| 【発明の名称】 |
圧縮機及び冷凍機 |
| 【発明者】 |
【氏名】田口 芳人
【氏名】内田 年雄
【氏名】生田 義貴
【氏名】金尾 憲一
|
| 【要約】 |
【課題】リード線の断線が生じにくい圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機13を構成するために用いるハーメチックコネクタ48として、圧縮機の内部側の先端がL字型に曲げられた電流導入端子43を備えるものを用い、その曲げられた部分に可動コイルへのリード線39を固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮ピストンと、前記圧縮ピストンがその内部を往復動するシリンダと、前記圧縮ピストンを前記シリンダ内で往復動させるための可動コイルと、前記圧縮ピストンと前記シリンダと前記可動コイルとを蔽うためのケース部材と、前記ケース部材と組み合わされて圧縮機の外殻を形成するハーメチックコネクタであって、前記ケース部材に対して固定された、2つの貫通穴が設けられた平板上のコネクタ母材と、それら2つの貫通穴のそれぞれに、前記コネクタ母材との間に絶縁体が挟まれた形態で取り付けられた電流導入端子であって、圧縮機内部側の先端に前記コネクタ母材の板面と平行となるように曲げられた部分である取付部を有する電流導入端子とを備えるハーメチックコネクタと、前記ハーメチックコネクタの各電流導入端子の前記取付部にその一端が取り付けられ、他端が前記可動コイルに接続されたリード線とを有することを特徴とする圧縮機。 【請求項2】 前記ハーメチックコネクタの前記コネクタ母材は、前記2つの貫通穴が、その中心から等距離の位置に設けられた円盤状の部材であり、各貫通穴に設けられている前記電流導入端子の前記取付部は、その貫通穴と前記中心とを結んだ線分方向に直交する方向を向いていることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の圧縮機を備えたことを特徴とする冷凍機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハーメチックコネクタが用いられた圧縮機と、そのような圧縮機を用いて構成される冷凍機に関する。 【0002】 【従来の技術】周知のように、小型冷凍機で用いられる圧縮機には、圧縮ピストンの駆動にボイスコイルモータが用いられたものが存在している。そのような圧縮機では、ボイスコイルモータの構成要素である可動コイルに、圧縮機外部から電流を供給するために、ハーメチックコネクタと呼ばれる部材が用いられている。 【0003】圧縮機で用いられているハーメチックコネクタは、図3にその断面を示したように、2つの貫通穴が設けられた円盤状のコネクタ母材71と、それらの貫通穴内に固定された、アルミナなどからなるセラミックカラー73で蔽われた棒状の電流導入端子72とで構成されている。そして、圧縮機は、その一端が可動コイルに接続されたリード線75の他端を、このハーメチックコネクタの電流導入端子72に半田付け等によって固定することによって構成されている。なお、図3に示してある部材74は、圧縮ピストンのシリンダ内での位置を制御するためのコイルバネのバネ座として機能する部材であり、コイルバネが逆側に取り付けられるタイプ(いわゆる、内バネ式)の圧縮機では、この部材74が設けられていないハーメチックコネクタが用いられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】周知のように、リード線を、棒状部材に半田付け等により固定する際には、リード線の先端と当該棒状部材とを平行にして半田付けを行うことが望ましい。また、圧縮機において、ハーメチックコネクタの電流導入端子に接続されるリード線は、その他端が可動コイルに接続されるものである。従って、リード線の電流導入端子への接続は、可動コイルの運動によりリード線に加わる応力がリード線の一部分に集中しない形態で行われることが望まれる。 【0005】ハーメチックコネクタと可動コイルの間隔が比較的狭い状態で、上記両条件を満たすリード線の接続(固定)を行うのは極めて困難である。例えば、前者の条件を優先した場合には、電流導入端子への接続部分ではリード線がハーメチックコネクタ面に垂直な方向を向くことになるので、可動コイルまでのいずれかの部分(通常、電流導入端子近傍)でリード線が曲げられることになり、その曲げた部分に応力が集中してしまう。すなわち、この場合、その曲げた部分で断線が生じやすい圧縮機が得られてしまうことになる。また、後者の条件を優先して、リード線を電流導入端子に対して垂直に固定した場合には、半田付け作業が困難であることに加えて、半田付け部分が十分な強度を持たないものとなってしまう。 