| 【発明の名称】 |
臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法、および同運転制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】町澤 健司
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| 【要約】 |
【課題】臭化リチュウム吸収式冷凍機の冷熱負荷が急激に減少しても、臭化リチュウム結晶の析出や冷水の凍結を生じないようにする。
【解決手段】冷水出口(矢印a)の温度を検出する冷水温度センサ12を設け、この検出温度が、正常温度よりも低い所定温度まで降下するとバーナー2の燃焼を停止し、上記所定温度よりもさらに低い所定温度まで低下すると冷却水ポンプ4の運転を停止し、上記所定温度よりもさらに低い所定温度まで低下すると冷媒ポンプ7を停止する。バーナー2の燃焼停止によって冷熱発生の原動力供給が停止され、冷却水ポンプ4の停止によって冷凍サイクルからの熱搬出が停止されるので、結晶の析出や冷水の凍結が防止される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する方法において、定格運転状態における冷水の正常温度をT0とし、T0よりも低い、管理用の温度T1を設定するとともに、上記の温度T1よりもさらに低く、かつ氷点温度よりも高い管理用の温度T2を設定しておき、前記冷水の温度を検知して監視しつつ当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を継続し、冷熱負荷の減少により冷水の温度が降下して温度T1に達したら、前記バーナーの燃焼を停止し、さらに冷水の温度が降下して温度T2に達したら、前記冷却水ポンプの運転を停止し、上記のようにしてバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止した後も、前記冷媒ポンプ、冷水ポンプおよび溶液循環ポンプの運転を継続することを特徴とする、臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法。 【請求項2】 予め、温度差βを設定しておき(ただし、βは正の数値とする)、冷水の温度が温度T2まで下降してバーナーの燃焼および冷却水ポンプの作動を停止させた状態で、冷熱負荷が増加して冷水の温度が上昇し、該冷水の温度がT2+βに達したとき、バーナーの燃焼を停止したままで冷却水ポンプの作動を再開することを特徴とする、請求項1に記載した臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法。 【請求項3】 予め、温度差αを設定しておき(ただし、αは正の数値とする)、冷熱負荷の変化に伴ってバーナーの燃焼を停止するとともに冷却水ポンプを作動せしめている状態において、冷熱負荷の増加により冷水の温度が上昇して、該冷水の温度がT1+αに達したとき、バーナーの燃焼を再開して通常の運転状態に復元することを特徴とする、請求項2に記載した臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法。 【請求項4】 予め、前記の温度T2よりも低く氷点温度よりも高い管理用の温度T3を設定しておき、冷熱負荷の減少に伴ってバーナーの燃焼および冷却水ポンプの作動を停止するとともに、冷媒ポンプ、冷水ポンプおよび溶液循環ポンプを継続的に運転している状態において、冷熱負荷がさらに減少し、冷水温度が降下して温度T3に達したとき、冷媒ポンプの運転を停止するとともに、冷水ポンプの運転および溶液循環ポンプの運転を継続することを特徴とする、請求項1に記載した臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法。 【請求項5】 予め、温度差γを設定しておき(ただし、γは正の数値とする)、冷熱負荷の減少に伴って、バーナーの燃焼および冷却水ポンプの運転並びに冷媒ポンプの運転を停止している状態において、冷熱負荷の増加により冷水の温度が上昇して、該冷水の温度がT3+γに達したとき、冷媒ポンプの運転を再開することを特徴とする、請求項4に記載した臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法。 