| 【発明の名称】 |
冷凍空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】畝崎 史武
【氏名】河西 智彦
【氏名】森本 修
【氏名】隅田 嘉裕
【氏名】柴 広有
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| 【要約】 |
【課題】段階的な容量で運転可能な圧縮機をインバータを使用せずに連続的な容量で運転する際に生じる冷凍サイクルの変動を抑制する。
【解決手段】段階的な容量で運転可能な圧縮機1aを少なくとも1台と、一定の容量で運転する圧縮機1bを少なくとも1台備え、圧縮機1aを、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転し、時間配分を変化させて短周期での平均容量を変化させ、複数の圧縮機1a,1bの全体運転容量を連続的に可変とする。また、複数の圧縮機1aを時間制御運転する時の、短周期の時間配分と各時間に運転する容量とを、圧力変動が小さくなるように組み合わせる。また、冷凍サイクルの高圧側または低圧側の容積を一定値以上にするようにオイルセパレータや液レシーバやアキュムレータなどの容器を設ける。また、低圧側と高圧側をバイパスする回路を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 段階的な容量で運転可能な圧縮機を少なくとも1台と、前記圧縮機とは別に段階的な容量で運転可能な圧縮機または一定の容量で運転する圧縮機を少なくとも1台備え、前記段階的な容量で運転可能な圧縮機を、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させ、複数の前記圧縮機の全体運転容量を連続的に可変としたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項2】 請求項1において、複数の圧縮機全体の運転容量を、少なくとも2台の段階的な容量で運転可能な圧縮機に分担して運転する場合、前記段階的な容量で運転可能な圧縮機に分担する運転容量が、その圧縮機の段階的な容量のうちのそれぞれ最小容量と一致するのを避けて分担することを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2において、少なくとも2台の段階的な容量で運転可能な圧縮機をそれぞれ、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転する場合、前記各圧縮機の運転容量の合計の前記短周期内での時間的な変動が、その短周期に運転する前記各圧縮機の大きい方の運転容量の合計と小さい方の運転容量の合計との差よりも小さくなるように、前記各圧縮機の短周期の時間配分とその各時間の運転容量を組み合せて運転することを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項4】 請求項3において、段階的な容量で運転可能な圧縮機を2台備え、短周期のうちで、一方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、他方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうと共に、他方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、一方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうようにしたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項5】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの高圧側の内容積を高圧側圧力変動幅を小さくするような第1の所定容積以上とした、または前記冷凍サイクルの低圧側の内容積を低圧側圧力変動幅を小さくするような第2の所定容積以上としたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項6】 請求項5において、第1の所定容積または第2の所定容積は、圧縮機の運転により冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動幅の許容値と、短周期の長さと、前記短周期での前記圧縮機の運転容量変動幅と、に基いて決定したことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項7】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルを構成する高圧側または低圧側に、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減する冷媒容器を設けたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項8】 請求項7において、高圧側に設ける冷媒容器として、オイルセパレータまたは凝縮器として動作する熱交換器の出口に設けた液レシーバを用いたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項9】 請求項7において、低圧側に設ける冷媒容器として、圧縮機の吸入側に設けたアキュムレータを用いたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項10】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルを構成する高圧側または低圧側に、冷媒が流れる際に流動抵抗を付加する抵抗素子を設け、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減することを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項11】 請求項10において、高圧側に設ける抵抗素子は、圧縮機の吐出側に設けた逆止弁であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項12】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの高圧側と低圧側をバイパスするバイパス回路を設け、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減することを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項13】 請求項12において、バイパス回路は、圧縮機の吐出側と吸入側とを接続する回路であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項14】 請求項12または請求項13において、バイパス回路に制御弁を設け、段階的な容量で運転可能な圧縮機を、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転するとき、前記制御弁によって前記バイパス回路を開とし、前記圧縮機が一定の容量で運転するとき、前記制御弁によって前記バイパス回路を閉とすることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項15】 請求項12において、バイパス回路は、冷凍サイクルの凝縮器として動作する熱交換器で凝縮された高圧液冷媒を圧縮機吸入側に戻す回路であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項16】 請求項15において、バイパス回路途中に、高圧液冷媒を減圧する減圧手段を設けると共に、その減圧手段で減圧された冷媒と凝縮器で凝縮された高圧液冷媒とを熱交換させる熱交換器を設けたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項17】 請求項12において、バイパス回路は、オイルセパレータで分離した油を低圧側に戻す回路であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項18】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁に油を供給する油供給手段を設けたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項19】 請求項18において、圧縮機の吐出側にオイルセパレータを設け、油供給手段は、前記オイルセパレータで分離された油または油分離された後の冷媒ガスを制御弁に供給する油供給回路であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項20】 請求項18において、油供給手段は、圧縮機で吐出されたガス冷媒を制御弁に供給する油供給回路であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項21】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする冷凍空調装置【請求項22】 請求項21において、冷却手段は、冷凍サイクルの凝縮器として動作する熱交換器で凝縮された高圧液冷媒を制御弁に供給する冷媒回路であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項23】 請求項21において、冷却手段は、冷凍空調装置の周囲の外気によって制御弁を冷却する構成であることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項24】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、可動弁の移動によって流路を開閉することで前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁に、前記可動弁の移動によって接触する部分または前記接触する部分に当たる前記可動弁に、その衝撃を緩和する衝撃緩和手段を設けたことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項25】 請求項24において、衝撃緩和手段は、可動弁の移動によって接触する部分または前記接触する部分に当たる前記可動弁の材質の少なくとも一部分を樹脂で構成して衝撃を緩和するものであることを特徴とする冷凍空調装置【請求項26】 請求項24において、衝撃緩和手段として、可動弁の移動を減速する減速手段を設け、前記可動弁の移動によって接触する時の速度を減速して衝撃を緩和するものであることを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項27】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、運転中の前記冷凍サイクルの運転情報を前記短周期以上の長さの所定時間内で複数回測定する測定手段と、を備え、得られた前記複数の運転情報に基づいて、前記容量制御手段での制御を含めた前記冷凍サイクルの制御を行なうことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項28】 段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、運転中の前記冷凍サイクルの運転情報を前記短周期内の所定時間に測定する測定手段と、を備え、得られた前記運転情報に基づいて、前記容量制御手段での制御を含めた前記冷凍サイクルの制御を行なうことを特徴とする冷凍空調装置。 【請求項29】 請求項5ないし請求項28のいずれか1項において、冷凍サイクルに、前記圧縮機とは別に段階的な容量で運転可能な圧縮機または一定の容量で運転する圧縮機を少なくとも1台備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、段階的な運転容量で運転され、その容量段階を短周期で切り換えて連続的な運転容量を実現する圧縮機を用いた冷凍空調装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の冷凍空調装置には、負荷に対応して電源周波数を変更することで、圧縮機の回転数を連続的に調整し、圧縮機の運転容量を連続的に調整するインバータが用いられており、このインバータにより適切に圧縮機の運転容量を制御することで高効率の運転を実現している。しかし、インバータを用いることで発生する高調波が電源に乗ってしまい、他の機器に悪影響を与えることが近年問題となっている。インバータを用いた場合の高調波対策としては、高調波を冷凍空調装置の外に出さないようにするアクティブフィルタを用いることで実施できるが、アクティブフィルタの分だけコストが高くなる。 【0003】そこで、インバータを用いずに機械的に制御して圧縮機の運転容量を連続的に調整する方法がいくつか提案されている。図34は例えば、特開昭62−126289号公報に示されたロータリー圧縮機を設けた空気調和機を示す冷媒回路図である。図において、51はロータリー圧縮機の圧縮機部を示す。圧縮機部51はメインベアリング、サブベアリング(いずれも図示せず)に挟まれたシリンダ52内に、偏心回転自在なローラ53を有する。シリンダ52内にはブレード54と、このブレード54の両側に吸入ポート55および吐出ポート56が配設されている。圧縮機部51の吸入ポート55と吐出ポート56の間に、四方弁4を介して室内熱交換器8、膨張弁7、及び室外側熱交換器5が連結され、ヒートポンプ式の空気調和装置を構成している。なお、57は各冷凍サイクル構成機器を連結するための冷媒配管を示す。 【0004】一方、圧縮機部51のシリンダ52には、吸入ポート55および吐出ポート56と対向する位置にリリーフポート58が設けられている。このリリーフポート58には弁59が設けられ、圧力導入管60より高圧側電磁弁10a、低圧側電磁弁10bにより切り換えられた圧力を導入する。また61は弁59に開側に付勢力を与えるスプリングである。 【0005】高圧側電磁弁10aを開くとともに低圧側電磁弁10bを閉じると、吐出圧力により弁59は押し下げられてリリーフポート58を閉塞する。リリーフポート58が閉塞されると、リリーフポート58を介して圧縮途中の冷媒がバイパスされることが無くなるので、圧縮機部51では最大容量の運転を実施する。逆に高圧側電磁弁10aを閉じるとともに低圧側電磁弁10bを開くと、スプリング58により弁59は押し上げられてリリーフポート58を開口する。リリーフポート58が開口されると、圧縮途中のガス冷媒がリリーフポート58を介して低圧側にバイパスされるので、圧縮機部51での運転容量は減少し、最小容量での運転を実施する。上記電磁弁10a、10bの開閉は制御回路(図示せず)で制御し、図35に示すような制御ルーチンにより短時間で最大容量運転と最小容量運転を切り換え、最大容量と最小容量の間の中間的な容量を複数段階で可変にしている。 【0006】例えば図35のように制御した場合、3秒間最大容量で運転し、2秒間最小容量で運転することになるので、5秒間の平均的な運転容量は(最大容量×3+最小容量×2)/5となる。高圧側電磁弁10a、低圧側電磁弁10bの開閉時間の長さを変更することで最大容量と最小容量の間の中間的な容量での運転を連続的に実現する。この方法によると最大容量運転と最小容量運転の運転時間を調整することで、最大容量と最小容量の間の中間的な容量で連続的に運転でき、インバータと同等の運転容量制御が可能となる。またこの圧縮機の運転容量制御ではインバータを用いないので、インバータ部分での電気的損失が発生せず、より高効率の運転が可能となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の冷凍空調装置においては、段階的な容量で運転する圧縮機の運転容量が最大容量と最小容量とに大きく切り換わるため、圧力変動などの冷凍サイクル上の変動が発生する。冷凍空調装置の冷凍空調能力から圧縮機として必要となる最大運転容量と最小運転容量が設定されるのであるが、例えば従来の技術を用いて最大運転容量10馬力(以下、HPと記す)の冷凍空調装置を構成し、2HPの運転容量まで連続的に容量制御を実現できるようにする場合には、圧縮機の最大運転容量10HP、最小運転容量2HPという構成にする必要がある。この場合最大容量と最小容量の間の中間的な容量を実現するときは、最大運転容量10HP、最小容量2HPの運転を短時間で切り換える運転を行うことになるので、圧縮機運転容量の変動幅が大きく、冷凍サイクル上に大きな圧力脈動が発生する。