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【発明の名称】 冷却装置
【発明者】 【氏名】柳 邦一

【氏名】緒方 正実

【氏名】吉原 基司

【要約】 【課題】冷却能力を低下させずに冷却装置の小型化を実現する。

【解決手段】円筒形のアキュムレータ13の軸中心に対して、冷却対象の温度流体と冷媒とを通す二重管構造の蒸発器11をぼぼ同心円状にかつ同径の螺旋状に配置して、蒸発器11の内部空間にアキュムレータ11を取り囲む配置構成とする。また、二重管構造の凝縮器14も同様の配置構成とすることができる。さらに、アキュムレータ13の代わりに圧縮器12を中心として蒸発器11を同心円状に配置するようにしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却対象流体を冷却する冷却装置において、アキュムレータまたは圧縮器に対して二重管の蒸発器または二重管の凝縮器を少なくとも一つほぼ同心円状に配置したことを特徴とする冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸発器、圧縮器、アキュムレータ、凝縮器等を用いて冷媒を循環させて冷却対象流体を冷却する冷却装置に関し、特に循環式加熱冷却システムに用いられる冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、冷却対象流体を冷却する冷却装置は、蒸発器を熱交換を行って冷却対象流体を冷却するが、この際、蒸発器において熱交換された冷媒は、アキュムレータによって蓄圧され、圧縮器によって圧縮され、凝縮器によって凝縮され、この凝縮された冷媒は膨張弁を介して再度蒸発器に流入するサイクルを繰り返される。
【0003】図5は、従来の冷却装置の配置概要を示す正面図であり、図6は、従来の冷却装置の配置概要を示す平面図である。
【0004】図5および図6においては、蒸発器111、圧縮器112、アキュムレータ113、および凝縮器114が筐体119内においてそれぞれ重複配置されずに独立して配置される。なお、図5および図6において、蒸発器111、圧縮器112、アキュムレータ113、および凝縮器114の間における配管系、蒸発器111への冷却対象流体の配管系、凝縮器114に対する冷却水の配管系、さらには、弁を含む各配管系の制御装置は、筐体119内の残り空間を有効利用して配置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の冷却装置では、蒸発器111、圧縮器112、アキュムレータ113、および凝縮器114は、冷媒を高圧にする場合もあり、応力の分散のため、これらの形状も円筒形、球形の形状とならざるを得ず、また、これらを独立した配置していることから、冷却装置全体の小型化が困難であり、冷却装置の小型化の要請に答えられないという問題点があった。
【0006】一方、冷却装置全体の小型化を行うには、冷却装置の冷却能力を低減せざるを得ず、冷却装置を用いるシステムに与える影響が大きいという問題点もあった。
【0007】なお、蒸発器や凝縮器の構造としては、冷却対象流体と冷媒とを通す二重管構造のものや、冷媒と冷却水とを通す二重管構造のものがある。
【0008】そこで、本発明は、かかる問題点を除去し、冷却能力を低下させずに冷却装置の小型化を実現する冷却装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および効果】請求項1の発明に係る冷却装置は、冷却対象流体を冷却する冷却装置において、アキュムレータまたは圧縮器に対して二重管の蒸発器または二重管の凝縮器を少なくとも一つほぼ同心円状に配置したことを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、冷却対象流体と冷媒とを通す二重管構造の蒸発器および冷媒と冷却水とを通す凝縮器を用い、これらを螺旋的な構成としてアキュムレータまたは圧縮器に対してほぼ同心円状に配置するようにし、冷却装置内の無駄な空間をなくすようにしているので、冷却装置の冷却能力を低下させず、冷却装置全体の設置高さを変えずに設置面積を小さくすることができ、結果的に設置容量を低減し、冷却装置の小型化を促進することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態である冷却装置を含む循環式加熱冷却システムの回路図である。
