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【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】道明 伸夫

【要約】 【課題】冷媒回路を持つ冷凍装置において、停止中も冷媒漏れの検知を行いつつ停止中に消費する待機電力を削減する。

【解決手段】冷凍装置のリモコン(40)に、従来の操作スイッチに加えてシーズンON/OFFスイッチ(42)を設ける。このシーズンON/OFFスイッチ(42)を操作すると、冷凍装置のコントローラに指令信号が入力される。冷凍装置の圧縮機にはクランクケースヒータを設け、停止中においてもこれに通電して冷凍機油を加熱する待機動作を行う。そして、冷凍装置を長期間運転しない場合には、シーズンON/OFFスイッチ(42)を操作して待機動作を停止し、クランクケースヒータへの通電を停止して待機電力を削減する。一方、コントローラは、室内熱交換器のサーミスタが検出する温度に基づいて冷媒漏れの検知動作を行う。この検知動作に要する電力は僅かであり、この検知動作は停止中においても行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒回路(52)で冷媒を循環させて冷凍運転を行う冷凍装置であって、室内への冷媒漏れの有無を検知する検知動作と、冷凍運転の停止中に冷媒回路(52)を待機状態にする待機動作とが可能に構成される一方、冷凍運転に拘わらず上記検知動作を行わせると共に、指令信号が入力されることにより上記待機動作を停止させる制御手段(35)を備えている冷凍装置。
【請求項2】 冷媒回路(52)で冷媒を循環させて冷凍運転を行う冷凍装置であって、室内への冷媒漏れの有無を検知する検知動作と、冷凍運転の停止中に冷媒回路(52)の圧縮機(4)内部を加熱する加熱動作とが可能に構成される一方、冷凍運転に拘わらず上記検知動作を行わせると共に、指令信号が入力されることにより上記加熱動作を停止させる制御手段(35)を備えている冷凍装置。
【請求項3】 冷媒回路(52)で冷媒を循環させて冷凍運転を行う冷凍装置であって、室内への冷媒漏れの有無を検知する検知動作が可能に構成される一方、冷凍運転の停止中には上記検知動作のみを行うように構成されている冷凍装置。
【請求項4】 請求項1又は2記載の冷凍装置において、制御手段(35)への指令信号を手動操作により入力するように構成されている冷凍装置。
【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1記載の冷凍装置において、室外機(1)と室内機(2)とを備える一方、制御手段(35)は、冷媒漏れを検知すると冷媒回路(52)の冷媒を室内機(2)側から室外機(1)側に回収し、該冷媒を冷媒回路(52)の室外機(1)側に保持する回収動作を行うように構成されている冷凍装置。
【請求項6】 請求項5記載の冷凍装置において、制御手段(35)は、回収動作の後には手動操作により解除信号が入力されるまで冷凍運転を禁止するように構成されている冷凍装置。
【請求項7】 請求項1乃至6の何れか1記載の冷凍装置において、冷媒回路(52)の冷媒は、燃焼性を有する物質である冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒回路を備える冷凍装置に関し、停止中の待機電力の削減策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍装置には、特開平5−118720号公報に開示されているように、冷媒漏れを検知するセンサを備えたものが知られている。そして、上記公報の冷凍装置では、冷媒漏れを検知すると室内に放出される冷媒量を抑制するための動作を行うようにしている。
【0003】また、冷凍装置においては、圧縮機に溜まった冷凍機油に冷媒が溶け込むとオイルフォーミングが生じ、圧縮機内の冷凍機油が減少して潤滑不良をおこすおそれがある。特に停止中は冷凍機油の温度が低下するため冷媒が溶け込みやすく、次に起動する際に潤滑不良の問題が生じやすかった。この問題に対しては、停止中であってもクランクケースヒータ等に通電し、圧縮機内の冷凍機油を加熱して油温を維持するという対策がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにクランクケースヒータ等によって冷凍機油を加熱することとすると、冷凍装置の停止中であってもかなりの電力が消費される。従って、停止中に消費する電力、いわゆる待機電力が過大となり、長期間運転を行わないような場合にはこの問題が顕著であった。
