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【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】間 誠

【氏名】清水 栄一

【氏名】西川 弘

【氏名】西川 剛弘

【氏名】里 和哉

【氏名】坂本 泰生

【要約】 【課題】熱媒体として二酸化炭素を用い、かつ、潤滑油の分離を効率的に行えるようにすると共にラップと鏡板との摺動面に潤滑油を安定供給できるようにする。

【解決手段】第1熱交換器30と減圧器50との間にオイルセパレータ60を設け、このオイルセパレータ60で分離回収した潤滑油を戻管61を介してスクロール圧縮機10の吸入管に戻す。二酸化炭素は第1熱交換器30で温度が下がるが液化しないので、潤滑油の分離効率が向上し、また分離回収した潤滑油を熱媒体と共に圧縮室に供給することで、ラップと鏡板との摺動面に安定して潤滑油が供給できるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密閉ケース内に圧縮要素と駆動要素とを備えると共に、当該密閉ケース内に潤滑油を貯留し、少なくとも前記圧縮要素の摺動部を前記潤滑油で潤滑しながら熱媒体としての二酸化炭素を圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮された熱媒体が流れる第1熱交換器と、この第1熱交換器からの熱媒体を減圧する減圧器と、この減圧器からの熱媒体が流れる第2熱交換器と、前記第1熱交換器と前記減圧器とをつなぐ管路に配設されて、該第1熱交換器から吐出された熱媒体に含まれている潤滑油を分離するオイルセパレータと、該オイルセパレータで分離された前記潤滑油を前記圧縮機の熱媒体供給管に戻すように設けられた戻管とを有することを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】 前記圧縮機がスクロール圧縮機であることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化炭素を熱媒体として用いた冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍装置は種々の技術分野に用いられている。図3は、かかる冷凍装置の回路図を示したものである。
【0003】図3に示す冷凍装置は、熱媒体を圧縮する圧縮機110、熱媒体を凝縮させる第1熱交換器130、熱媒体を減圧する減圧器150、熱媒体を蒸発させる第2熱交換器140等を有して、R−22等の塩素を含む熱媒体(以下、特定フロンガスと記載する)が用いられている。
【0004】そして、例えばこのような冷凍装置を空気調和機に用い冷房運転するような場合には、圧縮機110で圧縮された熱媒体は、第1熱交換器130で外気と熱交換することにより凝縮して液化し、この液状熱媒体が減圧器150で減圧される。
【0005】その後、熱媒体は第2熱交換器140に供給されて、ここで室内空気と熱交換することにより加熱されて蒸発する。室内空気は逆に冷却されて、室内の冷房が行われる。
【0006】なお、圧縮機110には、レシプロ圧縮機、ロータリ圧縮機、スクロール圧縮機等種々の構成があり、いずれの構成の圧縮機110でも内部に圧縮室を備えた圧縮要素が設けられて、この圧縮室がメカニカルに縮小することにより熱媒体を圧縮している。
【0007】従って、摺動部の発生は避けられず、この摺動部の摩耗を抑制等するために潤滑油が用いられている。
【0008】特にスクロール圧縮機においては、潤滑油は差圧式ポンプや潤滑油注入器等により摺動面に供給されている。かかるスクロール圧縮機の潤滑機構を図4を参照して説明する。
【0009】スクロール圧縮機は鏡板113,114に渦巻状のラップ115,116が立設された固定スクロール111と揺動スクロール112とを有し、それぞれのラップ115,116の先端が相手の鏡板113,114に当接することにより圧縮室117が形成されている。
【0010】揺動スクロール112は密閉ケース118に固着されたフレーム119上に摺動可能に設けられ、このフレーム119の下にモータ120が配設されている。
【0011】モータ120の駆動力は、モータ軸121を介して揺動スクロール112に伝達され、この揺動スクロール112はオルダムリング122等により運動方向が規制されることにより固定スクロール111に対して公転運動する。
【0012】潤滑油123は密閉ケース118の底部に貯留され、またモータ軸121には潤滑油通路124が形成されている。
【0013】そして、モータ120が回転することにより、熱媒体は吸入管126を介して圧縮室117に吸入され、この圧縮室117の縮小に伴い熱媒体が圧縮されて吐出口125から密閉ケース118内に吐出される。密閉ケース118内に吐出された熱媒体は、図示しない吐出管を介して機外に吐出される。
【0014】圧縮された熱媒体が密閉ケース118内に吐出されることにより、潤滑油123はこの密閉ケース118内の圧力に押されて潤滑油通路124を通りフレーム119と揺動スクロール112との摺動面に供給され、またこの摺動面に供給された潤滑油123の一部が図示しないオイル注入器によりラップ115,116と鏡板113,114との摺動面に供給される。