この圧力変動につれて、熱交換器での熱交換量が数秒という短時間に大きく変動し、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合には吹出空気温度の変動が大きくなるなど、冷凍空調装置における冷凍能力や空調能力が短時間に大きく変動するので快適性を損なうという課題があった。 【0008】また、短時間に圧縮機の運転容量の切り換えを実施するために、高圧側電磁弁10aと低圧側電磁弁10bの切り換え回数が増加し、開閉の際に電磁弁内の接触部に大きな衝突力がかかり、電磁弁の寿命が短くなるなど電磁弁駆動の信頼性が低下するという課題があった。また、この場合電磁弁10a、10bが短時間で駆動されるため、電磁弁を開閉駆動する際に生じる駆動音が頻繁に発生し、騒音が生じるという課題があった。 【0009】また、冷凍サイクル上に圧力変動が発生するので、冷凍サイクルの運転制御をフィードバック制御で行おうとした場合、変動した運転情報を基に制御を行うことになるので、安定した制御を行えないという課題があった。 【0010】本発明は上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、段階的な容量で運転可能な圧縮機を搭載した冷凍空調装置において、インバータを用いることによる高調波の悪影響がなく、この圧縮機の運転容量を短周期で切り換えて連続的な運転容量を実現するときに生じる圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力や空調能力の変動を小さくすることで、運転の際の快適性を確保できる冷凍空調装置を得ることを目的とするものである。 【0011】また本発明は、段階的な容量で運転可能な圧縮機の運転容量を短周期で切り換えて連続的な運転容量を実現する圧縮機において、運転容量を制御弁で切り換える場合、この制御弁の頻繁な開閉駆動における衝撃を緩和して、駆動音や衝突力を低減することで、低騒音で長寿命な制御弁を実現し、信頼性を向上できる冷凍空調装置を得ることを目的とするものである。 【0012】また本発明は、変動した運転情報に対応した制御を行うことで、安定した運転制御を実施できる冷凍空調装置を得ることを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機を少なくとも1台と、前記圧縮機とは別に段階的な容量で運転可能な圧縮機または一定の容量で運転する圧縮機を少なくとも1台備え、前記段階的な容量で運転可能な圧縮機を、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させ、複数の前記圧縮機の全体運転容量を連続的に可変としたことを特徴とするものである。 【0014】また、本発明の請求項2に係わる冷凍空調装置は、請求項1において、複数の圧縮機全体の運転容量を、少なくとも2台の段階的な容量で運転可能な圧縮機に分担して運転する場合、前記段階的な容量で運転可能な圧縮機に分担する運転容量が、その圧縮機の段階的な容量のうちのそれぞれ最小容量と一致するのを避けて分担することを特徴とするものである。 【0015】また、本発明の請求項3に係わる冷凍空調装置は、請求項1または請求項2において、少なくとも2台の段階的な容量で運転可能な圧縮機をそれぞれ、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転する場合、前記各圧縮機の運転容量の合計の前記短周期内での時間的な変動が、その短周期に運転する前記各圧縮機の大きい方の運転容量の合計と小さい方の運転容量の合計との差よりも小さくなるように、前記各圧縮機の短周期の時間配分とその各時間の運転容量を組み合せて運転することを特徴とするものである。 【0016】また、本発明の請求項4に係わる冷凍空調装置は、請求項3において、段階的な容量で運転可能な圧縮機を2台備え、短周期のうちで、一方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、他方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうと共に、他方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、一方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうようにしたことを特徴とするものである。 【0017】また、本発明の請求項5に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの高圧側の内容積を高圧側圧力変動幅を小さくするような第1の所定容積以上とした、または前記冷凍サイクルの低圧側の内容積を低圧側圧力変動幅を小さくするような第2の所定容積以上としたことを特徴とするものである。 【0018】また、本発明の請求項6に係わる冷凍空調装置は、請求項5において、第1の所定容積または第2の所定容積は、圧縮機の運転により冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動幅の許容値と、短周期の長さと、前記短周期での前記圧縮機の運転容量変動幅と、に基いて決定したことを特徴とするものである。 【0019】また、本発明の請求項7に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルを構成する高圧側または低圧側に、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減する冷媒容器を設けたことを特徴とするものである。 【0020】また、本発明の請求項8に係わる冷凍空調装置は、請求項7において、高圧側に設ける冷媒容器として、オイルセパレータまたは凝縮器として動作する熱交換器の出口に設けた液レシーバを用いたことを特徴とするものである。 【0021】また、本発明の請求項9に係わる冷凍空調装置は、請求項7において、低圧側に設ける冷媒容器として、圧縮機の吸入側に設けたアキュムレータを用いたことを特徴とするものである。 【0022】また、本発明の請求項10に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルを構成する高圧側または低圧側に、冷媒が流れる際に流動抵抗を付加する抵抗素子を設け、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減することを特徴とするものである。 【0023】また、本発明の請求項11に係わる冷凍空調装置は、請求項10において、高圧側に設ける抵抗素子は、圧縮機の吐出側に設けた逆止弁であることを特徴とするものである。 【0024】また、本発明の請求項12に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの高圧側と低圧側をバイパスするバイパス回路を設け、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減することを特徴とするものである。 【0025】また、本発明の請求項13に係わる冷凍空調装置は、請求項12において、バイパス回路は、圧縮機の吐出側と吸入側とを接続する回路であることを特徴とするものである。 【0026】また、本発明の請求項14に係わる冷凍空調装置は、請求項12または請求項13において、バイパス回路に制御弁を設け、段階的な容量で運転可能な圧縮機を、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転するとき、前記制御弁によって前記バイパス回路を開とし、前記圧縮機が一定の容量で運転するとき、前記制御弁によって前記バイパス回路を閉とすることを特徴とするものである。 【0027】また、本発明の請求項15に係わる冷凍空調装置は、請求項12において、バイパス回路は、冷凍サイクルの凝縮器として動作する熱交換器で凝縮された高圧液冷媒を圧縮機吸入側に戻す回路であることを特徴とするものである。 【0028】また、本発明の請求項16に係わる冷凍空調装置は、請求項15において、バイパス回路途中に、高圧液冷媒を減圧する減圧手段を設けると共に、その減圧手段で減圧された冷媒と凝縮器で凝縮された高圧液冷媒とを熱交換させる熱交換器を設けたことを特徴とするものである。 【0029】また、本発明の請求項17に係わる冷凍空調装置は、請求項12において、バイパス回路は、オイルセパレータで分離した油を低圧側に戻す回路であることを特徴とするものである。 【0030】また、本発明の請求項18に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁に油を供給する油供給手段を設けたことを特徴とするものである。 【0031】また、本発明の請求項19に係わる冷凍空調装置は、請求項18において、圧縮機の吐出側にオイルセパレータを設け、油供給手段は、前記オイルセパレータで分離された油または油分離された後の冷媒ガスを制御弁に供給する油供給回路であることを特徴とするものである。 【0032】また、本発明の請求項20に係わる冷凍空調装置は、請求項18において、油供給手段は、圧縮機で吐出されたガス冷媒を制御弁に供給する油供給回路であることを特徴とするものである。 【0033】また、本発明の請求項21に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とするものである。 【0034】また、本発明の請求項22に係わる冷凍空調装置は、請求項21において、冷却手段は、冷凍サイクルの凝縮器として動作する熱交換器で凝縮された高圧液冷媒を制御弁に供給する冷媒回路であることを特徴とするものである。 【0035】また、本発明の請求項23に係わる冷凍空調装置は、請求項21において、冷却手段は、冷凍空調装置の周囲の外気によって制御弁を冷却する構成であることを特徴とするものである。 【0036】また、本発明の請求項24に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、可動弁の移動によって流路を開閉することで前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁に、前記可動弁の移動によって接触する部分または前記接触する部分に当たる前記可動弁に、その衝撃を緩和する衝撃緩和手段を設けたことを特徴とするものである。 【0037】また、本発明の請求項25に係わる冷凍空調装置は、請求項24において、衝撃緩和手段を、可動弁の移動によって接触する部分または前記接触する部分に当たる前記可動弁の材質の少なくとも一部分を樹脂で構成して衝撃を緩和するものである。 【0038】また、本発明の請求項26に係わる冷凍空調装置は、請求項24において、衝撃緩和手段を、可動弁の移動を減速する減速手段を設け、前記可動弁の移動によって接触する時の速度を減速して衝撃を緩和するものである。 【0039】また、本発明の請求項27に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、運転中の前記冷凍サイクルの運転情報を前記短周期以上の長さの所定時間内で複数回測定する測定手段と、を備え、得られた前記複数の運転情報に基づいて、前記容量制御手段での制御を含めた前記冷凍サイクルの制御を行なうことを特徴とするものである。 【0040】また、本発明の請求項28に係わる冷凍空調装置は、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、運転中の前記冷凍サイクルの運転情報を前記短周期内の所定時間に測定する測定手段と、を備え、得られた前記運転情報に基づいて、前記容量制御手段での制御を含めた前記冷凍サイクルの制御を行なうことを特徴とするものである。 【0041】また、本発明の請求項29に係わる冷凍空調装置は、請求項5ないし請求項28のいずれか1項において、冷凍サイクルに、前記圧縮機とは別に段階的な容量で運転可能な圧縮機または一定の容量で運転する圧縮機を少なくとも1台備えたことを特徴とするものである。 【0042】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実施の形態1による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。図1は本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、1aは段階的な容量で運転可能な圧縮機で、例えばバイパス容量制御手段を設けたスクロール圧縮機、1bは一定容量の圧縮機、2a、2bは吐出配管、3a、3bは吸入配管、4は冷房運転と暖房運転での冷媒流路切り換え手段で例えば四方弁、5は第1熱交換器で例えば室外熱交換器、6は液管、7a、7bは絞り手段で例えば膨張弁、8a、8bはそれぞれ第2熱交換器で例えば室内熱交換器、9はガス管である。これらの各機器と配管を接続して冷媒を循環させ、冷凍サイクルを構成している。 【0043】また10a、10bはスクロール圧縮機1aの運転容量を制御するための制御弁で、10aは例えば吐出配管2aからの配管11aに設けられた高圧側電磁弁、10bは例えば吸入配管3aからの配管12aに設けられた低圧側電磁弁である。電磁弁10a、10bからの配管13a、14aは結合されて、スクロール圧縮機1aの容量制御用配管15aを介してスクロール圧縮機1aに接続されている。また本実施の形態での冷凍空調装置の最大運転容量は10HPであり、圧縮機1aは最大容量6HPと最小容量2HPの段階的な容量切り換えが可能な圧縮機、圧縮機1bは4HPの一定容量で運転する圧縮機である。即ち、圧縮機を2台設け、最大容量6HPの圧縮機1aと最大容量4HPの圧縮機1bとで、最大容量10HPの冷凍空調装置を構成している。ここで例えば1HPの運転容量で約2.8kW程度の冷房能力を供給できる。 【0044】次に本実施の形態の冷凍サイクルにおける冷媒の流れを説明する。冷房運転では四方弁4は図1実線の方向に流れるように流路設定される。そして圧縮機1a、1bから吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出配管2a、2b、四方弁4を経て室外熱交換器5で凝縮液化された後、液管6を通じて膨張弁7a、7bで減圧されて低圧の二相冷媒となり室内熱交換器8a、8bに流入する。さらに低圧の二相冷媒は、室内熱交換器8a、8bで蒸発ガス化しながら室内側の熱を奪って室内の冷房を行なう。その後冷媒はガス管9、四方弁4、吸入配管3a、3bを流通して、圧縮機1a、1bに吸入される。一方、暖房運転では四方弁4は図1破線の方向に流れるように流路設定される。そして圧縮機1a、1bから吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出配管2a、2b、四方弁4、ガス管9を経て室内熱交換器8a、8bに流入して凝縮液化されながら、室内側に熱を供給して室内の暖房を行なう。その後膨張弁7a、7bで減圧されて低圧の二相冷媒となり、液管6を経て室外熱交換器5で蒸発ガス化された後、四方弁4、吸入配管3a、3bを流通して、圧縮機1a、1bに吸入される。 【0045】次に圧縮機1aの容量制御動作について説明する。ここでは、圧縮機1aは最大容量(6HP)と最小容量(2HP)の2段階で運転可能なスクロール圧縮機で、圧縮機1aを最大容量で運転する場合は高圧側電磁弁10aを開き、低圧側電磁弁10bを閉じる。これにより容量制御用配管15は吐出配管2aと連通し、高圧状態となる。逆に圧縮機1aを最小容量で運転にする場合は高圧側電磁弁10aを閉じ、低圧側電磁弁10bを開く。これにより容量制御用配管15は吸入配管3aと連通し、低圧状態となる。 【0046】このときのスクロール圧縮機の動作を図2及び図3で説明する。図2はスクロール圧縮機1aの圧縮室を示す断面図であり、図3は図2の断面A−Aより見た平面図である。図において、20は固定スクロールで台板部20aの下面に渦巻き20bが設けられ、吐出口20cが開口している。21は揺動スクロールで、台板部21aの上面に渦巻き21bが組み合わされ圧縮室22を形成している。揺動スクロールの台板下方に形成された揺動軸21cは、電動機(図示せず)に連結した回転軸(図示せず)に偏心した軸受け部に連結され、自転防止部材(図示せず)により、自転を阻止されながら公転するいわゆる揺動運動を行う。このため、圧縮室22が固定側の渦巻き20bと揺動側の渦巻き21bにより形成される。この圧縮室22の外側、即ち渦巻き20b、21bの外周から低圧のガス冷媒が流入され、中心側へと搬送されるにつれ、容積を縮小して圧力が高まり、吐出口20cから吐出管27へ高温高圧のガス冷媒となって送り出される。 【0047】容量制御手段として固定スクロール20の台板部20aには、以下の機構が設けられている。