【0012】図1において、この循環式加熱冷却システムでは、半導体ウェハに各種半導体処理を実行する場合に適用する真空チャンバ1に温度流体(冷却対象流体)を循環供給し、この供給した温度流体によって半導体ウェハをその実行処理に応じた目標温度、例えば冷温状態(−20〜20℃)、中温状態(0〜60℃)および高温状態(60〜80℃)等の温度状態に定常的に維持するため温度制御を行っている。なお、真空チャンバ1に循環供給させる温度流体としては、フロリナート(登録商標)、エチレングリコール、オイル、水等の液体や窒素、空気、ヘリウム等の気体の中から制御すべき目標温度に応じたものを適宜選択することができる。
【0013】この循環式加熱冷却システムでは、流体循環供給ポンプ2の作動によって、真空チャンバ1に対して温度流体を循環供給する流体循環供給系3に、真空チャンバ1の排出口1a側から順にチラー(冷却装置)10、蓄熱タンク20およびハロゲンランプヒータ30を介在させている。
【0014】チラー10は、蒸発器11、圧縮器12、アキュムレータ13、凝縮器14、および膨張弁15を備え、蒸発器11において真空チャンバ1から送られた温度流体を冷却するもので、上述した流体循環供給系3において真空チャンバ1の排出口1aから流体循環供給ポンプ2に至る部位に配置している。
【0015】蓄熱タンク20は、その内部に熱量をもつ温度流体を貯留したもので、上述した流体循環供給系3においてチラー10から流体循環供給ポンプ2に至る部位に配置しており、チラー10を通過した温度流体と、この貯留した温度流体とを混合させ、これら温度流体相互間において熱の授受を行わせることにより、通過する温度流体の温度変動を緩和吸収する作用をなす。
【0016】ハロゲンランプヒータ30は、有底円筒状を成し、内周面に放射状のフィンを多数配設したヒータ本体と、石英ガラス等の光透過性の極めて高い材質によって構成し、ヒータ本体の中心部に装着することによってヒータ本体との間に円筒状の流体加熱通路を構成する透明筒と、この透明筒の内部に配設したハロゲンランプとを備える光加熱方式のもので、上述した流体循環供給系3において流体循環供給ポンプ2の吐出口2aから真空チャンバ1の注入口1bに至る部位に配置し、吸入通路および排出通路を通じて上記流体加熱通路が流体循環供給系3に連通している。このハロゲンランプヒータ30では、ハロゲンランプを点灯すると、このハロゲンランプから放射される赤外線が流体加熱通路を通過する温度流体、あるいは多数のフィンに吸収され、その放射熱によって温度流体が加熱されることになる。
【0017】また、この循環式加熱冷却システムでは、上述した流体循環供給系3における蓄熱タンク20から流体循環供給ポンプ2に至る部位に第1流量制御バルブ40を介在させているとともに、この第1流量制御バルブ40から流体循環供給ポンプ2に至る部位と、真空チャンバ1の排出口1aからチラー10に至る部位との間をバイパス通路50によって互いに連通させ、さらにこのバイパス通路50に第2の流量制御バルブ60を介在させている。
【0018】これら流量制御バルブ40,60は、バルブ制御部90からの制御信号によって駆動するものであり、この制御信号に基づいてそれぞれの開度を変更して、各開度に応じて温度流体の通過流量をそれぞれ個別に制御する作用をなす。