【0015】潤滑油123は摺動部のみを潤滑すればよいが、現実には圧縮室117内にも紛れ込み、この結果として潤滑油123が熱媒体中に含まれるようになる。
【0016】このように熱媒体に潤滑油123が含まれるようになると、熱媒体の特性が劣化して冷凍装置における冷凍効率等を低下させてしまう。
【0017】そこで、圧縮機110から吐出された熱媒体に含まれる潤滑油123を除去するために、オイルセパレータ160が設けられている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成の冷凍装置に用いられている熱媒体が特定フロンガスであるため、第1熱交換器130の後にオイルセパレータ160を用いることができない問題があった。
【0019】即ち、熱媒体に含まれる潤滑油123を分離するには、固溶度等の関係から分離対象となる熱媒体の温度が低いことが好ましい。この意味から、温度が低くなると共に、冷凍効率等に余り影響が与えない場所にオイルセパレータ160を設けて潤滑油123の分離をすることが望まれる。
【0020】かかる場所としては、第1熱交換器130と減圧器150との間が考えられるが、特定フロンガスは第1熱交換器130で熱交換すると殆ど液化してしまい、この第1熱交換器130と減圧器150との間にオイルセパレータ160を設けて潤滑油123の分離を行うことが困難となる。
【0021】このような観点から従来は、圧縮機110と第1熱交換器130との間にオイルセパレータ160を設けて潤滑油123の分離を行っている。
【0022】しかし、圧縮機110から吐出された熱媒体の温度が高いため潤滑油123の分離効率を高めることが困難で冷凍効率等の低下をもたらす問題があった。
【0023】又、特にスクロール圧縮機においてはラップ115,116と鏡板113,114との摺動面に潤滑油123を供給するためにオイル注入器を設けているが、かかるオイル注入器は複雑な構成であり、潤滑油通路124を介して供給される潤滑油123の量が変動するような場合には安定してラップ115,116と鏡板113,114との摺動面に供給することが困難になる問題があった。
【0024】加えて、上記特定フロンガスがオゾン層を破壊する原因となり規制対象となるにおよび、かかる環境破壊の恐れのない熱媒体が求められている。
【0025】そこで、本発明は、オゾン層を破壊しない安全な熱媒体を用い、かつ、潤滑油の分離が効率的に行えるようにすると共に、圧縮機内の摺動面に潤滑油を安定供給できるようにして装置の信頼性の向上及び冷凍効率の向上を可能にした冷凍装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、密閉ケース内に圧縮要素と駆動要素とを備えると共に、当該密閉ケース内に潤滑油を貯留し、少なくとも圧縮要素の摺動部を潤滑油で潤滑しながら熱媒体としての二酸化炭素を圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮された熱媒体が流れる第1熱交換器と、この第1熱交換器からの熱媒体を減圧する減圧器と、この減圧器からの熱媒体が流れる第2熱交換器と、第1熱交換器と減圧器とをつなぐ管路に配設されて、該第1熱交換器から吐出された熱媒体に含まれている潤滑油を分離するオイルセパレータと、該オイルセパレータで分離された潤滑油を圧縮機の熱媒体供給管に戻すように設けられた戻管とを有することを特徴とする。
【0027】請求項2にかかる発明は、圧縮機がスクロール圧縮機であることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は空気調和機を例にした冷凍装置の回路図で、熱媒体を圧縮するスクロール圧縮機等の圧縮機10、熱媒体中に含まれる潤滑油を分離するオイルセパレータ60、熱媒体が外気等と熱交換することにより冷却される第1熱交換器30、熱媒体を減圧する減圧器50、熱媒体が室内空気等と熱交換することにより加熱される第2熱交換器40、オイルセパレータ60で分離した潤滑油を圧縮機10の吸入管に戻す戻管61等を有して、熱媒体として二酸化炭素が用いられている。
【0029】なお、二酸化炭素は第1熱交換器30で冷却されても特定フロンガスのように凝縮することはないが、特定フロンガスを用いる冷凍装置との対応を図るため敢て第1熱交換器30と記載した。従って、第2熱交換器40においても二酸化炭素は蒸発することはない。
【0030】無論、熱媒体が二酸化炭素であるか特定フロンガスであるかを問わず、第1熱交換器30及び第2熱交換器40での作用は同じである。
【0031】二酸化炭素は、特定フロンのように塩素を含まないためオゾン層破壊の原因とならず環境破壊する恐れがない利点がある。
【0032】そして、圧縮機10で圧縮されて高温高圧になった熱媒体は第1熱交換器30に供給され、この第1熱交換器30で熱交換して冷却される。
【0033】このとき空気調和機が冷房運転のときは、第1熱交換器30で熱媒体が外気等と熱交換して熱を失い冷却される。また、暖房運転のときは、第1熱交換器30で熱媒体が室内空気と熱交換することにより冷却され、その結果室内空気が加熱されて室内が暖房される。
