| 【発明の名称】 |
冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】北 宏一
【氏名】矢嶋 龍三郎
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| 【要約】 |
【課題】R32の特性を有効活用し、真に地球温暖化を防止し得る冷凍装置を提供する。
【解決手段】圧縮機(11)、四路切換弁(12)、室外熱交換器(13)、膨張弁(14)及び室内熱交換器(15)を順に接続して冷媒回路(10)を構成する。冷媒回路(10)にR32単一冷媒を充填する。室内熱交換器(15)の伝熱管は、内径が4.7mm〜5.9mmの伝熱管で形成されている。室外熱交換器(13)の伝熱管は、内径が5.4mm〜6.7mmの伝熱管で形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が5.9mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項2】 R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が4.7mm〜5.9mmの伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項3】 請求項1または2のいずれか一つに記載の冷凍装置であって、室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が5.3mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項4】 R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が6.7mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項5】 R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が5.4mm〜6.7mmの伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項6】 請求項4または5のいずれか一つに記載の冷凍装置であって、室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が6.1mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項7】 R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が6.2mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項8】 R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が4.7mm〜6.2mmの伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項9】 請求項7または8のいずれか一つに記載の冷凍装置であって、室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が5.5mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項10】 R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が7.1mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項11】 R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が5.4mm〜7.1mmの伝熱管によって形成されている冷凍装置。 【請求項12】 請求項10または11のいずれか一つに記載の冷凍装置であって、室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が6.3mm以下の伝熱管によって形成されている冷凍装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置に係り、特に、R32またはR32を含む混合冷媒を用いた冷凍装置に関する。 【0002】 【従来の技術】これまで空気調和装置等の冷凍装置に好適な冷媒として、R22がよく用いられてきた。しかし、R22はオゾン破壊係数が大きいことから、モントリオール議定書により2020年に全廃が予定されているものである。そこで、R22に代わる代替冷媒として、R407C、R410A、R134aなど、各種冷媒の開発が進められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、図10に示すように、上記の各代替冷媒は、オゾン破壊係数は小さいものの地球温暖化係数(GWP)はR22と同等であるため、地球温暖化防止の観点からは十分に満足のいく冷媒とは言い難い。また、これら冷媒を用いると、従来よりも装置のCOPが低下するため、冷媒放出による直接的な地球温暖化効果とは別に、電力消費の増大に伴って火力発電所等の負荷が増大し、間接的に地球温暖化を助長することになる。そのため、真に地球温暖化を抑制する代替冷媒の開発が望まれていた。 