| 【発明の名称】 |
液化ガス貯蔵装置、再液化装置、及び液化窒素の再液化方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】李 瑞
【氏名】小山 知大
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| 【要約】 |
【課題】簡易な構造で取り扱いの便利な再液化装置及びそれを用いた液化ガス貯蔵装置を提供する。
【解決手段】液化ガスを貯蔵する液化ガス貯蔵槽に液化ガスの注入口が設けられている。注入口の開口部の周囲に、物理的な支持力を有する支持面が画定されている。冷却装置が、支持面に整合する被支持面を有する。被支持面を支持面に整合させることにより冷却装置が物理的に支持される。再液化室が冷却装置の低温発生部に熱的に結合している。冷却装置を支持面によって支持したとき、内管が注入口の内部まで導入される。内管は、再液化室に接続されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液化ガスを貯蔵する液化ガス貯蔵槽と、前記液化ガス貯蔵槽に設けられ、該液化ガス貯蔵槽内に液化ガスを注入するための注入口と、前記注入口の開口部の周囲に画定され、物理的な支持力を有する支持面と、前記支持面に整合する被支持面を有し、該被支持面を前記支持面に整合させることにより物理的に支持される冷却装置と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記再液化室に連通し、前記冷却装置を前記支持面によって支持したとき、前記注入口の内部まで導入される内管とを有する液化ガス貯蔵装置。 【請求項2】 さらに、前記冷却装置の低温発生部を収容する真空容器と、前記真空容器に接続された外管であって、該外管が前記内管の一部を包み、前記内管の外周面と前記外管の内周面との間に、前記真空容器内の空間に連通した間隙を画定し、前記冷却装置を前記支持面によって支持したとき、前記間隙部の一部が前記注入口の内部まで導入される前記外管とを有する請求項1に記載の液化ガス貯蔵装置。 【請求項3】 液化ガスを貯蔵する液化ガス貯蔵槽と、前記液化ガス貯蔵槽に設けられ、該液化ガス貯蔵槽内に液化ガスを注入するための注入口と、低温発生部を有する冷却装置と、前記冷却装置を、その低温発生部が前記液化ガス貯蔵槽の外部に配置されるように支持する支持手段と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記支持手段により前記冷却装置を支持したとき、前記再液化室と前記液化ガス貯蔵槽内の空間とを連通させる第1の内管と、前記再液化室に連通し、前記支持手段により前記冷却装置を支持したとき、前記注入口を通して前記液化ガス貯蔵槽の内部まで挿入され、その挿入部分の長さが前記第1の内管のそれよりも長い第2の内管とを有する液化ガス貯蔵装置。 【請求項4】 さらに、前記冷却装置の低温発生部を収容する真空容器と、前記真空容器に接続された外管であって、該外管が前記第2の内管の一部を包み、前記第2の内管の外周面と前記外管の内周面との間に、前記真空容器内の空間に連通した間隙を画定し、前記冷却装置を前記支持手段によって支持したとき、前記間隙部の一部が前記注入口の内部まで導入される前記外管とを有する請求項3に記載の液化ガス貯蔵装置。 【請求項5】 液化ガスの注入口の設けられた液化ガス貯蔵槽の該注入口の周囲の面に整合する被支持面を有し、該被支持面を該注入口の周囲の面に整合させることにより物理的に支持される冷却装置と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記再液化室に連通し、前記冷却装置を前記被支持面によって支持したとき、前記注入口の内部まで導入される内管とを有する液化ガス再液化装置。 【請求項6】 さらに、前記冷却装置の低温発生部を収容する真空容器と、前記真空容器に接続された外管であって、該外管が前記内管の一部を包み、前記内管の外周面と前記外管の内周面との間に、前記真空容器内の空間に連通した間隙を画定し、前記冷却装置を前記被支持面によって支持したとき、前記間隙部の一部が前記注入口の内部まで導入される前記外管とを有する請求項5に記載の液化ガス再液化装置。 