| 【発明の名称】 |
高温超伝導フィルタシステムの冷却方式 |
| 【発明者】 |
【氏名】滝澤 敬次
【氏名】鳥居 明人
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| 【要約】 |
【課題】高温超伝導フィルタを機能させるコンパクトな冷却方式を開発すること。
【解決手段】圧縮機30の上部にチャンバ20が載置され、チャンバ20の内部には真空容器10、温度調節器(温調器)40及び電源42が配置されており、真空容器10は外壁を冷却水により冷却できるうえ、断熱材12によっても被覆できる。本システムの中心となる高温超伝導フィルタ(図示せず)は、真空容器10の内部に収納されており、該真空容器の中にはパルス管冷凍機が配置され、パルス管内の動作流体と圧縮機30とは流密に連結さている。圧縮機による動作流体の圧縮・膨張によって、所定の冷却温度(約70K)までに冷却され、その温度に維持される。その結果、前記蓄冷器の近傍に配置されている高温超伝導フィルタは超伝導性能を発現できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】金属酸化物薄膜からなる高温超伝導フィルタを真空容器内に置き、該フィルタを機能せしめるための冷凍手段において、真空容器を納めたチャンバの外側に圧縮機を配置して該圧縮機からの放熱がチャンバに及ばないようにすると共に、放熱促進用フィンを該圧縮機の周囲に設け、真空容器外側を断熱材で被覆することからなる、高温超伝導フィルタシステムの冷却方式。 【請求項2】請求項1に記載のシステムにおいて、真空容器自体を水冷することを特徴とする高温超伝導フィルタシステムの冷却方式。 【請求項3】請求項1に記載のシステムにおいて、冷凍機自体及び/又はチャンバ自体を水冷することを特徴とする高温超伝導フィルタシステムの冷却方式。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高温超伝導フィルタシステムを移動体通信の基地局に適用する技術に係わり、更に詳しくは、高温超伝導フィルタ、低雑音増幅器、これらを冷却する小型冷凍機及び薄膜同軸ケーブルより構成される高温超伝導受信フィルタシステムおいて、基地局の環境の変化に拘わらず、システムが機能するための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】高温超伝導受信フィルタシステムを構成する部品・部材及び要素技術において、先ず、高温超伝導膜の製造、フィルタ基板の設計・製造・加工等に関する技術は概ね完成されている。小型冷凍機に関しては冷却効率の向上が課題であり、一応の試験結果を得ているものの、なお改善工夫の余地が残っている。 【0003】高温超伝導フィルタは、超伝導膜材料固有の臨界温度以下に冷却し、その温度以下に維持されないと、超伝導の機能を発現しない。YBCO超伝導膜の場合、臨界温度は93Kであり、超伝導フィルタや低雑音増幅器は70K程度に冷却された真空容器の中に収納されて稼働する。真空容器は外壁から内部に熱が導入されることを回避する目的で使用され、この真空容器内の気体に対流が生じないように、1/100Pa程度の真空度に保たれる。さらに、真空容器に通信信号の伝達に伴って、導線を通じて外部からの熱の侵入が起きないように、断熱的に通信信号が特殊な通信ケーブルを介して、断熱真空容器内に持ち込まれ、この通信信号が超伝導フィルタにより所定の通信帯域に絞られた後、通過した信号が増幅器により増幅される。真空容器内に置かれた低温ほど雑音が少ない低雑音増幅器も高品質の通信をもたらす効用がある。 【0004】真空容器及びこれを冷却する小型冷凍機より構成される高温超伝導受信フィルタシステムは熱管理の面から完成度の高い技術が要求されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、 高温超伝導受信フィルタシステムは、様々な環境下(氷点下から60,70℃程度まで)で使用される。 【0006】環境温度の影響で真空容器が収容されたチャンバーの温度が上昇すると、真空容器の外壁から容器内部への熱流入が避けられない。この真空容器は、真空度が高いので、気体の対流による熱伝達を遮断できているものの、輻射による熱の流入を回避できないから、真空容器の冷却温度を維持するため、冷凍機の負荷が増大する。