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【発明の名称】 空調装置
【発明者】 【氏名】鈴木 徹

【要約】 【課題】再熱ドライ運転時に室外熱交換器での熱交換を抑制し、再熱ドライ運転を確実に行うことができる空調装置を提出すること。

【解決手段】空調装置1は、圧縮機2と室外熱交換器3と減圧機構4と室内熱交換器5とを備え、室内熱交換器5は、直列に接続された2つの熱交換器部分10、11と、その間に介設された減圧機構部分12とを有する。圧縮機2からの冷媒を室外熱交換器3、減圧機構4、室内熱交換器5の順に循環させると共に、減圧機構部分12による減圧のみを行い、熱交換器部分10を凝縮器として、また熱交換器部分11を蒸発器としてそれぞれ機能させて、室内空気を冷却して除湿した後に再び加熱して室内に戻す再熱ドライ運転を行う。制御手段13は、再熱ドライ運転時には室外ファン7の回転数が0となるように制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 室外熱交換器(3)と室内熱交換器(5)とを備え、上記室内熱交換器(5)は、直列に接続された2つの熱交換器部分(10)(11)と、その間に介設された減圧機構部分(12)とを有するヒートポンプ式の空調装置であって、上記一方の熱交換器部分(10)を凝縮器として機能させる一方、他方の熱交換器部分(11)を蒸発器として機能させて、室内空気を冷却して除湿した後に再び加熱して室内に戻す再熱ドライ運転が可能な空調装置において、上記再熱ドライ運転時に、室外ファン(7)の回転数が0となるように制御する制御手段(13)を備えることを特徴とする空調装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷暖房運転に加えて再熱ドライ運転が可能な空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は、本発明の一実施の形態である空調装置1の構成を示す冷媒回路図であるが、基本的な構成は従来と同様であるので、図1を参照しながら従来の技術を説明する。空調装置1は、圧縮機2、室外熱交換器3、減圧機構4、室内熱交換器5を備えるヒートポンプ式の空調装置であり、圧縮機2からの冷媒が循環されるように冷媒回路が構成されている。即ち、圧縮機2の吐出側と吸込側とは、それぞれ四路切換弁6に接続されている。そして、四路切換弁6の2次ポートの一方から、室外ファン7を付設している室外熱交換器3、減圧機構4、室内ファン8を付設している室内熱交換器5をそれぞれ経由して四路切換弁6の他方の2次ポートへ至る冷媒回路が冷媒配管によって構成されている。尚、四路切換弁6からは、アキュムレータ9を介して圧縮機2の吸込側に戻る。
【0003】また室内熱交換器5は、直列に接続された2つの熱交換器部分10、11と、この2つの熱交換器部分10、11の間に介設された減圧機構部分12とを有する。さらに、圧縮機2、減圧機構4、室外ファン7、室内ファン8、減圧機構部分12などは、マイクロコンピュータで構成される制御手段13によって制御され、所定の空調運転が行われる。空調運転の種類には、冷房運転、暖房運転、再熱ドライ運転などがある。
【0004】冷房運転及び暖房運転の際には、室内熱交換器5の減圧機構部分12を全開状態とする一方で、減圧機構4を所定の開度に調整し、さらに室外ファン7及び室内ファン8を所定の回転数で駆動する。そして、冷房運転の場合は、圧縮機2からの吐出冷媒を実線矢印に示すように循環させることによって、室外熱交換器3を凝縮器として機能させると共に、室内熱交換器5を蒸発器として機能させることで室内空気が冷却される。また暖房運転の場合は、圧縮機2からの吐出冷媒を破線矢印に示すように循環させることによって、室内熱交換器5を凝縮器として機能させると共に、室外熱交換器3を蒸発器として機能させることで室内空気が加熱される。
【0005】一方、再熱ドライ運転の際には、室内熱交換器5の減圧機構部分12を所定の開度に調整する一方で、減圧機構4を全開状態とし、さらに室内ファン8を所定の回転数で駆動する一方で、室外ファン7を停止状態とする。そして、圧縮機2からの吐出冷媒を実線矢印に示すように循環させることによって、室内熱交換器5の一方の熱交換器部分10を凝縮器として機能させると共に、他方の熱交換器部分11を蒸発器として機能させる。これによって、室内空気を蒸発器として機能する熱交換器部分11で冷却して除湿した後に、再び凝縮器として機能する熱交換器部分10で加熱して室内に戻す再熱ドライ運転が行われる。尚、再熱ドライ運転では室外熱交換器3も凝縮器として機能し得るが、上記のように室外ファン7を停止状態とすることによって室外熱交換器3の周囲の外気が流通しないようにして室外熱交換器3ではできる限り熱交換が行われないようにし、熱交換器部分10で充分な熱交換(加熱)が行われるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の再熱ドライ運転における室外ファン7の停止状態は、室外ファン7への電力供給を遮断することによって実現しており、積極的に室外ファン7の回転を禁止するようには構成されていない。そのため、屋外で自然風が発生した場合は、この自然風によって室外ファン7が回転して室外熱交換器3の周囲の外気が流通し、室外熱交換器3で熱交換が行われてしまう。そのため、室内の熱交換器部分10での熱交換量(加熱量)が減少し、除湿空気の室内への吹出し温度が低下してしまうという問題がある。
