| 【発明の名称】 |
パルス管冷凍機 |
| 【発明者】 |
【氏名】小原 公和
【氏名】鳥居 明人
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| 【要約】 |
【課題】放熱性の改善と、真空容器としての真空度の保証・維持を配慮した組付け性の向上とを図る。
【解決手段】蓄冷器34、冷却器33及びパルス管32が直線状に配置された型のパルス管冷凍機において、パルス管高温端器12に接するように設けた放熱部材22を、真空容器の周縁部において該真空容器の上下端部30a、30bを固定している支持部材20に結合せしめ、該放熱部材の導出した熱が該支持部材を介して真空容器の該上下端部から放熱されるように為すこと。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】蓄冷器、冷却器及びパルス管がほぼ直線状に配置された型のパルス管冷凍機において、パルス管高温端部に接するように設けた放熱部材を、真空容器の周辺において該真空容器の上下端部を固定している支持部材に結合せしめ、該放熱部材の導出した熱を該支持部材が受け、更に該支持部材を介して真空容器の該上下端部から放熱可能と為しことを特徴とするパルス管冷凍機。 【請求項2】真空容器の上端部、下端部及び外壁円筒部を分割できる構造と成した請求項1に記載のパルス管冷凍機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、真空容器内に蓄冷器と冷却器とパルス管とがほぼ直線状に配置された構成のパルス管冷凍機の改良技術に関し、更に詳しくは、パルス管高温端部から真空容器外への放熱手段の改良に係る。 【0002】 【従来の技術】パルス管冷凍機は、作動ガスに圧力変動及び往復運動(変位)からなる仕事を与える圧力振動源と、蓄冷器、冷却器及びパルス管を含む冷却部と、該冷却部の両高温端における熱を放出する放熱器と、パルス管冷凍機により投入された仕事のうち蓄冷器を通り抜けた圧力変動や往復運動の吸収や位相の調整を行う位相調整器と、から構成される。圧力振動源には、往復動ピストン等によるシリンダ容積変化に伴う圧力変動を発生せしめる方式と、高圧源と低圧源とを準備して置き、弁の切換により圧力振動を発生せしめる方式とがある。位相調整器はパルス管側の高温端に接続され、オリフィス或いは細管、バッファタンク、バルブ又はピストン等から構成される。 【0003】上記の冷凍機において、蓄冷器、冷却器及びパルス管がほぼ直線状に、この順番に配置された構成のものが、パルス管内部の作動ガスの流れを乱さないことから、冷却効率がよいことが経験的に知られている。これら蓄冷器、冷却器及びパルス管はそのまま真空容器に収められるが、上下方向に配置した場合、蓄冷器の下端とパルス管の先端(上端)は高温端放熱器となり、この部位から熱を放出させる必要がある。 【0004】従来技術では、例えば、図5に示したように、真空容器の基底に蓄冷器を載置し、この蓄冷器の下端高温部位が放熱器に熱的な接触をするように為し、真空容器外に向けて熱が遁げるように放熱器が設けられている。また、パルス管上端高温部位は真空容器の天蓋に接するように固定され、この部位から真空容器全体(又は上方)から放熱がなされる。パルス管上端高温部には、位相調整器が接続されているが、この位相調整器を利用して熱伝達により放熱の一部を担わせることも可能である。通常、真空容器の材質は銅、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム等であり、熱伝導性がよいので、放熱の観点からは図5のパルス管冷凍機はほぼ満足できるものと言えそうである。 【0005】しかしながら、図5に開示された冷凍機の構成では、蓄冷器、冷却器及びパルス管が一直線に並び、しかも真空容器の基底部位と天蓋の中央部位において固定されるため、製作に厳密な精度が要求され、真空容器固有の密閉条件が加わり、組み付けも簡単ではない。 【0006】そこで、この点を改良した冷凍機が特開平10−325626号公報に開示されている。