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【発明の名称】 ダブルインレット型パルス管冷凍機
【発明者】 【氏名】西谷 富雄

【氏名】丸野 善生

【氏名】川口 悦治

【要約】 【課題】簡単な構成で確実に順方向への循環流を生じさせるダフルインレット型パルス管冷凍機を提供する。

【解決手段】パルス管(1)の低温端と蓄冷器(2)の低温端とを吸熱用連結路(3)を介して連通し、圧縮機(7)から冷媒ガス給排路(34)を介して蓄冷器(2)の高温端に供給される冷媒ガスを蓄冷器(2)、吸熱用連結路(3)を介してパルス管(1)の低温端から高温端に向けて導入する。パルス管(1)の高温端と蓄冷器(2)の高温端とをバイパス路(33)で連通する。バイパス路(33)の蓄冷器(2)側での端部を冷媒ガス給排路(34)における冷媒ガスの最大流速安定領域に開放させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パルス管(1)の低温端と蓄冷器(2)の低温端とを吸熱用連結路(3)を介して連通し、圧縮機(7)から冷媒ガス給排路(34)を介して蓄冷器(2)の高温端に供給される冷媒ガスを蓄冷器(2)、吸熱用連結路(3)を介してパルス管(1)の低温端から高温端に向けて導入し、パルス管(1)の高温端と蓄冷器(2)の高温端とをバイパス路(33)で連通しているダブルインレット型パルス管冷凍機において、バイパス路(33)の蓄冷器(2)側での端部を冷媒ガス給排路(34)における冷媒ガスの最大流速安定領域に開放させたことを特徴とするダブルインレット型パルス管冷凍機。
【請求項2】 冷媒ガス給排路(34)における最大流速安定域が蓄冷器(2)の高温端部に配置したガス導入プラグ(27)に形成した直管部での長手方向中央付近に形成されている請求項1に記載のダブルインレット型パルス管冷凍機。
【請求項3】 冷媒ガス給排路(34)における最大流速安定域が蓄冷器(2)及びパルス管(1)を固定している取り付けフランジ(21)に形成されている請求項1に記載のダブルインレット型パルス管冷凍機。
【請求項4】 バイパス路(33)がキャピラリーで構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のダブルインレット型パルス管冷凍機。
【請求項5】 バイパス路(33)にオリィフィスが装着してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のダブルインレット型パルス管冷凍機。
【請求項6】 バイパス路(33)に流量調整弁が装着してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のダブルインレット型パルス管冷凍機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス管の高温端部と蓄冷器の高温端部とを接続しているダブルインレット型のパルス管冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】ダブルインレット型パルス管冷凍機は、オリィフィス型パルス管冷凍機に比べて到達温度がより低温になり、冷凍出力が増加するという利点がある。これはダブルインレット型パルス管冷凍機は、パルス管の高温部(室温部)と蓄冷器の高温部(室温部)とを連通接続するバイパス路により、パルス管中の冷媒ガスの流れを制御するからである。冷媒ガスは、蓄冷器、吸熱用連結路を通りパルス管に流入する主流と、蓄冷器の高温部からバイパス路を通りパルス管の高温部に流入する副流との二経路でパルス管に供給される。この際にバイパス路に流入する流量と流出する流量とに不均衡があると、蓄冷器から吸熱用連結路、パルス管、パルス管の高温部、バイパス路、蓄冷器の高温部を一周する順流方向、あるいはその逆の逆流方向の流れが発生し、これは循環流と呼ばれている。ダブルインレット型パルス管冷凍機の性能は、所用量の順流方向の循環流が発生している場合に最もよくなることが知られている。ところが、循環流との方向と大きさが運転中に変動して、冷凍機出力や到達温度が不安定になる場合があった。