【0004】そこで、GWPの小さな代替冷媒として、R32単一冷媒またはR32を多く含んだ混合冷媒の開発が進められている。しかし、R32単一冷媒またはR32の混合冷媒を単にR22用の冷凍装置に充填しただけでは、R32の特性を十分に活かすことはできず、地球温暖化防止効果を十分に得ることはできない。そのため、地球温暖化を防止すべくR32の特性を有効利用した冷凍装置が待ち望まれている。 【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、R32の特性を有効活用し、真に地球温暖化を防止し得る冷凍装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、装置の性能を従来と同等に維持したまま冷媒回路の冷媒充填量を低減するよう、熱交換器の伝熱管を従来よりも細径化することとした。 【0007】具体的には、本発明に係る一の冷凍装置は、R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が5.9mm以下の伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0008】また、本発明に係る他の冷凍装置は、R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が4.7mm〜5.9mmの伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0009】なお、従来より冷媒充填量を少なくする観点から、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が5.3mm以下の伝熱管によって形成されていることがより好ましい。 【0010】本発明に係る他の冷凍装置は、R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が6.7mm以下の伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0011】また、本発明に係る他の冷凍装置は、R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が5.4mm〜6.7mmの伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0012】なお、従来より冷媒充填量を少なくする観点から、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が6.1mm以下の伝熱管によって形成されていることがより好ましい。 【0013】本発明に係る他の冷凍装置は、R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が6.2mm以下の伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0014】また、本発明に係る他の冷凍装置は、R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が4.7mm〜6.2mmの伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0015】なお、従来より冷媒充填量を少なくする観点から、上記室内側熱交換器(15)の伝熱管は、内径が5.5mm以下の伝熱管によって形成されていることがより好ましい。 【0016】本発明に係る他の冷凍装置は、R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が7.1mm以下の伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0017】また、本発明に係る他の冷凍装置は、R32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成するように圧縮機(11)、室外側熱交換器(13)、減圧機構(14)及び室内側熱交換器(15)を順に有する冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が5.4mm〜7.1mmの伝熱管によって形成されていることとしたものである。 【0018】なお、従来より冷媒充填量を少なくする観点から、上記室外側熱交換器(13)の伝熱管は、内径が6.3mm以下の伝熱管によって形成されていることがより好ましい。 【0019】上記各事項により、室外側熱交換器(13)または室内側熱交換器(15)の伝熱管が従来よりも細径化される。しかし、R32の単一冷媒またはR32を75重量%以上且つ100重量%未満含むR32/125混合冷媒は、冷媒の特性としてR22よりも圧力損失が小さいため、伝熱管の内径が小さくなっても、装置の圧力損失は従来と同等のレベルに維持される。一方、伝熱管の内径が小さくなることにより、冷媒回路(10)の冷媒充填量は減少する。従って、従来のR22を用いた装置と同等の性能を維持したまま、冷媒充填量が低減されることになる。そのため、R32の地球温暖化係数が低いことに加えて、冷媒回路(10)の冷媒充填量が低減することにより、地球温暖化効果は著しく低減する。