| 【発明の名称】 |
冷凍サイクル |
| 【発明者】 |
【氏名】務川 大
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| 【要約】 |
【課題】圧縮機、放熱器、膨張装置、蒸発器を含む主経路を備え、冷媒としてCO2 を用いる冷凍サイクルにおいて、主経路に充填される冷媒量をきめ細かく調節でき、圧縮機による液圧縮の恐れを低減する。良好なCOPを得る。
【解決手段】膨張装置をバイパスするバイパス通路10を設け、このバイパス通路に、受液タンク11と、これより放熱器側に位置する第1の制御弁12及び蒸発器側に位置する第2の制御弁13を設ける。受液タンク11に蓄積される冷媒を気相と液相とに分離し、第1の制御弁12を介して主経路から受液タンク11に移行する冷媒量、又は、第2の制御弁13を介して受液タンク11から主経路へ送出する気相冷媒量を調節して主経路の冷媒充填量を調節する。蒸発器6の過熱度が所定範囲となるよう、膨張装置5及び第2の制御弁13を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒を超臨界域まで昇圧する圧縮機と、超臨界域に達した冷媒を冷却する放熱器と、この放熱器により冷却された後に冷媒を減圧する膨張装置と、この膨張装置で減圧された冷媒を蒸発する蒸発器とを含む主経路を備えた冷凍サイクルにおいて、前記膨張装置をバイパスするバイパス経路を設けると共に、このバイパス経路に、受液タンクと、この受液タンクの放熱器側に位置する第1の制御弁と、前記受液タンクの蒸発器側に位置する第2の制御弁とを設け、前記主経路から前記バイパス通路を介して前記受液タンクに流入する冷媒量を前記第1の制御弁によって、また、前記受液タンクから前記バイパス通路を介して前記主経路へ流出する冷媒量を前記第2の制御弁によってそれぞれ調節可能とし、前記受液タンク内の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して蓄積し、前記受液タンクから前記第2の制御弁に導かれる冷媒を気相冷媒としたことを特徴とする冷凍サイクル。 【請求項2】 前記蒸発器の出口又はその近傍に感温筒を設け、前記蒸発器の過熱度が所定範囲となるよう、前記膨張装置、及び、前記第2の制御弁の開度を前記感温筒によって制御することを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル。 【請求項3】 前記受液タンク内の冷媒に対して、外部から熱を供給する熱源を前記受液タンクよりも上流の高圧側からとるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍サイクル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、冷媒として超臨界冷媒、例えば、二酸化炭素(CO2 ) を用いた冷凍サイクルに関する。 【0002】 【従来の技術】フロン冷凍サイクルに代わるノンフロン冷凍サイクルとして、特公平7−18602号公報に示される冷凍サイクルが知られている。中でも、同公報の第4図に示される冷凍サイクルは、第4〜5頁にも示されるように、圧縮機、熱交換器、絞り弁、蒸発器、及び向流型熱交換器を有して構成された主経路を備えているもので、冷媒として、二酸化炭素(CO2 )を使用し、弁23,24を備えた管路によって膨張弁をバイパスするレシーバを設け、主経路の冷媒充填量、即ち、レシーバの液体残量を弁23,24の開度によって調節し、もって、冷却能力を調節するようにした冷凍サイクルが開示されている。 【0003】このような構成においては、弁24を開放して液相冷媒を低圧サイドに放出すると共に絞り弁を絞ることによって、高圧サイドの冷媒充填量を増大させ、同時に蒸発器に対する充分な冷媒流量を確保することができる。また、弁23を開放することによって、高圧サイドに充填されている冷媒のいくらかをレシーバへ移送させ、高圧サイドの冷媒充填量を減少させることができるようになっており、結局、冷凍サイクルの冷却能力を絞り弁13や弁23,24を操作することによって調節できる構成となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の冷凍サイクルにおいては、レシーバから主経路の低圧サイド、即ち、蒸発器の上流側に放出される冷媒が液相状態であるため、単位時間当たりに主経路に放出される冷媒量をきめ細かく調節できない不都合があり、また、過剰に液冷媒を放出することで、圧縮機に液冷媒が戻され、液圧縮を起こす恐れが懸念される。 