23aは渦巻き外側よりの圧縮室22に、中心部に対して対称な位置になるように設けられた一対のバイパス穴で、上方に設けられた大径の弁座穴23bに連通している。バイパス穴23aには穴と同心の環状スリット23cが設けられ、この環状スリット23cから外側の低圧部に通ずる排出口23dが開けられている。24は弁座穴23bの底部の弁座に接し、バイパス穴23aを塞ぐ制御弁で、環状スリット23cに挿入された圧縮バネ25により上方への押圧力が与えられている。26は弁座穴23bの上部に取り付けられた弁座栓で、連通穴26aが開けられていて、容量制御用配管15aに接続する圧力配管23が結合されている。 【0048】圧力配管23に容量制御用配管15aから、吐出配管2aを通じて高圧冷媒が加えられ、吸入配管3aからの低圧冷媒が絶たれていると、制御弁24は下側に押圧されバイパス穴23aを閉じ、圧縮室22の冷媒ガスはバイパスされることなく、全量が圧縮されて吐出口20cより送出され、圧縮機1aは最大容量で運転を行う。 【0049】次に圧力配管23に対し容量制御用配管15aから、吸入配管3aと通じて低圧冷媒が加えられ、吐出配管2aからの高圧冷媒が絶たれると、圧縮室22の圧力と圧縮バネ25により制御弁24が押し上げられて、弁座栓26に接し連通穴26aを閉じる。これにより、バイパス穴23aと排出穴23dが連通し、圧縮室22の冷媒ガスの一部が圧縮機内の低圧部に排出され、吐出口20cから送出される冷媒量が減少することで圧縮機1aは最小容量で運転を行う。 【0050】このように最大容量と最小容量の2段階の容量で運転可能な圧縮機1aにおいて、2段階の間の容量で運転を行う場合、最大容量運転と最小容量運転を短周期の時間配分で切り換えることで実現する。さらに最大容量運転と最小容量運転の短周期の時間配分を変化させて短周期での平均容量を変化させ、圧縮機1a、1bの運転容量の合計を連続的に変化させることができる。 【0051】以下、圧縮機1a、1bの運転容量の制御方法について説明する。圧縮機1a、1bを合計した必要運転容量は、冷凍空調装置の運転状態、外気温度、室内空気温度、室内空気温度の目標値、室内熱交換器8a、8bの運転容量などによって決定される。例えば、圧縮機1a、1bの必要運転容量を、冷凍空調装置の運転状態によって決定する場合は以下のように運転容量を決定する。冷房運転時には、冷凍サイクルの低圧側圧力、例えば圧縮機吸入側の圧力を測定し、その低圧測定値と予め定められた低圧目標値とを比較する。この比較の結果、測定値が目標値よりも高ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を大きくし、逆に測定値が目標値よりも低ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を小さくする。また暖房運転時には、冷凍サイクルの高圧側圧力、例えば圧縮機吐出側の圧力を測定し、その高圧測定値と予め定められた高圧目標値とを比較して、測定値が目標値よりも高ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を小さくし、逆に測定値が目標値よりも低ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を大きくする。 【0052】また圧縮機1a、1bの必要運転容量を、室内空気温度とリモコンなどにより冷凍空調装置利用者から設定された室内空気温度目標値から決定する場合は、以下のように運転容量を決定する。冷房運転時には、室内空気温度を測定し、この測定値と室内空気温度目標値を比較する。この比較の結果、測定値が目標値よりも高ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を大きくし、逆に測定値が目標値よりも低ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を小さくする。また暖房運転時にも同様に室内空気温度を測定し、この測定値と室内空気温度目標値を比較して、測定値が目標値よりも高ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を小さくし、逆に測定値が目標値よりも低ければ現在の圧縮機運転容量よりも運転容量を大きくする。 【0053】また圧縮機の必要運転容量を室内熱交換器8a、8bの運転容量から決定する場合には、室内熱交換器8a、8bの運転容量が多いと、冷凍空調装置として必要とされる負荷が多くなるので、圧縮機の運転容量を大きくする。逆に室内熱交換器8a、8bの運転容量が小さいと、冷凍空調装置として必要とされる負荷が少なくなるので、圧縮機の運転容量を小さくする。 【0054】また外気温度については、冷凍空調装置の負荷に影響を与え、外気温度が低ければ冷房負荷は低下し、暖房負荷は増大するので冷房運転の際には圧縮機の運転容量を小さく調整し、また暖房運転の際には圧縮機の運転容量を大きく調整するなどして圧縮機の必要運転容量を調整する。 【0055】以上のようにして決定された圧縮機の必要運転容量に応じて、圧縮機1aの高圧側電磁弁10aと低圧側電磁弁10bの短周期での開閉、および一定容量圧縮機1bの運転、停止を組み合わせて容量制御を実施する。表1は、合計運転容量2HP〜10HPを得るときの圧縮機1aの高圧側電磁弁10aと低圧側電磁弁10bの開閉、および一定容量圧縮機1bの運転、停止を示している。この圧縮機1aの容量制御では、例えば10秒を1周期とし、高圧電磁弁10aを開(低圧電磁弁10bを閉)とした時の最大容量運転(6HP)と低圧電磁弁10bを開(高圧電磁弁10aを閉)とした時の最小容量運転(2HP)の2段階で10秒という短周期の時間配分を振り分けている。 【0056】 【表1】
【0057】例えば、表1の合計運転容量が3HPのとき、圧縮機1aでは短周期の時間配分として6HPの最大容量運転を2.5秒、2HPの最小容量運転を7.5秒とすると、短周期の平均容量は、(6×2.5+2×7.5)/10=3となり、圧縮機1bは停止しているので、合計の運転容量として3HPが得られる。また、合計運転容量が9HPのとき、圧縮機1aでは短周期の時間配分として6HPの最大容量運転を7.5秒、2HPの最小容量運転を2.5秒とすると、短周期の平均容量は、(6×7.5+2×2.5)/10=5となり、圧縮機1b(4HPの運転容量)は運転しているので、合計の運転容量として9HPが得られる。このように、最大容量運転と最小容量運転の短周期の時間配分を変化させて短周期での平均容量を変化させ、圧縮機1a、1bの運転容量の合計を連続的に任意に変化させることができる。ここで、短周期で所定の時間配分で段階的に容量を変化させる運転を、時間制御運転と称する。 【0058】なお表1での高圧側電磁弁10aと低圧側電磁弁10bの運転では図4に示すように、必ずどちらか一方が開、どちらか一方が閉となるように開閉を制御する。図5は圧縮機1a、1bの運転容量の変化を示し、必要運転容量[HP]に対する圧縮機運転容量[HP]を示すグラフであり、表1によって実現される圧縮機の合計運転容量の変化を図示したものである。表1のような圧縮機の容量で運転することで、本実施の形態では複数の圧縮機1a、1bの全体運転容量を2HP〜10HPまで連続的に運転容量を変化させることができる。 【0059】この場合の運転容量の短周期での変動幅を見ると、運転容量が6HP〜10HPでは、圧縮機1aが最大容量で運転している場合には圧縮機1a、1b合計で10HPの容量で運転し、圧縮機1aが最小容量で運転している場合には圧縮機1a、1b合計で6HPの容量で運転することになる。即ち運転容量は短周期に10HPと6HPで変動する。従って2HP〜10HPまで連続的な運転容量を実現する空調装置であっても、従来技術にあるように圧縮機1台で運転する場合には運転容量は短周期に10HPと2HPで変動するのに対し、本実施の形態では運転容量の変動幅を小さくできる。運転容量の変動幅を小さくできると、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動は小さくなり、熱交換器での熱交換量の変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅など、冷凍空調装置における冷凍能力や空調能力の変動を小さくでき、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できる。 【0060】また運転容量が2HP〜6HPでは、運転容量は短周期に2HPと6HPで変動する。この場合も従来技術にあるように圧縮機1台で運転する場合には運転容量は短時間に10HPと2HPで変動するのに対し、本実施の形態では運転容量の変動幅を小さくできる。この場合も運転容量の変動幅を小さくでき、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動幅、熱交換器での熱交換量の変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅を小さくでき、冷凍空調装置における冷凍能力や空調能力の変動を小さくできるので、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できる。 【0061】以上のように、本実施の形態では、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aと一定容量で運転する圧縮機1bとを備え、インバータを用いずに運転することで、インバータを用いることによる高調波の悪影響がなく、且つ、圧縮機1aの運転容量を短周期で切り換えて連続的な運転容量を実現するときの容量変動幅を小さくして、これにより生じる圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制できる。このため、吹出空気温度の変動など冷凍能力や空調能力の変動を小さくでき、運転の際の快適性を確保できる冷凍空調装置を得ることができる。 【0062】なお表1では運転容量の切り換えの周期を10秒間隔(最大容量の運転時間と最小容量の運転時間を合わせた時間)で行っているが、この周期は、圧力変動幅や、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅などによって決められる。例えば冷凍空調装置運転の際の快適性を確保するために熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅を1℃程度に押さえようとすると、冷凍サイクルの圧力変動幅は高圧で2kgf/cm2 、低圧で1kgf/cm2 程度以下に設定する必要がある。この圧力変動幅に押さえるための運転容量の切り換え間隔は、その短周期内の段階的な運転容量変動幅、即ち最大容量と最小容量の差によって変化するが、一般的な冷凍サイクルでは概ね数秒から数10秒間隔に設定される。 【0063】また上記では、圧縮機1aとして、最大容量と最小容量の2段階の容量で運転可能な圧縮機としたが、2段階に限るものではなく、もっと多くの段階の容量で運転可能な圧縮機を用いれば、運転パターンが多くなって運転制御は煩雑になるが、短周期の時間配分で切り換える運転容量の差は小さくでき、冷凍サイクルの圧力変動をさらに小さくでき冷凍空調装置運転の際の快適性は高まる。図2、図3に示したスクロール圧縮機で、2以上の複数段階の運転容量を得るには、例えば最小容量を実現するバイパス穴23aよりも外側の圧縮室22に低圧配管と連通する他のバイパス穴を設け、この穴を閉塞、開放することによって圧縮室22の冷媒ガスの量を変化させれば実現できる。 【0064】また上記では、段階的な容量で運転可能な圧縮機1台と一定容量の圧縮機1台の組み合わせとして説明したが、段階的な容量で運転可能な圧縮機1台と一定容量の圧縮機を複数台組み合わせた場合、段階的な容量で運転可能な圧縮機複数台と一定容量の圧縮機を1台組み合わせた場合、段階的な容量で運転可能な圧縮機複数台と一定容量の圧縮機を複数台組み合わせた場合、いずれの場合においても同様の効果を得ることができる。また、冷凍サイクルの圧力変動を小さくできるという効果から言えば、段階的な容量で運転可能な圧縮機の容量段階数を多く備えたほうが、少ない容量段階数よりも短周期で切り換える容量差を小さくできるため、効果的である。また、圧縮機の台数が多いほうが、台数が少ないよりも短周期で切り換える容量差を小さくできるため、効果的である。 【0065】実施の形態2.以下、本発明の実施の形態2による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。図6は本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、1cは段階的な容量で運転可能な圧縮機で、例えばバイパス容量制御手段を設けたスクロール圧縮機、10c、10dはスクロール圧縮機1cの運転容量を制御するための制御弁で、10cは例えば吐出配管2bからの配管11bに設けられた高圧側電磁弁、10dは例えば吸入配管3bからの配管12bに設けられた低圧側電磁弁である。電磁弁10c、10dからの配管13b、14bは結合されて、スクロール圧縮機1cの容量制御用配管15bを介してスクロール圧縮機1cに接続されている。また本実施の形態での冷凍空調装置の最大運転容量は10HPであり、圧縮機1aは最大容量6HPと最小容量4HPの段階的な容量切り換えが可能な圧縮機、圧縮機1cは最大容量4HPと最小容量2HPの段階的な容量切り換えが可能な圧縮機である。即ち、段階的な容量で運転可能な圧縮機を2台設け、最大容量6HPの圧縮機1aと最大容量4HPの圧縮機1cとで、最大容量10HPの冷凍空調装置を構成している。なお、図6の他の要素、並びに冷媒の流れ、および図6における圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同じであるので説明を省略する。 【0066】本実施の形態では実施の形態1と同様の方法で、圧縮機の必要運転容量は、冷凍空調装置の運転状態、外気温度、室内空気温度、室内空気温度の目標値、室内熱交換器8a、8bの運転容量などによって決定される。そして、決定された圧縮機の必要運転容量に応じて、圧縮機1a、1cの高圧側電磁弁10a、10cと低圧側電磁弁10b、10dの短周期での開閉、および圧縮機1a、1cの運転、停止を組み合わせて容量制御を実施する。表2は、合計運転容量2HP〜10HPを得るときの圧縮機1aの高圧側電磁弁10aと低圧側電磁弁10bの開閉、運転、停止、および圧縮機1cの高圧側電磁弁10cと低圧側電磁弁10dの開閉、運転、停止を示している。この圧縮機1a、1cのそれぞれの容量制御でも、実施の形態1と同様、例えば10秒を1周期とし、高圧側電磁弁10a、10cを開(低圧側電磁弁10b、10dを閉)とした時の最大容量運転(6HP、4HP)と低圧側電磁弁10b、10dを開(高圧側電磁弁10a、10cを閉)とした時の最小容量運転(4HP、2HP)の2段階で10秒という短周期の時間配分を振り分けている。この時間配分を変化させて短周期での平均容量を変化させることにより、圧縮機1a、1cの運転容量の合計を連続的に任意に変化させることができる。 【0067】 【表2】
