| 【発明の名称】 |
冷暖房装置および同装置を利用した冷暖房方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】入江 孝
【氏名】本山 修一郎
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| 【要約】 |
【課題】特に耐圧強度を必要とする材質を作動媒体貯蔵槽や吸着槽等に使用する必要もなく、高気密に長期間保つための系全体の封止に細心の注意を払うことも必要とせず、保守点検も著しく高頻度でする必要もない吸着材を利用した特に家庭用として使用可能なコンパクトな冷暖房装置において、夏季に於ける運転でクーリングタワーにより無駄に消費されるエネルギーを最大限節約できる冷暖房装置、および同装置を利用した冷暖房方法の提供。
【解決手段】吸着槽(1)、作動媒体貯蔵槽(2)、作動媒体(3)、吸着材(4)、および吸着槽(1)に設けられた加熱手段(5)からなる冷暖房装置に於いて、吸着槽(1)に連結した加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を設けることにより、また、蒸気の凝固および冷却、吸着材の冷却により発生する熱を温水器等の熱源として使用できるようにすることにより上記の目的を達成。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸着槽(1)、作動媒体貯蔵槽(2)、作動媒体(3)、吸着材(4)、および吸着槽(1)に設けられた加熱手段(5)からなる吸着式冷暖房装置に於いて、吸着槽(1)に連結した加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)が設けられていることを特徴とする冷暖房装置。 【請求項2】 さらに同装置の系内の全体の気圧を少なくとも作動媒体貯蔵槽(2)側の系の圧力よりも減圧とするためのポンプ(8)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷暖房装置。 【請求項3】 さらに加熱され気体に変換された作動媒体の冷却手段(6)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷暖房装置。 【請求項4】 加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)が同作動媒体が有する熱を利用する機器に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の冷暖房装置。 【請求項5】 同作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)が接続されている熱を利用する機器が暖房器、温水器、融雪器、加湿器、蒸気を利用した発電器、または、熱電素子発電器であることを特徴とする請求項4に記載の冷暖房装置。 【請求項6】 作動媒体の脱着のための吸着材の加温に深夜電力、あるいは、廃熱を使用する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の冷暖房装置。 【請求項7】 吸着材に吸着された作動媒体の量を制御する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の冷暖房装置。 【請求項8】 作動媒体貯蔵槽(2)を同槽内に設けられた熱交換機(9)により加熱し、同槽と吸着槽(1)との間に設けられている開閉手段を開き、加熱されて蒸発した作動媒体(3)を吸着材(4)を含む吸着槽(1)に送り込み同吸着材に蒸発した作動媒体(3)を吸着させることによりこの際発生する吸着熱と、吸着された作動媒体を加熱手段(5)により吸着材から蒸発させる際に発生する加熱され気体に変換された作動媒体を冷暖房用に利用する方法に於いて、吸着槽(1)に連結して設けられている加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を開き吸着槽で加熱され気体に変換された作動媒体を系外に放出し、吸着材に吸収されていた作動媒体が充分に放出された段階で、加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を閉じ、ポンプ(8)を作動させることにより系内の気圧を減圧として作動媒体と吸着材との間の吸着・脱着を容易にすることを特徴とする冷暖房方法。 