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【発明の名称】 冷凍サイクル
【発明者】 【氏名】大村 充世

【氏名】竹尾 裕治

【要約】 【課題】圧縮機に回転センサを設けることなく、圧縮機のロックを検出して駆動手段の損傷を防止する。

【解決手段】蒸発器5を挟んで空気流れ上流側と下流側との空気の温度差により圧縮機1がロックしたか否かを判定する。これにより、圧縮機1に圧縮機1の回転数を検出する回転センサを新たに設ける必要がないので、圧縮機1の構造が複雑になることを防止することができるとともに、冷凍サイクルを構成する機器(部品)の点数が増大することを防止できる。したがって、冷凍サイクルの製造原価上昇を抑制しつつ、エンジンの損傷を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(1)と、前記圧縮機(1)を駆動する駆動手段(E)と、前記圧縮機(1)から吐出する冷媒を冷却する放熱器(2)と、前記放熱器(2)から流出する冷媒を減圧する減圧器(4)と、前記減圧器(4)か流出する冷媒を蒸発させる蒸発器(5)と、前記蒸発器(5)にて冷却される前の空気の温度を検出する第1温度検手段(S150、S350、S550、S750、S950)と、前記蒸発器(5)にて冷却された後の空気の温度を検出する第2温度検手段(17)と、前記第1検出手段(S150、S350、S550、S750、S950)の検出温度と前記第2検出手段(17)の検出温度との温度差(Δ)が所定温度差(C)以上のときに、前記圧縮機(1)を停止させる圧縮機停止手段(S220、S410、S640、S810、S1040)とを有することを特徴とする冷凍サイクル。
【請求項2】 前記減圧器(4)の冷媒流入側圧力と、前記減圧器(4)の冷媒流出側圧力との圧力差に関連する物理量が所定値を越えたときに、前記圧縮機停止手段(S220、S410、S640、S810、S1040)を作動させることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル。
【請求項3】 前記所定温度差(C)は、前記圧縮機(1)の起動後の経過時間に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル。
【請求項4】 前記所定温度差(C)は、前記蒸発器(4)を通過する風量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
【請求項5】 前記所定温度差(C)は、前記圧縮機(1)の回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルに関するもので、エンジン(内燃機関)から駆動力を得て圧縮機を稼働させる冷凍サイクルに適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】圧縮機の可動部(摺動部)が焼き付きを起こし圧縮機がロックした状態で、エンジン等の駆動手段から圧縮機に駆動力を供給し続けると、エンジン等に大きな負荷が作用するので、エンジン等の損傷を招くおそれがある。そこで、例えば特開平7−317687号公報に記載の発明では、圧縮機の回転数を検出する回転センサを設け、この回転センサの検出値に基づいて圧縮機がロックしたか否かを判定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記載の手段では、圧縮機に回転センサを設ける必要があるので、圧縮機の構造が複雑になるととともに冷凍サイクルを構成する機器(部品)の点数が増大し、冷凍サイクルの製造原価上昇を招いてしまう。本発明は、上記点に鑑み、圧縮機に回転センサを設けることなく、圧縮機のロックを検出して駆動手段の損傷を防止すること目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、請求項1〜4に記載の発明では、蒸発器(5)にて冷却される前の空気の温度を検出する第1温度検手段(S150、S350、S550、S750、S950)と、蒸発器()にて冷却された後の空気の温度を検出する第2温度検手段(17)と、第1検出手段(S150、S350、S550、S750、S950)の検出温度と第2検出手段(17)の検出温度との温度差(Δ)が所定温度差(C)以上のときに、圧縮機(1)を停止させる圧縮機停止手段(S220、S410、S640、S810、S1040)とを有することを特徴とする。