【0068】なお表2での高圧側電磁弁10a、10cと低圧側電磁弁10b、10dの運転では図4に示すように、必ずどちらか一方が開、どちらか一方が閉となるように開閉を制御する。図7は、圧縮機1a、1cの運転容量の変化を示し、必要運転容量[HP]に対する圧縮機運転容量[HP]を示すグラフであり、表2によって実現される圧縮機の合計運転容量の変化を図示したものである。 【0069】この場合の運転容量の短時間での変動幅を見ると、運転容量が8HP〜10HPでは、圧縮機1aが最大容量で運転している場合には圧縮機1a、1c合計で10HPの容量で運転し、圧縮機1aが最小容量で運転している場合には圧縮機1a、1c合計で8HPの容量で運転することになる。即ち運転容量は短周期に10HPと8HPで変動する。他の運転容量においても、運転容量が6HP〜8HPの場合は、運転容量は短時間に8HPと6HPで変動、運転容量が4HP〜6HPの場合は、運転容量は短時間に4HPと6HPで変動、運転容量が2HP〜4HPの場合は、運転容量は短時間に2HPと4HPで変動する。従って、複数の圧縮機1a、1cの全体として運転容量を2HP〜10HPまで連続的に実現でき、この実現する際、インバータを使用せず、且つ、従来技術にあるように圧縮機1台で運転する場合には運転容量は短周期に10HPと2HPで変動するのに対し、運転容量の変動幅を小さくできる。また実施の形態1に比べても運転容量の変動幅の小さい運転を行うことができる。 【0070】以上のように、本実施の形態では、2台の段階的な容量で運転可能な圧縮機1a、1cを備え、インバータを用いずに運転することで、インバータを用いることによる高調波の悪影響がなく、且つ、圧縮機1a、1cの運転容量を短周期で切り換えて連続的な運転容量を実現するときの容量変動幅を小さくして、これにより生じる圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制できる。このため、吹出空気温度の変動など冷凍能力や空調能力の変動を小さくでき、運転の際の快適性を確保できる冷凍空調装置を得ることができる。 【0071】ここで、段階的な容量で運転可能な2台の圧縮機1a、1cによって2HP〜10HPで連続的に運転容量を変化させる組み合わせは、表2および図7に示した方法だけではない。表2での制御では、図7からもわかるように運転容量が6HP〜10HPの範囲において、8HP〜10HPでは圧縮機1aの方の時間制御運転を行い、6HP〜8HPでは圧縮機1cの方の時間制御運転を行っているが、図8に示すように、8HP〜10HPの範囲では圧縮機1cの方の時間制御運転を行い、6HP〜8HPの範囲で圧縮機1aの方の時間制御運転を行ってもよい。 【0072】また、図9に示すように、6HP〜10HPの範囲で圧縮機1a、1cともに時間制御運転を行っていくという容量制御方法を行ってもよい。このときの圧縮機1a、1cの容量制御の様子を表3に示す。複数の段階的な容量で運転可能な圧縮機を複数備えている場合、各圧縮機において、短周期の間ずっとその段階のうちの最小容量で運転することを避けて制御している。このため、運転容量が、圧縮機1a、1bの小さい方の容量の合計(6HP)よりも大きく、大きい方の容量の合計(10HP)よりも小さい場合には、2台の圧縮機1a、1cで共に時間制御運転を行っている。また合計運転容量が4HPでは、圧縮機1aで最小容量で運転するか、圧縮機1bで最大容量で運転するかの2通りがあるが、圧縮機1aでの最小容量運転を避け、圧縮機1bでの最大容量運転を行う。 【0073】 【表3】
【0074】バイパス容量制御手段を設けた圧縮機では、最小容量運転を行う際にはバイパスの影響により、最大容量運転を行う場合に比べ圧縮機の吐出温度が上昇する。従って、図7、図8に示したように、運転容量8HPのときのように1台の圧縮機1aで最小容量運転、別の1台の圧縮機1cでは最大容量運転となった場合、最小容量運転の圧縮機1aの吐出温度が最大容量運転の圧縮機1cに比べて上昇する。この場合圧縮機の運転保護として吐出温度を検知し、吐出温度がある温度以上に上昇した場合圧縮機を停止させる制御を行った場合、最小容量運転の圧縮機1aの吐出温度のみが保護によって停止する状況が発生し、安定した運転を実施できない。そこで、図9および表3に示すように6HP〜10HPからの範囲で圧縮機1a、1bともに時間制御運転を行い、両圧縮機の吐出温度を同程度の温度にすることで、圧縮機の運転保護を吐出温度を検知して実行した場合、運転保護を必要とするような運転状況となった場合には、両圧縮機を同時に停止でき、そうでない場合は両圧縮機の運転を継続して行えるので、安定した運転を実施できる。ただし、ある圧縮機を複数の段階のうちの最小容量で運転しなければ運転容量値が得られない場合、例えば表3の合計運転容量が2HPのような場合には、この限りではない。 【0075】このように、段階的な容量で運転可能な圧縮機を複数備えた冷凍空調装置の場合、複数の圧縮機全体の運転容量を段階的な容量で運転可能な圧縮機に分担して運転する際、圧縮機に分担する運転容量が、その圧縮機の段階的な容量のうちの最小容量と一致するのを避けて分担することで、運転する圧縮機の吐出温度を同等にできるので、特定の圧縮機の吐出温度が上昇するのを防止できる。なお、運転容量0HPは、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aの運転容量段階としては可能であるが、0HPのときには運転しないので吐出温度の上昇は生じないため、前記のような問題は起こらない。このため、ここでいう最小容量とは見なさない。即ち、この最小容量とは、0HPより大きい段階的な容量のうちで最小の容量のことである。また段階的な容量で運転可能な圧縮機の最小容量をなるべく避けるように運転するのに限らず、ある運転容量を実現するとき、複数の圧縮機にその運転容量を分担させる組み合わせが複数存在するとき、それらの組み合わせの中で運転する圧縮機の吐出温度にばらつきの少なくできる組み合わせを選ぶとよい。圧縮機のそれぞれの容量段階の最小容量の合計値よりも大きく、最大容量の合計値よりも小さい運転容量で運転を行う場合には、複数の圧縮機を時間制御運転させるようにすると、特定の圧縮機から吐出される冷媒の温度が上昇するのを防止でき、安定した運転を行うことができる。 【0076】また、図10、図11は、本実施の形態に係わる各圧縮機の運転容量の時間変化を示す説明図で、横方向に時間、縦方向に圧縮機運転容量を示している。図9のような運転容量制御を行った場合の時間制御運転で、図10に示すように、圧縮機1a、1cの大きい容量での運転と小さい容量での運転を同じタイミングで運転すると、運転容量は短周期に(圧縮機1aの大きい容量+圧縮機1cの大きい容量=10HP)と(圧縮機1aの小さい容量+圧縮機1cの小さい容量=6HP)とで変動する。これに対し、図11に示すように圧縮機1a、1cの大きい容量での運転と小さい容量での運転を反対のタイミング(逆位相)で運転すると、運転容量の短周期での変動は、(圧縮機1aの大きい容量+圧縮機1cの小さい容量=8HP)と(圧縮機1aの小さい容量+圧縮機1cの大きい容量=8HP)となり、全体としてほとんど容量の変動のない状況で運転可能である。従って、圧縮機1a、1cともに容量制御を行って時間制御運転をする場合には、できるだけ圧縮機1a、1cの大きい容量と小さい容量での運転が反対のタイミング(逆位相)で運転する時間を長くするように運転することで、圧縮機1a、1cの運転容量合計値の変動幅を小さくすることができ、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できる。 【0077】上記では2台の圧縮機で時間制御運転を行う場合であり、段階的な容量の運転を反対のタイミングで行っているが、3台以上で時間制御運転を行う場合には、互いに反対のタイミングで段階的な容量の運転とすることは困難となる。この場合には、短周期内における各圧縮機の運転容量の合計の時間的な変動が小さくなるように、各圧縮機の短周期容量運転の変化を組み合わせるとよい。例えば、短周期内で圧縮機Aが4HPと2HP、圧縮機Bが4HPと2HP、圧縮機Cが3HPと2HPの容量変化運転を行っている場合、時間配分の一方では圧縮機Aで4HP、圧縮機Bで2HP、圧縮機Cで3HPの容量で運転を行うと運転容量の合計は9HPとなり、時間配分の他方では圧縮機Aで2HP、圧縮機Bで4HP、圧縮機Cで2HPの容量で運転を行うと運転容量の合計は8HPとなり、短周期での容量変動は9HP−8HP=1HPと小さく押さえるように運転できる。もちろん各圧縮機で時間配分が異なっており、2台の時と同様、このタイミングで運転する時間がなるべく長くなるように運転すれば容量の変動をできるだけ小さくすることができる。 【0078】もちろん、上記の具体例のように短周期内における各圧縮機の運転容量の合計の時間的な変動を最小にすると、圧力変動が小さくなるので好ましいが、最小にすることに限るものではなく、各圧縮機の運転容量の合計の時間的な変動がすこしでも小さくなるように組み合せるとよい。即ち、複数の圧縮機をそれぞれ時間制御運転する場合に、各圧縮機の運転容量の合計の短周期内での時間的な変動が一番大きい組み合わせは、その短周期内で全圧縮機が大きい方の容量で運転を行い、全圧縮機が同時に小さい方の容量に切り換えたときである。このとき短周期での容量の変化は大きい方の容量の合計と小さい方の容量の合計の差となる。そこで、本実施の形態では、各圧縮機の運転容量の合計の短周期内での時間的な変動が、その短周期に運転する各圧縮機の大きい方の運転容量の合計と小さい方の運転容量の合計との差よりも小さくなるように、各圧縮機の短周期の時間配分とその各時間の運転容量を組み合せて運転する。このように運転すれば、運転容量の時間的な変動幅がある程度小さくなるので、時間制御運転による圧力変動を抑制し、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できる。 【0079】また、本実施の形態のように段階的な容量で運転可能な圧縮機1a、1cを2台備えている場合には、短周期のうちで、一方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、他方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうと共に、他方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、一方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうように運転すると、2台の圧縮機1a、1c共に大きい容量で運転するという状態が、短周期内で長時間重なるよりは、圧力変動を小さくできる。 【0080】この短周期の時間配分の様子を図12に示す。図10では、圧縮機1a、1cの大きい容量での運転と小さい容量での運転を同じタイミングで運転しているが、図12では、このタイミングを時間方向にずらしている。このため、運転容量を見ると、短周期のうちのT1では、一方の圧縮機1aが大きい方の容量(6HP)の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、他方の圧縮機1cが小さい方の容量(2HP)の運転を行なっている。これと共に短周期のうちのT2では、他方の圧縮機1cが大きい方の容量(4HP)の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、一方の圧縮機1aが小さい方の容量(4HP)の運転を行なう。これにより、運転容量の変動は、8HP−10HP−8HP−6HPとなる。このように運転すれば、図10のような運転に比べ、運転容量の時間的な変動幅がある程度小さくなるので、時間制御運転による圧力変動を抑制し、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できる。 【0081】また、本実施の形態では基本的には段階的な容量で運転可能な圧縮機を2台備えた構成の場合として説明したが、段階的な容量で運転可能な圧縮機を3台以上用いた場合においても同様の効果を得ることができる。冷凍サイクルの圧力変動を小さくできるという効果から言えば、段階的な容量で運転可能な圧縮機の容量段階数を多く備えたほうが、少ない容量段階数よりも短周期で切り換える容量差を小さくできるため、効果的である。また、圧縮機の台数が多いほうが、台数が少ないよりも短周期で切り換える容量差を小さくできるため、効果的である。 【0082】なお、実施の形態1、実施の形態2では、圧縮機1a、1cをバイパス容量制御手段を設けたスクロール圧縮機として説明したが、圧縮機1a、1cとして従来技術において説明したようなロータリー圧縮機を用いても同様の効果を得ることができる。また、モータのポールチェンジによって圧縮機の回転数を短周期で段階的に変化させてもよい。また、圧縮機1a、1cとしてレシプロ圧縮機を用い、運転する気筒の数を短周期で段階的に変化させても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。 【0083】実施の形態3.以下、本発明の実施の形態3による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。図13は本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、16は冷凍サイクルの高圧側に設けられた冷媒容器であり、17は冷凍サイクルの低圧側に設けられた冷媒容器である。なお、図13の他の要素、並びに冷媒の流れ、および図13における圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。 【0084】本実施の形態においても段階的な容量で運転可能な圧縮機1aを少なくとも1台備えている。さらに実施の形態1と同様、一定容量の圧縮機1bを少なくとも1台備え、短周期の時間配分を振り分けた各時間で圧縮機1aを異なる段階の容量で運転する時間制御運転を行なっている。そして、短周期の時間配分を変化させることで、その平均容量を変化させ、複数の圧縮機1a、1b全体として運転容量を任意に連続的に変化させることができる。この様に容量制御を行なうことで、高調波によって他の機器に悪影響を及ぼすインバータを用いずに、圧縮機1a、1bを連続的な容量で運転できる。この圧縮機1aの時間制御運転で、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動幅、熱交換器での熱交換量の変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動などは、圧縮機1aでの段階的な運転容量の切り換えに伴って生じるもので、圧縮機1aに吸入または吐出される冷媒流量の変動が原因で発生する。 【0085】ここで、変動発生の状況をまず高圧側に注目してみる。冷凍サイクルの高圧側を1つの容器と見なして、圧縮機1a、1bから吐出された冷媒が高圧側の容器に流入すると考える。圧縮機1aの運転容量が増加し、圧縮機1aから吐出される冷媒流量が増加したときには、高圧側の容器に流入する冷媒流量が増加する。このとき高圧側の容器内に存在する冷媒量が増加するため、容器内の冷媒の密度も増加し、容器内の圧力は上昇する。逆に圧縮機1aの運転容量が減少し、圧縮機1aから吐出される冷媒流量が減少したときには、高圧側の容器に流入する冷媒流量が減少する。このとき高圧側の容器内に存在する冷媒量が減少するため、容器内の冷媒の密度も減少し、容器内の圧力は低下する。 【0086】低圧側の変動発生の状況も同様に捉えることができ、冷凍サイクルの低圧側を1つの容器と見なして、圧縮機1a、1bに吸入される冷媒が低圧側の容器から流出したと考える。圧縮機1aの運転容量が増加し、圧縮機1aに吸入される冷媒流量が増加したときには、低圧側の容器から流出する冷媒流量が増加する。このとき低圧側の容器内に存在する冷媒量が減少するため、容器内の冷媒の密度も減少し、容器内の圧力も低下する。逆に圧縮機1aの運転容量が減少し、圧縮機1aに吸入される冷媒流量が減少したときには、低圧側の容器から流出する冷媒流量が減少する。このとき低圧側の容器内に存在する冷媒量が増加するため、容器内の冷媒の密度も増加し、容器内の圧力は上昇する。 【0087】このように圧力の変動は、容器内の冷媒量の変動が容器内の冷媒の密度の変動を引き起こすことで発生する。そこで容器内の冷媒の密度は容器内の冷媒量/容器の容積で表せることに着目すると、容器内の冷媒量の変動があっても、容器の容積が大きければ、容器内の冷媒の密度の変動幅を小さくできることがわかる。本実施の形態では上記のような現象に基づき、冷凍サイクルの高圧側の冷媒容器16、または低圧側の冷媒容器17、または両方を設けることで、冷凍サイクルの高圧側の容積を第1の所定容積以上とし、または低圧側の容積を第2の所定容積以上とする。 【0088】次に、高圧側容器16と低圧側容器17の容積について説明する。高圧側または低圧側の容器の容積[L]、時間制御運転での運転容量変動幅[HP]、冷凍サイクル上に発生する圧力変動幅[kg/cm2 ]、時間制御運転での短周期の長さ[sec]の4つのパラメータにはそれぞれ互いに関係があり、例えば冷凍空調装置の設計時に低圧側または高圧側の容器の容積を決定する際には、他の3つのパラメータの値が決まれば、その容積を決定できる。ただし、高圧側の容器を構成する機器は、圧縮機吐出配管2a、2b−高圧側容器16−四方弁4−凝縮器(冷房運転では室外熱交換器5であり、暖房運転では室内熱交換器8a、8b)−膨張弁7a、7bの各機器およびこれらを接続する配管である。一方低圧側の容器を構成する機器は、膨張弁7a、7b−蒸発器(冷房運転では室内熱交換器8a、8bであり、暖房運転では室外熱交換器5)−四方弁4−低圧側容器17−圧縮機吸入配管3a、3bの各機器およびこれらを接続する配管である。実施の形態1でも述べたが、時間制御運転での短周期の長さ[sec]は、圧力変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅などによって決められる。例えば冷凍空調装置運転の際の快適性を確保するために熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅を1℃程度に押さえようとすると、冷凍サイクルの圧力変動幅は高圧で2kgf/cm2 、低圧で1kgf/cm2 程度以下に設定する必要がある。