【請求項9】 直接系外に放出させることができる手段(7)から放出された作動媒体の有する熱を加温、発電或いは加熱に利用することを特徴とする請求項8に記載の方法。 【請求項10】 直接系外に放出させることができる手段(7)から放出された作動媒体を加湿または発電に利用することを特徴とする請求項8に記載の方法。 【請求項11】 吸着材を加温して作動媒体を脱着させるのに、深夜電力、あるいは、廃熱を使用する請求項8に記載の方法。 【請求項12】 作動媒体貯蔵槽(2)を同槽内に設けられた熱交換機(9)により加熱し、同槽と吸着槽(1)との間に設けられている開閉手段を開き、加熱されて蒸発した作動媒体(3)を吸着材(4)を含む吸着槽(1)に送り込み同吸着材に蒸発した作動媒体(3)を吸着させることによりこの際発生する吸着熱と、吸着された作動媒体を加熱手段(5)により吸着材から蒸発させる際に発生する加熱され気体に変換された作動媒体を冷暖房用に利用する方法に於いて、吸着槽(1)から放出された加熱され気体に変換された作動媒体を温水器の加熱手段として使用する特徴とする冷暖房方法。 【請求項13】 吸着材を加温して作動媒体を脱着させるのに、深夜電力を使用する請求項12に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、吸着材を使用した冷暖房装置、および同装置を利用した冷暖房方法に関する。さらに詳しくは、吸着材としてゼオライトを使用した冷暖房用装置、および同装置を利用した冷暖房方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 現在、冷暖房用機器、特に、暖房用機器としては、化石燃料利用による冷暖房用各種装置が使用されている。しかし、この場合には化石燃料燃焼に伴い発生する各種ガスの環境への影響はもはや無視できない水準にまで達し、その中でも、地球温暖化の元凶とされる二酸化炭素の発生を削減することが世界人類に課せられた緊急課題である。ところで、化石燃料を直接使用しない冷暖房装置として、従来から吸着材を利用した各種装置が知られている。そのような装置としては、例えば、特開昭62−5060号公報に開示の乾燥吸着クーラーや、特開平5−196318号公報に記載の吸着装置がある。 【0003】 市販されている装置としては、ゼオライトを利用した冷暖房用装置である独国のゼオテック社製の装置が、またシリカゲルを利用した装置としては前川製作所製の吸着冷凍機等が知られている。しかしながら、後者は、シリカゲルを使用しているために冷暖房共用機として使用することはできず、また、前者は作動媒体として使用している水の吸着材であるゼオライトから作動媒体である水の吸着・脱着を効率よく行うために、系内を著しく減圧にする必要がある。その為に、使用する吸着槽や作動媒体貯蔵槽として耐圧性のものを使用する必要があるだけでなく、系内を高気密に保つために系全体の封止に特別な工夫を必要とし、結果として、装置自体が割高となるという問題がある。また、系全体を高減圧下に保つことが必要なために、装置を可成りの頻度で保守点検することが不可欠であるといういわゆるランニングコスト面での問題もある。さらに、同装置を冷房用として使用する場合には、吸着槽から蒸発させた高熱の水蒸気を冷却することが必要となり、このために使用されるエネルギーも無視できない。 【0004】 ここで、従来の吸着式冷暖房装置の構成について少し詳細に説明することとする。従来の吸着式冷暖房装置は、添付の図3に示したように、その主要構成は吸着槽(1)、作動媒体貯蔵槽(2)、作動媒体(3)、吸着材(4)、吸着槽(1)に設けられた加熱手段(5)、作動媒体貯蔵槽(2)内に設けられた熱交換機(9)、加熱され気体に変換された作動媒体の冷却手段(6)としてのクーリングタワー、同クーリングタワーで冷却された作動媒体の液化に使用されるコンデンサー(12)および室内機(10)から構成されており、各構成部品の間は配管により連結され、かつ、各構成部品の間を連結している配管には、図1に示したようにそれぞれ開閉自在なバルブであるV1、V2、V3、V4、V5、V6およびV7が設けられている。 【0005】 第1に、吸着式冷暖房装置の運転サイクルにおける第1の過程である吸着過程について説明する。