| 【発明の名称】 |
液体冷却装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】津田 正三
【氏名】瀬川 徳和
【氏名】赤井 寛二
|
| 【要約】 |
【課題】液が泡立つことがなく、かつ、小型、コンパクト、安価な構造で、冷却能力に対する信頼性の高い液体冷却装置を提供すること。
【解決手段】液タンク21内にクロスフィン形蒸発器27を設け、このクロスフィン形蒸発器27と仕切板28,29とで液タンク21内を上方の室Aと下方の室Bとに分ける。クロスフィン形蒸発器27のクロスフィン27aは上下方向に沿っている。上方の室Aには液流入口31を設け、下方の室Bにはサクションストレーナ33を設ける。上方の室Aに入った暖かくて軽い液はクロスフィン形蒸発器27で冷やされて重たくなって、上下方向に沿ったクロスフィン27a,27a…の間を通って下方の室Bに入る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機(22)、凝縮器(23)、減圧機構(24)およびクロスフィン形蒸発器(27)を有する冷凍装置を備え、上記クロスフィン形蒸発器(27)を液タンク(21)内に収容したことを特徴とする液体冷却装置。 【請求項2】 請求項1の液体冷却装置において、上記液タンク(21)内を上記クロスフィン形蒸発器(27)のみ、あるいは上記クロスフィン形蒸発器(27)と仕切板(28,29)とによって少なくとも2室(A,B)に分割して、一方の室(A)に液流入口(31)を設け、他方の室(B)に液流出口(33)を設けたことを特徴とする液体冷却装置。 【請求項3】 請求項2の液体冷却装置において、上記クロスフィン形蒸発器(27)のクロスフィン(27a)を上下方向に沿うように配列して、上記クロスフィン形蒸発器(27)の上方の室(A)に上記液流入口(31)を設ける一方、上記クロスフィン形蒸発器(27)の下方の室(B)に上記液流出口(33)を設けたことを特徴とする液体冷却装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、潤滑油やクーラント(冷却用水溶性切削油)等の液体を冷却する液体冷却装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の液体冷却装置としては、図4に示すようなものがある。この液体冷却装置は、液タンク1の天板1a上に圧縮機2と凝縮器3と減圧機構5を配置し、液タンク1内に蒸発器として機能するオープン形冷却コイル6を配置している。上記圧縮機2、凝縮器3、減圧機構5およびオープン形冷却コイル6で冷凍装置を構成して、液タンク1内の例えば工作機械用の切削油からなる液4をオープン形冷却コイル6で冷却するようにしている。そして、上記液タンク1内に攪拌板7を設け、この攪拌板7を液タンク1の天板1a上の攪拌用電動機8で回転して、液タンク1内の液4を攪拌するようにしている。 【0003】上記液タンク1には液流入口11,11から液が流入し、液タンク1内の液4はサクションストレーナ12を通してポンプ13で吸い出して、配管15から図示しない工作機械に供給するようにしている。なお、16はファンである。 【0004】上記液体冷却装置では、攪拌板7と攪拌用電動機8からなる攪拌機構10で液タンク1内の液4を攪拌しているから、液4の冷却効果を高め、かつ、液4の温度分布を均一化している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の液体冷却装置では、攪拌板7と攪拌用電動機8からなる攪拌機構10で液タンク1内の液4を攪拌しているから、液4の泡立ちが起こって、液タンク1外への液漏れが起こるという問題がある。さらに、この液の泡立ちによって漏れた液(切削油)が攪拌用電動機8のベアリング部にかかって、そのベアリング部を損傷する恐れがあるという問題がある。さらにまた、上記ベアリング部の損傷により攪拌機構10が機能しなくなるから、冷却能力が低くなってしまい、かつ、液タンク1内の液4の温度分布の均一化ができなくなってしまうという問題がある。 【0006】また、上記従来の液体冷却装置では、オープン形冷却コイル6の伝熱面積が比較的小さいため、大型の冷却コイルを必要として、装置全体が大型になるという問題がある。 【0007】さらにまた、上記従来の液体冷却装置では、冷却能力を発揮するためには、攪拌板7と攪拌用電動機8を必要とするために、部品点数が多くなって、製造コストが高くなるという問題がある。 【0008】そこで、この発明の目的は、液が泡立つことがなく、かつ、小型、コンパクト、安価な構造で、攪拌機の故障がなきため、冷却能力に対する信頼性の高い液体冷却装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明の液体冷却装置は、圧縮機、凝縮器、減圧機構およびクロスフィン形蒸発器を有する冷凍装置を備え、上記クロスフィン形蒸発器を液タンク内に収容したことを特徴としている。 