| 【発明の名称】 |
冷凍装置用冷凍サイクル |
| 【発明者】 |
【氏名】山中 隆
【氏名】武内 裕嗣
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| 【要約】 |
【課題】冷凍サイクル17に組み込まれたエジェクタ33の効率が悪化した時でも、冷凍負荷の変動に十分対応することができ、且つサイクルを成立させる。
【解決手段】アキュームレータ34から流出した液相冷媒をメインエバポレータ11を経てエジェクタ33の吸引部42に供給する第1冷媒通路21と、アキュームレータ34から流出した液相冷媒をサブエバポレータ12を経てコンプレッサ31の吸入口に供給する第2冷媒通路22と、アキュームレータ34から流出した気相冷媒を温度作動式可変絞り弁37を経てコンプレッサ31の吸入口に供給する第3冷媒通路23とから冷凍サイクル17を構成している。そして、エジェクタ33の効率が悪化した時、つまりサブエバポレータ12の出口のSH量が所定値よりも高い時に、温度作動式可変絞り弁37の可変絞り開度を狭くして、サブエバポレータ12にも冷媒を流すようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)冷媒圧縮機の吐出口より吐出された気相冷媒を、冷媒凝縮器およびエジェクタを経て気液分離器に流入させるための冷媒通路と、(b)前記気液分離器の液相冷媒側より流出した液相冷媒を、第1減圧手段および第1冷媒蒸発器を経て前記エジェクタの吸引部に流入させるための第1冷媒通路と、(c)前記気液分離器の液相冷媒側より流出した液相冷媒を、第2減圧手段および第2冷媒蒸発器を経て前記冷媒圧縮機の吸入口に流入させるための第2冷媒通路と、(d)前記気液分離器の気相冷媒側より流出した気相冷媒を、前記冷媒圧縮機の吸入口に流入させるための第3冷媒通路と、(e)前記エジェクタの効率を検出するエジェクタ効率検出手段を有し、このエジェクタ効率検出手段にて検出した前記エジェクタの効率が所定値よりも低い時に、前記第3冷媒通路の通路断面積を狭くする可変絞り手段とを備えた冷凍装置用冷凍サイクル。 【請求項2】請求項1に記載の冷凍装置用冷凍サイクルにおいて、前記エジェクタ効率検出手段は、前記第2冷媒蒸発器の出口の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段であり、前記可変絞り手段は、前記冷媒温度検出手段にて検出した前記第2冷媒蒸発器の出口の冷媒温度が所定値よりも高い時に、前記第3冷媒通路の通路断面積を狭くすることを特徴とする冷凍装置用冷凍サイクル。 【請求項3】(a)冷媒圧縮機の吐出口より吐出された気相冷媒を、冷媒凝縮器およびエジェクタを経て気液分離器に流入させるための冷媒通路と、(b)前記気液分離器の液相冷媒側より流出した液相冷媒を、第1減圧手段および第1冷媒蒸発器を経て前記エジェクタの吸引部に流入させるための第1冷媒通路と、(c)前記気液分離器の液相冷媒側より流出した液相冷媒を、第2減圧手段および第2冷媒蒸発器を経て前記冷媒圧縮機の吸入口に流入させるための第2冷媒通路と、(d)前記気液分離器の気相冷媒側より流出した気相冷媒を、前記冷媒圧縮機の吸入口に流入させるための第3冷媒通路と、(e)前記エジェクタの効率を検出するエジェクタ効率検出手段を有し、このエジェクタ効率検出手段にて検出した前記エジェクタの効率が低い程、前記第3冷媒通路の通路断面積を狭くする可変絞り手段とを備えた冷凍装置用冷凍サイクル。 