従って、使用環境温度50〜70℃の高温に対してまで保証することは、冷凍能力の大きな冷凍機が必要となる。そうすると、冷凍機が大型化し、システム自体も、冷凍機が大型化した分、コンパクトにはなり得ない。 【0007】そこで、本発明は、高温超伝導受信フィルタシステムのコンパクト化を狙い、熱効率が高く、設備としても合理的な冷却方式を創ることを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、真空容器を納めたチャンバの外側に圧縮機を配置し、放熱を向上させ、放熱促進用の放熱フィンをラックの一部に設け、フィン表面積を大きくして放熱機能を高める。この改良により、新たにフィンを設置する設備容積を低減させ、システム全体をコンパクト化することが可能となる。 【0009】また、真空容器自体を水冷すること、及び/又は真空容器外側を断熱材で被覆することにより、輻射熱に伴う熱負荷を低減させ、冷凍機の小型化を可能とする。 【0010】同様に、冷凍機自体を水冷等の手段により冷却すること、或いは、チャンバ自体を水冷することも外部環境の温度変化を遮断できるため、熱負荷が安定する利点があり、システムの冷却方式に有効である。 【0011】請求項1に記載の発明は、金属酸化物薄膜からなる高温超伝導フィルタを真空容器内に置き、該フィルタを機能せしめるための冷凍手段において、真空容器を納めたチャンバの外側に圧縮機を配置して該圧縮機からの放熱がチャンバに及ばないようにすると共に、放熱促進用フィンを該圧縮機の周囲に設け、真空容器外側を断熱材で被覆することを特徴とする。このような構成を採ることにより、高温超伝導フィルタシステムをコンパクト化することが可能となる。 【0012】断熱材としては、従来から多用されている発泡ポリスチレンの厚いシート被覆材やガラスウール等の被覆材が有効である。更に、容積をとらずに、効率のよい断熱材として、輻射熱を反射するか遮蔽する作用をもつものが使用される。例えば、有機材料からなるシート状物の表面にアルミニウム等の金属を蒸着した赤外線乃至可視光線を反射する蒸着フィルム遮蔽板による真空容器の被覆に利用できる。また、例えば、酸化インジウム又は酸化チタン等をガラスや有機フィルム表面にスパッタしてなる半透明膜は、光学厚さに対応した輻射線の波長によって、反射、吸収、透過挙動が変化するので、適切な条件を選択できる。 【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1の発明に加えて、真空容器を水冷手段により冷却し、環境温度の上昇に起因する真空容器自体の冷熱負荷を軽減させるものである。 【0014】水冷手段の選択としては、地下水等の低温の水を利用するほか、通常の冷凍設備によって作られた冷却水の利用を選択しても差し支えない。但し、冷却水は本発明システム周囲ではなく、離れた場所で作られて、簡便に利用できるものが一層好ましい。真空容器の水冷は容器を直接的に又は間接的に冷却できる公知の手段が採用できる。 【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1及び/又は請求項2の発明に加えて、チャンバ自体及び/又は冷凍機自体を水冷手段により冷却し、環境温度の上昇に起因する真空容器内にその一部が配置されている冷凍機の冷熱負荷を軽減させるものである。冷凍機がパルス管冷凍機である場合、パルス管の先端や蓄冷器の高温端は高温となるので、冷凍機のこれらの部分(通常放熱器が置かれる)を水冷することは効果的であり、システム全体の熱負荷対策にも有効である。 【0016】断熱材について補説すると、本発明では輻射熱を反射するか遮蔽する作用をもつものが利用される。例えば、ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムの表面にアルミニウムを蒸着した赤外線乃至可視光線を反射する蒸着フィルム遮蔽板による真空容器の被覆に使用できる。また、例えば酸化インジウム、酸化ジルコニウム或いは酸化チタニウム等をガラスや有機フィルム表面にスパッタしてなる半透明膜(厳密に云えば、完全酸化物ではなく、例えば酸化チタンでは部分的に還元状態にあるTiO2-xと表示できる)は、光学厚さ(屈折率と有効厚さ)に対応した輻射線の波長によって、反射、吸収、透過挙動が変化する。遠赤外線波長と対応する温度(氷点下〜70℃)の光学厚さとなるように酸化物の被膜の厚さを調整することができる。 