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【発明の名称】 吸収冷凍機
【発明者】 【氏名】高畠 修蔵

【氏名】中島 邦彦

【氏名】大石 修

【氏名】斉藤 健一

【氏名】大田 益臣

【要約】 【課題】ボイラの機能を充分に活用して、冷房出力当たりの燃料消費量の低減化および省エネルギー化を図るとともに、吸収冷凍機全体のコンパクト化および簡易な取り扱いを可能とし得る吸収冷凍機を提供する。

【解決手段】吸収液を吸収器1から低温熱交換器3に送給した後、中温熱交換器4を経て低温再生器5に送給する経路と、高温熱交換器6を経て蒸気加熱式高温再生器7に送給する経路とに分岐させ、前記低温再生器5において再生された吸収液を前記中温熱交換器4の加熱側に戻す一方、前記高温再生器7において再生された吸収液を前記高温熱交換器6の加熱側に戻し、前記中温熱交換器4および高温熱交換器6のそれぞれから出た吸収液を合流させて前記低温熱交換器3の加熱側を経て前記吸収器1に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷温水機であって、ボイラ10に対し給水する代わりに吸収液を供給しそのボイラ10を吸収液の濃縮に直接利用して冷房出力当たりの燃料消費量の低減化を図る一方、その結果として放出される冷媒蒸気を高温再生器7等の加熱源として利用するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸収液を吸収器から低温熱交換器に送給した後、中温熱交換器を経て低温再生器に送給する経路と、高温熱交換器を経て蒸気加熱式高温再生器に送給する経路とに分岐させ、前記低温再生器において再生された吸収液を前記中温熱交換器の加熱側に戻す一方、前記高温再生器において再生された吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻し、前記中温熱交換器および高温熱交換器のそれぞれから出た吸収液を合流させて前記低温熱交換器の加熱側を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機であって、前記高温再生器と高温熱交換器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記高温再生器からの濃吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段とを備え、前記溶液濃縮ボイラは、加熱濃縮した吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻すよう前記高温熱交換器と接続される一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続されていることを特徴とする吸収冷凍機。
【請求項2】 吸収液を吸収器から低温熱交換器に送給した後、低温再生器に送給する経路と、高温熱交換器を経て蒸気加熱式高温再生器に送給する経路とに分岐させ、前記低温再生器において再生された吸収液と前記高温再生器において再生され前記高温熱交換器を経た吸収液とを合流させて、前記低温熱交換器の加熱側を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機であって、前記高温再生器と高温熱交換器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記高温再生器からの濃吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段とを備え、前記溶液濃縮ボイラは、加熱濃縮した吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻すよう前記高温熱交換器と接続される一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続されていることを特徴とする吸収冷凍機。
【請求項3】 溶液濃縮ボイラの出口側から高温熱交換器に戻される戻し吸収液を加熱源とする第1熱交換器を備え、高温再生器から供給される供給吸収液が前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第1熱交換器において前記戻し吸収液との間で互いに熱交換されるよう構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の吸収冷凍機。
【請求項4】 溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする第2熱交換器を備え、高温再生器から供給される供給吸収液が前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第2熱交換器において前記燃焼排ガスと互いに熱交換されるよう構成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の吸収冷凍機。
【請求項5】 第2熱交換器は溶液濃縮ボイラに付設されたエコノマイザであり、供給吸収液は前記エコノマイザに対し貫流されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載の吸収冷凍機。
