| 【発明の名称】 |
冷凍装置及び冷凍装置の冷媒漏れ検知方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】矢嶋 龍三郎
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| 【要約】 |
【課題】冷凍装置における冷媒漏れの検知の信頼性を高める。
【解決手段】室内ユニット(10)のケーシング(11)に発信部(21)と受信部(22)とを隣接して設ける。発信部(21)は床に向けて超音波を発信し、受信部(22)は床で反射した超音波を受信する。漏洩検知部は、超音波が発信部(21)から受信部(22)に至るまでに要する到達時間を計測する。また、漏洩検知部は、冷媒漏れがない状態で超音波が発信部(21)から受信部(22)に至るまでの時間を基準時間として設定する。そして、冷媒漏れが生じると空気中の冷媒濃度が変化して音速が変化する。これによって到達時間が変化するため、漏洩検知部は、基準時間と到達時間との時間差が所定の判定値以上となると冷媒漏れと判定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 閉回路の冷媒回路内を冷媒が循環する冷凍装置であって、室内空気中の冷媒濃度の変化に伴う音速の変化に基づいて室内への冷媒漏れを検知する検知手段(20)を備えている冷凍装置。 【請求項2】 請求項1記載の冷凍装置において、検知手段(20)は、室内空気中に音波を発信する発信部(21)と、該発信部(21)が発信した音波を受信する受信部(22)とを備え、上記発信部(21)が発信した音波を受信部(22)で受信するまでに要する到達時間を検出し、検出した到達時間に基づいて音速の変化を検出するように構成されている冷凍装置。 【請求項3】 請求項2記載の冷凍装置において、室内空気の温度を検出する温度検出手段を備える一方、検知手段(20)は、検出した到達時間と上記温度検出手段の検出温度との双方に基づいて音速の変化を検出するように構成されている冷凍装置。 【請求項4】 請求項2又は3記載の冷凍装置において、検知手段(20)は、検出した到達時間と所定の基準時間との時間差が所定の判定値以上となると冷媒漏れであると判定するように構成されている冷凍装置。 【請求項5】 請求項2又は3記載の冷凍装置において、発信部(21)及び受信部(22)は、室内ユニット(10)のケーシング(11)に設けられる一方、発信部(21)は、受信部(22)に向けて音波を発信するように構成されている冷凍装置。 【請求項6】 請求項2又は3記載の冷凍装置において、発信部(21)及び受信部(22)は、室内ユニット(10)のケーシング(11)に設ける一方、発信部(21)はケーシング(11)の外部に向けて音波を発信し、受信部(22)は反射した音波を受信するように構成されている冷凍装置。 【請求項7】 請求項6記載の冷凍装置において、検知手段(20)は、検出した到達時間と所定の基準時間との時間差が所定の判定値以上となると冷媒漏れであると判定する一方、到達時間の変化率が所定値以上であれば上記時間差が判定値以上であっても冷媒漏れであると判定しないように構成されている冷凍装置。 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか1記載の冷凍装置において、冷媒は、微燃性の物質である冷凍装置。 【請求項9】 請求項1乃至7の何れか1記載の冷凍装置において、冷媒は、R32又はR32を含む混合冷媒である冷凍装置。 【請求項10】 閉回路の冷媒回路内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷凍装置が室内に設置される一方、室内空気中に音波を発信してから発信した音波を受信するまでに要する到達時間を計測し、次に計測した到達時間の変化に基づいて室内空気中の冷媒濃度の変化を検出し、その後、検出した冷媒濃度の変化に基づいて室内への冷媒漏れを検知する冷凍装置の冷媒漏れ検知方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒回路内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷凍装置に関し、冷媒漏れの検知対策に係るものである。 【0002】 【従来の技術】冷媒回路内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷凍装置が知られており、空調機や冷凍機器として用いられている。