【請求項4】請求項3に記載の冷凍装置用冷凍サイクルにおいて、前記エジェクタ効率検出手段は、前記第2冷媒蒸発器の出口の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段であり、前記可変絞り手段は、前記冷媒温度検出手段にて検出した前記第2冷媒蒸発器の出口の冷媒温度が上昇する程、前記第3冷媒通路の通路断面積を狭くすることを特徴とする冷凍装置用冷凍サイクル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、エジェクタ、アキュームレータ、第1冷媒蒸発器、第2冷媒蒸発器および可変絞り弁を組み込んだ冷凍装置用冷凍サイクルに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、エジェクタおよび気液分離器を冷媒配管により環状に連結する冷媒循環回路と、気液分離器で気相冷媒と分離された液相冷媒をエジェクタの吸引部に吸引させるようにしたバイパス配管とを備え、そのバイパス配管の途中に冷媒蒸発器を設置するようにした冷凍装置用冷凍サイクルが提案されている。 【0003】また、特開平5−312421号公報においては、冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、エジェクタ、第1冷媒蒸発器および気液分離器を冷媒配管により環状に連結する冷媒循環回路と、気液分離器で気相冷媒と分離された液相冷媒をエジェクタの吸引部に吸引させるようにしたバイパス配管とを備え、そのバイパス配管の途中に第2冷媒蒸発器を設置するようにした冷凍装置用冷凍サイクルが提案されている。 【0004】この冷凍装置用冷凍サイクルは、エジェクタを通過する冷媒流量を調整して冷媒圧縮機の低速運転時の冷凍能力を増大させるか、あるいは冷媒圧縮機の高速運転時に余裕のある冷凍能力を適性化し、冷媒圧縮機の動力を低減させる目的で、エジェクタ内に可変絞り弁を設けている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の冷凍装置用冷凍サイクルに組み込まれたエジェクタは、構造が簡素であり、混合部の形状が固定されているため、冷凍負荷が変動することによりエジェクタの効率が悪化すると、冷媒蒸発器を流れる冷媒の圧力損失がエジェクタによる昇圧よりも大きくなってしまう。これにより、冷媒蒸発器に冷媒が流れ難くなるため、サイクルが成立しなくなってしまうという問題が生じていた。 【0006】この対応策の1つとして、特開平5−312421号公報に開示されているように、エジェクタ内のノズルにノズル径を増減するための可変絞り弁を設けた冷凍装置用冷凍サイクルが提案されているが、主にエジェクタを通過する冷媒流量の制御を行うことができるだけで、エジェクタの効率が悪化した場合には、冷凍負荷の変動に十分対応できないという問題が生じていた。 【0007】 【発明の目的】本発明の目的は、エジェクタの効率が悪化した時には、第2冷媒蒸発器へ冷媒を流すことにより、エジェクタの効率が悪化していても、冷凍負荷の変動に十分対応することができ、且つサイクルを成立させることのできる冷凍装置用冷凍サイクルを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1および請求項2に記載の発明によれば、冷媒圧縮機の吐出口から吐出された気相冷媒は、冷媒凝縮器およびエジェクタを通過して気液分離器内に流入し気液分離される。そして、気液分離器の液相冷媒側から流出した液相冷媒は、第1減圧手段および第1冷媒蒸発器を通過してエジェクタの吸引部に吸引される。また、気液分離器の気相冷媒側から流出した気相冷媒は、可変絞り手段を通過して冷媒圧縮機の吸入口に吸入される。 【0009】このとき、エジェクタ効率検出手段にて検出したエジェクタの効率が所定値よりも低い場合、あるいは冷媒温度検出手段にて検出した第2冷媒蒸発器の出口の冷媒温度が所定値よりも高い場合には、可変絞り手段によって第3冷媒通路の通路断面積を狭くすることにより、気液分離器の液相冷媒側から流出した液相冷媒は、第2減圧手段および第2冷媒蒸発器を通過して冷媒圧縮機の吸入口に吸入されるようになる。 