【請求項6】 中温熱交換器から低温再生器までの間であって低温再生器への吸収液の入口側、および/または高温熱交換器から高温再生器までの間であって高温再生器への吸収液の入口側には、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器が付設されていることを特徴とする請求項1、3、4または5記載の吸収冷凍機。
【請求項7】 吸収液の分岐点から低温再生器までの間であって低温再生器への吸収液の入口側、および/または高温熱交換器から高温再生器までの間であって高温再生器への吸収液の入口側には、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器が付設されていることを特徴とする請求項2、3、4または5記載の吸収冷凍機。
【請求項8】 溶液濃縮ボイラが貫流ボイラであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の吸収冷凍機。
【請求項9】 低温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、稀吸収液を加熱する熱交換器が、低温熱交換器とパラレルにまたは低温熱交換器の吸収液の出口側においてシリーズに配設されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の吸収冷凍機。
【請求項10】 高温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、稀吸収液を加熱する熱交換器が、高温熱交換器にパラレルにまたは高温熱交換器の稀吸収液の出口側においてシリーズに配設されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の吸収冷凍機。
【請求項11】 吸収器と蒸発器との組合せが複数個設けられ、冷水、冷却水および吸収液が前記複数個の組合せにシリーズに供給されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の吸収冷凍機。
【請求項12】 吸収器と蒸発器との組合せが複数個設けられ、冷水および吸収液が前記複数個の組合せにシリーズに供給され、冷却水が前記複数個の組合せにパラレルに供給されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の吸収冷凍機。
【請求項13】 冷却水が凝縮器から吸収器へ供給されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の吸収冷凍機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸収冷凍機に関する。さらに詳しくは、いわゆるパラレルサイクル形の蒸気式二重効用吸収冷凍機に対し、溶液濃縮ボイラを組み合わせて一体化した吸収冷凍機に関する。ここに、吸収冷凍機には吸収冷温水機も含むものとする。
【0002】
【従来の技術】従来より、蒸気式二重効用吸収冷凍機として、図7に例示したようなものが知られている。このものは、吸収液が吸収器aから低温再生器dおよび高温再生器fの両者に対しパラレルに流されるというパラレルサイクルを構成している。このものにおける吸収液の循環サイクルを説明すると、次のようになる。
【0003】まず、吸収器aで多量の冷媒蒸気を吸収して濃度が薄められた吸収液(稀吸収液)が吸収器aから低温熱交換器bに送給され、この低温熱交換器bにより加熱された後の稀吸収液が二方向に分岐される。一方は、中温熱交換器cを経て低温再生器dに送給され、この低温再生器dにおいて低温再生された後、前記中温熱交換器cの加熱側を経て前記低温熱交換器bの加熱側に戻される。他方は高温熱交換器eを経て高温再生器fに送給され、この高温再生器fにおいて高温再生された後、前記高温熱交換器eの加熱側を経て前記低温熱交換器bに戻される。
【0004】そして、前記低温再生器dおよび高温再生器fでの再生により吸収している冷媒の一部を放出し濃度が高くなった吸収液が前記低温熱交換器bの手前で合流され、この吸収液が前記低温熱交換器bの加熱側に通された後、前記吸収器aに帰還される。帰還された濃吸収液は吸収器aにおいて散布され、冷却水により冷却されて再び冷媒蒸気を吸収して前記稀吸収液となる。
【0005】このような蒸気式二重効用吸収冷凍機においては、前記高温再生器fには蒸気ボイラgから蒸気が加熱源として供給されるようになっており、この蒸気により供給された稀吸収液が加熱されて吸収していた冷媒を放出するようにされている。そして、この高温再生器fおよび低温再生器dにおいて放出された冷媒蒸気は、最終的に凝縮器hに戻されて凝縮される。
【0006】ところが、かかる蒸気ボイラgを組合わせた蒸気式吸収冷凍機においては、以下のような不都合がある。