【請求項7】 低温発生部を有する冷却装置と、前記冷却装置を、液化ガスの注入口の設けられた液化ガス貯蔵槽に支持する支持手段と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記再液化室に連通し、前記冷却装置を前記支持手段によって支持したとき、前記注入口の内部まで導入される第1の内管と、前記再液化室に連通し、前記支持手段により前記冷却装置を支持したとき、前記注入口を通して前記液化ガス貯蔵槽の内部まで挿入され、その挿入部分の長さが前記第1の内管のそれよりも長い第2の内管とを有する液化ガス再液化装置。 【請求項8】 さらに、前記冷却装置の低温発生部を収容する真空容器と、前記真空容器に接続された外管であって、該外管が前記第2の内管の一部を包み、前記第2の内管の外周面と前記外管の内周面との間に、前記真空容器内の空間に連通した間隙を画定し、前記冷却装置を前記支持手段によって支持したとき、前記間隙部の一部が前記注入口の内部まで導入される前記外管とを有する請求項7に記載の液化ガス再液化装置。 【請求項9】 液化窒素を貯蔵する貯蔵槽内に、冷却された再液化室に連通する輸送管を挿入することにより、前記貯蔵槽内で蒸発し、前記輸送管内を上昇し、前記再液化室まで到達した窒素ガスを液化して、前記輸送管を通して前記貯蔵槽内に戻す液化窒素の再液化方法であって、前記貯蔵槽内の液化窒素の単位時間あたりの大気圧下飽和蒸気圧換算での蒸発量v[cm3/h]を予測する工程と、前記輸送管として、その気体の通路の断面積をS[cm2]としたとき、【数1】S≧v/432000を満たす管を用いて液化窒素の再液化を行う工程とを有する液化窒素の再液化方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガス貯蔵装置及び再液化装置に関し、特に液化状態から気化した蒸気を再液化して貯蔵槽に戻す再液化装置を有する液化ガス貯蔵装置及び再液化装置に関する。 【0002】 【従来の技術】NMRや電子顕微鏡等の精密理化学機器において、低温環境を確保するために液化ガスが用いられる。ここで、液化ガスとは、常温で気体状態のガスを冷却することによって液化した液体状態のものを意味する。低温環境を維持するために、蒸発によって減少した液化ガスに相当する量の液化ガスを補充する必要がある。 【0003】液化ガスの補充作業を不要にするために、蒸発した液化ガスを再液化する技術が、特開平8−327171号公報及び特開平10−246547号公報に開示されている。これら公報に開示された再液化装置では、液化ガス貯蔵槽と極低温冷凍機の低温発生部とを、可撓性を有する断熱管で接続する。蒸発した液化ガスが断熱管を通って低温発生部まで到達すると、ここで再度液化される。再液化した液化ガスは、断熱管を通って液化ガス貯蔵槽に戻る。断熱管が可撓性を有するため、極低温冷凍機の発生する振動が液化ガス貯蔵槽まで伝わることを防止することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来例の再液化装置においては、冷凍機を液化ガス蓄積槽以外の支持手段で支持する必要がある。また、断熱管が長くなるため、熱が侵入しやすく再液化効率が低下する。 【0005】本発明の目的は、簡易な構造で取り扱いの便利な再液化装置及びそれを用いた液化ガス貯蔵装置を提供することである。 【0006】本発明の他の目的は、フラッディング現象の発生の抑制することが可能な再液化方法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の一観点によると、液化ガスを貯蔵する液化ガス貯蔵槽と、前記液化ガス貯蔵槽に設けられ、該液化ガス貯蔵槽内に液化ガスを注入するための注入口と、前記注入口の開口部の周囲に画定され、物理的な支持力を有する支持面と、前記支持面に整合する被支持面を有し、該被支持面を前記支持面に整合させることにより物理的に支持される冷却装置と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記再液化室に連通し、前記冷却装置を前記支持面によって支持したとき、前記注入口の内部まで導入される内管とを有する液化ガス貯蔵装置が提供される。 【0008】本発明の他の観点によると、液化ガスの注入口の設けられた液化ガス貯蔵槽の該注入口の周囲の面に整合する被支持面を有し、該被支持面を該注入口の周囲の面に整合させることにより物理的に支持される冷却装置と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記再液化室に連通し、前記冷却装置を前記被支持面によって支持したとき、前記注入口の内部まで導入される内管とを有する液化ガス再液化装置が提供される。 【0009】再液化装置を液化ガス貯蔵槽に直接支持するため、装置の小型化を図ることが可能になる。 