トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】小松 博文

【要約】 【課題】凍結防止用制御を的確に行うことができる、冷媒蒸発器1の温度センサを備えた冷凍装置の提供。

【解決手段】冷媒蒸発器1の風下側に配設して空調空気の温度を測定し、この測定した空調空気が設定温度以下となったときに冷凍装置の運転を停止させて冷媒蒸発器1の凍結を防止するための凍結防止用温度センサ3を備えた冷凍装置において、網21を設けた筒型クリップ2の内部に凍結防止用温度センサ3の感熱部31を配し、係合片23、23を冷却フィン12に係合している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒蒸発器の風下側に配設して空調空気の温度を測定し、この測定した空調空気が設定温度以下となったときに冷凍装置の運転を停止させて前記冷媒蒸発器の凍結を防止するための凍結防止用温度センサを備えた冷凍装置において、前記冷媒蒸発器の所定の位置に空調空気の流速を低下させる流速低下手段を付設し、該流速低下手段による流速低下領域に前記凍結防止用温度センサの感熱部を配したことを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】 請求項1に記載の冷凍装置において、前記流速低下手段に近接して空調空気の流速を増大させる流速増大手段を付設し、該流速増大手段による流速増大領域に、空調空気が所定温度を越えたときに冷凍装置を再起動させるための再起動用温度センサの感熱部を配したことを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】 請求項1または2に記載の冷凍装置において、前記流速低下手段は、上流側に流入口、下流側に流出口、内部に網や絞りなどの通気抵抗増大機構を設けた筒型クリップであり、前記凍結防止用温度センサは、感熱部が前記筒型クリップの内部に位置するように取り付けられ、該筒型クリップが前記冷媒蒸発器の所定位置に固定されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項4】 請求項2に記載の冷凍装置において、前記流速増大手段は、上流側に流入口、下流側に流出口、内部にベンチュリーが設けられた筒状クリップであり、前記再起動用温度センサは感熱部がベンチュリー内に位置するように前記筒状クリップに取り付けられ、前記筒状クリップは前記冷媒蒸発器の所定位置に固定されることを特徴とする冷凍装置。
【請求項5】 請求項3および4に記載の冷凍装置において、前記筒型クリップと前記筒状クリップとは平行して一体成形された樹脂製であり、前記凍結防止用温度センサと再起動用温度センサとは、感熱部が列設された一体型温度センサであることを特徴とする冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用空調装置などの冷凍装置であって、冷媒蒸発器に付着する霜を除去する凍結防止制御を行うための温度センサに係わる。
【0002】
【従来の技術】車両用空調装置は、空調ダクト内に設置した冷凍装置の冷媒蒸発器(エバポレータ)の風下側に凍結防止用温度センサを取り付けている。冷凍装置では、この凍結防止用温度センサにより、熱交換器となっている冷媒蒸発器を通過した空調空気の温度を検出し、たとえば冷媒蒸発器の風下側の空気温度が3℃で冷凍装置の運転を停止し、4℃で冷凍装置を再起動するという凍結防止制御が行われる。この凍結防止用温度センサは、冷媒蒸発器の内の最も霜が付着し易い最低温度位置に取り付けることが望ましい。
【0003】この凍結防止用温度センサの取り付け位置は、つぎの注意が必要となる。
■冷凍装置の圧縮機の回転速度の変動に伴う冷媒流量の変化により、冷媒蒸発器の下流側の空調空気は温度分布が変動する。
■空調装置の仕様変更により冷媒蒸発器の寸法を変更すると、冷凍装置の運転を停止させたときに、冷媒が冷媒蒸発器に停滞する冷媒停滞域の変化が生じる。
■送風機、冷媒蒸発器などの配置を変更すると、冷媒蒸発器の風下側の風速分布が変化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、個々の型式の車両用空調装置において、冷媒蒸発器の凍結防止用温度センサを最適な位置に装着するためには、型式ごとに逐一試験して検討する必要がある。本発明の目的は、凍結防止制御を的確に行うことができる、冷媒蒸発器の温度センサを備えた冷凍装置の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(請求項1について)冷媒蒸発器の所定の位置に、冷媒蒸発器を通過する空調空気の流速を低下させる流速低下手段を取り付けて、流速が低下した領域に凍結防止用温度センサの感熱部を配している。流速が低下した部分の空調空気は、通常の流速を有する周囲に比較して冷媒蒸発器に接触している時間が長く、より低温度となっている。このため、凍結防止用温度センサは、凍結防止制御に最適な冷媒蒸発器の表面温度を確実に検出することができる。また、発明が解決しようとする課題の項に示した様な装着位置の検討が不要となる。
【0006】(請求項2について)流速を低下させた位置では、凍結防止用温度センサの表面の流速が低下するため冷媒の温度を検出する温度センサの感度が低下する。このため、冷凍装置を再起動させる際の温度検出に遅れが生じる虞れがある。このため、流速低下手段に近接して流速増大手段を設け、流速が増加した位置に再起動用温度センサの感熱部を設置し、再起動に必要な温度を迅速に検出できるようにしている。よって、再起動に遅れが生じない。
【0007】(請求項3について)流速低下手段は、上流側に流入口、下流側に流出口、内部に網や絞りなどの通気抵抗増大機構を設けた筒型クリップであり、冷媒蒸発器の所定位置に固定されている。凍結防止用温度センサは、感熱部が筒型クリップの内部に位置するように取り付けられている。このため、網や絞りなどの通気抵抗増大機構により流速が低下した空調空気は、通常の流速を有する周囲に比較して冷媒蒸発器に接触している時間が長く、より低温度となっている。このため、感熱部が筒型クリップの内部に位置するように取り付けられた凍結防止用温度センサは、凍結防止制御に最適な冷媒蒸発器の表面温度を確実に検出することができる。