【0007】すなわち、蒸気ボイラgはそれ自体が大型であり吸収冷凍機全体の大型化を招くことになる。しかも、その蒸気ボイラgを運転させるには吸収冷凍機の系とは別の系からの給水、加熱後に生成される蒸気ドレンの回収および薬品の注入等が必要になるなど省エネルギーの要請に反する上に、それらのための付随設備が必要になり前記の大型化を助長している。そして、それにも拘わらず、前記蒸気ボイラgが吸収冷凍機に対し貢献するのは単に加熱源を供給するという役割をのみ果たすに止まっており、蒸気ボイラgでの燃焼のための燃料消費に見合う効果を充分に得ているとは言い難い。その上、法規制上も、取り扱い者として所定の有資格者や検査等が必要になるという煩わしさを伴うものとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、ボイラの機能を充分に活用して、冷房出力当たりの燃料消費量の低減化および省エネルギー化を図るとともに、吸収冷凍機全体のコンパクト化および簡易な取り扱いを可能とし得る吸収冷凍機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の吸収冷凍機の第1形態は、吸収液を吸収器から低温熱交換器に送給した後、中温熱交換器を経て低温再生器に送給する経路と、高温熱交換器を経て蒸気加熱式高温再生器に送給する経路とに分岐させ、前記低温再生器において再生された吸収液を前記中温熱交換器の加熱側に戻す一方、前記高温再生器において再生された吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻し、前記中温熱交換器および高温熱交換器のそれぞれから出た吸収液を合流させて前記低温熱交換器の加熱側を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機であって、前記高温再生器と高温熱交換器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記高温再生器からの濃吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段とを備え、前記溶液濃縮ボイラは、加熱濃縮した吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻すよう前記高温熱交換器と接続される一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続されていることを特徴とする。
【0010】本発明の吸収冷凍機の第2形態は、吸収液を吸収器から低温熱交換器に送給した後、低温再生器に送給する経路と、高温熱交換器を経て蒸気加熱式高温再生器に送給する経路とに分岐させ、前記低温再生器において再生された吸収液と前記高温再生器において再生され前記高温熱交換器を経た吸収液とを合流させて、前記低温熱交換器の加熱側を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機であって、前記高温再生器と高温熱交換器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記高温再生器からの濃吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段とを備え、前記溶液濃縮ボイラは、加熱濃縮した吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻すよう前記高温熱交換器と接続される一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続されていることを特徴とする。
【0011】本発明の吸収冷凍機においては、溶液濃縮ボイラの出口側から高温熱交換器に戻される戻し吸収液を加熱源とする第1熱交換器を備え、高温再生器から供給される供給吸収液が前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第1熱交換器において前記戻し吸収液との間で互いに熱交換されるよう構成されていてもよい。
【0012】また、本発明の吸収冷凍機においては、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする第2熱交換器を備え、高温再生器から供給される供給吸収液が前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第2熱交換器において前記燃焼排ガスと互いに熱交換されるよう構成されていてもよい。
【0013】さらに、本発明の吸収冷凍機の第1形態においては、中温熱交換器から低温再生器までの間であって低温再生器への吸収液の入口側、および/または高温熱交換器から高温再生器までの間であって高温再生器への吸収液の入口側には、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器が付設されていてもよく、また本発明の吸収冷凍機の第2形態においては、吸収液分岐点から低温再生器までの間であって低温再生器への吸収液の入口側、および/または高温熱交換器から高温再生器までの間であって高温再生器への吸収液の入口側には、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器が付設されていてもよい。
【0014】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、低温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、稀吸収液を加熱する熱交換器が、低温熱交換器とパラレルにまたは低温熱交換器の吸収液の出口側においてシリーズに配設されていてもよい。
