| 【発明の名称】 |
パルス管冷凍機 |
| 【発明者】 |
【氏名】朱 紹偉
【氏名】河野 新
【氏名】野川 正文
【氏名】井上 龍夫
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| 【要約】 |
【課題】4弁型パルス管冷凍機において、冷凍効率を向上させ、また、一方向流の発生を防止して作動安定性を確保すること。
【解決手段】2次高圧通路13(2次低圧通路14)の途中に高圧側シリンダ21(低圧側シリンダ31)を介装し、この高圧側シリンダ21(低圧側シリンダ31)内の空間を高圧側ピストン24(低圧側ピストン34)及びピストンリング25(ピストンリング35)によって第1高圧側シリンダ空間22(第1低圧側シリンダ空間32)と第2高圧側シリンダ空間23(第2低圧側シリンダ空間33)とに気密的に画成する。これにより2次高圧通路13(2次低圧通路14)における作動ガスの流通を遮断する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機と、前記圧縮機の吐出口に1次高圧通路で連通された第1高圧開閉弁と、前記圧縮機の吸入口に1次低圧通路で連通された第1低圧開閉弁と、低温端および高温端を備え該高温端にて前記第1高圧開閉弁および前記第1低圧開閉弁に連通した蓄冷器と、該蓄冷器の低温端に連通したコールドヘッドと、低温端及び高温端を備え該低温端にて前記コールドヘッドに連通したパルス管と、該パルス管の高温端に連通された第2高圧開閉弁及び第2低圧開閉弁と、一端が前記1次高圧通路に連通し他端が前記第2高圧開閉弁に連通された2次高圧通路と、一端が前記1次低圧通路に連通し他端が前記第2低圧開閉弁に連通された2次低圧通路と、前記2次高圧通路の途中に介装された高圧側シリンダと、前記高圧側シリンダ内の空間を前記1次高圧通路に連通する第1高圧空間と前記第2高圧開閉弁に連通する第2高圧空間とに気密的に画成するとともに前記高圧側シリンダ内を往復動可能に配置された高圧側画成部材と、前記2次低圧通路の途中に介装された低圧側シリンダと、前記低圧側シリンダ内の空間を前記1次低圧通路に連通する第1低圧空間と前記第2低圧開閉弁に連通する第2低圧空間とに気密的に画成するとともに前記低圧側シリンダ内を往復動可能に配置された低圧側画成部材とを具備したパルス管冷凍機。 【請求項2】 請求項1において、一端が前記パルス管の高温端に連通した中圧通路と、前記中圧通路の途中に介装された中圧開閉弁と、前記中圧通路の他端に連通した中圧バッファタンクとを有する中圧ユニットを具備することを特徴とするパルス管冷凍機。 【請求項3】 請求項2において、前記中圧ユニットを複数個具備することを特徴とするパルス管冷凍機。 【請求項4】 請求項1において、一端が前記パルス管の高温端に連通した中圧通路と、前記中圧通路の途中に設けられたオリフィスと、前記中圧通路の他端に連通した中圧バッファタンクとを有する中圧ユニットを具備することを特徴とするパルス管冷凍機。 【請求項5】 請求項1において、前記蓄冷器の高温端と前記パルス管の高温端とはバイパス通路で連通され、該バイパス通路の途中にはオリフィスが形成されていることを特徴とするパルス管冷凍機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パルス管冷凍機に関するものであり、特に、4弁型パルス管冷凍機に構造に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、図11に示すような4弁型パルス管冷凍機が知られている。この4弁型パルス管冷凍機201は、圧縮機1と、圧縮機1の吐出口1aに1次高圧通路2で連通された第1高圧開閉弁4と、圧縮機1の吸入口1bに1次低圧通路3で連通された第1低圧開閉弁5と、低温端8a及び高温端8bを備え、高温端8bにて第1高圧開閉弁4が蓄冷器側高圧連通路6で、また第1低圧開閉弁5が蓄冷器側低圧連通路7で連通した蓄冷器8と、蓄冷器8の低温端8aに連通したコールドヘッド9と、低温端10a及び高温端10bを備え低温端10aにてコールドヘッド9に連通したパルス管10と、パルス管10の高温端10bに付設された放熱器15にパルス管側高圧連通路16で連通された第2高圧開閉弁11及びパルス管側低圧連通路17で連通された第2低圧開閉弁12と、一端が1次高圧通路2に連通し他端が第2高圧開閉弁11に連通された2次高圧通路13と、一端が1次低圧通路3に連通し他端が第2低圧開閉弁12に連通された2次低圧通路14とを備えてなる。尚、4つの弁(第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12)で圧縮機1と区画された空間が、作動空間である。 【0003】図12は、上記説明のパルス管冷凍機201の運転時における、時間経過に伴う第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12の開閉状態(太線部分が開の状態、細線部分が閉の状態)を示したものである。 【0004】図12に示すように第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12を開閉制御し、これらの開閉タイミングによって作動ガスの圧力変動と動き(変位)との間の位相を制御することによって、パルス管10内で冷凍出力を発生させ、それをコールドヘッド9を介して取出すものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記説明の従来の4弁型パルス管冷凍機では、その原理上避けられない問題を有する。その問題点とは、冷凍効率が低いことと、作動安定性に欠けることである。 【0006】冷凍効率が低い主原因は、パルス管冷凍機の運転中に第2高圧開閉弁4を通って圧縮機1から作動空間に流れ込んだ作動ガスの一部が、第2低圧開閉弁12を通って2次低圧通路14から再び圧縮機1に戻ってしまうことによる損失のためである。この損失は、圧縮機に余分の仕事をさせることになり、これが冷凍機としての効率の低下につながる。 【0007】作動安定性に欠ける主原因は、圧縮機1からの作動ガスの流入出が蓄冷器8側とパルス管10側の両方から行われるため、パルス管10内でサイクルを越えた一方向流(流路も含めれば循環流)が発生するためである。この一方向流の流れ方向としては、圧縮機1から1次高圧通路2、第1高圧開閉弁4を通って作動空間に流入し、第2低圧開閉弁12から2次低圧通路14を通って圧縮機1に戻る流路と、圧縮機1から2次高圧通路13、第2高圧開閉弁11を通って作動空間に流入し、第1低圧開閉弁5から1次低圧通路3を通って圧縮機1に戻る流路とがあり、いろいろの条件によってその流れは決まることになるが、いずれにしても、この一方向流が冷凍機の作動中の不安定状態を誘因することになる。 