【0010】それによって、エジェクタの効率が悪化した時には、第1冷媒蒸発器だけでなく、第2冷媒蒸発器にも冷媒を流すことにより、エジェクタの効率が低下していても、冷凍負荷の変動に十分対応することができ、且つサイクルを成立させることができる。 【0011】請求項3および請求項4に記載の発明によれば、エジェクタ効率検出手段にて検出したエジェクタの効率が低い程、あるいは冷媒温度検出手段にて検出した第2冷媒蒸発器の出口の冷媒温度が上昇する程、可変絞り手段によって第3冷媒通路の通路断面積を狭くすることにより、気液分離器の液相冷媒側から流出した液相冷媒は、第2減圧手段および第2冷媒蒸発器を通過して冷媒圧縮機の吸入口に吸入されるようになる。 【0012】それによって、エジェクタの効率が悪化した時には、第1冷媒蒸発器だけでなく、第2冷媒蒸発器にも冷媒を流すことにより、エジェクタの効率が低下していても、冷凍負荷の変動に十分対応することができ、且つサイクルを成立させることができる。 【0013】 【発明の実施の形態】〔第1実施例の構成〕発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。図1ないし図4は本発明の第1実施例を示したもので、図1は車両用空調装置の冷凍サイクルを示した図で、図2は車両用空調装置のエアコンユニットを示した図である。 【0014】本実施例の車両用空調装置は、クーリングユニットとコンデンシングユニットとを、車両走行用エンジンとは別に設けられたサブエンジン8と共に一体化したエアコンユニットを備えている。このエアコンユニットは、バス車両に搭載され、例えばバス車両の客席の床下に収納されているタイプである。 【0015】クーリングユニットは、バス車両の車室内へ向けて空気を送るための空調ダクト9、この空調ダクト9に結合された送風機10、空調ダクト9の内部に設けられたメインエバポレータ11、サブエバポレータ12およびヒータコア13等から構成されている。 【0016】なお、送風機10は、サブエンジン8によって回転駆動される遠心式ファンで、車室内空気または車室外空気を吸引して、空調ダクト9内を通過した空気を車室内へ向けて吹き出させるものである。また、ヒータコア13は、空調ダクト9内を通過する空気を冷却水と熱交換して加熱する加熱用熱交換器で、空調ダクト9内の全面に渡って配置され、メインエバポレータ11およびサブエバポレータ12を通過した全ての空気を加熱するように設けられている。 【0017】コンデンシングユニットは、外気流が強制的に流れるシュラウドケース14、車室外空気と強制的に熱交換されるラジエータ15およびコンデンサ16、シュラウドケース14の空気下流端に配置された冷却ファン(図示せず)等から構成されている。 【0018】なお、ラジエータ15は、サブエンジン8の温度を所定の温度範囲に維持するための冷却水の放熱手段である。また、冷却ファンは、サブエンジン8によって回転駆動される軸流ファンで、サブエンジン8の運転により、車室外空気をシュラウドケース14内に吸引してラジエータ15およびコンデンサ16を強制的に冷却するものである。 【0019】次に、本実施例の車両用空気調和装置の冷凍サイクル17を図1および図2に基づいて説明する。本実施例の冷凍サイクル17は、本発明の冷凍装置用冷凍サイクルに相当するもので、冷媒通路20、第1冷媒通路21、第2冷媒通路22および第3冷媒通路23等から構成されている。 【0020】冷媒通路20は、コンプレッサ31の吐出口より吐出された気相冷媒を、上記のコンデンサ16、圧力作動式可変絞り弁32およびエジェクタ33を経てアキュームレータ(気液分離器)34内に流入させる冷媒流路である。第1冷媒通路21は、アキュームレータ34の液相冷媒側より流出した液相冷媒を、温度作動式膨張弁35および上記のメインエバポレータ11を経てエジェクタ33の吸引部に流入させる第1バイパス流路である。 【0021】第2冷媒通路22は、アキュームレータ34の液相冷媒側より流出した液相冷媒を、固定絞り36および上記のサブエバポレータ12を経てコンプレッサ31の吸入口に流入させる第2バイパス流路である。