【0017】このような被覆材で真空容器を被覆すると、真空容器への輻射熱をカットでき、冷凍機の負荷を減らすことが可能となる。 【0018】 【発明の実施の形態】図面を参照しながら、本発明をさらに説明する。 【0019】図1は、本発明の実施例であって、高温超伝導フィルタシステムの冷却とその維持を担う設備の概略図(正面図)である。図1において、実施例の冷凍システムは、設備的には圧縮機30が占める下部ラックの上にチャンバ20(上部のラック)が載置された状態にあり、チャンバ20の内部には真空容器10、温度調節器(温調器)40及び電源42が配置されており、真空容器10は断熱材12によって被覆されている。本冷却方式の中心となる高温超伝導フィルタ(図示せず)は、真空容器10の内部に収納されており、該真空容器の中にはパルス管冷凍機で代表される冷凍機が配置され、パルス管や蓄冷器等の動作流体と圧縮機30のピストン・シリンダ部分とは流密に連結さている。圧縮機による動作流体の圧縮・膨張によって、真空容器10内のパルス管や蓄冷器等は所定の冷却温度(約70K)までに冷却され、その温度に維持される。その結果、前記蓄冷器の近傍に配置されている高温超伝導フィルタは超伝導性能を発現できると言う仕組みである。 【0020】図2は、図1の本実施例であって、側面から観た状況を示したものである。下部の圧縮機30はピストンを駆動するための電導コイルからのジュール熱による発熱があるうえ、動作流体の圧縮等によっても流体の発熱が生じる。そこで、発熱の大きい圧縮機を冷却する必要があり、圧縮機の放熱用にファン32が該圧縮機側面に設けられている。 【0021】図1の冷却方式を一層効果ならしめるため、特に図で示してないものの、真空容器10を直接又は間接に冷却水により冷却することも可能である、冷却水による冷却はチューブ等を真空容器外壁に捲く要領(図示せず)で実施できる。勿論、公知の他の手段も採用可能である。 【0022】本発明では、先ず、圧縮機をチャンバ外部に設置することにより、圧縮機の発熱が真空容器に伝達されることが避けられる。 【0023】更に、上述のように、真空容器を直接又は間接的に水冷して、外部環境からの影響を避ける。水冷手段は、地下水等の低温の水を利用するほか、冷凍機によって作られた冷却水を用いても差し支えない。但し、冷却水は本発明の冷却装置の周囲ではなく、本発明の装置から離れた場所で作られて、簡便に利用できるものの方が好ましい。 【0024】また、真空容器を覆う断熱材としては、輻射熱を反射するか遮蔽する作用をもつものが推奨される。少なくとも、外部環境温度の変化から遮断される必要がある。 【0025】さらに、冷凍機自体やチャンバ自体を、真空容器の冷却と同様に、冷却することができる。この場合も水冷手段は好適であり、地下水等の低温の水を利用することができる。 【0026】 【発明の効果】請求項1の発明では、圧縮機をチャンバ外部に設置することにより、圧縮機の発熱が真空容器に伝達されることが避けられ、断熱材として例えば輻射熱を反射するか遮蔽する機能をもつ材料が選ばれると、真空容器が外部環境温度変化から遮蔽される効果を奏する。 【0027】請求項2の発明では、請求項1の発明の効果に加えて、真空容器を直接又は間接的に水冷して、外部環境からの影響を避けることができる。 【0028】請求項3の発明でも、請求項1又は請求項2の発明の効果に加えて、冷凍機自体やチャンバ自体を冷却して冷却機の熱負荷を抑える効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595000793 【氏名又は名称】株式会社移動体通信先端技術研究所
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| 【出願日】 |
平成11年3月12日(1999.3.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072604 【弁理士】 【氏名又は名称】有我 軍一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−257967(P2000−257967A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−65890 |
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