| 【発明の名称】 |
圧縮機の油抜方法及びその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大井 隆
【氏名】佐々木 十太
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| 【要約】 |
【課題】圧縮機からの油抜きを、より短時間で迅速に行い得る油抜方法及びその装置を提供する。
【解決手段】吸入管5と吐出管6とを備えたケーシング2内に圧縮機構部Xを内蔵するとともに油Lが貯留された圧縮機1の上記ケーシング2内から上記油Lを抜き取るに際し、上記ケーシング2の底部2cに孔24を設け、しかる後、上記吸入管5又は上記吐出管6又はこれら両者を通して上記ケーシング2内に加圧流体を導入し、上記孔24から上記油Lを抜き取る。かかる油抜方法によれば、上記ケーシング2内の油Lは加圧流体による加圧作用を受けて上記孔24から押し出されることとなり、自然落下作用により抜き取る場合に比して、抜き取り速度が高められ、その作業性が向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸入管(5)と吐出管(6)とを備えたケーシング(2)内に圧縮機構部(X)を内蔵するとともに油(L)が貯留された圧縮機(1)の上記ケーシング(2)内から上記油(L)を抜き取るに際し、上記ケーシング(2)の底部(2c)に孔(24)を設けるとともに、上記吸入管(5)又は上記吐出管(6)又はこれら両者を通して上記ケーシング(2)内に加圧流体を導入し、上記孔(24)から上記油(L)を抜き取ることを特徴とする圧縮機の油抜方法。 【請求項2】 請求項1において、上記孔(24)から油(L)を抜き取るに際して、該孔(24)から排出される油(L)に吸引力を付与することを特徴とする圧縮機の油抜方法。 【請求項3】 請求項1又は2において、上記吸入管(5)又は吐出管(6)部分から上記ケーシング(2)内に加圧流体を導入するに際し、該吸入管(5)又は吐出管(6)にピアス工具(25)を用いてピアス孔(30)を形成し、該ピアス孔(30)を通して加圧流体を導入することを特徴とする圧縮機の油抜方法。 【請求項4】 請求項1又は2において、上記吸入管(5)又は吐出管(6)部分から上記ケーシング(2)内に加圧流体を導入するに際し、該吸入管(5)又は吐出管(6)にカプラ(20)を装着し、該カプラ(20)を通して加圧流体を導入することを特徴とする圧縮機の油抜方法。 【請求項5】 吸入管(5)と吐出管(6)とを備えたケーシング(2)内に圧縮機構部(X)を内蔵するとともに油(L)が貯留された圧縮機(1)の上記ケーシング(2)内から上記油(L)を抜き取る圧縮機の油抜装置であって、上記圧縮機(1)を固定保持する保持手段(Y)と、上記ケーシング(2)の底部(2c)に孔(24)を穿設する穿孔手段(P)と、加圧流体供給源(11)からの加圧流体を上記吸入管(5)又は上記吐出管(6)又はこれら両者を介して上記ケーシング(2)に導入する加圧流体導入手段(Q)とが備えられたことを特徴とする圧縮機の油抜装置。 【請求項6】 請求項5において、上記孔(24)を通して排出される上記油(L)に吸引力を付与する吸引手段(W)が備えられていることを特徴とする圧縮機の油抜装置。 【請求項7】 請求項6において、上記吸引手段(W)が真空ポンプ(13)又はエゼクターポンプ(14)で構成されていることを特徴とする圧縮機の油抜装置。 【請求項8】 請求項5において、上記加圧流体導入手段(Q)が、上記吸入管(5)又は吐出管(6)に装着されるカプラ(20)を介して、又は上記吸入管(5)又は吐出管(6)にピアス工具(25)により形成されたピアス孔(30)を介して、上記ケーシング(2)内に加圧流体を導入する構成であることを特徴とする圧縮機の油抜装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、密閉型の圧縮機の内部に貯留された油を抜き取るための圧縮機の油抜方法及びその装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】空調機用圧縮機として従来より密閉型圧縮機が多用されているが、かかる圧縮機においてはケーシング内に油(実質的には、油と液冷媒との混合液)が貯留されている。