第3冷媒通路23は、アキュームレータ34の気相冷媒側より流出した気相冷媒を、温度作動式可変絞り弁37を経てコンプレッサ31の吸入口に流入させる冷媒流路で、冷媒通路20と共に冷媒循環回路を構成する。 【0022】メインエバポレータ11およびサブエバポレータ12は、空調ダクト9内の全面に渡って配置されて、空調ダクト9内を通過する全ての空気を冷却可能に設けられている。そして、メインエバポレータ11は、内部に流入する気液二相冷媒と空調ダクト9内を通過する空気とを熱交換させて空気を冷却すると共に冷媒を蒸発気化させる第1冷媒蒸発器である。 【0023】また、サブエバポレータ12は、メインエバポレータ11に対して並列して配置され、内部に流入する気液二相冷媒と空調ダクト9内を通過する空気とを熱交換させて空気を冷却すると共に冷媒を蒸発気化させる第2冷媒蒸発器である。コンデンサ16は、シュラウドケース14内に配置されて、そのシュラウドケース14内を通過する車室外空気と熱交換可能に設けられている。このコンデンサ16は、内部に流入する気相冷媒と車室外空気とを熱交換させて気相冷媒を凝縮液化させる冷媒凝縮器である。 【0024】コンプレッサ31は、サブエンジン8によって回転駆動されて冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う冷媒圧縮機である。エジェクタ33は、コンデンサ16から流入した液相冷媒をノズル41より噴出することによって減圧霧化する。そして、吸引部42より気相冷媒を吸引して、ディフューザ43内の混合部で液相冷媒と気相冷媒とを混合すると共に昇圧した後にアキュームレータ34へ気液二相冷媒を送り込む。 【0025】圧力作動式可変絞り弁32は、内部に連通孔(冷媒通路に相当する)が形成された弁本体(図示せず)、この弁本体の連通孔の開度を変更する弁体(図示せず)、冷凍サイクル17の高圧圧力(凝縮圧力)を検出する冷媒圧力検出部(図示せず)を有している。 【0026】そして、圧力作動式可変絞り弁32は、その冷媒圧力検出部にて検出した高圧圧力が高い程、すなわち、コンプレッサ31の回転速度が高速である程、冷媒流量が多くなるように冷媒通路20の通路断面積を広げる。また、アキュームレータ34は、冷媒入口から流入した冷媒を気液分離して、液相冷媒側出口から液相冷媒のみが流出し、気相冷媒側出口から気相冷媒のみが流出する。 【0027】そして、温度作動式膨張弁35は、内部に連通孔(第2冷媒通路に相当する)が形成された弁本体(図示せず)、この弁本体の連通孔の開度を変更する弁体(図示せず)、メインエバポレータ11の出口の冷媒温度(過熱度、スーパヒート量)を検出する感温筒44、および弁本体と感温筒44とを接続するキャピラリチューブを有している。 【0028】そして、温度作動式膨張弁35は、メインエバポレータ11の出口の過熱度が大きい程、第1冷媒通路21の通路断面積を絞ることで冷媒を減圧させるエキスパンションバルブ等の第1減圧手段である。また、固定絞り36は、第2冷媒通路22の通路断面積を絞ることで冷媒を減圧させるキャピラリチューブやオリフィス等の第2減圧手段である。 【0029】温度作動式可変絞り弁37は、内部に連通孔(第3冷媒通路に相当する)が形成された弁本体(図示せず)、この弁本体の連通孔の開度を変更する弁体(図示せず)、サブエバポレータ12の出口の冷媒温度(過熱度、スーパヒート量、以下SH量と言う)を検出する感温筒(エジェクタ効率検出手段、冷媒温度検出手段等)45、および弁本体と感温筒45とを接続するキャピラリチューブを有している。 【0030】そして、温度作動式可変絞り弁37は、サブエバポレータ12の出口のSH量に基づいて、冷凍サイクル17の第3冷媒通路23の通路断面積を増減するエキスパンションバルブ等の可変絞り手段である。