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【発明の名称】 スターリング冷凍機
【発明者】 【氏名】廣瀬 達也

【要約】 【課題】従来よりも小型化が可能なスターリング冷凍機を提供する。

【解決手段】本発明に係るスターリング冷凍機においては、弾性変形可能な板材によって扁平な密閉容器5を形成し、該密閉容器5の内部に蓄冷材6を配置して、該蓄冷材6によって容器内を仕切ることにより、2つの空間7、8を形成し、密閉容器5の表面には、各空間7、8に対応させて2つの圧電振動子9、91を取り付け、これらの圧電振動子を互いに異なる位相で振動させることによって、一方の空間を圧縮空間、他方の空間を膨張空間とし、スターリング冷凍サイクルを構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性変形可能な板材によって包囲された2つの空間を有し、これら2つの空間は互いに連通され、該連通部に蓄冷機能部が形成され、前記2つの空間を包囲する板材の表面には、各空間に対応させて2つの圧電振動子を取り付け、これらの圧電振動子を互いに異なる位相で振動させることによって、一方の空間を圧縮空間、他方の空間を膨張空間とし、スターリング冷凍サイクルを構成することを特徴とするスターリング冷凍機。
【請求項2】 弾性変形可能な板材によって扁平な密閉容器(5)を形成し、該密閉容器(5)の内部に蓄冷機能部を形成して、該蓄冷機能部によって容器内を仕切ることにより、前記2つの空間を形成した請求項1に記載のスターリング冷凍機。
【請求項3】 密閉容器(5)の内部に蓄冷材(6)を配置して、蓄冷機能部を形成した請求項2に記載のスターリング冷凍機。
【請求項4】 弾性変形可能な上板(51)と下板(52)とを互いに重ね合わせて、扁平な密閉容器(5)を形成し、該密閉容器(5)の中央部には、上板(51)と下板(52)が僅かな間隔で対向する間隙部(61)が形成され、該間隙部(61)によって蓄冷機能部が構成されている請求項1に記載のスターリング冷凍機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスターリング冷凍機に関し、特に、小型化に有効な構造を有するスターリング冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なスターリング冷凍機は、図5に示す如く、クランク機構(1)によって互いに異なる位相で駆動される圧縮ピストン(2)と膨張ピストン(3)を具え、圧縮ピストン(2)によって圧縮されることとなる圧縮空間(21)と、膨張ピストン(3)によって膨張されることとなる膨張空間(31)とを互いに連通させて、該連通路に蓄冷器(4)を介在させたものである。
【0003】該スターリング冷凍機においては、図5に示す状態■からクランク機構(1)が反時計方向に回転駆動されると、状態■に示す様に、圧縮空間(21)内の作動ガスが圧縮ピストン(2)によって圧縮され、その圧縮熱は高温熱交換器(22)により放熱される(等温圧縮)。次に、状態■に示す様に、圧縮空間(21)内の作動ガスが蓄冷器(4)を通過して膨張空間(31)へ送り込まれ、ここで作動ガスは蓄冷器(4)内で熱を放出する(等積変化)。次に、状態■に示す様に、膨張空間(31)へ送り込まれた作動ガスが膨張することによって、低温熱交換器(32)により吸熱する(等温膨張)。更に、状態■に示す様に、膨張空間(31)内の作動ガスが蓄冷器(4)を通過して圧縮空間(21)へ送り込まれ、ここで作動ガスは蓄冷器(4)内で熱を吸収する(等積変化)。この様に、等温圧縮(■→■)、等積変化(■→■)、等温膨張(■→■)、及び等積変化(■→■)を繰り返すことによって、図6に示すスターリング冷凍サイクルが構成されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のスターリング冷凍機は、クランク機構(1)、圧縮ピストン(2)、膨張ピストン(3)などを配備した複雑な構成であるから、小型化することが極めて困難である問題があった。そこで本発明の目的は、従来よりも小型化が可能なスターリング冷凍機を提供することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明に係るスターリング冷凍機は、弾性変形可能な板材によって包囲された2つの空間を有し、これら2つの空間は互いに連通され、該連通部に蓄冷機能部が形成され、前記2つの空間を包囲する板材の表面には、各空間に対応させて2つの圧電振動子を取り付け、これらの圧電振動子を互いに異なる位相で振動させることによって、一方の空間を圧縮空間、他方の空間を膨張空間とし、スターリング冷凍サイクルを構成することを特徴とする。
【0006】上記本発明のスターリング冷凍機においては、各空間を包囲する板材の表面に取り付けた圧電振動子を駆動して、板材を振動させることにより、圧縮空間と膨張空間を形成するので、構造が極めて単純であり、従来のクランク機構、圧縮ピストン、膨張ピストンなどは不要となるので、冷凍機本体を従来よりも小型化することが可能である。
