| 【発明の名称】 |
熱交換装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 悦郎
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| 【要約】 |
【課題】より冷却効率のよい熱交換装置を提供することにある。
【解決手段】一対のヘッダーパイプ21、22を接続する複数の熱交換管3を有する凝縮器1と、この凝縮器1で次第に液化した熱媒体の気液分離を行う受液器10とを備えたものであって、熱交換管3は、受液器10の上流側に配置されたコンデンサーパス部31a,31bと、受液器10に対して下流側に配置されたサブクールパス部32a、32bとを備えた構成になっており、サブクールパス部32a、32bは、熱媒体が連続的に流れることを前提とし、一対のヘッダーパイプ21、22間を所定の方向に1回延在するのを1パスとした場合に、少なくとも2パス設け、これによって冷却効率の向上を図ったものとなっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対のヘッダーパイプを接続するように配置された複数の熱交換管を有する凝縮器と、この凝縮器で次第に液化した熱媒体の気液分離を行う受液器とを備えた熱交換装置であって、上記凝縮器における熱交換管は、上記受液器に対して上流側に配置されたコンデンサーパス部と、同受液器に対して下流側に配置されたサブクールパス部とを備えた構成になっており、上記サブクールパス部は、熱媒体が連続的に流れることを前提とし、一対のヘッダーパイプ間を所定の方向に1回延在するのを1パスとした場合に、少なくとも2パス設けられていることを特徴とする熱交換装置。 【請求項2】 サブクールパス部における熱交換管の断面積は、コンデンサーパス部における熱交換管の断面積より小さくなっていることを特徴とする請求項1記載の熱交換装置。 【請求項3】 サブクールパス部における熱交換管の断面積は、下流側に位置するサブクールパス部ほど小さくなっていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車や家屋等に設置する空調設備に適用されたものであって、熱媒体を液化する際に使用される熱交換装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、自動車や家屋等の冷暖房機として使用される空調システムは、図2に示すように、圧縮機a、凝縮器b、受液器c、膨張弁d及び蒸発器eを備えたものが知られている。また、図においてfはこれらを順次接続する配管である。このように構成される空調システムACにおいては、圧縮機aから吐出された高温高圧のガス状熱媒体が凝縮器bを通過する間に、被熱交換流体例えば空気との間で熱交換を行って潜熱を放出することにより、凝縮して液化し始める。このようにして液化した高温の熱媒体は、一旦受液器cに貯留されながら気液分離されて、液体のみが膨張弁dに送られ、膨張弁dにて図示しない小孔から噴射させることにより、断熱膨張されて低温低圧の霧状となって蒸発器eに送られる。 【0003】この蒸発器e内で、熱媒体は被熱交換流体例えば空気と熱交換を行って潜熱を吸収することにより、蒸発して気化する。このようにして気化した低温低圧の熱媒体は、上記圧縮機aに送られて断熱圧縮され、高温高圧のガス状熱媒体となって再び凝縮器bへ送られる。このような一連のサイクルを繰り返すことによって、空調システムACを冷房・暖房に供することができる。 【0004】上記凝縮器b及び受液器cは、熱媒体を液化する過程で使用される熱交換装置を構成しており、図3に示すように一体的に組み立てられたものとなっている。即ち、凝縮器bは、第1及び第2のヘッダーパイプb1、b2と、これらのヘッダーパイプb1、b2を接続するように設けられた複数の熱交換管b3と、この熱交換管b3に取り付けられた冷却フィンb4を備えている。また、最外位置の冷却フィンb4には、同冷却フィンb4の外周部を保護するサイドプレートb5が設けられている。 