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【発明の名称】 排熱利用吸収冷温水機の運転方法
【発明者】 【氏名】泉 雅士

【氏名】榎本 英一

【要約】 【課題】休止中の吸収冷温水機の高温再生器で吸収液が結晶化しないように、高温の排ガスや冷却水が流れ込まないようにする。

【解決手段】空調負荷を第1のレベルと、第1のレベルより大きい第2のレベルと、第2のレベルより大きい第3のレベルとに区分し、空調負荷が第1のレベルにあるときにはガスバーナ2による加熱を空調負荷に基づいて火力調整して行い、空調負荷が第2のレベルにあるときにはガスタービン3から出る排ガスによる加熱を空調負荷に基づいて熱量調整して行い、空調負荷が第3のレベルにあるときには、定格運転するガスタービン3の排ガスによる加熱と、空調負荷に基づいて火力調整するガスバーナ2による加熱とを併用するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バーナによる燃焼熱と、他の熱源装置から供給される排熱とで吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離する再生器を備えた排熱利用吸収冷温水機において、空調負荷のレベルに基づいて前記熱源装置の運転を制御して前記排熱の熱量を制御すると共に、前記燃焼熱による加熱と前記排熱による加熱とを切替/併用することを特徴とする排熱利用吸収冷温水機の運転方法。
【請求項2】 空調負荷を第1のレベルと、第1のレベルより大きい第2のレベルと、第2のレベルより大きい第3のレベルとに区分し、空調負荷が第1のレベルにあるときには空調負荷に基づいて制御される前記燃焼熱による加熱を行い、空調負荷が第2のレベルにあるときには空調負荷に基づいて出力制御される前記他の熱源装置から供給される排熱による加熱を行い、空調負荷が第3のレベルにあるときには定格運転される前記他の熱源装置から供給される排熱と、空調負荷に基づいて制御される前記燃焼熱とによる加熱を行うことを特徴とする請求項1記載の排熱利用吸収冷温水機の運転方法。
【請求項3】 空調負荷が前記第1のレベルから前記第2のレベルに移行し、前記燃焼熱による加熱から前記排熱による加熱に移行する際に、前記バーナに供給する燃料を漸減することを特徴とする請求項2記載の排熱利用吸収冷温水機の運転方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電用ガスタービンなどから出る高温の排ガスや冷却水などが保有する熱、いわゆるを排熱を利用して熱効率を高め、消費する燃料を減らすようにした吸収冷温水機の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の排熱利用吸収冷温水機においては、定格運転しているガスタービンから出る高温の排ガスや冷却水の取り入れ量を調整することで、高温再生器で加熱した吸収液から蒸発分離する冷媒蒸気の量を制御し、これによって装置の能力制御を行っている。このため、排熱の取り込み量を制御するバルブに高い精度が要求され、高価なものとなっていた。
【0003】また、休止中の吸収冷温水機の高温再生器に流量制御弁から高温の排ガスや冷却水が流れ込むと、吸収液が濃縮されて結晶化する危険があるので、絶対に流れ込まないように厳重に注意する必要があり、その対策として開閉弁を設けていたことも装置価格が高くなる要因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】排熱利用吸収冷温水機において、休止中の吸収冷温水機の高温再生器に高温の排ガスや冷却水が流れ込んで吸収液が結晶化する危険がなく、しかも装置価格が高くならないようにする必要があり、これが解決すべき課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の課題を解決するため、バーナによる燃焼熱と、他の熱源装置から供給される排熱とで吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離する再生器を備えた排熱利用吸収冷温水機において、空調負荷のレベルに基づいて前記熱源装置の運転を制御して前記排熱の熱量を制御すると共に、前記燃焼熱による加熱と前記排熱による加熱とを切替/併用するようにした第1の運転方法と、【0006】前記第1の運転方法において、空調負荷を第1のレベルと、第1のレベルより大きい第2のレベルと、第2のレベルより大きい第3のレベルとに区分し、空調負荷が第1のレベルにあるときには空調負荷に基づいて制御される前記燃焼熱による加熱を行い、空調負荷が第2のレベルにあるときには空調負荷に基づいて出力制御される前記他の熱源装置から供給される排熱による加熱を行い、空調負荷が第3のレベルにあるときには定格運転される前記他の熱源装置から供給される排熱と、空調負荷に基づいて制御される前記燃焼熱とによる加熱を行うようにした第2の運転方法と、【0007】前記第2の運転方法において、空調負荷が前記第1のレベルから前記第2のレベルに移行し、前記燃焼熱による加熱から前記排熱による加熱に移行する際に、前記バーナに供給する燃料を漸減するようにした第3の運転方法と、を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2に例示したものは、冷水または温水を負荷に循環供給する二重効用吸収冷温水機であり、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用したものである。