この文献に記載された技術は、図6に示してあるように、蓄冷器の下端高温部を真空容器の基底に置き、その部位の下方に放熱器を設ける点は図5の技術と同様であるものの、パルス管上方の高温端に放熱器を設け、当該放熱器と支柱とをΓ字型に連結し、この支柱を介して真空容器の基底に固定し、構造的に製作と組み付けとが容易であるように工夫し、また放熱の観点から放熱器の材料や支柱の材料として熱伝導性に優れた材質を選択し、真空容器基底部位から熱の導出を図っている。 【0007】従来技術は、一応、それ相応の機能を備えていて、ある程度の試験結果を呈している。しかしながら、実用に際し支障を来たすことはないか、ほぼ恒久的に使用できるのか、との観点からはなお改良の余地がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】従来技術は、図6に見られるとおり、製作、組立て(組付け)及び分解等の作業を実施することは可能であり、機能的にも充足していると言えよう。 【0009】ところで、パルス管冷凍機には被冷却物を真空容器内に収納し、しかる後真空容器を真空化するが、この際、真空容器内が被冷却物を含めて合理的に設計してないと、たちまち作業が困難に陥ることとなる。例えば、真空化は真空ポンプを容器外に設置してある場合には格別問題がない。もっとも、真空ポンプ自体が場所を占めるので、例えば周囲の圧縮機を含む設備との配置に工夫が要る。一見問題がないように思われがちでも、さまざまな潜在的問題を秘めていることもある。冷凍機を稼働する際に容器外の真空ポンプを使用しない場合は、真空シールの手段が制約される。図5の冷凍機では溶接シールに比較的困難を伴うが、これはパルス管先端の高温部位の支持方法が見当たらないためである。図6の冷凍機は真空化における問題はないが、被冷却物を真空容器内に収める際に、取扱いが容易でないという問題が指摘できる。例えば、被冷却物が、本発明で想定しているような無線通信等に供する高性能電子機器であって、殊に冷却が不可欠な金属酸化物からなる高温臨界温度の超伝導フィルタ(HTSフィルタ)や低雑音増幅器(LNA)であれば、信号の出入力部は真空容器上方に(圧縮機から比較的離れた位置に)配置することが望ましい。それは、パルス管冷凍機の下方に(重量のある圧縮機を下方に配置すると装置全体が安定するうえに、パルス管内の対流の影響から高温端が上方で、低温端が下方になるのが望ましい)圧縮機が連結されているからであり、更に真空容器は低雑音増幅器の電源の取付口や前述の真空ポンプとの連結口等が設けられる必要があるからである。 【0010】そこで、この従来技術を発展せしめ、更に放熱性を改善する方策を検討し、併せて、冷凍機における各部材の製作、真空容器としての真空度の保証、真空の維持等を配慮した各部材の設計、組付け性の向上を図ることが、本発明の技術上の解決すべき課題である。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、真空容器の上端部、下端部及び外壁円筒部をそれぞれ分割できる構造とし、パルス管高温端の熱を真空容器の上下端両面から放熱する構成とする。そして、HTSフィルタを冷却する際、つまり真空容器を冷却する際、この真空容器が上下分割式であれば、先ず上部フランジに信号の入出力コネクタを取付け、ついで、パルス管冷凍機、真空容器上下端、被冷却物、入出力ケーブルを次々に組み付ける。しかる後、真空容器の外壁部(円筒状)を取付ける要領で、組付作業を容易に為し、真空容器を真空化する作業工程に移ることが出来る。 【0012】また、放熱手段は、組立に際し、パルス管高温端に放熱部材を熱伝導が円滑に起こるように、部材相互が密着するように、熱的に接触させ、また真空容器外壁に近い位置に設けられる上下端部を支持する支持部材と前記放熱部材とを熱的に接触せしめると共に、機構的に結合・固定することにより組立てを完成する。 