【0005】また、同じ冷凍サイクルにおいて、冷媒としてCO2 を用いた場合には、現行のHFC−134aを冷媒として用いた場合と比べて、空気負荷(空気のエンタルピ)が高くなり、且つ、圧縮機の回転数が小さくなる(エンジン回転数が小さくなる)領域においては、成績係数(以下、COPという)が低くなることが確認されており、このような領域でも良好なCOPを確保できることが望ましい。 【0006】そこで、この発明においては、CO2 等の超臨界冷媒が主経路に充填される量をきめ細かく調節でき、且つ、圧縮機に液冷媒が戻り、圧縮機による液圧縮の恐れを低減することができる冷凍サイクルを提供することを課題としている。また、空気負荷や圧縮機の回転数に拘わらず良好なCOPを確保すること、特に空気負荷が高く圧縮機の回転数が低い状態で大きな効果が得られる冷凍サイクルを得ることを課題としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、この発明にかかる冷凍サイクルは、冷媒を超臨界域まで昇圧する圧縮機と、超臨界域に達した冷媒を冷却する放熱器と、この放熱器により冷却された後に冷媒を減圧する膨張装置と、この膨張装置で減圧された冷媒を蒸発する蒸発器とを含む主経路を備え、前記膨張装置をバイパスするバイパス経路を設けると共に、このバイパス経路に、受液タンクと、この受液タンクの放熱器側に位置する第1の制御弁と、前記受液タンクの蒸発器側に位置する第2の制御弁とを設け、前記主経路から前記バイパス通路を介して前記受液タンクに流入する冷媒量を前記第1の制御弁によって、また、前記受液タンクから前記バイパス通路を介して前記主経路へ流出する冷媒量を前記第2の制御弁によってそれぞれ調節可能とし、前記受液タンク内の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して蓄積し、前記受液タンクから前記第2の制御弁に導かれる冷媒を気相冷媒としたことを特徴特徴としている(請求項1)。 【0008】したがって、この構成によれば、超臨界冷媒は、圧縮機の始動により昇圧されて超臨界状態となり、放熱器によって冷却された後に膨張装置で減圧され、低圧低温の湿り蒸気として蒸発器に入る。その後、この蒸発器で吸熱された後に圧縮機へ戻され、再び昇圧される。 【0009】主経路の冷媒量は、膨張装置をバイパスするバイパス通路に設けられた受液タンク内の蓄積冷媒量を第1及び第2の制御弁によって調節することで変更できるようになっており、主経路の冷媒充填量を増大させるには、第2の制御弁を制御して受液タンク内に蓄積されている気相冷媒をバイパス通路を介して主経路に放出する。また、主経路の冷媒充填量を減少させるには、第1の制御弁を制御して主経路の冷媒を受液タンクに移行させる。 【0010】本発明は、主経路に充填される冷媒量を調整するという点においては、前記従来構成と同じであるが、従来構成では、液相冷媒を主経路に放出し、蒸発器内に液冷媒を通すことで伝達率を良くしようとしているので、蒸発器から出た冷媒を向流型熱交換器を通してガス化し、圧縮機の液圧縮が生じることを防いでいる。つまり、従来構成では、液圧縮を回避するために、向流型熱交換器が不可欠な構成となっている。しかし、本発明では、主経路へ送り込まれる冷媒を受液タンク内の気相冷媒としていることから、従来のように液相冷媒を送り込む場合に比べて、単位時間当たりに送り込まれる冷媒量を少なくすることができ、主経路に充填される冷媒量の調節をきめ細かくすることができ、また、主経路の充填冷媒量が増加する過渡的状態でも、蒸発器出口で完全な気化状態を形成しやすくなり、圧縮機による液圧縮の可能性を極めて低くすることができる。 【0011】上述の構成において、さらに蒸発器の出口又はその近傍に感温筒を設け、蒸発器の過熱度が所定範囲となるよう、膨張装置、及び、第2の制御弁の開度を感温筒によって制御するようにしてもよい(請求項2)。 【0012】このような構成によれば、蒸発器出口の過熱度が所定範囲となるよう、第2の制御弁の開度が膨張装置の開度と共に調節され、また、過熱度制御を行うために気相冷媒が利用されるので、受液タンクから主経路へ放出する冷媒量をきめ細かく制御でき、引いては、きめ細かな過熱度制御が可能となる。また、圧縮機による液圧縮を抑えることができ、さらには、過熱度制御の採用により、以下述べるように、高いCOPを得ることが可能となる。 【0013】即ち、本発明者の研究によれば、最適な過熱度にあるサイクル状態に対して、第2の制御弁の開度を開けて(又は、開度を大きくして)冷媒循環量を増やすと、高圧ラインの圧力は上昇するが、この場合に低圧ラインの圧力も上昇し、過熱度は小さくなってくる。