| 【発明の名称】 |
冷媒・油の分離回収装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】清水 孝志
【氏名】佐々木 十太
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| 【要約】 |
【課題】冷媒・油の分離回収装置において、廃油タンクの耐圧強度を低く設定してその製造コストの低廉化を実現する。
【解決手段】密閉容器状の蒸留タンク1の上部の気室部31と密閉容器状の廃油タンク2の上部の気室部32との間を連通管7により相互に連通可能に接続する。かかる構成とすることで、上記連通管7を介して上記蒸留タンク1の気室部31と上記廃油タンク2の気室部32との内圧が均圧化され、しかもこの場合、上記蒸留タンク1の気室部31はその内圧が常時低く抑えられていることから、該蒸留タンク1の気室部31の内圧に対応して上記廃油タンク2の気室部32の内圧も低く抑えられ、その結果、上記廃油タンク2においては、その構造設計に際してその耐圧強度を低く設定してその製造コストの低廉化を図ることが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒と油との混合油(L)が貯留された密閉容器状の廃油タンク(2)と、該廃油タンク(2)から供給される混合油(L)を受けて該混合油(L)から冷媒成分を蒸発させて該混合油(L)を冷媒と油とに分離する密閉容器状の蒸留タンク(1)とを備えた冷媒・油の分離回収装置であって、上記蒸留タンク(1)の上部の気室部(31)と上記廃油タンク(2)の上部の気室部(32)との間を連通管(7)により相互に連通可能に接続したことを特徴とする冷媒・油の分離回収装置。 【請求項2】 請求項1において、上記連通管(7)に、該連通管(7)を連通・連通遮断する開閉弁(8)を備えたことを特徴とする冷媒・油の分離回収装置。 【請求項3】 請求項2において、上記開閉弁(8)が、上記廃油タンク(2)の気室部(32)の圧力が所定圧に達した時に、又は所定時間毎に開弁するように構成されていることを特徴とする冷媒・油の分離回収装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、例えば空調機から回収される冷媒(例えば、フロン)と油(冷凍機油)との混合油から冷媒と油とを分離してそれぞれ回収するようにした冷媒・油の分離回収装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、空調機の分解調査とか廃棄処分に際しては、これに先立って、空調機から冷媒と油との混合油を抜き取るが、この場合、空調機から抜き取られた混合油は、冷媒・油の分離回収装置において冷媒と油とに分離され且つ回収される。 【0003】例えば、図3には、混合油を所定量づつ分離処理するようにしたバッチ式の冷媒・油の分離回収装置を示しているが、この冷媒・油の分離回収装置においては、蒸留タンク1と廃油タンク2とを備えており、空調機から抜き取られた混合油Lを、先ず上記廃油タンク2に貯留するようになっている。そして、この廃油タンク2に貯留された混合油Lは、仕込ポンプ5により供給管6を介して上記蒸留タンク1側に送られ、シャワーノズル14から該蒸留タンク1内に投入される。 【0004】この蒸留タンク1は、その天壁1aに冷媒ガス導出管13を、底壁2bに油導出管12を、それぞれ備えるとともに、その側壁1cにはヒーター15を備えている。上記蒸留タンク1に投入された混合油Lは、上記ヒーター15による加熱作用を受けて該混合油L中の冷媒成分が順次蒸発して該蒸留タンク1の上部の気室部31側に溜まり、また上記油はそのまま蒸留タンク1の底部側に残留することで、気液二層に分離される。 【0005】上記蒸留タンク1において分離された冷媒ガス(例えば、フロンガス)は、管路21を介して冷媒回収装置3に導入され、ここで凝縮液化された後、回収ボンベ4に充填される。一方、上記蒸留タンク1の底部に残留した油は、上記油導出管12から油タンク(図示省略)に回収される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなバッチ式の冷媒・油の分離回収装置においては、上述のように、空調機から抜き取られた混合油Lを、先ず、上記廃油タンク2に貯留するようになっているが、この廃油タンク2においてはここに貯留された混合油Lから冷媒成分が自然蒸発により蒸発してそのまま大気中に放出されると大気汚染の原因となることから、該廃油タンク2を密閉容器状に構成して冷媒ガスをここに封入保持するようにしている。 【0007】ところが、このように上記廃油タンク2を密閉容器状とした場合には、上記混合油Lから蒸発した冷媒ガスを該廃油タンク2の気室部32部分に封入する状態となることから、該気室部32の圧力が高くなる(例えば、冷媒としてフロン「R−22」を用いた場合、室温40℃において15Kgf/cm2程度となる)。従って、上記廃油タンク2そのものを高い耐圧強度をもつ耐圧構造とすることが必要となり、その結果、該廃油タンク2の製造コスト、延いては冷媒・油の分離回収装置全体としての製造コストが高くつくという問題があった。 