【0008】故に、本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、パルス管冷凍機において、冷凍効率を向上させ、また、一方向流の発生を防止して作動安定性を確保することを技術的課題とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決するためになされた請求項1の発明は、圧縮機と、前記圧縮機の吐出口に1次高圧通路で連通された第1高圧開閉弁と、前記圧縮機の吸入口に1次低圧通路で連通された第1低圧開閉弁と、低温端および高温端を備え該高温端にて前記第1高圧開閉弁および前記第1低圧開閉弁に連通した蓄冷器と、該蓄冷器の低温端に連通したコールドヘッドと、低温端及び高温端を備え該低温端にて前記コールドヘッドに連通したパルス管と、該パルス管の高温端に連通された第2高圧開閉弁及び第2低圧開閉弁と、一端が前記1次高圧通路に連通し他端が前記第2高圧開閉弁に連通された2次高圧通路と、一端が前記1次低圧通路に連通し他端が前記第2低圧開閉弁に連通された2次低圧通路と、前記2次高圧通路の途中に介装された高圧側シリンダと、前記高圧側シリンダ内の空間を前記1次高圧通路に連通する第1高圧空間と前記第2高圧開閉弁に連通する第2高圧空間とに気密的に画成するとともに前記高圧側シリンダ内を往復動可能に配置された高圧側画成部材と、前記2次低圧通路の途中に介装された低圧側シリンダと、前記低圧側シリンダ内の空間を前記1次低圧通路に連通する第1低圧空間と前記第2低圧開閉弁に連通する第2低圧空間とに気密的に画成するとともに前記低圧側シリンダ内を往復動可能に配置された低圧側画成部材とを具備したパルス管冷凍機としたことである。 【0010】上記発明によれば、2次高圧通路の途中に高圧側シリンダを介装し、この高圧側シリンダ内の空間を高圧側画成部材によって1次高圧通路に連通する第1高圧空間と第2高圧開閉弁に連通する第2高圧空間とに気密的に画成しているので、また、2次低圧通路の途中に低圧側シリンダを介装し、この低圧側シリンダ内の空間を低圧側画成部材によって1次低圧通路に連通する第1低圧空間と第2低圧開閉弁に連通する第2低圧空間とに気密的に画成しているので、作動空間から第2低圧開閉弁を経て2次低圧通路を通り、圧縮機に戻ろうとする一方向流は、2次低圧通路に介装された低圧側シリンダ内の低圧側画成部材によってその流通が遮断される。従って、作動ガスは一方向流を形成することができず、一方向流の発生による作動不安定性を低減することができる。さらに、2次高圧通路から作動空間に入った作動ガスがそのまま2次低圧開閉弁を通って2次低圧通路に侵入して圧縮機に帰還しようとしても、2次低圧通路は低圧側画成部材によってその流通が遮断されているので、圧縮機に戻ることができない。このためパルス管冷凍機の運転中に作動空間内の作動ガスに有効に仕事をさせることができ、冷凍効率の向上が期待できる。 【0011】この場合、請求項2の発明のように、一端が前記パルス管の高温端に連通した中圧通路と、前記中圧通路の途中に介装された中圧開閉弁と、前記中圧通路の他端に連通した中圧バッファタンクとを有する中圧ユニットを具備することが好ましい。 【0012】上記発明によれば、パルス管の高温端に中圧ユニットを連通する構成であるので、作動空間内圧力が高圧状態から低圧状態に変化する際または低圧状態から高圧状態に変化する際に中圧ユニットの中圧開閉弁を開成作動させることによって中圧状態にすることができる。このように作動空間内圧力を高圧状態、中圧状態、低圧状態と、または低圧状態、中圧状態、高圧状態と順次変化させることができるので、高圧状態から一気に低圧状態に、また低圧状態から一気に高圧状態に移行させる場合と比較して各圧力変化時における圧力差を減少させることができる。このため圧力差の大きさに比例して大きくなる高圧開閉弁及び低圧開閉弁での弁損失を減少させることができ、圧縮機の仕事効率をより一層向上させることができる。 【0013】より好ましくは、請求項3の発明のように、前記中圧ユニットを複数個具備することである。 【0014】上記発明によれば、パルス管の高温端に中圧ユニットを複数個連通させることで、弁開閉時の作動空間内の圧力変化をより木目細かく制御することができ、より弁損失を減少させることができる。 【0015】また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、一端が前記パルス管の高温端に連通した中圧通路と、前記中圧通路の途中に設けられたオリフィスと、前記中圧通路の他端に連通した中圧バッファタンクとを有する中圧ユニットを具備することを特徴とするパルス管冷凍機である。 【0016】上記発明によれば、パルス管の高温端にオリフィスを介して中圧バッファタンクを連通する構成であるので、パルス管の中で作動ガスを十分に移動させることができ、特に低圧力比で運転するパルス管冷凍機において高出力することができるといった効果を有する。 【0017】また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記蓄冷器の高温端と前記パルス管の高温端とはバイパス通路で連通され、該バイパス通路の途中にはオリフィスが形成されていることを特徴とするパルス管冷凍機である。 【0018】上記発明によれば、蓄冷器の高温端とパルス管の高温端とをバイパス通路で連通しているので、パルス管内の作動ガスの移動範囲を制御することができ、特に極低温の冷凍機において効果を発揮するパルス管冷凍機とすることができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。尚、以下の実施形態例において、従来技術と同一部分については同一の符号で示すものとする。 【0020】(第1実施形態例)図1は、本発明の第1実施形態例における蓄冷型冷凍機であるパルスチューブ冷凍機の概略構成図である。図において、パルスチューブ冷凍機101は、圧縮機1と、圧縮機1の吐出口1aに1次高圧通路2で連通された第1高圧開閉弁4と、圧縮機1の吸入口1bに1次低圧通路3で連通された第1低圧開閉弁5と、低温端8a及び高温端8bを備え、高温端8bにて第1高圧開閉弁4に蓄冷器側高圧連通路6で、また、第1低圧開閉弁5に蓄冷器側低圧連通路7で連通した蓄冷器8と、蓄冷器8の低温端8aに連通したコールドヘッド9と、低温端10a及び高温端10bを備え低温端10aにてコールドヘッド9に連通したパルス管10と、パルス管10の高温端10bの部分に付設された放熱器15にパルス管側高圧連通路16で連通した第2高圧開閉弁11及びパルス管側低圧連通路17で連通した第2低圧開閉弁12と、一端が1次高圧通路2に連通し他端が第2高圧開閉弁11に連通した2次高圧通路13と、一端が1次低圧通路3に連通し他端が第2低圧開閉弁12に連通した2次低圧通路14とを備えてなる4弁型パルス管冷凍機である。