この温度作動式可変絞り弁37は、サブエバポレータ12のSH量が大きい程、第3冷媒通路23の通路断面積を小さくする。また、温度作動式可変絞り弁37は、サブエバポレータ12のSH量が小さい程、第3冷媒通路23の通路断面積を大きくする。 【0031】〔第1実施例の作用〕次に、本実施例の車両用空調装置の作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。ここで、図3は図1における冷凍サイクル17の冷媒回路の冷媒の状態点をモリエル線図上に描いたもので、図1の冷凍サイクル17の冷媒回路上の1〜7の冷媒の状態が図3のモリエル線図上の1〜7に対応する。 【0032】なお、図3中のPEは冷凍サイクル17の低圧圧力(メインエバポレータ11の蒸発圧力)で、PCはコンプレッサ31の吸入圧力で、PMはエジェクタ33の出口圧力である。また、ΔPはエジェクタ33の昇圧圧力で、Δhはノズル出入口のエンタルピ差で、Wはコンプレッサ動力である。 【0033】コンプレッサ31で圧縮されて高温、高圧となった気相冷媒(状態点7)は、コンデンサ16で凝縮液化されて高温、高圧の液相冷媒になって(状態点1)、圧力作動式可変絞り弁32を経て、エジェクタ33内に流入する。そして、エジェクタ33内に流入した液相冷媒は、そのノズル41を通過する際に減圧されてノズル41の出口では状態点2に至り、更にディフューザ43を通過する際に昇圧されてディフューザ43の出口では状態点3となる。 【0034】ここで、エジェクタ33のノズル41を、コンデンサ16から流入した液相冷媒が通過する際にノズル41から高速で噴出する冷媒回りの圧力低下を利用して、エジェクタ33の吸引部42に第1冷媒通路21から状態点5の気相冷媒が吸引される。このため、冷媒通路20から流入した液相冷媒と第1冷媒通路21から吸引された気相冷媒とがディフューザ43内の混合部で混合する。これにより、エジェクタ33から流出する気液二相冷媒は、状態点2、状態点5およびコンデンサ16からの冷媒流量とメインエバポレータ11からの冷媒流量とにより決まる状態点3となる。 【0035】その後に、気液二相冷媒は、冷媒通路20を通ってアキュームレータ34内に流入して気液分離する。このうち気相冷媒は、コンプレッサ31の吸引力によってアキュームレータ34の気相冷媒側出口から流出し、第3冷媒通路23を通ってコンプレッサ31の吸入口に吸入される。この第3冷媒通路23を通過する冷媒流量は、サブエバポレータ12の出口のSH量に基づいて変更される温度作動式可変絞り弁37の可変絞り開度によって調整される。 【0036】一方、アキュームレータ34内の液相冷媒(状態点4)は、エジェクタ33の吸引部42に吸引されて、アキュームレータ34の液相冷媒側出口から流出し、第1冷媒通路21を通って温度作動式膨張弁35に流入する。そして、この温度作動式膨張弁35を通過する際に減圧されて気液二相冷媒となってメインエバポレータ11内に流入する。メインエバポレータ11内に流入した気液二相冷媒は、メインエバポレータ11を通過する際に蒸発気化した(状態点5)後に、エジェクタ33の吸引部42に吸引される。 【0037】ここで、冷凍サイクル17の冷凍負荷(冷房負荷)が変動することによりエジェクタ33の効率が低下すると、メインエバポレータ11を流れる冷媒の圧力損失がエジェクタ33による昇圧よりも大きくなってしまう。これにより、エジェクタ33の吸引部42の吸引力が小さくなり、アキュームレータ34の液相冷媒側出口から第1冷媒通路21内に吸引される液相冷媒の冷媒量が少なくなる。したがって、メインエバポレータ11に冷媒が流れ難くなるために、サイクルが成立しなくなってしまう可能性がある。 【0038】そこで、本実施例では、アキュームレータ34の液相冷媒側出口とコンプレッサ31の吸入口とを接続する第2冷媒通路22を設け、この第2冷媒通路22の途中にサブエバポレータ12を配置している。