【請求項6】 高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する方法において、定格運転状態における冷媒の正常温度をT0′とし、T0′よりも低い、管理用の温度T1′を設定するとともに、上記の温度T1′よりもさらに低い管理用の温度T2′を設定しておき、前記冷媒の温度を検知して監視しつつ当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を継続し、冷熱負荷の減少により冷媒の温度が降下して温度T1′に達したら、前記バーナーの燃焼を停止し、さらに冷媒の温度が降下して温度T2′に達したら、前記冷却水ポンプの運転を停止し、上記のようにしてバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止した後も、前記冷媒ポンプ、冷水ポンプおよび溶液循環ポンプの運転を継続し、その後、冷熱負荷の増加によって冷媒温度が上昇して、温度T2′まで降下していた冷媒温度が、温度T2′よりも昇温してT2′+β′(ただし、β′は予め設定してあった正の数)に達したとき、停止していた冷却水ポンプの運転を再開し、さらに冷熱負荷の増加により冷媒温度が上昇して、温度T1′+α′(ただしα′は予め設定してあった正の数)に達したとき、停止していたバーナーの燃焼を再開して通常の運転状態に復元することを特徴とする、臭化リチュウムの吸収式冷凍機の運転制御方法。 【請求項7】 前記の冷媒温度T2′よりも低い、管理用の温度T3′を設定しておき、冷熱負荷の減少により冷媒温度がT2′まで降下して、バーナーの燃焼および冷却水ポンプの運転を停止するとともに、冷媒ポンプおよび冷水ポンプ並びに溶液循環ポンプの運転を継続している状態で、冷熱負荷がさらに減少して冷媒温度が降下し、温度T3′に達したとき冷媒ポンプを停止させ、その後、冷熱負荷が増加して冷媒温度がT3′+γ′まで上昇したとき冷媒ポンプの運転を再開することを特徴とする、請求項6に記載した臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法。 【請求項8】 高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する装置において、前記冷水の温度を検出して電気信号を出力する冷水温度センサが設けられるとともに、当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の主要構成器具類の作動を制御する自動制御装置が設けられていて、上記の自動制御装置は、定格運転状態における冷水温度よりも低い、所定の温度T1、および、該温度T1よりも低い所定の温度T2を与えられてこれらを記憶する機能と、前記の温度T1よりも温度差αだけ高い温度T1+α、および前記の温度T2よりも温度差βだけ高い温度T2+βを与えられてこれらを記憶する機能とを有しており、かつ、前記の冷水温度センサの出力信号によって表される温度を、前記のようにして記憶されているT1,T2,T1+α,およびT2+βのそれぞれと比較する演算回路を有していて、冷水温度センサの出力信号によって表される計測値をTとして、T≦T1になるとバーナーの燃焼を停止させ、T≦T2になると冷却水ポンプの運転を停止させ、T≧T2+βになると冷却水ポンプの運転を再開させ、T≧T1+αになるとバーナーの燃焼を再開させて正常な運転状態に復元せしめる機能を有するものであることを特徴とする、臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御装置。 【請求項9】 前記の自動制御装置は、前記の温度T2よりも低い温度T3を与えられてこれを記憶する機能を有するとともに、上記の温度T3よりも温度差γだけ高い温度T3+γを与えられてこれを記憶する機能を有しており、かつ、前記冷水温度センサの出力信号によって表される計測値Tと、前記の温度T3およびT3+γのそれぞれとを比較して、T≦T3になると冷媒ポンプの運転を停止させ、T≧T3+γになると冷媒ポンプの運転を再開せしめる機能を有するものであることを特徴とする、請求項8に記載した臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御装置。 