【0019】さらに、この循環式加熱冷却システムでは、流体循環供給系3におけるバイパス通路50との合流地点Xに圧力吸収手段70を接続している。圧力吸収手段70は、上述した流体循環供給系3を外気から完全に隔絶した閉回路とした場合に、この流体循環供給系3に生じる圧力変動を吸収するためのもので、圧力吸収通路71に接続した圧力吸収体72と、圧力吸収通路71に介在させた圧力制御バルブ73とを備えている。圧力吸収体72は、例えばベローズチューブ等のように、その内部圧力の変動に応じて容易に容積を変化させることができる密閉容器であり、圧力吸収通路71の開放端を閉塞している。圧力制御バルブ73は、上述した流体循環供給ポンプ2が作動している場合、並びに流体循環供給ポンプ2が停止し、かつ流体循環供給系3の内部圧力が設定値以上となっている場合にオン状態となり、上記圧力吸収体72を流体循環供給系3に接続させる一方、流体循環供給ポンプ2が停止し、かつ流体循環供給系3の内部圧力が上述した設定値以下となっている場合にオフ状態となり、圧力吸収体72と流体循環供給系3との間を断絶させる作用をなす。
【0020】一方、上記循環式加熱冷却システムは、ランプ制御部80およびバルブ制御部90を備えている。
【0021】ランプ制御部80は、予め設定された目標温度と、温度センサ4を介して検出されるハロゲンランプヒータ30を通過した後の温度流体の温度とに基づいて、ハロゲンランプヒータ30の出力を制御するもの、具体的には、ランプ点灯時間のデューティ比や発光量を適宜調整するものである。
【0022】バルブ制御部90は、上記ランプ制御部80からのランプ出力制御信号、上述した目標温度、さらには温度センサ4によって検出される温度流体の温度に基づいて第1流量制御バルブ40および第2流量制御バルブ60のそれぞれの温度を制御するものである。このバルブ制御部90には、流体循環供給系3におけるバイパス通路50との合流地点Xでの温度流体の混合温度と、この混合温度を達成するための各流量制御バルブ40,60の開度とが、データ配列として予め上述した目標温度に対応したものが1℃間隔で設定記憶されている。
【0023】この循環式加熱冷却システムでは、半導体ウェハに施す実行処理に応じて目標温度が設定、あるいは変更されると、バルブ制御部90によって、この目標温度をキーとしてデータ配列の中からこの目標温度に対応した温度流体の混合温度、並びにこの混合温度を達成するための各流量制御バルブ40,60の開度が選択され、チラー10を通過した温度流体とバイパス通路50を通過した温度流体との混合温度が上記目標温度よりも僅かに低くなるように、これら第1流量制御バルブ40および第2流量制御バルブ60のそれぞれの初期開度が設定される。例えば、目標温度が上述した低温状態の場合、第1流量制御バルブ40の開度を大きく設定する一方、第2流量制御バルブ60の開度を可及的に小さく設定し、また目標温度が上述した高温状態の場合、第1流量制御バルブ40の開度を可及的に小さく設定する一方、第2流量制御バルブ60の開度を大きく設定し、さらに目標温度が中温状態である場合、第1流量制御バルブ40および第2流量制御バルブ60をそれぞれ半開状態に設定する。
【0024】第1流量制御バルブ40および第2流量制御バルブ60のそれぞれの初期開度が設定されると、チラー10および流体循環供給ポンプ2が作動し、真空チャンバ1に温度流体が循環供給される状態、つまりチラー10によって冷却された温度流体とバイパス通路50を通過した温度流体とが、これら流量制御バルブ40,60のそれぞれの開度に応じた割合で混合され、さらにハロゲンランプヒータ30を通過した後に真空チャンバ1に供給される一方、真空チャンバ1から排出された温度流体が、再び流量制御バルブ40,60の開度に応じた割合でチラー10に送給されるものとバイパス通路50へ送給されるものとに分岐されるようになる。
【0025】さらに、ランプ制御部80およびバルブ制御部90が動作し、ランプ制御部80によってハロゲンランプヒータ30の出力が制御されるとともに、バルブ制御部90によって第1流量制御バルブ40および第2流量制御バルブ60の開度がそれぞれ制御されることになる。
【0026】この循環式加熱冷却システムに用いられるチラー10を構成する各部は、図2〜図4に示す配置となる。
【0027】ここで、図2は、この循環式加熱冷却システムに用いられるチラー10の内部配置の概要構成を示す正面図であり、図3は、この循環式加熱冷却システムに用いられるチラー10の内部配置の概要構成を示す平面図であり、図4は、この循環式加熱冷却システムに用いられるチラー10の内部配置の概要構成を示す右側面図である。