尚、4つの弁(第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12)で圧縮機1と区画された空間が、作動空間である。 【0021】また、本例においては、図に示すように蓄冷器側高圧連通路6及び蓄冷器側低圧連通路7は途中で合流して一本の通路で蓄冷器8に接続されているが、連通路6及び7を別々に蓄冷器8に接続してもよい。同様にパルス管側高圧連通路16及びパルス管側低圧連通路17は途中で合流して一本の通路でパルス管10に接続しているが、連通路16及び17を別々にパルス管10に接続してもよい。 【0022】2次高圧通路13の途中には高圧側ピストンユニット20が介装されている。この高圧側ピストンユニット20は、2次高圧通路13の途中に介装された高圧側シリンダ21を備える。高圧側シリンダ21内には高圧側ピストン24が該高圧側シリンダ21内を往復動可能に配設されている。この高圧側ピストン24にはその外周側面にピストンリング25が取り付けられており、高圧側シリンダ21内の空間はこの高圧側ピストン24及びピストンリング25によって第1シリンダ高圧空間22と第2シリンダ高圧空間23とに区画され、両空間22、23内の作動ガスの互いの流通が遮断されている。従って、この高圧側ピストン24及びピストンリング25が、本発明の高圧側画成部材に相当する。高圧側ピストン24の一端面にはスプリング26が連結されている。このスプリング26は、他端が高圧側シリンダ21の内壁に固定されており、高圧側ピストン24を弾性支持するものである。尚、高圧側ピストン24及びピストンリング25により区画される高圧側シリンダ21内空間のうち、第1シリンダ高圧空間22は、2次高圧通路13を経て1次高圧通路2と連通しており、第2シリンダ高圧空間23は、2次高圧通路13を経て第2高圧開閉弁11と連通している。 【0023】2次低圧通路14の途中には低圧側ピストンユニット30が介装されている。この低圧側ピストンユニット30は、2次低圧通路14の途中に介装された低圧側シリンダ31を備える。低圧側シリンダ31内には低圧側ピストン34が該低圧側シリンダ31内を往復動可能に配設されている。この低圧側ピストン34にはその外周側面にピストンリング35が取り付けられており、低圧側シリンダ31内の空間はこの低圧側ピストン34及びピストンリング35によって第1シリンダ低圧空間32と第2シリンダ低圧空間33とに区画され、両空間32、33内の作動ガスの互いの流通が遮断されている。従って、この低圧側ピストン34及びピストンリング35が本発明の低圧側画成部材に相当する。低圧側ピストン34の一端面にはスプリング36が連結されている。このスプリング36は、他端が低圧側シリンダ31の内壁に固定されており、低圧側ピストン34を弾性支持するものである。尚、低圧側ピストン34及びピストンリング35により区画される低圧側シリンダ31内空間のうち、第1シリンダ低圧空間32は2次低圧通路14を経て1次低圧通路3と連通しており、第2シリンダ低圧空間33は2次低圧通路14を経て第2低圧開閉弁12と連通している。 【0024】図2は、上記説明のパルス管冷凍機101の運転時における、時間経過に伴う第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12の開閉状態(太線部分が開の状態、細線部分が閉の状態)と、時間経過に伴う作動空間内(主にパルス管10内)の圧力状態を併記したものである。 【0025】本例におけるパルス管冷凍機101においては、運転サイクル中、第2シリンダ高圧空間23及びそれにつながる2次高圧通路13の部分は、第1シリンダ高圧空間22及びそれにつながる2次高圧通路13の部分とほぼ同レベルの圧力状態にある。第1シリンダ高圧空間22は、1次高圧通路2に連通してほぼ圧縮機1の吐出圧にまで上昇しているので、上記空間22、23及び第2高圧通路13内は、サイクル中のほぼ最高圧力状態にあることになる。また、第2シリンダ低圧空間33及びそれにつながる2次低圧通路14の部分は、第1シリンダ低圧空間32及びそれにつながる2次低圧通路14の部分とほぼ同レベルの圧力状態になる。第1シリンダ低圧空間32は、1次低圧通路3に連通してほぼ圧縮機1の吸入圧にまで下降しているので、上記空間32、33及び2次低圧通路14内は、サイクル中のほぼ最低圧力状態にあることになる。 【0026】上記状態において、まず第2高圧開閉弁11を開くと、第2シリンダ高圧空間23内の高圧の作動ガスが第2高圧開閉弁11を通って作動空間に流れ込み、作動空間内の圧力が増大する。それに従って第2シリンダ高圧空間23内の圧力は少し下がってくるため、第1シリンダ高圧空間22と第2シリンダ高圧空間23との間で差圧が生じ(第1シリンダ高圧空間22内の圧力>第2シリンダ高圧空間23内の圧力)、この差圧を打ち消けそうとして、高圧側ピストン24は図示右方に移動する。この高圧側ピストン24の移動は、上記差圧とスプリング26の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0027】その後第1高圧開閉弁4を開く。すると、第1高圧開閉弁4を通って作動空間に高圧の作動ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに上昇して最高圧力まで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示右方向に移動し、パルス管10から第2高圧開閉弁11を通って第2シリンダ高圧空間23に作動ガスが流れ込み、高圧側ピストン24を元の位置まで戻す。 【0028】次に第1高圧開閉弁4及び第2高圧開閉弁11を閉じ、第2低圧開閉弁12を開く。すると最高圧力状態となっている作動空間から第2低圧開閉弁12を通って作動ガスが第2シリンダ低圧空間33に流れ込み、作動空間内の圧力が減少する。それに従って第2シリンダ低圧空間33の圧力は上昇するため、第1シリンダ低圧空間32と第2シリンダ低圧空間33との間で差圧が生じ(第1シリンダ低圧空間32内の圧力<第2シリンダ低圧空間33内の圧力)、この差圧を打ち消そうとして、低圧側ピストン34は図示左方に移動する。この低圧側ピストン34の移動は、上記差圧とスプリング36の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0029】その後、第1低圧開閉弁5を開く。