この種の冷凍装置の冷媒としては、HCFC、HFC等のいわゆるフロン冷媒や、プロパン、アンモニア、二酸化炭素等のいわゆる自然冷媒が用いられている。 【0003】この種の冷媒が冷媒回路から室内に漏れ出すと、次のような問題が生ずる。つまり、フロン冷媒や二酸化炭素等の場合には在室者が窒息するおそれがある。また、アンモニアの場合には中毒を起こし、プロパンの場合には火災の原因となるおそれがある。そして、従来は、空気中の酸素濃度を測る酸欠センサ等のガスセンサを用いて冷媒漏れを検知することによって上述の問題を回避していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のガスセンサは、センサ表面の吸着や化学変化等を利用しているため、空気中の汚れ等によって性能が低下するなど、長期的な信頼性に欠けるという問題があった。また、従来のガスセンサを用いた場合、HFC冷媒は塩素原子を持たない等の理由によってHCFC冷媒よりも検知感度が低いという問題があった。そして、この結果、冷媒漏れを長期間に亘って確実に検知することができないという問題があった。 【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷凍装置における冷媒漏れの検知の信頼性を高めることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、空気中の冷媒濃度の変化によって音速が変化することを利用して冷媒漏れを検知するようにしたものである。 【0007】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、閉回路の冷媒回路内を冷媒が循環する冷凍装置を対象として、室内空気中の冷媒濃度の変化に伴う音速の変化に基づいて室内への冷媒漏れを検知する検知手段(20)を設けるものである。 【0008】また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、検知手段(20)が、室内空気中に音波を発信する発信部(21)と、該発信部(21)が発信した音波を受信する受信部(22)とを備え、上記発信部(21)が発信した音波を受信部(22)で受信するまでに要する到達時間を検出し、検出した到達時間に基づいて音速の変化を検出するように構成されるものである。 【0009】また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第2の解決手段において、室内空気の温度を検出する温度検出手段を設ける一方、検知手段(20)が、検出した到達時間と上記温度検出手段の検出温度との双方に基づいて音速の変化を検出するように構成されるものである。 【0010】また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第2又は第3の解決手段において、検知手段(20)が、検出した到達時間と所定の基準時間との時間差が所定の判定値以上となると冷媒漏れであると判定するように構成されるものである。 【0011】また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第2又は第3の解決手段において、発信部(21)及び受信部(22)を室内ユニット(10)のケーシング(11)に設ける一方、発信部(21)が受信部(22)に向けて音波を発信するように構成されるものである。 【0012】また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第2又は第3の解決手段において、発信部(21)及び受信部(22)を室内ユニット(10)のケーシング(11)に設ける一方、発信部(21)がケーシング(11)の外部に向けて音波を発信し、受信部(22)が反射した音波を受信するように構成されるものである。 【0013】また、本発明が講じた第7の解決手段は、上記第6の解決手段において、検知手段(20)が、検出した到達時間と所定の基準時間との時間差が所定の判定値以上となると冷媒漏れであると判定する一方、到達時間の変化率が所定値以上であれば上記時間差が判定値以上であっても冷媒漏れであると判定しないように構成されるものである。 【0014】また、本発明が講じた第8の解決手段は、上記第1〜第7の何れか1の解決手段において、冷媒を微燃性の物質とするものである。 【0015】また、本発明が講じた第9の解決手段は、上記第1〜第7の何れか1の解決手段において、冷媒を、R32又はR32を含む混合冷媒とするものである。 