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0021】−空気調和装置の構成−図1に示すように、本実施形態に係る冷凍装置は、室内ユニット(17)と室外ユニット(16)とを接続して成る空気調和装置(1)である。空気調和装置(1)の冷媒回路(10)は、R32単一冷媒またはR32を75重量%以上含むR32/125混合冷媒(以下、「R32組成リッチの混合冷媒」という)による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成する冷媒回路であって、圧縮機(11)、四路切換弁(12)、室外熱交換器(13)、膨張弁(14)及び室内熱交換器(15)が冷媒配管(31,32)を介して接続されて構成されている。 【0022】具体的には、圧縮機(11)の吐出側と四路切換弁(12)の第1ポート(12a)とは第1ガス側配管(21)によって接続され、四路切換弁(12)の第2ポート(12b)と室外熱交換器(13)とは第2ガス側配管(22)によって接続され、室外熱交換器(13)と膨張弁(14)とは第1液側配管(25)によって接続され、膨張弁(14)と室内熱交換器(15)とは第2液側配管(26)によって接続され、室内熱交換器(15)と四路切換弁(12)の第3ポート(12c)とは第3ガス側配管(23)によって接続され、四路切換弁(12)の第4ポート(12d)と圧縮機(11)の吸入側とは第4ガス側配管(24)によって接続されている。 【0023】圧縮機(11)、第1ガス側配管(21)、四路切換弁(12)、第2ガス側配管(22)、室外熱交換器(13)、第1液側配管(25)、膨張弁(14)、及び第4ガス側配管(24)は、図示しない室外送風機とともに室外ユニット(16)に収容されている。一方、室内熱交換器(15)は、図示しない室内送風機とともに室内ユニット(17)に収容されている。第2液側配管(26)及び第3ガス側配管(23)の一部は、室外ユニット(16)と室内ユニット(17)とを連絡するいわゆる連絡配管を構成している。 【0024】−熱交換器の構成−R32単一冷媒またはR32組成リッチの混合冷媒は、単位体積あたりの冷凍効果がR22よりも大きいことから、所定能力を発揮するために必要な冷媒循環量はR22に比べて少ない。従って、R32単一冷媒またはR32組成リッチの混合冷媒では、熱交換器の伝熱管の内径を一定とした場合、冷媒循環量が少なくなることから、管内圧力損失はR22に比べると小さくなる。 【0025】一般に、熱交換器の伝熱管の内径を小さくすると、伝熱面積の減少や冷媒圧力損失の増加により、装置全体の性能は低下する。しかし、R32単一冷媒またはR32組成リッチの混合冷媒を用いた場合、伝熱管内の冷媒側熱伝達率がR22よりも大きいため、管内圧力損失をR22相当程度に大きくしたとしても、全体としてR22と同等またはそれ以上の性能を発揮することが可能である。 【0026】ところで、冷媒回路(10)において最も冷媒保有量が多い部分は、室外熱交換器(13)である。そのため、室外熱交換器(13)の伝熱管を細径化することにより、冷媒充填量を効果的に低減することができる。また、伝熱管の細径化により熱交換器(13,15)が小型化するため、ひいては各ユニット(16,17)のコンパクト化を促進することも可能となる。 【0027】そこで、本空気調和装置(1)では、室外熱交換器(13)及び室内熱交換器(15)の伝熱管を、管内圧力損失がR22と同等レベルになるまで細径化することとした。具体的には、伝熱管内における圧力損失分に相当する冷媒飽和温度の変化量を考え、当該温度変化量がR22と同等になるように、各熱交換器(13,15)の伝熱管の内径寸法を設定することとした。 【0028】−伝熱管の設計方法−次に、熱交換器(13,15)の伝熱管の設計方法を具体的に説明する。ここでは、図2に示すように、蒸発冷媒の圧力損失に相当する飽和温度変化量ΔTeが従来の装置におけるR22の飽和温度変化量と同等になるように、室外熱交換器(13)及び室内熱交換器(15)の各伝熱管を設計する。つまり、【0029】 【数1】
【0030】とする。ここで、【0031】 【数2】
【0032】とし、【0033】 【数3】
【0034】と考える。圧力損失ΔPは、下記の円管の摩擦損失の式、【0035】 【数4】
【0036】を用いて算出し、冷房能力Q=G×Δhを一定とすると、【0037】 【数5】
【0038】となるため、上記(2)式及び(4)式より、【0039】 【数6】
【0040】と表される。従って、上記(1)式及び(5)式と、R22及びR32の物性値とから、R22用伝熱管に対するR32用伝熱管の内径の比率、つまり伝熱管の細径比を求めることができる。つまり、【0041】 【数7】
