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【発明の名称】 吸収式冷凍機
【発明者】 【氏名】田中 貴雄

【氏名】倉橋 幸▲徳▼

【氏名】倉橋 泰

【要約】 【課題】吸収器20等から吸収液を冷却し蒸発した蒸気の形態で排気される冷却用蒸気Dの持つ冷却熱を有効に利用する。

【解決手段】再生器30に供給される加熱用蒸気Eの供給口にエゼクタ52を設け、このエゼクタ52に高温蒸気G及び吸収器20で吸収液Cを冷却し蒸発した冷却用蒸気Dを供給する。そしてエゼクタ52で高温蒸気Gにより冷却用蒸気Dを吸引し取込むんで当該冷却用蒸気Dの持つ冷却熱の回収を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒を蒸発させる蒸発器と、吸収液を循環して当該吸収液に前記蒸発器から供給された冷媒を吸収させると共に蒸発冷却用に冷却水が供給されて吸収液を冷却する吸収器と、該吸収器から冷媒を吸収した吸収液が供給されると共に加熱用蒸気が供給されて、該加熱用蒸気により吸収液を加熱して、当該吸収液に吸収されている冷媒を蒸発させて該吸収液の濃度を高め、それを前記吸収器に戻す再生器と、該再生器で蒸発した冷媒を凝縮させて前記蒸発器に戻す凝縮器とを有してなる吸収式冷凍機において、前記再生器に供給される加熱用蒸気の供給口に設けられると共に前記吸収器で吸収液を冷却した際に蒸発した蒸気が供給されて、前記加熱用蒸気により前記吸収器で蒸発した蒸気を吸引し取込むことにより当該吸収器の冷却熱の熱回収を行うエゼクタを有することを特徴とする吸収式冷凍機。
【請求項2】 前記吸収器に供給される冷却水は、前記再生器で吸収液を加熱した後に排出された蒸気ドレンであることを特徴とする請求項1記載の吸収式冷凍機。
【請求項3】 冷媒を蒸発させる蒸発器と、吸収液を循環して当該吸収液に前記蒸発器から供給された冷媒を吸収させる吸収器と、当該吸収器から冷媒を吸収した吸収液が供給されると共に加熱用蒸気が供給されて、当該加熱用蒸気により吸収液を加熱して、当該吸収液に吸収されている冷媒を蒸発させて当該吸収液の濃度を高め、それを前記吸収器に戻す再生器と、冷却水が供給されて当該冷却水により前記再生器で蒸発した冷媒を冷却して凝縮させた後前記蒸発器に戻す凝縮器とを有してなる吸収式冷凍機において、前記再生器に供給される加熱用蒸気の供給口に設けられると共に、前記凝縮器で冷媒と熱交換して蒸発した冷却水の蒸気が供給されて、前記加熱用蒸気により前記冷却水の蒸気を吸引し取込むことにより当該冷却熱を蒸気の形態で熱回収を行うエゼクタを有することを特徴とする吸収式冷凍機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒や吸収液を冷却した際に得られる熱を回収して熱効率を高めるようにした吸収式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸収式冷凍機は、主にビルの空調用に使用されている。図3はかかる吸収式冷凍機の基本構成を示す図で、蒸発器10、吸収器20、再生器30及び凝縮器40を主要構成とし、水等の冷媒A及び臭化リチューム等の吸収液Cが用いられている。
【0003】なお、図3においては、蒸発器10に空気調和機が接続され、循環水Bがこれらの間を循環するようになっている。
【0004】そして、蒸発器10で冷媒Aが蒸発し吸収器20に送られる。このときの蒸発熱は当該蒸発器10を循環する循環水Bから供給されるので、循環水Bは冷却され、空気調和器に冷水を供給することができるようになる。
【0005】吸収器20の伝熱管壁には再生器からの吸収液Cが流下しており、この吸収液Cに蒸発器10から供給された冷媒Aが吸収される。
【0006】吸収液Cに冷媒Aが吸収されると吸収に伴う熱を発生し吸収液Cの温度が上昇する。このため吸収液Cの吸収効率が低下すると共に吸収液Cが希釈されて吸収能力が下がる。
【0007】吸収効率の低下は、吸収器20に循環する冷却水Dを蒸発させて吸収液Cを冷却し、これにより当該吸収液Cの温度上昇を抑制することにより対処している。
【0008】また、吸収能力の低下は、希釈された吸収液Cを再生器30に送り加熱用蒸気Eで加熱して、吸収液Cに吸収されている冷媒Aを蒸発させ、これにより濃縮して再度吸収器20に戻すことにより対処している。
【0009】そして、再生器30で蒸発した冷媒Aは、凝縮器40で冷却水Fにより冷却されて凝縮し蒸発器10に戻される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成においては、熱の利用効率が悪いと言った問題があった。例えば、吸収器20では吸収液Cが冷媒Aを吸収することにより発生する吸収熱は、冷却水Dが蒸発することにより冷却される。しかし、この冷却水Dが吸収液Cを冷却して蒸発すると排気されてしまうため、吸収熱の有効利用が図れない。
