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【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】倉田 肇

【氏名】矢嶋 龍三郎

【要約】 【課題】R32を用いて省エネルギ性及び安全性を損なうことなく地球温暖化防止に貢献する。

【解決手段】冷媒回路(20)の冷媒をR32の単一冷媒又は冷媒がR32を75重量%以上含む混合冷媒で構成する。更に、冷媒回路(20)を、低段圧縮機(21-L)と高段圧縮機(21-H)と中間冷却器(22)を備えた2段圧縮冷凍サイクルに構成する。そして、低段圧縮機(21-L)の吐出冷媒を中間冷却器(22)で冷却して高段圧縮機(21-H)に供給する。この結果、高段圧縮機(21-H)の吐出ガス温度が低下する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒がR32の単一冷媒で構成された冷凍サイクルの冷媒回路(20)を備え、該冷媒回路(20)が圧縮機(21)の吐出ガス温度を低下させるように構成されている冷凍装置。
【請求項2】 冷媒がR32を75重量%以上含む混合冷媒で構成された冷凍サイクルの冷媒回路(20)を備え、該冷媒回路(20)が圧縮機(21)の吐出ガス温度を低下させるように構成されている冷凍装置。
【請求項3】 冷媒回路(20)が、2段圧縮冷凍サイクルに構成されている請求項1又は2記載の冷凍装置。
【請求項4】 冷媒回路(20)が、中間圧ガス冷媒を圧縮機(21)に供給するインジェクション手段(40)を備えている請求項1又は2記載の冷凍装置。
【請求項5】 冷媒回路(20)が、低圧液冷媒を圧縮機(21)に供給するインジェクション手段(50)を備えている請求項1又は2記載の冷凍装置。
【請求項6】 冷媒回路(20)が、中間圧液冷媒を圧縮機(21)に供給するインジェクション手段(60)を備えている請求項1又は2記載の冷凍装置。
【請求項7】 冷媒回路(20)が、水冷凝縮器(24)を備えている請求項1又は2記載の冷凍装置。
【請求項8】 冷媒回路(20)が、冷凍機油を冷却する冷却手段(70)を備えている請求項1又は2記載の冷凍装置。
【請求項9】 冷媒回路(20)が、2元冷凍サイクルに構成されている請求項1又は2記載の冷凍装置。
【請求項10】 冷媒回路(20)は、蒸発温度が低温となる低温用冷媒回路(20)である請求項1又は2記載の冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒にR32を用いた冷凍装置に関し、特に、圧縮機の吐出ガス温度対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍装置には、業務用冷蔵庫、製氷装置、漁船用冷凍装置などの各種の低温用冷凍装置がある。これらの低温用冷凍装置の代替冷媒としては、HFC系冷媒であるR404AやR507Aが実用化されている。
【0003】これらの冷媒は、一般に不燃範囲にある冷媒とされており、燃焼抑制作用と吐出ガス温度の低下作用のあるR125を比較的多く含んでいる。このため、上記R404AやR507Aは、地球温暖化係数GWP(二酸化炭素比)が比較的高い。特に、現在、上記GWP値が非常に注目を浴びており、GWP値の低い冷媒を使用することが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特開平8−136071号公報に開示されているように、フッ素を含まないプロパンやブタンなどの炭化水素を冷媒とする冷凍装置が提案されている。しかしながら、これらの冷媒は、GWP値が殆どゼロに近いが、反面、強燃焼性であり、火災や爆発などの安全性に問題がある。
【0005】また、特開平8−210741号公報に開示されているように、アンモニアを冷媒とするものがある。しかしながら、このアンモニアは、GWP値が殆どゼロに近いが、弱燃焼性であり、且つ毒性を有する。したがって、アンモニアを冷媒とした冷凍装置では、センサの故障などが生じると、火災や中毒の危険性があるという問題がある。
【0006】一方、HFC系冷媒であるR32は、分子中に水素を比較的多く含むため、大気寿命が比較的短くてGWP値が低く、毒性がない。しかしながら、このR32は、圧縮機の吐出ガス温度が高く、特に、蒸発温度が低い場合に吐出ガス温度が高くなるという問題がある。したがって、上記R32を冷媒とし、且つ吐出ガス温度の対策が施された新たな冷凍装置の出現が望まれている。
【0007】本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもので、R32を用いて省エネルギ性及び安全性を損なうことなく地球温暖化防止に貢献し得る冷凍装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】〈解決手段〉上記の目的を達成するために、第1の解決手段は、冷媒がR32の単一冷媒で構成された冷凍サイクルの冷媒回路(20)を備え、該冷媒回路(20)が圧縮機(21)の吐出ガス温度を低下させるように構成されたものである。
【0009】また、第2の解決手段は、冷媒がR32を75重量%以上含む混合冷媒で構成された冷凍サイクルの冷媒回路(20)を備え、該冷媒回路(20)が圧縮機(21)の吐出ガス温度を低下させるように構成されたものである。
【0010】また、第3の解決手段は、図1に示すように、上記冷媒回路(20)が、2段圧縮冷凍サイクルに構成されたものである。