さらに、冷凍サイクル17の第3冷媒通路23の途中にサブエバポレータ12のSH量に基づいて通路断面積を変更する温度作動式可変絞り弁37を配置している。 【0039】そして、感温筒45で検出するサブエバポレータ12のSH量が所定値(例えば10℃)よりも上昇している場合には、温度作動式可変絞り弁37の開度が狭くなって、冷凍サイクル17の第3冷媒通路23の通路断面積が小さくなり、メインエバポレータ11およびサブエバポレータ12の両方に冷媒が流れるようになる。 【0040】ここで、図4はエジェクタ33の効率(ηe)に対する、メインエバポレータ11内を流れる冷媒流量(Gemain)とサブエバポレータ12内を流れる冷媒流量(Gesub )との冷媒流量配分(Gemain/Ge)を示したグラフである。但し、Geは下記の数1の式に示したようにGemainとGesub との和である。 【数1】Ge=Gemain+Gesub【0041】したがって、エジェクタ33の効率が悪化している場合、すなわち、エジェクタ33のディフューザ43での昇圧が小さい場合には、アキュームレータ34内の液相冷媒(状態点4)がコンプレッサ31に吸引されて、アキュームレータ34の液相冷媒側出口から流出して第2冷媒通路22内に流入する。この第2冷媒通路22内に流入した液相冷媒は、固定絞り36で減圧されて気液二相冷媒となってサブエバポレータ12内に流入する。そして、サブエバポレータ12内に流入した気液二相冷媒は、サブエバポレータ12を通過する際に蒸発気化した(状態点6)後に、コンプレッサ31の吸入口に吸入される。 【0042】その後に、サブエバポレータ12を冷媒が流れることによりサブエバポレータ12の出口のSH量が所定値(例えば5℃)よりも低下すると、温度作動式可変絞り弁37の開度が広くなって、冷凍サイクル17の第3冷媒通路23の通路断面積が大きくなり、サブエバポレータ12を流れる冷媒が少なくなり、メインエバポレータ11を流れる冷媒が多くなる。 【0043】したがって、エジェクタ33の効率が良くなるにつれて、すなわち、エジェクタ33のディフューザ43での昇圧が大きくなるにつれて、メインエバポレータ11へ冷媒が流れ、実質的にメインエバポレータ11だけの冷凍サイクル17となる。つまり、本実施例の冷凍サイクル17は、メインエバポレータ11の圧力損失とサブエバポレータ12の圧力損失とにより冷媒流量配分が決まり、どのような効率のエジェクタ33でも運転が可能となる。 【0044】〔第1実施例の効果〕以上のように、本実施例の車両用空調装置の冷凍サイクル17は、エジェクタ33の効率が低下している時、すなわち、エジェクタ33のディフューザ43での昇圧が小さくなった時には、サブエバポレータ12の出口のSH量が大きくなるので、温度作動式可変絞り弁37の開度が狭くなり、第3冷媒通路23の通路断面積が小さくなる。 【0045】それによって、メインエバポレータ11だけでなく、サブエバポレータ12にも冷媒が流れることになり、エジェクタ33の効率が低下していても、サイクルを成立させることができると共に、冷凍サイクル17の冷凍負荷の変動に十分対応することができる。 【0046】〔第2実施例〕図5および図6は本発明の第2実施例を示したもので、図5は車両用空調装置の空調制御装置を示した図である。 【0047】本実施例では、アキュームレータ34の気相冷媒側出口とコンプレッサ31の吸入口とを接続する第3冷媒通路23の途中に、第1実施例の温度作動式可変絞り弁の代わりに電動式可変絞り弁(本発明の可変絞り手段に相当する)51を配置し、その電動式可変絞り弁51の可変絞り開度を空調制御装置52により制御するようにしている。 【0048】電動式可変絞り弁51は、内部に連通孔(第3冷媒通路に相当する)が形成された弁本体(図示せず)、この弁本体の連通孔の開度を変更する弁体(図示せず)、およびこの弁体を駆動する電磁コイル等の弁体駆動手段(図示せず)を有している。 