【0016】また、本発明が講じた第10の解決手段は、閉回路の冷媒回路内を冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷凍装置が室内に設置される一方、室内空気中に音波を発信してから発信した音波を受信するまでに要する到達時間を計測し、次に計測した到達時間の変化に基づいて室内空気中の冷媒濃度の変化を検出し、その後、検出した冷媒濃度の変化に基づいて室内への冷媒漏れを検知する冷媒漏れの検知方法である。 【0017】−作用−上記第1の解決手段では、冷凍装置の冷媒回路内を冷媒が循環し、冷凍サイクル動作を行う。また、ヒートポンプサイクルを行うようにしてもよい。その際、冷媒回路から冷媒の漏れが生じることがある。これに対し、検知手段(20)が室内への冷媒漏れを検知する。 【0018】ここで、空気中の冷媒濃度が変化すると、これに伴って空気中の音速が変化する。つまり、音速v[m/s]は、比熱比k、圧力P[Pa]及び密度ρ[kg/m3]の各値によってv=(k・P/ρ)1/2と表される。従って、空気中の冷媒濃度が変化すると、空気と冷媒の混合ガスの比熱比k及び密度ρが変化し、これに伴って音速vが変化する。具体的に、冷媒がR22の場合の音速の変化を表1に示す。尚、大気圧下であれば圧力Pは一定と考えられる。そして、この音速の変化を利用して、検知手段(20)は冷媒漏れを検知する。 【0019】 【表1】
【0020】また、上記第2の解決手段では、検知手段(20)は、発信部(21)から発信した音波が室内空気中を伝わって受信部(22)に届くまでの到達時間を計測する。ここで、音波の伝わる距離が同じであれば、音速が変化すると到達時間も変化する。このため、検出手段は、到達時間の変化に基づいて音速の変化を検出し、これによって冷媒漏れを検知する。 【0021】また、上記第3の解決手段では、検知手段(20)は、到達時間だけでなく、温度検出手段が検出する室内空気の温度をも考慮して冷媒漏れの検知を行う。ここで、室内空気の温度が変化すると、比熱比k及び密度ρが変化することによって音速vが変化する。このため、室内空気の温度がある程度大きく変化すると、音速の変化が冷媒濃度の変化によるものか温度の変化によるものかが判別できないおそれがある。これに対し、本解決手段では、温度変化による音速の変化を考慮して、冷媒濃度の変化による音速の変化を確実に検出する。 【0022】また、上記第4の解決手段では、検知手段(20)は、到達時間と基準時間との時間差が所定の判定値以上となると、冷媒漏れが発生していると判定する。例えば、冷媒濃度がゼロの場合の到達時間を基準時間として設定することが考えられる。尚、空気中の冷媒濃度の上昇に伴って音速が上昇するか低下するかは、冷媒密度が空気密度よりも小さいか大きいかによって異なる。このため、検知手段(20)は、到達時間と基準時間との差に基づいて冷媒漏れを検知する。 【0023】また、上記第5の解決手段では、発信部(21)と受信部(22)とが室内ユニット(10)のケーシング(11)に設けられる。そして、発信部(21)が発信した音波は、室内空気中を伝わって受信部(22)に到達する。その際、発信部(21)及び受信部(22)をケーシング(11)の内部に設けて音波がケーシング(11)内部の空気中を伝わるようにしてもよく、発信部(21)及び受信部(22)をケーシング(11)の外部に設けて音波がケーシング(11)外部の空気中を伝わるようにしてもよい。 【0024】また、上記第6の解決手段では、発信部(21)と受信部(22)とが室内ユニット(10)のケーシング(11)に設けられる。そして、発信部(21)が発信した音波は、室内空気中を伝わって室内の壁面や床面等に当たって反射し、その後再び室内空気中を伝わって受信部(22)に到達する。 【0025】また、上記第7の解決手段では、第4の解決手段と同様に、検知手段(20)は、到達時間と基準時間との時間差が所定の判定値以上となると、冷媒漏れが発生していると判定する。一方、検知手段(20)は、到達時間の時間的な変化率が所定値以上であれば、到達時間が判定値以上であっても冷媒漏れとは判定しない。 【0026】例えば、床面で反射した音波を受信部(22)が受信するようにした場合、発信部(21)及び受信部(22)と床面との間に物が置かれたりおかれていたものが取り除かれると、また、発信部(21)等の下を人が通過したりすると、到達時間が変化するため冷媒漏れを誤検知するおそれがある。