【0005】これにより、圧縮機(1)に圧縮機1の回転数を検出する回転センサを新たに設ける必要がないので、圧縮機(1)の構造が複雑になることを防止することができるとともに、冷凍サイクルを構成する機器(部品)の点数が増大することを防止できる。延いては、冷凍サイクルの製造原価上昇を抑制しつつ、駆動手段(E)の損傷を未然に防ぐことができる。
【0006】ところで、圧縮機(1)の起動直後と圧縮機(1)が起動して冷凍サイクルが安定した場合とで同様な基準により、圧縮機(1)がロックしたか否かを判定すると、圧縮機(1)がロックしていないのに、圧縮機(1)がロックしたものと誤判定するおそれがある。これに対して、請求項3に記載の発明によれば、所定温度差(C)は、圧縮機(1)の起動後の経過時間に基づいて決定されることを特徴とするので、圧縮機(1)がロックしていないのに、圧縮機(1)がロックしたものと誤判定してしまうことを未然に防止することができる。
【0007】また、温度差(Δ)は、蒸発器(5)を通過する際の空気の速度(風速)が大きくなるほど小さくなるので、送風量によらず、所定温度差(C)を一定値とすると、圧縮機(1)がロックしていないのに、圧縮機(1)がロックしたものと誤判定するおそれがある。これに対して、請求項4に記載の発明によれば、所定温度差(C)は、蒸発器(4)を通過する風量に基づいて決定されることを特徴とするので、圧縮機(1)がロックしていないのに、圧縮機(1)がロックしたものと誤判定してしまうことを未然に防止することができる。
【0008】また、温度差(Δ)は、蒸発器(5)が発揮する冷凍能力によって変化するので、冷凍能力は、圧縮機(1)の回転数に連動して増減する。このため、圧縮機(1)の回転数によらず、所定温度差(C)を一定値とすると、圧縮機(1)がロックしていないのに、圧縮機(1)がロックしたものと誤判定するおそれがある。
【0009】これに対して、請求項5に記載の発明によれば、所定温度差(C)は、圧縮機(1)の回転数に基づいて決定されることを特徴とするので、圧縮機(1)がロックしていないのに、圧縮機(1)がロックしたものと誤判定してしまうことを未然に防止することができる。因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0010】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、本発明に係る冷凍サイクルを車両用空調装置に適用したものであって、図1は車両用空調装置の模式図である。1は冷媒を吸入圧縮する圧縮機であり、この圧縮機1は、電磁クラッチ等の動力を断続可能に伝達するクラッチ手段(以下、クラッチと略す。)1aを介して車両用走行用のエンジン(駆動手段)Eから駆動力を得て稼働する。
【0011】2は圧縮機から吐出する冷媒を冷却するとともに、その冷媒を凝縮させる凝縮器(放熱器)であり、3は凝縮器2から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離してサイクル中の余剰冷媒を蓄えるとともに、液相冷媒を流出するレシーバ(気液分離手段)である。4はレシーバ3から流出した冷媒を減圧する減圧器であり、5は減圧器4から流出する冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮する蒸発器である。なお、減圧器4は、蒸発器5の冷媒出口側の冷媒加熱度を所定値となるように、その開度を調節する、いわゆる温度式膨張弁である。
【0012】また、蒸発器5は車室内に吹き出す空気の通路を構成する空調ケーシング6内に配設されており、この空調ケーシング6の空気流れ上流側には、車室内に空気を送風する遠心式多翼ファンを有する送風機7が配設されている。そして、送風機7の吸入側には、車室外から空気を導入して送風機7に導く外気導入口8及び車室内から空気を導入して送風機7に導く内気導入口9が設けられており、両導入口8、9は内外気切換ドア10により、その開度が調節される。
【0013】また、空調ケーシング6内のうち蒸発器5より空気流れ下流側には、エンジンEの廃熱(冷却水)を熱源として空調ケーシング6内を流通する空気を加熱するヒータコア11が配設されている。12はヒータコア11を迂回して空気を車室内側に向けて流通させるバイパス通路であり、13はバイパス通路12を流通する風量を調節することにより、車室内に吹き出す空気の温度を調節するエアミックスドア(温度調節手段)である。