この圧力変動幅に押さえるための短周期の長さ[sec]は、時間制御運転での運転容量変動幅[HP]によって変化するが、一般的な冷凍サイクルでは概ね数秒から数10秒間隔に設定される。また、時間制御運転での運転容量変動幅[HP]は、最小容量を0.3HP以上、最大容量を最小容量の2〜3倍程度とし、変動可能幅(最大容量−最小容量)の1/10〜1倍に設定する。また、冷凍空調装置を構成するのに最低限必要な各機器と配管の容積は予め計算または推定でき、高圧側容器16または低圧側容器17の容積は、上記4つのパラメータのうち他の3つのパラメータを決定することにより決定される低圧側または高圧側の容器の容積から最低限必要な各機器と配管の容積を差し引いた容積以上とすればよい。なお、ここでは、4つのパラメータのうち容積以外の他のパラメータを決定することにより容積を決定する方法について述べたが、これに限るものではなく、4つのパラメータのうち少なくとも3つのパラメータの値を決定すれば、残りの1つを決定することができ、冷凍空調装置の設計時などに用いれば、快適性の高い装置を得るのに有効である。 【0089】実際に高圧側容器16と低圧側容器17の容積を決定する手順について説明する。図14は、横軸に時間制御運転での短周期の長さである運転容量制御間隔を示し、縦軸に{高圧側を構成する機器および配管の容積(L)}/運転容量変動幅[HP]を示すグラフ、図15は、横軸に時間制御運転での短周期の長さである運転容量制御間隔を示し、縦軸に{低圧側を構成する機器および配管の容積(L)}/運転容量変動幅[HP]を示すグラフである。そしてグラフ上の曲線は、図14ではそれぞれ冷凍サイクルの圧力変動幅が1kg/cm2 、2kg/cm2 、3kg/cm2 を表し、図15ではそれぞれ冷凍サイクルの圧力変動幅が0.5kg/cm2 、1kg/cm2 、2kg/cm2 を表している。 【0090】図14、図15の関係は、シュミレーションによって得られたものである。この関係に基づいて、運転容量制御間隔と圧力変動幅を一定値以下にするために必要な低圧側または高圧側の容器の容積を求める方法について説明する。前述のように冷凍空調装置運転の際の快適性を確保するため、熱交換器に空気熱交換器を用いたときの吹出空気温度の変動幅を1℃程度に押さえようとすると、冷凍サイクルの圧力変動幅は高圧で2kgf/cm2 、低圧で1kgf/cm2 程度以下に設定する必要がある。 【0091】そこで高圧の圧力変動幅を2kgf/cm2 に押さえる場合には、運転容量制御間隔を10秒で運転すると図14より、高圧側容積[L]/運転容量変動幅[HP]=4となるため、圧縮機の運転容量の変動幅を2HPとすると、必要となる高圧側容積は8Lとなる。この値が第1の所定容積である。従って高圧側の容積は8L以上になるように、高圧側を構成する各機器および配管の容積を考慮して高圧側容器16の容量を設定する。同様に、低圧の圧力変動幅を1kgf/cm2 程度に押さえる場合には、運転容量制御間隔を10秒で運転すると図15より、低圧側容積[L]/運転容量変動幅[HP]=12.5となるため、圧縮機の運転容量の変動幅を2HPとすると、必要となる低圧側容積は25Lとなる。この値が第2の所定容積である。従って低圧側の容積は25L以上になるように、低圧側を構成する各機器および配管の容積を考慮して低圧側容器17の容量を設定する。 【0092】このように第1の所定容積または第2の所定容積を、圧縮機の運転により冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動幅の許容値と、短周期の長さと、短周期での圧縮機の運転容量変動幅とに基いて決定したことにより、高圧側または低圧側の容積を、運転条件や機器の構成や装置使用の際の快適性を満足するように設定できる。また、高圧側または低圧側に容器16、17を設けることで、圧縮機の運転容量の変動が生じても冷媒の密度の変動を小さくして、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0093】なお、図13では高圧側容器16を圧縮機吐出側、低圧側容器17を圧縮機吸入側に設けているが、設置場所はこれに限るものでなく、高圧側容器16では圧縮機1a、1bの吐出口から膨張弁7によって減圧されるまでの冷凍サイクルの高圧部分、また低圧側容器17では膨張弁7によって減圧されてから圧縮機1a、1bに吸入されるまでの部分のどの部分に設置しても同様の効果を得ることができる。 【0094】また、ここでは、高圧側と低圧側の両方の容積を所定値以上になるように構成したが、少なくともどちらか一方の容積を所定値以上になるように構成すれば、程度の差はあるが効果を奏する。 【0095】また、圧力変動を抑制するためには容器16、17を設けるという構成だけでなく、高圧側または低圧側それぞれの容積を増加させてもよい。例えば、室外機と室内機を接続する延長配管の配管径を大きくしてもよいし、配管長を長くしてもよいし、圧縮機1a、1bや室外熱交換器5を接続する配管の配管径を大きくしてもよいし、配管長を長くしてもよい。また室内熱交換器8a、8bや室外熱交換器5に用いられる伝熱管の径を大きくしたり、伝熱管の長さを長くしてもよい。いずれの構成においても、高圧側または低圧側それぞれの容積を増加させることができる。 【0096】以上のように、本実施の形態でも、インバータを用いずに運転することで、インバータを用いることによる高調波の悪影響がない。さらに、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aとは別に圧縮機1bを備えており、時間制御運転での容量変動幅を小さくできる。さらに冷凍サイクルの高圧側と低圧側の少なくともどちらか一方の内容積の総量を、冷凍サイクルの圧力変動幅を小さくするような所定値以上とすることにより、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aにおいて、時間制御運転を行ったときの容量変動によって冷凍サイクル上に発生する圧力脈動幅、熱交換器での熱交換量の変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅などを小さくできる。このため、冷凍空調装置における冷凍能力または空調能力の変動を小さくでき、運転の際の快適性を確保できる冷凍空調装置を得ることができる。 【0097】実施の形態4.以下、本発明の実施の形態4による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。本実施の形態でも実施の形態3と同様、冷凍サイクルの高圧側と低圧側の少なくともどちらかに容器を設け、高圧側または低圧側の容積を増大させる。これにより、段階的な容量で運転可能な圧縮機を時間制御運転することによって冷凍サイクル上に発生する圧力脈動幅、熱交換器での熱交換量の変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅などを小さくして、冷凍空調装置における冷凍能力または空調能力の変動を小さくするものである。さらに本実施の形態では、高圧側または低圧側の容積を増加して圧力の変動を抑制することに加えて、高圧側容器または低圧側容器として冷凍サイクルを構成するうえで有効である他の機能も兼ね備えた容器を設けたものである。 【0098】図16は本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、17は低圧側容器、18はオイルセパレータ、19はオイルセパレータ18で分離された油を圧縮機吸入側に戻す油戻し回路である。なお、図16の他の構成、並びに冷媒の流れ、および図16における圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。 【0099】圧縮機1a、1b内には通常内部に各部材の動作を円滑に行なわせるために潤滑油が充填されている。この油の一部はガス冷媒と共に圧縮機1a、1bから排出し、冷媒と共に冷凍サイクルを循環する。ところが循環中にこの油が液管6やガス管9に貯まり込むと、圧縮機1a、1bに戻らずに圧縮機1a、1b内の油量が減少する。圧縮機1a、1b内の各部材の動作を潤滑に行わせる油が減少すると、圧縮機1a、1bの動作が円滑に行われなくなる。本実施の形態では、圧縮機1a、1bの吐出側配管にオイルセパレータ18を設け、このオイルセパレータ18によって、圧縮機1a、1bからガス冷媒と共に吐出された油を分離し、油戻し回路19を介して圧縮機1a、1bの吸入側に戻すことで、圧縮機1a、1bが破損するという状況を避けることができる。さらにオイルセパレータ18の分だけ高圧側の容積を増大させることで、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aの時間制御運転における圧力変動の抑制を可能としている。 【0100】このようにオイルセパレータ18によって高圧側の容積を増加させるという機能と圧縮機1a、1bから排出される油を戻す機能とを兼ねている。このため、圧縮機1aの時間制御運転による圧力の変動幅を抑制でき、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、圧縮機1a、1bを運転する際の信頼性を向上させることができる。通常、オイルセパレータ18の容積は3L程度あり、冷凍サイクルを構成する高圧側の各機器および配管が5L程度とすると、図14によれば、運転容量変動幅を2HP、運転容量制御間隔(短周期の長さ)を10秒とすると、圧力変動幅を2kg/cm2 程度にすることができる。このように、オイルセパレータ18を圧縮機1a、1bの吐出側に設けることにより、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保でき、かつ圧縮機を運転する際の信頼性を向上させることができる。 【0101】また、図17のように室外熱交換器5出口に液レシーバ30を設けてもよい。室外熱交換器5は冷凍空調装置が冷房運転をしているとき、凝縮器として動作する。この凝縮器の出口に液レシーバ30を設けることで、冷凍空調装置中の冷媒量を調整し、最適な冷凍サイクルの運転をよる最適な状態にする。さらに冷凍サイクル中の余剰な冷媒保持できるので、冷凍サイクル中に余剰冷媒があっても圧縮機1a、1bに液が戻る運転とはならず、液圧縮による圧縮機の破損を回避することができる。さらに、液レシーバ30を設けることで、冷房運転においては高圧側の容積を増加して、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aが時間制御運転を行うことによって発生する圧力の変動幅を抑制する。このように、液レシーバ30を凝縮器として動作する熱交換器の出口に設けることにより、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保でき、かつ圧縮機を運転する際の信頼性を向上させることができる。なお、図のように液レシーバ30を接続すると、暖房運転に切り換えたときには、低圧側の容積を増加する作用がある。 【0102】また、図18のように圧縮機1a、1bの吸入側にアキュムレータ31を設けてもよい。アキュムレータ31を設けることで、冷凍空調装置中の起動運転の際に圧縮機吸入側に流れてくる液冷媒をアキュムレータ31に保持することで起動時に圧縮機1a、1bに液が戻る運転とはならず、液圧縮による圧縮機1a、1bの破損を回避して信頼性を向上することができる。さらに、アキュムレータ31を設けることで、冷凍サイクルの低圧側の容積を増加することができ、圧縮機1aが時間制御運転を行うことによって発生する圧力の変動幅を抑制でき、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保することができ、このように、アキュムレータ31を冷凍サイクルの低圧側である圧縮機1a、1bの吸入側に設けることにより、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保でき、かつ圧縮機を運転する際の信頼性を向上させることができる。 【0103】なお、図16、16、17では各冷凍空調装置が、オイルセパレータ18、液レシーバ30、アキュムレータ31を有する構成としたが、これらすべてを有する構成でもよく、またいずれか2つを有する構成でもよい。また、オイルセパレータ18、液レシーバ30、アキュムレータ31を有する構成でも容積が足りない場合には、図15で示したように容積を増加するだけの機能を有するとして高圧側に冷媒容器16または低圧側に冷媒容器17を別に設けてもよい。 【0104】実施の形態5.以下、本発明の実施の形態5による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。図19は本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、32は圧縮機の吐出側に設けられた流動抵抗を付加する抵抗素子で、例えば冷媒配管の一部の径を他の部分の径よりも細くして、冷媒の流れに対する抵抗素子を構成している。33は圧縮機の吸入側に設けられた流動抵抗を付加する抵抗素子で、例えば抵抗素子32と同様、冷媒配管の一部の径を他の部分の径よりも細くして、冷媒の流れに対する抵抗素子を構成している。なお、図19の他の構成、並びに冷媒の流れ、および図19における圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。 【0105】前に述べたように、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aにおいて、時間制御運転を行う際に冷凍サイクル上に発生する圧力脈動は、圧縮機1aに吸入および吐出される冷媒流量が短周期で変動することで、高圧側に流入する冷媒流量および低圧側から流出する冷媒流量が短時間で変動し、それに伴い高圧側および低圧側に存在する冷媒量を変動し、冷媒の密度の変動を引き起こすことで発生する。従って高圧側に流入する冷媒流量および低圧側から流出する冷媒流量の変動を抑制することができれば、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することができる。 【0106】そこで本実施の形態では、圧縮機1aの吐出側および吸入側に抵抗素子32および抵抗素子33を設ける。ここで、例えば圧縮機1aの吐出側に設けた抵抗素子32の作用について説明する。圧縮機1aで時間制御運転を行なっており、運転容量が小さい段階の容量から大きい段階の容量に切り換わったときには、圧縮機1aから吐出される冷媒流量は増加し、その増加分は抵抗素子32の圧縮機側の圧力上昇に作用し、その後に抵抗素子32を通過して冷媒流量の増加に寄与することになる。このため抵抗素子32を設けないときに比べ、高圧側の冷媒量の増加を抑制することができる。また、圧縮機1aの時間制御運転で、運転容量が大きい段階の容量から小さい段階の容量に切り換わったときには、圧縮機1aから吐出される冷媒流量は減少し、その結果、抵抗素子32の圧縮機側に圧力減少が起こり、その圧力減少が起こる分だけの冷媒量が抵抗素子32を通過する。このため抵抗素子32を設けないときに比べ、高圧側の冷媒量の減少を抑制することができる。この動作は低圧側の抵抗素子33に関しても同様である。 【0107】このように冷媒流路に抵抗素子32、33を設けると、圧縮機1aの運転容量の変化により圧縮機1aに吸入および吐出される冷媒流量が変動をしても、抵抗素子32、33を冷媒が通過するときの流動抵抗によって、冷媒流量の変動分は抵抗素子32、33を通過しにくくなる。このため、高圧側に流入する冷媒流量および低圧側から流出する冷媒流量の変動を、圧縮機1aで発生する冷媒流量の変動よりも小さくすることができる。従って、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することができ、熱交換器での熱交換量の変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅などを小さくでき、冷凍空調装置における冷凍能力または空調能力の変動を小さくできるので、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できる。 【0108】なお、図19の構成では高圧側と低圧側にそれぞれ抵抗素子32、33を設けており、好ましくはどちらにも設けると効果が大きいが、どちらか一方でもある程度の効果を奏する。また、流動抵抗を付加する抵抗素子は、キャピラリーのように冷媒配管内に絞り部を設けるなど、その配管を流れる冷媒に流動抵抗を付加する構成なら何でもよい。 【0109】また、圧縮機の吐出側に設けた抵抗素子32については、圧縮機1a、1bから四方弁4への方向の流れを通過させ、逆方向の流れを阻止する逆止弁としてもよい。