しかし、この様な場合には、到達時間は急激に変化する。これに対し、冷媒漏れの際の冷媒濃度の変化はそれ程急激ではなく、到達時間も徐々に変化する。従って、検知手段(20)は、所定の場合には冷媒漏れと判定しないこととして誤検知を防止する。 【0027】また、上記第8又は第9の解決手段では、所定の物質が冷媒として使用される。尚、R32は、微燃性の冷媒である。 【0028】また、上記第10の解決手段では、上述のように空気中の冷媒濃度の変化に伴って音速が変化することを利用し、到達時間を計測することによって冷媒漏れが検知される。 【0029】 【発明の効果】従って、上記の解決手段によれば、音速の変化を検出することによって冷媒漏れを検知することができる。このため、従来のような化学変化等を利用して冷媒漏れを検知するのに比して、検知性能が時間と共に劣化するという問題を回避することができる。このため、冷媒漏れの検知を長期間に亘って確実に行うことができる。そして、これによって、冷媒漏れによる窒息や火災等の弊害の発生を確実に防止することが可能となる。 【0030】特に、上記第3の解決手段によれば、室内空気の温度変化が音速の変化に与える影響をキャンセルして、冷媒濃度の変化に起因する音速の変化を確実に検出することができる。 【0031】また、上記第7の解決手段によれば、冷媒漏れの誤検知を確実に防止することができ、冷媒漏れ検知の信頼性を向上させることができる。 【0032】また、上記第8又は第9の解決手段によれば、R32等の微燃性の物質を冷媒として用いることができる。つまり、微燃性の物質が漏れると火災等の原因となるおそれがある。これに対し、冷媒漏れを検知手段(20)によって確実に検知することができるため、万一冷媒の漏洩が生じてもこれを確実に検知でき、この結果、火災等の問題を回避しつつ微燃性物質を冷媒として使用できる。 【0033】 【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 【0034】本実施形態の冷凍装置は、室内ユニット(10)と室外ユニットとを有する空調機である。この空調機は、圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器(14)とを順に配管で接続して成る閉回路の冷媒回路を備えている。そして、室内ユニット(10)は、蒸発器(14)を備え、冷媒回路内を冷媒であるR32が循環して冷凍サイクル動作を行って室内を冷房する。尚、冷媒回路に四路切換弁を設け、冷媒の循環方向を切り換え自在にしてヒートポンプ動作による暖房を行うようにしてもよい。この場合は、室内ユニット(10)の蒸発器(14)が凝縮器として動作する。 【0035】図1に示すように、上記室内ユニット(10)は、縦長の直方体状のケーシング(11)に蒸発器(14)等の構成機器を収納して成り、いわゆる床置き型に構成されている。ケーシング(11)前面の上部には吹出口(12)が、下部には吸込口(13)がそれぞれ形成されている。吸込口(13)の内側には蒸発器(14)である熱交換器が配置され、吸い込んだ室内空気と冷媒回路の冷媒とを熱交換させるようにしている。また、ケーシング(11)内には、図示しないが、ファンが設けられている。 【0036】上記ケーシング(11)内には、ケーシング(11)の底板付近に発信部(21)が設けられ、該発信部(21)の上方には発信部(21)の所定の距離をおいて受信部(22)が設けられている。この発信部(21)及び受信部(22)の配置は、R32の密度が空気よりも大きく、冷媒回路から漏れ出たR32がケーシング(11)の下部に滞留することに対応して定められている。上記発信部(21)は、上方に配置された受信部(22)に向けて超音波を発信するように構成されている。一方、受信部(22)は、発信部(21)から発信された超音波を受信する。また、室内ユニット(10)には、図示しないが、室温を検出する温度センサが設けられている。この温度センサは、検出温度を出力するように構成されている。 【0037】室内ユニット(10)には、図示しないが、漏洩検知部が設けられている。この漏洩検知部、発信部(21)及び受信部(22)は、空気中の冷媒濃度の変化に伴う音速の変化に基づいて冷媒漏れを検知する検知手段(20)を構成している。 【0038】上記漏洩検知部は、発信部(21)が超音波を発信してから受信部(22)で超音波を受信するまでの時間を到達時間として検出するように構成されている。また、漏洩検知部には、所定の基準時間が予め設定されている。