吸着材に作動媒体、例えば、水を吸着させる過程では、バルブV1を冬季には開き、夏季には閉じ、バルブV2は開き、バルブV3、バルブV5およびバルブV6は閉じ、バルブV4およびバルブV7は冬季には閉じ、夏季には開いておく。この状態で、作動媒体貯蔵槽(2)から作動媒体である水を熱交換機(9)で加熱することにより蒸気の状態にして吸着槽(1)に送る。なお、系全体は数mmHg程度の減圧下に保持されている。この際、水の気化熱により作動媒体貯蔵槽(2)内は冷やされ、同槽内の温度は低くなる。この段階で、夏季にはバルブV4を開け、室内機(10)との熱交換により冷熱を室内機側に送風して冷房を行う。一方、吸着槽(1)では、蒸気がゼオライトにより吸着されることにより、吸着熱が発生する。冬季ではバルブV1を開け室内機と熱交換を行い暖房を行う。夏季には、バルブV7を開けて冷却手段であるクーリングタワー(6)を用いて、吸着材を冷却して、吸着材による作動媒体である蒸気の吸収をスムースに行うようにする。これは、作動媒体である蒸気の吸着量が吸着材の温度が低いほど増加するからである。 【0006】 ついで、吸着材が水蒸気を飽和状態まで吸着して、吸着が起こらなくなった段階で吸着材(2)を加熱手段(5)を用いて加熱し、水を蒸気に変化させ吸着材から脱水する脱水過程に入る。この段階では、バルブV1、バルブV7を共に閉じ、バルブV2は開いたままの状態を保持し、バルブV3およびバルブV4は冬季には開け、夏季には閉じ、バルブV5およびバルブV6は冬季は閉じ、夏季には開いておく。この状態で、深夜電力を使用して吸着槽内の吸着材を同槽(1)内に設けられた加熱手段(5)で加熱することにより作動媒体である水を吸着材から脱着する。蒸気の状態に変換された作動媒体である水は冷却手段で冷やされる。夏季にはクリーングタワーで冷やされ、液体の水に変換される。冬季には、この際発生する蒸気の凝縮熱と凝縮した熱水の冷却熱を暖房用として利用する。その際、作動媒体貯蔵槽内に設けられている熱交換機を利用して凝縮され冷却された水をさらに低温とすることもある。これは、作動媒体貯蔵槽内の水温が余り高いと同槽内の蒸気圧が高くなり、結果として吸着材からの脱水が不充分となるからである。なお、脱水が完了した時点でバルブV2を締めて待機の状態となる。 【0007】 ついで、吸着を促進するために加熱された吸着材を強制冷却する吸着材の冷却過程に入る。この工程では、バルブV1を冬季では開け、夏季では閉じておく。バルブV2、バルブV3、バルブV4、バルブV5およびバルブV6は閉じ、バルブV7は冬季は閉じ、夏季には開ておく。冬季には吸着材の冷却により生じた熱を暖房に使用する。夏季には、吸着材の冷却はクーリングタワーを使用する。冷却が完了した段階で、再び、吸着工程に入る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながらこの方法では、夏季に於ける運転でクーリングタワーを吸着過程、脱水過程と吸着材冷却工程の3つのいずれの過程に於いても使用する必要がある。このために使用されるエネルギーの消費も馬鹿にならない。勿論、熱交換により熱は無駄に消費されることとなる。この無駄に消費されるエネルギーを最大限節約できる冷暖房装置、および同装置を用いた冷暖房方法を提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、特に耐圧強度を必要とする材質を作動媒体貯蔵槽や吸着槽等に使用する必要もなく、高気密に長期間保つための系全体の封止に細心の注意を払うことも必要とせず、保守点検も著しく高頻度でする必要もない吸着材を利用した冷暖房装置、特に家庭用として使用可能なコンパクトな冷暖房装置、および同装置を利用した冷暖房方法を提供しようとするものである。さらに、吸着槽から蒸発させた高熱の水蒸気を温水器の熱源として使用できる冷暖房装置、および同装置を利用した冷暖房方法を提供しようとするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記の様な現状に鑑みて種々検討した結果、吸着槽(1)、作動媒体貯蔵槽(2)、作動媒体(3)、吸着材(4)、吸着槽(1)に設けられた加熱手段(5)、加熱され気体に変換された作動媒体の冷却手段(6)、および室内機(10)からなる吸着式冷暖房装置に於いて、吸着槽(1)に連結した加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を設けることにより、また、蒸気の凝固および冷却、吸着材の冷却により発生する熱を加熱や加温或いは発電の熱源として、或いは、蒸気そのものをそのまま加湿または発電に使用できるようにすることにより上記の目的を達成することができることを見出し本発明を完成させたものである。 