【0009】図において、1はガスバーナ2の火力と、例えば発電用のガスタービン3から出る排ガスとで吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離するように構成された高温再生器、4は低温再生器、5は凝縮器、6は低温再生器4と凝縮器5が収納されている高温胴、7は蒸発器、8は吸収器、9は蒸発器7と吸収器8が収納されている低温胴、10は低温熱交換器、11は高温熱交換器、12〜15は吸収液管、16は吸収液ポンプ、17〜21は冷媒管、22は冷媒ポンプ、23は図示しない空調負荷に循環供給する冷水または温水が流れる冷温水管、24は冷却水管、25〜27は開閉弁であり、これらの機器はそれぞれ図2に示したように配管接続されており、この構成自体は従来周知である。
【0010】そして、高温再生器1に設けるガスバーナ2は、火力調節が可能なバーナであり、その火力は空調負荷の0−50%までカバーすることができるものである。一方、ガスタービン3は、排出する燃焼ガスが保有する熱量が空調負荷の25−50%までカバーすることができるものである。
【0011】上記構成の二重効用吸収冷温水機において、開閉弁25・26・27を閉じ、冷却水管24に冷却水を流し、ガスバーナ2に点火したり、ガスタービン3を起動し、その排ガスを供給して高温再生器1で稀吸収液を加熱すると、稀吸収液から蒸発分離した冷媒蒸気と、冷媒蒸気を分離して吸収液の濃度が高くなった中間吸収液とが得られる。
【0012】高温再生器1で生成された高温の冷媒蒸気は、冷媒管17を通って低温再生器4に入り、高温再生器1で生成され吸収液管13により高温熱交換器11を経由して低温再生器4に入った中間吸収液を加熱して放熱凝縮し、凝縮器5に入る。
【0013】また、低温再生器4で加熱されて中間吸収液から蒸発分離した冷媒は凝縮器5へ入り、冷却水管24内を流れる水と熱交換して凝縮液化し、冷媒管17から凝縮して供給される冷媒と一緒になって冷媒管18を通って蒸発器7に入る。
【0014】蒸発器7に入って冷媒液溜りに溜まった冷媒液は、冷温水管23に接続された伝熱管23Aの上に冷媒ポンプ22によって散布され、冷温水管23を介して供給される水と熱交換して蒸発し、伝熱管23Aの内部を流れる水を冷却する。
【0015】そして、蒸発器7で蒸発した冷媒は吸収器8に入り、低温再生器4で加熱されて冷媒を蒸発分離し、吸収液の濃度が一層高まった吸収液、すなわち吸収液管14により低温熱交換器10を経由して供給され、上方から散布される濃吸収液に吸収される。
【0016】吸収器8で冷媒を吸収して濃度の薄くなった吸収液、すなわち稀吸収液は吸収液ポンプ16の運転により、低温熱交換器10・高温熱交換器11で予熱されて高温再生器1へ吸収液管12から送られる。
【0017】上記のように吸収冷温水機の運転が行われると、蒸発器7の内部に配管された伝熱管23Aにおいて冷媒の気化熱によって冷却された冷水が、冷温水管23を介して図示しない空調負荷に循環供給できるので、冷房運転などが行える。
【0018】一方、開閉弁25・26・27を開け、冷却水管24に冷却水を流さないでガスバーナ2に点火したり、ガスタービン3の排ガスによって高温再生器1で稀吸収液を加熱すると、高温再生器1で稀吸収液から蒸発した冷媒蒸気は主に流路抵抗の小さい冷媒管17・21を通って低温胴9の吸収器8と蒸発器7に入り、冷温水管23から供給される水と伝熱管23Aを介して熱交換して凝縮し、主にこのときの凝縮熱によって伝熱管23Aの内部を流れる水が加熱される。
【0019】蒸発器7で加熱作用を行って凝縮した冷媒は、冷媒管20を通って吸収器8に入り、高温再生器1で冷媒を蒸発分離して吸収液管15から流入する吸収液と混合され、吸収液ポンプ16の運転によって低温熱交換器10・高温熱交換器11で予熱されて高温再生器1へ送られる。
【0020】そして、蒸発器7内部の伝熱管23Aで加熱された温水が冷温水管23を介して図示しない空調負荷に循環供給することにより、暖房運転などが行なわれる。