この基準時間は、空気中のR32の濃度がゼロの状態において超音波が発信部(21)から受信部(22)に到達するまでに要する時間である。そして、漏洩検知部は、検出した到達時間と基準時間との時間差を求め、この時間差が所定の判定値を超えると冷媒漏れであると判定するように構成されている。 【0039】ここで、空気中の冷媒濃度と音速との関係について説明する。 【0040】図2のグラフに示すように、空気中のR32の濃度が上昇するにつれて、空気とR32の混合ガス中の音速が低下する。これは、主としてR32の濃度上昇に従って混合ガスの密度ρが増大するためである。従って、冷媒濃度が上昇すると音速の低下によって到達時間が延び、到達時間と基準時間との時間差が拡大する。そして、上記漏洩検知部は、この時間差が判定値を超えると、冷媒濃度が所定値以上となっているとして冷媒漏れと判定する。尚、漏洩検知部の判定値は、冷媒濃度が3.3%となると冷媒漏れと判定されるように設定されている。これは、冷媒であるR32の濃度が13%以上となると燃焼するおそれがあり、安全を見越して13%の1/4の濃度で冷媒漏れを検知するためである。 【0041】一方、図2に示すように、空気温度の変化によっても音速が変化する。具体的には、空気温度が上昇するにつれて、上記混合ガス中の音速が上昇する。これは、主として空気の温度上昇に従って混合ガスの密度ρが低下するためである。従って、空気中の冷媒濃度が変化しなくても空気温度の変化に伴って音速が変化し、上記到達時間が変化する。このため、到達時間と基準時間との時間差が変化し、冷媒濃度が変化していないにも拘わらず冷媒漏れと判定してしまうおそれがある。これに対し、上記漏洩検知部では温度センサの検出温度に基づいて温度変化の影響をキャンセルし、冷媒濃度の変化を確実に検出するように構成されている。 【0042】−検知動作−次に、冷媒漏れを検知する際の動作について説明する。 【0043】冷媒は空気よりも密度が大きいため、図1に示すように、冷媒回路から漏れた冷媒はケーシング(11)の底部に滞留する。この状態で発信部(21)から超音波を発信すると、発信された超音波は冷媒と空気の混合ガス中を伝わって受信部(22)に至る。そして、漏洩検知部は、発信部(21)の超音波が受信部(22)に至るまでの到達時間を検出する。 【0044】この場合、上記混合ガス中では空気中に比して音速が低下している。このため、漏洩検知部が検出した到達時間は、所定の基準時間よりも長くなっている。そして、到達時間と基準時間との時間差が、温度変化の影響をキャンセルした上で判定値以上となると、漏洩検知部が冷媒漏れを検知する。 【0045】−実施形態1の効果−本実施形態1によれば、冷媒濃度の変化に伴う音速の変化を検出し、これに基づいて冷媒漏れを検知することができる。このため、従来のような化学変化等を利用して冷媒漏れを検知するのに比して、検知性能が時間と共に劣化するという問題を回避することができる。このため、冷媒漏れの検知を長期間に亘って確実に行うことができる。 【0046】また、冷媒漏れを判定する際に温度センサの検出温度も考慮しているため、室温の変化が音速の変化に与える影響をキャンセルして、冷媒濃度の変化に起因する音速の変化を確実に検出することができる。 【0047】また、本実施形態では、微燃性の物質であるR32を冷媒として用いている。従って、冷媒回路から冷媒が漏れると火災等の原因となるおそれがある。これに対し、本実施形態では上述のように冷媒漏れの検知を確実に行うことができる。このため、火災等のリスクを回避して信頼性を維持しつつ、R32を冷媒として使用することができる。 【0048】−実施形態1の変形例−上記実施形態では、ケーシング(11)内に発信部(21)及び受信部(22)を配置するようにしたが、構造的にケーシング(11)内に漏洩冷媒が滞留しにくいような場合には、ケーシング(11)の外側に発信部(21)及び受信部(22)を取り付けるようにしてもよい。 【0049】また、温度センサを室内ユニット(10)に設けるようにしたが、リモコン等に設けるようにしてもよい。 【0050】 【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実施形態1において、室内ユニット(10)の形式を変更したものである。また、これに伴って、発信部(21)及び受信部(22)の配置と、漏洩検知部の構成を変更したものである。その他の構成は、上記実施形態1と同様である。 【0051】図3に示すように、本実施形態の室内ユニット(10)は、いわゆる壁掛け型に構成されて部屋の内壁の上方に取り付けられている。