【0005】つまり、冷凍装置を空調機として使用する際には、春や秋などの中間期には長期間に亘って運転が行われない場合がある。一方、停止中においても圧縮機の油温を維持するのは、次に起動する際の圧縮機の潤滑不良を防ぐためである。このため、長期間に亘って起動しないにも拘わらず圧縮機の冷凍機油の加熱し続けるのは、エネルギーの浪費となって電力コストの上昇を招く。従って、上述のような場合には、ブレーカを落とすなどして冷凍装置から電源を切り離して電力の浪費を防止していた。
【0006】一方、冷媒漏れは運転中だけでなく停止中でも生じるため、上述のセンサ等による冷媒漏れの検知は、運転中か否かを問わずに行う必要がある。そして、冷凍機油の加熱に比べると僅かではあるが、この冷媒漏れの検知にも電力が必要である。このため、しばらく運転しないからといって電源を遮断されると、冷媒漏れの検知もできなくなり、冷媒漏れによる酸欠等を招くおそれがあった。特に、冷媒に燃焼性を有する物質を使用した場合には、冷媒漏れによって火災等の重大な事態に至るおそれもあり、冷媒漏れの検知できないという問題が顕著となる。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、停止中であっても冷媒漏れの検知を行いつつ停止中に消費するエネルギを抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮機内の潤滑油を加熱する待機動作を所定の指令信号によって停止するようにしたものである。
【0009】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、冷媒回路(52)で冷媒を循環させて冷凍運転を行う冷凍装置を対象とする。そして、室内への冷媒漏れの有無を検知する検知動作と、冷凍運転の停止中に冷媒回路(52)を待機状態にする待機動作とが可能に構成される一方、冷凍運転に拘わらず上記検知動作を行わせると共に、指令信号が入力されることにより上記待機動作を停止させる制御手段(35)を設けるものである。
【0010】また、本発明が講じた第2の解決手段は、冷媒回路(52)で冷媒を循環させて冷凍運転を行う冷凍装置を対象とする。そして、室内への冷媒漏れの有無を検知する検知動作と、冷凍運転の停止中に冷媒回路(52)の圧縮機(4)内部を加熱する加熱動作とが可能に構成される一方、冷凍運転に拘わらず上記検知動作を行わせると共に、指令信号が入力されることにより上記加熱動作を停止させる制御手段(35)を設けるものである。
【0011】また、本発明が講じた第3の解決手段は、冷媒回路(52)で冷媒を循環させて冷凍運転を行う冷凍装置を対象とする。そして、室内への冷媒漏れの有無を検知する検知動作が可能に構成される一方、冷凍運転の停止中には上記検知動作のみを行うように構成するものである。
【0012】また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、制御手段(35)への指令信号を手動操作により入力するように構成するものである。
【0013】また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第1〜第4の何れか1の解決手段において、室外機(1)と室内機(2)とを設ける一方、制御手段(35)は、冷媒漏れを検知すると冷媒回路(52)の冷媒を室内機(2)側から室外機(1)側に回収し、該冷媒を冷媒回路(52)の室外機(1)側に保持する回収動作を行うように構成されるものである。
【0014】また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第5の解決手段において、制御手段(35)は、回収動作の後には手動操作により解除信号が入力されるまで冷凍運転を禁止するように構成されるものである。
【0015】また、本発明が講じた第7の解決手段は、上記第1〜第6の何れか1のの解決手段において、冷媒回路(52)の冷媒が燃焼性を有する物質とされるものである。
【0016】−作用−上記第1〜第3の各解決手段では、冷凍装置の冷媒回路(52)内を冷媒が循環し、冷凍サイクル動作を行う。尚、ヒートポンプ動作を行うようにしてもよい。