【0003】そこで、従来では、圧縮機からの冷媒ガスを蓄冷器に給排する冷媒ガス給排路にパルス管の高温端から導出したバイパス路を連通接続し、このバイパス路にニードル弁を介装して、このニードル弁の順流方向時での流量と逆流方向時での流量に差があることを利用したり、バイパス路に逆止弁と流量調整機構とを二組装着し、順流方向時での流量を逆流方向時での流量よりも大きくなるように調整したりしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の循環流形成構造は、逆止弁と流量調整機構とを組み合わせたものやニードル弁をバイパス路に介装していることから、寸法が大型化するうえ、構造が複雑であり、実用的ではないという問題があった。
【0005】本発明はこのような点に着目し、簡単な構成で確実に順方向への循環流を生じさせるダフルインレット型パルス管冷凍機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために本発明は、バイパス路の蓄冷器側での端部を、蓄冷器の高温端部に装着したプラグに形成された冷媒ガス給排路や、取り付けフランジに形成されている冷媒ガス給排路における最大流速安定域に開放させたことを特徴としている。
【0007】
【発明の作用】本発明では、バイパス路の蓄冷器側での端部を、蓄冷器の高温端部に接続している冷媒ガス給排路での最大流速安定域に開放させていることから、この冷媒ガス給排路を流れる冷媒ガスの流速によりバイパス路の蓄冷器側の端部の圧力が低下し、バイパス路を蓄冷器からパルス管の高温端に流入する冷媒ガス量よりも流出する冷媒ガス量の方が多くなり、安定した順流方向の循環流を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1はダブルインレット型のパルス管冷凍機の概略構成図、図2は要部の拡大断面図である。このパルス管冷凍機は、パルス管(1)と蓄冷器(2)とをその一端部同士を吸熱用連結路(3)を介して連通させることにより構成した寒冷発生部(4)と、圧縮機ユニット(5)及び圧縮機ユニット(5)で発生した高圧冷媒ガスの寒冷発生部(4)への給排を切り換え制御するロータリー弁ユニット(6)とで構成してある。
【0009】圧縮機ユニット(5)は圧縮機(7)、冷却器(8)、油分離器(9)、油吸着器(10)及び保圧弁(11)とで構成してあり、ロータリー弁ユニット(6)はロータリー弁(12)と弁駆動モータ(13)とで構成してある。そして、油吸着器(10)から導出されている高圧ガス通路(14)がフレキシブルホース(15)でロータリー弁(12)の一次側高圧ポートにより接続され、ロータリー弁(12)の一次側低圧ポートから導出したフレキシブルホース(16)が低圧ガス戻し路(17)を介して圧縮機(7)に連通接続してある。
【0010】寒冷発生部(4)は2本のステンレスパイプ(18)(19)を平行に配置し、その下端部を銅製エンドキャップ(20)に嵌着し、上端部を取り付けフランジ(21)に嵌着して形成してあり、一方のステンレスパイプ(18)の内部にメッシュ体を積層配置して蓄冷材(22)とするとともに、その下端部に熱交換具(23)を配置して蓄冷器(2)に構成し、他方のステンレスパイプ(19)の上端部に熱交換具(24)を配置してパルス管(1)に構成してある。そして、銅製エンドキャップ(20)にはスペーサ(26)を装着することにより、吸熱用連結路(3)を形成して、蓄冷器(2)の低温部とパルス管(1)の低温部とを連通するようになっている。
【0011】蓄冷器(2)の上端部は取り付けフランジ(21)に装着したガス導入プラグ(27)に連通しており、この取り付けフランジ(21)から連出した冷媒ガス導入管(28)が可撓性ホース(29)を介してロータリー弁(12)の二次ポートに連通してあり、ロータリー弁(12)の切換により、圧縮機ユニット(5)で発生させた高圧冷媒ガスを蓄冷器(2)に供給するようになっている。
【0012】一方、パルス管(1)の上端部にはオリィフィス(30)を介してバッファタンク(31)が連通接続してある。また、パルス管(1)の上端からキャピラリーで形成したバイパス路(33)が導出してあり、このバイパス路(33)の先端は、冷媒ガス給排路(34)内に突入する状態で形成してある。