【0014】そして、クラッチ1a、内外気切換ドア10、エアミックスドア13及び送風機7は、図2に示すように、電子制御装置(ECU)14により制御されており、ECU14には、車室内空気の温度を検出する内気センサ(内気温度検出手段)15、車室外空気の温度を検出する外気センサ(外気温度検出手段)16、蒸発器5の空気流れ下流側にて蒸発器5を通過した直後の空気温度を検出するエバ後センサ(蒸発温度検出手段)17、及び車室内に注がれる日射量を検出する日射センサ(日射量検出手段)18の検出値、並びにエアコン操作パネル19からの信号が入力されている。
【0015】なお、エアコン操作パネル19は、各吹出モードの設定を行う吹出モード切換レバー19a、内外気切換モードを切り換える内外気切換レバー19b、車室内への吹出風温度を調節する温度調節レバー(温度設定手段)19c、車室内へ吹き出される風量を設定する風量設定レバー19d、及び空調装置の起動スイッチ(A/Cスイッチ)19eが設けられている。
【0016】次に、図3に示すフローチャートに基づいて、本実施形態に係る空調装置の作動を述べる。車両の電装部品へ電力の供給を許可するイグニッションスイッチ(図示せず)が投入されると、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるか否かを判定する(S100)。
【0017】次に、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるときには、エアコン操作パネル19の設定値や各センサ16〜18の検出値等に基づいて、圧縮機1を稼働させる必要があるか否か、つまり、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるか否かを判定し(S110)、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるときには、ロックフラグに基づいて、今以前に圧縮機1がロックしたか否か判定する(S120)。
【0018】そして、ロックフラグが立っておらず、圧縮機1が以前にロックしていないものと判定されたときには、クラッチ1aを繋ぎ(S130)、内気センサ15の検出温度TR、エバ後センサ17(第2温度検手段)の検出温度TAM、及びエバ後センサ17の検出温度TEを読み込むとともに(S140)、数式1に基づいて蒸発器5にて冷却される前の空気の温度TINを推定する(S150)。
【0019】
【数1】TIN=A×TAM+(1−A)×TR但し、Aは、図4に示すように、内外気切換ドア10の開度(内気と外気との風量割合)によって決定される係数である。次に、ECU14内のタイマー(計数手段)によりクラッチ1aが繋がれた時を基準として時間を計測し(S160)、タイマーの計測時間が所定時間以上であるか否かを判定する(S170)。
【0020】そして、タイマーの計測時間が所定時間未満のときには、ロック判定温度差Cとして第1判定温度差C1を代入し(S180)一方、タイマーの計測時間が所定時間以上のときには、ロック判定温度差Cとして第2判定温度差C1(>C1)を代入する(S190)。次に、温度TINと温度TEとの温度差Δがロック判定温度差C以上であるか否かを判定し(S200)、温度差Δがロック判定温度差C以上であるときには、圧縮機1がロックしたものと見なしてロックフラグ立てるとともに(S200)、クラッチ1aを切る(S220)。
【0021】なお、S100にてA/Cスイッチ19eがOFF状態であると判定されたとき、及びS110にてクラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要がないと判定されたときには、タイマーを初期化した後(S230)、S100に戻る。また、S120にて以前に圧縮機1がロックしたものと判定されたとき、及びS200にて温度差Δがロック判定温度差C未満であると判定されたときには、S100に戻る。
【0022】次に、本実施形態の特徴を述べる。本実施形態によれば、蒸発器5を挟んで空気流れ上流側と下流側との空気の温度差により圧縮機1がロックしたか否かを判定するので、圧縮機1に圧縮機1の回転数を検出する回転センサを新たに設ける必要がない。したがって、圧縮機1の構造が複雑になることを防止することができるとともに、冷凍サイクルを構成する機器(部品)の点数が増大することを防止できるので、冷凍サイクルの製造原価上昇を抑制することができる。延いては、エンジンEの損傷を未然に防ぐことができる。
【0023】ところで、圧縮機1(冷凍サイクル)の起動直後は、減圧器4の冷媒流入側圧力と冷媒流出側圧力との圧力差が小さく、十分な冷凍能力を蒸発器5にて発揮することができない。このため、仮に圧縮機1がロックしていなくても、圧縮機1(冷凍サイクル)の起動直後は、圧縮機1(冷凍サイクル)が起動してから十分に時間が経過して冷凍サイクルが安定した後に比べて、圧力差及び蒸発器5の上流側と下流側との温度差が小さい。