【請求項10】 高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する装置において、前記冷媒の温度を検出して電気信号を出力する冷媒温度センサが設けられるとともに、当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の主要構成器具類の作動を制御する自動制御装置が設けられていて、上記の自動制御装置は、定格運転状態における冷媒温度よりも低い、所定の温度T1′、および、該温度T1′よりも低い所定の温度T2′を与えられてこれらを記憶する機能と、前記の温度T1′よりも温度差α′だけ高い温度T1′+α′、および前記の温度T2′よりも温度差β′だけ高い温度T2′+β′を与えられてこれらを記憶する機能とを有しており、かつ、前記の冷媒温度センサの出力信号によって表される温度を、前記のようにして記憶されているT1′,T2′,T1′+α′,およびT2′+β′のそれぞれと比較する演算回路を有していて、冷媒温度センサの出力信号によって表される計測値をT′として、T′≦T1′になるとバーナーの燃焼を停止させ、T′≦T2′になると冷却水ポンプの運転を停止させ、T′≧T2′+β′になると冷却水ポンプの運転を再開させ、T′≧T1′+α′になるとバーナーの燃焼を再開させて正常な運転状態に復元せしめる機能を有するものであることを特徴とする、臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御装置。 【請求項11】 前記の自動制御装置が、前記の温度T2′よりも低い温度T3′を与えられてこれを記憶する機能を有するとともに、上記の温度T3′よりも温度差γ′だけ高い温度T3′+γ′を与えられてこれを記憶する機能を有しており、かつ、前記冷媒温度センサの出力信号によって表される計測値T′と、前記の温度T3′およびT3′+γ′のそれぞれとを比較して、T′≦T3′になると冷媒ポンプの運転を停止させ、T′≧T3′+γ′にると冷媒ポンプの運転を再開せしめる機能を有するものであることを特徴とする、請求項10に記載した臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、臭化リチュウムを吸収剤とし、水を冷媒とした吸収式冷凍機に係り、特に、冷熱負荷の変動に対応し得るように改良した運転制御技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】臭化リチュウムは非常に吸湿性の強い薬剤であって、臭化リチュウム水溶液は温度・圧力条件の変化に伴って水蒸気を発生させて濃縮されたり、水蒸気を吸収して稀釈されたりし、これに伴って潜熱の吸収,放出が行なわれる。臭化リチュウム吸収式冷凍機は、上記の潜熱の吸収,放出を利用して冷凍サイクルを形成し、バーナーによって生じる熱エネルギーを供給するとともに冷却水によって発生熱の一部を奪い去りつつ、その結果として冷水を得て、これを冷熱負荷(例えばファン・コイルユニット)に循環供給する。従って、蒸発潜熱を奪ったり凝縮潜熱を発生したりする冷媒物質は水である。本発明において冷媒蒸気と水蒸気とは同意である。また、臭化リチュウム水溶液を、単に溶液と略称する場合が有る。前述の冷凍サイクルを原理的に考察すると、臭化リチュウム溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるための熱源は限定されないが、実際問題としてはエネルギーコストの関係上、燃料をバーナーで燃焼させた燃焼熱が専ら用いられている。なお、燃料としては気体燃料もしくは液体燃料が用いられ、固体燃料は実用されていない。 【0003】図3は、臭化リチュウム吸収式冷凍機の従来例を示し、冷熱負荷を省略して描いた系統図であって、斑点を付したものは液状の冷媒を、右上がり平行斜線を付したものは冷媒を蒸発させて濃縮された臭化リチュウム水溶液を、右下がり平行斜線を付したものは吸収器で冷媒蒸気を吸収して稀釈された状態の臭化リチュウム水溶液を表している。符号2を付して示したバーナーは、燃料油もしくは燃料ガスの供給流量を調節する、締切り可能な燃料弁2a,および、燃焼用空気を供給するブロワ2bを備えている。高温再生器1内の臭化リチュウム水溶液は、バーナー2で加熱されて昇温し、冷媒蒸気を発生させる。発生した冷媒蒸気は凝縮器3に送られ、冷却水ポンプ4で送られる冷却水によって冷却される。冷却された冷媒蒸気は液化して凝縮器3の底部に溜まり、凝縮の際に発生した液化潜熱は前記の冷却水によって運び去られる。凝縮器3で液化した冷媒は蒸発器5に送られ、減圧されて蒸発する。この蒸発器5の中には、冷水ポンプ6で圧送された冷水が循環流通しており、この冷水は冷媒の蒸発潜熱を奪い取られて降温し(例えば7°C)、矢印aのように冷熱負荷(ファンコイルユニット・図外)に循環供給される。