従って、この圧縮機を、例えば故障原因の解明のためにこれを分解して調査する場合とか、圧縮機そのものを廃棄処分とするような場合には、かかる処理に先立って、上記油をケーシングから抜き取ることが必要となる。 【0003】この場合、従来は、図6に示すように、例えば空調機の室外機から圧縮機50を取り外し、ケーシング51の側周壁51aに設けられた吸入管52と天壁51bに設けられた吐出管53とを共に開放状態としたまま、上記ケーシング51の底壁51cにドリルで穿孔56を設け、上記ケーシング51の底部にたまった油Lをその自重による自然落下により油受器57側に取り出すのが一般的であった。尚、同図において符号54はスクロール部、55はモーター部である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このように圧縮機50のケーシング51から油Lを抜き取るに際して、単に油Lの自重による自然落下作用によってこれを行う構成とした場合には、上記穿孔56からの油Lの排出速度が遅いことから、該油Lを完全に抜き終わるまでに長時間を要し、抜き取り作業の作業性が極めて低劣であるという問題があった。 【0005】そこで本願発明では、圧縮機のケーシングからの油の抜き取りを、より短時間で迅速に行って高い作業性を実現することができるような圧縮機の油抜方法及びその装置を提供することを目的としてなされたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。 【0007】本願の第1の発明にかかる圧縮機の油抜方法では、吸入管5と吐出管6とを備えたケーシング2内に圧縮機構部Xを内蔵するとともに油Lが貯留された圧縮機1の上記ケーシング2内から上記油Lを抜き取るに際し、上記ケーシング2の底部2cに孔24を設けるとともに、上記吸入管5又は上記吐出管6又はこれら両者を通して上記ケーシング2内に加圧流体を導入し、上記孔24から上記油Lを抜き取ることを特徴としている。 【0008】本願の第2の発明にかかる圧縮機の油抜方法では、上記第1の発明にかかる圧縮機の油抜方法において、上記孔24から油Lを抜き取るに際して、該孔24から排出される油Lに吸引力を付与することを特徴としている。 【0009】本願の第3の発明にかかる圧縮機の油抜方法では、上記第1又は第2の発明にかかる圧縮機の油抜方法において、上記吸入管5又は吐出管6部分から上記ケーシング2内に加圧流体を導入するに際し、該吸入管5又は吐出管6にピアス工具25を用いてピアス孔30を形成し、該ピアス孔30を通して加圧流体を導入することを特徴としている。 【0010】本願の第4の発明にかかる圧縮機の油抜方法では、上記第1又は第2の発明にかかる圧縮機の油抜方法において、上記吸入管5又は吐出管6部分から上記ケーシング2内に加圧流体を導入するに際し、該吸入管5又は吐出管6にカプラ20を装着し、該カプラ20を通して加圧流体を導入することを特徴としている。 【0011】本願の第5の発明では、吸入管5と吐出管6とを備えたケーシング2内に圧縮機構部Xを内蔵するとともに油Lが貯留された圧縮機1の上記ケーシング2内から上記油Lを抜き取る圧縮機の油抜装置において、上記圧縮機1を固定保持する保持手段Yと、上記ケーシング2の底部2cに孔24を穿設する穿孔手段Pと、加圧流体供給源11からの加圧流体を上記吸入管5又は上記吐出管6又はこれら両者を介して上記ケーシング2に導入する加圧流体導入手段Qとを備えたことを特徴としている。 【0012】本願の第6の発明では、上記第5の発明にかかる圧縮機の油抜装置において、上記孔24を通して排出される上記油Lに吸引力を付与する吸引手段Wを備えたことを特徴としている。 【0013】本願の第7の発明では、上記第6の発明にかかる圧縮機の油抜装置において、上記吸引手段Wを真空ポンプ13又はエゼクターポンプ14で構成したことを特徴としている。 