基準値よりも大きければ(S7)、累積量から基準値を引いた時の値、すなわち腐食抑制剤の不足分を計算する(S8)。 【0025】この不足分を補うのに必要な弁を開いている時間(開弁時間)を計算する(S9)。こうして算出された時間の間だけ、電磁弁41を開く(S10)。電磁弁41が開いている間、腐食抑制剤タンク43から腐食抑制剤が流れ出し、添加パイプ39を通って吸収器3内部の吸収液へ添加される。 【0026】(他の実施形態)以上の実施形態においては、吸収式冷凍機の負荷率を演算するのに必要なデータとして、高温再生器4の温度データ、再生圧力データ、濃吸収液濃度データ、および冷水出入口温度差データの全てを用いたが、他の実施形態においてはこれらのデータの内の1つ、又は複数を組み合わせて用いることが可能である。 【0027】また、以上の実施形態においては、腐食抑制剤タンクの腐食抑制剤は、重力により添加パイプを通って吸収器3の内部に流れ込むものであったが、他の実施形態においては、ポンプによって積極的に送り込むものとしても良い。 【0028】また、以上の実施形態においては、腐食抑制剤の不足分に相当する開弁時間を計算するものであったが、他の実施形態においては不足分に相当する弁開度を計算し、その弁開度で一定時間弁を開くものとしても良い。この場合、弁を開いている時間は変わらない。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、腐食抑制剤の消耗量を吸収式冷凍機の負荷率を元に計算することにより、運転状態に応じて変化する消耗量を知ることができる。また、制御手段からの指令信号により腐食抑制剤添加手段が、吸収式冷凍機の吸収液の回路に腐食抑制剤を自動的に添加するので、添加に人手を必要としない。また、負荷率から消耗量を計算するので、吸収液をサンプリングして実際に分析するための時間を必要としない。 【0030】また、請求項2の発明によれば、さらに、高温再生器温度、高温再生器の再生圧力、濃吸収液濃度、又は冷水出入口温度差を検出することで、いわば検出の容易なデータから負荷率を演算し、これにより腐食抑制剤の消耗量を計算するので、容易に消耗量を知ることができる。また腐食抑制剤添加手段として、開閉弁と腐食抑制剤タンクという簡単な構造にすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月30日(1999.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111383 【弁理士】 【氏名又は名称】芝野 正雅
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| 【公開番号】 |
特開2000−283592(P2000−283592A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−89239 |
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