冷熱負荷を流通して昇温(例えば12〜15°C)した冷水は、冷却水ポンプ4の吸入側に還流し、再び蒸発器5に送り込まれ、これを繰り返して循環流動する。冷媒ポンプ7は、液化した低温の冷媒を冷水の管路(コイル状ないし蛇行形)に注ぎかけるスプレーポンプである。 【0004】前述のようにして臭化リチュウム水溶液は冷媒蒸気を発生するので、冷媒成分の一部を失った臭化リチュウム水溶液は濃縮される。 (注)先に述べたように、冷媒とは水であり、冷媒蒸気とは水蒸気である。煮詰められる形に水蒸気を発生させた臭化リチュウム水溶液は、水分を失って濃縮される。 【0005】発生した冷媒蒸気は前述のごとく液化→蒸発して、蒸発熱を奪うという、最も大切な役目を果たす。次に「役目を果たした冷媒蒸気」を「濃縮された臭化リチュウム水溶液」に吸収させて、該臭化リチュウム水溶液を稀釈して原状に復帰せしめ、これを繰り返して冷凍サイクルを形成せしめる。上記の吸収は吸収器8で行なわれる。この吸収器8内の空間は、蒸発器5で蒸発した冷媒蒸気(水蒸気)が充満しており、この中へ「高温再生器1で煮詰められた濃厚な臭化リチュウム水溶液」が、図示を省略した溶液スプレーポンプによってスプレーされ、冷媒蒸気を稀釈して稀釈されて該吸収器8内を流下して底部に溜まる。吸収器8の底部に溜まった臭化リチュウム水溶液は溶液循環ポンプ9によって吸入,吐出され、溶液熱交換器10によって暖められて高温再生器1に循環供給されて冷凍サイクルを形成する。以上を総括して本例の臭化リチュウム吸収式冷凍機は、バーナー2によって熱エネルギーを供給して、冷水出口(矢印a)から低温の冷水を取り出し、図外のファンコイルユニットに循環供給する。 【0006】なお、本図3に示した主要構成機器をそのまま用い、配管系統を切り替えることによって冷房・暖房の2機能に切換使用できる臭化リチュウム吸収冷温水機が公知であり、広く実用されているが、この種の冷暖房設備を冷凍サイクルで使用する場合は本発明の対象となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】図3を参照して以上に説明した臭化リチュウム吸収式冷凍機は、その作動原理に因る特性として冷熱負荷の急変(とりわけ急減)に対応することが困難である、という問題が有る。上記の問題を、冷凍機の故障発生という面から見ると、以下に説明する「臭化リチュウムの結晶析出」と「熱搬送媒体である冷水の過冷による凍結」との二つが有り、その結果として、後に詳述するように用途上の制約(個別冷房不可能)という不具合が有る。 【0008】臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を急激に停止すると、濃厚な臭化リチュウム水溶液が降温して、臭化リチュウムの結晶を析出する。この結果析出は、濃厚な臭化リチュウム水溶液が存在する箇所(例えば高温再生器1内、溶液熱交換器10内、および配管類の一部など)に発生する。このため、運転停止の準備操作として、機内を循環する臭化リチュウム水溶液の総べての部分が、結晶領域から充分離れた温度−濃度域になるまで、冷熱負荷を掛けながら稀釈運転を行なわねばならない。この稀釈運転に必要な時間は、諸種の条件によって異なるが、7分間ないし20分間を必要とする。従来一般に、上記の稀釈運転が自動的に行なわれるようにシーケンス制御機構が設けられているので、操作者に高度の教育訓練や格別の労力を必要としないが、機械の運転を停止する操作を行なっても7〜20分間を経過しないと全停止しないので不便である。図4は、臭化リチュウム吸収式冷凍機の取扱説明書に示された停止特性の1例を示す図表である。上掲の図表に表されているように、稀釈運転中にも冷凍能力が発揮されるので冷媒の凍結や溶液からの晶出を防止するため、冷熱負荷を掛けていなければならない。 【0009】以上は、臭化リチュウム吸収式冷凍機を急停止することができない(稀釈運転を必要とする)という問題であるが、これと異なる問題として、冷熱負荷(例えばファンコイルユニットの運転)を急激に減少させることができないという制約が有る。臭化リチュウム吸収式冷凍機は、その内部に臭化リチュウム水溶液が循環しつつ冷凍サイクルを構成しているので、その冷却機能は急激には消失しない。このため、冷熱負荷が急激すると臭化リチュウム冷凍機内が過冷状態となり、顕著な現象の一つとしては冷水が凍結してしまう。冷水が凍結すると、人的労力で融解させねばならないので被害が大きい。このため、実際問題としては、冷熱負荷が急激すると安全装置が働いて緊急停止せしめられる。