すると、作動空間から第1低圧開閉弁5を通って圧縮機1の吸入口1bに作動ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに下降して最低圧力にまで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示左方向に移動し、これに伴って第2シリンダ低圧空間33内の作動ガスが第2低圧開閉弁12を通って作動空間内に流入し、低圧側ピストン34を元の位置まで戻す。そして第1低圧開閉弁5及び第2低圧開閉弁12を閉じて1サイクルを終了する。 【0030】以上のように第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12を開閉制御し、これらの開閉タイミングによって作動ガスの圧力変動と動き(変位)との間の位相を制御することによって、パルス管10内で冷凍出力を発生させ、それをコールドヘッド9を介して取出すものである。 【0031】本例におけるパルス管冷凍機101では、従来の4弁型パルス管冷凍機に比べて、冷凍性能が向上することと、動作安定性が向上することの主として二つの利点がある。 【0032】このうち冷凍機性能が向上する理由は次のようである。従来の4弁型パルス管冷凍機では、上述したようにその構成上圧縮機1から第2高圧開閉弁11を通ってパルス管10に流入する作動ガスのうちの多くが、必ず第2低圧開閉弁12を通って再び圧縮機1に流れ出すという現象によって無駄な圧縮機仕事が発生していたが、本例におけるパルス管冷凍機101では高圧側ピストンユニット20の高圧側ピストン24及びピストンリング25で構成される高圧側画成部材、及び、低圧側ピストンユニット30の低圧側ピストン34及びピストンリング35で構成される低圧側画成部材の存在によって作動ガスの流通が遮断されるので、上記現象が起こらなくなり、同じ効率を得るための圧縮機1の吐出流量が低減でき、ひいては圧縮機仕事が低減できる。このため冷凍機としての性能を向上することができるものである。 【0033】もう一つの利点の動作安定性が向上する理由は、従来の4弁型パルス管冷凍機において発生していた循環流が、本例のパルス管冷凍機101においては高圧側ピストンユニット20の高圧側ピストン24及びピストンで構成される高圧側画成部材、及び、低圧側ピストンユニット30の低圧側ピストン34及びピストンリング35で構成される低圧側画成部材の存在によって作動ガスの流通が遮断されるので、循環流が発生しなくなるためである。 【0034】(第2実施形態例)次に、本発明の第2実施形態例について図面に基づいて説明する。 【0035】図3は、本例におけるパルス管冷凍機102である。図において、パルス管冷凍機102の構成は、基本的には第1実施形態例で示したパルス管冷凍機101と同一であり、異なるところはパルス管側高圧連通路16に中圧ユニット40を連通させた点である。その他の構成は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101と同一であるので、同一部分を同一符号で示してその具体的説明を省略する。 【0036】上述のように本例のパルス管冷凍機102は、パルス管側高圧連通路16に中圧ユニット40が連通されている。中圧ユニット40は、一端がパルス管側高圧連通路16に連通した中圧通路41と、中圧通路41の途中に介装された中圧開閉弁42と、中圧通路41の他端に連通した中圧バッファタンク43とを有する。中圧バッファタンク43内の圧力は、圧縮機1の吐出圧力(作動空間での最高圧力)と吸入圧力(作動空間での最低圧力)とのほぼ中間の圧力程度にされている。 【0037】図4は、上記説明のパルス管冷凍機102の運転時における、時間経過に伴う第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12、中圧開閉弁42の開閉状態(太線部分が開の状態、細線部分が閉の状態)と、時間経過に伴う作動空間内(主にパルス管10内)の圧力状態を併記したものである。 【0038】本例におけるパルス管冷凍機102においては、運転サイクル中、第2シリンダ高圧空間23及びそれにつながる2次高圧通路13の部分は、第1シリンダ高圧空間22及びそれにつながる2次高圧通路13の部分とほぼ同レベルの圧力状態にある。第1シリンダ高圧空間22は、1次高圧通路2に連通してほぼ圧縮機1の吐出圧にまで上昇しているので、上記空間22、23及び2次高圧通路13内は、サイクル中のほぼ最高圧力状態にあることになる。また、第2シリンダ低圧空間33及びそれにつながる2次低圧通路14の部分は、第1シリンダ低圧空間32及びそれにつながる2次低圧通路14の部分とほぼ同レベルの圧力状態にある。第1シリンダ低圧空間32は、1次低圧通路3に連通してほぼ圧縮機1の吸入圧にまで下降しているので、上記空間32、33及び2次低圧通路14内は、サイクル中のほぼ最低圧力状態にあることになる。 【0039】上記状態において、まず、作動空間内の圧力が最低圧力の状態から中圧開閉弁42を開くと、中圧バッファタンク43内の作動ガスが中圧開閉弁42から作動空間内に流れ込み、作動空間内の圧力が最低圧力から中間圧力付近にまで上昇する。 【0040】次に、中圧開閉弁42を閉じた後に第2高圧開閉弁11を開くと、第2シリンダ高圧空間23内の高圧の作動ガスが第2高圧開閉弁11を通って作動空間に流れ込み、作動空間内の圧力がさらに増大する。それに従って第2シリンダ高圧空間23内の圧力は少し下がってくるため、第1シリンダ高圧空間22と第2シリンダ高圧空間23との間で差圧が生じ(第1シリンダ高圧空間22内の圧力>第2シリンダ高圧空間23内の圧力)、この差圧を打ち消けそうとして、高圧側ピストン24は図示右方に移動する。この高圧側ピストン24の移動は、上記差圧とスプリング26の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0041】その後、第1高圧開閉弁4を開く。すると、第1高圧開閉弁4を通って作動空間に高圧の作動ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに上昇して最高圧力まで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示右方向に移動し、パルス管10から第2高圧開閉弁11を通って第2シリンダ高圧空間23にガスが流れ込み、高圧側ピストン24を元の位置まで戻す。 【0042】その後第1高圧開閉弁4及び第2高圧開閉弁11を閉じ、再び中圧開閉弁42を開く。