【0024】したがって、圧縮機1の起動直後と圧縮機1が起動して冷凍サイクルが安定した場合とで同様な基準により、圧縮機1がロックしたか否かを判定すると、圧縮機1がロックしていないのに、圧縮機1がロックしたものと誤判定するおそれがある。これに対して、本実施形態では、圧縮機1の起動後の経過時間に基づいてロック判定温度差Cを決定(選定)するので、圧縮機1がロックしていないのに、圧縮機1がロックしたものと誤判定することを未然に防止できる。
【0025】(第2実施形態)第1実施形態では、圧縮機1の起動後の経過時間に基づいてロック判定温度差Cを決定(選定)したが、本実施形態は、エンジンEの回転数に基づいてロック判定温度差Cを決定するものである。なお、本実施形態では、ECU14には、エンジンEの回転数を検出する回転センサ(図示せず)からの検出回転数Neが入力されている。
【0026】以下、図5に示すフローチャートに基づいて本実施形態の作動を述べる。車両の電装部品へ電力の供給を許可するイグニッションスイッチが投入されると、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるか否かを判定する(S300)。次に、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるときには、エアコン操作パネル19の設定値や各センサ16〜18の検出値等に基づいて、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるか否かを判定し(S310)、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるときには、ロックフラグに基づいて、今以前に圧縮機1がロックしたか否か判定する(S320)。
【0027】そして、ロックフラグが立っておらず、圧縮機1が以前にロックしていないものと判定されたときには、クラッチ1aを繋ぎ(S330)、内気センサ15の検出温度TR、エバ後センサ17の検出温度TAM、及びエバ後センサ17の検出温度TEを読み込むとともに(S340)、上記数式1に基づいて蒸発器5にて冷却される前の空気の温度TINを推定する(S350)。
【0028】次に、エンジン1の回転数Neを読み込むととともに、その読み込んだ回転数Ne及び図6に示すマップに基づいてロック判定温度差Cを決定する(S360〜S380)。具体的には、回転数Neが下降過程にあるときには、回転数NeがNe1以下となったときにロック判定温度差Cを第3判定温度差C3とし、一方、回転数Neが上昇過程にあるときには、回転数NeがNe2以上となったときにロック判定温度差Cを第4判定温度差C4とする。
【0029】そして、温度TINと温度TEとの温度差Δがロック判定温度差C以上であるか否かを判定し(S390)、温度差Δがロック判定温度差C以上であるときには、圧縮機1がロックしたものと見なしてロックフラグ立てるとともに(S400)、クラッチ1aを切る(S410)。次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0030】温度差Δは、蒸発器5が発揮する冷凍能力によって変化するので、冷凍能力は、圧縮機1の回転数、つまりエンジン1の回転数Neに連動して増減する。このため、圧縮機1の回転数によらず、ロック判定温度差Cを一定値とすると、圧縮機1がロックしていないのに、圧縮機1がロックしたものと誤判定するおそれがある。
【0031】これに対して、本実施形態は、圧縮機1の回転数(エンジンEの回転数)に基づいてロック判定温度差Cを選定するので、圧縮機1がロックしていないのに、圧縮機1がロックしたものと誤判定してしまうことを未然に防止することができる。
(第3実施形態)本実施形態は、図7に示すように、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。以下、図7に示すフローチャートについて述べる。
【0032】車両の電装部品へ電力の供給を許可するイグニッションスイッチ(図示せず)が投入されると、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるか否かを判定する(S500)。次に、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるときには、エアコン操作パネル19の設定値や各センサ16〜18の検出値等に基づいて、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるか否かを判定し(S510)、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるときには、ロックフラグに基づいて、今以前に圧縮機1がロックしたか否か判定する(S520)。