しかも、高圧ラインの圧力上昇は大きいことから圧縮動力が大きくなり、COPは悪化する傾向にある。逆に、最適な過熱度にあるサイクル状態に対して、第1の制御弁を開けて(又は、開度を大きくして)冷媒循環量を減らすと、高圧ラインも低圧ラインの圧力も低下し、過熱度は大きくなってくる。しかし、主経路内の冷媒を過剰に減らすと、断熱圧縮線(等エントロピ線)が寝てくることから、COPは悪化する傾向にある。このことから、高いCOPを得る過熱度には、適切な値があり、本発明では、この適切な過熱度を得るために主経路の冷媒充填量を制御弁によって調節するようにしている。この点、上記従来構成では、向流型熱交換器をもって過熱度は確保できるものの、蒸発器の過熱度を適切な値に調節するものではなく、COPをうまくコントロールすることは困難であるといえる。 【0014】本発明は、受液タンク内の気相冷媒を主経路に放出する構成であることから、受液タンク内に気相冷媒を確保するために、受液タンク内の冷媒を加熱する熱源を受液タンクよりも上流の高圧側からとるようにするとよい(請求項3)。熱源を受液タンクよりも上流の高圧側からとる構成としては、受液タンク自体を放熱器から膨張装置に至る間の高圧側配管に当接させるようにしても、圧縮機から放熱器に至る間の高圧側配管に当接させるようにしても、放熱器から放熱された熱が当たる位置、例えば、放熱器の風下側に受液タンクを配置する構成としてもよい。 【0015】このような構成によれば、受液タンク内の冷媒に対して、高圧側から熱エネルギーが供給され、受液タンク内で冷媒を2相に分離してガス化された冷媒を確保することができ、受液タンクから第2の制御弁に対して気相冷媒を確実に導くことができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。図1において、冷凍サイクル1は、冷媒を圧縮する圧縮機2、冷媒を冷却する放熱器3、圧縮機から漏出した潤滑オイルを冷媒と分離して潤滑オイルを圧縮機2へ帰還させるオイルセパレータ4、冷媒を減圧する膨張装置5、冷媒を蒸発気化する蒸発器6を順次配管接続して閉回路を構成する主経路を有し、圧縮機2の吐出部から放熱器3及びオイルセパレータ4を介して膨張装置5の流入部に至る経路を高圧冷媒が存在する高圧ライン8としている。また、膨張装置5の流出部から蒸発器6を介して圧縮機2の吸入部に至る経路を低圧冷媒が存在する低圧ライン9としている。ここで、本冷凍サイクルの冷媒としてはCO2 が用いられ、圧縮機2としては、吐出容量が調節できるものであっても、固定容量型のものであってもよい。 【0017】また、高圧ライン8には、膨張装置5をバイパスするバイパス通路10が設けられ、このバイパス通路10には、冷媒を蓄積する受液タンク11と、この受液タンク11の流入側(放熱器側)に位置する第1の制御弁12と、受液タンク11の流出側(蒸発器側)に位置する第2の制御弁13とが設けられている。 【0018】図2において、受液タンク11の概略が示され、受液タンク11は、その上部から、バイパス通路10を構成する流入側配管14及び流出側配管15を気密よく挿入接合して構成されており、内部が高圧ライン8の圧力(高圧圧力)と低圧ライン9の圧力(低圧圧力)との間の圧力に設定されている。受液タンク内には、冷媒が気相状態と液相状態とに分離した状態で蓄積できるようになっており、流入側配管14および流出側配管15は、気相冷媒層に開口する構成となっている。 【0019】このような冷凍サイクル1において、第1及び第2の制御弁12,13が閉じている場合においては、圧縮機2で圧縮された冷媒は、高温高圧の超臨界状態の冷媒として放熱器3に入り、ここで放熱して冷却する。その後、膨張装置5において低温低圧の湿り蒸気となり、蒸発器6においてここを通過する空気から吸熱し、しかる後に圧縮機2へ戻される。 【0020】これに対して、第1の制御弁12が閉じ、第2の制御弁13が開いている場合には、受液タンク11に蓄積されている気相状態の冷媒が高圧ライン8へ送り込まれ、膨張装置5を通過した冷媒と混合して蒸発器6に入る。このため、主経路の冷媒量を増加させることができ、高圧ライン8のみならず低圧ライン9の圧力を高めると共に、蒸発器6に対する充分な冷媒流量を確保することができる。また、第1の制御弁12が開き、第2の制御弁13が閉じている場合には、高圧ライン8の冷媒がバイパス通路10を介して受液タンク11に移送され、この受液タンク11に蓄積される。