このように高圧側の冷媒の流れに流動抵抗を付加する抵抗素子32を逆止弁とすることで、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制する効果に加え、冷凍空調装置の停止中に室外熱交換器5または室内熱交換器8a、8bから四方弁4を介して、圧縮機1a、1bの吐出側から圧縮機1a、1bに流入しようとする液冷媒の流れ込みを防ぐことができる。停止中に液冷媒の圧縮機1a、1bへの流れ込みを放置しておくと、冷凍空調装置を起動しようとしたときに、圧縮機1a、1b内に液冷媒が流れ込んでいることにより、液圧縮を生じる恐れがあり、圧縮機1a、1bの破損をまねく可能性がある。これに対し、逆止弁32を設けることで、冷凍空調装置を停止していても圧縮機1a、1bに液が流れ込むのを防止でき、液圧縮による圧縮機破損を防ぐことができ、より信頼性の高い運転が可能となる。 【0110】なお、図20に示すように、圧縮機1a、1bの吐出配管2a、2bのそれぞれに抵抗素子として逆止弁32a、32bを設けても、同様の効果を得ることができる。 【0111】実施の形態6.以下、本発明の実施の形態6による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。図21は、本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、34はバイパス回路で、例えば圧縮機の吐出側と圧縮機の吸入側を接続する回路であり、35はバイパス回路34を流れる冷媒流量をコントロールする制御弁である。なお、図21の他の構成、並びに冷媒の流れ、および図21における圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。 【0112】前に述べたように、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aにおいて、時間制御運転を行う際に冷凍サイクル上に発生する圧力脈動は、圧縮機1aに吸入および吐出される冷媒流量が短周期で変動することで、高圧側に流入する冷媒流量および低圧側から流出する冷媒流量が短時間で変動し、それに伴い高圧側および低圧側に存在する冷媒量を変動し、冷媒の密度の変動を引き起こすことで発生する。従って高圧側に流入する冷媒流量および低圧側から流出する冷媒流量の変動を抑制することができれば、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することができる。 【0113】そこで本実施の形態では、圧縮機1aにおいて、時間制御運転を行う際には制御弁35を開き、圧縮機1a、1bの吐出側から吸入側に冷媒が流れるようにする。圧縮機1aが停止または短周期に一定容量運転を行なっている時には制御弁35は閉じる。圧縮機1aで時間制御運転を行なっており、運転容量が小さい段階の容量から大きい段階の容量に切り換わったときには、圧縮機1aに吸入および吐出される冷媒流量は増加し、高圧側に存在する冷媒量は増加し高圧は上昇すると共に、低圧側から流出する冷媒流量も増加し、低圧は低下する。従って、高圧と低圧の圧力差は増加する。圧力差が増加すると、バイパス回路34を流れる冷媒流量は増加する。バイパス回路34を流れる冷媒流量が増加するということは、高圧側から流出する冷媒流量、低圧側に流入する冷媒流量がともに増加するということになるので、バイパス回路34に冷媒を流さないときに比べ、高圧側に存在する冷媒量の増加、および低圧側に存在する冷媒量の減少を抑制することができる。このように高圧側および低圧側に存在する冷媒量の変動を抑制できるので、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することが可能となる。 【0114】また圧縮機1aの時間制御運転で、運転容量が大きい段階の容量から小さい段階の容量に切り換わったときには、圧縮機1aに吸入および吐出される冷媒流量は減少し、高圧側に存在する冷媒量は減少し高圧は低下するとともに、低圧側から流出する冷媒流量も減少し、低圧は上昇する。従って、高圧と低圧の圧力差は減少する。圧力差が減少すると、バイパス回路34を流れる冷媒流量は減少する。バイパス回路34を流れる冷媒流量が減少するということは、高圧側から流出する冷媒流量および低圧側に流入する冷媒流量がともに減少するということになるので、バイパス回路34に冷媒を流さないときに比べ、高圧側に存在する冷媒量の減少、および低圧側に存在する冷媒量の増加を抑制することができる。このように高圧側および低圧側に存在する冷媒量の変動を抑制できるので、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することが可能となる。 【0115】以上のように、本実施の形態では、バイパス回路34と制御弁35を設け、圧縮機1aで時間制御運転を行っているときに冷凍サイクルの高圧側と低圧側を接続するので、時間制御運転中に生じる圧力変動によって自動的にその冷媒量の変動を小さくするような適量の冷媒がバイパス回路34を流通し、時間制御運転により冷凍サイクル上に発生する圧力脈動幅、熱交換器での熱交換量の変動幅、熱交換器に空気熱交換器を用いた場合の吹出空気温度の変動幅などが小さくなる。このため、冷凍空調装置における冷凍能力または空調能力の変動を小さくでき、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できる。 【0116】なお、制御弁35を設けずに常にバイパス回路34で高圧側と低圧側とを接続しておいてもよい。この時にはバイパス回路34は、冷凍サイクルを構成する主配管の冷媒の流れに対して、1/100〜10/100程度の冷媒が流れるように構成するのが望ましい。もちろん、圧縮機の吐出側と吸入側を接続するバイパス回路34に冷媒を流すということは、圧縮機の流量の一部を冷凍空調装置の冷房能力あるいは暖房能力に用いないことになるので、冷凍サイクルの運転効率を低下させる。従って、制御弁35によって圧縮機1aで時間制御運転を行っている以外のときには、このバイパス回路34を閉止することで、冷凍サイクルの運転効率の低下を防止できる。 【0117】また、このようにバイパス回路34を圧縮機の吐出側と吸入側とを接続する回路とすることで、冷凍空調装置の負荷が増大したときや、凝縮器となる熱交換器の異常により、高圧が過上昇した場合には、制御弁35を開としてバイパス回路34に冷媒を流し、高圧の過上昇を抑制することもできる。バイパス回路34によって高圧の冷媒を低圧側にバイパスすることで、高圧の過上昇に起因する圧縮機の破損を防止することができ、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することに加えて、冷凍空調装置の運転における信頼性を高めることができる。 【0118】また、このバイパス回路34を図16にあるように、オイルセパレータ18で分離した油を圧縮機吸入側に返す油戻し回路19と兼用させてもよい。オイルセパレータ18とすることにより、上記効果に加えて、圧縮機1a、1bの吐出側からガス冷媒と共に流出する圧縮機内の潤滑油を圧縮機に戻すことができ、潤滑油の不足による圧縮機の動作不良や破損を防止することができ、冷凍空調装置の信頼性を高めることができる。 【0119】また、高圧側と低圧側を接続するバイパス回路34を、圧縮機の吐出側と吸入側を接続するバイパス回路34に限るものではなく、他の構成にしてもよい。図22は本実施の形態による冷凍空調装置の他の構成を示す冷媒回路図である。この構成では、バイパス回路34の一端を室外熱交換器5と膨張弁7a、7bの間の液管6に接続し、バイパス回路34の他端を圧縮機の吸入配管3a、3bとを接続している。このように構成することで、冷房運転時には、室外熱交換器5は凝縮器として動作している。従って、高圧側となる室外熱交換器5出口と低圧側となる圧縮機吸入側とを接続することになるので、圧縮機の吐出側と吸入側を接続した場合と同様に、冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することが可能となる。またこのように接続すると、冷房運転時には室外熱交換器5で凝縮された液冷媒を圧縮機1a、1bに戻すことができる。例えば運転中に圧縮機1a、1bの吐出温度が上昇した場合には、制御弁35を開として液冷媒を圧縮機1a、1bに戻すことで、吐出温度の上昇を抑制することができ、圧縮機運転の信頼性を高めることが可能となる。図22、図23における制御弁35は、バイパス回路34を開閉する開閉機能を有するものであればよい。 【0120】また、図23は本実施の形態による冷凍空調装置のさらに他の構成を示す冷媒回路図である。図において、36はバイパスされた液冷媒と高圧の液冷媒とを熱交換する熱交換部で、例えば高低圧熱交換器である。この構成の制御弁35は減圧機能を有するものである。冷房運転時にバイパス回路34を流れる液冷媒は、制御弁35によって減圧されて低圧低温の二相冷媒となる。この二相冷媒と液管6を流れる高圧高温の液冷媒を高低圧熱交換器36で熱交換することで、低圧の二相冷媒は蒸発ガス化される。従って、バイパス回路34によって冷凍サイクル上に発生する圧力脈動を抑制することに加え、バイパスされる液冷媒の蒸発潜熱を回収することができ、冷房運転時に液冷媒をバイパスすることによる冷房能力の低下を低減することができる。さらに、冷房運転中に室外熱交換器5から室内熱交換器8a、8bを流れる冷媒流量を冷房能力の低下なく減らすことができるため、ガス管9で生じる圧力損失を減らすことが可能となり、より高効率で冷凍空調装置を運転することが可能となる。 【0121】実施の形態7.以下、本発明の実施の形態7による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。図24は、本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。本実施の形態では図に示すように、オイルセパレータ18で分離された油の油戻し回路19を高圧側電磁弁10aに接続し、オイルセパレータ18で分離された油を高圧側電磁弁10aに供給する。そしてこれが開となったときに高圧側電磁弁10aを通過して低圧側電磁弁10bに供給される。供給された油は低圧側電磁弁10bに流入し、その後これが開となったときに低圧側電磁弁10bを通過し、圧縮機吸入側に戻される。なお、図24の他の構成、並びに冷媒の流れ、および図24における圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。 【0122】本実施の形態のように、圧縮機1aの運転容量の切り換えを2つの制御弁である高圧側電磁弁10a、低圧側電磁弁10bの開閉で行う場合、各電磁弁の開閉回数は多くなる。例えば、圧縮機1aを最大容量で運転する時間と最小容量で運転する時間を1セットで考え、最大容量で運転する時間と最小容量で運転する時間を合計した短周期の長さを10秒、圧縮機1aの運転時間を2万5千時間とした場合、電磁弁10a、10bそれぞれの開閉回数は900万となり、一般の電磁弁における耐用開閉回数の数十万回というレベルよりはかなり多い耐用開閉回数が必要となる。 【0123】図25は本実施の形態に係わる電磁弁10a、10bの構造を示す断面図である。図において、37は可動弁、38は弁座、39はプランジャー、40はコイル、41は弁入口側流路、42は弁出口側流路である。電磁弁10a、10bの動作は以下のようになる。弁を開く場合には、コイル40に電流を流し、電磁力によって可動弁37からプランジャー39への磁力を発生させることで可動弁37をプランジャー39に吸引させる。プランジャー39が図における上方に移動すると、可動弁37と弁座38の間に空隙が生じ、弁入口側流路41と弁出口側流路42が通じ、弁が開いた状態となる。弁を閉じる場合には、コイル40に電流が流れないようにする。すると可動弁37からプランジャー39への磁力がなくなり可動弁37をプランジャー39に吸引させる力がなくなる。このためプランジャー39が図における下方に移動する一方で、流れる冷媒の圧力は弁出口側42より弁入口側41の方が高いので冷媒の圧力差によって、可動弁37は弁座38に押しつけられる。こうすることで可動弁37と弁座38の間の空隙がなくなり、弁入口側流路41と弁出口側流路42の間は閉止される。 【0124】従って、電磁弁10a、10bを開閉するたびに、プランジャー39と可動弁37、および可動弁37と弁座38が衝突するため、電磁弁10a、10bの開閉回数を増加させるとプランジャー39、可動弁37、弁座38などの摩耗が進む。特に、摩耗によって可動弁37と弁座38の間に隙間ができて完全閉止できなくなる恐れがある。そこで本実施の形態では可動弁37や弁座38の摩耗を防ぎ、所定の耐用開閉回数を確保するために、オイルセパレータ18で分離された油を電磁弁10a、10bに供給するように構成している。電磁弁10a、10bに油を供給することで、可動弁37と弁座38との接触部、プランジャー39と可動弁37との接触部、可動弁37と容器内面との摺動部などに油膜が形成される。この油膜が電磁弁10a、10bの開閉によって接触する部分、例えば可動弁37と弁座38との接触部での衝突における衝撃を緩和する衝撃緩和手段となり、可動弁37や弁座38などの接触部の摩耗を防止できる。 【0125】なお、この油膜は少量の油で形成可能であり、圧縮機1a、1bからの油の持ち出し量が多いと、電磁弁10a、10bに供給される油量が多くなり過ぎてしまう場合も生じる。電磁弁10a、10bに供給される油量が多過ぎて電磁弁10a、10b内が油で充満すると、冷媒に比べて油の粘性が大きいため、電磁弁10a、10b内の油の量が多くなるにつれて電磁弁10a、10bの開閉により多くの電磁力が必要となる。従って冷媒を用いた場合に電磁弁10a、10bを開閉できるように設計していると、弁内に油が充満したときは電磁力不足で電磁弁10a、10bが十分に開閉できず、これに起因して圧縮機の容量制御を実施できなくなる場合も生じる。従って電磁弁10a、10bに油を供給する際、その電磁弁10a、10bに最適な量の油を供給する必要がある。 【0126】そこで、本実施の形態では電磁弁10a、10bに油を供給する際の油の状態に対してさまざまな構成を提供している。まず、図24に示した構成では、圧縮機から冷媒ガスと共に流出した油をオイルセパレータ18で分離し、冷媒の混ざっていない油を電磁弁10a、10bに供給している。この場合電磁弁10a、10bに供給される油量は比較的多い。 【0127】また、図26に示した構成では、圧縮機1a、1bとオイルセパレータ18の間の圧縮機吐出側と高圧側電磁弁10aを接続することで、電磁弁10a、10bにオイルセパレータ18通過前の冷媒ガスを供給する。この場合電磁弁10a、10bに供給される油量は、オイルセパレータ18の油戻し回路19を電磁弁10aに接続する構成、即ち図24に示した構成のものよりも少なくなる。これは、オイルセパレータ18を通過前の冷媒ガスを供給することで、電磁弁10a、10bには油と共に冷媒ガスが供給され、分離後の油を供給するよりも油量は少なくなる。 【0128】また、図27に示した構成では、オイルセパレータ18と四方弁4の間の圧縮機吐出側と高圧側電磁弁10aを接続することで、電磁弁10a、10bにオイルセパレータ18通過後の冷媒ガスを供給する。この場合にはオイルセパレータ18で冷媒ガスに含まれる油が除かれるので、電磁弁10a、10bに供給される油量は、オイルセパレータ18通過前の冷媒ガスを供給する構成、即ち図26に示した構成のものよりも少なくなる。ただし、オイルセパレータ18では冷媒ガスに含まれる油を完全に除去できないので、オイルセパレータ18通過後の冷媒ガスを供給しても少量の油量は供給可能である。どの程度の油量が供給されるかは、オイルセパレータ18の性能にも大きく左右される。 【0129】図24、図26、図27のように、電磁弁10a、10bに供給する油量は増減可能であるので、圧縮機1a、1bからの油の流出状態や、油や冷媒の性質、オイルセパレータの性能などに応じてその構成を選べばよい。例えば圧縮機1a、1bから持ち出される油量が多過ぎる場合、図24のようにオイルセパレータ18の油戻し回路19を電磁弁10aに接続すると、電磁弁10a、10b内に油が充満してしまう可能性がある。このときには、図26のようにオイルセパレータ18通過前の冷媒ガスを供給する。また、図26のようにオイルセパレータ18通過前の冷媒ガスを供給しても、電磁弁10a、10b内に油が充満してしまうときには、図27のようにオイルセパレータ18通過後の冷媒ガスを供給すればよい。 【0130】逆に例えば圧縮機1a、1bから持ち出される油量が少ない場合、図27のように電磁弁10aにオイルセパレータ18通過後の冷媒ガスを供給すると、可動弁37と弁座38の表面などの接触部に衝撃緩和作用のための油膜を形成できない可能性がある。