【0005】また、凝縮器bは、熱交換管b3として種々の本数を有するものが採用されているが、例えば図3に示すような18本の熱交換管b3を備えたものであると、流入口g1から第1のヘッダーパイプb1に流入した気体状の熱媒体がまず上側の6本の熱交換管b3に流入するようになっている。即ち、上側6本の熱交換管b3によって、第1コンデンサーパス部b6が構成されている。この第1コンデンサーパス部b6を通過した熱媒体は、第2のヘッダーパイプb2で合流後向きを変えて、更に下側の6本の熱交換管b3を通って第1のヘッダーパイプb1に戻るようになっている。即ち、下側の6本の熱交換管b3によって、第2コンデンサーパス部b7が構成されている。第1のヘッダーパイプb1には、第1コンデンサーパス部b6と第2コンデンサーパス部b7との境に仕切板b8が設けられているため、第1コンデンサーパス部b6を通る前の熱媒体と第2コンデンサーパス部b7を通った後の熱媒体とが混ざることがない。 【0006】気体状の熱媒体は、第1及び第2コンデンサーパス部b6、b7を通る間に冷却されて、次第に液化されることになる。そして、この気液混合された熱媒体は、受液器cに入ることによって気液分離され、液体状の熱媒体が第2コンデンサーパス部b7の下側に配置された6本の熱交換管b3を通って第2のヘッダーパイプb2に流れるようになっている。即ち、第2コンデンサーパス部b7の下側の6本の熱交換管b3によって液状の熱媒体を通すサブクールパス部b9が構成されている。 【0007】また、第1のヘッダーパイプb1には、受液器cに入る前の部分と同受液器cから出た後の部分を仕切る仕切板b10が設けられているため、受液器cの前後で熱媒体が混ざることがない。更に、第2のヘッダーパイプb2には、第2コンデンサーパス部b7とサブクールパス部b9との境に仕切板b11が設けられているため、第2コンデンサーパス部b7を通る前の熱媒体とサブクールパス部b9を通った後の熱媒体とが混ざることがない。そして、サブクールパス部b9を通った後の熱媒体は、第2のヘッダーパイプb2における流出口g2を介して膨張弁dに送られるようになっている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記凝縮器bと受液器cとを備えた熱交換装置においては、サブクールパス部b9に、液体のみの熱媒体が流れているものと思われており、これを前提とした設計がなされてきた。しかし、種々の実験等を繰り返すうち、実際にはサブクールパス部にも気体状の熱媒体が含まれていることがわかってきた。そして、この点を考慮した設計を行うことにより、より冷却効率のよい熱交換装置を開発することができるという知見を得た。 【0009】この発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、より冷却効率のよい熱交換装置を提供することを課題としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、一対のヘッダーパイプを接続するように配置された複数の熱交換管を有する凝縮器と、この凝縮器で次第に液化した熱媒体の気液分離を行う受液器とを備えた熱交換装置であって、 上記凝縮器における熱交換管は、上記受液器に対して上流側に配置されたコンデンサーパス部と、同受液器に対して下流側に配置されたサブクールパス部とを備えた構成になっており、 上記サブクールパス部は、熱媒体が連続的に流れることを前提とし、一対のヘッダーパイプ間を所定の方向に1回延在するのを1パスとした場合に、少なくとも2パス設けられていることを特徴とする。 【0011】このように構成することにより、受液器から流出した後の熱媒体がサブクールパス部を少なくとも2パス分流れることになり、熱媒体が熱交換管を通過する距離が長くなる。このため、熱媒体を十分に冷却することができると共に、冷却効率の向上を図ることができる。即ち、受液器を通過後の熱媒体であっても、気体成分をある程度含んでいるため、その気体成分が熱交換管に接触する部分ではサブクールが取れない状態になる。しかし、サブクールパス部の区間が長くなることにより、ある程度残っていた気体状の熱媒体が完全に液化し、この液体成分のみとなった熱媒体が熱交換管に接触することになるので、完全にサブクールを取ることができ、蒸発器の冷却効率向上を図ることができる。 