【0011】無論、この冷却水Dが蒸発した蒸気を再生器30に供給して吸収液Cの加熱に用いることは、再生器30で要求される加熱用蒸気Eの温度は吸収器20で冷却水Dが蒸発してなった蒸気温度より高いので、簡単にはできない。
【0012】そこで、本発明は、吸収器から排気される冷却用蒸気等の熱を有効に利用することにより、熱利用効率を高めた吸収冷凍機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、冷媒を蒸発させる蒸発器と、吸収液を循環して当該吸収液に蒸発器から供給された冷媒を吸収させると共に蒸発して冷却する冷却水が供給されて吸収液を冷却する吸収器と、該吸収器から冷媒を吸収した吸収液が供給されると共に加熱用蒸気が供給されて、該加熱用蒸気により吸収液を加熱して、当該吸収液に吸収された冷媒を蒸発させて該吸収液の濃度を高め、それを吸収器に戻す再生器と、該再生器で蒸発した冷媒を凝縮させて蒸発器に戻す凝縮器とを有してなる吸収式冷凍機において、再生器に供給される加熱用蒸気の供給口に設けられると共に、吸収器で吸収液を冷却した際に冷却水が蒸発してなった蒸気が供給されて、加熱用蒸気によりこの蒸気を吸引し取込むことにより当該冷却熱の熱回収を行うエゼクタを有して、熱利用効率を高めたことを特徴とする。
【0014】請求項2にかかる発明は、吸収器に供給される蒸発して冷却する冷却水は、再生器で吸収液を加熱した後に排出された加熱用蒸気のドレンであることを特徴とする。
【0015】請求項3にかかる発明は、冷媒を蒸発させる蒸発器と、吸収液を循環して当該吸収液に蒸発器から供給された冷媒を吸収させる吸収器と、該吸収器から冷媒を吸収した吸収液が供給されると共に加熱用蒸気が供給されて、該加熱用蒸気により吸収液を加熱して、当該吸収液に吸収されている冷媒を蒸発させて該吸収液の濃度を高め、それを吸収器に戻す再生器と、冷却水が供給されて当該冷却水により再生器で蒸発した冷媒を冷却して凝縮させた後蒸発器に戻す凝縮器とを有してなる吸収式冷凍機において、再生器に供給される加熱用蒸気の供給口に設けられると共に、凝縮器で冷媒と熱交換して蒸発した冷却水の蒸気が供給されて、加熱用蒸気により冷却水の蒸気を吸引し取込むことにより当該凝縮器の冷却熱の熱回収を行うエゼクタを有して、熱利用効率を高めたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。なお、従来と同一構成に関しては同一符号を用いる。
【0017】図1は本発明にかかる吸収式冷凍機の構成図で、蒸発器10、吸収器20、再生器30、凝縮器40を主要構成要素とし、冷媒Aとして水が用いられ、吸収液Cとして臭化リチューム等が用いられている。なお、図1においては、当該吸収式冷凍機で冷水を発生し、この冷水を空気調和機に供給して冷房等を行う場合を例示している。
【0018】蒸発器10、吸収器20、再生器30及び凝縮器40には、それぞれ内部に複数の伝熱管11,21,31,41が並設されると共に、各伝熱管11,21,31,41の上部開口及び下部開口の近傍には上部仕切板12,22,32,42及び下部仕切板13,23,33,43が設けられて、伝熱管11,21,31,41の内壁を含む内壁空間14,24,34,44(以下、管内側空間という)と伝熱管11,21,31,41の外壁を含む外壁空間15,25,35,45(以下、管外側空間という)とに区画されている。
【0019】そして、蒸発器10の管内側空間14には冷媒Aが散布され、管外側空間15には循環水Bが循環するようになっている。
【0020】この管内側空間14は高真空状態に保たれて、冷媒Aが低温で蒸発するように構成され、蒸発した冷媒Aは吸収器20に送られる。冷媒Aが蒸発する際の蒸発熱は、散布されている冷媒Aを介して循環水Bから供給され、これにより循環水Bが冷却される。
【0021】吸収器20は、外槽20aと内槽20bとの二槽構造で形成され、内槽20bには上述した複数の伝熱管21が配設されて、管外側空間25は下部仕切板23の近傍に設けられた外槽連通行26を介して外槽20aの空間と連通している。
【0022】また、伝熱管21の上端部にはスワール27が設けられると共に、上部仕切板22の下側には蒸発して冷却する冷却水導入管28が設けられ、上部仕切板22と伝熱管21の上部開口との間には、再生器30からの吸収液Cが供給される吸収液戻管29が設けられている。
【0023】これにより上部仕切板22と伝熱管21の上部開口との間には、再生器30からの高濃度吸収液Cが貯留し、この吸収液Cはスワール27により伝熱管21の内壁を膜状に流下する。
【0024】一方、管内側空間24の上部には蒸発器10で蒸発した冷媒Aが供給され、伝熱管21に充満しながら当該管内側空間24に貯留される。そして伝熱管21の内壁を流下する吸収液Cが、周りの冷媒Aを吸収して内槽20bの底部に貯留する。
【0025】吸収液Cは、冷媒Aを吸収すると吸収熱により温度が上がるために吸収効率が落ちる。そこで、伝熱管21の外壁に通水されている冷却水Dが蒸発して吸収液Cを冷却して吸収液Cの冷媒吸収効率の低下を抑制している。