【0011】また、第4の解決手段は、図3に示すように、上記冷媒回路(20)が、中間圧ガス冷媒を圧縮機(21)に供給するインジェクション手段(40)を備えた構成としている。
【0012】また、第5の解決手段は、図5に示すように、上記冷媒回路(20)が、低圧液冷媒を圧縮機(21)に供給するインジェクション手段(50)を備えた構成としている。
【0013】また、第6の解決手段は、図7に示すように、上記冷媒回路(20)が、中間圧液冷媒を圧縮機(21)に供給するインジェクション手段(60)を備えた構成としている。
【0014】また、第7の解決手段は、図9に示すように、上記冷媒回路(20)が、水冷凝縮器(24)を備えた構成としている。
【0015】また、第8の解決手段は、図11に示すように、上記冷媒回路(20)が、冷凍機油を冷却する冷却手段(70)を備えた構成としている。
【0016】また、第9の解決手段は、図13に示すように、上記冷媒回路(20)が、2元冷凍サイクルに構成されたものである。
【0017】また、第10の解決手段は、上記冷媒回路(20)を蒸発温度が低温となる低温用冷媒回路(20)としたものである。
【0018】〈作用〉上記第1の解決手段では、R32の単一冷媒が冷媒回路(20)を循環する一方、第2の解決手段では、R32を含む混合冷媒が冷媒回路(20)を循環する。その際、上記冷媒回路(20)が圧縮機(21)の吐出ガス温度を低下させるので、省エネルギで且つ安全な冷却運転等が行われると共に、地球温暖化防止にも貢献する。
【0019】特に、第9の解決手段では、冷温用冷媒回路(20)において、圧縮機(21)の吐出ガス温度が低下した各種の運転が行われる。
【0020】具体的に、第3の解決手段では、低段側の圧縮機(21)から吐出したガス冷媒が中間冷却器(22)で冷却される。その後、この冷却されたガス冷媒が高段側の圧縮機(21)で圧縮される。この結果、該高段側の圧縮機(21)の吐出ガス温度が低下する。
【0021】また、第4の解決手段では、中間圧ガス冷媒が圧縮機(21)に供給されるので、この低温のガス冷媒によって圧縮機(21)内の冷媒が冷却される。この結果、該圧縮機(21)の吐出ガス温度が低下する。
【0022】また、第5の解決手段では、低圧液冷媒が圧縮機(21)に供給されるので、この低温の低圧液冷媒によって圧縮機(21)内の冷媒が冷却される。この結果、該圧縮機(21)の吐出ガス温度が低下する。
【0023】また、第6の解決手段では、中間圧液冷媒が圧縮機(21)に供給されるので、この低温の中間圧液冷媒によって圧縮機(21)内の冷媒が冷却される。この結果、該圧縮機(21)の吐出ガス温度が低下する。
【0024】また、第7の解決手段では、圧縮機(21)の冷凍機油を冷却するので、この低温の冷凍機油によって圧縮機(21)内の冷媒が冷却される。この結果、該圧縮機(21)の吐出ガス温度が低下する。
【0025】また、第8の解決手段では、2次側の圧縮機(21)から吐出したガス冷媒が1次側冷媒の蒸発によって冷却されて凝縮する。この結果、2次側冷媒の凝縮温度が低下するので、2次側の圧縮機(21)の吐出ガス温度が低下する。
【0026】
【発明の効果】したがって、上記の解決手段によれば、R32の冷媒を用いるようにしたために、省エネルギ性の向上を図ることができると共に、安全性の向上を図ることができる。しかも、地球温暖化効果を大幅に減少させることができる。
【0027】つまり、R32は従来のR22に比して冷凍効果(体積能力)が大きいので、省エネルギ性の向上を図ることができる。更に、R32は毒性がないので、安全性の向上を図ることができる。
【0028】その上、上記R32はGWP値が低いので、地球温暖化防止に貢献することができる。
【0029】また、上記R32は、吐出ガス温度が上昇しやすいが、この吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。特に、第9の解決手段によれば、蒸発温度が低い低温用冷凍装置(10)の場合、R32の吐出ガス温度が極めて高くなるが、この吐出ガス温度を低下させることができる。
【0030】また、第3の解決手段によれば、R32の熱伝達率が高いので、中間冷却器(22)の容積を極めて小さくすることができる。つまり、上記中間冷却器(22)の場合、冷媒と冷媒との熱交換であるので、R32を用いた場合、このR32の高熱伝達率によって容積を極めて縮小することができる。この結果、R32の高熱伝達率の効果を十分に発揮させることができる。
【0031】また、第4の解決手段及び第6の解決手段はによれば、圧縮機(21)のインジェクション孔を小さくすることができる。つまり、上記圧縮機(21)には、中間圧ガス冷媒や中間圧液冷媒を供給するためのインジェクション孔を形成することになる。その際、R32の場合、圧力損失が小さいので、インジェクション孔の径を小さくすることができる。この結果、上記圧縮機(21)の内部損失を低減することができ、効率の低下を抑制することができる。
【0032】また、第8の解決手段によれば、圧縮機(21)における冷媒の内部漏れを小さくすることができる。つまり、上記圧縮機(21)がスクリュー式の場合、構成部品間の冷媒の漏れが比較的大きい。ところが、第8の解決手段によれば、圧縮機(21)に冷凍機油を供給するので、構成部品間のオイルシールを行うことができ、冷媒の内部漏れを小さくすることができる。この結果、上記圧縮機(21)の性能を向上させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0034】図1に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、冷凍サイクルの冷媒回路(20)を備えた低温用冷凍装置(10)である。尚、この低温用冷凍装置(10)には、例えば、業務用冷蔵庫、家庭用冷蔵庫、製氷装置、ショーケース用冷凍装置、コンテナ自動販売機、飲料ディスペンサ、ウォータークーラー、漁船用冷凍装置、アイススケートリンク、人工スキー場、各種のガス低温貯蔵装置などが挙げられる。
