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【発明の名称】 可変周波数駆動装置用の冷却装置及び冷却方法
【発明者】 【氏名】マイケル エイ.スターク

【要約】 【課題】可変周波数駆動装置用の冷却装置及び冷却方法を改善する。

【解決手段】冷媒システム(10)の圧縮器(15)のモータ用の可変周波数駆動装置(25)の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(27)などである電子出力部品を冷却する装置である。電子出力部品は、熱伝導率の良好な材料のブロックから形成されるヒートシンク(30)上に取り付けられる。装置の凝縮器(13)からの冷媒は、フロー管路を通ってヒートシンク(30)内を通過して、装置の低圧側へと戻る。制御バルブ(40)が、フロー管路内に取り付けられており、この制御バルブ(40)によって管路を通る冷媒が膨張し、所望の範囲内に電子出力部品の温度が維持されるようにヒートシンク(30)を冷却する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷凍装置の圧縮器のモータ制御に使用される可変周波数駆動装置用の冷却装置であって、冷媒管路によって直列に接続された圧縮器、凝縮器、及び蒸発器と、前記凝縮器と前記蒸発器との間を移動する冷媒を膨張させるように前記冷媒管路の1つに設けられた膨張手段と、を含む冷凍装置と、前記圧縮器のモータに接続されるとともに冷却を要する電子出力部品を含む可変周波数駆動手段と、前記冷凍装置の前記凝縮器から前記圧縮器の入口へと前記冷媒の一部を分流する回路と、前記可変周波数駆動装置の前記電子出力部品と熱伝達を行うように、前記回路内に取り付けられた可変周波数駆動装置用蒸発器と、前記冷凍装置の前記凝縮器の圧力から前記圧縮器の入口圧力へと前記回路を通って移動する冷媒を膨張させる制御バルブと、を含み、これにより、前記電子出力部品が冷却されることを特徴とする可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項2】 前記可変周波数駆動装置用蒸発器は、高い熱伝導率を有する材料のブロックで形成されるとともに、フローチャネルが通るヒートシンクを含み、前記電子出力部品は、該ヒートシンクと熱伝達を行うように取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項3】 ヒートシンクに関連する温度情報を前記制御バルブに提供する温度プローブを更に含み、前記制御バルブが検知温度に応答して開閉することを特徴とする請求項1記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項4】 前記温度プローブが前記ヒートシンク内に埋め込まれていることを特徴とする請求項3記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項5】 前記温度プローブがフロー回路内で、かつ前記ヒートシンクの下流に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項6】 前記制御バルブは、温度膨張バルブであり、前記ヒートシンクの温度に基づいて前記制御バルブに圧力情報を提供する温度プローブを更に含むことを特徴とする請求項2記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項7】 前記温度プローブが前記ヒートシンク内に埋め込まれていることを特徴とする請求項6記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項8】 前記制御バルブが前記ヒートシンクの上流側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項9】 前記制御バルブが前記ヒートシンクの下流側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項10】 前記温度プローブから入力データを受け取るとともに、前記ヒートシンクの温度を所望の温度範囲に保つための出力制御信号を前記制御バルブへ提供するように配置されたマイクロプロセッサを更に含むことを特徴とする請求項3記載の可変周波数駆動装置用の冷却装置。
【請求項11】 冷凍装置の圧縮器モータの制御に使用される可変周波数駆動装置(VFD)の電子出力部品の冷却方法であって、前記VFDの前記電子出力部品を、ヒートシンクと熱伝達を行うように取り付けるステップと、冷媒凝縮器からの冷媒を、前記ヒートシンクと熱伝達を行うように導くステップと、前記凝縮器の圧力の冷媒をより低い圧力となるように膨張させて、前記ヒートシンクの温度を所望の範囲内に維持するステップと、を含むことを特徴とする電子出力部品の冷却方法。
【請求項12】 前記ヒートシンクから出る冷媒を、前記冷凍装置の圧縮器の入口へと排出するステップを更に含むことを特徴とする請求項11記載の電子出力部品の冷却方法。
【請求項13】 前記ヒートシンクから出る冷媒を、前記冷凍装置の蒸発器へと排出するステップを更に含むことを特徴とする請求項11記載の電子出力部品の冷却方法。
【請求項14】 前記冷媒が前記ヒートシンクと熱伝達を行うようにする前に、制御バルブを通して該冷媒を膨張させるステップを更に含むことを特徴とする請求項11記載の電子出力部品の冷却方法。
【請求項15】 前記ヒートシンクの温度を検知するとともに、この検知した温度に応答して前記制御バルブを位置決めするステップを更に含むことを特徴とする請求項14記載の電子出力部品の冷却方法。