【0010】本発明の他の観点によると、液化ガスを貯蔵する液化ガス貯蔵槽と、前記液化ガス貯蔵槽に設けられ、該液化ガス貯蔵槽内に液化ガスを注入するための注入口と、低温発生部を有する冷却装置と、前記冷却装置を、その低温発生部が前記液化ガス貯蔵槽の外部に配置されるように支持する支持手段と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記支持手段により前記冷却装置を支持したとき、前記再液化室と前記液化ガス貯蔵槽内の空間とを連通させる第1の内管と、前記再液化室に連通し、前記支持手段により前記冷却装置を支持したとき、前記注入口を通して前記液化ガス貯蔵槽の内部まで挿入され、その挿入部分の長さが前記第1の内管のそれよりも長い第2の内管とを有する液化ガス貯蔵装置が提供される。 【0011】本発明の他の観点によると、低温発生部を有する冷却装置と、前記冷却装置を、液化ガスの注入口の設けられた液化ガス貯蔵槽に支持する支持手段と、前記冷却装置の低温発生部に熱的に結合した再液化室と、前記再液化室に連通し、前記冷却装置を前記支持手段によって支持したとき、前記注入口の内部まで導入される第1の内管と、前記再液化室に連通し、前記支持手段により前記冷却装置を支持したとき、前記注入口を通して前記液化ガス貯蔵槽の内部まで挿入され、その挿入部分の長さが前記第1の内管のそれよりも長い第2の内管とを有する液化ガス再液化装置が提供される。 【0012】液化ガス貯蔵槽内で蒸発した蒸気が、第1の内管を通って再液化室まで輸送される。この蒸気が再液化室内で再液化される。液化された液化ガスが、第2の内管を通って液化ガス貯蔵槽内に戻される。蒸気の輸送路と液化ガスの輸送路とが分離されているため、いわゆるフラッディング現象の発生を防止することができる。 【0013】本発明の他の観点によると、液化窒素を貯蔵する貯蔵槽内に、冷却された再液化室に連通する輸送管を挿入することにより、前記貯蔵槽内で蒸発し、前記輸送管内を上昇し、前記再液化室まで到達した窒素ガスを液化して、前記輸送管を通して前記貯蔵槽内に戻す液化窒素の再液化方法であって、前記貯蔵槽内の液化窒素の単位時間あたりの大気圧下飽和蒸気圧換算での蒸発量v[cm3/h]を予測する工程と、前記輸送管として、その気体の通路の断面積をS[cm2]としたとき、【0014】 【数2】S≧v/432000を満たす管を用いて液化窒素の再液化を行う工程とを有する液化窒素の再液化方法が提供される。 【0015】この条件を満たす輸送管を用いることにより、フラッディング現象の発生を抑制することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施例による液化ガス貯蔵装置の断面図を示す。真空容器1内に、低温環境で作動する理化学機器5及び液化ガス貯蔵槽2が配置されている。液化ガス貯蔵槽2は、理化学機器5の周囲を取り囲んでいる。液化ガス貯蔵槽2内に、液化窒素3が充填されている。真空容器1に、機器搬出入のための開口部6が形成されている。開口部6は蓋7で気密に塞がれている。 【0017】液化ガス貯蔵槽2に、液化ガスを注入するための注入口10及び測定機器挿入用の開口部11が設けられている。開口部11に、液面計12、圧力計13、及び圧力調整弁14が取り付けられている。なお、液化ガスの蒸発量を人為的に制御するために、液化ガス貯蔵槽2内に電気ヒータ4が配置されている。 【0018】注入口10に、再液化装置20が取り付けられている。再液化装置20の詳細な構成は、後に図2を参照して説明する。再液化装置20は、パルスチューブ冷凍機21を含んで構成される。ガス圧縮機22が連結管23を介してパルスチューブ冷凍機21への冷媒ガスの供給と回収を周期的に繰り返す。パルスチューブ冷凍機21のパルスチューブの高温端に、オリフィス24を介してリザーバタンク25が接続されている。これにより、冷凍能力の向上を図ることが可能になる。 【0019】連結管23は、可撓性を有する。このため、ガス圧縮機22で発生した振動が、パルスチューブ冷凍機21まで伝達されることを防止できる。パルスチューブ冷凍21には、ピストン等の可動部分がないため、再液化装置20自体が発生する振動は少ない。 【0020】図2は、第1の実施例による再液化装置の断面図を示す。パルスチューブ冷凍機21の低温端が、真空容器35の開口部からその内部に挿入されている。パルスチューブ冷凍機21の高温端は、真空容器35の外に配置されている。蓋36が真空容器35の開口部を塞ぎ、真空容器35内の気密性が保たれている。 【0021】真空容器35は、支柱33及び留め具31により真空容器1に支持されている。