【0007】この問題を解決するために、室外熱交換器3に対して並列にバイパス回路を設け、再熱ドライ運転時には冷媒を上記バイパス回路を通して循環させるように構成した空調装置も知られているが、コストアップという新たな問題を招来する。
【0008】また、吹出し温度が低下するということは、室内温度が低下することを意味し、結果的には除湿のみならず冷房も行われることになる。このことは、室内温度を変えずに除湿のみを行いたいユーザに対して不快感を与えることになる。
【0009】この発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的は、再熱ドライ運転時に室外熱交換器での熱交換を抑制し、再熱ドライ運転を確実に行うことができる空調装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の空調装置は、室外熱交換器3と室内熱交換器5とを備え、上記室内熱交換器5は、直列に接続された2つの熱交換器部分10、11と、その間に介設された減圧機構部分12とを有するヒートポンプ式の空調装置であって、上記一方の熱交換器部分10を凝縮器として機能させる一方、他方の熱交換器部分11を蒸発器として機能させて、室内空気を冷却して除湿した後に再び加熱して室内に戻す再熱ドライ運転が可能な空調装置において、上記再熱ドライ運転時に、室外ファン7の回転数が0となるように制御する制御手段13を備えることを特徴としている。
【0011】上記請求項1の空調装置では、再熱ドライ運転時には、室外ファン7は回転数が0となるように制御される。従って、屋外で自然風が発生した場合でも、室外ファン7は回転することなく停止状態を維持するので、室外熱交換器3の周囲の外気が流通することを抑制することができ、室外熱交換器3での熱交換を極力抑制することができる。これによって、室内熱交換器5の2つの熱交換器部分10、11で充分な熱交換が行われ、かつ、2つの熱交換器部分10、11での加熱量及び冷却量をほば同一にすることができるので、室内温度を変化させることなく除湿のみを行う再熱ドライ運転を確実に実行することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、この発明の空調装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態である空調装置1の構成を示す冷媒回路図である。
【0013】空調装置1は、圧縮機2、室外熱交換器3、減圧機構4、室内熱交換器5を備えるヒートポンプ式の空調装置であり、圧縮機2からの冷媒が循環されるように冷媒回路が構成されている。即ち、圧縮機2の吐出側と吸込側とは、それぞれ四路切換弁6に接続されている。そして、四路切換弁6の2次ポートの一方から、室外ファン7を付設している室外熱交換器3、減圧機構4、室内ファン8を付設している室内熱交換器5をそれぞれ経由して四路切換弁6の他方の2次ポートへ至る冷媒回路が冷媒配管によって構成されている。尚、四路切換弁6からは、アキュムレータ9を介して圧縮機2の吸込側に戻る。
【0014】また室内熱交換器5は、直列に接続された2つの熱交換器部分10、11と、この2つの熱交換器部分10、11の間に介設された減圧機構部分12とを有する。さらに、圧縮機2、減圧機構4、室外ファン7、室内ファン8、減圧機構部分12などは、マイクロコンピュータで構成される制御手段13によって制御され、所定の空調運転が行われる。特に制御手段13は、室外ファン7を正逆転駆動すると共に、回転数を検出し、所定の回転数になるように制御する。空調運転の種類には、冷房運転、暖房運転、再熱ドライ運転などがある。
【0015】冷房運転及び暖房運転の際には、室内熱交換器5の減圧機構部分12を全開状態とする一方で、減圧機構4を所定の開度に調整し、さらに室外ファン7及び室内ファン8を所定の回転数で駆動する。そして、冷房運転の場合は、圧縮機2からの吐出冷媒を実線矢印に示すように循環させることによって、室外熱交換器3を凝縮器として機能させると共に、室内熱交換器5を蒸発器として機能させることで室内空気が冷却される。また暖房運転の場合は、圧縮機2からの吐出冷媒を破線矢印に示すように循環させることによって、室内熱交換器5を凝縮器として機能させると共に、室外熱交換器3を蒸発器として機能させることで室内空気が加熱される。