【0035】上記冷媒回路(20)は、冷媒としてR32の単一冷媒が充填される一方、2つの圧縮機(21,21)を備えた2段圧縮冷凍サイクルに構成されている。つまり、上記冷媒回路(20)は、主回路(2M)に低段圧縮機(21-L)と高段圧縮機(21-H)とを備えると共に、中間冷却器(22)を備えて吐出ガス温度の低減を図るようにしている。
【0036】具体的に、上記低段圧縮機(21-L)の吐出側が中間冷却器(22)に冷媒配管(23)によって接続されている。該中間冷却器(22)が高段圧縮機(21-H)の吸入側に冷媒配管(23)によって接続されている。そして、該高段側圧縮機(21-H)の吐出側が熱源側熱交換器(24)に冷媒配管(23)によって接続されている。
【0037】上記熱源側熱交換器(24)は、空冷凝縮器であって、例えば、室外空気と冷媒とが熱交換して該冷媒を凝縮するように構成されている。該熱源側熱交換器(24)から中間冷却器(22)の熱交換部(22a)と膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)とが順に冷媒配管(23)によって直列に接続されている。
【0038】上記利用側熱交換器(26)は、空冷蒸発器であって、例えば、冷凍庫内の庫内空気と冷媒とが熱交換して該冷媒が蒸発し、庫内空気を冷却するように構成されている。そして、上記利用側熱交換器(26)が低段側圧縮機(21-L)の吸入側に冷媒配管(23)によって接続されている。
【0039】つまり、上記低段側圧縮機(21-L)と高段側圧縮機(21-H)と中間冷却器(22)と熱源側熱交換器(24)と上記中間冷却器(22)と膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)とが順に接続されて上記主回路(2M)が構成されている。
【0040】上記熱源側熱交換器(24)には分岐通路(30)が分岐されている。該分岐通路(30)は、補助膨張弁(31)を備えると共に、一端が中間冷却器(22)に接続されている。
【0041】上記中間冷却器(22)は、分岐通路(30)から流入した液冷媒の蒸発によって主回路(2M)の液冷媒を過冷却すると共に、低段側圧縮機(21-L)から吐出した吐出ガス冷媒を冷却するように構成されている。
【0042】〈作用〉次に、上述した2段圧縮冷凍サイクルの冷却動作を図2のモリエル線図に基づき説明する。
【0043】先ず、低圧ガス冷媒は、A点の状態から低段側圧縮機(21-L)に流入し、このガス冷媒が低段側圧縮機(21-L)によってB点まで圧縮される。該低段側圧縮機(21-L)から吐出したガス冷媒は、中間冷却器(22)に流入し、後述する冷媒によってC点まで冷却される。
【0044】その後、この冷却されたガス冷媒は、C点の状態から高段側圧縮機(21-H)に流入し、このガス冷媒が高段側圧縮機(21-H)によってD点まで圧縮される。該高段側圧縮機(21-H)から吐出したガス冷媒は、熱源側熱交換器(24)に流入し、室外空気と熱交換してE点まで冷却されて凝縮する。
【0045】この凝縮した高圧液冷媒は、主回路(2M)と分岐通路(30)との2つに分かれる。この分岐通路(30)を流れる液冷媒は、補助膨張弁(31)でF点まで減圧されて中間冷却器(22)に流れる。一方、主回路(2M)を流れる液冷媒は中間冷却器(22)の熱交換部(22a)に流れる。
【0046】この中間冷却器(22)において、分岐通路(30)からの液冷媒が蒸発し、上記低段側圧縮機(21-L)の吐出ガス冷媒(B点参照)を冷却すると共に、熱交換部(22a)の液冷媒(E点参照)を冷却する。
【0047】そして、上記熱交換部(22a)において、主回路(2M)の液冷媒はG点まで過冷却される。一方、上記中間冷却器(22)で蒸発した分岐通路(30)のガス冷媒と低段側圧縮機(21-L)の吐出ガス冷媒とが合流する(C点参照)。このガス冷媒は、上述したように高段側圧縮機(21-H)に流入する。
【0048】一方、上記主回路(2M)の液冷媒は、熱交換部(22a)のG点から膨張弁(25)でH点まで減圧され、利用側熱交換器(26)に流入し、例えば、冷凍庫の庫内空気と熱交換して蒸発し、該庫内空気を冷却する。
【0049】その後、上記蒸発冷媒は、A点に戻り、低段側圧縮機(21-L)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0050】この冷媒循環動作においては、単段圧縮冷凍サイクルに比して吐出ガス温度が低下する。つまり、上記単段圧縮冷凍サイクルの場合、I点まで吐出ガス温度が上昇するのに対し、上記2段圧縮冷凍サイクルの場合、D点の吐出ガス温度に低下する。
【0051】〈実施形態1の効果〉以上のように、本実施形態によれば、R32の冷媒を用いるようにしたために、省エネルギ性の向上を図ることができると共に、安全性の向上を図ることができる。しかも、地球温暖化効果を大幅に減少させることができる。
【0052】つまり、R32は従来のR22に比して冷凍効果(体積能力)が大きいので、省エネルギ性の向上を図ることができる。更に、R32は毒性がないので、安全性の向上を図ることができる。
【0053】その上、上記R32はGWP値が低いので、地球温暖化防止に貢献することができる。
