| 【発明の名称】 |
バイパス管路付冷凍サイクル |
| 【発明者】 |
【氏名】広田 久寿
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| 【要約】 |
【課題】凝縮器に冷媒を通さずに蒸発器において暖房のための熱交換を行えるようにしたバイパス管路付冷凍サイクルにおいて、循環する冷媒量が負荷等に応じて制御されて状況に適した暖房を行うことができ、しかも蒸発器の耐圧能を高くする必要がないバイパス管路付冷凍サイクルを提供すること。
【解決手段】低圧冷媒液を一時的に貯留するためのアキュムレータ6を蒸発器4の出口と圧縮機1の入口との間に接続して、冷媒が凝縮器を通らずにバイパス管路5を循環する状態の際に冷媒の循環量がアキュムレータ6において制御されるようにすると共に、入口圧力を制御するレギュレータ20を蒸発器4の出口とアキュムレータ6の入口との間に接続して、蒸発器4の出口圧力がレギュレータ20によって制御されるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】冷媒を、圧縮機で圧縮してから凝縮器で凝縮させた後、膨張弁で断熱膨張させながら蒸発器に送り込んで蒸発させてから圧縮機に戻すようにした冷凍サイクルに、冷媒を上記凝縮器を通さずに上記圧縮機から上記蒸発器に送り込ませるためのバイパス管路を併設し、低圧冷媒液を一時的に貯留するためのアキュムレータを上記蒸発器の出口と上記圧縮機の入口との間に接続して、冷媒が上記凝縮器を通らずに上記バイパス管路を循環する状態の際に冷媒の循環量が上記アキュムレータにおいて制御されるようにすると共に、入口圧力を制御するレギュレータを上記蒸発器の出口と上記アキュムレータの入口との間に接続して、上記蒸発器の出口圧力が上記レギュレータによって制御されるようにしたことを特徴とするバイパス管路付冷凍サイクル。 【請求項2】上記レギュレータが、その入口圧力を一定以上に維持するように制御する請求項1記載のバイパス管路付冷凍サイクル。 【請求項3】上記レギュレータが、その入口圧力を一定以下に維持するように制御する請求項1又は2記載のバイパス管路付冷凍サイクル。 【請求項4】断面積の小さなリーク流路が上記レギュレータと並列に設けられている請求項1、2又は3記載のバイパス管路付冷凍サイクル。 【請求項5】上記レギュレータを迂回して上記蒸発器の出口と上記アキュムレータの入口との間を直結する迂回路と、その迂回路を開通/閉塞するための迂回路開閉弁とが設けられている請求項1、2、3又は4記載のバイパス管路付冷凍サイクル。 【請求項6】上記レギュレータと上記迂回路開閉弁とが一つのブロックに取り付けられている請求項5記載のバイパス管路付冷凍サイクル。 【請求項7】上記迂回路開閉弁がパイロット作動の電磁弁であり、上記迂回路開閉弁の調圧室と上記迂回路開閉弁の出口側との間に上記レギュレータが介挿接続されている請求項5又は6記載のバイパス管路付冷凍サイクル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、通常は冷房のために用いられる蒸発器を、必要に応じて補助暖房に用いることができるようにしたバイパス管路付冷凍サイクルに関する。 【0002】 【従来の技術】自動車用空調装置においては、冷房のためには一般的な冷凍サイクルが用いられ、暖房のためには、温められたエンジン冷却水が利用される。 【0003】しかし、例えば近年のガソリン噴射式エンジン等のようにエンジンの効率がよくなると、冷却水の温度が以前ほど上昇しないため、冬期に暖房温度が十分に上昇しないという不都合が発生する。 【0004】そこで、例えば図12に示されるように、冷凍サイクルの圧縮機1から送り出された高圧冷媒ガスを、車室外の凝縮器2を通さずに、車室内の蒸発器4に送り込ませるバイパス管路5を併設して、蒸発器4で顕熱を奪う熱交換を行わせ、それを補助暖房として利用するシステムがある。 【0005】3は膨張弁、10は高圧冷媒液を一時的に貯留するためのリキッドタンク、7は逆止弁、8は、圧縮機1から送り出される高圧冷媒を凝縮器2に向かわせるかバイパス管路5に通すかの切り換えを行うための管路切換弁、9は、バイパス管路5を冷媒が流れる場合に膨張弁として作用する定差圧弁である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような従来のバイパス管路付冷凍サイクルにおいては、補助暖房モード時に冷媒がリキッドタンク10を通らないことから、循環する冷媒の量が一定になってしまい、負荷等に応じて冷媒量を制御することができないので、状況に対応した暖房が行われない欠点がある。 