【0034】第1熱交換器30で冷却された熱媒体は、オイルセパレータ60を介して減圧器50に供給されて、ここで減圧されて第2熱交換器40に供給される。
【0035】上述したように二酸化炭素は凝縮しないので、第1熱交換器30から吐出された熱媒体の温度は低下するものの気体の状態である。
【0036】従って、潤滑油の固溶度は小さくなっており、効率的に熱媒体と潤滑油とを分離することができるようになり、圧縮機10内の潤滑油が不足したり冷凍効率が低下したりする事態を抑制することが可能になる。
【0037】このようにして潤滑油の分離が行われた熱媒体は、第2熱交換器40で熱交換して加熱される。
【0038】このとき空気調和機が冷房運転のときは、第2熱交換器40で熱媒体は室内空気と熱交換することにより加熱され、この結果室内空気が冷却されて冷房が行われる。また、暖房運転のときは、第2熱交換器40で熱媒体が外気等と熱交換することにより冷却される。
【0039】図2はスクロール圧縮機の断面図で、スクロール圧縮機は固定スクロール11、揺動スクロール12及び固定スクロール11に対して揺動スクロール12を公転運動させるモータ20等を有して、これらが密閉ケース18内に収納されている。
【0040】固定スクロール11及び揺動スクロール12は、鏡面仕上げされた鏡板13,14と、この鏡板13,14に立設された渦巻状のラップ15,16とにより構成され、各ラップ15,16は対向するスクロール11,12の鏡板13,14と当接するように配設されて、これらがなす空間が圧縮室17を形成している。
【0041】揺動スクロール12には、モータ20からの動力が伝達されると共にオルダムリング22等により運動方向が規定されて、固定スクロール11に対して公転運動するように構成され、かかる公転運動により圧縮室17が縮小して熱媒体が圧縮される。
【0042】なお、スクロール圧縮機では、圧縮室17は複数存在し、それぞれの位置及び容積が揺動スクロール12の公転に伴い変化する。
【0043】このような構成において、熱媒体は固定スクロール11の鏡板13に固着された吸入管26を介して圧縮室17に吸入され、この圧縮室17の縮小に伴い圧縮されて吐出口25から吐出される。
【0044】この吐出口25には、開口を塞ぐようにメインバルブ27が設けられて、圧縮室17の圧力が所定圧になったときに熱媒体が密閉ケース18内に吐出されるようになっている。
【0045】ところで、上述したように揺動スクロール12とフレーム19、ラップ15,16と鏡板13,14はそれぞれ当接して摺動するので、これらの摺動面の摩耗を抑制する必要がある。
【0046】そこで、密閉ケース18の下部(図2において下側)に貯留している潤滑油23を差圧式ポンプ等を用いてフレーム19と揺動スクロール12との摺動面に供給している。
【0047】また、オイルセパレータ60で分離回収された潤滑油23は戻管61を介して吸入管26に戻され、熱媒体と共に圧縮室17に供給されて、ラップ15,16と鏡板13,14との摺動面を潤滑するようになっている。
【0048】即ち、ラップ15,16と鏡板13,14とは摺動可能にメカニカルに当接しているので、圧縮室17の圧力が上昇すると微少の熱媒体がこの摺動面を介して漏出る。
【0049】この結果、この漏出る熱媒体に含まれている潤滑油23によりラップ15,16と鏡板13,14との摺動面が潤滑され、かつ、その摺動面がシールされるようになる。
【0050】従って、従来のように複雑な構成の潤滑油注入器を用いることなく潤滑油23の安定供給が可能になりコスト低減及び装置の信頼性が向上すると共に、熱媒体のリークが押えられるので圧縮効率の低下を抑制することが可能になる。
【0051】なお、上記説明においては、潤滑油注入器を用いない場合について説明したが本発明はこれに限定されるものではなく潤滑油注入器を用いてもよいことは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように請求項1にかかる発明によれば、熱媒体として二酸化炭素を用い、かつ、第1熱交換器と減圧器との間にオイルセパレータを設けて熱媒体に含まれる潤滑油を分離回収し、それを圧縮機の吸入管に戻すようにしたので、オゾン層を破壊しない環境に優しい冷凍装置が提供できるようになると共に、潤滑油の分離が効率的に行え装置の信頼性向上及び冷凍効率の向上が可能になる。
【0053】請求項2にかかる発明によれば、圧縮機にスクロール圧縮機を用いたのでオゾン層を破壊しない環境に優しい冷凍装置が提供できるようになると共に、潤滑油の分離が効率的に行え、かつ、この潤滑油を圧縮機内の摺動面に安定供給できるようになって装置の信頼性向上及び冷凍効率の向上が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年3月1日(1999.3.1)
【代理人】 【識別番号】100083231
【弁理士】
【氏名又は名称】紋田 誠
【公開番号】 特開2000−249412(P2000−249412A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−52115