【0054】また、上記R32は、吐出ガス温度が上昇しやすいが、2段圧縮冷凍サイクルを構成することによって、上記吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。特に、蒸発温度が低い低温用冷凍装置(10)の場合、単段圧縮であると、R32の吐出ガス温度が極めて上昇する。本実施形態では、2段圧縮し、且つ中間冷却器(22)の冷却によってR32の吐出ガス温度を低下させることができる。
【0055】また、上記R32は、熱伝達率が高いので、中間冷却器(22)の容積を極めて小さくすることができる。つまり、上記利用側熱交換器(26)及び熱源側熱交換器(24)は、空気と冷媒との熱交換であるので、冷媒の熱伝達率のみが向上しても、容積をさほど縮小することができない。ところが、中間冷却器(22)の場合、冷媒と冷媒との熱交換であるので、R32を用いた場合、このR32の高熱伝達率によって容積を極めて縮小することができる。この結果、R32の高熱伝達率の効果を十分に発揮させることができる。
【0056】
【発明の実施の形態2】次に、本発明の実施形態2を図面に基づいて詳細に説明する。
【0057】図3に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、実施形態1が2段圧縮冷凍サイクルに構成したのに代えて、インジェクション手段であるインジェクション回路(40)を設けたものである。
【0058】つまり、冷媒回路(20)の主回路(2M)は、圧縮機(21)と四路切換弁(27)と熱源側熱交換器(24)と膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)とが順に冷媒配管(23)によって接続されて構成されている。
【0059】一方、上記インジェクション回路(40)は、補助膨張弁(41)と中間熱交換器(42)を備えている。そして、上記インジェクション回路(40)の一端は熱源側熱交換器(24)と膨張弁(25)の間に接続され、他端が圧縮機(21)に接続されている。上記中間熱交換器(42)は、主回路(2M)に対するインジェクション回路(40)の接続部と膨張弁(25)との間に接続され、インジェクション回路(40)の中間圧冷媒と主回路(2M)を流れる高圧液冷媒とが熱交換するように構成されている。
【0060】上記インジェクション回路(40)は、中間圧ガス冷媒によって圧縮機(21)の吐出ガス温度を下げるように構成されている。
【0061】〈作用〉次に、上述したインジェクション回路(40)を備えた冷凍サイクルの冷却動作を図4のモリエル線図に基づき説明する。
【0062】冷却運転時において、四路切換弁(27)が実線側に切り換わり、低圧ガス冷媒は、A点の状態から圧縮機(21)に流入し、このガス冷媒が圧縮機(21)によって圧縮される。その圧縮途中の冷媒が、B点において、後述する中間圧ガス冷媒によってC点まで冷却される。更に、圧縮機(21)において、冷媒は、C点の状態からD点まで圧縮される。
【0063】その後、上記圧縮機(21)から吐出したガス冷媒は、熱源側熱交換器(24)に流入し、室外空気と熱交換してE点まで冷却されて凝縮する。続いて、この凝縮した高圧液冷媒は、主回路(2M)とインジェクション回路(40)との2つに分かれる。このインジェクション回路(40)を流れる液冷媒は、補助膨張弁(41)でF点まで減圧されて中間熱交換器(42)に流れる。この中間熱交換器(42)において、インジェクション回路(40)の液冷媒が蒸発し、主回路(2M)を流れる高圧液冷媒がG点まで過冷却される。
【0064】その後、上記インジェクション回路(40)の中間圧ガス冷媒が、J点で圧縮機(21)に流入し、圧縮機(21)の冷媒と合流する(C点参照)。このガス冷媒は、上述したように圧縮機(21)で圧縮される。
【0065】一方、上記主回路(2M)の液冷媒は、G点から膨張弁(25)でH点まで減圧され、利用側熱交換器(26)に流入し、例えば、冷凍庫の庫内空気と熱交換して蒸発し、該庫内空気を冷却する。
【0066】その後、上記蒸発冷媒は、A点に戻り、圧縮機(21)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0067】この冷媒循環動作においては、上記中間圧ガス冷媒が圧縮機(21)に供給されない場合に比して吐出ガス温度が低下する。つまり、上記中間圧ガス冷媒が圧縮機(21)に供給されない場合、I点まで吐出ガス温度が上昇するのに対し、上記中間圧ガス冷媒が圧縮機(21)に供給される場合、D点の吐出ガス温度に低下する。
【0068】尚、加熱運転を行う場合は、四路切換弁(27)が破線側に切り換わる一方、補助膨張弁(41)が閉鎖されてインジェクション回路(40)は遮断されている。つまり、蒸発温度がさほど低くないので、吐出ガス温度の上昇も少ない。したがって、圧縮機(21)で圧縮されたガス冷媒が利用側熱交換器(26)で凝縮した後、膨張弁(25)で減圧され、その後、熱源側熱交換器(24)で蒸発して圧縮機(21)に戻る。
【0069】〈実施形態2の効果〉以上のように、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、R32の冷媒を用いて省エネルギ性の向上及び安全性の向上並びに地球温暖化効果の減少を図ることができる。
【0070】また、上記インジェクション回路(40)の中間圧ガス冷媒によって、実施形態1と同様に、吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。