【0021】30は、上記のような動作機能を有する二重効用吸収冷温水機に設けた制御器であり、マイコンや記憶手段などを備えて構成され、図示しない空調負荷に冷温水を循環供給するための冷温水管23に蒸発器7の伝熱管23Aから流れ出た冷温水の温度情報を、冷温水管23の蒸発器7出入口部に設けた温度センサ31、32から取り込み、この冷温水の温度情報に基づいてガスバーナ2の火力とガスタービン3の出力を制御し、高温再生器1で吸収液から蒸発分離する冷媒蒸気の発生量を制御するようになっている。
【0022】すなわち、制御器30は温度センサ31、32が検出する冷温水の温度差から図示しない空調負荷の大きさを求め、その負荷が例えば図1に示したように予め設定した第1のレベル(全負荷の25%未満)にあるか、第1のレベルより大きい第2のレベル(全負荷の25%以上、50%未満)にあるか、あるいは第2のレベルより大きい第3のレベル(全負荷の50%以上)にあるかを判定し、負荷が第1のレベルにあるときにはガスバーナ2による加熱を選択し、空調負荷が第2のレベルにあるときにはガスタービン3から出る排ガスによる加熱を選択し、空調負荷が第3のレベルにあるときには、ガスバーナ2による加熱と、ガスタービン3から出る排ガスによる加熱の併用を選択するように構成されている。
【0023】そして、制御器30はガスバーナ2による加熱を選択したときには、温度センサ32が検出する冷温水の温度、すなわち蒸発器7で熱操作されて冷温水管23に流れ出て空調負荷に循環供給される冷温水の温度が所定の設定温度に維持されるように、ガスバーナ2に接続された燃料供給管の燃料調整弁2Aの開度を調節して高温再生器1へ投入する熱量を制御するようになっており、これによって高温再生器1で蒸発分離する冷媒蒸気の発生量が制御される。
【0024】また、制御器30はガスタービン3から出る排ガスによる加熱を選択したときには、温度センサ32が検出する冷温水の温度が所定の設定温度に維持されるようにガスタービン3の出力を制御して、高温再生器1に供給される排ガスの保有熱量が制御されるようになっており、これによって高温再生器1で蒸発分離する冷媒蒸気の発生量が制御される。
【0025】さらに、制御器30はガスバーナ2による加熱と、ガスタービン3から出る排ガスによる加熱との併用を選択したときには、ガスタービン3を定格で運転すると共に、温度センサ32が検出する冷温水の温度が所定の設定温度に維持されるようにガスバーナ2に接続された燃料供給管の燃料調整弁2Aの開度を調節して、高温再生器1へ投入する熱量を制御するようになっており、これによって高温再生器1で蒸発分離する冷媒蒸気の発生量が制御される。
【0026】なお、空調負荷が第1のレベルから第2のレベルに増加して、ガスバーナ2による加熱から、ガスタービン3の排ガスによる加熱に切り替えるときには、ガスタービン3から高温再生器1に供給されている排ガスの温度を温度センサ33によって検出し、この温度センサが検出する温度情報に基づいて燃料調整弁2Aを次第に絞るようにし、ガスバーナ2による加熱からガスタービン3の排ガスによる加熱への切り替え時にガスタービン3の起動に時間を要し、高温排ガスの供給が遅れることがあっても、高温再生器1に投入する熱が途切れないようにする。
【0027】ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0028】例えば、空調負荷を完全にカバーできる火力のガスバーナ2を使用し、電力需要が全くなく、したがってガスタービン3を運転しないときにも空調負荷に完全に応えることができるようにしても良い。
【0029】また、高温再生器1に供給する排熱は、ガスタービン3などを冷却した冷却水から供給されても良い。
【0030】また、蒸発器7で冷却したり、加熱して空調負荷に供給する流体としては、水などを上記実施形態のように相変化させないで供給するほか、潜熱を利用した空調が可能なようにフロンなどを相変化させて供給するようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低価格で製造した排熱利用吸収冷温水機においても、空調負荷のレベルに基づいて熱源装置の運転を制御して熱源装置から供給される排熱の熱量を制御するので、休止中の吸収冷温水機の高温再生器に高温の排熱が供給されることがなく、したがって吸収液が結晶化するなどと云った不都合がない。
【0032】特に、請求項3の発明においては、バーナによる加熱からガスタービンなどの排熱による加熱への切り替え時にガスタービンなどの起動に時間を要し、高温排熱の供給が遅れることがあっても、高温再生器に投入する熱が途切れることがないので、安定した空調が実現できる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年3月5日(1999.3.5)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2000−257979(P2000−257979A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−58544