すると最高圧力状態である作動空間から中圧バッファタンク43内へと作動ガスが流れ込み、作動空間内の圧力が最高圧力から中間圧力付近にまで下降する。 【0043】次に中圧開閉弁42を閉じ、第2低圧開閉弁12を開く。すると中間圧力状態である作動空間から第2低圧開閉弁12を通って作動ガスが第2シリンダ低圧空間33に流れ込み、作動空間内の圧力が減少する。それに従って第2シリンダ低圧空間33の圧力は上昇するため、第1シリンダ低圧空間32と第2シリンダ低圧空間33との間で差圧が生じ(第1シリンダ低圧空間32内の圧力<第2シリンダ低圧空間33内の圧力)、この差圧を打ち消そうとして、低圧側ピストン34は図示左方に移動する。この低圧側ピストン34の移動は、上記差圧とスプリング36の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0044】その後、第1低圧開閉弁5を開く。すると、作動空間から第1低圧開閉弁5を通って圧縮機1の吸入口1bに作動ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに下降して最低圧力にまで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示左方向に移動し、これに伴って第2シリンダ低圧空間33内の作動ガスが第2低圧開閉弁12を通って作動空間内に流入し、低圧側ピストン34を元の位置まで戻す。そして第1低圧開閉弁5及び第2低圧開閉弁12を閉じて1サイクルを終了する。 【0045】以上のように第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12、中圧開閉弁42を開閉制御し、これらの開閉タイミングによって作動ガスの圧力変動と動き(変位)との間の位相を制御することによって、パルス管10内で冷凍出力を発生させ、それをコールドヘッド9を介して取出すものである。 【0046】本例におけるパルス管冷凍機102では、従来の4弁型パルス管冷凍機に比べて冷凍性能が向上すること、動作安定性が向上すること及びその理由は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101の場合と基本的に同じであるが、冷凍機性能の面で上記第1実施形態例に示したパルス管冷凍機101よりも優れている。その理由は、第2高圧開閉弁11が開く前に、中圧ユニット40を利用して作動空間内の圧力を中間圧力近くまで上昇させておくので、第2高圧開閉弁11を開いた際の開閉弁11前後の圧力差(作動空間内の圧力と2次高圧通路13内の圧力との圧力差)が第1実施形態例のときよりも小さくなり、第2高圧開閉弁11による弁損失(不可逆的な拡散に基づく損失で、弁の開閉を圧力差の大きい条件d得行う程損失量が大きくなり、圧縮機仕事の増大につながる)を減少させることができるためである。尚、第2低圧開閉弁12による弁損失も同様の理由で減少できる。 【0047】(第3実施形態例)次に、本発明の第3実施形態例について図面に基づいて説明する。 【0048】図5は、本例におけるパルス管冷凍機103である。図において、パルス管冷凍機103の構成は、基本的には第1実施形態例で示したパルス管冷凍機101と同一であり、異なるところはパルス管10の高温端10bに中圧ユニットを複数連通させた点、具体的には、パルス管10の高温端10b側と第2高圧開閉弁11または第2低圧開閉弁12とを連通するための連通路(パルス管側高圧連通路16もしくはパルス管側低圧連通路17)に第1中圧ユニット50と第2中圧ユニット60を連通した点である。その他の構成は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101と同一であるので、同一部分を同一符号で示してその具体的説明を省略する。 【0049】上述のように本例のパルス管冷凍機103は、パルス管側高圧連通路16に第1中圧ユニット50が、パルス管側低圧連通路17に第2中圧ユニット60がそれぞれ接続されることによって、これらの中圧ユニット50、60がパルス管10の高温端10bに連通されている。第1中圧ユニット50は、一端がパルス管側高圧連通路16に連通した第1中圧通路51と、第1中圧通路51の途中に介装された第1中圧開閉弁52と、第1中圧通路51の他端に連通した第1中圧バッファタンク53とを有する。第2中圧ユニット60は、一端がパルス管側低圧連通路17に連通した第2中圧通路61と、第2中圧通路61の途中に介装された第2中圧開閉弁62と、第2中圧通路61の他端に連通した第2中圧バッファタンク63とを有する。第1中圧バッファタンク53内及び第2中圧バッファタンク63内の圧力は、いずれも圧縮機1の吐出圧力(作動空間での最高圧力)よりも小さく、吸入圧力(作動空間での最低圧力)よりも大きい圧力にされている。また、第1中圧バッファタンク53内の圧力は第2中圧バッファタンク63内の圧力よりも低くされている。好ましい態様としては、圧縮機1の吐出圧力(作動空間での最高圧力)をPH、吸入圧力(作動空間での最低圧力)をPLとした場合、第1中圧バッファタンク53内の圧力が(PH+2PL)/3、第2中圧バッファタンク63内の圧力が(2PH+PL)/3となるように、つまり圧力PHと圧力PLとの差分の3等分点にくるように第1及び第2中圧バッファタンク53及び63内の圧力を設定する。 【0050】図6は、上記説明のパルス管冷凍機103の運転時における、時間経過に伴う第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12、第1中圧開閉弁52、第2中圧開閉弁62の開閉状態(太線部分が開の状態、細線部分が閉の状態)と、時間経過に伴う作動空間内(主にパルス管10内)の圧力状態を併記したものである。 【0051】本例におけるパルス管冷凍機103においては、運転サイクル中、第2シリンダ高圧空間23及びそれにつながる2次高圧通路13の部分は、第1シリンダ高圧空間22及びそれにつながる2次高圧通路13の部分とほぼ同レベルの圧力状態にある。第1シリンダ高圧空間22は、1次高圧通路2に連通してほぼ圧縮機1の吐出圧にまで上昇しているので、上記空間22、23及び2次高圧通路13内は、サイクル中のほぼ最高圧力状態にあることになる。また、第2シリンダ低圧空間33及びそれにつながる2次低圧通路14の部分は、第1シリンダ低圧空間32及びそれにつながる2次低圧通路14の部分とほぼ同レベルの圧力状態にある。第1シリンダ低圧空間32は、1次低圧通路3に連通してほぼ圧縮機1の吸入圧にまで下降しているので、上記空間32、33及び2次低圧通路14内は、サイクル中のほぼ最低圧力状態にあることになる。 