【0071】特に、上記圧縮機(21)には、インジェクション回路(40)の中間圧ガス冷媒を供給するためのインジェクション孔を形成することになる。そして、冷媒は、圧縮機(21)の内部で再膨張及び再圧縮されるので、圧縮機(21)の内部損失が生ずる。その際、上記R32の場合、圧力損失が小さいので、インジェクション孔の径を小さくすることができる。この結果、上記圧縮機(21)の内部損失を低減することができ、効率の低下を抑制することができる。
【0072】
【発明の実施の形態3】次に、本発明の実施形態3を図面に基づいて詳細に説明する。
【0073】図5に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、実施形態2が中間圧ガス冷媒のインジェクション回路(50)を設けたのに代えて、低圧ガス冷媒のインジェクション手段であるインジェクション回路(50)を設けたものである。
【0074】つまり、冷媒回路(20)の主回路(2M)は、圧縮機(21)と四路切換弁(27)と熱源側熱交換器(24)と膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)とが順に冷媒配管(23)によって接続されて構成されている。
【0075】一方、上記インジェクション回路(50)の一端が膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)の間に接続され、他端が圧縮機(21)に接続されている。そして、該インジェクション回路(50)は、低圧液冷媒によって圧縮機(21)の吐出ガス温度を下げるように構成されている。
【0076】〈作用〉次に、上述したインジェクション回路(50)を備えた冷凍サイクルの冷却動作を図6のモリエル線図に基づき説明する。
【0077】冷却運転時において、四路切換弁(27)が実線側に切り換わり、低圧ガス冷媒は、A点の状態から圧縮機(21)に流入する。その際、この低圧ガス冷媒が後述する低圧液冷媒によってC点まで冷却される。そして、圧縮機(21)において、冷媒は、C点の状態からD点まで圧縮される。
【0078】その後、上記圧縮機(21)から吐出したガス冷媒は、熱源側熱交換器(24)に流入し、室外空気と熱交換してE点まで冷却されて凝縮する。続いて、この凝縮した高圧液冷媒は、膨張弁(25)でH点まで減圧された後、主回路(2M)とインジェクション回路(50)との2つに分かれる。このインジェクション回路(50)を流れる低圧液冷媒が圧縮機(21)に流入し、主回路(2M)の冷媒と合流して蒸発し、圧縮機(21)内の冷媒を冷却する(C点参照)。このガス冷媒は、上述したように圧縮機(21)で圧縮される。
【0079】一方、上記主回路(2M)の液冷媒は、H点から利用側熱交換器(26)に流入し、例えば、冷凍庫の庫内空気と熱交換して蒸発し、該庫内空気を冷却する。
【0080】その後、上記蒸発冷媒は、A点に戻り、圧縮機(21)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0081】この冷媒循環動作においては、低圧液冷媒が圧縮機(21)に供給されない場合に比して吐出ガス温度が低下する。つまり、上記低圧液冷媒が圧縮機(21)に供給されない場合、I点まで吐出ガス温度が上昇するのに対し、上記低圧液冷媒が圧縮機(21)に供給される場合、D点の吐出ガス温度に低下する。
【0082】尚、加熱運転を行う場合は、四路切換弁(27)が破線側に切り換わる一方、例えば、図示しない閉鎖弁等でインジェクション回路(50)は遮断されている。したがって、圧縮機(21)で圧縮されたガス冷媒が利用側熱交換器(26)で凝縮した後、膨張弁(25)で減圧され、その後、熱源側熱交換器(24)で蒸発して圧縮機(21)に戻る。
【0083】〈実施形態3の効果〉以上のように、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、R32の冷媒を用いて省エネルギ性の向上及び安全性の向上並びに地球温暖化効果の減少を図ることができる。
【0084】また、上記インジェクション回路(50)の低圧液冷媒によって、実施形態1と同様に、吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。その他の構成並びに作用及び効果は実施形態2と同様である。
【0085】
【発明の実施の形態4】次に、本発明の実施形態4を図面に基づいて詳細に説明する。
【0086】図7に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、実施形態2が中間圧ガス冷媒のインジェクション回路(60)を設けたのに代えて、中間圧液冷媒のインジェクション手段であるインジェクション回路(60)を設けたものである。
【0087】つまり、冷媒回路(20)の主回路(2M)は、圧縮機(21)と四路切換弁(27)と熱源側熱交換器(24)と第1の膨張弁(25)と第2の膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)とが順に冷媒配管(23)によって接続されて構成されている。
【0088】一方、上記インジェクション回路(60)の一端が2つの膨張弁(25,25)の間に接続され、他端が圧縮機(21)に接続されている。そして、該インジェクション回路(60)は、インジェクション量を設定するためのキャピラリチューブ(61)が設けられ、中間圧液冷媒によって圧縮機(21)の吐出ガス温度を下げるように構成されている。
【0089】〈作用〉次に、上述したインジェクション回路(60)を備えた冷凍サイクルの冷却動作を図8のモリエル線図に基づき説明する。