このときには、図26のように電磁弁10aにオイルセパレータ18通過前の冷媒ガスを供給する。また、図26のようにオイルセパレータ18通過前の冷媒ガスを供給しても、可動弁37と弁座38の表面に油膜を形成できないときには、図24のようにオイルセパレータ18の油戻し回路19を電磁弁10aに接続して分離後の油を供給すればよい。 【0131】以上のように、本実施の形態では、図24、図26、図27の構成によって、圧縮機1a、1bから冷媒ガスと共に流出した油を電磁弁10a、10bに供給してから圧縮機1a、1bに戻す構成とした。このため、電磁弁10a、10bの開閉による接触部、例えば可動弁37、弁座38の表面に油膜を生じさせて衝撃を緩和することにより、その接触部の摩耗を防止し、弁の閉止性能を確保する。さらに、図24、図26、図27の構成のうちで、圧縮機1a、1bからの油の流出量や、油の性質による接触部の油膜のでき具合などに基づいて、その冷凍空調装置に最適な構成を選択することで、電磁弁10a、10bに油を適量供給でき、電磁弁内に油を充満させず、確実に弁の開閉動作を行うことができ、弁駆動の際の信頼性を確保することが可能となる。 【0132】実施の形態8.以下、本発明の実施の形態8による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。本実施の形態は、圧縮機1aの時間制御運転を行う際の制御弁である電磁弁10a、10bを冷却する冷却手段を備え、膨張弁10a、10bの温度上昇による各部材の劣化を防止しようとするものである。図28は、本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、7cは膨張弁であり、43は高圧液冷媒を電磁弁10aに供給する配管である。なお、図28の他の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態1〜実施の形態7では、冷媒ガスの流れる配管と高圧側電磁弁10aを接続する構成だったが、図28の構成では冷媒液の流れる配管と高圧側電磁弁10aとを接続する構成としている。この高圧液冷媒を電磁弁10a、10bに供給することにより、電磁弁10a、10bの開閉による運転容量の制御動作に支障をきたさず、かつ電磁弁10a、10bを冷却し、さらには電磁弁10a、10bに冷媒と共に流れている油を供給する。 【0133】本実施の形態は、膨張弁7cを冷房運転時に凝縮器として動作する室外熱交換器5の出口側に設け、その膨張弁7cと膨張弁7a、7bとの間の液管6と高圧側電磁弁10aとを配管43で接続する。ここで室外熱交換器5と膨張弁7a、7bとの間に膨張弁7cを設けたことにより、冷房運転と暖房運転のどちらの運転においても、圧縮機1aの時間制御運転を行う際の制御弁である電磁弁10a、10bに高圧液冷媒を供給できるようにしている。冷房運転では膨張弁7cを全開として減圧しないようにすることで、室外熱交換器5で凝縮された高圧液冷媒の一部を電磁弁10a、10bに供給する。電磁弁10a、10bに供給されなかった冷媒は、膨張弁7a、7bで減圧され、室内熱交換器8a、8bに流入する。冷房運転でのその他の冷媒の流れおよび圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。一方暖房運転では膨張弁7a、7bを全開として減圧しないようにすることで、室内熱交換器8a、8bで凝縮された高圧液冷媒を電磁弁10a、10bに供給する配管43の接続地点まで冷媒を流す。そして一部は配管43へ流れて電磁弁10a、10bに供給される。配管43へ流れなかった高圧液冷媒は、膨張弁7cで減圧された後、室外熱交換器5に流入する。暖房運転のその他の冷媒の流れおよび圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。 【0134】本実施の形態でも、圧縮機1aの時間制御運転での運転容量の切り換えを高圧側電磁弁10a、低圧側電磁弁10bの開閉で行っており、前述のように各電磁弁10a、10bの開閉回数が多くなる。運転容量を切り換える際には、電磁弁10a、10bのコイル40に間断なく電流が流れるため、コイル40の発熱量が多くなり、電磁弁10a、10bそのものの温度が上昇する。電磁弁10a、10bの温度が上昇すると、電磁弁10a、10bの材質に劣化を起こしやすくなり、電磁弁10a、10bの動作不良を引き起こしやすくなる。従って電磁弁10a、10bの駆動の信頼性を確保するには、電磁弁10a、10bの冷却が必要となる。本実施の形態では、この冷却熱源として、高圧液冷媒を用いる。なお電磁弁10a、10bの動作としては、圧縮機1aの容量を切り換えるため、電磁弁10aを開(電磁弁10bを閉)としたときに容量制御用配管15aに高圧がかかり、電磁弁10bを開(電磁弁10aを閉)としたときに容量制御用配管15aに低圧がかかればよい。図28の構成では、冷房運転および暖房運転のどちらにおいても、高圧側電磁弁10aを開として配管43から高圧液冷媒を供給できるので、容量制御用配管15には高圧がかけられるため圧縮機1aの運転容量の制御性については問題は生じない。 【0135】ここで、冷凍サイクルで凝縮後の高圧液冷媒を電磁弁10a、10bに供給することで、電磁弁10a、10bを冷却する冷却手段の作用も兼ねている。即ち、配管43から供給された高圧液冷媒は、高圧側電磁弁10aに流入してこれを冷却する。電磁弁10a、10bは短周期で交互に開閉制御されており、この開のタイミングで高圧側電磁弁10aから低圧側電磁弁10bに流入してこれを冷却する。高圧液冷媒の温度は、冷凍サイクルの凝縮温度程度であり、50℃程度である。電磁弁10a、10bの材質の劣化は電磁弁の温度が120℃まで冷却できれば、防止できるように設計されており、50℃程度の高圧液冷媒を電磁弁10a、10bに供給することで、電磁弁10a、10bを十分に冷却できる。 【0136】このように本実施の形態では、高圧液冷媒を電磁弁10a、10bに供給してこれらを冷却することで、温度上昇による電磁弁10a、10bの材質の劣化を防止し、電磁弁10a、10bの寿命を長くでき、開閉動作における信頼性を高めることができる。 【0137】図29は本実施の形態8による冷凍空調装置の他の構成を示す説明図であり、図29(a)は室外機を正面から見た時の構成を示し、図29(b)は室外機を側面から見た時の構成を示す。この構成では、電磁弁10a、10bを冷却する冷却手段として、冷凍空調装置の周囲の外気によって冷却する構成としたものである。 【0138】室外機44は、圧縮機1a、1b、四方弁4、空気を熱源とする室外熱交換器5などを搭載したものであり、図29では、室外機44の上3/4程度の部分に室外熱交換器5が配置されている。図29(b)の矢印のように、前面、背面から吸い込まれた空気が室外熱交換器5において熱交換した後、上部に空気が排出される構造となっている。また室外機44の下1/4部分は機械室45となっており、圧縮機1aや電磁弁10a、10bが配置されている。ここで室外機44の風の流れを図29(b)に示すように一部機械室45を通過させることにより、機械室45内に配置されている電磁弁10a、10bを外気で冷却することが可能となる。外気の温度は高くても40℃程度であるので、電磁弁の温度を120℃以下に冷却することが可能となる。 【0139】このように空気によっても電磁弁10a、10bを十分に冷却でき、電磁弁10a、10bの温度上昇による各部材の材質の劣化を防止し、電磁弁10a、10bの駆動の際の信頼性を高めることができる。 【0140】実施の形態9.以下、本発明の実施の形態9による冷凍空調装置に係わる制御弁について説明する。図30は、本実施の形態による制御弁の構成を示す断面図である。図において、46a、46bは減速手段で、例えばバネである。他の構成は図25と同様である。段階的な容量で運転可能な圧縮機1aの時間制御運転の際の切り換えを行う制御弁は、前述のように多くの耐用開閉回数を要求される。この制御弁は、可動弁37の移動によって流路を開閉する構成であり、流路を閉とした時の可動弁37と弁座38、流路を開とした時のプランジャー39と可動弁37などの接触部における強度を考えると、これらの接触部の材質には、石や金属を使うことが望ましい。ただし、接触部のそれぞれの材質として石や金属を用いると、従来技術の課題で述べたように可動弁37と弁座38などが衝突したときに衝突音が発生する。特に圧縮機1aの時間制御運転を行う場合には、電磁弁10a、10bの開閉回数が数秒〜数十秒に一回あるので、数秒〜数十秒に一回、衝突音が発生する。従って衝突音が大きいと騒音として室外機44に間断なく音が発生することになり、周囲の環境に対して問題となる。このため、電磁弁10a、10bに対しては信頼性を高めると共に、発生する駆動音の低減が必要となる。 【0141】本実施の形態では、衝撃緩和手段として、電磁弁10a、10bを閉とする際に接触する部分、例えば可動弁37と弁座38が互いに接触する部分の材質として、樹脂の一つであるテフロンを用いる。テフロンは石や金属に比べ柔らかく、ある程度の衝撃に対して強度もあるので、可動弁37と弁座38との衝突の際の衝撃力を吸収し、石や金属を使うときに比べ衝突音を低減することが可能となる。また同様に、電磁弁10a、10bを開とする際に接触する部分、例えば可動弁37がプランジャー39に吸引され、可動弁37がプランジャー39に衝突するときの衝突音の低減も必要となる。そこで可動弁37とプランジャー39が互いに接触する部分にもそれぞれ例えばテフロンを用い、衝突音を低減させる。 【0142】また他の衝撃緩和手段として、可動弁の移動速度を減速して制御弁の開閉による衝撃を緩和することもできる。図30に示すように、可動弁37の上部と下部に弾性体であるバネ46a、46bを配置する。バネ46aの一端は弁座38に接続され他端は可動弁37に接続されている。このバネ46aにより、流路を閉とした時可動弁37が下方に移動して弁座38に当たる速度を低減できるので、可動弁37と弁座38の衝突をやわらげることができる。このため、可動弁37と弁座38の摩耗を抑制でき電磁弁10a、10bの開閉動作の信頼性を高めるとともに、衝突音の発生を低減することが可能となる。また上部に配置されたバネ46bの一端はプランジャー39に接続され他端は可動弁37に接続されている。このバネ46bにより、流路を開とした時可動弁37が上方に移動してプランジャー39に当たる速度を低減できるので、衝突するときには、上部に配置されたバネ46により、衝突の速度を低減できるので、可動弁37とプランジャー39の衝突をやわらげる。このため、可動弁37とプランジャー39の摩耗を抑制でき電磁弁10a、10bの開閉動作の信頼性を高めるとともに、衝突音の発生を低減することが可能となる。なお、バネ46a、46bの固定側に接続している端部は、上記構成に限るものではなく、制御弁内の固定側のどこに接続してもよい。 【0143】実施の形態10.以下、本発明の実施の形態10による冷凍空調装置として例えば室内の空調を行う装置について説明する。図31は、本実施の形態による冷凍空調装置の構成を示す冷媒回路図である。図において、47aは冷凍サイクルの高圧を測定する圧力測定手段でここでは圧力センサ、47bは冷凍サイクルの低圧を測定する圧力測定手段でここでは圧力センサ、48a、48bは室内熱交換器8a、8bの冷房運転での出口温度を測定する温度測定手段でここでは温度センサ、48c、48dは室内熱交換器8a、8bの暖房運転での出口温度を測定する温度測定手段でここでは温度センサである。なお、図31の他の構成、並びに冷媒の流れ、および図31における圧縮機の容量の切り換え方法は実施の形態1と同様である。 【0144】本実施の形態では、運転中に冷凍サイクルの運転情報として、高圧、低圧、室内熱交換器8a、8bの出口温度などを圧力センサ47a、47b、温度センサ48a、48b、48c、48dによって測定する。そしてこの測定された運転情報に基づいて、制御手段(図示せず)によって圧縮機1a、1bの運転容量制御、および膨張弁7a、7bの開度の制御を行う。制御手段での圧縮機1a、1bの運転容量制御は実施の形態1に示した方法と同様の方法であり、圧縮機1aでは短周期の時間配分を振り分けた各時間で圧縮機1aを異なる段階の容量で運転し、その時間配分を変化させて短周期での平均容量を変化させ、これに圧縮機1bの運転、停止を組み合わせて全体として連続的に運転容量を変化させる。また膨張弁7a、7bの開度は、冷房運転時には低圧(圧力センサ47bで測定)、および冷房運転での室内熱交換器8a、8bの出口温度(温度センサ48a、48bで測定)に基づいて室内熱交換器出口での過熱度を求め、過熱度が予め設定された目標値となるように制御を行う。また暖房運転時には高圧(圧力センサ47aで測定)、および暖房運転での室内熱交換器8a、8bの出口温度(温度センサ48c、48dで測定)をもとに室内熱交換器出口での過冷却度を求め、過冷却度が予め設定された目標値となるように制御を行う。 【0145】本実施の形態での課題は、測定した運転情報がばらつき易いという点である。即ち、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aにおいて、時間制御運転を行って段階的に容量を短周期で切り換える場合には、測定される圧力や温度の情報が変動するため、変動した情報を基に制御を行うと安定した制御を行えないことになる。図32は、運転情報、例えば圧力の測定方法を示す説明図であり、横軸に時間を示し、縦軸に圧縮機の運転容量とそれに伴う圧力を示す。圧縮機1aが例えば最大容量と最小容量の2段階を短周期で切り換える時間制御運転を行っているとき、圧縮機運転容量が最小容量から最大容量に変化すると、高圧は高く、低圧は低くなり、逆に圧縮機運転容量が最大容量から最小容量に変化すると、高圧は低く、低圧は高く変化する。 【0146】そこで本実施の形態では図32に点線で示した時間のタイミングで圧力や温度の測定を行っている。例えば圧縮機1aの運転容量が切り換わる時間、即ち短周期の時間よりも短い一定の時間間隔で圧力や温度を所定期間測定し、その期間に測定された複数の測定値の平均値を求め、その平均値をもとに運転制御を行う。得られた運転情報の平均値には、圧縮機1aの時間制御運転で生じる変動による影響が無くなりまた無視できるほど低減され、この運転情報に基づいて安定した運転制御を行うことができる。ここで、測定する所定期間は短周期の長さ以上とする。 【0147】また、上記のようにして測定した複数の運転情報の平均値を求めて運転制御を実施する以外にも、所定期間の間に測定された複数の測定値のうちの最大値をもとにして制御を行ってもよいし、また所定期間の間に測定された複数の測定値のうちの最小値をもとにして制御を行ってもよい。また複数の測定値を大から小あるいは小から大の順番に並べ順位付けし、ある一定順位の測定値をもとに制御を行ってもよい。いずれの場合においても、短周期以上の期間に測定した複数の運転情報に基づいて制御することで、圧力や温度などの運転情報の変動を無くして測定することができ、安定した運転制御を行うことができる。 【0148】次に、本実施の形態による冷凍空調装置に係わる運転情報の別の測定方法について説明する。図33に点線で示した時間のタイミングで圧力や温度の測定を行う。即ち、圧縮機1aの運転容量が最小容量から最大容量に段階的に切り換わる時間と最大容量から最小容量に段階的に切り換わる時間のおおよそ中間のタイミングで圧力や温度の測定を行うようにしてもよい。このようなタイミングで計測することで、圧力や温度の情報を、変動の影響なく測定することができる。また短周期内の中間のタイミングで測定すると、圧力変動が生じていても変動した圧力のほぼ平均値となる値の測定を行えるので、冷凍サイクルの平均した状況を捉えることが可能となる。 【0149】また、測定を行うタイミングは圧縮機の運転容量が最小容量から最大容量に切り換わる時間と最大容量から最小容量に切り換わる時間のおおよそ中間に限るものでもなく、圧縮機の運転容量が最小容量から最大容量に切り換わる時間と最大容量から最小容量に切り換わる時間の間のある定められたタイミングで行ってもよい。また圧縮機の運転容量が最大容量から最小容量に切り換わる時間と最小容量から最大容量に切り換わる時間の間のある定められたタイミングで測定を行っても、同様に運転情報を変動を無くして測定することができる。即ち、短周期内の所定の時間に計測すれば、変動の影響ない運転情報が得られ、この情報に基づいて運転制御することにより、安定した制御を行うことができる。この短周期内の所定時間は、予め実験などにより、安定して測定ができることを確認して設定すればよい。また、常に短周期の範囲の所定の時間に計測しなくても、変動の特徴、例えば短周期の時間とその範囲で計測値が変動する変動幅を予め実験などにより把握しておくことで、測定値を補正できれば、短周期の範囲で常に所定時間に計測しなくてもよく、計測タイミングに制限はなくなる。 