【0017】そして、上記第1の各解決手段では、制御手段(35)が、冷媒漏れの有無を検知する検知動作と、冷媒回路(52)を待機状態とする待機動作とを行う。この冷媒回路(52)を待機状態としては、圧縮機(4)内の潤滑油をクランクケースヒータ等で加熱する状態が例示される。更に、制御手段(35)は、冷凍運転中だけでなく冷凍運転の停止中であっても検知動作を行わせる一方、指令信号が入力されることによって冷凍運転の停止中であっても待機動作を停止する。
【0018】また、上記第2の各解決手段では、制御手段(35)が、冷媒漏れの有無を検知する検知動作と、圧縮機(4)内部を加熱する加熱動作とを行う。この加熱動作によって、圧縮機(4)内の潤滑油が加熱される。更に、制御手段(35)は、冷凍運転中だけでなく冷凍運転の停止中であっても検知動作を行わせる一方、指令信号が入力されることによって冷凍運転の停止中であっても待機動作を停止する。
【0019】また、上記第3の各解決手段では、冷凍運転の停止中には所定の検知動作のみを行う。
【0020】また、上記第4の解決手段では、指令信号は手動操作によって制御手段(35)に入力される。
【0021】また、上記第5の解決手段では、検知動作によって冷媒漏れを検知すると、回収動作を行って冷媒回路(52)の冷媒を室外機(1)側に回収し、回収した冷媒を室外機(1)側に保持する。つまり、回収動作によって、冷媒回路(52)の室内機(2)側に存在する冷媒量を減少させる。
【0022】また、上記第6の解決手段では、回収動作を行った後においては解除信号が制御手段(35)に入力されるまで冷凍運転が禁止される。つまり、手動操作で解除信号を入力しなければ起動することができない。
【0023】また、上記第7の解決手段では、燃焼性を有する物質が冷媒として用いられる。
【0024】
【発明の効果】従って、上記第1又は第2の解決手段によれば、指令信号の入力によって待機動作を停止するため、例えば、長期間に亘って冷凍運転を行わないことが分かっているような場合には指令信号によって圧縮機(4)内の潤滑油の加熱を停止することができる。このため、長期間に亘って起動されないにも拘わらず待機動作を継続するような事態を回避でき、この様な無用の待機動作を回避して消費エネルギを削減することができる。一方、検知動作は冷凍運転に拘わらず行うようにしているため、冷媒回路(52)からの冷媒漏れの検知は常に確実に行うことができる。この結果、冷凍装置に電源を接続したままで冷媒漏れの検知を確実に行いつつ、過大な電力を消費する待機動作の停止によって停止中に消費するエネルギを抑制することができる。
【0025】また、上記第3の解決手段では、冷凍運転の停止中には検知動作のみを行う。ここで、上述のように、検知動作に要する電力は極僅かなものである。このため、停止中に検知動作を行って冷媒漏れの検知を確実に行うことができると共に、この検知動作は僅かな電力しか必要としないため停止中に消費するエネルギを抑制することができる。
【0026】特に、上記第4の解決手段によれば、指令信号を手動操作で入力するため、操作する者の意志に従って確実に待機動作の要否を決定できる。
【0027】また、上記第5の解決手段によれば、回収動作によって冷媒回路(52)の室内機(2)側に存在する冷媒の量を削減することができる。このため、冷媒回路(52)から室内に漏洩する冷媒量を確実に削減することができ、冷媒漏れによる酸欠等の弊害を確実に回避することができる。
【0028】また、上記第6の解決手段によれば、回収動作の後は解除信号が入力されるまで冷凍運転を禁止することにより、潤滑不良による圧縮機(4)の焼き付き等を防止して信頼性を維持することができる。つまり、回収動作の後は冷媒回路(52)内の冷媒の大半が室外機(1)側に保持されており、圧縮機(4)内の潤滑油には多量の冷媒が溶け込んでいるおそれがある。そして、この状態で直ちに再起動を行うと、オイルフォーミングによって圧縮機(4)の潤滑不良を起こす危険がある。これに対し、本解決手段では手動操作によって解除信号を入力しなければ冷凍運転を行うことができない。このため、例えば専門の作業者等が処置を施して解除信号を入力した後に限って冷凍運転を開始できるようにすることが可能となる。この結果、焼き付く危険性が大きい状態における圧縮機(4)の運転を回避でき、信頼性を維持することができる。