【0090】冷却運転時において、四路切換弁(27)が実線側に切り換わり、低圧ガス冷媒は、A点の状態から圧縮機(21)に流入し、このガス冷媒が圧縮機(21)によって圧縮される。その圧縮途中の冷媒が、B点において、後述する中間圧液冷媒によってC点まで冷却される。更に、圧縮機(21)において、冷媒は、C点の状態からD点まで圧縮される。
【0091】その後、上記圧縮機(21)から吐出したガス冷媒は、熱源側熱交換器(24)に流入し、室外空気と熱交換してE点まで冷却されて凝縮する。続いて、この凝縮した高圧液冷媒は、第1の膨張弁(25)でF点まで減圧された後、主回路(2M)とインジェクション回路(60)との2つに分かれる。このインジェクション回路(60)を流れる中間圧液冷媒が圧縮機(21)に流入し、圧縮機(21)の冷媒と合流して蒸発し、該主回路(2M)の冷媒を冷却する(C点参照)。このガス冷媒は、上述したように圧縮機(21)で圧縮される。
【0092】一方、上記主回路(2M)の液冷媒は、第2の膨張弁(25)でH点まで減圧された後、利用側熱交換器(26)に流入し、例えば、冷凍庫の庫内空気と熱交換して蒸発し、該庫内空気を冷却する。
【0093】その後、上記蒸発冷媒は、A点に戻り、圧縮機(21)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0094】この冷媒循環動作においては、中間圧液冷媒が圧縮機(21)に供給されない場合に比して吐出ガス温度が低下する。つまり、上記中間圧液冷媒が圧縮機(21)に供給されない場合、I点まで吐出ガス温度が上昇するのに対し、上記中間圧液冷媒が圧縮機(21)に供給される場合、D点の吐出ガス温度に低下する。
【0095】尚、加熱運転を行う場合は、四路切換弁(27)が破線側に切り換わる。したがって、圧縮機(21)で圧縮されたガス冷媒が利用側熱交換器(26)で凝縮した後、膨張弁(25)で減圧され、その後、熱源側熱交換器(24)で蒸発して圧縮機(21)に戻る。そして、本実施形態では、この加熱動作時にも中間圧液冷媒が圧縮機(21)に供給される。
【0096】〈実施形態4の効果〉以上のように、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、R32の冷媒を用いて省エネルギ性の向上及び安全性の向上並びに地球温暖化効果の減少を図ることができる。
【0097】また、上記インジェクション回路(60)の中間圧液冷媒によって、実施形態1と同様に、吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。
【0098】特に、上記実施形態2と同様に、圧縮機(21)のインジェクション孔の径を小さくすることができ、該圧縮機(21)の内部損失を低減することができ。その他の構成並びに作用及び効果は実施形態2と同様である。
【0099】
【発明の実施の形態5】次に、本発明の実施形態5を図面に基づいて詳細に説明する。
【0100】図9に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、実施形態2がインジェクション回路(40)及び空冷熱源側熱交換器(24)を設けたのに代えて、水冷凝縮器である水冷の熱源側熱交換器(24)を設けたものである。
【0101】つまり、冷媒回路(20)の主回路(2M)は、圧縮機(21)と四路切換弁(27)と熱源側熱交換器(24)と膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)とが順に冷媒配管(23)によって接続されて構成されている。
【0102】一方、上記熱源側熱交換器(24)は、図示しないが、水冷熱交換器であり、冷却水によって冷媒を冷却して凝縮させ、圧縮機(21)の吐出ガス温度を下げるように構成されている。
【0103】〈作用〉次に、上述したインジェクション回路(40)を備えた冷凍サイクルの冷却動作を図10のモリエル線図に基づき説明する。
【0104】冷却運転時において、四路切換弁(27)が実線側に切り換わり、低圧ガス冷媒は、A点の状態から圧縮機(21)に流入し、このガス冷媒が圧縮機(21)によってD点まで圧縮される。
【0105】その後、上記D点で圧縮機(21)から吐出したガス冷媒は、熱源側熱交換器(24)に流入し、冷却水と熱交換してE点まで冷却されて凝縮する。続いて、この凝縮した高圧液冷媒は、膨張弁(25)でH点まで減圧された後、利用側熱交換器(26)に流入し、例えば、冷凍庫の庫内空気と熱交換して蒸発し、該庫内空気を冷却する。
【0106】その後、上記蒸発冷媒は、A点に戻り、圧縮機(21)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0107】この冷媒循環動作においては、熱源側熱交換器(24)が空冷である場合に比して吐出ガス温度が低下する。つまり、上記熱源側熱交換器(24)が空冷である場合、I点まで吐出ガス温度が上昇するのに対し、上記熱源側熱交換器(24)が水冷である場合、D点の吐出ガス温度に低下する。
【0108】尚、加熱運転を行う場合は、四路切換弁(27)が破線側に切り換わる。したがって、圧縮機(21)で圧縮されたガス冷媒が利用側熱交換器(26)で凝縮した後、膨張弁(25)で減圧され、その後、熱源側熱交換器(24)で蒸発して圧縮機(21)に戻る。
【0109】そこで、上述した水冷凝縮器である熱源側熱交換器(24)により吐出ガス温度が低下する理由について説明する。
【0110】先ず、R32とR22の熱伝達率の関係は次の通りである。尚、この関係式は、平成6年度日本冷凍協会学術講演会特別講演の「R22代替例の現状より」を参考にしたものである。