先に述べたように、稀釈運転せずに停止させると溶液中に臭化リチュウムが析出するのであるが、冷水の凍結によって冷水管系の破裂を誘発したり冷水ポンプを破損させたりするとそれこそ大変であるから、被害の程度を軽く済ませるために緊急停止せざるを得ないのである。 【0010】上述したような、負荷の減少に対応し難いという臭化リチュウム吸収式冷凍機の特性に因って、その用途範囲が制約される。図5は、1基の冷凍機と多数のファンコイルユニットとによって構成された冷房設備の3例を示す模式図であって、(A)は工場の各棟にファンコイルユニットを配置した例を、(B)はデパートの各階にファンコイルユニットを配置した例を、(C)は集合住宅の各部屋にファンコイルユニットを配置した例を、それぞれ表している。本図5(A)のように工場冷房するときは、例えば朝8時に全棟一斉に冷房を開始して夕刻5時に一斉に冷房を打ち切るというように稼働し、3個のファンコイルユニット14a〜14cのそれぞれをONしたりOFFしたりすることは無い。このような稼働条件においては臭化リチュウム吸収式冷凍機を用いるに適している。また本図(B)のようなデパート冷房においても、各階のファンコイルユニット14d〜14kは個別にON,OFFされず、開店前に全館一斉に冷房を開始し、閉店時に一斉に冷房停止される。このような稼働条件においても臭化リチュウム吸収式冷凍機が好適である。工場冷房とデパート冷房とには限られないが、コンピュータルーム,ホテル,病院などのように冷房時間が長く、一斉に全館冷房開始・終了する場合は、従来例の臭化リチュウムの吸収式冷凍機が適している。 【0011】上述の全館一斉方式の反対は個別冷房である。本図5(C)のような集合住宅においては、各部屋のそれぞれに家族が居住しており、それぞれの家族は他と異なる独自の生活様式を有しているので、工場やデパートなどのように全館一斉に冷房の開始,終了をする訳にはいかない。各家族が任意に自己の部屋のファンコイルユニットをON,OFF操作したならば、共用の冷凍機15は不規則な冷熱負荷変動を受ける。偶然に、著しい負荷の減少を生じる虞れも少なく無い。従って、負荷の急減に対する順応性の良くない臭化リチュウム吸収式冷凍機は、例えば集合住宅や、オフィスビルや、操業状態の複雑な工場などのように個別冷房を必要とする場合には適していない。本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、冷熱負荷の変動に即時順応することができて、臭化リチュウム水溶液中に結晶を析出したり、冷水が凍結したりする虞れの無い臭化リチュウム吸収式冷凍機の制御技術を提供して、個別冷房方式に対応可能ならしめることにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理を、その実施形態に対応する図2を参照して略述すると次のとおりである。すなわち、臭化リチュウム吸収式冷凍機の冷熱負荷が急激に減少しても、臭化リチュウム結晶の析出や冷水の凍結を生じないようにするため、冷水出口(矢印a)の温度を検出する冷水温度センサ12を設け、この検出温度が、正常温度よりも低い所定温度まで降下するとバーナー2の燃焼を停止し、上記所定温度よりもさらに低い所定温度まで低下すると冷却水ポンプ4の運転を停止し、上記所定温度よりもさらに低い所定温度まで低下すると冷媒ポンプ7を停止する。バーナー2の燃焼停止によって冷熱発生の原動力供給が停止され、冷却水ポンプ4の停止によって冷凍サイクルからの熱搬出が停止されるので、結晶の析出や冷水の凍結が防止される。 【0013】上述の原理に基づいて請求項1に係る発明方法は、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する方法において、定格運転状態における冷水の正常温度をT0とし、T0よりも低い、管理用の温度T1を設定するとともに、上記の温度T1よりもさらに低く、かつ氷点温度よりも高い管理用の温度T2を設定しておき、前記冷水の温度を検知して監視しつつ当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を継続し、冷熱負荷の減少により冷水の温度が降下して温度T1に達したら、前記バーナーの燃焼を停止し、さらに冷水の温度が降下して温度T2に達したら、前記冷却水ポンプの運転を停止し、上記のようにしてバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止した後も、前記冷媒ポンプ、冷水ポンプおよび溶液循環ポンプの運転を継続することを特徴とする。