【0029】また、上記第7の解決手段によれば、冷媒漏れが生じると火災等のおそれがある燃焼性を有する物質を冷媒として使用できる。つまり、上記解決手段によれば冷媒漏れの検知を確実に行うことができるため、万一冷媒漏れが生じてもこれを早期に検知でき、大事に至る前に在室者に注意を喚起するなどによって安全性を十分に確保しつつ、燃焼性を有する物質、例えばプロパン等のいわゆる自然冷媒やR32等のHFC物質を冷媒として使用することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】図1に示すように、本実施形態に係る冷凍装置(51)は、冷暖房を行う空調機であって、屋外に設置された室外ユニット(1)と、室内に設置された室内ユニット(2)と、これら室外ユニット(1)及び室内ユニット(2)を接続する連絡配管(3)とを備えている。
【0032】まず、室外ユニット(1)の構成を説明する。圧縮機(4)の吐出側配管(27)は、四路切換弁(5)の第1ポート(5a)に接続され、圧縮機(4)の吸入側配管(28)は、四路切換弁(5)の第3ポート(5c)に接続されている。吐出側配管(27)には高圧圧力スイッチ(29)が設けられ、吸入側配管(28)には低圧圧力スイッチ(30)が設けられている。また、圧縮機(4)には、図示しないが、内部に貯留する冷凍機油を加熱するためのクランクケースヒータが設けられている。
【0033】四路切換弁(5)の第2ポート(5b)は、配管(21)を介して室外熱交換器(6)の一端に接続されている。室外熱交換器(6)の他端は、配管(22)を介してブリッジ回路(11)の第2接続端(11b)に接続されている。
【0034】ブリッジ回路(11)は、第1逆止弁(31)、第2逆止弁(32)、第3逆止弁(33)及び第4逆止弁(34)を備えて構成されている。ブリッジ回路(11)には、第1接続端(11a)、第2接続端(11b)、第3接続端(11c)及び第4接続端(11d)が設けられている。第1逆止弁(31)は、第1接続端(11a)と第2接続端(11b)との間に設けられ、第1接続端(11a)から第2接続端(11b)に向かう方向の冷媒流れのみを許容するように配置されている。第2逆止弁(32)は、第2接続端(11b)と第3接続端(11c)との間に設けられ、第3接続端(11c)から第2接続端(11b)に向かう方向の冷媒流れのみを許容するように配置されている。第3逆止弁(33)は、第3接続端(11c)と第4接続端(11d)との間に設けられ、第4接続端(11d)から第3接続端(11c)に向かう方向の冷媒流れのみを許容するように配置されている。第4逆止弁(34)は、第1接続端(11a)と第4接続端(11d)との間に設けられ、第4接続端(11d)から第1接続端(11a)に向かう方向の冷媒流れのみを許容するように配置されている。
【0035】ブリッジ回路(11)の第2接続端(11b)には、レシーバ(10)が接続されている。レシーバ(10)の液流出部(10a)には、配管(23)の一端が接続されている。配管(23)の他端には、電動膨張弁(7)の上流側が接続されている。電動膨張弁(7)の下流側には、配管(24)の一端が接続されている。配管(24)の他端はブリッジ回路(11)の第4接続端(11d)に接続されている。配管(24)の途中には、レシーバ(10)のガス流出部(10b)に接続されたガス抜き管(12)が接続されている。このガス抜き管(12)には、電磁弁から成るガス抜き弁(13)が設けられている。
【0036】ブリッジ回路(11)の第3接続端(11c)は、配管(25)を介して閉鎖弁(14)に接続されている。四路切換弁(5)の第4ポート(5d)は、配管(26)を介して閉鎖弁(15)に接続されている。なお、これら閉鎖弁(14,15)は、室外ユニット(1)と室内ユニット(2)とを連絡配管(3)を介して接続する前、すなわち冷凍装置を組み立てる前に、室外ユニット(1)を閉鎖しておくための弁である。
【0037】室外熱交換器(6)には、室外熱交換器(6)に室外空気を供給する室外送風機(9)が設けられている。
【0038】室内ユニット(2)には、室内熱交換器(8)が設けられている。室内熱交換器(8)の一端は、第1連絡配管(3a)を介して閉鎖弁(14)に接続されている。室内熱交換器(8)の他端は、第2連絡配管(3b)を介して閉鎖弁(15)に接続されている。なお、図示しないが、室内ユニット(2)には、室内熱交換器(8)に室内空気を供給する室内送風機が収容されている。更に、室内熱交換器(8)には、温度を検出するためのサーミスタ(Th)が設けられている。
【0039】以上説明したように、室外ユニット(1)と室内ユニット(2)とが連絡配管(3)によって接続されている。そして、圧縮機(4)、室外熱交換器(6)、室内熱交換器(8)等を連絡配管(3)や配管(21,22,…)で接続して成る閉回路の冷媒回路(52)が形成されている。この冷媒回路(52)には、微燃性冷媒であるR32が冷媒として充填されている。