【0010】 また、作動媒体貯蔵槽(2)を同槽内に設けられた熱交換機(9)により加熱し、同槽と吸着槽(1)との間に設けられている開閉手段を開き、加熱されて蒸発した作動媒体(3)を吸着材(4)を含む吸着槽(1)に送り込み同吸着材に蒸発した作動媒体(3)を吸着させることによりこの際発生する吸着熱と、吸着された作動媒体を加熱手段(5)により吸着材から蒸発させる際に発生する加熱され気体に変換された作動媒体を冷暖房用に利用する方法に於いて、吸着槽(1)に連結して設けられている加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を開き吸着槽で加熱され気体に変換された作動媒体を系外に放出し、吸着材に吸収されていた作動媒体が充分に放出された段階で、加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を閉じ、ポンプ(8)を作動させることにより系内の気圧を減圧として作動媒体と吸着材との間の吸着・脱着を容易にできることを見出した。これにより、本発明の第2の側面であるより保守点検などに起因するランニングコストを低減できる冷暖房方法が提供される。 【0011】 さらにまた、作動媒体貯蔵槽(2)を同槽内に設けられた熱交換機(9)により加熱し、同槽と吸着槽(1)との間に設けられている開閉手段を開き、加熱されて蒸発した作動媒体(3)を吸着材(4)を含む吸着槽(1)に送り込み同吸着材に蒸発した作動媒体(3)を吸着させることによりこの際発生する吸着熱と、吸着された作動媒体を加熱手段(5)により吸着材から蒸発させる際に発生する加熱され気体に変換された作動媒体を冷暖房用に利用する方法に於いて、吸着槽(1)から放出された加熱され気体に変換された作動媒体或いは吸着材の冷却により発生する熱を温水器の加熱手段として使用することによりよりエネルギーを節約できる冷暖房方法が提供される。 【0012】 【発明の実施の形態】 本発明の第1の側面に係る冷暖房装置は、吸着槽(1)、作動媒体貯蔵槽(2)、作動媒体(3)、吸着材(4)、および吸着槽(1)に設けられた加熱手段(5)からなる吸着式冷暖房装置に於いて、吸着槽(1)に連結した加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を設けたことを特徴とする冷暖房装置に係る。 【0013】 本発明の第1の側面に係る冷暖房装置の構成について、添付の図1および2を参照しながら、説明することとする。なお、図1および2から明らかなように、吸着槽に連結して二股に分岐した配管が設けられており、その分岐した配管の一端にはバルブV8を介して吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)(図示せず)が設けられており、またその他端には吸着材の脱水過程終了後の系内の気圧を減圧にすることができるポンプが設けられている。さらに、吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)として、吸着槽(1)側から作動媒体貯蔵槽に吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を送るための配管にバルブV10を設けてもよい。さらにまた、吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)として作動媒体貯蔵槽の上部にバルブV11を取り付けてもよい。なお、吸着槽の加熱に、深夜電力を使用できる手段(図示せず)、あるいは、工場での廃熱、発電設備からの廃熱等の各種廃熱を使用できる手段(図示せず)を本発明に係る冷暖房装置に組み込み、この手段を利用して吸着材の加熱、換言すれば、吸着材の乾燥を行うことにより、一層の省エネ化が達成できることとなる。 【0014】 吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)としては、上記のバルブV8、バルブV10およびバルブV11のいずれを使用してもよい。この様に、直接系外に放出させることによりより低温で、しかもより多くの作動媒体を放出させることができる。