【0012】また、例えば、サブクールパス部を2パス設けた場合には、受液器側から例えば膨張弁に簡単に接続することができる。即ち、装置のコンパクト化を図るために、空調システムに関する部品の集約化が行われるが、その場合、受液器の次のサイクル位置となる膨張弁を受液器の近傍に配置することが行われる。しかし、サブクールパス部を1パスしか設けていなければ、受液器から出た熱媒体がこの受液器とは反対側のヘッダーパイプに流れてしまうので、このヘッダーパイプから受液器側に戻すような長い配管が必要になる。この点、サブクールパス部を2パス設けた場合には、受液器側のヘッダーパイプから膨張弁に直接又はきわめて短い配管を用いて接続することができるので、受液器側から膨張弁に簡単に接続することができると共に、装置のコンパクト化、部品点数の低減、コストの低減等を図ることができる。なお、サブクールパス部を4以上の偶数パス設けた場合も同様の作用効果を奏する。 【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、サブクールパス部における熱交換管の断面積は、コンデンサーパス部における熱交換管の断面積より小さくなっていることを特徴とする。 【0014】このように構成することにより、体積の大きい気体状の熱媒体が断面積の大きなコンデンサーパス部を流れ、凝縮により体積が急激に小さくなったほぼ液状の熱媒体が断面積の小さなサブクールパス部を流れることになる。このため、サブクールパス部では、液体状の熱媒体が熱交換管に接触する面積が増加することになるので、熱伝達率が向上し、冷却効率の向上を図ることができる。従って、サブクールパス部において、例えば熱交換管の本数を減らすことによって、熱交換管の断面積を小さくしも、冷却能力が低下するのを防止することができる。また、サブクールパス部で熱交換管の本数を減らした分、コンデンサーパス部の熱交換管の本数を増やすことによって、冷却能力をかえって向上させることができる。更に、熱媒体が液化することによって、その体積が急激に低下するので、サブクールパス部の熱交換管の断面積が小さくなっても、流路抵抗が大きくなることがない。 【0015】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、サブクールパス部における熱交換管の断面積は、下流側に位置するサブクールパス部ほど小さくなっていることを特徴とする。 【0016】このように構成することにより、受液器を通過後であっても気体成分を比較的多く含む体積の大きな熱媒体が断面積の大きな上流側のサブクールパス部を流れ、この上流側のサブクールパス部で冷却され、気体成分が減少した体積の小さな熱媒体が断面積の小さな下流側のサブクールパス部を流れることになる。このため、下流側のサブクールパス部では、液体状の熱媒体が熱交換管に接触する面積が増加することになるので、熱伝達率が向上し、冷却効率の向上を図ることができる。従って、下流側のサブクールパス部において、例えば熱交換管の本数を減らすことによって、熱交換管の断面積を小さくしも、冷却能力が低下するのを防止することができる。また、下流側のサブクールパス部で熱交換管の本数を減らした分、上流側のサブクールパス部の熱交換管の本数を増やすことによって、冷却能力をかえって向上させることができる。更に、気体成分として残った熱媒体が液化することによって、その体積が急激に低下するので、下流側のサブクールパス部の熱交換管の断面積が小さくなっても、流路抵抗が大きくなることがない。 【0017】 【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは自動車等の空調機器に使用される、パラレルフロー型の凝縮器と、この凝縮器に一体的にろう付接合した受液器とを備えた熱交換装置について説明する。 【0018】凝縮器1は、図1に示すように、一対のものとして平行に配置された第1及び第2のヘッダーパイプ21、22と、これらへッダーパイプ21、22間に平行に架設される複数の熱交換管3と、各熱交換管3の間にあって、これらの熱交換管3に一体的にろう付接合される熱交換用フィン例えばコルゲートフィン4とで主に構成されている。 