【0014】本願の第8の発明では、上記第5の発明にかかる圧縮機の油抜装置において、上記加圧流体導入手段Qを、上記吸入管5又は吐出管6に装着されるカプラ20を介して、又は上記吸入管5又は吐出管6にピアス工具25により形成されたピアス孔30を介して、上記ケーシング2内に加圧流体を導入する構成としたことを特徴としている。 【0015】 【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。 【0016】■ 本願の第1の発明にかかる圧縮機の油抜方法は、吸入管5と吐出管6とを備えたケーシング2内に圧縮機構部Xを内蔵するとともに油Lが貯留された圧縮機1の上記ケーシング2内から上記油Lを抜き取るに際し、上記ケーシング2の底部2cに孔24を設けるとともに、上記吸入管5又は上記吐出管6又はこれら両者を通して上記ケーシング2内に加圧流体を導入し、上記孔24から上記油Lを抜き取るものである。かかる油抜方法によれば、上記ケーシング2内の油Lは上記加圧流体による加圧作用を受けて上記孔24から押し出されることから、例えば従来のように油Lを単に自重による自然落下作用により抜き取る場合に比して、該油Lの抜き取り速度が高められ、より短時間でその抜き取りが完了することとなり、結果的に油抜作業の作業性が向上する。 【0017】■ 本願の第2の発明にかかる圧縮機の油抜方法によれば、上記孔24から油Lを抜き取るに際して、該孔24から排出される油Lに吸引力を付与するようにしているので、上記油Lには、上記加圧流体による加圧作用に加えて、上記吸引力による吸い出し作用が働くことから、上記孔24の前後における圧力差がより一層拡大し、上記油Lの抜き取りがより一層短時間で完了することとなり、油抜作業の作業性の更なる向上が図れることになる。 【0018】■ 本願の第3の発明にかかる圧縮機の油抜方法によれば、上記吸入管5又は吐出管6部分から上記ケーシング2内に加圧流体を導入するに際し、該吸入管5又は吐出管6にピアス工具25を用いてピアス孔30を形成し、該ピアス孔30を通して加圧流体を導入するようにしているので、圧縮機1の取り外し時に上記吸入管5及び吐出管6を共に、例えば「かしめ」により閉塞させておき、油抜作業に際して初めてピアス加工によりピアス孔30を設けて加圧流体の導入を行えば良いことから、上記油Lから蒸発するフロンガス等の冷媒ガスの大気への拡散を可及的に防止できることになる。 【0019】■ 本願の第4の発明にかかる圧縮機の油抜方法によれば、上記吸入管5又は吐出管6部分から上記ケーシング2内に加圧流体を導入するに際し、該吸入管5又は吐出管6にカプラ20を装着し、該カプラ20を通して加圧流体を導入するようにしているので、該カプラ20の着脱容易性に基づき、油抜作業時における加圧流体の導入準備をより簡単且つ短時間に行うことができ、それだけ作業性の向上が期待できる。 【0020】■ 本願の第5の発明にかかる圧縮機の油抜装置は、吸入管5と吐出管6とを備えたケーシング2内に圧縮機構部Xを内蔵するとともに油Lが貯留された圧縮機1の上記ケーシング2内から上記油Lを抜き取る圧縮機の油抜装置において、上記圧縮機1を固定保持する保持手段Yと、上記ケーシング2の底部2cに孔24を穿設する穿孔手段Pと、加圧流体供給源11からの加圧流体を上記吸入管5又は上記吐出管6又はこれら両者を介して上記ケーシング2に導入する加圧流体導入手段Qとを備えている。 【0021】従って、上記圧縮機1のケーシング2からの油抜作業に際しては、上記保持手段Yにより上記ケーシング2を所定位置で固定保持し、この状態で、上記穿孔手段Pによって上記ケーシング2の底部2cに孔24を穿設するとともに、上記加圧流体導入手段Qからケーシング2内に加圧流体を導入することで、該ケーシング2内に貯留された油Lは上記加圧流体の加圧作用により押し出されてその油抜作業が短時間で行われるものであり、ケーシング2の固定保持と、該ケーシング2への穿孔と、該ケーシング2への加圧流体の導入、及び該ケーシング2からの油Lの抜き取りという一連の油抜作業工程を単一の装置によって且つ上記ケーシング2を同一位置に固定したまま同時あるいは順次行うことができ、上記加圧流体の押し出し作用に基づく油Lの抜き取り時間の短縮化と相俟って、高い作業性が確保されるものである。 