【0042】図3に、上記(6)式に各物性値を代入した計算結果を示す。なお、本計算では、蒸発温度Teを2℃、凝縮温度Tcを49℃と仮定し、蒸発器出口のスーパーヒートSH=5deg、凝縮器出口のサブクールSC=5degとした。 【0043】上記計算結果から、R32用伝熱管はR22用伝熱管の0.76倍程度まで細径化することができ、また、R32組成リッチの混合冷媒用の伝熱管は、R22用伝熱管の0.76〜0.8倍程度まで細径化することができることが分かった。なお、参考までに他の代替冷媒についても同様の計算を行ったが、R32ほどの細径化効果は得られないことが分かった(図3参照)。 【0044】本空気調和装置(1)では、このような設計方法に基づいて、R22用伝熱管との比較において、以下の内径を有する伝熱管を用いることとした。すなわち、R32単一冷媒を用いる場合には、室内熱交換器(15)の伝熱管を内径が4.7mm〜5.9mmの伝熱管で形成し、室外熱交換器(13)の伝熱管を内径が5.4mm〜6.7mmの伝熱管で形成する。一方、R32組成リッチの混合冷媒を用いる場合には、室内熱交換器(15)の伝熱管を内径が4.7mm〜6.2mmの伝熱管で形成し、室外熱交換器(13)の伝熱管を内径が5.4mm〜7.1mmの伝熱管で形成することとした。 【0045】各伝熱管の内径が上記数値範囲よりも小さい場合には、冷媒充填量は更に低減するものの、冷媒圧力損失が過大となる。一方、各伝熱管の内径が上記数値範囲よりも大きい場合には、冷媒圧力損失が低減し、装置の効率は向上するものの、冷媒充填量の低減効果等のR32の効果を十分に活かすことが難しくなる。そこで、本実施形態では、各熱交換器の伝熱管の内径を上記数値範囲内に設定することとした。 【0046】なお、装置の使用条件等によっては、R32の特性をより顕著に発揮させるために、上記数値範囲をより限定してもよいことは勿論である。例えば、R32単一冷媒を用いる場合に、室内熱交換器(15)の伝熱管を内径が4.9mm〜5.7mmの伝熱管で形成し、室外熱交換器(13)の伝熱管を内径が5.6mm〜6.5mmの伝熱管で形成してもよく、更には、室内熱交換器(15)の伝熱管を内径が5.1mm〜5.5mmの伝熱管で形成し、室外熱交換器(13)の伝熱管を内径が5.8mm〜6.3mmの伝熱管で形成してもよい。また、R32組成リッチの混合冷媒を用いる場合に、室内熱交換器(15)の伝熱管を内径が4.9mm〜6.0mmの伝熱管で形成し、室外熱交換器(13)の伝熱管を内径が5.6mm〜6.9mmの伝熱管で形成してもよく、更には、室内熱交換器(15)の伝熱管を内径が5.2mm〜5.7mmの伝熱管で形成し、室外熱交換器(13)の伝熱管を内径が5.9mm〜6.6mmの伝熱管で形成してもよい。 【0047】なお、ここで伝熱管の内径とは、内面平滑管の場合には拡管後の管内径をいい、図4に示すように、内面溝付管の場合には、拡管後の外径から底肉厚の2倍を引いた値、つまり内径di=do−2tをいうものとする。 【0048】伝熱管としては、銅管やアルミ管等の各種の伝熱管を用いることができるが、本実施形態に係る熱交換器(13,15)は、特に、空気と熱交換を行う空気熱交換器の一種として、銅管とアルミフィンとから成るプレートフィンチューブ熱交換器で構成されているため、伝熱管は銅管によって形成されている。 【0049】−冷媒配管の構成−また、本空気調和装置(1)では、冷媒充填量の低減を目的として、熱交換器(13,15)の伝熱管だけでなく、冷媒回路(10)の冷媒配管についても細径化を図っている。 【0050】上述した通り、R22用の冷媒配管にR32単一冷媒またはR32混合冷媒をそのまま用いた場合、冷媒の圧力損失は低減する。そのため、冷媒回路(10)の液側配管(32)の内径を小さくして、管内圧力損失をR22使用時と同等のレベルにまで増加させたとしても、装置の性能は従来と同等に維持される。そこで、本空気調和装置(1)においては、液側配管(32)を管内圧力損失がR22相当になるまで細径化することにより、装置の性能を維持したまま冷媒回路(10)の冷媒充填量を低減することとした。 【0051】これに対し、ガス側配管(31)(特に、圧縮機(11)の吸入配管となる第4ガス側配管(24))を細径化すると、冷媒充填量の削減量はそれほど多くない反面、吸入圧力損失の増大の影響により、装置の効率は大きく低下する。このような装置の効率低下は、間接的に地球温暖化効果の増大を招くことになる。そこで、本空気調和装置(1)では、ガス側配管(31)は従来のR22用ガス側配管と同様としつつ、液側配管(32)のみを従来のR22用液側配管よりも細径化することとした。 【0052】−冷媒配管の設計方法−次に、液側配管(32)の設計方法について説明する。ここでは、凝縮器出口から蒸発器入口に至るまでの冷媒の圧力降下量に対する液側配管(32)の圧力損失の占める割合が、R22の場合と同等になるように液側配管(32)の設計を行う。つまり、図5に示す符号を用いて、【0053】 【数8】
【0054】ここで、【0055】 【数9】
【0056】とし、上記(7)式の分子の各項は、下記の円管の摩擦損失の式、【0057】 【数10】
【0058】を用いて算出することとする。ここで、能力Q=G×Δhを一定とし、上記(8)式から、【0059】 【数11】
【0060】従って、【0061】 【数12】
【0062】上記(7)式及び(10)式より、【0063】 【数13】
【0064】従って、上記(7)式及び(11)式と、R22及びR32の物性値とから、R22の液側配管に対するR32の液側配管(32)の細径比を求めることができる。つまり、【0065】 【数14】