真空容器1の注入口10の周囲に、物理的支持力を有する支持面16が画定されている。留め具31に、支持面16と整合する形状を有する被支持面30が画定されている。被支持面30を支持面16に整合させることにより、留め具31が真空容器1に安定して支持される。支持面16及び被支持面30は、例えば共通のある軸に関して回転対称な形状を有する。このような回転対称の形状とすることにより、両者の相対位置を安定して固定しやすくなる。 【0022】支持面16と被支持面30との間に、柔軟性を有する膜32が挿入されている。膜32を挿入することにより、留め具31の据わりを安定化させるとともに、振動の伝達を抑制することができる。膜32は、例えばゴムや発泡材等で形成される。 【0023】パルスチューブ冷凍機21の低温端に銅製のコールドヘッド38が取り付けられている。コールドヘッド38と銅製の再液化室容器39とにより、再液化室40が画定される。コールドヘッド38の、再液化室40の内面を画定する部分に、フィンもしくは溝が形成されている。これにより、熱伝達効率が高められる。 【0024】内管42が、真空ベローズ43を介して再液化室容器39に接続され、内管42内の空間が、再液化室40に連通している。外管45が、真空ベローズ46を介して真空容器35に接続されている。内管42及び外管45は、共にステンレスで形成される。外管45は、内管42の一部を包むように配置され、真空ベローズ46は、真空ベローズ43を包むように配置されている。内管42の外周面と外管45の内周面との間に間隙47が画定される。間隙47は、真空ベローズ46と真空ベローズ43との間の空間を経由して真空容器35内の空間に連通している。外管45の先端は、内管42の外周面に溶接されている。これにより、真空容器35及び間隙47内の空間の気密性が維持される。真空ベローズ43及び46は、パルスチューブ冷凍機21の振動が内管42及び外管45に伝達されることを抑制する。 【0025】注入口10は、液化ガス貯蔵槽2内の空間と外部の空間とを連通させる細長い円筒状の空間を画定する。外管45及び内管42の一部が、真空容器1の注入口10内に挿入されている。注入口10の開口部先端と、外管45の外周面に形成された段差部との間にOリング50が装填され、液化ガス貯蔵槽2内の空間の気密性が保たれている。さらに、注入口10の先端近傍の外周面から、注入口10の外側に位置する外管45の外周面までを、円筒状のもれ防止用ゴム51が被覆する。ゴムバンド52でもれ防止用ゴム51を締め付けることにより、もれ防止用ゴム51が、注入口10の先端の外周面及び外管45の外周面に密着する。 【0026】パルスチューブ冷凍機21を運転することにより、コールドヘッド38が絶対温度74K程度まで冷却される。蒸発した窒素ガスが、内管42内を通り再液化室40まで輸送される。再液化室40内の窒素ガスは再度液化され、内管42内を経由して液化ガス貯蔵槽2内に戻される。 【0027】第1の実施例による再液化装置では、内管42のうち注入口10の外側の部分及び真空ベローズ43の周囲が真空に保たれている。さらに、真空引きされている間隙47が注入口10の内部まで挿入されている。このため、外部から内管42内への熱侵入を低減することができる。 【0028】また、第1の実施例では、再液化装置20が、真空容器1に設けられた支持面16により支持されている。大掛かりな支持機構が不要であるため、液化ガス貯蔵装置の小型化を図ることが可能になる。 【0029】第1の実施例による再液化装置20の内管42及び外管45は、ほぼ鉛直になるように配置することが好ましい。鉛直配置とすることにより、再液化された液化ガスを効率的に液化ガス貯蔵槽内に戻すことができる。なお、内管42の軸方向と鉛直方向とのなす角度が20°以下であれば、内管42の軸方向を鉛直にした場合と同等の効果が得られるであろう。 【0030】第1の実施例では、気化した窒素ガスが内管42内を上昇するとともに、再液化した液化窒素が内管42内を下降する。窒素ガスの上昇流の流速が速くなると、内管42内を下降しようとする液化窒素が巻き上げられ、液化ガス貯蔵槽まで到達できなくなる。この現象は、フラッディング(flooding)現象と呼ばれる。フラッディング現象が発生すると、再液化装置が正常に機能しなくなる。 【0031】内管42の内径を細くしすぎるとフラッディング現象が生じ易くなる。次に、内管42の太さの好適な範囲について説明する。 【0032】図3は、内管42の内径を変えた時の、内管42内の窒素ガスの流速及び液化窒素の最大再液化速度を示す。