【0007】具体的構成においては、弾性変形可能な板材によって扁平な密閉容器(5)を形成し、該密閉容器(5)の内部に蓄冷機能部を形成して、該蓄冷機能部によって容器内を仕切ることにより、前記2つの空間を形成する。又、他の具体的構成においては、弾性変形可能な上板(51)と下板(52)とを互いに重ね合わせて、扁平な密閉容器(5)を形成し、該密閉容器(5)の中央部には、上板(51)と下板(52)が僅かな間隔で対向する間隙部(61)を形成し、該間隙部(61)によって蓄冷機能部を構成する。上記具体的構成によれば、冷凍機本体の扁平化が可能となり、例えばパネル型の冷凍機を実現することが出来る。
【0008】
【発明の効果】本発明に係るスターリング冷凍機によれば、冷凍機本体を従来よりも小型化することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。本発明に係るスターリング冷凍機は、図1及び図3に示す如く扁平な密閉容器(5)を具え、該密閉容器(5)の内部には、蓄冷材(6)が配置されて、密閉容器(5)の内部が2つの空間(7)(8)に仕切られている。密閉容器(5)の内部には、作動ガスとして、例えば10MPa程度のヘリウムガスが封入されている。そして、密閉容器(5)の表面には、各空間(7)(8)に対応させて、第1圧電振動子(9)及び第2圧電振動子(91)が取り付けられている。
【0010】尚、密閉容器(5)は、例えば厚さが0.5mm〜2mm程度のステンレス鋼板を用いて、平面形状が約2cm×10cm程度の大きさに作製することが可能であって、内部空間の厚さは例えば50μm〜数百μm程度に形成することが出来る。
【0011】図2に示す如く、第1圧電振動子(9)及び第2圧電振動子(91)にはそれぞれ駆動回路(93)(94)が接続され、これらの駆動回路(93)(94)は制御回路(92)によって制御されており、第1圧電振動子(9)と第2圧電振動子(91)を約90°の位相差で振動させることが可能となっている。尚、各振動子は、例えば数W〜数十W程度の出力を有するものを採用することが出来、例えば数百Hz〜数万Hzの周波数で振動させることが出来る。又、複数の振動子片を組み合わせて、1つの振動子を構成することも可能である。
【0012】第1圧電振動子(9)と第2圧電振動子(91)を約90°の位相差で振動させることによって、第1圧電振動子(9)が取り付けられた壁面と第2圧電振動子(91)が取り付けられた壁面とが約90°の位相差で振動し、これによって、一方の空間(7)が圧縮空間、他方の空間(8)が膨張空間となって、2つの空間(7)(8)の間で作動ガスが往復移動し、その過程で作動ガスが蓄冷材(6)を通過することによって、蓄冷材(6)内で熱を放出し、若しくは吸収して、基本的には、図5に示す従来のスターリング冷凍機と同一の動作により、図6に示すスターリング冷凍サイクルが構成される。
【0013】図3に示す様に、密閉容器(5)の圧縮空間(7)側を包囲して、高温熱交換部(101)を形成すると共に、密閉容器(5)の膨張空間(8)側を包囲して、低温熱交換部(102)を形成することにより、高温熱交換部(101)によってガスの圧縮熱を放出させる一方、低温熱交換部(102)によって、ガスの膨張により発生する冷熱を外部へ取り出すことが出来る。
【0014】密閉容器(5)は、図4に示す如く、上板(51)と下板(52)とを互いに重ね合わせ、両端部を溶接して固定すると共に、中央部は、複数箇所をスポット溶接することによって構成することも可能であり、この場合、スポット溶接部の両側に、圧縮空間(7)と膨張空間(8)が形成されると共に、スポット溶接部の周辺には、厚さ50μm程度の間隙部(61)が形成されて、該間隙部(61)が蓄冷機能を発揮することになる。密閉容器(5)の表面には、圧縮空間(7)に対応させて第1圧電振動子(9)が取り付けられると共に、膨張空間(8)に対応させて第2圧電振動子(91)が取り付けられている。該構造においても、第1圧電振動子(9)と第2圧電振動子(91)を互いに異なる位相で駆動することによって、スターリング冷凍サイクルを構成することが出来る。
【0015】図1や図4に示す如き扁平な密閉容器(5)を用いたスターリング冷凍機によれば、冷凍機本体を扁平化することが可能であって、これによってパネル型の冷凍機を構成することが出来る。又、本発明に係るスターリング冷凍機は極めて単純な構造を有しているので、小型化が容易である。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年3月9日(1999.3.9)
【代理人】 【識別番号】100100114
【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 伸泰
【公開番号】 特開2000−257973(P2000−257973A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−61255