【請求項16】 前記ヒートシンクの温度を検知し、この検知した温度データをマイクロプロセッサに供給して処理するとともに、前記ヒートシンクの温度を所望の範囲内に維持するように、該マイクロプロセッサから前記制御バルブへと出力信号を供給するステップを更に含むことを特徴とする請求項14記載の電子出力部品の冷却方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒圧縮器に関連する可変周波数駆動装置の電子機器を冷却する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの冷凍装置で使用される圧縮器では、変化する負荷条件下で所望の限度内に装置を維持するために、通常、圧縮器のモータ速度を直接制御することが必要となる。このために、圧縮器は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタである電子出力部品を含む可変周波数駆動装置(VFD)を備えており、このような電子出力部品は、過熱するおそれがあるために冷却を必要とする。電子出力部品の一般的な冷却方法には、トランジスタをヒートシンクに取付け、ヒートシンク内もしくはその周囲に冷媒を循環させることでヒートシンクから熱を運び去る方法がある。ヒートシンク及び冷却装置の能力は、VFDの出力容量を決定する上で最も重要である。
【0003】ヒートシンクは、通常、伝熱や熱慣性特性が良好な比較的大きい材料ブロックの形状となっている。ブロック内には、流路が形成され、この流路を通って冷媒が循環して、過剰な熱を吸収するとともにこの熱を装置外に運び去る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】水を使用する冷却は、VFDヒートシンクを冷却する良好な手段であることが実証されているが、水冷却は、制御しにくく、ヒートシンクの温度が所望の作動範囲外となるおそれがある。これにより、VFD電子機器の過熱が引き起こされ、冷凍装置の運転に悪影響が及ぶおそれがある。更に、水冷却回路は、ポンプなどの水を扱う部材やトランジスタからの熱を周囲に放出する熱交換器などを必要とする。また、このようなタイプの冷却装置は、一般に複雑でコストが高く、かつ大きな設置空間を必要とする。
【0005】従って、本発明の主な目的は、冷凍装置を改善することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的は、冷媒管路によって直列に接続された凝縮器、蒸発器、及び圧縮器と、凝縮器から蒸発器へ高圧から低圧へと移動する冷媒を膨張するようにいずれか1つの冷媒管路に設けられた膨張手段と、を含む閉ループ冷凍装置によって達成される。可変周波数駆動装置が圧縮器と関連づけられており、この駆動装置は、熱を発生する絶縁ゲートバイポーラトランジスタである電子出力部品を含み、冷却を必要とする。電子出力部品は、伝熱特性が良好な材料のブロックと熱交換を行うように取り付けられる。このブロックは、ヒートシンクとして機能して電子出力部品から熱を取り除く。ヒートシンクを通って装置の凝縮器から装置の圧縮器の入口へと冷媒を通過させるように、フロー回路が配置されている。膨張バルブがフロー回路に取り付けられており、この膨張バルブは、回路を通って移動する冷媒の膨張を制御し、これにより、ヒートシンク及びその上の電子出力部品が冷却される。
【0007】
【発明の実施の形態】まず図1を参照すると、符号10として冷凍装置が概略的に示されている。この冷凍装置10は、種々の装置コンポーネントを接続する一連の冷媒管路12を含むカルノー冷凍サイクルを利用する。冷凍装置10は、更に、冷媒管路12によって圧縮器15の出口側に接続された凝縮器13を含む。また、凝縮器13は、蒸発器17と直列に接続され、蒸発器17の出口は、冷媒管路によって圧縮器の入口側に接続されており、これでシステムループが完成する。凝縮器13と蒸発器17との間の冷媒管路には、凝縮器13から出る高圧冷媒を膨張させて低温低圧とする膨張装置20が取り付けられている。膨張装置20は、従来技術で使用されている周知の膨張弁や毛細管などのどのような装置でもよい。
【0008】低温冷媒と熱伝達を行うように、冷却物質が蒸発器を通して循環される。冷媒は、冷却処理において熱を吸収するに従って比較的低い圧力で蒸発し、この冷媒蒸気は、装置内を再循環するように圧縮器15の入口へと運ばれる。
【0009】圧縮器15のモータは、モータ速度を制御する可変周波数駆動装置(VFD)25を備えている。図1では、この駆動装置25を点線で囲んで示している。従来技術で周知のように、VFDは、通常、電子出力部品を含み、これらの電子出力部品は、装置の作動範囲において駆動装置を最適な条件で作動させるために冷却を要する。実施例では、冷却を要する電子出力部品は、一般に、図で27として概略的に示した絶縁ゲートバイポーラトランジスタである。上述したように、これまで電子出力部品は、ヒートシンクと熱伝達を行うように配置するとともに冷却水を循環させることで冷却してきた。このようなタイプの冷却装置は、比較的複雑であるとともに、大きな空間を要し、かつ制御しにくい。
【0010】図1で示したように、VFDの電子出力部品は、ここではVFD蒸発器29と呼ぶ部分の一部を形成するヒートシンク30に直接取り付けられる。ヒートシンク30は、電子出力部品から発生する熱エネルギを迅速に運び去って吸収するように、高い熱伝導率を有する材料のブロックより製造される。材料のブロック内には、内部フローチャネル32が取り付けられている。このチャネル32は、チャネル32とヒートシンク30との間に最大限の接触領域を提供するように蛇行している。実施例では、フローチャネルは、ヒートシンク30に埋め込まれた長さのある銅製チューブとすることができ、この銅製チューブは、入口33を有し、かつ出口34を有する。