【0019】第1及び第2のヘッダーパイプ21、22は、例えばアルミニウム製の押出形材にて略円筒状に形成されており、その上下端部にはキャップ部材5が被着固定されている。また、第1のヘッダーパイプ21(図1の右側)には、その上端近傍に熱媒体の流入口7が設けられており、その下端近傍に熱媒体の流出口8が設けられている。更に、第1のヘッダーパイプ21には、受液器10がろう付により一体的に接合されている。そして、第1のヘッダーパイプ21及び受液器10には、第1のヘッダーパイプ21から受液器10への熱媒体の流入を可能にする流入孔(貫通孔)9aと、受液器10から第1のヘッダーパイプ21への熱媒体の流出を可能にする流出孔(貫通孔)9bが形成されている。 【0020】上記熱交換管3は、アルミニウム製の押出形材にて例えば偏平な筒状に形成されており、その内部には長手方向に向かって貫通する複数に区画された熱媒体の流路(図示せず)が形成されている。このように形成される熱交換管3は、複数(この実施形態では18本)のものが各ヘッダーパイプ21、22に掛け渡すように接続されている。即ち、熱交換管3の各端部は、各ヘッダーパイプ21、22の対向する側壁部に、適宜間隔をおいて互いに平行に配列されたスリット(図示せず)に挿入されて、ろう付により接合されている。 【0021】また、コルゲートフィン4は、アルミニウム製の板材を屈曲することにより、第1及び第2のヘッダーパイプ21、22の間にわたって連続波形状に形成したものであり、各熱交換管3にろう付されている。この場合、最上段及び最下段に配設された熱交換管3の外方側にもコルゲートフィン4がろう付接合されており、これらの両コルゲートフィン4を保護するために、両コルゲートフィン4の更に外方側にはサイドプレート6がろう付接合されている。 【0022】そして、凝縮器1は、流入口7から第1のヘッダーパイプ21に流入した気体状の熱媒体がまず上側の7本の熱交換管3に流入するようになっている。即ち、上側7本の熱交換管3によって、第1コンデンサーパス部31aが構成されている。この第1コンデンサーパス部31aを並列に通過した熱媒体は、第2のヘッダーパイプ22で合流後向きを変えて、更に下側の5本の熱交換管3を並列に通過して第1のヘッダーパイプ21に戻るようになっている。即ち、下側の5本の熱交換管3によって、第2コンデンサーパス部31bが構成されている。 【0023】また、第1のヘッダーパイプ21には、第1コンデンサーパス部31aと第2コンデンサーパス部31bとの境に仕切板21aが設けられているため、第1コンデンサーパス部31aを通る前の熱媒体と第2コンデンサーパス部31bを通った後の熱媒体とが混ざることがない。そして、第1コンデンサーパス部31aと第2コンデンサーパス部31bとは、直列に接続されており、第1コンデンサーパス部31aを流れた後の熱媒体が連続して第2コンデンサーパス部31bに流れるようになっている。 【0024】流入口7から流入した気体状の熱媒体は、第1及び第2コンデンサーパス部31a、31bを通る間に冷却されて、次第に液化されることになる。そして、この気液混合された熱媒体は、第1のヘッダーパイプ21から流入孔9aを介して受液器10に流入し、この受液器10で気液分離されてほぼ液体状となった熱媒体が受液器10から流出孔9bを介して再び第1のヘッダーパイプ21に流出するようになっている。受液器10は、熱媒体の気液分離を行うと共に、その内部に設けた図示しないフィルタ及び乾燥剤によって、熱媒体の浄化及び湿気の除去を行うようになっている。 【0025】受液器10から流出後の熱媒体は、第2コンデンサーパス部31bの下側に配置された4本の熱交換管3を通って第2のヘッダーパイプ22に流れるようになっている。即ち、第2コンデンサーパス部31bの下側の4本の熱交換管3によって、受液器10を通過後の熱媒体を通す第1サブクールパス部32aが構成されている。 【0026】また、第1のヘッダーパイプ21には、流入孔9aと流出孔9bとの間に仕切板21bが設けられているため、受液器10に流入前の熱媒体と受液器10から流出後の熱媒体とが混ざることがない。更に、第2のヘッダーパイプ22には、第2コンデンサーパス部31bと第1サブクールパス部32aとの境に仕切板22aが設けられているため、第2コンデンサーパス部31bを通る前の熱媒体と第1サブクールパス部32aを通った後の熱媒体とが混ざることがない。 