【0052】上記状態において、まず、作動空間内の圧力が最低圧力の状態から第1中圧開閉弁52を開くと、第1中圧バッファタンク53内の作動ガスが第1中圧開閉弁52から作動空間内に流れ込み、作動空間内の圧力が最低圧力から第1中圧バッファタンク53内の圧力(第1中間圧力)付近にまで上昇する。 【0053】次に、第1中圧開閉弁52を閉じた後に第2中圧開閉弁62を開くと、第2中圧バッファタンク63内の作動ガスが第2中圧開閉弁62から作動空間内に流れ込み、作動空間内の圧力が第1中間圧力から第2中圧バッファタンク63内の圧力(第2中間圧力)付近にまで上昇する。 【0054】次に、第2中圧開閉弁62を閉じた後に第2高圧開閉弁11を開くと、第2シリンダ高圧空間23内の作動ガスが第2高圧開閉弁を通って作動空間に流れ込み、作動空間内の圧力が増大する。それに従って第2シリンダ高圧空間23内の圧力は少し下がってくるため、第1シリンダ高圧空間22と第2シリンダ高圧空間23との間で差圧が生じ(第1シリンダ高圧空間22内の圧力>第2シリンダ高圧空間23内の圧力)、この差圧を打ち消けそうとして、高圧側ピストン24は図示右方に移動する。この高圧側ピストン24の移動は、上記差圧とスプリング26の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0055】その後、第1高圧開閉弁4を開く。すると、第1高圧開閉弁4を通って作動空間に高圧の作動ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに上昇して最高圧力まで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示右方向に移動し、パルス管10から第2高圧開閉弁11を通って第2シリンダ高圧空間23にガスが流れ込み、高圧側ピストン24を元の位置まで戻す。 【0056】その後第1高圧開閉弁4及び第2高圧開閉弁11を閉じ、第2中圧開閉弁62を開く。すると最高圧力状態である作動空間から第2中圧開閉弁62を通って第2中圧バッファタンク63内へと作動ガスが流れ込み、作動空間内の圧力が最高圧力から第2中間圧力付近にまで下降する。 【0057】次に第2中圧開閉弁62を閉じ、第1中圧開閉弁52を開く。すると第2中間圧力状態である作動空間から第1中圧開閉弁52を通って第1中圧バッファタンク53内へと作動ガスが流れ込み、作動空間内の圧力が第2中間圧力から第1中間圧力付近にまで下降する。 【0058】次に第1中圧開閉弁52を閉じ、第2低圧開閉弁12を開く。すると第1中間圧力状態である作動空間から第2低圧開閉弁12を通って作動ガスが第2シリンダ低圧空間33に流れ込み、作動空間内の圧力が下降する。それに従って第2シリンダ低圧空間33の圧力は上昇するため、第1シリンダ低圧空間32と第2シリンダ低圧空間33との間で差圧が生じ(第1シリンダ低圧空間32内の圧力<第2シリンダ低圧空間33内の圧力)、この差圧を打ち消そうとして、低圧側ピストン34は図示左方に移動する。この低圧側ピストン34の移動は、上記差圧とスプリング36の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0059】その後、第1低圧開閉弁5を開く。すると、作動空間から第1低圧開閉弁5を通って圧縮機1の吸入口1bに作動ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに下降して最低圧力にまで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示左方向に移動し、これに伴って第2シリンダ低圧空間33内の作動ガスが第2低圧開閉弁12を通って作動空間内に流入し、低圧側ピストン34を元の位置まで戻す。そして第1低圧開閉弁5及び第2低圧開閉弁12を閉じて1サイクルを終了する。 【0060】以上のように第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12、第1中圧開閉弁52、第2中圧開閉弁62を開閉制御し、これらの開閉タイミングによって作動ガスの圧力変動と動き(変位)との間の位相を制御することによって、パルス管10内で冷凍出力を発生させ、それをコールドヘッド9を介して取出すものである。 【0061】本例におけるパルス管冷凍機103では、従来の4弁型パルス管冷凍機に比べて冷凍性能が向上すること、動作安定性が向上すること及びその理由は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101の場合と基本的に同じであるが、冷凍機性能の面で上記第1実施形態例に示したパルス管冷凍機101よりも優れていることはもちろんのこと、上記第2実施形態例に示したパルス管冷凍機102よりも優れている。その理由は、作動空間内の圧力を最低圧力から最高圧力に上げていく際に、いきなり最高圧力にまで上昇させず、まず第1中圧開閉弁52を開いて作動空間内圧を第1中間圧力とし、次いで第2中圧開閉弁62を開いて作動空間内圧を第2中間圧力とし、その後最高圧力に上げていくという段階的な圧力上昇を行っているので、弁を開閉する際の弁損失(不可逆的な拡散に基づく損失で、弁の開閉を圧力差の大きい条件で行う程大きくなり、圧縮機仕事の増大につながる)をより一層減少させることができるためである。尚、第2低圧開閉弁12による弁損失も同様の理由で減少できる。 【0062】(第4実施形態例)次に、本発明の第4実施形態例について図面に基づいて説明する。 【0063】図7は、本例におけるパルス管冷凍機104である。図において、パルス管冷凍機104の構成は、基本的には第1実施形態例で示したパルス管冷凍機101と同一であり、異なるところはパルス管側高圧連通路16に中圧ユニット70を接続させた点である。その他の構成は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101と同一であるので、同一部分を同一符号で示してその具体的説明を省略する。 【0064】上述のように本例のパルス管冷凍機104は、パルス管側高圧連通路16に中圧ユニット70が接続されており、これによりパルス管10の高温端10bに中圧ユニット70を連通した構造となっている。この中圧ユニット70は、一端がパルス管側高圧連通路16に連通した中圧通路71と、中圧通路71の途中に介装されたオリフィスバルブ72と、中圧通路71の他端に連通した中圧バッファタンク73とを有する。中圧バッファタンク73内の圧力は、圧縮機1の吐出圧力(作動空間での最高圧力)と吸入圧力(作動空間での最低圧力)とのほぼ中間の圧力程度にされている。 