【0022】■ 本願の第6の発明にかかる圧縮機の油抜装置によれば、上記孔24を通して排出される上記油Lに吸引力を付与する吸引手段Wを備えているので、該吸引手段Wによる油Lの吸い出し作用により該油Lの抜き取りが促進されることから、上記■に記載の効果がさらに高められるものである。 【0023】また、この場合、本願の第7の発明のように、上記吸引手段Wを真空ポンプ13又はエゼクターポンプ14で構成すれば、これらが共に構造が簡単で且つ比較的安価であることからして、装置の低コスト化が促進されることになる。 【0024】さらに、本願の第8の発明のように、上記加圧流体導入手段Qを、上記吸入管5又は吐出管6に装着されるカプラ20を介して、又は上記吸入管5又は吐出管6にピアス工具25により形成されたピアス孔30を介して、上記ケーシング2内に加圧流体を導入する構成とすることで、より簡便に加圧流体を導入することが可能となり、作業性の向上という点において好ましい。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。 【0026】第1の実施形態図1には、請求項1,2及び3に記載の油抜方法の好適な実施形態を、また図2には、その油抜方法の実施に供するに好適な油抜装置Z1を、それぞれ示している。ここでは、先ず、図1を参照してこの実施形態にかかる油抜方法を説明し、しかる後、上記油抜装置Z1の具体的構造について説明する。 【0027】図1において、符号1は、例えば空調機の室外機から取り外された圧縮機1であって、該圧縮機1は密閉容器状のケーシング2内に、スクロール部3とモーター部4とで構成される圧縮機構部Xを内蔵配置するとともに、該ケーシング2の側周壁2aには吸入管5を、天壁2bには吐出管6をそれぞれ設けて構成される。また、上記ケーシング2内の底部には油L(油と液冷媒との混合液)が所定量貯留されており、このケーシング2内に貯留された油Lが抜き取り対象となるものである。 【0028】また、この実施形態においては、上記圧縮機1を室外機から取り外した時、油抜作業に先立って、上記吸入管5の管端を、例えば「カシメ」によって閉塞させている。 【0029】そして、上記圧縮機1のケーシング2内の油Lを抜き取るに際しては、先ず、加圧流体供給源11(例えば、圧縮機とか液体フロンを充填したボンベ等)から延びる管路16をカプラ20を介して上記吐出管6の管端に接続する(尚、この実施形態においては、管路16とカプラ20とによって特許請求の範囲中の「加圧流体導入手段Q」が構成される)。 【0030】次に、上記ケーシング2の底壁2cの外面側に、所要容積の空室41をもつシール機構部40の開口端40aを水密及び気密状態に衝合固定し該空室41を密閉室とする。尚、この場合、上記シール機構部40の壁部を貫通した状態でドリルユニット21のドリル22が水密及び気密状態に挿通され、該ドリル22の先端は上記ケーシング2の底壁2cに対向せしめられている(尚、この実施形態においては、上記ドリルユニット21が特許請求の範囲中の「穿孔手段P」に該当する)。さらに、上記シール機構部40の空室41は、管路18を介して油受器12に接続されるとともに、該油受器12はさらに管路19を介して真空ポンプ13に接続されており、該真空ポンプ13の真空吸引力が上記油受器12を介して上記空室41に作用し得る状態となっている(尚、この実施形態においては、上記シール機構部40と真空ポンプ13とによって特許請求の範囲中の「吸引手段W」が構成されている)。 【0031】かかる状態において、上記ドリルユニット21を作動させ、そのドリル22によって上記ケーシング2の底壁2cを穿孔し、ここに孔24を設ける。尚、上記ドリル22は、穿孔終了後、上記底壁2c側から抜き取られて上記孔24を上記空室41に開口させるが、依然として上記空室41内に残留し、該ドリル22と上記シール機構部40との間の水密及び気密状態を保持する。 