【0027】第1サブクールパス部32aを並列に通過した熱媒体は、第2のヘッダーパイプ22で合流後向きを変えて、更に下側の2本の熱交換管3を並列に通過して第1のヘッダーパイプ21に戻るようになっている。即ち、下側の2本の熱交換管3によって、第2サブクールパス部32bが構成されている。また、第1のヘッダーパイプ21には、第1サブクールパス部32aと第2サブクールパス部32bとの境に仕切板21cが設けられているため、第1サブクールパス部32aを通る前の熱媒体と第2サブクールパス部32bを通った後の熱媒体とが混ざることがない。そして、第1サブクールパス部32aと第2サブクールパス部32bとは、直列に接続されており、第1サブクールパス部32aを流れた後の熱媒体が連続して第2サブクールパス部32bに流れるようになっている。 【0028】第2サブクールパス部32bを通過した熱媒体は、第2のヘッダーパイプ21における流出口8を介して膨張弁d(図2参照)に送られるようになっている。 【0029】また、上記各パス部31a、31b、32a、32bは、連続的につながっており、第1及び第2のヘッダーパイプ21、22間を一回移動するのを1パスとすると、合計4パスのもので構成されている。即ち、受液器10の上流側においては、第1コンデンサーパス部31aと第2コンデンサーパス部31bとの2パスのもので構成されており、受液器10の下流側においては、第1サブクールパス部32aと第2サブクールパス部32bとの2パスのもので構成されている。 【0030】また、各パス部31a、31b、32a、32bにおける熱交換管3の断面積、即ち熱媒体が一度に通過する熱交換管3の合計断面積は、熱交換管b3の本数に比例して、下流側のパス部にいくほど小さくなっている。例えば、第1コンデンサーパス部31aの熱交換管3の断面積を1とした場合、第2コンデンサーパス部31bの熱交換管3の断面積は5/7、第1サブクールパス部32aの熱交換管3の断面積は4/7、第2サブクールパス部32bの熱交換管3の断面積は2/7になっている。ここでは、断面積の変更を同一径パイプの本数を変えることによって行っているが、同一径パイプによる場合の他に、異なるパイプ径によって断面積を変更してもよい。 【0031】上記のように構成された熱交換装置においては、流入口7から流入した気体状の熱媒体が第1及び第2コンデンサーパス部31a、31bを通る間に冷却されて徐々に液体となる。即ち、体積が大きな気体状の熱媒体が断面積の大きな第1コンデンサーパス部31aを主として流れ、液化により急激に体積が小さくなった気液混合状態の熱媒体が断面積の小さな第2コンデンサーパス部31bを主として流れることになる。このため、第2コンデンサーパス部31bでは、気体状の熱媒体が熱交換管3に接触する面積が増加することになるので、熱伝達率が向上し、冷却効率の向上を図ることができる。従って、第2コンデンサーパス部31bにおける熱交換管3の断面積を小さくしも、冷却能力が低下するのを防止することができる。むしろ、第2コンデンサーパス部31bで熱交換管3の本数を減らした分、第1コンデンサーパス部31aの熱交換管3の本数を増やすことができるので、冷却能力の向上を図ることができる。更に、熱媒体が液化することによって、その体積が急激に低下するので、第2コンデンサーパス部31bの熱交換管3の断面積が小さくなっても、流路抵抗が大きくなることがない。 【0032】また、第2コンデンサーパス部31bと第1サブクールパス部32aとの関係においても、上記第1コンデンサーパス部31aと第2コンデンサーパス部31bとの関係によって生じる作用効果を奏することができる。 【0033】一方、受液器10を流出後の熱媒体は、第1及び第2サブクールパス部32a、32bを流れるようになっており、熱交換管3を通過する距離が従来のものより2倍長くなっている。このため、熱媒体3を十分に冷却することができると共に、冷却効率の向上を図ることができる。即ち、受液器10を通過後の熱媒体であっても、ある程度気体成分を含んでいるため、その気体成分が熱交換管3に接触する部分ではサブクールを取れない状態になる。