【0010】上記構成の液体冷却装置では、オープン形冷却コイルに比べて伝熱面積が大きくて伝熱効率が高いクロスフィン形蒸発器を液タンク内に収容したから、攪拌機構を設ける必要がなくなる。したがって、この液体冷却装置では、液の泡立つ恐れがなくなって、信頼性が高くなり、しかも、小型コンパクトになって、製造コストが安くなる。 【0011】請求項2の発明の液体冷却装置は、請求項1の液体冷却装置において、上記液タンク内を上記クロスフィン形蒸発器のみで、あるいは上記クロスフィン形蒸発器と仕切板とによって、少なくとも2室に分割して、一方の室に液流入口を設け、他方の室に液流出口を設けたことを特徴としている。 【0012】上記構成の液体冷却装置によれば、クロスフィン形蒸発器の一方の室に液流入口を設け、他方の室に液流出口を設けているから、液流入口から液タンク内に流入した液は、基本的には必ずクロスフィン形蒸発器を通って液流出口から外部に流出することになる。したがって、基本的には全ての液がクロスフィン形蒸発器を通るから、液を効果的に冷却できる。 【0013】請求項3の発明の液体冷却装置は、請求項2の液体冷却装置において、上記クロスフィン形蒸発器のクロスフィンを上下方向に沿うように配列して、上記クロスフィン形蒸発器の上方の室に上記液流入口を設ける一方、上記クロスフィン形蒸発器の下方の室に上記液流出口を設けたことを特徴としている。 【0014】上記構成の液体冷却装置によれば、上記クロスフィン形蒸発器の上方の室に液流入口から暖かくて軽い冷却されるべき液が流入し、そして、クロスフィン形蒸発器で冷却されて重くなった液はそのクロスフィン形蒸発器を通って下方の室に入って、液流出口から外部に流出する。このように、暖かくて軽い液が上方の室に入って、クロスフィン形蒸発器を通って、冷やされた重い液が下方の室から出ていくようにしているから、液は比重の差によってスムーズにクロスフィン形蒸発器を通過する。しかも、上記クロスフィン形蒸発器はクロスフィンを上下方向に沿うように配列しているから、液はスムーズに上方から下方に移動する。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。 【0016】図1に示すように、液タンク21の天板21a上には圧縮機22と凝縮器23と減圧機構の一例としての膨張弁24とアキュムレータ25とを配置している。上記圧縮機22は天板21aに固定し、上記凝縮器23は、天板21aに固定したケーシング26の側板に固定している。一方、上記液タンク21内の略中央にクロスフィン形蒸発器27を配置して、このクロスフィン形蒸発器27を例えば切削油からなる液30の中に沈めている。上記圧縮機22、凝縮器23、膨張弁24、クロスフィン形蒸発器27、アキュムレータ25を順次冷媒配管で閉回路をなすように接続して、液30を冷却する冷凍装置を構成している。 【0017】上記クロスフィン形蒸発器27は直方体形状をしていて、そのクロスフィン形蒸発器27の2面を仕切板28,28で天板21aに連結して、クロスフィン形蒸発器27を天板21aに吊り下げている。さらに、上記クロスフィン形蒸発器27の他の2面の上端および仕切板28,28に、図2,3に示すように、仕切板29,29を連結している。したがって、上記クロスフィン形蒸発器27は、仕切板28,28,29,29により形成された鉛直方向の角筒の底に位置することになる。また、上記クロスフィン形蒸発器27および仕切板28,28,29,29は、液タンク21内をクロスフィン形蒸発器27の上方の室Aと下方および周囲の室B(以下、下方の室Bという。)とに分けることになる。なお、上記仕切板29の高さは仕切板28の高さよりも低くして、何らかの異常で上方の室Aに大量の液30が流入したときに、液30が仕切板29をオーバフローして下方の室Bに流入するようにしている。 【0018】上記クロスフィン形蒸発器27は、クロスフィン27aを上下方向に沿うように配置して、クロスフィン形蒸発器27で冷却された液30がスムーズに下方向に流れて、下方の室Bに流入するようにしている。なお、27b,27cは夫々アキュムレータ25と膨張弁24に連なる冷媒配管である。 【0019】一方、上記クロスフィン形蒸発器27の上方の室Aには液流入口31を設けて、主機の一例としての図示しない工作機械からの冷却すべき暖かい液をクロスフィン形蒸発器27の上方の室Aに導くようにしている。また、上記クロスフィン形蒸発器27の下方の室Bには液流出口の一例としてのサクションストレーナ33を設け、このサクションストレーナ33から、下方の室B内の冷たい液30をポンプ34で吸い出して、配管35から工作機械に供給するようにしている。