【0111】
【数1】

【0112】また、熱交換器の内外面積比である拡大係数は次の通りである。
【0113】
【数2】

【0114】また、空気とR22との熱伝達率の関係は次の通りである。
【0115】
【数3】

【0116】また、水とR22との熱伝達率の関係は次の通りである。
【0117】
【数4】

【0118】以上の関係から、空冷の熱交換器において、R22からR32に変更した場合の熱通過率の上昇は下記の式から求められる。
【0119】
【数5】

【0120】また、水冷の熱交換器において、R22からR32に変更した場合の熱通過率の上昇は下記の式から求められる。
【0121】
【数6】

【0122】したがって、R32に水冷の熱源側熱交換器(24)を適用すると、吐出ガス温度が低減することになる。
【0123】〈実施形態5の効果〉以上のように、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、R32の冷媒を用いて省エネルギ性の向上及び安全性の向上並びに地球温暖化効果の減少を図ることができる。
【0124】また、水冷熱源側熱交換器(24)によって、実施形態1と同様に、吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。その他の構成並びに作用及び効果は実施形態2と同様である。
【0125】
【発明の実施の形態6】次に、本発明の実施形態6を図面に基づいて詳細に説明する。
【0126】図11に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、実施形態5が水冷の熱源側熱交換器(24)を設けたのに代えて、冷凍機油の冷却手段(70)を設けたものである。
【0127】冷媒回路(20)の主回路(2M)は、図示しないが、実施形態5の図9と同様に、圧縮機(21)と四路切換弁(27)と熱源側熱交換器(24)と膨張弁(25)と利用側熱交換器(26)とが順に冷媒配管(23)によって接続されて構成されている。尚、図9の熱源側熱交換器(24)は水冷熱交換器であるが、本実施形態の熱源側熱交換器(24)は空冷熱交換器で構成されている。
【0128】一方、上記冷却手段(70)は、オイル循環路(71)と冷却器(72)と冷却水回路(73)とによって構成されている。該オイル循環路(71)は、両端が圧縮機(21)に接続される一方、冷却器(72)の内部に位置する冷却水回路(71a)を備え、冷凍機油が循環するように構成されている。
【0129】また、上記冷却水回路(73)は、図示しないが、冷却源に接続され、冷却水を冷却器(72)に供給するように構成されている。そして、上記冷却器(72)は、圧縮機(21)の冷凍機油を冷却水で冷却し、この冷却された冷凍機油によって圧縮機(21)の吐出ガス温度を下げるように構成されている。
【0130】〈作用〉次に、上述したインジェクション回路(40)を備えた冷凍サイクルの冷却動作を図12のモリエル線図に基づき説明する。
【0131】冷却運転時において、四路切換弁(27)が実線側に切り換わり、低圧ガス冷媒は、A点の状態から圧縮機(21)に流入し、このガス冷媒が圧縮機(21)によってD点まで圧縮される。その圧縮時において、後述する冷凍機油によって冷却される。
【0132】その後、上記圧縮機(21)から吐出したガス冷媒は、熱源側熱交換器(24)に流入し、室外空気と熱交換してE点まで冷却されて凝縮する。続いて、この凝縮した高圧液冷媒は、膨張弁(25)でH点まで減圧された後、利用側熱交換器(26)に流入し、例えば、冷凍庫の庫内空気と熱交換して蒸発し、該庫内空気を冷却する。
【0133】その後、上記蒸発冷媒は、A点に戻り、圧縮機(21)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0134】一方、上記圧縮機(21)の冷凍機油は、オイル循環路(71)を循環する一方、冷却水が冷却水回路(73)を循環する。そして、冷却器(72)において、圧縮機(21)の冷凍機油が冷却水で冷却される。この冷却された冷凍機油が圧縮機(21)に供給されるので、圧縮機(21)の内部の冷媒が冷凍機油によって冷却され、吐出ガス温度が低下する。
【0135】尚、加熱運転を行う場合は、四路切換弁(27)が破線側に切り換わる。したがって、圧縮機(21)で圧縮されたガス冷媒が利用側熱交換器(26)で凝縮した後、膨張弁(25)で減圧され、その後、熱源側熱交換器(24)で蒸発して圧縮機(21)に戻る。
【0136】〈実施形態6の効果〉以上のように、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、R32の冷媒を用いて省エネルギ性の向上及び安全性の向上並びに地球温暖化効果の減少を図ることができる。
【0137】また、冷凍機油を冷却して圧縮機(21)に供給するので、この冷凍機油によって、実施形態1と同様に、吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。
【0138】特に、上記圧縮機(21)がスクリュー式の場合、構成部品間の冷媒の漏れが比較的大きい。ところが、本実施形態では、冷凍機油を供給するので、構成部品間のオイルシールを行うことができ、冷媒のな部漏れを小さくすることができる。この結果、上記圧縮機(21)の性能を向上させることができる。その他の構成並びに作用及び効果は実施形態5と同様である。
【0139】
【発明の実施の形態7】次に、本発明の実施形態7を図面に基づいて詳細に説明する。