【0015】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、高温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、稀吸収液を加熱する熱交換器が、高温熱交換器にパラレルにまたは高温熱交換器の稀吸収液の出口側においてシリーズに配設されていてもよい。
【0016】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、吸収器と蒸発器との組合せが複数個設けられ、冷水、冷却水および吸収液が前記複数個の組合せにシリーズに供給されていてもよい。
【0017】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、吸収器と蒸発器との組合せが複数個設けられ、冷水および吸収液が前記複数個の組合せにシリーズに供給され、冷却水が前記複数個の組合せにパラレルに供給されていてもよい。
【0018】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、冷却水が凝縮器から吸収器へ供給されていてもよい。
【0019】ここで、前記第2熱交換器は、例えば溶液濃縮ボイラに付設されたエコノマイザであり、供給吸収液は前記エコノマイザに対し貫流されるように構成されている。また、溶液濃縮ボイラは、例えば貫流ボイラとされる。
【0020】
【作用】本発明の吸収冷凍機は前記の如く構成されているので、ボイラに特段の給水設備を設ける必要がないとともに、蒸気ドレンの回収も不要となる。また、そのため薬注設備なども不要となるので、ボイラが小型化される。その結果、吸収冷凍機にボイラを一体化できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0022】本発明は、ボイラに対し給水する代わりに吸収液を供給しそのボイラを吸収液の濃縮に直接利用して冷房出力当たりの燃料消費量の低減化を図る一方、その結果として放出される冷媒蒸気を高温再生器等の蒸気加熱源として利用することを基本とするものである。
【0023】具体的には、本発明の第1形態は、吸収液を吸収器から低温熱交換器に送給した後、中温熱交換器を経て低温再生器に送給する経路と、高温熱交換器を経て蒸気加熱式高温再生器に送給する経路とに分岐させ、前記低温再生器において再生された吸収液を前記中温熱交換器の加熱側に戻す一方、前記高温再生器において再生された吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻し、前記中温熱交換器および高温熱交換器のそれぞれから出た吸収液を合流させて前記低温熱交換器の加熱側を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機を前提として、前記高温再生器と高温熱交換器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記高温再生器からの濃吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段、例えばポンプとを備えるものとする。そして、前記溶液濃縮ボイラを、加熱濃縮した吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻すよう前記高温熱交換器と接続する一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し蒸気加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続するものである。
【0024】また、本発明の第2形態は、吸収液を吸収器から低温熱交換器に送給した後、低温再生器に送給する経路と、高温熱交換器を経て蒸気加熱式高温再生器に送給する経路とに分岐させ、前記低温再生器において再生された吸収液と前記高温再生器において再生され前記高温熱交換器を経た吸収液とを合流させて、前記低温熱交換器の加熱側を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機を前提として、前記高温再生器と高温熱交換器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記高温再生器からの濃吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段、例えばポンプとを備えるものとする。そして、前記溶液濃縮ボイラを、加熱濃縮した吸収液を前記高温熱交換器の加熱側に戻すよう前記高温熱交換器と接続する一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し蒸気加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続するものである。
【0025】ここで、「溶液濃縮ボイラ」としては、燃料の燃焼により濃吸収液を加熱させる機能、その加熱により吸収している冷媒を冷媒蒸気として放出させる機能、および濃吸収液の加熱の際の内圧に耐えうる機能を備えるものであればよい。