なお、図1において、36は凝縮器23に風を通過させるファンで、38はスイッチボックスである。 【0020】上記構成の液体冷却装置において、上記工作機械からの暖かくて軽い冷却されるべき液が液流入口31からクロスフィン形蒸発器27の上方の室Aに流入する。そして、上方の室A内の液30はクロスフィン形蒸発器27で冷却されて比重が大きくなって下降し、図2,3に示す上下方向に沿ったクロスフィン27a,27a,…の間を効果的に冷却されながらスムーズに通って、クロスフィン形蒸発器27の下方の室Bに矢印Xに示すように流入する。この下方の室B内の冷たい液30はポンプ34によってサクションストレーナ33を通って吸い出されて、配管35を通って工作機械に供給される。 【0021】上記クロスフィン形蒸発器27は、従来のオープン形冷却コイルに比べて伝熱面積が大きくて伝熱効率が高く、しかも、クロスフィン形蒸発器27の上方の室Aに流入した液30は異常時以外は全て必ずクロスフィン形蒸発器27のクロスフィン27a,27a…の間を通って下方の室Bに流入してサクションストレーナ33から外部に流出するから、液タンク21内に攪拌機構を設けなくても、液30を充分に冷却できる。このように、この液体冷却装置では、攪拌機構を設けていないから、液の泡立つ恐れがなくなって、信頼性が高くなり、しかも、小型コンパクトになって、製造コストが安くなる。 【0022】上記実施形態では、クロスフィン形蒸発器27の上方の室Aに液流入口31を設け、下方の室Bにサクションストレーナ33を設けて、暖かくて軽い液30が上方の室Aに入って、クロスフィン27a,27a,…の間を通って、冷やされながら冷たくて重い液30が下方の室Bに流入するようにしている。したがって、液30はクロスフィン形蒸発器27の上下方向に沿うクロスフィン27a,27a,…の間を冷却されながら比重の差によってスムーズに上方から下方に移動する。 【0023】上記実施形態では、液タンク21内をクロスフィン形蒸発器27と仕切板28,29とで仕切って、室A,Bを形成したが、液タンク内をクロスフィン形蒸発器のみで仕切って、2つの室を形成してもよい。また、液タンク内に複数のクロスフィン形蒸発器を設けて、液タンク内を2以上の室に仕切ってもよい。 【0024】また、上記実施形態では、クロスフィン形蒸発器27のクロスフィン27aを上下方向に沿うようにして、室Aと室Bを上下に配置したが、図5に示すように、クロスフィン形蒸発器37のクロスフィンを水平方向に、あるいは、図6に示すように、クロスフィン形蒸発器47のクロスフィンを斜め方向に沿うように配置して、二つの室A、Bを左右に配置してもよい。 【0025】また、上記実施形態では、液流出口としてサクションストレーナ33を用いたが、液流出口は例えば単なる開口であってもよい。 【0026】 【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発明の液体冷却装置は、オープン形冷却コイルに比べて伝熱面積が大きくて伝熱効率が高いクロスフィン形蒸発器を液タンク内に収容したので、攪拌機構を設ける必要がなくなって、液の泡立つ恐れがなくなって、信頼性が高くなり、かつ、小型コンパクトになって、製造コストが安くなる。 【0027】請求項2の発明の液体冷却装置は、液タンク内をクロスフィン形蒸発器のみ、あるいはクロスフィン形蒸発器と仕切板とによって少なくとも2室に分割して、一方の室には液流入口を設け、他方の室に液流出口を設けたので、液流入口から液タンク内に流入した液は、基本的には必ずクロスフィン形蒸発器を通って液流出口から外部に流出することになって、基本的には全ての液がクロスフィン形蒸発器を通るから、液を効果的に冷却できる。 【0028】請求項3の発明の液体冷却装置は、上記クロスフィン形蒸発器のクロスフィンを上下方向に沿うように配列して、上記クロスフィン形蒸発器の上方の室に上記液流入口を設ける一方、上記クロスフィン形蒸発器の下方の室に上記液流出口を設けたので、暖かくて軽い液が上方の室に入って、クロスフィン形蒸発器の上下方向に沿うクロスフィンの間を冷やされながらスムーズに通って、冷やされた重い液が比重の差で上方から下方に液流出口を有する下方の室にスムーズに移動することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年1月19日(1999.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−205699(P2000−205699A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−10371 |
|