【0008】そこで本願発明では、冷媒・油の分離回収装置において、廃油タンクの耐圧強度を低く設定してその製造コストの低廉化を実現することを目的としてなされたものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。 【0010】本願の第1の発明では、冷媒と油との混合油Lが貯留された密閉容器状の廃油タンク2と、該廃油タンク2から供給される混合油Lを受けて該混合油Lから冷媒成分を蒸発させて該混合油Lを冷媒と油とに分離する密閉容器状の蒸留タンク1とを備えた冷媒・油の分離回収装置において、上記蒸留タンク1の上部の気室部31と上記廃油タンク2の上部の気室部32との間を連通管7により相互に連通可能に接続したことを特徴としている。 【0011】本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る冷媒・油の分離回収装置において、上記連通管7に、該連通管7を連通・連通遮断する開閉弁8を備えたことを特徴としている。 【0012】本願の第3の発明では、上記第2の発明に係る冷媒・油の分離回収装置において、上記開閉弁8を、上記廃油タンク2の気室部32の圧力が所定圧に達した時に、又は所定時間毎に開弁させるように構成したことを特徴としている。 【0013】 【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。 【0014】■ 本願の第1の発明に係る冷媒・油の分離回収装置によれば、上記蒸留タンク1の上部の気室部31と上記廃油タンク2の上部の気室部32との間を連通管7により相互に連通可能に接続しているので、該連通管7を介して上記蒸留タンク1の気室部31と上記廃油タンク2の気室部32とが連通することによりこれら両者の内圧が均圧化され、しかもこの場合、上記蒸留タンク1の気室部31はここにに溜まる冷媒ガスは順次排出され且つ回収されることでその内圧が常時低く抑えられていることから、該蒸留タンク1の気室部31の内圧に対応して上記廃油タンク2の気室部32の内圧も低く抑えられることになる。この結果、上記廃油タンク2においては、その構造設計に際してその耐圧強度を低く設定することができ、それだけ該廃油タンク2の製造コストの低廉化が図れ、延いては冷媒・油の分離回収装置全体としての低コスト化が期待できるものである。 【0015】■ 本願の第2の発明にかかる冷媒・油の分離回収装置によれば、上記連通管7に、該連通管7を連通・連通遮断する開閉弁8を備えているので、例えば、上記廃油タンク2の内圧が上昇し該廃油タンク2の耐圧強度維持の観点から降圧させる必要が生じた場合においてのみ上記連通管7を開弁して均圧作用を行わしめることが可能となる。この結果、上記蒸留タンク1側においては、上記気室部31の内圧が低いほど混合油Lからの冷媒の蒸発が促進され、上記廃油タンク2側との均圧化によってその内圧が上昇傾向となるに伴って蒸発作用が低下することからして、必要時のみに均圧作用を行わしめる構成とすることで上記蒸留タンク1における冷媒の分離作用を高く維持することができ、それだけ冷媒・油の分離回収装置全体としての分離能率の向上が図れることになる。 【0016】■ 本願の第3の発明にかかる冷媒・油の分離回収装置によれば、上記開閉弁8を、上記廃油タンク2の気室部32の圧力が所定圧に達した時に、又は所定時間毎に開弁させるように構成することで、より安価且つ簡単な開閉制御により上記■に記載の効果を得ることができ、装置構造の簡略化及び低コスト化の更なる向上が期待できる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本願発明に係る冷媒・油の分離回収装置を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。 【0018】図1には、本願発明の実施形態にかかるバッチ式の冷媒・油の分離回収装置の要部を示している。この冷媒・油の分離回収装置は、図3に示した従来の冷媒・油の分離回収装置とその基本構成を同じにするものであって、蒸留タンク1と廃油タンク2とを備え、空調機から抜き取られた混合油Lを、先ず上記廃油タンク2に貯留するようになっている。この廃油タンク2に貯留された混合油Lは、仕込ポンプ5により供給管6を介して上記蒸留タンク1側に送られ、シャワーノズル14から該蒸留タンク1内に投入される。 【0019】また、上記蒸留タンク1は、その天壁1aに冷媒ガス導出管13を、底壁2bに油導出管12を、それぞれ備えるとともに、その側壁1cにはヒーター15を備えており、上記廃油タンク2側から上記蒸留タンク1に投入された混合油Lは、上記ヒーター15による加熱作用を受けて該混合油L中の冷媒成分が順次蒸発して該蒸留タンク1の上部の気室部31側に溜まり、また上記油はそのまま蒸留タンク1の底部側に残留することで、気液二層に分離される。 【0020】さらに、上記蒸留タンク1において分離された冷媒ガス(例えば、フロンガス)は、管路21を介して冷媒回収装置3に導入され、ここで凝縮液化された後、回収ボンベ4に充填される。一方、上記蒸留タンク1の底部に残留した油は、上記油導出管12から油タンク(図示省略)に回収される。 