【0032】上記孔24が開口されると、上記ケーシング2の底部に貯留された油Lは、該孔24を通して上記空室41側に排出されるが、その場合、上記加圧流体供給源11から上記吐出管6を介して上記ケーシング2内に加圧流体を導入し、該加圧流体の圧力によって上記油Lに押し出し作用を与える一方、上記真空ポンプ13を運転し、該真空ポンプ13の真空吸引力を上記空室41に作用させ、上記孔24から排出される油Lに吸い出し作用を付与する。 【0033】この結果、上記ケーシング2内の油Lは、その上面側に加圧流体による加圧力が作用すると同時に、上記孔24部分に上記真空ポンプ13による真空吸引力が作用することでその排出方向の前後における圧力差が大きくなることから、上記孔24を通してより迅速に排出され、順次上記油受器12に貯留されることになる。従って、例えば従来のように自重による自然落下作用のみで油抜を行う場合に比して、上記油Lの抜き取りがより短時間で完了し、それだけ油抜作業における作業性が格段に向上することになる。 【0034】尚、この実施形態においては、加圧流体の導入を上記吐出管6のみから行うようにしているが、かかる構造に代えて、例えば上記吸入管5のみから導入する構造、あるいは上記吐出管6と吸入管5の双方から導入する構造等も適宜採用し得るものである。 【0035】続いて、上記実施形態の油抜方法の実施に好適な油抜装置Z1の構造を図2を参照して説明する。 【0036】図2において、符号31はフレームであり、該フレーム31の上部には保持手段Yが備えられている。この保持手段Yは、上記フレーム31に固定された固定チャック爪32Aと該固定チャック爪32Aに対して接離方向に駆動される可動チャック爪32Bとからなるチャック具32と、該チャック具32の可動チャック爪32Bを駆動し且つ所定の押圧力を付与する押圧シリンダ33とで構成される。尚、この保持手段Yは、上記可動チャック爪32Bの移動方向(即ち、上記チャック具32の把持方向)が水平方向に対して略45°の角度をもつように傾斜配置される。 【0037】さらに、上記保持手段Yの上記チャック具32の下方位置には、上記フレーム31側に固定された支持台34に螺合されるとともにその先端には平板状の受台部36を備えた調整ボルト35が、上記チャック具32の把持方向に略直交する方向に向けて傾斜配置されている。 【0038】一方、上記フレーム31の下部には、上記穿孔手段Pを構成する上記ドリルユニット21がそのドリル22を略鉛直方向の上方へ指向させた状態で固定配置されている。尚、上記ドリル22はホルダー23によって支持されるとともに、昇降駆動部37によってその軸方向に進退駆動される。 【0039】さらに、上記ドリルユニット21のドリル22部分には、上記シール機構部40が配置されている。また、このシール機構部40は、管路18を介して油受器12に接続されるとともに、さらに管路19を介して上記真空ポンプ13に接続されている。尚、上記真空ポンプ13は、上記油受器12と同様に、上記フレーム31の適所に固定配置される。 【0040】また、上記フレーム31の適所には、上記加圧流体供給源11が固定配置されており、該加圧流体供給源11から延びる管路16の先端は、次述のカプラ20を介して上記圧縮機1の吐出管6に接続可能とされている。 【0041】この油抜装置Z1を使用して圧縮機1の油抜を行う場合の作業手順について説明すると、次の通りである。 【0042】先ず、上記チャック具32を開いた状態で、ここに室外機から取り外した圧縮機1をセットする。尚、この場合、上記圧縮機1は、上記吸入管5の管端を予め閉塞した状態でセットされる。 【0043】上記圧縮機1は、その側周壁2aを上記チャック具32の固定チャック爪32Aに当接させるとともに、その底壁2cを上記調整ボルト35の受台部36上に載置する。そして、この状態で、上記調整ボルト35の上方への突出量を調整し、これに支持される上記圧縮機1の軸方向のセット位置を決定する。しかる後、上記可動チャック爪32Bを作動させ、該可動チャック爪32Bと上記固定チャック爪32Aとによって上記圧縮機1の側周壁2aをその径方向両側から挟んでこれを固定保持する。 