よって、主経路の冷媒量を減少させることができ、高圧ライン8のみならず低圧ライン9の圧力を低下させ、特に、圧縮機2から第1の制御弁12までの高圧側圧力が過大になる状態を防ぐことができる。 【0021】上記膨張装置5と第2の制御弁13は、蒸発器6の出口部又はその近傍に設けられた共通の感温筒16を有し、蒸発器出口の冷媒の過熱度を所定の値に保つように開度が調節される温度平衡式の弁が用いられており、過熱度が大きくなれば、膨張装置5の開度が大きくなり、また、第2の制御弁13の開度も大きくなり、蒸発器6への冷媒供給量が多くなると共に受液タンク内の気相冷媒が主経路へ供給されて主経路の冷媒充填量が多くなる。また、過熱度が小さくなれば、膨張装置5の開度が小さくなり、また、第2の制御弁13の開度も小さくなり、蒸発器6への冷媒供給量が少なくなると共に受液タンク内の気相冷媒が主経路へ過剰に供給されることが抑えられる。 【0022】上記構成において、前述した如く、良好なCOPが得られる過熱度が存在しており、上記冷凍サイクル1においては、発明者による実験の結果、蒸発器6の過熱度を10〜20℃の範囲で制御することが適しているとの知見を得ている。この点を詳述すると、実用上確保したいCOPが約2以上であることから、およそ2以上のCOPが確保される過熱度10℃となる冷凍サイクル(図3の線図Aで示す)を基準とする。この基準の冷凍サイクルに対して、第2の制御弁13が制御されて受液タンク内の気相冷媒が主経路に放出され、主経路の冷媒充填量が増加すると、線図Bで示すように、高圧ライン8の圧力が上昇し、これと同時に低圧ライン9の圧力も上昇し、過熱度が小さくなってくる。この場合、高圧側の圧力上昇が大きくなることから、圧縮機2の動力が大きくなり、COPは、図4の実測データに示されるように、悪くなってくることが確認されている。また、第1の制御弁12を開いて主経路の冷媒を受液タンク内に移送し、主経路の冷媒充填量を減らすと、線図Cで示すように、高圧ライン8の圧力は低くなり、これと同時に低圧ライン9の圧力も低下し、過熱度が大きくなってくる。この場合、図4に示されるように、COPは過熱度の増加に伴って一旦大きくなってくる。しかし、主経路の冷媒量が過剰に減少してくると、等エントロピ線が寝てくるため、COPは過熱度の増加に伴って低下してくる。そこで、空気負荷(空気のエンタルピ)や圧縮機の回転数(エンジン回転数が少ない)が変動しても、実用上確保したいおよそ2以上のCOPが得られ、尚且つ、従来の冷凍サイクルのように向流型熱交換器を有しない本構成においては、圧縮機による液圧縮を避けるために過熱度を持たせておくことが不可欠となるが、気相冷媒となるスーパヒート領域での蒸発器6の熱交換は、気液混合冷媒が存在する領域よりも熱伝達率が悪くなることから、この熱伝達率を考慮して許容できる範囲を図4で示す実測データから画定した結果、蒸発器6の過熱度を10〜20℃の範囲に制御すればよいことを見出すに至った。 【0023】冷媒としてCO2 を用いた場合には、HFC−134aを冷媒に用いたサイクルに比べて、夏場における渋滞やアイドリング時などの空気負荷が高く、コンプレッサ回転数が少ない領域では、COPが低くなることが指摘されている。しかしながら、上述のサイクル構成によれば、感温筒16で膨張装置5を過熱度制御することに加え、第2の制御弁13を過熱度制御して、大きいCOPが得られるように主経路に充填される冷媒量が調節されるので、空気負荷が高くコンプレッサ回転数が少ない場合でもCOPを良好に保つことが可能となる。 【0024】また、受液タンク11から主経路へ放出される冷媒は気相であることから、単位時間当たりに送られる冷媒量は液相の場合に比べて少なく、過熱度を制御するための放出冷媒量をきめ細かく調整することができる。しかも、従来の構成によれば、冷媒を液相状態で主経路へ送り込むので、過剰な冷媒の送り込みは圧縮機2による液圧縮を誘発する可能性があったが、上述の構成のように、受液タンク内の気相冷媒を主経路へ送り込めば、蒸発器出口の冷媒のガス化が一層確実となり、液圧縮の可能性は極めて低くなる。 【0025】このように、受液タンク11内の気相状態の冷媒を送り出す意義は大きく、このため、受液タンク11に気相冷媒が確実に存在することが望ましい。上述の構成によれば、外部から受液タンク11に積極的に熱が供給される構成ではなく、受液タンク11の置かれた環境の成り行きで受液タンク内の冷媒を気相と液相とに分離させる構成であったが、受液タンク内の冷媒が何らかの形で熱を受け取り、積極的に気相冷媒層を形成しておく構成としてもよい。 