【0026】また内槽20bの底部に貯留した吸収液Cの濃度は、冷媒Aを吸収したため低濃度になり吸収能力が低下するので、これを再生器30に送り高濃度化している。
【0027】即ち、吸収器20からの吸収液Cは、再生器30の管内側空間34に送液される。そして、管外側空間35には加熱用蒸気Eが供給されており、この加熱用蒸気Eにより吸収液Cが加熱されて、当該吸収液Cに吸収されている冷媒Aが蒸発する。従って、吸収液Cの濃度が高くなる。
【0028】この高濃度の吸収液Cは吸収器20に戻され、また蒸発した冷媒Aは凝縮器40に送られて、ここで伝熱管41を介して冷却水Fと熱交換することにより凝縮して蒸発器10に戻る。
【0029】なお、再生器30で高濃度化された吸収液Cの温度は加熱されて高くなっているので吸収効率が低下している。従って、このような吸収液Cをそのまま吸収器20に戻しても効率的に冷媒Aを吸収することができない。
【0030】一方、吸収器20から再生器30に送られる吸収液Cは、当該再生器30で加熱されるが、加熱前の温度が高いほど加熱後の温度も高くなり、効率的に吸収液Cを高濃度化できる。
【0031】そこで、吸収器20と再生器30との間に熱交換機50を設けて、再生器30から吸収器20に戻る吸収液Cの熱を吸収器20から再生器30に送られる吸収液Cの加熱に利用している。
【0032】凝縮器40の管内側空間44には冷却水Fが供給されており、この冷却水Fは再生器30からの冷媒Aと熱交換して蒸発し、また冷媒Aは冷却されて凝縮して蒸発器10に送られる。
【0033】ところで、再生器30で吸収液Cを加熱した加熱用蒸気Eは、そのまま排気されることなく、トラップ51を経て吸収器20の蒸発して冷却する冷却水Dとして用いられている。
【0034】また吸収器20で吸収液Cを冷却して蒸発した冷却水Dは蒸気となって、再生器30の加熱用蒸気供給口に設けられたエゼクタ52で吸引される。
【0035】このエゼクタ52には蒸気タービン等からの高温蒸気Gが供給され、該高温蒸気Gがエゼクタ52で冷却水Dが蒸発してなった蒸気を吸引し取込み加熱用蒸気Eとなって再生器30に供給される。
【0036】従って、再生器30から排気される加熱用蒸気Eの蒸気ドレンを吸収器20の蒸発して冷却する冷却水Dとして用いるので、別途冷却水Dを供給する必要がなくなるので冷凍効率の向上が可能になる。
【0037】また、冷却水Dが吸収器20で吸収液Cと熱交換した際に得た熱は、エゼクタ52により回収できるので熱利用効率を高めることができ、これにより冷凍効率等の向上が可能になる。
【0038】なお、上記説明においては吸収器20から排気される冷却水Dが蒸発してなった蒸気の熱回収を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図2に示すように凝縮器40で冷媒Aを冷却した際に蒸発した冷却水Fの熱を回収することも可能である。
【0039】図2では凝縮器40の冷却水排出口にエゼクタ53が設けられ、このエゼクタ53に高温蒸気G及び冷却水Fの蒸気が供給され、高温蒸気Gが当該冷却水Fの蒸気を吸引し取り込んで、再生器30に供給されるようになっている。
【0040】無論、エゼクタ52及びエゼクタ53を共に設けることも可能であることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように請求項1にかかる発明によれば、再生器に供給する高温蒸気の供給口にエゼクタを設けると共に、該エゼクタに吸収器を冷却して冷却水が蒸発した蒸気を供給することにより、この冷却熱を熱回収するようにしたので熱効率が高まり吸収冷凍機の冷凍効率を向上させることが可能になる。
【0042】請求項2にかかる発明によれば、吸収器に供給される蒸発して冷却する冷却水として再生器で吸収液を加熱した後に排出された加熱用蒸気ドレンを用いるようにしたので、別途冷却水を供給する必要がなくなり吸収冷凍機の冷凍効率を向上させることが可能になる。
【0043】請求項3にかかる発明によれば、再生器に供給する高温蒸気の供給口にエゼクタを設けると共に、該エゼクタに凝縮器から排気される冷却水の蒸気を供給することにより、この冷却熱を蒸気の形態で熱回収するようにしたので熱効率が高まり吸収冷凍機の冷凍効率を向上させることが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【識別番号】595054534
【氏名又は名称】株式会社ぱど
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】 【識別番号】100083231
【弁理士】
【氏名又は名称】紋田 誠
【公開番号】 特開2000−249421(P2000−249421A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−49367