【0011】内部フローチャネルの入口33は、供給管路36によって装置の凝縮器13の冷媒出口に接続されている。一方、フローチャネルの出口34は、排出管路39により圧縮器15の入口に接続されている。全体を符号40として示した制御バルブが供給管路36に設けられており、冷媒は、この供給管路36を通して凝縮器13の高圧からより低い圧力へと膨張し、これにより、電子出力部品を冷却するための低温冷媒がヒートシンク30に供給される。
【0012】制御バルブ40は、図5で更に詳細に示されている。このバルブ40は、ヒートシンク30内に埋め込まれたセンサプローブ42を含み、このセンサプローブ42は、作動温度を最もよく示す電子出力部品の可能な限り近くに設けられる。このバルブ40は、プローブ42が検知する温度に応答する温度制御バルブ、もしくはヒートシンク30内の温度変化によって生じるプローブ42の圧力変化に応答する温度膨張弁とすることができる。この実施例では、バルブ40は、ハウジング44内に取り付けられたダイヤフラム43を含む温度膨張弁である。ヒートシンク30の温度に基づいてバルブ圧力が変化し、これにより、ダイヤフラム43の高圧側チャンバ45に圧力が加わる。ダイヤフラム43の低圧側チャンバ46の圧力は、予設定の調整可能なばね47と、チャンバの低圧側46とバルブ本体50の低圧側との間に延びる均圧化ポート49と、によって判断される。バルブ40のダイヤフラム43にわたる圧力バランスによって、バルブ本体50がバルブ流路内に配置され、ヒートシンク30に供給される冷却量が制御される。ヒートシンク30の温度は、90〜140°F(約32〜60℃)の範囲に保つことが望ましい。
【0013】上述の記載から分かるように、フローチャネル32が通るヒートシンク30は、VFD25に対する冷媒蒸発器として機能し、冷凍サイクルを利用してVFD25から熱を除去することで電子出力部品の冷却を直接制御する。また、VFD蒸発器内の冷媒に伝達された熱は、装置の圧縮器15によって装置の凝縮器13まで運ばれ、凝縮器13の冷却ループ内で捨てられる。
【0014】図2は、本発明の他の実施例を示しており、図1に関して説明した対応部及び相当部には、同一番号を付している。この実施例では、VFD蒸発器の排出管路39は、装置の蒸発器17と接続されており、蒸発器17を通って処理される冷媒と合流する。バルブセンサ42は、ヒートシンク内に埋め込まれておらず、VFD蒸発器の排出管路上に取り付けられて示されている。このセンサ42は、制御バルブ40に温度情報をフィードバックし、制御バルブ40は、電子出力部品の冷却に必要な所望の作動範囲にヒートシンク30の温度を維持するように、検知された冷媒温度に応答してバルブ本体の位置を設定する。
【0015】次に図3を参照すると、本発明の更に他の実施例が示されており、ここでも上述した対応部及び相当部には、同一番号を付している。この実施例では、制御バルブ40がVFD蒸発器29の排出管路39に取り付けられており、この排出管路39は、圧縮器15の入口に直接接続されている。しかし、上述したように、排出管路39を装置に直接接続することもできる。温度センサ42は、VFD蒸発器のヒートシンク30に埋め込まれており、制御バルブ40に温度に関連する情報を提供する。VFD蒸発器に分流される冷媒が、電子出力部品の冷却に要求されるヒートシンク30の所望の温度範囲内に充分に保たれるように、装置の凝縮器13を出る冷媒温度は、通常、140°F(60℃)よりも低い。
【0016】図4には、本発明のまた他の実施例が示されており、上述した対応部及び相当部には、同一番号を付している。この実施例では、装置の凝縮器13を出る冷媒の一部が、温度制御バルブ40を通してVFD蒸発器29内へと膨張する。ここでも、ヒートシンク30内に温度センサ42が埋め込まれており、データを処理してバルブ40に制御信号を送信するようにプログラムされたマイクロプロセッサ50に温度に関連する情報を提供する。装置に関連する他の情報もマイクロプロセッサに送信することができ、このような情報は、装置の全体性能に対して最小限のコストで電子出力部品の冷却を提供する所望のバルブ設定となるように処理することができる。
【0017】上述の開示から分かるように、本発明は、冷媒圧縮器の可変周波数駆動装置の電子出力部品を冷却する単純でかつ効果的な方法である。本発明は、従来の水冷装置の複雑さを取り除くとともに設置が容易であり、かつ冷却処理に対するより直接的な制御を提供する。本発明の装置は、効率が高いために、冷凍装置の圧縮器駆動装置で現在使用されている従来のものよりも大きな容量を有する電子出力部品をより多く使用することを可能とする。
【出願人】 【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
【出願日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【代理人】 【識別番号】100062199
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外2名)
【公開番号】 特開2000−283569(P2000−283569A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願2000−61314(P2000−61314)