以上に説明した請求項1の発明に係る運転制御方法によると、集合住宅やオフィスビルなどのように冷熱負荷変動の大きい冷房対象に対して臭化リチュウム吸収式冷凍機を適用しても、溶液中に臭化リチュウムの結晶を析出したり、冷水が凍結したりする虞れが無い。すなわち、冷熱負荷が減少したのに冷凍機が作動していると、該冷凍機が過冷してトラブルを誘発するのであるが、本請求項においては冷水温度を検知することによって冷凍機の冷凍能力と冷熱負荷とのバランス状態を監視する。そして、予め設定された温度T1まで降下したとき、先ずバーナーの燃焼を停止する。これにより、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液の加熱が停止されて該溶液から冷媒を蒸発させながら煮詰めるという状態が解消される。(ただし、冷媒の相変化は温度だけで決定されるものではなく、圧力変化の影響も受けるので、臭化リチュウム水溶液からの冷媒蒸発は、燃焼停止のみによって完全には無くならないが、燃焼停止によって著しく抑制され、実用上、冷媒の蒸発は停止する。一方、溶液循環ポンプの運転は継続されるので、臭化リチュウム水溶液の流動循環が引き続いて行なわれ、濃厚な溶液と稀薄な溶液とが混合されて温度−濃度条件が結晶析出領域から遠ざかる。個別冷房における冷熱負荷の変動は不規則であって予測できないので、上述の燃焼停止によって減少した冷凍能力と冷熱負荷とがバランスする場合も有り得るし、さらに冷熱負荷が減少して検出温度がT1よりも降下する場合も充分に有り得る。そこで本請求項では、検出温度がT2まで降下すると冷却水ポンプを停止する。冷却水流の停止によって吸収器および凝縮器が冷されなくなる。すなわち、吸収器で発生した吸収熱や凝縮器で発生した液化潜熱が冷凍サイクルの系外に運び去られなくなり、冷凍サイクルとしての冷凍能力を生じなくなる(残存冷凍能力は存在する)。 【0014】冷却水ポンプの停止後も、冷水ポンプは運転を継続するので、冷水は「冷熱負荷として作用しなくなったファンコイルユニット」と、「冷却能力が著しく衰えた蒸発器」との間を循環流動する。この際、蒸発器内の冷媒の熱容量が残っているが、冷水が循環流動して混合されるので、冷水の凍結という重大トラブルを発生する虞れが無い。 【0015】請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、予め、温度差βを設定しておき(ただし、βは正の数値とする)、冷水の温度が温度T2まで下降してバーナーの燃焼および冷却水ポンプの作動を停止させた状態で、冷熱負荷が増加して冷水の温度が上昇し、該冷水の温度がT2+βに達したとき、バーナーの燃焼を停止したままで冷却水ポンプの作動を再開することを特徴とする。以上に説明した請求項2の発明方法によると、個別冷房における冷熱負荷が不規則に変動して「一時的にバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止していた状態」から再び冷熱負荷が増加傾向となったとき、冷却水ポンプの作動を再開するので、その後に冷熱負荷が増加しても減少しても、ただちに対応できる状態となる。この場合、冷熱負荷が減少したときに冷却水ポンプを停止させる温度に比して、冷熱負荷の微増による冷却水ポンプの運転再開温度をβだけ高くしたので、冷却水ポンプの運転・停止作動の頻度を下げて、制御状態を安定せしめる効果が得られる。 【0016】請求項3に係る発明方法の構成は、前記請求項2の発明の構成要件に加えて、予め、温度差αを設定しておき(ただし、αは正の数値とする)、冷熱負荷の変化に伴ってバーナーの燃焼を停止するとともに冷却水ポンプを作動せしめている状態において、冷熱負荷の増加により冷水の温度が上昇して、該冷水の温度がT1+αに達したとき、バーナーの燃焼を再開して通常の運転状態に復元することを特徴とする。以上に説明した請求項3の発明方法は、前述した請求項2の発明と併せて実施される。そして、一旦減少した冷熱負荷が増加傾向に転じたため前記請求項2の発明によりバーナーの燃焼を停止したままで冷却水ポンプの運転を再開した後、冷熱負荷が増加するか減少するかは予測できなかった。上記の冷熱負荷が再度減少傾向に転じた場合は請求項1の構成に従って冷却水ポンプの運転が再び停止されることになるのであるが、上記の冷熱負荷が引き続き増加傾向を示した場合は本請求項によりバーナーの燃焼を再開することによって正常な運転状態に復する。本請求項の適用によって正常運転に復元した後、再び冷熱負荷が減少した場合は、あらためて請求項1を適用した制御が行なわれることになる。 