【0016】一方、再熱ドライ運転の際には、室内熱交換器5の減圧機構部分12を所定の開度に調整する一方で、減圧機構4を全開状態とし、さらに室内ファン8を所定の回転数で駆動する一方で、室外ファン7を停止状態とする。そして、圧縮機2からの吐出冷媒を実線矢印に示すように循環させることによって、室内熱交換器5の一方の熱交換器部分10を凝縮器として機能させると共に、他方の熱交換器部分11を蒸発器として機能させる。これによって、室内空気を蒸発器として機能する熱交換器部分11で冷却して除湿した後に、再び凝縮器として機能する熱交換器部分10で加熱して室内に戻す再熱ドライ運転が行われる。尚、再熱ドライ運転では室外熱交換器3も凝縮器として機能し得るが、上記のように室外ファン7を停止状態とすることによって室外熱交換器3の周囲の外気が流通しないようにして室外熱交換器3ではできる限り熱交換が行われないようにし、熱交換器部分10で充分な熱交換(加熱)が行われるようにしている。
【0017】空調装置1では、再熱ドライ運転時における室外ファン7の停止状態を室外ファン7の回転数を0に制御することによって実現している。図2は、制御手段13による室外ファン7の制御動作を説明するためのフローチャートである。制御手段13は、空調装置1において再熱ドライ運転を実行しているときに、以下の制御を実行する。
【0018】ステップS1では、室外ファン7の現在の回転数が0であるか否かを判断する。回転数が0でない場合は、ステップS2に進み、室外ファン7が正転しているか否かを判断する。そして、室外ファン7が逆転している場合は、ステップS3に進み、室外ファン7を正転方向に駆動させて、回転数が0となるようにフィードバック制御を行う。一方、室外ファン7が正転している場合は、ステップS4に進み、室外ファン7を逆転方向に駆動させて、回転数が0となるようにフィードバック制御を行う。この制御によって、室外ファン7は停止状態で維持される。
【0019】尚、上記制御を実行するには、室外ファン7を正逆転駆動可能に構成し、かつ、正転方向及び逆転方向の各回転数を検出可能に構成する必要がある。ところで、従来の空調装置においては、逆転駆動及び逆転方向の回転数検出の必要性がないため、正転駆動及び正転方向の回転数検出のみが可能となるように構成されているのが、一般的である。そこで、従来の空調装置に対して逆転駆動及び逆転方向の回転数検出が可能となるように改良を施すことによって、コストアップを招来することなく、本発明の空調装置1を容易に実現することができる。
【0020】以上のように本実施の形態によれば、再熱ドライ運転時には室外ファン7は回転数が0となるように制御されるので、屋外で自然風が発生した場合でも、室外ファン7は回転することなく停止状態で維持される。従って、室外熱交換器3の周囲の外気が流通することを抑制することができ、室外熱交換器3での熱交換を抑制することができる。これによって、室内熱交換器5の2つの熱交換器部分10、11で充分な熱交換が行われ、かつ、熱交換器部分10での加熱量と熱交換器部分11での冷却量とを同一にすることができるので、室内温度を変化させることなく除湿のみを行う再熱ドライ運転を確実に実行することができる。また、ユーザの望む室内環境を実現できるので、快適性が向上する。
【0021】尚、再熱ドライ運転は、図1において破線矢印で示すように冷媒を循環させて、熱交換器部分11を凝縮器として機能させる一方で、熱交換器部分10を蒸発器として機能させることによって実行することもできるが、この場合でも本発明を適用することは可能であり、そして同様の効果を得ることができる。
【0022】また、発生した自然風の方向及び風量を検出し、自然風を打ち消す方向に室外ファン7を駆動すればより確実に自然風の影響を低減することができるが、この場合は風向計や風量計を付加する必要があり、コストアップにつながるため、本発明の方が有利である。
【0023】
【発明の効果】以上のように請求項1の空調装置によれば、室内温度を変化させることなく除湿のみを行う再熱ドライ運転を確実に行うことができるので、ユーザの望む室内環境を実現することができ、快適性が向上する。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年1月19日(1999.1.19)
【代理人】 【識別番号】100084629
【弁理士】
【氏名又は名称】西森 正博
【公開番号】 特開2000−205696(P2000−205696A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−51296