しかし、熱交換管3が2パス分設けられていて冷却区間が長くなっているので、ある程度残ってしまった気体状の熱媒体も完全に液化することができ、この液体のみの熱媒体が熱交換管に接触する区間を長くすることができる。従って、サブクールを確実に取ることができ、冷却効率の向上を図ることができる。 【0034】また、サブクールパス部を第1及び第2サブクールパス部32a、32bの2パス設けているので、受液器10側から膨張弁d(図2参照)に簡単に接続することができる。即ち、装置のコンパクト化を図るために、空調システムに関する部品の集約化が行われるが、その場合、受液器10の次のサイクル位置となる膨張弁dを受液器10の近傍に配置することが行われる。しかし、サブクールパス部を1パスしか設けていなければ、受液器10から出た熱媒体がこの受液器10とは反対側の第2のヘッダーパイプ22に流れてしまうので、このヘッダーパイプ22から受液器10側に戻すような長い配管(例えば、図3に示す配管f)が必要になる。この点、本実施形態ではサブクールパス部を2パス設けているので、受液器10側の第1のヘッダーパイプ21から流出口8を介して膨張弁dに直接又はきわめて短い配管を用いて接続することができる。従って、受液器10側から膨張弁dに簡単に接続することができると共に、装置のコンパクト化、部品点数の低減、コストの低減等を図ることができる。なお、サブクールパス部を4以上の偶数パス設けた場合も同様の作用効果を奏する。 【0035】更に、受液器10の下流側においては、受液器10を通過後の気体成分を比較的多く含む体積の大きな熱媒体が断面積の大きな第1サブクールパス部32aを主として流れ、この第1サブクールパス部32aで冷却され、気体成分が液化した体積の小さな熱媒体が断面積の小さな第2サブクールパス部32bを主として流れることになる。このため、特に、第2サブクールパス部32bでは、液体状の熱媒体が熱交換管3に接触する面積が増加することになるので、熱伝達率が向上し、冷却効率の向上を図ることができる。従って、下流側の第2サブクールパス部32bにおける熱交換管3の断面積を小さくしも、冷却能力が低下するのを防止することができる。また、第2サブクールパス部32bで熱交換管3の本数を減らした分、上流側の第1サブクールパス部32aの熱交換管3の本数を増やすことによって、冷却能力をかえって向上させることができる。更に、気体成分として残った熱媒体が液化することによって、その体積が急激に低下するので、第2サブクールパス部32bの熱交換管3の断面積が小さくなっても、流路抵抗が大きくなることがない。 【0036】また、熱交換管3として18本のものを採用し、放熱面積が従来例のものと同一になるように構成しているが、熱媒体のサブクールが大きくなるのを考慮して、蒸発器の冷却効率の向上を図っているので、冷却能力を従来例のものより向上させることができる。 【0037】なお、上記実施形態では、熱交換管3の本数を18に設定し、各パス部31a、31b、32a、32bの熱交換管3の本数をそれぞれ7、5、4、2のように設定したが、これに限定するものでないことはいうまでもない。例えば、第1コンデンサーパス部31aにおける7本の熱交換管3を従来例のように6本に減らしても、従来例以上の冷却能力を発揮することができる。そして、この場合には熱交換装置の小型化を図ることができる。また、第2サブクールパス部32bにおける熱交換管3の本数を3にしてもよい。 【0038】また、コンデンサーパス部やサブクールパス部をそれぞれ2パス分だけ設けるように構成したが、更に多く設けるように構成してもよいことはいうまでもない。 【0039】 【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような優れた効果が得られる。 【0040】(1)請求項1記載の発明によれば、受液器から流出した後の熱媒体がサブクールパス部を少なくとも2パス分流れることになり、熱媒体が熱交換管を通過する時間及び距離が長くなる。このため、熱媒体を十分に冷却することができると共に、冷却効率の向上を図ることができる。即ち、受液器を通過後の熱媒体であっても、気体成分をある程度含んでいるため、その気体成分が熱交換管に接触する部分ではサブクールが取れない状態になる。