また、室内ユニット(10)のケーシング(11)には、底部に発信部(21)と受信部(22)とが隣接して設けられている。 【0052】発信部(21)は、室内ユニット(10)の下方、即ち部屋の床に向かって超音波を発信する。一方、受信部(22)は、発信部(21)から発信されて床に当たって反射した超音波を受信するようにしている。これは、冷媒であるR32は空気よりも密度が大きく、冷媒回路から漏れると室内ユニット(10)の下方に滞留するためである。 【0053】漏洩検知部は、実施形態1と同様に、超音波が発信部(21)から受信部(22)に到達するまでに要する到達時間を検出するように構成されている。即ち、本実施形態では、発信部(21)から発信された超音波が床面に当たり、反射して受信部(22)に至るまでの時間が到達時間となる。従って、超音波が空気中を伝わる伝達距離は、室内ユニット(10)の設置位置の高さによって変化することとなる。このため、本実施形態の漏洩検知部は、室内ユニット(10)を設置した後に、冷媒漏れがないことを確認した上で到達時間を一旦検出し、この時の到達時間を漏洩検知部の基準時間として設定する。そして、漏洩検知部は、実施形態1と同様に、到達時間と基準時間との時間差が判定値以上となると冷媒漏れと判定するように構成されている。 【0054】また、本実施形態では、室内ユニット(10)を設置した後にであっても、超音波の伝わる伝達距離が変化する場合がある。例えば、室内ユニット(10)の下に物が置かれた場合や、逆においてあったものを取り去った場合、更には室内ユニット(10)の下を人が通った場合にも上記伝達距離が変化する。そして、伝達距離が変化すると到達時間も変化するため、冷媒漏れの誤検知が生ずるおそれがある。 【0055】これに対し、本実施形態の漏洩検知部は、到達時間の変化率が所定値以上、つまり到達時間が急激に変化した場合には、到達時間と基準時間との時間差が判定値以上であっても冷媒漏れと判定しないように構成されている。ここで、冷媒漏れの場合は連続して次第に音速が変化するため、到達時間も徐々に変化する。一方、上述のように伝達距離が変化した場合は到達時間が急激に非連続的に変化する。従って、漏洩検知部は、到達時間の変化率を考慮することによって冷媒漏れの誤検知を防止するようにしている。 【0056】−実施形態2の効果−本実施形態2によれば、上記実施形態1と同様の効果が得られる。また、反射した超音波を受信部(22)が受信することによって冷媒漏れの誤検知のおそれが生ずるが、漏洩検知部が到達時間の変化率を考慮することによってこのような小現地を確実に防止でき、冷媒漏れ検知の信頼性を向上させることができる。 【0057】 【発明のその他の実施の形態】上記各実施形態では、冷媒としてR32を用いるようにしたが、R22を用いた場合であっても、同様に冷媒漏れの検知を行うことが可能である。つまり、図4のグラフに示すように、R22の場合も冷媒濃度の上昇に伴って音速が低下する。従って、上記実施形態と同様の構成によって冷媒漏れの検知が可能である。尚、この場合、漏洩検知部の判定値は、冷媒濃度が7.8%となると冷媒漏れと判定されるように設定するとよい。この濃度値は、ISO基準において空調機の最大冷媒充填量が室内空間容積に対して300g/m3と定められており、これを体積濃度に換算することによって定めた値である。 【0058】また、冷媒としてR32単体ではなく、R32と他の物質との混合冷媒を用いるようにしてもよい。 【0059】また、冷媒として空気と密度の相違する物質を用いる場合は、冷媒漏れによって同様に音速の変化が生ずる。このため、空気と密度の異なる物質であれば何れの物質を冷媒として用いる場合であっても、音速の変化を利用して冷媒漏れの検知が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月1日(1999.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077931 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−249435(P2000−249435A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月14日(2000.9.14) |
| 【出願番号】 |
特願平11−52174 |
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