【0040】本冷凍装置(51)には、後述する検知動作、待機動作、及び所定の制御動作を行う制御手段としてコントローラ(35)が設けられている。このコントローラ(35)には、サーミスタ(Th)の検出温度が入力されている。
【0041】本冷凍装置(51)は、リモコン(40)を備えている。このリモコン(40)には、運転/停止スイッチ(41)や温度設定等のための各種のスイッチと共に、シーズンON/OFFスイッチ(42)が設けられている。このシーズンON/OFFスイッチ(42)を操作すると、上記コントローラ(35)に指令信号が入力される。また、リモコン(40)には、図示しないが、裏側の一般ユーザーが操作しにくい箇所にリセットスイッチが設けられている。これは、一般ユーザによるリセットスイッチの誤操作を防止し、保守業者等の専門の作業者のみによってリセットスイッチの操作が行われるようにするためである。このリセットスイッチを操作すると、コントローラ(35)に解除信号が入力される。更に、リモコン(40)には、液晶表示部(43)が設けられている。この液晶表示部(43)には、運転状態の表示や冷媒漏れの際の警告メッセージ等が表示される。
【0042】−通常運転−次に、冷媒の循環動作を説明する。冷房運転時には、四路切換弁(5)は図示の実線側に設定される。つまり、四路切換弁(5)は、第1ポート(5a)と第2ポート(5b)とを接続すると共に第3ポート(5c)と第4ポート(5d)とを接続する状態に設定される。ガス抜き弁(13)は閉鎖される。圧縮機(4)から吐出された冷媒は、四路切換弁(5)を通過し、室外熱交換器(6)で凝縮した後、ブリッジ回路(11)の第1逆止弁(31)を通過し、レシーバ(10)に流入する。レシーバ(10)内の冷媒は、電動膨張弁(7)で減圧し、ブリッジ回路(11)の第3逆止弁(33)を経た後、第1連絡配管(3a)を通過して室内熱交換器(8)に流入し、室内熱交換器(8)において蒸発して室内空気を冷却する。室内熱交換器(8)を流出した冷媒は、第2連絡配管(3b)を通過し、四路切換弁(5)を経て、圧縮機(4)に吸入される。
【0043】一方、暖房運転時には、四路切換弁(5)は図示の破線側に設定される。つまり、四路切換弁(5)は、第1ポート(5a)と第4ポート(5d)とを接続すると共に第2ポート(5b)と第3ポート(5c)とを接続する状態に設定される。ガス抜き弁(13)は閉鎖される。圧縮機(4)から吐出された冷媒は、四路切換弁(5)を経た後、第2連絡配管(3b)を通過し、室内熱交換器(8)に流入する。この冷媒は、室内熱交換器(8)において凝縮し、室内空気を加熱する。室内熱交換器(8)を流出した冷媒は、第1連絡配管(3a)を通過した後、ブリッジ回路(11)の第2逆止弁(32)を通過し、レシーバ(10)に流入する。レシーバ(10)内の冷媒は、電動膨張弁(7)で減圧され、ブリッジ回路(11)の第4逆止弁(34)を通過した後、室外熱交換器(6)で蒸発する。室外熱交換器(6)を流出した冷媒は、四路切換弁(5)を経た後、圧縮機(4)に吸入される。
【0044】−ポンプダウン運転(回収動作)−次に、冷媒を室外ユニット(1)に溜め込むポンプダウン運転、即ち回収動作について説明する。このポンプダウン運転は、検知動作によってコントローラ(35)が冷媒漏れを検知したときに行う。なお、図1の矢印は、冷房運転のポンプダウン運転における冷媒の循環方向を示している。
【0045】圧縮機(4)を運転し、四路切換弁(5)を図示の実線側に設定した状態で、ガス抜き弁(13)を開くと共に、電動膨張弁(7)を徐々に閉じてゆく。
【0046】電動膨張弁(7)が全閉状態になると、レシーバ(10)内の液冷媒はレシーバ(10)からの流出が阻止される一方、レシーバ(10)内のガス冷媒はガス抜き管(12)を通じて流出するようになるので、レシーバ(10)内には液冷媒が溜まり込むことになる。従って、室内ユニット(2)の冷媒がレシーバ(10)に短時間の間に効率よく回収されることになる。そして、電動膨張弁(7)が全閉状態となった時点から所定時間経過後に、圧縮機(4)の運転を停止し、ガス抜き弁(13)を閉じる。
【0047】このことにより、レシーバ(10)からの冷媒の流出が阻止され、冷媒がレシーバ(10)及びレシーバ(10)の近傍の配管内に封止される。詳しくは、冷媒は、ブリッジ回路(11)の第1逆止弁(31)及び第2逆止弁(32)とガス抜き管(12)のガス抜き弁(13)と配管(23)の電動膨張弁(7)との間(図1の太線部分)に封止されることになる。