しかしながら、バルブV10またはバルブV11を開放して、作動媒体貯蔵槽側まで開放系に曝すことは、系全体を真空にするために長時間を要することとなり、その為に、消費電力が増加することとなるから好ましくない。なお、ポンプを使用して系を減圧とした後、系外に放出されて失われた作動媒体に相当する量の作動媒体を補給する必要がある。 【0015】 このことについて、例を挙げて説明する。吸着槽での脱水温度を200℃とし、装置内の系をクローズドサイクルで運転し、作動媒体である水の作動媒体貯蔵槽内の水の温度を40℃(作動媒体貯蔵槽内の飽和蒸気圧:55.4mmHg)とした場合には、吸着材による作動媒体の吸着量は吸着材の乾燥重量を100としたとき、8.5%に相当する。この状態で気体に変換させた作動媒体を気温10℃、湿度50%の外気に直接放出した場合には、この時の外部の蒸気圧と平衡な吸着槽内の蒸気圧は9.2mmHg×0.5=4.6mmHgであり、吸着材中には4%の作動媒体である水が吸着されて残っていることとなる。この様に、吸着材の雰囲気を低蒸気圧とすることにより、吸着されている作動媒体である水を脱着させるために、僅かなエネルギー消費で済むこととなる。なお、直接系外に放出させる加熱され気体に変換された作動媒体が高温の蒸気であることからこの熱を加熱、発電または加温用の熱源として使用してもよい。即ち、加熱、発電、暖房、或いは、融雪の熱源として利用してもよい。つまり、直接系外に放出させることができる手段(7)の先端部に暖房器、温水器、融雪器、または熱電素子発電器暖房器等を装着してもよい。また、水蒸気そのものを発電、または加湿に利用してもよい。即ち、直接系外に放出させることができる手段(7)の先端部に、加湿器、蒸気を利用した発電器等を装着してもよい。 【0016】 再び、吸着材に作動媒体貯蔵槽から気化させた作動媒体を吸着させるに際しては、同装置の系内の気圧を少なくとも作動媒体貯蔵槽側の系の圧力よりも減圧とすることが必要である。減圧するには、開放したバルブであるバルブV8、バルブV10またはバルブV11を閉じた後、ポンプ(8)を稼働させればよい。この様に構成することにより、装置内全体を絶えず減圧下に保つことが必要とされる従来品と比較して、必ずしも系内全体を高度の気密性に保つ必要性は低くなるので、少なくとも、吸着槽の材質、同槽を含むシステムの封止材に対する要求水準をより常圧で使用される製品の仕様に近づけることができるという効果を奏する。 【0017】 加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出することはエネルギーの節約という点から見て必ずしも好ましいとはいえないので、冷却手段(6)に温水器を使用してもよい。温水器は、必ずしも本発明に係る装置の一部である必要はなく、独立して設けられた温水器に配管することにより、加熱され気体に変換された作動媒体の有する熱エネルギーを有効に使用することができることとなる。本発明に係る装置のシステムに温水器を組み込む場合には、深夜には、運転状況に応じて温水器自体に装着したヒーター(図示せず)を使用して加温できるようにしておくことが好ましい。 【0018】 系全体のより有効な運転のためには、吸着材に吸着された作動媒体の量を制御する手段を有することが好ましい。この様な手段としては、吸着材の重量変化をモニターできるマイコンチップ等を装置に装着することが好ましい。 【0019】 作動媒体としては、通常は水が使用される。しかし、直接系外に作動媒体を放出することなく運転する場合には、水に換え、アルコール類を使用するか、或いは、両者の混合物を使用しても差し支えない。吸着材としては、ゼオライトが好適に使用される。中でも、吸着能の高いA型ゼオライト、X型ゼオライトがより好適に使用される。 【0020】 次に、本発明の第2の側面に係る冷暖房方法について説明する。この方法は、作動媒体貯蔵槽(2)を同槽内に設けられた熱交換機(9)により加熱し、同槽と吸着槽(1)との間に設けられている開閉手段を開き、加熱されて蒸発した作動媒体(3)を吸着材(4)を含む吸着槽(1)に送り込み同吸着材に蒸発した作動媒体(3)を吸着させることによりこの際発生する吸着熱と、吸着された作動媒体を加熱手段(5)により吸着材から蒸発させる際に発生する加熱され気体に変換された作動媒体を冷暖房用に利用する方法に於いて、吸着槽(1)に連結して設けられている加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を開き吸着槽で加熱され気体に変換された作動媒体を系外に放出し、吸着材に吸収されていた作動媒体が充分に放出された段階で、加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を閉じ、ポンプ(8)を作動させることにより系内の気圧を減圧とすることにより、作動媒体と吸着材との間の吸着と脱着とを容易にする方法である。 