【0007】また、圧縮機1の回転が高いときには蒸発器4に高い圧力がかかるので、蒸発器4の耐圧能を高く設定しなければならず、製造コストが非常に高くなってしまう。 【0008】そこで本発明は、凝縮器に冷媒を通さずに蒸発器において暖房のための熱交換を行えるようにしたバイパス管路付冷凍サイクルにおいて、循環する冷媒量が負荷等に応じて制御されて状況に適した暖房を行うことができ、しかも蒸発器の耐圧能を高くする必要がないバイパス管路付冷凍サイクルを提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明のバイパス管路付冷凍サイクルは、冷媒を、圧縮機で圧縮してから凝縮器で凝縮させた後、膨張弁で断熱膨張させながら蒸発器に送り込んで蒸発させてから圧縮機に戻すようにした冷凍サイクルに、冷媒を上記凝縮器を通さずに上記圧縮機から上記蒸発器に送り込ませるためのバイパス管路を併設し、低圧冷媒液を一時的に貯留するためのアキュムレータを上記蒸発器の出口と上記圧縮機の入口との間に接続して、冷媒が上記凝縮器を通らずに上記バイパス管路を循環する状態の際に冷媒の循環量が上記アキュムレータにおいて制御されるようにすると共に、入口圧力を制御するレギュレータを上記蒸発器の出口と上記アキュムレータの入口との間に接続して、上記蒸発器の出口圧力が上記レギュレータによって制御されるようにしたことを特徴とする。 【0010】なお、上記レギュレータが、その入口圧力を一定以上に維持するように制御するものであるとよく、上記レギュレータが、その入口圧力を一定以下に維持するように制御するものであってもよい。そして、断面積の小さなリーク流路が上記レギュレータと並列に設けられていてもよい。 【0011】また、上記レギュレータを迂回して上記蒸発器の出口と上記アキュムレータの入口との間を直結する迂回路と、その迂回路を開通/閉塞するための迂回路開閉弁とが設けられていてもよい。その場合、上記レギュレータと上記迂回路開閉弁とが一つのブロックに取り付けられていてもよい。 【0012】そして、上記迂回路開閉弁がパイロット作動の電磁弁であり、上記迂回路開閉弁の調圧室と上記迂回路開閉弁の出口側との間に上記レギュレータが介挿接続されていてもよい。 【0013】 【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の自動車用空調装置に用いられる冷凍サイクルの全体構成を略示しており、1は圧縮機、2は車室外に配置された凝縮器、3は膨張弁、4は車室内に通じるエアダクトに配置された蒸発器、6は低圧冷媒を一時貯留しておくためのアキュムレータであり、これらによって通常の冷凍サイクルが形成されている。 【0014】それに加えて、蒸発器4を利用して補助暖房を行うために、圧縮機1から送り出された高圧冷媒ガスを、凝縮器2を通さずに蒸発器4に送り込ませるためのバイパス管路5が併設されている。 【0015】7は逆止弁、8は、圧縮機1から送り出される高圧冷媒を凝縮器2に向かわせるかバイパス管路5に通すかの切り換えを行うための管路切換弁(三方向弁)である。 【0016】なお、バイパス管路5の途中に膨張弁の類を介挿接続してもよいが、この実施の形態のようにそれを省略して、管路切換弁8にその役割をさせてもよい。また、膨張弁3と逆止弁7との接続位置は逆にしてもよく、その場合に、膨張弁3を単に流路断面積を絞っただけの絞り流路にしてもよく、逆止弁7として定差圧弁機能のあるものを用いてもよい。 【0017】蒸発器4とアキュムレータ6との間には、暖房時流路11と冷房時流路12(迂回路)とが並列に配管されており、冷房時流路12の途中には、バイパス管路5に冷媒を流さない通常の冷房モードの際に、冷媒を蒸発器4からアキュムレータ6に直接送るために開かれる電磁開閉弁40が介挿接続されている。 【0018】暖房時流路11には、自動車のエンジン、モーター或いは電池等から放出される熱を冷媒と熱交換するための熱交換器14が介挿接続されており、その熱交換器14から冷媒に与えられる熱も蒸発器4における暖房に利用することができる。 