【0033】そして、ロックフラグが立っており、圧縮機1が以前にロックしていないものと判定されたときには、クラッチ1aを繋ぎ(S530)、内気センサ15の検出温度TR、外気センサ16の検出温度TAM、及びエバ後センサ17の検出温度TEを読み込むとともに(S540)、上記数式1に基づいて蒸発器5にて冷却される前の空気の温度TINを推定する(S550)。
【0034】次に、ECU14内のタイマーによりクラッチ1aが繋がれた時を基準として時間を計測し(S560)、タイマーの計測時間が所定時間以上であるか否かを判定する(S570)。そして、タイマーの計測時間が所定時間未満のときには、ロック判定温度差Cとして第1判定温度差C1を代入し(S580)、一方、タイマーの計測時間が所定時間以上のときには、エンジン1の回転数Neを読み込むととともに、その読み込んだ回転数Ne及び図6に示すマップに基づいてロック判定温度差Cを決定する(S590〜S610)。
【0035】具体的には、回転数Neが下降過程にあるときには、回転数NeがNe1以下となったときにロック判定温度差Cを第3判定温度差C3とし、一方、回転数Neが上昇過程にあるときには、回転数NeがNe2以上となったときにロック判定温度差Cを第4判定温度差C4(>C3>C1)とする。次に、温度TINと温度TEとの温度差Δがロック判定温度差C以上であるか否かを判定し(S620)、温度差Δがロック判定温度差C以上であるときには、圧縮機1がロックしたものと見なしてロックフラグ立てるとともに(S630)、クラッチ1aを切る(S640)。
【0036】なお、S500にてA/Cスイッチ19eがOFF状態であると判定されたとき、及びS510にてクラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要がないと判定されたときには、タイマーを初期化した後(S650)、S500に戻る。また、S520にて以前に圧縮機1がロックしたものと判定されたとき、及びS620にて温度差Δがロック判定温度差C未満であると判定されたときには、S500に戻る。
【0037】(第4実施形態)本実施形態は、蒸発器5を通過する風量に基づいてロック判定温度差Cを選定するものである。以下、図8に示すフローチャートに基づいて本実施形態の作動を述べる。車両の電装部品へ電力の供給を許可するイグニッションスイッチが投入されると、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるか否かを判定する(S700)。
【0038】次に、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるときには、エアコン操作パネル19の設定値や各センサ16〜18の検出値等に基づいて、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるか否かを判定し(S710)、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるときには、ロックフラグに基づいて、今以前に圧縮機1がロックしたか否か判定する(S720)。
【0039】そして、ロックフラグが立っておらず、圧縮機1が以前にロックしていないものと判定されたときには、クラッチ1aを繋ぎ(S730)、内気センサ15の検出温度TR、外気センサ16の検出温度TAM、及びエバ後センサ17の検出温度TEを読み込むとともに(S740)、上記数式1に基づいて蒸発器5にて冷却される前の空気の温度TINを推定する(S750)。
【0040】次に、送風機7の電動モータ(図示せず)に印可する印加電圧等に基づいて蒸発器5に向けて送風される風量をを読み込むととともに、その読み込んだ送風量及び図9に示すマップに基づいてロック判定温度差Cを決定する(S760〜S780)。具体的には、送風量が上昇過程にあるときには、送風量がV2以上となったときにロック判定温度差Cを第5判定温度差C5とし、一方、送風量が下降過程にあるときには、送風量がV1以下となったときにロック判定温度差Cを第6判定温度差C6(>C5)とする。
【0041】そして、温度TINと温度TEとの温度差Δがロック判定温度差C以上であるか否かを判定し(S7900)、温度差Δがロック判定温度差C以上であるときには、圧縮機1がロックしたものと見なしてロックフラグ立てるとともに(S800)、クラッチ1aを切る(S810)。次に、本実施形態の特徴を述べる。