【0021】 本発明の第2の側面に係る冷暖房方法について、添付の図面1および2を参照しながら、さらに説明することとする。先ず、作動媒体貯蔵槽(2)を同槽内に設けられた熱交換機(9)により加熱し、同槽と吸着槽(1)との間に設けられている開閉手段を開き、加熱されて蒸発した作動媒体(3)を吸着材(4)を含む吸着槽(1)に送り込み同吸着材に蒸発した作動媒体(3)を吸着させることによりこの際発生する吸着熱と、吸着された作動媒体を加熱手段(5)により吸着材から蒸発させる際に発生する加熱され気体に変換された作動媒体を冷暖房用に利用する。この過程が吸着過程である。これは、通常、昼間に行う。 【0022】 ついで、吸着槽(1)に連結して設けられている加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を開き吸着槽で加熱され気体に変換された作動媒体を系外に放出する。この場合には、図1および2から明らかなように、バルブV8を開き、吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させる。この吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)の先端部に暖房器、温水器、融雪器、熱電素子発電器等の熱利用手段、または蒸気そのものを利用する加湿器、蒸気発電器等が装着されている場合には、周囲環境に応じて、それらのいずれかを運転させてもよい。 【0023】 吸着材に吸収されていた作動媒体が充分に放出された段階で、加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)を閉じ、ポンプ(8)を作動させることにより系内の気圧を減圧とする。この操作により、第2の過程の脱水過程が終了することとなる。吸着槽の加熱は、深夜電力や、場合によっては、工場での廃熱、発電設備からの廃熱等の各種廃熱を使用して行ってもよい。さらに、吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)として、吸着槽(1)側から作動媒体貯蔵槽側に設けられたクーリングタワーに吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を送るための配管の途中に設けられたバルブV10を開いてもよい。さらにまた、吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させることができる手段(7)として作動媒体貯蔵槽の上部に設けられたバルブV11を開いてもよい。 【0024】 吸着槽内で加熱され気体に変換された作動媒体を直接系外に放出させるに際して、上記のバルブV8、バルブV10およびバルブV11のいずれを開放してもよい。直接系外に放出させることによりより低温で、しかもより多くの作動媒体を放出させることができるという効果が発揮されることとなる。しかしながら、バルブV10またはバルブV11を開放して、作動媒体貯蔵槽側まで開放系に曝すことは、脱水過程後には再び系全体をポンプを使用して減圧下にすることとなるから好ましくない。それ故、バルブV8を開き、バルブV2を閉じ、吸着槽側のみを開放して、作動媒体貯蔵槽側は減圧下のまま保持することが好ましい。なお、ポンプを使用して系を減圧とした後、系外に放出されて失われた作動媒体に相当する量の作動媒体を補給する必要がある。また、吸着材を加温して作動媒体を脱着させるのに、深夜電力を使用する手段を利用することでさらに、省エネ化ができることとなる。 【0025】 上記の操作法について、例を挙げて説明する。吸着槽での脱水温度を200℃に設定し、バルブV8、バルブV10およびバルブV11は閉じたままとして、装置内の系をクローズドサイクルで運転し、作動媒体である水の作動媒体貯蔵槽内の水の温度を40℃(作動媒体貯蔵槽内の飽和蒸気圧:55.4mmHg)として運転をした場合には、吸着材は吸着材の乾燥重量の8.5%に相当する量の作動媒体を吸着する。