【0026】受液タンク11の冷媒に熱を供給するための具体的な構成例としては、例えば、図5〜図7に示される構成が考えられ、いずれも、受液タンク11よりも上流の高圧側から熱源をとるようにしたものである。そのうち、図5に示されるものは、放熱器3から膨張装置5へ至る配管上に受液タンク11を当接したものであり、また、図6に示されるものは、圧縮機2と放熱器3との間に位置する配管上に受液タンク11を当接し、いずれも高圧ライン8を流れる冷媒から吸熱するようにしたものである。これに対して、図7に示されるものは、配管から吸熱するものではなく、放熱器3の風下側に受液タンク11を配置し、放熱器3を通過した空気を受液タンク11にあてて熱を得る構成としている。 【0027】よって、図5〜図7のいずれの構成においても、外部から熱を得ることで、受液タンクに蓄積された冷媒を気相と液相とに分離して気相冷媒を受液タンク内に常時確保することができる。また、気相冷媒の確保により、受液タンク11に溜まる冷媒量を抑えることができ、冷媒を無駄なく用いて過熱度制御を行うことが可能となる。 【0028】尚、上述のサイクルにおいて、オイルセパレータ4は、無くしてもよい。また、受液タンク11の位置は、熱源を確保するために上述の構成に限られるものではなく、必要に応じて変更してもよいことは言うまでもない。受液タンク11の熱源を確保するために、冷凍サイクル以外の熱源を併用したり、代わりに用いてもよい。 【0029】 【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、圧縮機、放熱器、膨張装置、蒸発器を含む主経路に対し、膨張装置をバイパスするバイパス通路を設け、このバイパス通路に、受液タンクと、この受液タンクの放熱器側に設けられた第1の制御弁及び蒸発器側に設けられた第2の制御弁とを設け、主経路からバイパス通路を介して受液タンクに流入する冷媒量を第1の制御弁によって、また、受液タンクからバイパス通路を介して主経路へ流出する冷媒量を第2の制御弁によってそれぞれ調節可能とし、受液タンク内の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して蓄積すると共に、受液タンクから第2の制御弁に導かれる冷媒を気相冷媒としたので、単位時間当たりに受液タンクから主経路へ送り込まれる冷媒量を液相冷媒と比べて小さくすることができ、主経路に充填される冷媒量をきめ細かく調節することができ、蒸発器出口で完全な気化状態を形成しやすくなり、圧縮機による液圧縮の危険性を低減することができる。 【0030】また、蒸発器の出口又はその近傍に感温筒を設け、蒸発器の過熱度が所定範囲となるように、膨張装置と第2の制御弁の開度を感温筒によって制御する構成によれば、通常の膨張装置の機能に加えて、主経路の冷媒充填量が適切な過熱度が得られるように第2の制御弁によって調節されるので、空気負荷が大きく、圧縮機の回転数が小さいような場合においても、蒸発器への冷媒流量の調節に加えて、主経路の冷媒充填量の調節によって良好なCOPを得ることができる。また、感温筒の共通化による部品点数の削減、取り付けスペースの削減にも寄与できる。 【0031】さらに、受液タンクにそれよりも上流の高圧側から熱エネルギーが供給される構成によれば、冷凍サイクルが稼動している間は、受液タンクに蓄積された冷媒を気相状態と液相状態とに分離して気相冷媒を確保しておくことができ、主経路の冷媒充填量を増加させる要請がある場合には、受液タンクから第2の制御弁に対して確実に気相冷媒を導くことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003333 【氏名又は名称】株式会社ボッシュオートモーティブシステム
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| 【出願日】 |
平成11年3月15日(1999.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069073 【弁理士】 【氏名又は名称】大貫 和保 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−266415(P2000−266415A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月29日(2000.9.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−67986 |
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