【0019】また、暖房時流路11の熱交換器14より上流側には、入口(レギュレータ20の入口)の圧力を一定レベルに制御するレギュレータ20が介挿接続されており、それによって蒸発器4の出口圧力が制御される。 【0020】具体的には、レギュレータ20は例えばその入口圧力が12Kg/cm2以下では閉じ、12Kg/cm2を超えると徐々に開いて(例えば12.5Kg/cm2で全開になり)暖房時流路11を大きな断面積で開通させるように動作する。 【0021】即ち、レギュレータ20の入口圧力が12Kg/cm2以下になろうとすると、レギュレータ20が閉じて暖房時流路11が閉塞されることによって冷媒圧力が12Kg/cm2以下にならず、冷媒の温度が保たれるので暖房能力が確保される。 【0022】また、レギュレータ20の入口圧力が12Kg/cm2を超え始めると、レギュレータ20が開いて暖房時流路11が開通することによってレギュレータ20の入口圧力が例えば12.5Kg/cm2を超えず、蒸発器4を通る冷媒の圧力がその圧力以下に規制されるので、蒸発器4の耐圧能を通常レベルに設定することができる。 【0023】レギュレータ20と平行に、暖房時流路11等と比較して断面積の小さなリーク流路15が形成されている。その結果、レギュレータ20が閉じていても微小流量の冷媒が暖房時流路11を通過することができ、冷媒管路が完全閉塞状態にはならない。したがって、冷媒の循環量が非常に少ないときは圧力低下が生じる。 【0024】このように構成されたバイパス管路付冷凍サイクルにおいて、冷房時には、圧縮機1から送り出された高圧冷媒がバイパス管路5へは行かずに全て凝縮器2に送られるように管路切換弁8をセットし、電磁開閉弁40を開いた状態にする。すると、車室内の蒸発器4が本来の蒸発器として作用し、そこでの周囲の空気と冷媒との熱交換によって冷房が行われる。 【0025】補助暖房時には、管路切換弁8を切り換えて、圧縮機1から送り出された高圧冷媒が、凝縮器2へは行かずに全てバイパス管路5内を流れて、蒸発器4からアキュムレータ6を経て圧縮機1に戻されるようにセットし、電磁開閉弁40は閉じた状態にする。 【0026】すると、バイパス管路5通過中に膨張して減圧された冷媒が蒸発器4を通過する際に、圧縮機1において与えられた顕熱を冷媒から奪う熱交換が行われ、蒸発器4が暖房のための放熱器として作用する。 【0027】また、熱交換器14から冷媒に与えられる熱も暖房に利用される。そして、レギュレータ20の作用により、蒸発器4の出口における冷媒の圧力レベルが一定に規制される。 【0028】図2は、暖房時流路11が形成された取り付けブロック17にレギュレータ20が取り付けられた部分を示している。■、■及び■で示される管路位置は図1と対応しており、暖房時流路11と冷房時流路12との上流側の分岐部は暖房時流路11の側面に穿設された孔である。 【0029】クランク状に曲げて形成された暖房時流路11の中間部分がレギュレータ20の弁座21になっており、そこに弁体23の足部が緩く嵌め込まれている。そして、リーク流路15が弁体23を貫通して形成されている。 【0030】弁体23が開く時のレギュレータ20の入口圧力は圧縮コイルバネ24によって設定され、バネ受け25からダイアフラム22に加えられる圧縮コイルバネ24の付勢力が、中間ロッド26を介して弁体23に下流側から伝達されている。27は、中間ロッド26が緩く嵌挿されたガイド、28はシール用のOリング、29は、圧縮コイルバネ24の付勢力を調整するための調整ナットである。 【0031】なお、弁体23の有効受圧面積とダイアフラム22の有効受圧面積とが等しく設定されており、その結果、弁体23とダイアフラム22との間に位置する冷媒圧力の影響がキャンセルされている。 【0032】図3は、レギュレータ20の入口圧力が所定圧力を超えたことにより、弁体23が弁座21から離れて暖房時流路11が開通した状態を示している。この状態においては、レギュレータ20の入口圧力(即ち、蒸発器4の出口圧力)は圧縮コイルバネ24で設定された所定圧力になる。 【0033】図4は、図2におけるIV−IV断面を示しており、レギュレータ20が組み付けられている取り付けブロック17に電磁開閉弁40も組み付けられている。この電磁開閉弁40は、いわゆるパイロット作動の電磁弁であり、47は電磁コイル。48は可動鉄芯。49はパイロット弁駆動ロッドである。 