【0065】図8は、上記構成のパルス管冷凍機104の運転時における、時間経過に伴う第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12の開閉状態(太線部分が開の状態、細線部分が閉の状態)と、時間経過に伴う作動空間内(主にパルス管10内)の圧力状態を併記したものである。 【0066】本例におけるパルス管冷凍機104においては、運転サイクル中、第2シリンダ高圧空間23及びそれにつながる2次高圧通路13の部分は、第1シリンダ高圧空間22及びそれにつながる2次高圧通路13の部分とほぼ同レベルの圧力状態にある。第1シリンダ高圧空間22は、1次高圧通路2に連通してほぼ圧縮機1の吐出圧にまで上昇しているので、上記空間22、23及び2次高圧通路13内は、サイクル中のほぼ最高圧力状態にあることになる。また、第2シリンダ低圧空間33及びそれにつながる2次低圧通路14の部分は、第1シリンダ低圧空間32及びそれにつながる2次低圧通路14の部分とほぼ同レベルの圧力状態にある。第1シリンダ低圧空間32は、1次低圧通路3に連通してほぼ圧縮機1の吸入圧にまで下降しているので、上記空間32、33及び2次低圧通路14内は、サイクル中のほぼ最低圧力状態にあることになる。 【0067】上記状態において、まず第2高圧開閉弁11を開くと、第2シリンダ高圧空間23内の高圧の作動ガスが第2高圧開閉弁11を通って作動空間に流れ込み、作動空間内の圧力が増大する。それに従って第2シリンダ高圧空間23内の圧力は少し下がってくるため、第1シリンダ高圧空間22と第2シリンダ高圧空間23との間で差圧が生じ(第1シリンダ高圧空間22内の圧力>第2シリンダ高圧空間23内の圧力)、この差圧を打ち消けそうとして、高圧側ピストン24は図示右方に移動する。この高圧側ピストン24の移動は、上記差圧とスプリング26の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0068】その後、第1高圧開閉弁4を開く。すると、第1高圧開閉弁4を通って作動空間に高圧ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに上昇して最高圧力まで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示右方向に移動し、パルス管10から第2高圧開閉弁11を通って第2シリンダ高圧空間23にガスが流れ込み、高圧側ピストン24を元の位置まで戻す。尚、このような最高圧力の状態になるまでに、作動空間内の作動ガスはオリフィスバルブ72を通って中圧バッファタンク73に徐々に流れ込む。このため圧力の立ち上がりがゆるやかになり、最高圧力に達するまでに時間がかかる。従って、パルス管10内の作動ガスの移動時間も長く取れ、その結果パルス管10内の作動ガスが大きく図示右方向に移動する。 【0069】その後第1高圧開閉弁4及び第2高圧開閉弁11を閉じ、第2低圧開閉弁12を開く。すると最高圧力状態である作動空間から第2低圧開閉弁12を通って作動ガスが第2シリンダ低圧空間33に流れ込み、作動空間内の圧力が減少する。それに従って第2シリンダ低圧空間33の圧力は上昇するため、第1シリンダ低圧空間32と第2シリンダ低圧空間33との間で差圧が生じ(第1シリンダ低圧空間32内の圧力<第2シリンダ低圧空間33内の圧力)、この差圧を打ち消そうとして、低圧側ピストン34は図示左方に移動する。この低圧側ピストン34の移動は、上記差圧とスプリング36の弾性力とが釣り合う位置で停止する。 【0070】その後、第1低圧開閉弁5を開く。すると、作動空間から第1低圧開閉弁5を通って圧縮機1の吸入口1bに作動ガスが流れ込み、作動空間の圧力がさらに下降して最低圧力にまで達する。この状態においてパルス管10内の作動ガスが図示左方向に移動し、これに伴って第2シリンダ低圧空間33内の作動ガスが第2低圧開閉弁を通って作動空間内に流入し、低圧側ピストン34を元の位置まで戻す。尚、このような最低圧力の状態になるまでに、中圧バッファタンク73内の作動ガスはオリフィスバルブ72を通って作動空間に徐々に流れ込む。このため圧力の立ち下がりがゆるやかになり、最低圧力に達するまでに時間がかかる。従って、パルス管10内の作動ガスの移動時間も長く取れ、その結果パルス管10内の作動ガスが大きく図示左方向に移動する。その後第1低圧開閉弁5及び第2低圧開閉弁12を閉じて1サイクルを終了する。 【0071】以上のように第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12を開閉制御し、これらの開閉タイミングによって作動ガスの圧力変動と動き(変位)との間の位相を制御することによって、パルス管10内で冷凍出力を発生させ、それをコールドヘッド9を介して取出すものである。 【0072】本例におけるパルス管冷凍機104では、従来の4弁型パルス管冷凍機に比べて冷凍性能が向上すること、動作安定性が向上すること及びその理由は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101の場合と基本的に同じである。また、冷凍機性能の面で上記第1実施形態例に示したパルス管冷凍機101よりも優れている。その理由は上記第2実施形態例において示した場合と同じである。 【0073】尚、本例に示したパルス管冷凍機104は、運転中にパルス管内の作動ガスを大きく移動(変位)させることができる。このため等価P−V線図上の容積移動量(V軸の変位量)を大きくとることができるので、冷凍機の圧力比(圧縮機1の吐出圧と吸入圧との比)が低い場合や冷凍温度が高い場合により性能の向上が望める。 【0074】(第5実施形態例)次に、本発明の第5実施形態例について図面に基づいて説明する。 【0075】図9は、本例におけるパルス管冷凍機105である。図において、パルス管冷凍機105の構成は、基本的には第1実施形態例で示したパルス管冷凍機101と同一であり、異なるところは蓄冷器側高圧連通路6とパルス管側高圧連通路16とをバイパス通路18で連通することにより蓄冷器8の高温端8bとパルス管10の高温端10bとをこのバイパス通路18で連通し、バイパス通路18の途中にバイパス用オリフィスバルブ19を設けた点である。その他の構成は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101と同一であるので、同一部分を同一符号で示してその具体的説明を省略する。 【0076】尚、上述のように本例のパルス管冷凍機105では、バイパス通路18を蓄冷器側高圧連通路6とパルス管側高圧連通路16との間に設けたが、蓄冷器8の高温端8bとパルス管10の高温端10bとを直接バイパス通路で連通してもよいし、蓄冷器側低圧連通路7とパルス管側低圧連通路17との間にバイパス通路を設けてもよい。 