【0044】尚、この実施形態のものにおいては、上記圧縮機1のセット状態において、上記ケーシング2の底壁2c側の角部分が上記ドリル22に対応するように、該圧縮機1のセット位置を決定している。 【0045】次に、上記管路16の先端を上記カプラ20を介して上記圧縮機1の吐出管6の管端に接続するとともに、上記シール機構部40を上記ケーシング2の底部角部分に当接させてセットする。 【0046】しかる後、上記ドリルユニット21を作動させ、そのドリル22によって上記ケーシング2の底壁2cの角部分に穿孔し、ここに孔24を設けるとともに、穿孔完了後、上記ドリル22を後退させて上記孔24を上記空室41内に開放させる。そして、この状態で、上記加圧流体供給源11から上記吐出管6を介して上記ケーシング2内に加圧流体を導入し、該加圧流体の圧力によって上記油Lに押し出し作用を与えるとともに、上記真空ポンプ13を運転し、該真空ポンプ13の真空吸引力を上記空室41に作用させ、上記孔24から排出される油Lに吸い出し作用を付与する。 【0047】この結果、上記ケーシング2内の油Lは、その上面側に加圧流体による加圧力が作用すると同時に、上記孔24部分に上記真空ポンプ13による真空吸引力が作用することで、より短時間で上記油受器12側に抜き取られ、高い作業性の下で油抜作業が行われることになる。 【0048】このように、この実施形態の油抜装置Z1においては、ケーシング2の固定保持から、該ケーシング2への穿孔加工及び該ケーシング2への加圧流体の導入を経て、該ケーシング2から油Lを抜き取るまでの一連の油抜作業工程が単一の装置によって且つ上記ケーシング2を同一位置に固定したまま同時あるいは順次行うことができるので、上記加圧流体の押し出し作用及び上記真空ポンプ13の真空吸引力による吸い出し作用とに基づく油Lの抜き取り時間の短縮化と相俟って、より一層高い作業性が確保されるものである。 【0049】第2の実施形態図3には、請求項1,2及び4に記載の油抜方法の好適な実施形態を、また図4には、その油抜方法の実施に供するに好適な油抜装置Z2を、それぞれ示している。ここでは、先ず、図3を参照してこの実施形態にかかる油抜方法を説明し、しかる後、上記油抜装置Z2の具体的構造について説明する。 【0050】図3において、符号1は、例えば空調機の室外機から取り外された圧縮機1であって、該圧縮機1は密閉容器状のケーシング2内に、スクロール部3とモーター部4とで構成される圧縮機構部Xを内蔵配置するとともに、該ケーシング2の側周壁2aには吸入管5を、天壁2bには吐出管6をそれぞれ設けて構成される。また、上記ケーシング2内の底部には油L(油と液冷媒との混合液)が所定量貯留されており、このケーシング2内に貯留された油Lが抜き取り対象となるものである。 【0051】また、この実施形態においては、上記圧縮機1を室外機から取り外した時、油抜作業に先立って、上記吸入管5及び吐出管6の管端を、例えば「カシメ」によってそれぞれ閉塞させている。 【0052】そして、上記圧縮機1のケーシング2内の油Lを抜き取るに際しては、先ず、加圧流体供給源11(例えば、圧縮機とか液体フロンを充填したボンベ等)から延びる管路16を次述するピアス工具25を介して上記吐出管6の管端に接続する(この実施形態においては、管路16とピアス工具25とによって特許請求の範囲中の「加圧流体導入手段Q」が構成される)。 【0053】尚、上記ピアス工具25は、図5に示すように、上記吐出管6の外側に配置可能な半円弧形態をもつフレーム27の一端側に締込ボルト28を螺合させるとともに、該フレーム27の他端側には先端26aが尖頭筒状とされた穿孔具26を取り付けて構成される。そして、上記穿孔具26の先端26aを上記吐出管6の外周面に当接させた状態で上記締込ボルト28をネジ込むと、上記穿孔具26の先端26aが上記吐出管6の管壁を破ってその内部に突入し、該管壁にピアス孔30が形成される。従って、上記吐出管6の内部は上記穿孔具26の内部を通して外部に連通する。このため、この穿孔具26の端部2bに上記管路16を接続し且つこれを締着具29で固定することで、上記加圧流体供給源11からの加圧流体を上記吐出管6を通して上記ケーシング2内に導入することができることになる。 