【0013】即ち、請求項1のパルス管冷凍機は、蓄冷器、冷却器及びパルス管がほぼ直線状に配置された型のパルス管冷凍機において、パルス管高温端部に接するように設けた放熱部材を、真空容器の周辺において該真空容器の上下端部を固定している支持部材に結合せしめ、該放熱部材の導出した熱を該支持部材が受け、更に該支持部材を介して真空容器の該上下端部から放熱可能と為しことを特徴とする。 【0014】本発明の構成により、パルス管高温端部に接するように設けた放熱部材を介して、真空容器の該上下端部から放熱が可能となる効果が奏される。 【0015】また、請求項2の発明は、真空容器の上端部、下端部及び外壁円筒部を分割できる構造とし、パルス管高温端の熱を真空容器の上下端両面から放熱できる構成とする。 【0016】その結果、HTSフィルタを冷却する際、つまり真空容器を冷却する際、この真空容器が上下分割式であるから、先ず上部フランジに信号の入出力コネクタを取付け、次いで、パルス管冷凍機、真空容器上下端、被冷却物、入出力ケーブルをこのような順番で組み付け、しかる後、真空容器の外壁部(円筒状)を取り付ける要領で、組付作業が容易となる効果を奏する。 【0017】 【発明の実施の形態】図面を参照しながら、本発明を詳しく説明する。 【0018】図1は、本発明のパルス管冷凍機の一実施例を示す概略図である。実施例では、圧縮機36の上方に真空容器30が載置され、圧縮機の駆動により作動ガスの圧縮、膨張が繰り返され、圧縮機36に連結したパルス管冷凍機(蓄冷器34、冷却器33,パルス管32及び位相調整器35を含む)によって、真空容器30が冷却される。 【0019】真空容器30の内部は、通常の稼働時には、70K程度に冷却され、しかも1/100Pa程度の真空条件下にある。この真空容器は上方端部30a、下方端部30b及び外壁円筒部30cから構成され、また上方端部30aと下方端部30bとの間には少なくとも3本の支持部材20によって補強されている。真空容器の内部には、パルス管32、冷却器33及び蓄冷器34がこの順に、上方から下方に配置されている。特に本発明の装置では、パルス管32、冷却器33及び蓄冷器34がほぼ一直線に配列している特徴がある。このように配置されると、蓄冷器からパルス管先端まで、これらの内部に充填された作動ガスは、乱されずに、層流として挙動するので、冷却効率が高くなる。パルス管の先端には位相調整器35が取り付けられている。そして、この位相調整器35は他端を含むその一部が真空容器30の外部に伸びている。蓄冷器34の下端は高温となるため放熱器14が設けられる。また、パルス管もその上端部が高温端部となるため、放熱器12を設け、真空容器の外部に放熱する必要がある。本発明ではパルス管高温部からの放熱を円滑且つ確実に実施するため、パルス管放熱器12に放熱部材22を密着するように接触させ、この放熱部材22をその両端において支持部材20と接触・固定して熱伝導による真空容器20外へ熱導出する。パルス管放熱器12は放熱部材22によって、パルス管自体を固定し、保護する機能も備えている。放熱部材は熱伝導率の良好な材質によって構成され、パルス管放熱器12と放熱部材22との間、及び放熱部材22と支持部材20との間の伝熱が充分に施される必要がある。 【0020】図2は、図1の真空容器30をパルス管放熱器12のやや上方から見た端面図(平面図)である。パルス管放熱器12の上に密着して放熱部材22が設けられ、両端において2本の支持部材20、20と接合している。30cは真空容器の外周の壁を構成している。 【0021】本発明において、真空容器30は上方端部30a、下方端部30b及び外壁円筒部にそれぞれ分割できる構造に成っている特徴がある。真空容器が組付けや分解において、合理的に分割できる装置は取り扱いが容易であるばかりでなく、他の部材との位置決めも簡単で、組立の精度も高い。 【0022】この真空容器が上下分割式であるから、先ず上部フランジに信号の入出力コネクタを取付け、次いで、パルス管冷凍機、真空容器上下端、被冷却物、入出力ケーブルをこのような順番で組み付け、しかる後、真空容器の外壁部(円筒状)を取り付ける要領で、組付作業が容易となる効果を奏する。 