【0042】温度差Δは、蒸発器5を通過する際の空気の速度(風速)が大きくなるほど小さくなるので、送風量によらず、ロック判定温度差Cを一定値とすると、圧縮機1がロックしていないのに、圧縮機1がロックしたものと誤判定するおそれがある。これに対して、本実施形態は、送風量に基づいてロック判定温度差Cを選定するので、圧縮機1がロックしていないのに、圧縮機1がロックしたものと誤判定してしまうことを未然に防止することができる。
【0043】(第5実施形態)本実施家形態は、第1実施形態と第4実施形態とを組み合わせたものである。以下、図10に示すフローチャートについて述べる。車両の電装部品へ電力の供給を許可するイグニッションスイッチ(図示せず)が投入されると、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるか否かを判定する(S900)。
【0044】次に、A/Cスイッチ19eがON(AUTO)状態であるときには、エアコン操作パネル19の設定値や各センサ16〜18の検出値等に基づいて、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるか否かを判定し(S910)、クラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要があるときには、ロックフラグに基づいて、今以前に圧縮機1がロックしたか否か判定する(S920)。
【0045】そして、ロックフラグが立っておらず、圧縮機1が以前にロックしていないものと判定されたときには、クラッチ1aを繋ぎ(S930)、内気センサ15の検出温度TR、外気センサ16の検出温度TAM、及びエバ後センサ17の検出温度TEを読み込むとともに(S940)、上記数式1に基づいて蒸発器5にて冷却される前の空気の温度TINを推定する(S950)。
【0046】次に、ECU14内のタイマーによりクラッチ1aが繋がれた時を基準として時間を計測し(S960)、タイマーの計測時間が所定時間以上であるか否かを判定する(S970)。そして、タイマーの計測時間が所定時間未満のときには、ロック判定温度差Cとして第1判定温度差C1を代入し(S980)、一方、タイマーの計測時間が所定時間以上のときには、送風機7の電動モータ(図示せず)に印可する印加電圧等に基づいて蒸発器5に向けて送風される風量をを読み込むととともに、その読み込んだ送風量及び図9に示すマップに基づいてロック判定温度差Cを決定する(S990〜S1010)。
【0047】具体的には、送風量が上昇過程にあるときには、送風量がV2以上となったときにロック判定温度差Cを第5判定温度差C5とし、一方、送風量が下降過程にあるときには、送風量がV1以下となったときにロック判定温度差Cを第6判定温度差C6(>C5)とする。次に、温度TINと温度TEとの温度差Δがロック判定温度差C以上であるか否かを判定し(S1020)、温度差Δがロック判定温度差C以上であるときには、圧縮機1がロックしたものと見なしてロックフラグ立てるとともに(S1030)、クラッチ1aを切る(S1040)。
【0048】なお、S900にてA/Cスイッチ19eがOFF状態であると判定されたとき、及びS910にてクラッチ1aを繋ぐ(ONとする)必要がないと判定されたときには、タイマーを初期化した後(S1050)、S900に戻る。また、S920にて以前に圧縮機1がロックしたものと判定されたとき、及びS1020にて温度差Δがロック判定温度差C未満であると判定されたときには、S900に戻る。
【0049】ところで、上述の実施形態では、エンジンを駆動手段としたが、電動モータを駆動手段とする冷凍サイクルであってもよい。また、吐出圧が冷媒の臨界圧力を越える超臨界冷凍サイクルにも本発明を適用することができる。また、上述の実施形態では、蒸発器5にて冷却される前の空気の温度TINを数式1に基づいて推定(間接的に検出)したが、蒸発器5の空気流れ上流側に温度センサを設け、温度TINを直接に検出してもよい。
【0050】また、本発明は、ヒートポンプサイクルにも適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成11年3月3日(1999.3.3)
【代理人】 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外1名)
【公開番号】 特開2000−257962(P2000−257962A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−56122