【0006】さらに、小型冷凍機で用いられる圧縮機は、内部に高圧の冷媒ガスが封入されて使用されるものであるので、従来のハーメチックコネクタを用いて構成された圧縮機では、セラミックカラーと電流導入端子、セラミックカラーとコネクタ母材との接合部分が劣化した場合などに、電流導入端子、あるいは、電流導入端子とセラミックカラーとが、コネクタ母材から飛び出してしまうことも考えられる。 【0007】そこで、本発明の課題は、リード線の断線がより生じにくく、かつ、異状時に、電流導入端子等が本体から外れて飛び出すことがない圧縮機と冷凍機を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の圧縮機は、圧縮ピストンと、圧縮ピストンがその内部を往復動するシリンダと、圧縮ピストンをシリンダ内で往復動させるための可動コイルと、圧縮ピストンとシリンダと可動コイルとを蔽うためのケース部材と、ケース部材と組み合わされて圧縮機の外殻を形成するハーメチックコネクタであって、ケース部材に対して固定された、2つの貫通穴が設けられた平板上のコネクタ母材と、それら2つの貫通穴のそれぞれに、コネクタ母材との間に絶縁体が挟まれた形態で取り付けられた電流導入端子であって、圧縮機内部側の先端に、コネクタ母材の板面と平行となるように曲げられた部分である取付部を有する電流導入端子とを備えるハーメチックコネクタと、ハーメチックコネクタの各電流導入端子の取付部にその一端が取り付けられ、他端が可動コイルに接続されたリード線とを備える。 【0009】すなわち、本発明の圧縮機は、圧縮機内部側の先端に、コネクタ母材の板面と平行となるように曲げられた取付部を有する電流導入端子を持つハーメチックコネクタを用い、当該取付部と可動コイルの間にリード線を取り付けることによって構成されるので、リード線先端が取付部に理想的に固定され、リード線に応力が集中する部分が存在しない状態で動作することになる。換言すれば、本発明の圧縮機は、リード線の破断が生じにくい圧縮機として動作することになる。 【0010】本発明の圧縮機を実現する際には、ハーメチックコネクタとして、コネクタ母材が、2つの貫通穴が、その中心から等距離の位置に設けられた円盤状の部材であり、各貫通穴に設けられている電流導入端子の取付部が、その貫通穴と中心とを結んだ線分方向に直交する方向を向いているものを用いることができる。 【0011】そして、本発明の冷凍機は、上記構成の圧縮機を用いて構成されるので、寿命が長い(圧縮機におけるリード線の破断に起因する障害が生じにくい)冷凍機として機能することになる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。 【0013】図1に、本発明の一実施形態に係る冷凍機の構成を示す。図から明らかなように、実施形態の冷凍機は、いわゆる、スプリット型スターリング冷凍機であり、膨張機(コールドヘッド)11と圧縮機13と、それらを接続したキャピラリチューブ12とからなる。 【0014】膨張機11は、熱交換のための蓄冷材(金網など)を収納した円柱状のディスプレーサ20、及び、ディスプレーサ20がその内部を往復動するシリンダパイプ21を備える。ディスプレーサ20の一方の端には、外周に螺旋溝が形成された部分(以下、バネ座と表記する)が形成されている。 【0015】また、膨張機11は、コールドチップ22とシリンダホルダ23とホルダキャップ24とコイルバネ25とを備える。コールドチップ22は、シリンダパイプ21の一端を塞ぐことができる形状を有する部材であり、銀ろう付け等によりシリンダパイプ21に固定される。シリンダホルダ23は、熱伝導度の良い材料からなる部材であり、シリンダパイプ21が銀ろう付け等により固定される柱状空洞60と、膨張機11内の空間をキャピラリチューブ12を介して圧縮機内の空間に連絡するための空洞61を有する。 【0016】ホルダキャップ24は、シール部材27を挟んだ形でシリンダホルダ23にボルト(図示せず)によって固定されることにより、膨張機11内に、キャピラリチューブ12を介してのみ外界(圧縮機の内部空間)と連絡される空間を形成する。また、ホルダキャップ24は、シリンダホルダ23に取り付けられる側の面に、その外周に螺旋溝が形成された部分(以下、バネ座と表記する)を有する部材ともなっている。なお、当該バネ座は、ホルダキャップ24がシリンダホルダ23に取り付けられたときに、シリンダパイプ21内のディスプレーサ20のバネ座と同軸になるように形成されている。 【0017】コイルバネ25は、ディスプレーサ20のシリンダパイプ21内での位置を制御するためのバネであり、コイルバネ25の両端は、それぞれ、ホルダキャップ24のバネ座とディスプレーサ20のバネ座に取り付けられている。 【0018】圧縮機13は、左右対称な構造を有しており、センタ部31、センタ部31の各面に対して固定されたシリンダ部32と耐圧ケーシング40、耐圧ケーシング40に対して固定されたハーメチックコネクタ48を備える。 