【0140】図13に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、上記実施形態1が2段圧縮冷凍サイクルに構成したのに代えて、2元冷凍サイクルに構成したものである。
【0141】つまり、上記冷媒回路(20)は、高温側の1次側冷媒回路(2H)と低温側の2次側冷媒回路(2L)とが冷媒熱交換器(28)を介して接続されて構成されている。
【0142】上記1次側冷媒回路(2H)は、圧縮機(21)と凝縮器である熱源側熱交換器(24)と膨張弁(25)と冷媒熱交換器(28)とが順に冷媒配管(23)によって接続されて閉回路に構成されている。一方、上記2次側冷媒回路(2L)は、圧縮機(21)と冷媒熱交換器(28)と膨張弁(25)と蒸発器である利用側熱交換器(26)とが順に冷媒配管(23)によって接続されて閉回路に構成されている。
【0143】そして、上記冷媒熱交換器(28)は、1次側冷媒回路(2H)の蒸発部(28a)と、2次側冷媒回路(2L)の凝縮部(28b)とが一体に設けられ、1次側冷媒の蒸発により2次側冷媒を凝縮させるように構成されている。
【0144】また、上記1次側冷媒回路(2H)の1次側冷媒と2次側冷媒回路(2L)の2次側冷媒がそれぞれR32の単一冷媒であり、上記冷媒回路(20)は、2元冷凍サイクルを構成することによって圧縮機(21)の吐出ガス温度を下げるように構成されている。
【0145】〈作用〉次に、上述した2元冷凍サイクルの冷却動作を図14のモリエル線図に基づき説明する。
【0146】先ず、1次側冷媒回路(2H)において、1次側低圧ガス冷媒は、A1点の状態から圧縮機(21)に流入し、このガス冷媒が圧縮機(21)によってD1点まで圧縮される。
【0147】その後、上記圧縮機(21)から吐出した1次側ガス冷媒は、熱源側熱交換器(24)に流入し、室外空気と熱交換してE1点まで冷却されて凝縮する。続いて、この凝縮した高圧液冷媒は、膨張弁(25)でH1点まで減圧された後、冷媒熱交換器(28)の凝縮部(28b)に流入する。
【0148】この冷媒熱交換器(28)において、1次側冷媒が2次側冷媒回路(2L)の2次側冷媒と熱交換して蒸発し、その後、上記1次側蒸発冷媒は、A1点に戻り、圧縮機(21)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0149】一方、2次側冷媒回路(2L)において、2次側低圧ガス冷媒は、A2点の状態から圧縮機(21)に流入し、このガス冷媒が圧縮機(21)によってD2点まで圧縮される。
【0150】その後、上記圧縮機(21)から吐出した2次側ガス冷媒は、冷媒熱交換器(28)の蒸発部(28a)に流入する。この冷媒熱交換器(28)において、2次側冷媒が1次側冷媒回路(2H)の1次側冷媒と熱交換して凝縮する。続いて、この凝縮した高圧液冷媒は、膨張弁(25)でH2点まで減圧された後、利用側熱交換器(26)に流入する。
【0151】この利用側熱交換器(26)において、2次側冷媒は、例えば、冷凍庫の庫内空気と熱交換して蒸発し、該庫内空気を冷却する。
【0152】その後、上記蒸発冷媒は、A2点に戻り、圧縮機(21)に流入する。このように、R32の単一冷媒の循環動作が繰り返される。
【0153】この冷媒循環動作においては、単元冷凍サイクルに比して吐出ガス温度が低下する。つまり、上記単元冷凍サイクルの場合、I点まで吐出ガス温度が上昇するのに対し、上記2元冷凍サイクルの場合、D点の吐出ガス温度に低下する。
【0154】〈実施形態7の効果〉以上のように、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、R32の冷媒を用いて省エネルギ性の向上及び安全性の向上並びに地球温暖化効果の減少を図ることができる。
【0155】また、2段圧縮冷凍サイクルを構成することによって、実施形態1と同様に、吐出ガス温度の上昇を抑制することができる。その他の構成並びに作用及び効果は実施形態2と同様である。
【0156】
【発明の他の実施の形態】上記各実施形態においては、冷媒がR32の単一冷媒で構成された冷凍サイクルの冷媒回路(20)としたが、冷媒を、R32を70重量%以上含む混合冷媒としてもよい。要するに、圧縮機(21)の吐出ガス温度が上昇する冷媒であればよい。
【0157】また、実施形態2から実施形態6は、冷房運転と暖房運転との双方を行うようにしたが、冷房運転のみを行う冷房専用機であってもよい。
【0158】また、実施形態7においては、1次側冷媒回路(2H)の1次側冷媒と2次側冷媒回路(2L)の2次側冷媒にそれぞれR32を用いている。しかしながら、1次側冷媒回路(2H)の1次側冷媒のみにR32を用いてもよく、また、2次側冷媒回路(2L)の2次側冷媒にのみR32を用いてもよい。
【0159】また、上記各実施形態は、低温用冷凍装置(10)について説明したが、低温用冷凍装置(10)に限られず、空気調和装置など各種の冷凍装置(10)に適用してもよいことは勿論である。但し、蒸発温度が低下すると、吐出ガス温度が上昇する傾向を示すR32の特性から、本発明を低温用冷凍装置(10)に適用すると、その効果が著しく発揮される。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年3月1日(1999.3.1)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
【公開番号】 特開2000−249413(P2000−249413A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−52986