【0026】本発明の場合には、高温再生器により稀吸収液が高温再生されて稀吸収液よりも濃縮された濃吸収液がポンプにより溶液濃縮ボイラに対し送給され、この溶液濃縮ボイラによってより一層濃縮される。そして、この高濃縮された吸収液、つまり、高加熱された吸収液が高温熱交換器の加熱源として戻され、ついで低温再生器から中温熱交換器を経て戻された吸収液と合流して低温熱交換器の加熱源として戻されることになる。その一方、吸収液が前記溶液濃縮ボイラにおいて高濃縮されることにより放出される冷媒蒸気が、前記高温再生器に加熱源として供給されることになる。この結果、高温再生器での高温再生もより効率的に行われることになる。このように吸収冷凍機に対し溶液濃縮ボイラを組み合わせることにより、全体として冷房出力当たりの燃料消費量の可及的な低減化が図られると同時に、省エネルギー化・省資源化をも図ることが可能になる。このような作用は、定性的には、溶液濃縮ボイラに対し供給する供給吸収液が高温再生器からの濃吸収液の量の大小の如何に拘わらず得ることができる。
【0027】その上、本発明の場合には、従来の蒸気ボイラのような給水、薬品注入および蒸気ドレン回収等が不要になるため、それらに対応する設備も不要になり吸収冷凍機全体のコンパクト化が図られるとともにそれらに要するエネルギーも不要となって、より大きな省エネルギー化・省資源化が図られる。
【0028】なお、本発明においては、吸収冷凍機の効率向上、主として溶液濃縮ボイラのボイラ効率向上の観点より以下の構成を付加してもよい。すなわち、溶液濃縮ボイラに対し高温再生器から供給される供給吸収液と、前記溶液濃縮ボイラから高温熱交換器に戻される戻し吸収液との間で互いに熱交換させる第1熱交換器を備えるようにしてもよい。この場合には、第1熱交換器において高加熱された戻し吸収液からの熱を受けて供給吸収液が昇温され、この昇温された供給吸収液が溶液濃縮ボイラに対し導入されることになるため、前記熱交換器のない場合と比べボイラ効率の増大化が図られることになる。
【0029】また、前記溶液濃縮ボイラに対し高温再生器から供給される供給吸収液と、前記溶液濃縮ボイラから排出される燃焼排ガスとの間で互いに熱交換させる第2熱交換器を備えるようにしてもよい。この第2熱交換器としては、例えば溶液濃縮ボイラに付設したエコノマイザにより構成し、このエコノマイザに対し前記供給吸収液を貫流させるようにすればよい。このような第2熱交換器を設けた場合にも、第2熱交換器において昇温された状態の供給吸収液が溶液濃縮ボイラに導入されることになるため、前記第2熱交換器のない場合と比べボイラ効率の増大化が図られることになる。その上、この場合には、前記供給吸収液の昇温が溶液濃縮ボイラ自身の燃焼排ガスを熱源として行われるため、省エネルギー化および省資源化をも図ることが可能になる。
【0030】さらに、主として省エネルギー化の観点より以下の構成を付加してもよい。すなわち、中温熱交換器から低温再生器までの間、もしくは吸収液分岐点から低温再生器までの間であって低温再生器への吸収液の入口側の位置、および/または高温熱交換器から高温再生器までの間であって高温再生器への吸収液の入口側の位置に、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器(熱交換器)を付設するようにしてもよい。この場合には、外部から加熱する必要のある冷房出力当たりの加熱熱量の一部を燃焼排ガスにより賄えるため、前記加熱熱量を前記補助再生器のない場合に比べ低減化することが可能になり、省エネルギー化が図られる。
【0031】さらにまた、取り扱いの簡易化の観点より、前記溶液濃縮ボイラとして貫流ボイラを用いるようにしてもよい。この場合には、ボイラ内での吸収液保有量が低減されるため、吸収液の全体量の低減化が図られ、これに伴い、吸収液としてLiBrを用いる場合にはLiが高価であるためコストの低減化をも図ることが可能になる。さらに、伝熱面積が10m2以下の場合には小型ボイラ、5m2以下の場合には簡易ボイラとされるため、取り扱いに際し資格者および設置許可がそれぞれ不要となる上に検査等の規制が緩和されることになる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0033】実施例1図1は、本発明の実施例1に係る吸収冷凍機を示す。この実施例1は、吸収器1、ポンプ(稀吸収液ポンプ)2、低温熱交換器3、中温熱交換器4、低温再生器5、高温熱交換器6、高温再生器7、凝縮器8および蒸発器9からなるパラレルサイクル式の二重効用吸収冷凍機に対し、溶液濃縮ボイラとしての貫流ボイラ10を組み合わせたものである。すなわち、本実施例は、前記二重効用吸収冷凍機と、溶液濃縮ボイラ10とを吸収液による冷凍サイクルの中に組み込んだ状態で一体化したものである。そして、本実施例では、前記溶液濃縮ボイラ10に加え、補助再生器11,12、ポンプ(濃吸収液ポンプ)13、第1熱交換器としての付加熱交換器14、および第2熱交換器としてのエコノマイザ15等を付加している。なお、図1において実線に付した矢印は吸収液もしくは冷媒の流れ方向を示し、破線に付した矢印は冷媒蒸気の流れ方向を示す。
【0034】以下、吸収液の循環サイクルについて順に説明する。