横軸は内管の内径を単位mmで表し、右縦軸は窒素ガスの流速を単位m/sで表し、左縦軸は最大再液化速度を単位cm3/時で表す。図中の白四角が大気圧下飽和窒素蒸気の流速を示し、黒丸が最大再液化速度を示す。 【0033】以下、図3に示すデータの測定方法について説明する。まず、内管42として内径12mmのものを使用した。液化ガス貯蔵槽2の内部を大気に開放し、液面計12によって液化ガス貯蔵槽2からの固有蒸発量Q1を測定する。固有蒸発量Q1は、外部雰囲気からの熱侵入及び理化学機器5からの発熱により、液化ガス貯蔵槽2から定常的に蒸発する液化ガスの量である。 【0034】冷凍機21の運転を開始する。再液化室40内の温度が77K以下になると、蒸発した窒素ガスの再液化が始まる。このため、再液化室40内の温度は77Kよりもやや低い温度で一定になる。液化ガス貯蔵槽2を密閉し、内部の圧力を圧力計13で測定する。再液化が進むと、液化ガス貯蔵槽2内の圧力が低下する。この圧力が大気圧にほぼ等しくなるように電気ヒータ4に供給する電力を調節する。 【0035】液化ガス貯蔵槽2内の圧力が安定し、かつ大気圧にほぼ等しい状態の時の電気ヒータ4への供給電力を記録する。大気圧下の液化窒素の蒸発潜熱は198.64J/gである。電気ヒータ4への供給電力と蒸発潜熱とから、電気ヒータ4によって強制的に蒸発させた液化窒素の量Q2を求める。例えば、供給電力が10Wである場合、強制蒸発量Q2は、181.23g/hである。大気圧下の飽和液化窒素の密度は0.80861g/cm3であるから、強制蒸発量Q2の基準となる単位を質量から容積に換算すると、強制蒸発量Q2は224.13cm3/hになる。 【0036】図3に示す最大再液化速度は、Q1+Q2で与えられる。内管42の内径を9mm、7mm、及び5mmとして同様の測定を行う。これらの場合の最大再液化速度は、図3に示すように約300cm3/hであった。内管42の内径が5mm以上の範囲では、内径を太くしても再液化速度は大きくならない。これは、冷凍機21の冷凍能力によって律速されているためと考えられる。冷凍機21の冷凍能力がより高い場合には、内管42の内径を5mm以上にすると、最大再液化速度は300cm3/hよりも大きくなると考えられる。 【0037】フラッディング現象が発生すると、再液化室40の温度が徐々に低下するとともに、液化ガス貯蔵槽2内の圧力が上昇する。この圧力の上昇を圧力計13で検出することにより、フラッディング現象発生の有無を判断することができる。 【0038】内管42の内径を5mm以上にしている場合には、フラッディング現象は発生しなかった。内管42の内径を3.8mmにすると、フラッディング現象の発生が観測された。この場合の最大再液化速度は、冷凍機21の能力によって制限されるのではなく、内管42の内径によって制限される。次に、内管42の内径を3.8mm、2.7mm、及び2mmとした場合の、最大再液化速度の測定方法を説明する。 【0039】まず、冷凍機21の動作圧力を変化させることによって冷凍能力を徐々に低下させる。冷凍能力を下げ過ぎると、液化ガス貯蔵槽2内の圧力が徐々に上昇する。冷凍能力が高く、かつ電気ヒータ4の発熱量が一定値を超えると、フラッディング現象が発生してしまう。電気ヒータ4に供給する電力と冷凍機21の冷凍能力を微調整しながら、フラッディング現象が発生する直前の冷凍能力と電気ヒータ4に供給する電力を見つけ出す。 【0040】電気ヒータ4に供給する電力から強制蒸発量Q2が求まる。この場合も、蒸発量Q1+Q2が、最大再液化速度に相当する。 【0041】次に、内管42内の窒素ガスの流速の求め方について説明する。大気圧下では、窒素の飽和液密度は0.80861g/cm3であり、飽和蒸気密度は0.004612g/cm3である。再液化室40内で再液化された窒素ガスは、すべて内管42内を上昇する窒素ガスにより補給される。このため、内管42内を上昇する窒素ガスの質量流量は、内管42内を下降する液化窒素の質量流量に等しい。この質量流量は、再液化速度に飽和液密度を乗じることにより求まる。 【0042】求まった質量流量を飽和蒸気密度で除することにより、窒素ガスの体積流量が求まる。体積流量を内管42の流路の断面積で除することにより、窒素ガスの流速が求まる。ここまでの計算で求まった流速の単位はcm/hである。この流速の単位をm/sに換算したものが図3の右縦軸に示す流速に相当する。 【0043】図3に示すように、最大再液化速度が冷凍機21の能力によって律速されている場合は、内管42の内径が大きくなるに従って窒素ガスの流速が低下する。