【0034】主弁座41に上流側から対向して配置された主弁42の背部が調圧室43になっていて、主弁42に設けられたパイロット孔44を開けば、冷房時流路12の下流側と調圧室43とが連通する。 【0035】45は、パイロット孔44の開閉を行うための球状のパイロット弁体。46は、パイロット孔44より小さな断面積で冷房時流路12の下流側と調圧室43とを連通させるリーク流路である。ただし、リーク流路46は主弁42の外周面周囲の隙間を利用してもよい。 【0036】このような構成により、電磁コイル47への通電のON/OFFによってパイロット孔44が開閉され、それによって、主弁42が主弁座41に対して離接して冷房時流路12が開通/閉塞される。図5は、主弁42が主弁座41から離れて冷房時流路12が開いた状態を示している。 【0037】なお、レギュレータ20の具体的構成には多様な実施態様があり、例えば圧縮コイルバネ24に代えて、図6及び図7に示されるように一個又は複数個の皿バネ124,224を用いてもよい。また、例えばダイアフラム22に代えて、図8に示されるようにベローズ122を用いてもよい。 【0038】また、図9に示されるように、弁体23の有効受圧面積をダイアフラム22の有効受圧面積より大幅に小さく(例えば10分の1程度に)することにより、弁体23とダイアフラム22との間に位置する冷媒圧力を実質的にキャンセルするようにしてもよい。また、リーク流路15を取り付けブロック17に弁座21の孔と並列に形成してもよい。 【0039】図10は、本発明の第2の実施の形態のバイパス管路付冷凍サイクルの全体構成を示しており、第1の実施の形態の熱交換器14に代えて、自動車のエンジン、モーター或いは電池等から放出される熱を冷媒と熱交換するための熱交換器19をアキュムレータ6内に配置したものである。このようにすることによって、アキュムレータ6内の熱交換器19から冷媒に与えられる熱を蒸発器4における暖房に利用することができる。 【0040】また、この実施の形態においては、レギュレータ20を電磁開閉弁40の出口側管路と調圧室43との間に介挿接続してあり、レギュレータ20と調圧室43との間を連通させる連通路が、レギュレータ20が開いているときの暖房時流路11になっている。リーク流路15は、それらと並列に蒸発器4とアキュムレータ6との間に形成されている。 【0041】図11は、その部分の具体構成例を示しており、リーク流路15は、電磁開閉弁40のパイロット孔44の入口部分に取り付けられたパイプ材50の外周面の周囲の隙間によって形成されている。このように、リーク流路15を環状に形成することにより、冷媒通過音を小さくすることができる。 【0042】 【発明の効果】本発明によれば、冷媒が凝縮器を通らずにバイパス管路を循環する状態の際に冷媒の流量がアキュムレータにおいて制御されるようにしたことにより、循環する冷媒量が負荷等に応じて制御されて状況に適した暖房を行うことができる。そして、入口圧力を制御するレギュレータを蒸発器の出口とアキュムレータの入口との間に接続して、蒸発器の出口圧力がレギュレータによって制御されるようにしたことにより、冷媒温度を維持して暖房能力を確保することができると共に、蒸発器の耐圧能を高くすることなく通常のコストで製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000133652 【氏名又は名称】株式会社テージーケー
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| 【出願日】 |
平成11年3月25日(1999.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091317 【弁理士】 【氏名又は名称】三井 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−274838(P2000−274838A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月6日(2000.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−81246 |
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