【0035】まず、吸収器1で多量の冷媒蒸気を吸収して濃度が薄められた稀吸収液が稀吸収液ポンプ2によって吸収器1から低温熱交換器3に送給され、この低温熱交換器3により加熱された後に低温再生器側5側と高温再生器7側とに分岐される。
【0036】低温再生器5側に分岐させられた稀吸収液は、中温熱交換器4により加熱された後に低温再生器5に送給される。この稀吸収液は、前記中温熱交換器4を出てから低温再生器5に導入される前に、後述する補助再生器11によってさらに加熱され、この加熱された状態で前記低温再生器5内に導入されるようになっている。前記稀吸収液は、この低温再生器5において低温再生されることにより、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がその分高くなって中間濃度の中間吸収液となる。そして、この中間吸収液は、低温再生器5を出て中間熱交換器4の加熱側に戻され、この中温熱交換器4において前記の稀吸収液を加熱した後、前記低温熱交換器3の加熱側への戻り配管16に戻される。
【0037】一方、高温再生器7側に分岐させられた稀吸収液は、高温熱交換器6により加熱された後に高温再生器7に送給される。この稀吸収液は、前記高温熱交換器6を出た後に高温再生器7に導入される前に、後に詳述する補助再生器12によってさらに加熱され、この加熱された状態で前記高温再生器7内に導入されるようになっている。そして、前記稀吸収液は、この高温再生器7において高温再生されることにより、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がかなり高めの濃吸収液となる。
【0038】さらに、この濃吸収液は、高温再生器7から濃吸収液ポンプ13によって貫流ボイラ10に送給され、この貫流ボイラ10によりさらに加熱されて吸収している冷媒が冷媒蒸気として放出され、より一層濃縮された高濃吸収液になる。
【0039】ここで、前記濃吸収液は、前記貫流ボイラ10に導入される前に、まず付加熱交換器14による加熱を受け、次にエコノマイザ15による加熱を受けるようになっている。前記付加熱交換器14では、前記濃吸収液ポンプ13により送給される濃吸収液が、前記貫流ボイラ10により濃縮された後に前記高温熱交換器6に戻される高濃吸収液と熱交換されて加熱されることになる。また、前記エコノマイザ15では、前記付加熱交換器14により加熱された濃吸収液が、貫流ボイラ10から排出される燃焼排ガスと熱交換されてさらに加熱されることになる。
【0040】そして、前記貫流ボイラ10により高濃縮された高濃吸収液は前記付加熱交換器14の加熱側に通された後、まず高温熱交換器6の加熱側に通されて前記稀吸収液を加熱し、次に戻り配管16において前記の低温再生器5からの中間吸収液と合流される。この中間吸収液と合流した高濃吸収液は低温熱交換器3の加熱側に通されて前記稀吸収液を加熱した後、前記吸収器1に戻される。この吸収器1においては、戻された高濃吸収液および中間吸収液が散布され冷却水により冷却されることによって、蒸発器9から供給される冷媒蒸気を多量に吸収して再び稀吸収液となる。
【0041】一方、前記貫流ボイラ10において蒸発した冷媒蒸気は、配管17を通して高温再生器7に対し蒸気加熱源として送られ、高温再生器7での中間吸収液の高温再生に利用される。そして、この高温再生器7で利用された後の冷媒蒸気は配管18に合流され、この配管18において前記高温再生器7にて放出された冷媒蒸気と共に低温再生器5に対し加熱源として送られることになる。ついで、この冷媒蒸気は凝縮器8に送られて冷却水により凝縮されて冷媒となる。
【0042】また、前記貫流ボイラ10から排出される燃焼排ガスは、前記のエコノマイザ15を通された後、二つの補助再生器11,12に対し加熱源として送られるようになっている。この二つの補助再生器11,12に対しては、前記燃焼排ガスをまず補助再生器12に、その次に補助再生器11にというようにシリーズに供給するようにしてもよいし、前記燃焼排ガスを両補助再生器11,12に対しパラレルに供給するようにしてもよい。
【0043】実施例2図2に、本発明の実施例2に係る吸収冷凍機を示す。この実施例2は実施例1を改変してなるものであって、具体的には、低温再生器5の入口側に設けられている中温熱交換器4を廃止してなるものである。この実施例2のその余の構成は実施例1と同様とされている。
【0044】この実施例2においては、中温熱交換器4が設けられていない分だけ熱効率が低下するが、その分構成が簡素化されて吸収冷凍機のコスト低減が図られる。
【0045】実施例3図3に、本発明の実施例3に係る吸収冷凍機を示す。この実施例3は実施例2を改変してなるものであって、図3に示すように、低温熱交換器3とパラレルに低温再生器4からの冷媒ドレンにより稀吸収液を加熱する第2低温熱交換器21を付設し、かつ、高温熱交換器6とパラレルに高温再生器7からの冷媒ドレンにより中間吸収液を加熱する第2高温熱交換器31を付設してなるものである。
【0046】このように、この実施例3によれば第2低温熱交換器21や第2高温熱交換器31による回収熱量の増大により、吸収冷凍機の熱効率が向上する。
【0047】なお、図示例においては、第2低温熱交換器21および第2高温熱交換器31は、それぞれ低温熱交換器3および高温熱交換器6にパラレルに配設されているが、第2低温熱交換器21は低温熱交換器3の稀吸収液出口側において低温熱交換器3とシリーズに配設されてもよく、また第2高温熱交換器31は高温熱交換器6の中間液出口側において高温熱交換器6とシリーズに配設されてもよい。