【0048】言い換えると、冷媒は、レシーバ(10)と、レシーバ(10)から膨張弁(7)に至る経路(23)と、第1逆止弁(31)からレシーバ(10)に至る経路(K1)と、第2逆止弁(32)からレシーバ(10)に至る経路(K2)と、ガス抜き管(12)におけるレシーバ(10)からガス抜き弁(13)に至る経路(K3)とに溜め込まれることになる。
【0049】−制御動作−次に、コントローラ(35)による制御動作について、図3のフロー図を参照しながら説明する。
【0050】この制御動作は、電源が投入された状態で行う。この状態は、冷凍装置(51)に電源電力を供給可能な状態を意味し、冷凍装置(51)が空調運転を行っているか否かを意味するものではない。
【0051】ステップST1では、リモコン(40)のシーズンON/OFFスイッチ(42)の操作によって指令信号が入力されているか否かを判定する。そして、この指令信号が入力されていない状態、即ちシーズンON状態であればステップST2に移る。一方、指令信号が入力されている状態、即ちシーズンOFF状態であればステップST5に移る。ここで、シーズンON/OFFスイッチ(42)は、空調を要する夏期や冬期から空調を要しない中間期に移行する際、又はその逆の場合に操作される。そして、空調を要する期間はシーズンON状態とし、空調を要しない期間はシーズンOFF状態とする。
【0052】シーズンON状態では、ステップST2において、リモコン(40)の液晶表示部(43)に図2(a)に示すような表示を行い、通常の空調運転が可能であることをユーザーに知らせる。続くステップST3では、通常の運転/停止制御を開始する。つまり、リモコン(40)の操作によって入力されるユーザーの指示に従って、空調運転の発停や冷暖房の切り換え等を行う。
【0053】その間、ステップST4では、コントローラ(35)が検知動作を行い、冷媒漏れの有無を検知する。この検知動作は、空調運転の有無に拘わらず行う。コントローラ(35)は、サーミスタ(Th)の検出温度に基づいて冷媒漏れの有無を検知する。つまり、室内ユニット(2)で冷媒漏れが生じると、室内熱交換器(8)に取り付けたサーミスタ(Th)の検出温度が低下する。従って、コントローラ(35)はサーミスタ(Th)の検出温度の変化に基づいて冷媒漏れを検知する。そして、冷媒漏れを検知しなければそのまま検知動作を継続し、冷媒漏れを検知すればステップST8に移る。
【0054】また、シーズンON状態では、所定の待機動作を行う。具体的に、停止中、即ち空調運転を行っていない状態において、クランクケースヒータに通電して圧縮機(4)内部の冷凍機油を加熱する加熱動作を待機動作として行う。これによって該冷凍機油への冷媒の溶け込みを抑制し、起動時のオイルフォーミングによって圧縮機(4)の潤滑不良が生じるのを防止している。
【0055】一方、シーズンOFF状態では、ステップST5において、リモコン(40)の液晶表示部(43)に図2(b)に示すような表示を行い、シーズンOFF状態であることをユーザーに知らせる。続くステップST6では、クランクケースヒータへの通電を停止して待機動作を停止させる。ステップST7では、上記ステップST4に対応してコントローラ(35)が検知動作を行う。そして、冷媒漏れを検知しなければそのまま検知動作を継続し、冷媒漏れを検知すればステップST8に移る。つまり、シーズンOFF状態では、空調運転の停止中において検知動作のみを行う。
【0056】シーズンON状態及びシーズンOFF状態の何れの状態であっても、冷媒漏れを検知した場合にはステップST8に移る。ステップST8では、上述のポンプダウン運転を行い、室内ユニット(2)から冷媒を回収して室外ユニット(1)内に封じ込める。
【0057】続くステップST9では、リモコン(40)の液晶表示部(43)に図2(c)に示すような表示を行い、冷媒漏れが発生したことをユーザーに知らせる。また、本実施形態では微燃性のR32を冷媒として用いているため、冷媒漏れによる火災等を防止するため、所定の表示を行ってユーザーの注意を喚起する。
【0058】続くステップST10では、コントローラ(35)に解除信号が入力されたか否かを判定する。そして、解除信号が入力されていなければ、空調運転を禁止してこの状態を保持する。つまり、解除信号が入力されるまでは、ユーザーがリモコン(40)の運転/停止スイッチ(41)を操作しても空調運転は行われない。その後、専門の作業者によって冷媒漏れの対策がなされ、クランクケースヒータに通電して冷凍機油から冷媒を蒸発させる等の措置がとられ、その後、作業者がリモコン(40)のリセットスイッチを操作して解除信号が入力されると、ステップST1に戻って空調運転の禁止を解除する。