【0049】空調制御装置52は、内部にCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられた可変絞り制御手段で、例えば冷媒温度センサ53からのセンサ信号が図示しない入力回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。 【0050】冷媒温度センサ53は、サブエバポレータ12の出口の冷媒温度(過熱度、スーパヒート量、以下SH量と言う)を検出するエジェクタ効率検出手段、冷媒温度検出手段である。そして、空調制御装置52は、サブエバポレータ12の出口のSH量に基づいて、冷凍サイクル17の第3冷媒通路23の通路断面積を増減するように電動式可変絞り弁51の可変絞り開度を制御する。 【0051】ここで、図6は空調制御装置52による可変絞り制御を示したフローチャートである。先ず、冷媒温度センサ53にてサブエバポレータ12の出口のSH量を検出する(ステップS1)。次に、サブエバポレータ12のSH量が所定値(例えば10℃)よりも上昇しているか否かを判定する(ステップS2)。この判定結果がYESの場合には、第3冷媒通路23の通路断面積を小さくするように電動式可変絞り弁51に制御信号を出力する(ステップS3)。その後に、ステップS1の制御処理に戻る。 【0052】また、ステップS2の判定結果がNOの場合には、サブエバポレータ12のSH量が所定値(例えば5℃)よりも低下しているか否かを判定する(ステップS4)。この判定結果がNOの場合には、ステップS1の制御処理に戻る。また、ステップS4の判定結果がYESの場合には、第3冷媒通路23の通路断面積を大きくするように電動式可変絞り弁51に制御信号を出力する(ステップS5)。その後に、ステップS1の制御処理に戻る。 【0053】なお、電動式可変絞り弁51の可変絞り開度制御による増減量(開度の変動量)は、所定量ずつ段階的に増減しても、連続的に増減しても良い。また、電動式可変絞り弁51を第3冷媒通路23の開閉のみを行なう電磁式開閉弁等の可変絞り手段に変更しても良い。 【0054】〔変形例〕本実施例では、本発明をバス車両用空調装置の冷凍サイクル17に適用したが、バス車両以外の大型車両、乗用車や自動車等の車両用空調装置、車両用冷房装置、車両用冷蔵装置または車両用冷凍装置の冷凍サイクルに適用しても良い。また、本発明を定置式の冷凍装置用冷凍サイクルに適用しても良い。 【0055】本実施例では、送風機10およびコンプレッサ31を車両走行用の動力エンジンとは別の補助エンジン(サブエンジン)8により回転駆動したが、送風機10またはコンプレッサ31を車両走行用の動力エンジンにより回転駆動しても良い。また、送風機10またはコンプレッサ31を電動モータ等の他の駆動手段により回転駆動しても良い。 【0056】本実施例では、コンデンサ16とエジェクタ33との間に、エジェクタ33のノズル41の入口のサブクール度(過冷却度)を小さくするための圧力作動式可変絞り弁32を設置したが、圧力作動式可変絞り弁32はなくても良い。また、コンプレッサ31の回転速度が増速する程、可変絞り弁の可変絞り開度が大きくなるように構成しても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成11年3月30日(1999.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080045 【弁理士】 【氏名又は名称】石黒 健二
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| 【公開番号】 |
特開2000−283577(P2000−283577A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−88211 |
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