【0077】また、本例のパルス管冷凍機105の運転時における時間経過に伴う第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12の開閉状態と、時間経過に伴う作動空間内の圧力状態は、上記第1実施形態例において説明した図2に示したものと同一である。従って、本例における各開閉弁操作とそのときにおける作動空間の圧力状態の説明は、図2及び上記第1実施形態例で説明した部分を援用し、ここではその具体的説明を省略する。 【0078】本例におけるパルス管冷凍機105では、従来の4弁型パルス管冷凍機に比べて冷凍性能が向上すること、動作安定性が向上すること及びその理由は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101の場合と基本的に同じである。尚、本例におけるパルス管冷凍機105は、蓄冷器8の高温端8bとパルス管10の高温端10bとをバイパス通路18で連通しているので、バイパス通路18内に作動ガスを行き来させることによってパルス管10内の作動ガスの変位を制御することができる。特に、パルス管10内の作動ガスの変位を小さくする場合に有効である。このため冷凍機の圧力比(圧縮機1の吐出圧と吸入圧との比)が高い場合、特に極低温冷凍機(圧縮比を高めてかつ作動ガスの変位を小さくし、作動ガスの変位に伴う熱侵入を極力防止した冷凍機)を運転する場合により性能向上が望める。 【0079】(第6実施形態例)次に、本発明の第6実施形態例について図面に基づいて説明する。 【0080】図10は、本例におけるパルス管冷凍機106である。図において、パルス管冷凍機106の構成は、基本的には第1実施形態例で示したパルス管冷凍機101と同一であり、異なるところは、2次高圧通路13の途中に介装する高圧側ピストンユニットの構造、及び、2次低圧通路14の途中に介装する低圧側ピストンユニットの構造である。その他の構成は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101と同一であるので、同一部分を同一符号で示してその具体的説明を省略する。 【0081】上述のように本例におけるパルス管冷凍機106では、2次高圧通路13の途中に介装する高圧側ピストンユニット80及び2次低圧通路14の途中に介装する低圧側ピストンユニット90の構造は、上記第1実施形態例におけるパルス管冷凍機101において使用した高圧側ピストンユニット20及び低圧側ピストンユニット30の構造とは異なっている。本例における高圧側ピストンユニット80は、2次高圧通路13の途中に介装された高圧側シリンダ81を備える。高圧側シリンダ81内にはダイヤフラム82が収納されている。このダイヤフラム82は該シリンダ81の軸方向に伸縮可能となるようにその軸方向を該シリンダ81の軸方向と同一となるような状態で設置され、その一端が高圧側シリンダ81の一方の内壁端面81aに連結固定され、その他端が板状のダイヤフラムヘッド83に固定されている。シリンダ81の一方の内壁端面81aとダイヤフラム82の一端、及び、ダイヤフラムヘッド83とダイヤフラム82の他端とはそれぞれ気密的に連結されているので、ダイヤフラム82の内部空間84と外部空間85とは気密的に区画され、両空間84、85内の作動ガスの互いの流通が遮断されている。従って、このダイヤフラム82及びダイヤフラムヘッド83が、本発明の高圧側画成部材に相当する。尚、内部空間84と外部空間85のうち、外部空間85は第2高圧通路13を経て高圧通路2と連通しており、内部空間84は第2高圧通路13を経て第2高圧開閉弁11と連通している。 【0082】また、低圧側ピストンユニット90は、第2低圧通路14の途中に介装された低圧側シリンダ91を備える。低圧側シリンダ91内にはダイヤフラム92が収納されている。このダイヤフラム92は該シリンダ91の軸方向に伸縮可能となるようにその軸方向を該シリンダ91の軸方向と同一となるような状態で設置され、その一端が低圧側シリンダ91の一方の内壁端面91aに連結固定され、その他端が板状のダイヤフラムヘッド93に固定されている。シリンダ91の一方の内壁端面91aとダイヤフラム92の一端、及び、ダイヤフラムヘッド93とダイヤフラム92の他端とはそれぞれ気密的に連結されているので、ダイヤフラム92の内部空間94と外部空間95とは気密的に区画され、両空間94、95内の作動ガスの互いの流通が遮断されている。従って、このダイヤフラム92及びダイヤフラムヘッド93が、本発明の低圧側画成部材に相当する。尚、内部空間94と外部空間95のうち、外部空間95は第2低圧通路14を経て低圧通路3と連通しており、内部空間94は第2低圧通路14を経て第2低圧開閉弁12と連通している。 【0083】本例のパルス管冷凍機106の運転時における、時間経過に伴う第1高圧開閉弁4、第2高圧開閉弁11、第1低圧開閉弁5、第2低圧開閉弁12の開閉状態と、時間経過に伴う作動空間内の圧力状態は、上記第1実施形態例において説明した図2に示したものと同一である。従って、本例における各開閉弁操作とそのときにおける作動空間の圧力状態の説明は、図2及び上記第1実施形態例で説明した部分を援用し、ここではその具体的説明を省略する。 【0084】本例におけるパルス管冷凍機106では、従来の4弁型パルス管冷凍機に比べて冷凍性能が向上すること、動作安定性が向上すること及びその理由は上記第1実施形態例で説明したパルス管冷凍機101の場合と基本的に同じである。尚、本例におけるパルス管冷凍機106では、ダイヤフラム、ダイヤフラムヘッド、シリンダによって確実に作動ガスをシールすることができ、ガス漏れに伴う性能低下を確実に防止することができる。 【0085】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、パルス管冷凍機において、冷凍効率を向上させ、また、一方向流の発生を防止して作動安定性を確保することができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月30日(1999.3.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−283580(P2000−283580A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−90047 |
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