【0048】実施例4図4に、本発明の実施例4に係る吸収冷凍機を示す。この実施例4は実施例1を改変したものであって、図4に示すように、吸収器1と蒸発器9との組合せを二組とし、すなわち吸収器1と蒸発器9を第1吸収1A器と第1蒸発器9Aとの組からなる第1ブロックAと、第2吸収器1Bと第2蒸発器9Bとの組からなる第2ブロックBとにより構成し、そして冷水および冷却水を第2ブロックBから第1ブロックAにシリーズに供給する一方、高濃吸収液を第1ブロックAから第2ブロックBにシリーズに供給してなるものである。
【0049】しかして、実施例4はかかる構成を取ることにより、吸収器1内の圧力、蒸発器9内の圧力をブロックごとに段階的に変えることが可能になり、吸収液を広い濃度範囲で利用できるようになるので、稀薄な濃度領域まで利用できる範囲が広がり、吸収液循環量の低減、低温熱源の有効利用が図られるという効果が得られる。
【0050】実施例5図5に、本発明の実施例5に係る吸収冷凍機を示す。この実施例5は実施例4を改変したものであって、図5に示すように、吸収器1と蒸発器9との組合せを二組とし、すなわち吸収器1と蒸発器9を第1吸収器1Aと第1蒸発器9Aとの組からなる第1ブロックAと、第2吸収器1Bと第2蒸発器9Bとの組からなる第2ブロックBとにより構成し、そして冷水を第2ブロックBから第1ブロックAにシリーズに供給し、高濃吸収液を第1ブロックAから第2ブロックBにシリーズに供給し、冷却水を第1ブロックAおよび第2ブロックBにパラレルに供給してなるものである。
【0051】しかして、実施例5はかかる構成を取ることにより、吸収器1内の圧力、蒸発器9内の圧力をブロックごとに段階的に変えることが可能になり、吸収液を広い濃度範囲で利用できるようになるので、稀薄な濃度領域まで利用できる範囲が広がり、吸収液循環量の低減、低温熱源の有効利用が得られるという効果が得られる。
【0052】実施例6本発明の実施例6は実施例1を改変したものであって、図6に示すように、通常とは逆に冷却水を凝縮器8から吸収器1にシリーズに流すようにしてなるものである。
【0053】しかして、実施例6はかかる構成を取ることにより、凝縮器8へ温度の低い冷却水を先に通すことにより、凝縮器8の温度、圧力が低下しそれにより低温再生器5の温度、圧力が下がり、高温再生器7の温度、圧力が下がり低温熱源の有効利用が得られるという効果が得られる。
【0054】以上、本発明を実施形態および実施例に基づいて説明してきたが、本発明かかかる実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能である。例えば、前記実施例では、高温再生器7から濃吸収液ポンプ13により高温再生器7から取り出される濃吸収液の全量を貫流ボイラ10に送給するようにしているが、これに限らず、前記濃吸収液の一部を貫流ボイラ10に送給し、残部を高温熱交換器6の加熱側に直接送給して戻すように分岐させてもよい。この場合には、図1などにおいて符号19で示す配管により濃吸収液ポンプ13の入口側と高温熱交換器6の加熱側の入口側とを連通させればよい。そして、分岐部の流量制御等は流量制御弁等の周知の手段を採用すればよい。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の吸収冷凍機によれば、吸収冷凍機に対し溶液濃縮ボイラを組み合わせて一体化することによって、全体として冷房出力当たりの燃料消費量の可及的な低減化を図ることができると同時に省エネルギー化および省資源化を図ることができるとともに、吸収冷凍機全体のコンパクト化をも図ることができるという優れた効果が得られる。
【0056】また、溶液濃縮ボイラに供給吸収液を導入するに際し、この供給吸収液に対し、溶液濃縮ボイラでの生成物(高濃吸収液)を熱源とする第1熱交換器や、溶液濃縮ボイラからの排出物(燃焼排ガス)を熱源とする第2熱交換器の一方もしくは双方を備えることにより、ボイラ効率の増大化を図ることができて、より大きな省エネルギー化および省資源化をも図ることができるという優れた効果が得られる。
【0057】さらに、低温再生器への吸収液入口側位置に、および/または高温再生器への吸収液入口側位置に、溶液濃縮ボイラからの前記排出物を加熱源とする補助再生器を付設することにより、外部から加熱する必要のある冷房出力当たりの加熱熱量を低減化させることができ、さらに大きな省エネルギー化を達成することができるという優れた効果が得られる。
【0058】その上、前記溶液濃縮ボイラとして貫流ボイラを用いることにより、吸収冷凍機全体のコンパクト化および取り扱いの簡易化に加え、吸収液コストの低減化をも図ることができるようになるという効果も得られる。
【出願人】 【識別番号】000199887
【氏名又は名称】川重冷熱工業株式会社
【出願日】 平成11年3月25日(1999.3.25)
【代理人】 【識別番号】100096839
【弁理士】
【氏名又は名称】曽々木 太郎
【公開番号】 特開2000−249422(P2000−249422A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−81691