【0054】次に、上記ケーシング2の底壁2cの外面側に、所要容積の空室41をもつシール機構部40の開口端40aを水密及び気密状態に衝合固定し該空室41を密閉室とする。尚、この場合、上記シール機構部40の壁部を貫通した状態でドリルユニット21のドリル22が水密及び気密状態に挿通され、該ドリル22の先端は上記ケーシング2の底壁2cに対向せしめられている(尚、この実施形態においては、上記ドリルユニット21が特許請求の範囲中の「穿孔手段P」に該当する)。 【0055】さらに、上記シール機構部40の空室41は、管路18を介して油受器12に接続されるが、その場合、この管路18の途中にエゼクターポンプ14が設けられ、該エゼクターポンプ14には管路17を介して上記加圧流体供給源11から加圧流体が作動流体として供給されるようになっている。尚、この実施形態においては、上記シール機構部40と上記エゼクターポンプ14とによって特許請求の範囲中の「吸引手段W」が構成される。 【0056】かかる状態において、上記ドリルユニット21を作動させ、そのドリル22によって上記ケーシング2の底壁2cを穿孔し、ここに孔24を設ける。尚、上記ドリル22は、穿孔終了後、上記底壁2c側から抜き取られて上記孔24を上記空室41に開口させるが、依然として上記空室41内に残留し、該ドリル22と上記シール機構部40との間の水密及び気密状態を保持する。 【0057】上記孔24が開口されると、上記ケーシング2の底部に貯留された油Lは、該孔24を通して上記空室41側に排出されるが、その場合、上記加圧流体供給源11から上記吐出管6を介して上記ケーシング2内に加圧流体を導入し、該加圧流体の圧力によって上記油Lに押し出し作用を与える一方、上記エゼクターポンプ14においては上記加圧流体供給源11からの加圧流体が作動流体となって上記管路18を通る油Lに吸引力が作用し該油Lに吸い出し作用を与える。 【0058】この結果、上記ケーシング2内の油Lは、その上面側に加圧流体による加圧力が作用すると同時に、上記エゼクターポンプ14において吸引力が作用することで上記孔24を通してより迅速に排出され、順次上記油受器12に貯留されることになる。従って、例えば従来のように自重による自然落下作用のみで油抜を行う場合に比して、上記油Lの抜き取りがより短時間で完了し、それだけ油抜作業における作業性が格段に向上することになる。 【0059】尚、この実施形態においては、加圧流体の導入を上記吐出管6のみから行うようにしているが、かかる構造に代えて、例えば上記吸入管5のみから導入する構造、あるいは上記吐出管6と吸入管5の双方から導入する構造等も適宜採用し得るものである。 【0060】続いて、上記実施形態の油抜方法の実施に好適な油抜装置Z2の構造を図4を参照して説明する。 【0061】図4において、符号31はフレームであり、該フレーム31の上部には保持手段Yが備えられている。この保持手段Yは、上記フレーム31に固定された固定チャック爪32Aと該固定チャック爪32Aに対して接離方向に駆動される可動チャック爪32Bとからなるチャック具32と、該チャック具32の可動チャック爪32Bを駆動し且つ所定の押圧力を付与する押圧シリンダ33とで構成される。尚、この保持手段Yは、上記可動チャック爪32Bの移動方向(即ち、上記チャック具32の把持方向)が水平方向に対して略45°の角度をもつように傾斜配置される。 【0062】さらに、上記保持手段Yの上記チャック具32の下方位置には、上記フレーム31側に固定された支持台34に螺合されるとともにその先端には平板状の受台部36を備えた調整ボルト35が、上記チャック具32の把持方向に略直交する方向に向けて傾斜配置されている。 【0063】一方、上記フレーム31の下部には、上記穿孔手段Pを構成する上記ドリルユニット21がそのドリル22を略鉛直方向の上方へ指向させた状態で固定配置されている。尚、上記ドリル22はホルダー23によって支持されるとともに、昇降駆動部37によってその軸方向に進退駆動される。 【0064】さらに、上記ドリルユニット21のドリル22部分には、上記シール機構部40が配置されている。