【0059】−実施形態の効果−本実施形態によれば、長期間に亘って空調運転を行わないシーズンOFF状態では待機動作を停止してクランクケースヒータへの通電を停止することができる。このため、長期間に亘って起動されないにも拘わらず待機動作を継続するような事態を回避でき、この様な無用の待機動作を回避して停止中の待機電力を削減することができる。一方、検知動作は冷凍運転に拘わらず行うようにしているため、冷媒回路からの冷媒漏れの検知は常に確実に行うことができる。この結果、装置に電源を接続したままで冷媒漏れの検知を確実に行いつつ、過大な電力を消費する待機動作の停止によって待機電力を確実に抑制することができる。
【0060】また、冷媒漏れの際には、ポンプダウン運転によって室内ユニット(2)に存在する冷媒の量を削減することができる。このため、冷媒回路(52)から室内に漏洩する冷媒量を確実に削減することができ、冷媒漏れによる酸欠等の弊害を確実に回避することができる。
【0061】特に、本実施形態では、冷媒に微燃性のR32を用いている。このため、冷媒漏れが生じると、冷媒に何かの火が引火して最悪の場合には火災に至る危険がある。これに対し、上述のように常に冷媒漏れの検知を行い、更にはポンプダウン運転によって室内に漏洩する冷媒量を最小限に抑制している。従って、安全性を十分に確保しつつ、R32のような燃焼性のある物質を冷媒に使用することが可能となる。
【0062】ここで、ポンプダウン運転の後は冷媒回路(52)の冷媒の大半が室外ユニット(1)内にに保持されており、圧縮機(4)内の冷凍機油には多量の冷媒が溶け込んでいるおそれがある。そして、この状態で直ちに起動を行うと、オイルフォーミングによって圧縮機(4)内の冷凍機油が減少し、潤滑不良による焼き付きを起こす危険がある。
【0063】これに対し、ポンプダウン運転の後はリセットスイッチが操作されるまで空調運転が禁止される。このリセットスイッチは、保守業者等のみが操作でき、一般のユーザーが誤って操作しないように構成されている。このため、保守業者等が所定の処置を施し、その後、リセットスイッチを操作して解除信号を入力した後に限って空調運転を開始可能となるようにできる。この結果、焼き付きの危険性が大きい状態における圧縮機(4)の運転を回避でき、信頼性を維持することができる。
【0064】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態では、リモコン(40)にリセットスイッチを設け、このリセットスイッチを操作するとコントローラ(35)に解除信号が入力されるようにしている。これに対し、リモコン(40)にリセットスイッチを設けず、既存の各種のスイッチを特殊操作することによってコントローラ(35)に解除信号が入力されるようにしてもよい。この特殊操作としては、特定のスイッチを所定回数押す、特定のスイッチを所定時間押し続ける等の操作が考えられる。
【0065】また、上記実施形態では、リセットスイッチをリモコン(40)の裏側に設けるようにしたが、これに代えて、リセットスイッチを屋外に設置される室外ユニット(1)内に設けて一般ユーザーの誤操作を防止するようにしてもよい。
【0066】また、上記実施形態では、圧縮機(4)にクランクケースヒータを設けて冷凍機油の加熱を行うようにしている。これに対し、インバータを用いて圧縮機(4)を容量可変とした場合には、圧縮機(4)のモータに対する欠相通電によって該モータを発熱させ、これによって冷凍機油の加熱を行うようにしてもよい。
【0067】また、上記実施形態では、冷媒回路(52)の冷媒としてR32を用いるようにしたが、これに代えて、R32などの微燃性冷媒を含む混合冷媒を用いてもよく、更には、プロパン、ブタン、イソブタン等の可燃性の冷媒を用いてもよい。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年2月24日(1999.2.24)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
【公開番号】 特開2000−249434(P2000−249434A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−46711