【0008】(請求項4について)流速増大手段は、上流側に流入口、下流側に流出口、内部にベンチュリーが設けられた筒状クリップであり、再起動用温度センサは感熱部がベンチュリー内に位置するように筒状クリップに取り付けられ、筒状クリップは冷媒蒸発器の所定位置に固定されている。
【0009】流速低下手段に近接して上記の流速増大手段を設け、流速が増加した位置に再起動用温度センサを設置し、再起動に必要な温度を迅速に検出できるようにしている。この結果、冷凍装置を再起動させる際の温度検出に遅れが生じない。
【0010】(請求項5について)筒型クリップと筒状クリップとは平行して一体成形された樹脂製であり、凍結防止用温度センサと再起動用温度センサとは、感熱部が列設された一体型温度センサである。このため、凍結防止用温度センサと再起動用温度センサとを冷媒蒸発器の所定の位置に容易に配設することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、自動車に搭載された空調装置の空調ダクト内に設置され、空調空気が通過する熱交換器としての冷凍装置の冷媒蒸発器1と、この冷媒蒸発器1の風下側に取り付けられるとともに、空調空気の流速を低下させる流速低下手段20を内蔵した筒型クリップ2と、この筒型クリップ2に固定された冷凍サイクルの凍結防止制御のための凍結防止用温度センサ3とを示す。
【0012】冷媒蒸発器1は、図2に示す如く、本実施例では上下方向に平行して配された多数の冷却パイプ11、11の各間に、冷却フィン12を配した積層型エバポレータを使用している。冷媒蒸発器1は、リキッドタンクから液相の冷媒が入口13から上部(図示上側)に流入し、気相の冷媒が下部(図示下側)から出口14を経てコンプレッサに流出する。
【0013】筒型クリップ2は、低温でも劣化し難い樹脂で一体成形されており、流速低下手段20としての網21が張られた四角状の筒部22を有する。本実施例では、筒型クリップ2は、下記の理由により、冷却フィン12の下端121から10mmだけ上側に配設されている。
【0014】冷房能力に影響があるスーパーヒートを考慮し、冷媒蒸発器1の冷媒出口側近くに配することが望ましい(冷却フィン12の下端121に近い程、良い)。但し、10mm未満であると、樹脂製の筒型クリップ2の内部に凝縮水が滞留して、凍結や腐食が発生する虞がある。
【0015】この筒部22の上下からは、前方(冷媒蒸発器方向)に係合片23、23が延設され、係合片23、23の外側面には冷却フィン12に係合する波状の凹凸24、24が設けられている。
【0016】筒部22には、側方から凍結防止用温度センサ3が差し込まれており、凍結防止用温度センサ3の感熱部31は、筒部22の断面中心であり網21により空調空気の流速が遅くなっている領域に配されている。
【0017】本実施例(図1のもの)では、網21の下流側に感熱部31を配してあるが、感熱部31の上流側に網21を配置してもよい。網21は、感熱部31での流速aが冷媒蒸発器1の熱交換部分全体における最低風速amin に対しa<amin となるように選定する。本実施例では、線径=0.25mm、メッシュ=30のものを選定した。
【0018】流速低下手段は、網21の他に、図5に示す如く、絞り25、穴空き板26、スリット27など他の構造であってもよい。また、筒部22は四角筒以外の角筒、円筒などであってもよい。
【0019】筒型クリップ2は、上下の係合片23、23を冷媒蒸発器1の所定の位置の冷却フィン12、12の間に差し込まれて取り付けられる。筒型クリップ2は、通常の冷凍装置の運転において最も熱交換が終わる冷媒の出口側である冷却フィン12から10mmだけ上位の位置に固定することが望ましい。これは、冷房能力に影響があるスーパーヒートを考慮し、冷媒蒸発器1の冷媒通路のアウト側に近いこと、および筒型クリップ2内に凝縮水が滞留して、凍結や腐食が発生することを阻止するために好適であるという理由による。
【0020】図1に示す構成では、筒型クリップ2内を流れ感熱部31に接触する気流の流速が遅いため、凍結防止用温度センサ3は気流の温度変化に対する感度が低くなる。この感度の低下は、筒型クリップ2内を流れる気流の温度が上がって冷凍サイクルを再起動させる場合に、凍結防止用温度センサ3の温度検出が遅れ、再起動のタイミングが遅れる原因となりやすい。
【0021】これを解決した、請求項2にかかる実施例では、図3、図4に示す如く、筒型クリップ2に並設して筒状クリップ4を設け、その内部に速度増大手段40としてのベンチュリー41を形成するとともに、該ベンチュリー41により空調空気の速度増大領域に凍結防止用温度センサ3に一体に形成した再起動用温度センサ5の感熱部51を配している。
【0022】再起動用温度センサ5は、感熱部51の配された部分の流速bが冷媒蒸発器1の熱交換部分全体における最低風速amin に対しb>amin となるように選定する。これにより、再起動用温度センサ5は冷媒蒸発器1の温度上昇を迅速に検出することができ、再起動の遅れに起因する、冷風の温度上昇による不快感を解消することができる。
【0023】本実施例に示す様な、凍結防止用温度センサ3に一体化した再起動用温度センサ5は装着性に優れる。なお、凍結防止用温度センサ3と再起動用温度センサ5とは別体の独立したセンサであっても良い。また、図3、図4に示すベンチュリー41はスリット状であるが、断面が円形のオリフィス状であっても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成11年3月5日(1999.3.5)
【代理人】 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開2000−258001(P2000−258001A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−59000