【0019】センタ部31は、圧縮機13内に冷媒ガス(通常、ヘリウム)を導入するための、プラグ45によってシールが行われるガス導入部55、圧縮空間52(シリンダ部32と圧縮ピストン34で画定される空間)をキャピラリチューブ12を介して膨張機11内の空間に繋げる空洞部56等が設けられた部材である。 【0020】ハーメチックコネクタ48は、耐圧ケーシング40とともに、シリンダ部32等が収容される密閉空間を形成する部材であり、円盤状のコネクタ母材41を中心として形成された、2つの電流導入端子43を備えた部材(詳細は後述)となっており、ハーメチックコネクタ48の内面(圧縮機内部側に向けられる面)には、その外周に螺旋溝が形成された円柱状のバネ座42が取り付けられている。シリンダ部32は、センタ部31の空洞部56に繋がる円柱状の空洞58と、空洞58と同心円状の溝59とを有し、シリンダ部32には、溝59の外側内壁をなすように環状のマグネット33が取り付けられている。 【0021】また、圧縮機13は、シリンダ部32の円柱状空洞58内に挿入された圧縮ピストン34、環状溝59に挿入された環状の可動コイル36、圧縮ピストン34と可動コイル36とを相互に固定するための部材35を備える。圧縮ピストン34には、その外周に螺旋溝が形成された円柱状のバネ座37が、バネ座42と同軸となるように取り付けられている。さらに、圧縮機13は、可動コイル36と電流導入端子43とをつなぐリード線39、圧縮ピストン34に固定されたバネ座37とハーメチックコネクタ48に固定されたバネ座42とにその両端が取り付けられたコイルバネ38を備える。 【0022】以下、図2を用いて、圧縮機13の、ハーメチックコネクタ48関連の構成をさらに具体的に説明する。なお、図2(A)は、ハーメチックコネクタ48の断面図であり、図2(B)は、ハーメチックコネクタ48に備えられている電流導入端子43の説明図、図2(C)は、ハーメチックコネクタ48の圧縮機内部側から見た平面図である。 【0023】図2(A)〜(C)に示したように、ハーメチックコネクタ48は、その中心に対して回転対象な位置に、2つの貫通穴が設けられた円盤状のコネクタ母材41と、それらの貫通穴内に固定された、アルミナなどからなるセラミックカラー44で貫通穴との接続部分が蔽われた電流導入端子43とで構成されている。また、ハーメチックコネクタ48は、その圧縮機内部側の先端にコネクタ母材41の板面とほぼ平行になり、かつ、動径方向を向くように曲げられた部分43a(以下、取付部43aと表記する)を有する電流導入端子43が用いられたものとなっている。そして、可動コイル36へのリード線39を、電流導入端子43の取付部43aに半田付け等で固定することによって、圧縮機13は構成されている。 【0024】このように、実施形態に係る圧縮機13は、先端部分が曲げられた電流導入端子43を有するハーメチックコネクタ48を用い、その先端部分と可動コイルの間にリード線を取り付けることによって構成されているので、リード線先端が電流導入端子43に理想的に固定され、リード線39に応力が集中する部分が存在しない状態で動作する。すなわち、リード線39の断線が生じにくい状態で動作する、換言すれば、長時間に渡って安定的に動作する圧縮機となっている。また、電流導入端子43の圧縮機内部側の部分がL字型に曲げられているので、たとえ、セラミックカラー44がコネクタ母材41からはずれても、電流導入端子43が圧縮機から外れてしまうことがない。従って、安全に運転できる圧縮機となっている。 【0025】なお、実施形態として示した圧縮機は、いわゆる外バネ式の圧縮機であったが、本技術を内バネ式の圧縮機に適用しても良い。また、実施形態の冷凍機は、スターリング冷凍機であったが、本技術を、パルスチューブ冷凍機に適用しても良いことは当然である。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば、長時間に渡って使用してもリード線の断線が生じにくく、かつ、安全に運転できる圧縮機、冷凍機を得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002107 【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年3月3日(1999.3.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098235 【弁理士】 【氏名又は名称】金井 英幸
|
| 【公開番号】 |
特開2000−257971(P2000−257971A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−55217 |
|