【0021】ところで、係る構成の冷媒・油の分離回収装置においては、上記廃油タンク2に貯留される混合油Lからの冷媒ガスの大気放出を防止すべく、該廃油タンク2を高い耐圧強度をもつ耐圧構造とすると、該廃油タンク2の製造コストが高くつき、延いては冷媒・油の分離回収装置全体のコストアップを招来するという問題が生じることは既述の通りである。 【0022】そこで、この実施形態の冷媒・油の分離回収装置においては、本願各発明を適用して、上記廃油タンク2の耐圧強度を低く設定しその製造コストの低廉化を実現するようにしている。以下、このための具体的手段を説明する。 【0023】この実施形態の冷媒・油の分離回収装置においては、上記蒸留タンク1の天壁1aと上記廃油タンク2の天壁2aとの間に連通管7を配置し、該連通管7を介して上記蒸留タンク1の上部に形成される気室部31と上記廃油タンク2の上部に形成される気室部32とを相互に連通可能とするとともに、上記連通管7の通路途中には該連通管7を連通あるいは連通遮断する開閉弁8を設けている。さらに、この開閉弁8は、これを電磁弁で構成し、上記廃油タンク2側に設けた圧力スイッチ9の出力に応じて該開閉弁8を開閉作動させるようにしている。尚、この圧力スイッチ9は、上記気室部32の内圧が所定圧以上となったときにこれを感知して上記開閉弁8に開弁制御信号を出力するように構成されている。 【0024】この開閉弁8の開閉制御と上記蒸留タンク1及び廃油タンク2の内圧との関係を図2に示している。即ち、上記開閉弁8の開閉は、上記廃油タンク2の内圧に対応して行われるものであって、例えば、今、時間「t1」において開閉弁8が開弁状態から閉弁されると、上記廃油タンク2の内圧はその時点の内圧(圧力「Pa1」)から時間の経過とともに次第に上昇し、時間「t2」において所定圧(圧力「Pa2」)に達する。一方、上記蒸留タンク1の内圧は、混合油Lから蒸発した冷媒ガスの上記冷媒回収装置3側への導出に伴って、その時点の内圧(Pb2)から次第に低下して負圧化し、最低圧(圧力「Pb1」)に達した後、その内圧が維持される。 【0025】ここで、時間「t2」において上記廃油タンク2の内圧が所定圧(圧力「Pa2」)に達すると、上記圧力スイッチ9から開弁制御信号が出力され、該開閉弁8が開弁され、且つこれが所定期間(即ち、時間「t2〜t3」の間)維持される。すると、この開閉弁8の開弁に伴い、上記連通管7を介して上記蒸留タンク1の気室部31と上記廃油タンク2の気室部32とが連通し、上記廃油タンク2の気室部31に貯留していた冷媒ガスの一部が上記蒸留タンク1の気室部31側に移動する。この結果、上記廃油タンク2の内圧は圧力「Pa1」に低下する一方、上記蒸留タンク1の内圧は圧力「Pb2」に上昇し、これら両圧力が均圧化される(即ち、圧力「Pb2=Pa1」)。以下、このような上記廃油タンク2の内圧に応じて上記開閉弁8が開閉されることで、該廃油タンク2の内圧は常時、限界圧(圧力「Pa3」)以下に抑えられる。 【0026】従って、この実施形態の冷媒・油の分離回収装置においては、例えば、上記連通管7を備えない従来の冷媒・油の分離回収装置の場合に比して、上記廃油タンク2の内圧が低く抑えられる分だけ、その耐圧強度を低く設定した構造とすることができ、それだけ該廃油タンク2の製造コストの低廉化、延いては冷媒・油の分離回収装置全体としてのコストダウンが期待できるものである。 【0027】さらに、この実施形態のように、上記連通管7に、該連通管7を連通・連通遮断する開閉弁8を備えと、例えば、上記廃油タンク2の内圧が上昇し該廃油タンク2の耐圧強度維持の観点から降圧させる必要が生じた場合(例えば、内圧が上記所定圧「Pa2」に達した時)においてのみ上記連通管7を開弁して均圧作用を行わしめることが可能となる。このようにした場合には、上記蒸留タンク1側においては、上記気室部31の内圧が低いほど混合油Lからの冷媒の蒸発が促進され、上記廃油タンク2側との均圧化によってその内圧が上昇傾向となるに伴って蒸発作用が低下することからして、例えば常時上記連通管7を連通させておく構成の場合に比して、上記蒸留タンク1における冷媒の分離作用を高く維持することができ、それだけ冷媒・油の分離回収装置全体としての分離能率の向上が図れることになる。 【0028】尚、この実施形態においては、上記開閉弁8を上記圧力スイッチ9の作動に連動して開閉させるように構成しているが、他の実施形態においては、例えば所定時間毎に上記開閉弁8を開弁させるように構成することもできるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月3日(1999.3.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075731 【弁理士】 【氏名又は名称】大浜 博
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| 【公開番号】 |
特開2000−257998(P2000−257998A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−55591 |
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