最大再液化速度が、内管42の内径によって律速されている場合には、窒素ガスの流速は約1.2m/sとなる。これは、内管42の内径の大きさにかかわらず、窒素ガスの流速が1.2m/sを超えるとフラッディング現象が発生することを意味する。 【0044】このことから、内管42の内径を下記の方法で決定すればよいことがわかる。まず、液化ガス貯蔵槽内の液化ガスの単位時間あたりの大気圧下飽和蒸気換算での蒸発量v[cm3/h]を予測する。蒸発したガスが内管42内を上昇する時の流速が1.2m/s以下になるように内管42の通路の断面積を決定する。すなわち、通路の断面積をS[cm2]としたとき、【0045】 【数3】v/S≦1.2[m/s]×100[cm/m]×3600[s/h]S≧v/432000を満たすようにすればよい。このように設計することにより、フラッディング現象を起こすことなく、予測されている蒸発量に相当する窒素ガスを再液化することができる。なお、予測蒸発量vとして、実際に予測される蒸発量に所定の安全係数、例えば1.2を乗じたものを用いてもよい。 【0046】次に、図4を参照して本発明の第2の実施例について説明する。ここでは、図2に示す第1の実施例による再液化装置との相違点についてのみ説明する。 【0047】第1の実施例では、コールドヘッド38と再液化室容器39とにより再液化室40が画定されていたが、第2の実施例では、再液化室容器39aのみにより再液化室40が画定されている。再液化室容器39aがコールドヘッド38に熱的に結合している。このような構成とすることにより、冷凍機21を再液化室40から容易に取り外すことが可能になる。 【0048】再液化室40に、第1の内管42aと第2の内管42bとが接続されている。第1の実施例の場合には真空ベローズを介して内管42と再液化室40とが接続されていたが、第2の実施例では、真空ベローズを介することなく両者が直接接続される。第1の内管42a及び第2の内管42bの一部は、ともに外管45で包まれている。 【0049】図4において、第1の内管42a、第2の内管42b、及び外管45の一部が傾斜しているのは、図1に示す真空容器1の注入口10の近傍に、再液化装置20を設置するのに十分なスペースが確保されていない場合を考慮したためである。なお、再液化された液化ガスを効率的に液化ガス貯蔵槽2内に戻すために、傾斜部分の軸方向と鉛直方向とのなす角度を20°以下とすることが好ましい。 【0050】第2の内管42bは、第1の内管42aよりも深い位置まで挿入されている。液化ガス貯蔵槽2内に液化ガスを貯蔵する際には、第2の内管42bの先端が液化ガスの液面下まで達し、第1の内管42aの先端が液面まで達しないようにされる。このため、蒸発した液化ガスは、第1の内管42aを通って再液化室40内に輸送される。 【0051】第1の内管42aの、再液化室40側の先端は、再液化室40の底面からやや突出している。このため、再液化室40内で再液化された液化ガスは、第1の内管42a内には流れ込まず、第2の内管42b内に流れ込む。このように、液化ガスの蒸気輸送用の第1の内管42aを、液化ガス輸送用の第2の内管42bから分離させている。このため、フラッディング現象の発生を防止することができる。 【0052】以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。 【0053】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、小型かつ取り扱いに便利な再液化装置が提供される。また、フラッディング現象を起こさせないための設計指針が与えられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002107 【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月30日(1999.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091340 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 敬四郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−283578(P2000−283578A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−89421 |
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