しかし、サブクールパス部の区間が長くなることにより、ある程度残っていた気体状の熱媒体が完全に液化し、この液体成分のみとなった熱媒体が熱交換管に接触することになるので、サブクールが広がり、蒸発器の冷却効率の向上を図ることができる。 【0041】また、例えば、サブクールパス部を2パス設けた場合には、受液器側から例えば膨張弁に簡単に接続することができる。即ち、装置のコンパクト化を図るために、空調システムに関する部品の集約化が行われるが、その場合、受液器の次のサイクル位置となる膨張弁を受液器の近傍に配置することが行われる。しかし、サブクールパス部を1パスしか設けていなければ、受液器から出た熱媒体がこの受液器とは反対側のヘッダーパイプに流れてしまうので、このヘッダーパイプから受液器側に戻すような長い配管が必要になる。この点、サブクールパス部を2パス設けた場合には、受液器側のヘッダーパイプから膨張弁に直接又はきわめて短い配管を用いて接続することができるので、受液器側から膨張弁に簡単に接続することができると共に、装置のコンパクト化、部品点数の低減、コストの低減等を図ることができる。なお、サブクールパス部を4以上の偶数パス設けた場合も同様の作用効果を奏する。 【0042】(2)請求項2記載の発明によれば、体積の大きい気体状の熱媒体が断面積の大きなコンデンサーパス部を流れ、凝縮により体積が急激に小さくなったほぼ液状の熱媒体が断面積の小さなサブクールパス部を流れることになる。このため、サブクールパス部では、液体状の熱媒体が熱交換管に接触する面積が増加することになるので、熱伝達率が向上し、冷却効率の向上を図ることができる。従って、サブクールパス部において、例えば熱交換管の本数を減らすことによって、熱交換管の断面積を小さくしも、冷却能力が低下するのを防止することができる。また、サブクールパス部で熱交換管の本数を減らした分、コンデンサーパス部の熱交換管の本数を増やすことによって、冷却能力をかえって向上させることができる。更に、熱媒体が液化することによって、その体積が急激に低下するので、サブクールパス部の熱交換管の断面積が小さくなっても、流路抵抗が大きくなることがない。 【0043】(3)請求項3記載の発明によれば、受液器を通過後であっても気体成分を比較的多く含む体積の大きな熱媒体が断面積の大きな上流側のサブクールパス部を流れ、この上流側のサブクールパス部で冷却され、気体成分が減少した体積の小さな熱媒体が断面積の小さな下流側のサブクールパス部を流れることになる。このため、下流側のサブクールパス部では、液体状の熱媒体が熱交換管に接触する面積が増加することになるので、熱伝達率が向上し、冷却効率の向上を図ることができる。従って、下流側のサブクールパス部において、例えば熱交換管の本数を減らすことによって、熱交換管の断面積を小さくしも、冷却能力が低下するのを防止することができる。また、下流側のサブクールパス部で熱交換管の本数を減らした分、上流側のサブクールパス部の熱交換管の本数を増やすことによって、冷却能力をかえって向上させることができる。更に、気体成分として残った熱媒体が液化することによって、その体積が急激に低下するので、下流側のサブクールパス部の熱交換管の断面積が小さくなっても、流路抵抗が大きくなることがない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004743 【氏名又は名称】日本軽金属株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月11日(1999.3.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096644 【弁理士】 【氏名又は名称】中本 菊彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−257989(P2000−257989A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−64548 |
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