【0066】図6に、上記(12)式に各物性値を代入した計算結果を示す。なお、本計算においても、蒸発温度Teは2℃、凝縮温度Tcは49℃とし、スーパーヒートSH=5deg、サブクールSC=5degとした。 【0067】上記計算結果から、R32用の液側配管(32)は、R22用の液側配管の0.76倍程度まで細径化できることが分かった。また、R32組成リッチの混合冷媒においても、R32の組成が75重量%以上含まれていれば、0.76〜0.8倍程度まで細径化することが可能であることが分かった。なお、参考までに他の代替冷媒についても同様の計算を行ったが、R32ほどの細径化効果は得られないことが分かった(図6参照)。 【0068】図7は、従来のR22を用いた装置におけるガス側配管と液側配管の管径(外径)を、冷房定格能力毎に示した図である。本空気調和装置(1)では、冷房定格能力に応じて、ガス側配管については上記R22用ガス側配管と同径の配管を用いる一方、液側配管については、上記R22用液側配管よりも細径化された配管を用いる。 【0069】図8は、液側配管の内径dlに対するガス側配管の内径dgの比、すなわち(内径比)=(ガス側配管内径dg)/(液側配管内径dl)を示した図である。本空気調和装置(1)では、冷房定格能力に応じて、以下の内径比を有するガス側配管(31)及び液側配管(32)を用いる。すなわち、冷房定格能力が5kWよりも大きく且つ9kW以下のときには、上記内径比が2.1〜3.5になるような配管(31,32)を用い、冷房定格能力が5kW以下または9kWよりも大きいときには、上記内径比が2.6〜3.5になるような配管(31,32)を用いることとした。また、冷房定格能力が5kW以下のときには、液側配管(32)として内径が3.2mm〜4.2mmの配管を用い、冷房定格能力が5kWよりも大きく且つ22.4kW未満のときには、液側配管(32)として内径が5.4mm〜7.0mmの配管を用い、冷房定格能力が22.4kW以上のときには、液側配管(32)として内径が7.5mm〜9.8mmの配管を用いることとした。 【0070】上記内径比または液側配管(32)の内径が上記数値範囲よりも小さい場合には、冷媒充填量が更に低減するものの、装置の性能が低下する。一方、上記内径比または液側配管(32)の内径が上記数値範囲よりも大きい場合には、冷媒圧力損失が低減して装置の性能が向上するものの、冷媒充填量低減の効果が小さくなる。そのため、本実施形態では、装置の性能を維持しつつ冷媒充填量を十分に低減できるように、上記数値範囲内でガス側配管(31)及び液側配管(32)を設計することとした。 【0071】なお、装置の使用条件等によっては、R32の特性をより有効に活用するために、上記数値範囲をより限定してもよいことは勿論である。例えば、上記内径比を、冷房定格能力が5kWよりも大きく且つ9kW以下のときには2.4〜3.2とし、冷房定格能力が5kW以下または9kWよりも大きいときには2.8〜3.3としてもよい。更に、冷房定格能力が5kWよりも大きく且つ9kW以下のときには2.6〜3.0とし、冷房定格能力が5kW以下または9kWよりも大きいときには2.9〜3.1としてもよい。また、液側配管(32)の内径を、冷房定格能力が5kW以下のときには3.5mm〜3.9mmとし、冷房定格能力が5kWよりも大きく且つ22.4kW未満のときには5.7mm〜6.7mmとし、冷房定格能力が22.4kW以上のときには7.8mm〜9.5mmとしてもよい。更に、冷房定格能力が5kW以下のときには3.6mm〜3.8mmとし、冷房定格能力が5kWよりも大きく且つ22.4kW未満のときには6.0mm〜6.4mmとし、冷房定格能力が22.4kW以上のときには8.1mm〜9.1mmとしてもよい。 【0072】ところで、従来より冷媒配管として、コストが安く且つ取り扱いが容易なことから、銅管がよく用いられている。銅管には種々の規格品が存在するため、既存の規格品を利用することにより、冷媒配管(31,32)の低コスト化を図ることができる。従って、装置の低コスト化のために、上記内径比を有するように規格品を組み合わせることにより、液側配管(32)及びガス側配管(31)の双方を規格品のみで構成することが好ましい。図9は、R22用の銅管(JISB8607)の仕様と、日本冷凍空調工業会提案(日冷工案)のR32用高圧対応配管の仕様とを比較した図である。図9より、上記計算結果から算出された最適内径比0.76(R32単一冷媒の場合),0.80(R32を75重量%含むR32/125混合冷媒の場合)の±10%の範囲内であれば、規格品を組み合わせることにより、当該内径比を容易に実現することができることが分かった。例えば、R22用としてφ9.5mmの規格化配管を用いていた場合、R32を使用する際には、これに代わってφ8.0mmの規格化配管を利用することができる。このように、本実施形態は、規格品を組み合わせることにより容易に実現可能な形態である。 【0073】−空気調和装置(1)の運転動作−空気調和装置(1)の運転動作を、冷媒回路(10)における冷媒循環動作に基づいて説明する。 【0074】冷房運転時には、四路切換弁(12)は図1に示す実線側に設定される。つまり、四路切換弁(12)は、第1ポート(12a)と第2ポート(12b)とが連通すると共に第3ポート(12c)と第4ポート(12d)とが連通する状態となる。この状態で、圧縮機(11)から吐出されたガス冷媒は、第1ガス側配管(21)、四路切換弁(12)及び第2ガス側配管(22)を流通し、室外熱交換器(13)で凝縮する。室外熱交換器(13)を流出した液冷媒は、第1液側配管(25)を流通し、膨張弁(14)で減圧されて気液二相冷媒となる。膨張弁(14)を流出した二相冷媒は、第2液側配管(26)を流通し、室内熱交換器(15)で室内空気と熱交換を行って蒸発し、室内空気を冷却する。