【0028】図2〜図4において、チラー10は、主として蒸発器11、圧縮器12、アキュムレータ13、および凝縮器14とが長方形の筐体19内に配置されている。
【0029】蒸発器10は、温度流体と冷却用の冷媒とを通す二重管構造であり、円筒形のアキュムレータ11の軸を中心としてほぼ同心円状に螺旋巻き付け、アキュムレータ13を内部に包むように配置される。すなわち、同心円状に配置された蒸発器11の内部にアキュムレータ13を抱き込む配置構成となっている。なお、蒸発器11の二重管に流入して熱交換が行われる温度流体は、温度流体入口17aから流入し、温度流体出口17bから流出する。また、蒸発器11は断熱材16で覆われており、熱交換効率を高めている。
【0030】同様に、凝縮器14も、冷却用の冷媒と冷却水とを通す二重管構造であり、円筒形のアキュムレータ11の軸を中心としてほぼ同心円状に螺旋巻き付けされている。なお、図2〜図4に示すチラー10の凝縮器14はアキュムレータ13を実際には抱き込んでいないが、抱き込むような構成としてもよい。なお、凝縮器14の二重管に流入する冷却水は、冷却水入口18aから流入し、冷却水出口18bから流出することによって冷媒を冷却する。
【0031】一方、圧縮器12は、蒸発器11、アキュムレータ13、および凝縮器14とは独立した空間に配置される。これは、圧縮器12は、ポンプを有するために振動が生じるため、この振動によって他の機器に影響を与える可能性があるためである。
【0032】もちろん、この振動が他の機器に影響を与えないのであれば、例えば、蒸発器11が、このほぼ円筒形状の圧縮器12の軸を中心としてほぼ同心円状に螺旋巻き付けを行うようにしてもよい。
【0033】なお、上述したチラー10の蒸発器11と凝縮器14とのいずれも二重管構造としているが、いずれか一方を二重管構造としてアキュムレータ13あるいは圧縮器12の中心軸に対してほぼ同心円状に配置するようにしてもよい。
【0034】また、上述した蒸発器11および凝縮器14は、アキュムレータ13の軸に対してほぼ同径の同心円状となっているが、これに限定されるものではない。例えば、異なる径の同心円状とする配置であってもよい。極端に言えば、二重管構造の蒸発器11は、異なる内径と外径とをもつ同心円状配置とする二重構造としてもよく、また凝縮器14も同様である。さらには、断熱構造が可能であれば、蒸発器11と凝縮器14とを異なる内径と外径とをもつ同心円状配置とすることもできる。
【0035】なお、上述した筐体19内部には、配管系や制御系が実装されるのは言うまでもなく、それらは筐体19内の残りの空間を用いて配置される。
【0036】このようにして、図2〜図4に示すチラー10は、温度流体と冷媒とを通す二重管構造の蒸発器11または/および冷媒と冷却水とを通す凝縮器14を用い、これらを螺旋的な構成としてアキュムレータまたは圧縮器に対してほぼ同心円状に配置するようにし、チラー10内の無駄な空間をなくすようにしているので、チラー10の冷却能力を低下させず、チラー10全体の設置高さを変えずに設置面積を小さくすることができ、結果的に設置容量を低減し、チラーの小型化を促進し、ひいては、循環式加熱冷却システムの小型化をも実現することができる。
【0037】なお、上述した実施の形態では、半導体ウェハの処理用の循環式加熱冷却システムに用いられる冷却装置(チラー)について述べたが、これに限らず、一般の冷却装置に適用することができるのは言うまでもない。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【出願日】 平成11年3月4日(1999.3.4)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
【公開番号】 特開2000−257961(P2000−257961A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−57113