【0013】冷媒ガス給排路(34)は、取り付けフランジ(21)に形成されている通路部分(34a)と、ガス導入プラグ(27)に取り付けフランジ(21)の通路部分(34a)と接続する状態で形成した通路部分(34b)と、ガス導入プラグ(27)に蓄冷器(2)内と接続する状態に形成した直管部の通路部分(34c)とで形成してあり、このガス導入プラグ(27)に形成した両通路部分(34b)(34c)は直交する状態に形成されている。そして、前述したバイパス路(33)の蓄冷器側先端部は蓄冷器(2)内に連通する直管部の通路部分(34c)内に開口しており、その開口位置は折れ曲がり部分と蓄冷器(2)への接続部分とのほぼ中央部になっている。ここで、バイパス路(33)の先端部を折れ曲がり部分と蓄冷器(2)への接続部分とのほぼ中央部としたのは、折れ曲がり部分や蓄冷器(2)への接続部分では冷媒ガス流に乱れが生じ、折れ曲がり部分や蓄冷器(2)への接続部分から所定距離はなれると、その乱れがなくなり流れが安定するとともに流速が大きくなるからである。
【0014】このように形成したパルス管冷凍機では、蓄冷器(2)への冷媒ガス給排時に、バイパス路(33)は安定した流れの中に開口していることから、冷媒ガス給排路(34)を流れる冷媒ガスの流れに伴う吸引力が作用することになり、パルス管(1)の高温端側から蓄冷器(2)の高温端側に向かう順流方向の循環流が安定して形成されることになる。
【0015】図3は、バイパス路(33)の先端開口位置と最低到達温度との関係を示す。この場合、ガス導入プラグ(27)の蓄冷器(2)内と接続する状態に形成した直管部の通路部分(34c)の長さ(L)を60mmに設定してある。この図3から分かるように、冷媒ガス給排路(34)での乱流影響が生じにくい直管部の通路部分(34c)での長手方向中央部で最低到達温度が最も低くなることを確認できた。
【0016】図4は別の実施形態を示し、これは、パルス管(1)の高温端部から導出したキャピラリー製バイパス路(33)の蓄冷器側先端部を冷媒ガス給排路(34)の取り付けフランジ(21)に形成した通路部分(34a)に突入配置したもので、この場合もバイパス路(33)の先端部は冷媒ガス給排路(34)の最大流速安定領域となる、取り付けフランジ(21)での入口部分と、ガス導入プラグ(27)の折れ曲がり部とのほぼ中間位置で開口している。この場合にも、安定した冷媒ガスが最大流速となる位置にバイパス路の先端が開口していることから、バイパス路(33)側に吸引力が作用し、パルス管(1)の高温端側から蓄冷器(2)の高温端側に向かう順流方向の循環流が安定して形成されることになる。
【0017】上述の両実施態様では、バイパス路(33)をキャピラリーで形成することにより、通路の流路抵抗を調節してバイパス路(3)に流れるガス量を制御するようにしているが、バイパス路(33)にオリィフィス(図示略)や流量調整弁(図示略)を装着して、ガス量を制御するようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明は、パルス管の高温部と蓄冷器の高温部とを連通接続しているバイパス路の蓄冷器側での端部を、蓄冷器の高温端部と接続している冷媒ガス給排路での最大流速安定域に開放させていることから、この冷媒ガス給排路を流れる冷媒ガスの流速により、バイパス路に吸引力が作用し、パルス管側からの蓄冷器側変動して向かう順流方向の安定した循環流を得ることができる。この結果、パルス管冷凍機として安定した温度を維持することかできるうえ、到達最低温度をより低温にすることができる。また、パルス管冷凍機としての冷凍出力を安定させるための構造が簡単で実用に適している。
【出願人】 【識別番号】000158312
【氏名又は名称】岩谷産業株式会社
【識別番号】000158301
【氏名又は名称】岩谷瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年3月2日(1999.3.2)
【代理人】 【識別番号】100068892
【弁理士】
【氏名又は名称】北谷 寿一
【公開番号】 特開2000−249415(P2000−249415A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−54040