【0150】また、実施の形態3〜実施の形態10において、段階的な容量で運転可能な圧縮機1aの他に一定容量の圧縮機1bを有する冷凍空調装置について説明したが、この一定容量の圧縮機1bを有する構成でなくてもよく、また、一定容量の圧縮機1bを複数有するものでもよく、また、実施の形態1のように他に段階的な容量で運転可能な圧縮機を複数有する構成でも、各実施の形態と同様の効果を奏する。冷凍空調装置が、少なくとも段階的な容量で運転可能な圧縮機を1台有する構成にしてもよい。特に圧縮機を複数設けることで、運転パターンをさまざまに組み合わせることができるので、運転容量の組み合わせ範囲が広がる。また、段階的な容量で運転可能な圧縮機を複数設けることで、容量変動幅を小さくでき、さらに効果的である。 【0151】また、実施の形態1〜実施の形態10では、室内熱交換器2台の組み合わせの場合として説明したが、室内熱交換器の台数としては1台であっても3台以上であっても同様の効果を得ることができる。 【0152】また、実施の形態1〜実施の形態10による冷凍空調装置に使用する冷媒においても、現在冷凍空調装置に多く用いられているR22だけでなく、R134a、R32などのHFC系冷媒、HFC系冷媒の混合冷媒であるR407C、R410A、R404A、またアンモニア、プロパンやブタンなどの自然冷媒、およびこれらの冷媒の混合冷媒を用いても同様の効果を得ることができる。 【0153】 【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機を少なくとも1台と、前記圧縮機とは別に段階的な容量で運転可能な圧縮機または一定の容量で運転する圧縮機を少なくとも1台備え、前記段階的な容量で運転可能な圧縮機を、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させ、複数の前記圧縮機の全体運転容量を連続的に可変としたことにより、インバータを用いることによる高調波の悪影響がなく、圧縮機の運転容量の変動を小さくしてこれに伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0154】また、本発明の請求項2に係わる冷凍空調装置によれば、請求項1において、複数の圧縮機全体の運転容量を、少なくとも2台の段階的な容量で運転可能な圧縮機に分担して運転する場合、前記段階的な容量で運転可能な圧縮機に分担する運転容量が、その圧縮機の段階的な容量のうちのそれぞれ最小容量と一致するのを避けて分担することにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、運転圧縮機の吐出温度を同等にでき安定して運転できるという効果がある。 【0155】また、本発明の請求項3に係わる冷凍空調装置によれば、請求項1または請求項2において、少なくとも2台の段階的な容量で運転可能な圧縮機をそれぞれ、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転する場合、前記各圧縮機の運転容量の合計の前記短周期内での時間的な変動が、その短周期に運転する前記各圧縮機の大きい方の運転容量の合計と小さい方の運転容量の合計との差よりも小さくなるように、前記各圧縮機の短周期の時間配分とその各時間の運転容量を組み合せて運転することにより、圧縮機の運転容量の変動を小さくしてこれに伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるいう効果がある。 【0156】また、本発明の請求項4に係わる冷凍空調装置によれば、請求項3において、段階的な容量で運転可能な圧縮機を2台備え、短周期のうちで、一方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、他方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうと共に、他方の圧縮機がその段階の大きい方の容量の運転を行なう時間の少なくとも一部の時間に、一方の圧縮機がその段階の小さい方の容量の運転を行なうようにしたことにより、圧縮機の運転容量の変動を小さくしてこれに伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるいう効果がある。 【0157】また、本発明の請求項5に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの高圧側の内容積を高圧側圧力変動幅を小さくするような第1の所定容積以上とした、または前記冷凍サイクルの低圧側の内容積を低圧側圧力変動幅を小さくするような第2の所定容積以上としたことにより、運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるいう効果がある。 【0158】また、本発明の請求項6に係わる冷凍空調装置によれば、請求項5において、第1の所定容積または第2の所定容積は、圧縮機の運転により冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動幅の許容値と、短周期の長さと、前記短周期での前記圧縮機の運転容量変動幅と、に基いて決定したことにより、高圧側または低圧側の容積を、運転条件や機器の構成や装置使用の際の快適性を満足するように設定でき、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0159】また、本発明の請求項7に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルを構成する高圧側または低圧側に、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減する冷媒容器を設けたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0160】また、本発明の請求項8に係わる冷凍空調装置によれば、請求項7における高圧側に設ける冷媒容器として、オイルセパレータまたは凝縮器として動作する熱交換器の出口に設けた液レシーバを用いたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、圧縮機運転の信頼性を向上できるという効果がある。 【0161】また、本発明の請求項9に係わる冷凍空調装置によれば、請求項7における低圧側に設ける冷媒容器として、圧縮機の吸入側に設けたアキュムレータを用いたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、圧縮機での液圧縮運転を防止して圧縮機運転の信頼性を向上できるという効果がある。 【0162】また、本発明の請求項10に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルを構成する高圧側または低圧側に、冷媒が流れる際に流動抵抗を付加する抵抗素子を設け、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減することにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0163】また、本発明の請求項11に係わる冷凍空調装置によれば、請求項10における高圧側に設ける抵抗素子を、圧縮機の吐出側に設けた逆止弁としたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、圧縮機での起動時の液圧縮運転を防止して圧縮機運転の信頼性を向上できるという効果がある。 【0164】また、本発明の請求項12に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段とを備えた冷凍空調装置において、前記冷凍サイクルの高圧側と低圧側をバイパスするバイパス回路を設け、前記圧縮機の運転により前記冷凍サイクルに発生する高圧側または低圧側の圧力変動を低減することにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0165】また、本発明の請求項13に係わる冷凍空調装置によれば、請求項12におけるバイパス回路を、圧縮機の吐出側と吸入側とを接続する回路としたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0166】また、本発明の請求項14に係わる冷凍空調装置によれば、請求項12または請求項13において、バイパス回路に制御弁を設け、段階的な容量で運転可能な圧縮機を、短周期の時間配分を振り分けた各時間で異なる段階の容量で運転するとき、前記制御弁によって前記バイパス回路を開とし、前記圧縮機が一定の容量で運転するとき、前記制御弁によって前記バイパス回路を閉とすることにより、冷凍サイクルのエネルギー効率を維持して、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。 【0167】また、本発明の請求項15に係わる冷凍空調装置によれば、請求項12におけるバイパス回路を、冷凍サイクルの凝縮器として動作する熱交換器で凝縮された高圧液冷媒を圧縮機吸入側に戻す回路としたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、圧縮機の吐出温度の過上昇を防止して圧縮機運転の信頼性を向上させることができるという効果がある。 【0168】また、本発明の請求項16に係わる冷凍空調装置によれば、請求項15において、バイパス回路途中に、高圧液冷媒を減圧する減圧手段を設けると共に、その減圧手段で減圧された冷媒と凝縮器で凝縮された高圧液冷媒とを熱交換させる熱交換器を設けたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、圧縮機の吐出温度の過上昇を防止して圧縮機運転の信頼性を向上させ、またバイパスによる冷凍空調装置の能力ロスを無くす一方ガス管での圧力損失を低減させることで、冷凍空調装置の運転効率を向上できるという効果がある。 【0169】また、本発明の請求項17に係わる冷凍空調装置によれば、請求項12におけるバイパス回路をオイルセパレータで分離した油を低圧側に戻す回路としたことにより、圧縮機の運転容量の変動に伴う圧力変動などの冷凍サイクル上の変動幅を抑制し、吹出空気温度の変動など冷凍能力、空調能力の変動を小さくし、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できると共に、圧縮機の油枯渇を防止して圧縮機運転の信頼性を向上できる効果がある。 【0170】また、本発明の請求項18に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁に油を供給する油供給手段を設けたことにより、油によって制御弁開閉時の接触部の摩耗を防ぎ、制御弁の寿命を長くでき、冷凍空調装置の信頼性を向上することができるという効果がある。 【0171】また、本発明の請求項19に係わる冷凍空調装置によれば、請求項18において、圧縮機の吐出側にオイルセパレータを設け、油供給手段を、前記オイルセパレータで分離された油または油分離された後の冷媒ガスを制御弁に供給する油供給回路としたことにより、オイルセパレータで分離された油または油分離された後の冷媒ガスと混在している油によって制御弁開閉時の接触部の摩耗を防ぎ、制御弁の寿命を長くでき、冷凍空調装置の信頼性を向上することができるという効果がある。 【0172】また、本発明の請求項20に係わる冷凍空調装置によれば、請求項18における油供給手段を、圧縮機で吐出されたガス冷媒を制御弁に供給する油供給回路としたことにより、ガス冷媒と共に吐出された圧縮機の油によって制御弁開閉時の接触部の摩耗を防ぎ、制御弁の寿命を長くでき、冷凍空調装置の信頼性を向上することができるという効果がある。 【0173】また、本発明の請求項21に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁を冷却する冷却手段を設けたことにより、運転容量を制御する制御弁の温度上昇を低減でき、制御弁駆動の信頼性を確保することができるという効果がある。 【0174】また、本発明の請求項22に係わる冷凍空調装置によれば、請求項21における冷却手段を、冷凍サイクルの凝縮器として動作する熱交換器で凝縮された高圧液冷媒を制御弁に供給する冷媒回路としたことにより、運転容量を制御する制御弁の温度上昇を冷媒を利用して低減でき、制御弁駆動の信頼性を確保することができるという効果がある。 【0175】また、本発明の請求項23に係わる冷凍空調装置によれば、請求項21における冷却手段を、冷凍空調装置の周囲の外気によって制御弁を冷却する構成としたことにより、運転容量を制御する制御弁の温度上昇を外気を利用して低減でき、制御弁駆動の信頼性を確保することができるという効果がある。 【0176】また、本発明の請求項24に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、可動弁の移動によって流路を開閉することで前記圧縮機の運転容量を前記短周期の時間配分で切り換える制御弁を備えた冷凍空調装置において、前記制御弁に、前記可動弁の移動によって接触する部分または前記接触する部分に当たる前記可動弁に、その衝撃を緩和する衝撃緩和手段を設けたことにより、制御弁駆動の際の駆動音を低減して騒音を低減できるとという効果がある。 【0177】また、本発明の請求項25に係わる冷凍空調装置によれば、請求項24における衝撃緩和手段は、可動弁の移動によって接触する部分または前記接触する部分に当たる前記可動弁の材質の少なくとも一部分を樹脂で構成して衝撃を緩和するものとしたことにより、制御弁駆動の際の駆動音を低減して騒音を低減できるとという効果がある。 【0178】また、本発明の請求項26に係わる冷凍空調装置によれば、請求項24における衝撃緩和手段として、可動弁の移動を減速する減速手段を設け、前記可動弁の移動によって接触する時の速度を減速して衝撃を緩和するものとしたことにより、制御弁駆動の際の駆動音を低減して騒音を低減できると共に、制御弁の寿命を長くでき、信頼性の高い冷凍空調装置が得られるという効果がある。 【0179】また、本発明の請求項27に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる段階の容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、運転中の前記冷凍サイクルの運転情報を前記短周期以上の長さの所定時間内で複数回測定する測定手段と、を備え、得られた前記複数の運転情報に基づいて、前記容量制御手段での制御を含めた前記冷凍サイクルの制御を行なうことにより、変動した運転情報に対応した制御を行い、冷凍空調装置を安定して運転制御できるという効果がある。 【0180】また、本発明の請求項28に係わる冷凍空調装置によれば、段階的な容量で運転可能な圧縮機、第1熱交換器、絞り手段、第2熱交換器に冷媒を循環してなる冷凍サイクルと、短周期の時間配分を振り分けた各時間で前記圧縮機を異なる容量で運転し、前記時間配分を変化させて前記短周期での平均容量を変化させる容量制御手段と、運転中の前記冷凍サイクルの運転情報を前記短周期内の所定時間に測定する測定手段と、を備え、得られた前記運転情報に基づいて、前記容量制御手段での制御を含めた前記冷凍サイクルの制御を行なうことにより、変動した運転情報に対応した制御を行い、冷凍空調装置を安定して運転制御できるという効果がある。 【0181】また、本発明の請求項29に係わる冷凍空調装置によれば、請求項5ないし請求項28のいずれか1項において、冷凍サイクルに、前記圧縮機とは別に段階的な容量で運転可能な圧縮機または一定の容量で運転する圧縮機を少なくとも1台備えたことにより、請求項1ないし請求項28のいずれか1項の効果に加え、圧縮機の運転容量の変動を小さくして、冷凍空調装置運転の際の快適性を確保できるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月31日(1999.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102439 【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−283571(P2000−283571A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−90495 |
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