室内熱交換器(15)を流出したガス冷媒は、第3ガス側配管(23)、四路切換弁(12)及び第4ガス側配管(24)を流通し、圧縮機(11)に吸入される。 【0075】一方、暖房運転時には、四路切換弁(12)は図1に示す破線側に設定される。つまり、四路切換弁(12)は、第1ポート(12a)と第4ポート(12d)とが連通すると共に第2ポート(12b)と第3ポート(12c)とが連通する状態となる。この状態で、圧縮機(11)から吐出されたガス冷媒は、第1ガス側配管(21)、四路切換弁(12)及び第3ガス側配管(23)を流通し、室内熱交換器(15)に流入する。室内熱交換器(15)に流入した冷媒は、室内空気と熱交換を行って凝縮し、室内空気を加熱する。室内熱交換器(15)を流出した液冷媒は、第2液側配管(26)を流通し、膨張弁(14)で減圧されて気液二相冷媒となる。膨張弁(14)を流出した二相冷媒は、第1液側配管(25)を流通し、室外熱交換器(13)で蒸発する。室外熱交換器(13)を流出したガス冷媒は、第2ガス側配管(22)、四路切換弁(12)及び第4ガス側配管(24)を流通し、圧縮機(11)に吸入される。 【0076】−本実施形態の効果−本実施形態によれば、冷媒としてR32単一冷媒またはR32組成リッチの混合冷媒を用いると共に、室外熱交換器(13)及び室内熱交換器(15)の伝熱管を従来よりも細径化することとしたので、装置の性能を維持したまま冷媒充填量を低減することが可能となり、地球温暖化効果の低減を図ることが可能となった。また、伝熱管の細径化により室外熱交換器(13)及び室内熱交換器(15)の低コスト化及びコンパクト化を達成することができ、室内ユニット(17)及び室外ユニット(16)を小型化することが可能となった。 【0077】また、比較的小径の配管によって液側配管(32)を形成したことにより、運転効率を従来と同等に維持しつつ、冷媒回路(10)の冷媒充填量を更に低減することが可能となった。 【0078】従って、地球温暖化係数が小さく且つ管内圧力損失が小さいというR32の特性を十分に有効活用することができ、地球温暖化効果を大幅に減少することが可能となった。 【0079】<その他の実施形態>上記実施形態は冷房運転及び暖房運転を選択的に実行可能ないわゆるヒートポンプ式の空気調和装置であったが、本発明の適用対象はヒートポンプ式空気調和装置に限定されるものではなく、例えば、冷房専用機であってもよい。また、冷房定格能力に対応する暖房定格能力毎に液側配管(32)及びガス側配管(31)の内径またはそれらの内径比を設定することにより、暖房専用機に対し本発明を適用することも可能である。 【0080】ガス側配管(31)及び液側配管(32)は必ずしも銅管で形成する必要はなく、SUS管、アルミ管、鉄管等の他の配管で形成してもよいことは勿論である。 【0081】熱交換器は、空気熱交換器に限らず、二重管式熱交換器などの液−液熱交換器であってもよい。 【0082】熱交換器の伝熱管や冷媒配管が細径化されることにより、冷媒回路の内容積(冷媒が通過する部分の内容積)が小さくなる。そのため、冷媒回路内に空気、水分、不純物等が混入する量が従来よりも少なくなり、冷凍機油が水分等と接触する機会が少なくなる。そのため、本実施形態によれば、冷凍機油の劣化が従来よりも起こりにくい。従って、冷凍機油として、エーテル油やエステル油などの合成油を用いた場合に、本実施形態の優位性はより顕著に発揮されることになる。 【0083】なお、本発明でいうところの冷凍装置は、狭義の冷凍装置に限定されるものではなく、上記のような空気調和装置は勿論、冷蔵装置、除湿機等をも含む広い意味での冷凍装置である。 【0084】また、上記実施形態でいうところの冷房定格能力とは、蒸発器における能力を意味するものであり、空気調和装置における冷房時の能力に限定されるものではない。なお、この冷房定格能力は、接続配管の長さが5m、室内ユニットと室外ユニットの高低差が0mのときに、所定のJIS条件(室内乾球温度27℃、室内湿球温度19℃、室外乾球温度35℃)のもとで発揮される能力である。 【0085】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、R22を用いた従来の装置よりも熱交換器の伝熱管が細径化されることにより、従来と同等の性能を維持したまま冷媒回路の冷媒充填量を低減することが可能となる。そのため、R32単一冷媒またはR32の混合冷媒を従来よりも有効に活用することができ、冷媒自体の地球温暖化係数の低減と冷媒充填量の低減とにより、地球温暖化効果を大幅に低減することができる。従って、地球環境保全に適した装置を提供することが可能となる。 【0086】また、伝熱管の細径化により、熱交換器のコンパクト化を達成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月2日(1999.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077931 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−257974(P2000−257974A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−54289 |
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