この状態で、バルブV8、バルブV10またはバルブV11のいずれか一つのバルブを開放して、加熱により気体に変換させた作動媒体を気温10℃、湿度50%の外気に直接放出した場合には、この時の外部の蒸気圧9.2mmHg×0.5=4.6mmHgと平衡な状態となるまで作動媒体が放出され、吸着材中には4%の作動媒体である水が吸着されたままで残ることとなる。この様に、吸着槽側の雰囲気を作動媒体貯蔵槽内の雰囲気よりも減圧下に保持することにより吸着されている作動媒体である水を脱着させるために、僅かなエネルギー消費で済むこととなる。 【0026】 なお、直接系外に放出させる加熱され気体に変換された作動媒体が高温の蒸気であることから、その熱を熱源として、例えば、加熱、暖房、融雪、発電などに利用してもよく、または蒸気をそのまま発電や加湿に使用してもよい。つまり直接系外に放出させることができる手段(7)の先端部に装着した暖房器、温水器、融雪器、熱電素子発電器、加湿器、水蒸気発電器を使用して熱または水蒸気を積極的に利用することができる。その場合には、直接系外に放出させることができる手段(7)から放出された作動媒体を加熱、暖房、発電または加湿に使用することでより省エネ化ができることとなる。 【0027】 吸着材に作動媒体貯蔵槽から気化させた作動媒体を吸着させるのには、冷暖房装置の吸着槽側の系内の気圧を少なくとも作動媒体貯蔵槽側の気圧よりも減圧とすることが必要である。減圧には、開放したバルブであるバルブV8、バルブV10またはバルブV11を閉じた後、ポンプ(8)を稼働させればよい。 【0028】 最後に、本発明の第3の側面に係る冷暖房方法について説明する。この方法は、作動媒体貯蔵槽(2)を同槽内に設けられた熱交換機(9)により加熱し、同槽と吸着槽(1)との間に設けられている開閉手段を開き、加熱されて蒸発した作動媒体(3)を吸着材(4)を含む吸着槽(1)に送り込み同吸着材に蒸発した作動媒体(3)を吸着させることによりこの際発生する吸着熱と、吸着された作動媒体を加熱手段(5)により吸着材から蒸発させる際に発生する加熱され気体に変換された作動媒体を冷暖房用に利用する方法に於いて、吸着槽(1)から放出された加熱され気体に変換された作動媒体を温水器の加熱手段として使用する冷暖房方法である。 【0029】 この場合には、図2に示すように冷却手段(6)に換えて装着された温水器を使用する。温水器は、必ずしも本発明に係る装置の一部である必要はなく、独立して設けられた温水器に配管することにより、加熱され気体に変換された作動媒体の有する熱エネルギーを有効に使用することができることとなる。装置のシステムに組み込まれている温水器を使用する場合には、深夜には、運転状況に応じて温水器自体に装着したヒーター(図示せず)を使用して加温できるようにしておくことが好ましい。この場合にも、吸着材を加温して作動媒体を脱着させるのに、深夜電力を使用することによりより一層の省エネ化が達成されることとなる。 【0030】 【発明の効果】 本発明に係る冷暖房装置および同装置を利用した冷暖房方法によれば、環境に対するインパクトが実質的に零であるだけでなく、冷暖房のために運転するに際しても、従来の吸着材を使用した冷暖房装置に比較して、より省エネ化が達成できるという効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004064 【氏名又は名称】日本碍子株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月14日(1999.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088616 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邉 一平
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| 【公開番号】 |
特開2000−205693(P2000−205693A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−8515 |
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