また、このシール機構部40は、管路18を介して油受器12に接続されるとともに、該管路18の途中には上記エゼクターポンプ14が設けられ、該エゼクターポンプ14には管路17を介して上記加圧流体供給源11から加圧流体が作動流体として供給される。 【0065】また、上記フレーム31の適所には、上記加圧流体供給源11が固定配置されており、該加圧流体供給源11から延びる管路16の先端は、上記ピアス工具25を介して上記圧縮機1の吐出管6に接続可能とされている。 【0066】この油抜装置Z2を使用して圧縮機1の油抜を行う場合の作業手順について説明すると、次の通りである。 【0067】先ず、上記チャック具32を開いた状態で、ここに室外機から取り外した圧縮機1をセットする。尚、この場合、上記圧縮機1は、予め上記吸入管5と吐出管6の管端を共に閉塞した状態でセットされる。 【0068】上記圧縮機1は、その側周壁2aを上記チャック具32の固定チャック爪32Aに当接させるとともに、その底壁2cを上記調整ボルト35の受台部36上に載置する。そして、この状態で、上記調整ボルト35の上方への突出量を調整し、これに支持される上記圧縮機1の軸方向のセット位置を決定する。しかる後、上記可動チャック爪32Bを作動させ、該可動チャック爪32Bと上記固定チャック爪32Aとによって上記圧縮機1の側周壁2aをその径方向両側から挟んでこれを固定保持する。 【0069】尚、この実施形態のものにおいては、上記圧縮機1のセット状態において、上記ケーシング2の底壁2c側の角部分が上記ドリル22に対応するように、該圧縮機1のセット位置を決定している。 【0070】次に、上記管路16の先端を上記ピアス工具25によって上記圧縮機1の吐出管6の管端に接続するとともに、上記シール機構部40を上記ケーシング2の底部角部分に当接させてセットする。 【0071】しかる後、上記ドリルユニット21を作動させ、そのドリル22によって上記ケーシング2の底壁2cの角部分に穿孔し、ここに孔24を設けるとともに、穿孔完了後、上記ドリル22を後退させて上記孔24を上記空室41内に開放させる。そして、この状態で、上記加圧流体供給源11から上記吐出管6を介して上記ケーシング2内に加圧流体を導入し、該加圧流体の圧力によって上記油Lに押し出し作用を与えるとともに、上記加圧流体供給源11から上記エゼクターポンプ14にも加圧流体を供給し該エゼクターポンプ14部分に吸引力を作用させて上記孔24から排出される油Lに吸い出し作用を付与する。 【0072】この結果、上記ケーシング2内の油Lは、その上面側に加圧流体による加圧力が作用すると同時に、上記孔24部分に上記エゼクターポンプ14による吸引力が作用することで、より短時間で上記油受器12側に抜き取られ、高い作業性の下で油抜作業が行われることになる。 【0073】このように、この実施形態の油抜装置Z2においては、ケーシング2の固定保持から、該ケーシング2への穿孔加工及び該ケーシング2への加圧流体の導入を経て、該ケーシング2から油Lを抜き取るまでの一連の油抜作業工程が単一の装置によって且つ上記ケーシング2を同一位置に固定したまま同時あるいは順次行うことができるので、上記加圧流体の押し出し作用及び上記真空ポンプ13の真空吸引力による吸い出し作用とに基づく油Lの抜き取り時間の短縮化と相俟って、より一層高い作業性が確保されるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月3日(1999.3.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075731 【弁理士】 【氏名又は名称】大浜 博
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| 【公開番号】 |
特開2000−257995(P2000−257995A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−54940 |
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