【0023】被冷却物としては、既述した無線通信等に供する高性能電子機器であって、殊に冷却が不可欠な金属酸化物からなる高温臨界温度の超伝導フィルタ(HTSフィルタ)や低雑音増幅器(LNA)であるが、真空容器内の温度を検出するための温度センサ等がこれらに加わる。 【0024】被冷却物の装填が済めば、真空容器の円筒外壁が固定され、真空容器の真空化の作業に移行する。真空容器は排気量の大きい真空ポンプを常時取り付けて置く場合と、真空容器に外付けの真空ポンプを使用しない場合とがある。前者は被冷却物の機能や性能の試験を行うような、比較的短期間の試験の後、被冷却物を取出す必要がある時に行われる。この場合は真空容器の解体を前提としているので、真空化に伴うシールは分解作業が容易な金属製又は非金属製(例えば、ゴムのようなもの、有機物からなる弾塑性体)のOリングの使用も可能である。後者の場合が、一般的であって、半恒久的に真空度を保証する必要があるので、真空シール部材としては金属に限られる。通常溶接により封じるが、真空容器を予め真空ポンプにより充分に排気(ベーキングも必要)した後に、溶接して真空容器を封じる。なお、場合によっては、真空容器内にガス吸着材(活性炭やガス吸着性金属等)を挿入することもある。 【0025】図3は、被冷却物42を装着した後、真空ポンプで排気し、Oリングを使用して、真空容器30をシールしている状態を示している。このシールは、試験時にゴム製のシール材を使用しているので、真空容器は開閉が可能である。被冷却物を収容したときは、真空容器に入出力コネクタ40,ケーブル41、電源43等が取り付けられる。 【0026】図4は、真空ポンプにより排気した後、真空容器を溶接により封じたもの(以下「封じ切り」と称することがある)である。真空容器外壁円筒部30cにおいて、溶接・封じ切り操作を施すときは、作業性から真空容器外壁円筒部30cは薄い金属板を採択する方がよい。そこで、強度保持のため、支持部材20等が設けられ、この支持部材が放熱に寄与する機能を備え、真空容器全体で合理的設計が成されているのである。ここでは、支持部材は外壁周囲近くに配置されるが、これは薄い外壁円筒部30cを補強する点で適切な位置であるばかりか、放熱にも有効であり、複数本の支持部材により熱導出を分散し分担し、さらに薄い外壁から放熱し易くしている。なお、輻射熱が真空容器内部に影響が及ぶことはこの装置では殆どないが、要すれば、遮蔽手段(遮蔽板等)を設けても差し支えない。 【0027】本発明のパルス管冷凍機を含む真空容器において、溶接による封じ切りは、被冷却物のメンテナンスのために開封が必要になったときにも、開封操作を簡単に行うことができる。 【0028】 【発明の効果】本発明のパルス管冷凍機は、パルス管高温端の熱を真空容器上方及び下方から放熱できる構造であり、放熱性が改善されている。 【0029】更に、真空容器の上下端部と外壁円筒部とを分割でき、上部フランジに信号の入出力コネクタを取付け、パルス管冷凍機、真空容器上下端、被冷却物、入出力ケーブルをこのような順番で組み付け、しかる後、真空容器の外壁部(円筒状)を取り付ける要領で、組付作業が容易となる効果を奏する。同時に、組立の際の位置決めが容易で、精度も維持される効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595000793 【氏名又は名称】株式会社移動体通信先端技術研究所
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| 【出願日】 |
平成11年3月12日(1999.3.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072604 【弁理士】 【氏名又は名称】有我 軍一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−257970(P2000−257970A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−65888 |
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