【0017】請求項4に係る発明方法の構成は前記請求項3の発明方法の構成要件に加えて、予め、前記の温度T2よりも低く氷点温度よりも高い管理用の温度T3を設定しておき、冷熱負荷の減少に伴ってバーナーの燃焼および冷却水ポンプの作動を停止するとともに、冷媒ポンプ、冷水ポンプ、および溶液循環ポンプを継続的に運転している状態において、冷熱負荷がさらに減少し、冷水温度が降下して温度T3に達したとき、冷媒ポンプの運転を停止するとともに、冷水ポンプの運転および溶液循環ポンプの運転を継続することを特徴とする。以上に説明した請求項4の発明方法は請求項1の発明と併せて実施される。冷熱負荷の減少により、請求項1の発明が適用されてバーナーの燃焼および冷却水ポンプの運転が停止された後、さらに冷熱負荷の減少傾向が進行して、「燃焼および冷却水ポンプの停止」に拘らず、冷水温度がさらに降下したとき本請求項によって冷媒ポンプの運転が停止される。冷媒ポンプの運転が停止されると、蒸発器の底部に溜まっている低温の冷媒を汲み上げて冷水の流通している管状部材に注ぎかける動作が行なわれなくなる。このようにして、冷水が流通している管状部材に対して液状の冷媒が直接的に接触しなくなるので、蒸発器の中に低温の冷媒液が存在していても、冷水が冷媒によって冷却されることが無い。 【0018】その上、上述の状態においても冷水ポンプの運転は継続されているので、冷水は循環流動を続ける。従って、循環経路の内の一部分が局部的に過冷されて凍結するというトラブルは発生しない。また、溶液循環ポンプも運転を継続されるので、臭化リチュウム水溶液の濃厚部分と稀薄部分とが良く混合される。従って、濃厚溶液から結晶が析出するというトラブルを発生する虞れも無い。 【0019】請求項5に係る発明方法の構成は、請求項4の発明方法の構成要件に加えて、予め、温度差γを設定しておき(ただし、γは正の数値とする)、冷熱負荷の減少に伴って、バーナーの燃焼および冷却水ポンプの運転並びに冷媒ポンプの運転を停止している状態において、冷熱負荷の増加により冷水の温度が上昇して、該冷水の温度がT3+γに達したとき、冷媒ポンプの運転を再開することを特徴とする。以上に説明した請求項5の発明方法は請求項4の発明方法と併せて用いられる。冷熱負荷の減少による冷水温度の降下傾向が継続して温度T3まで降下したときは請求項4の発明に従って、バーナーの燃焼停止および冷却水ポンプの運転停止に加えて冷媒ポンプの運転も停止される。これによって結晶析出防止および冷水凍結防止が図られるのであるが、個別冷房は冷熱負荷変動を予測できないので、いきなり冷熱負荷が急激に増加する場合も有り得る。本請求項においては、冷熱負荷が緩徐にでも増加傾向を示した場合、冷水の温度上昇によって該傾向を察知し、冷媒ポンプの運転を再開するので、予測し得ない冷熱負荷の増加を生じても直ちに対応し得る準備体勢が整えられる。本請求項を適用した状態においても、冷却水ポンプの運転やバーナーの燃焼は停止したままであるから、冷凍サイクルによる冷却能力はほとんど発揮されない。従って、冷水の凍結や臭化リチュウム結晶の析出といったトラブルを生じる虞れは無い。 【0020】請求項6に係る発明方法の構成は、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する方法において、定格運転状態における冷媒の正常温度をT0′とし、T0′よりも低い、管理用の温度T1′を設定するとともに、上記の温度T1′よりもさらに低い管理用の温度T2′を設定しておき、前記冷媒の温度を検知して監視しつつ当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を継続し、冷熱負荷の減少により冷媒の温度が降下して温度T1′に達したら、前記バーナーの燃焼を停止し、さらに冷媒の温度が降下して温度T2′に達したら、前記冷却水ポンプの運転を停止し、上記のようにしてバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止した後も、前記冷媒ポンプ、冷水ポンプおよび溶液循環ポンプの運転を継続し、その後、冷熱負荷の増加によって冷媒温度が上昇して、温度T2′まで降下していた冷媒温度が、温度T2′よりも昇温してT2′+β′(ただし、β′は予め設定してあった正の数)に達したとき、停止していた冷却水ポンプの運転を再開し、さらに冷熱負荷の増加により冷媒温度が上昇して、温度T1′+α′(ただしα′は予め設定してあった正の数)に達したとき、停止していたバーナーの燃焼を再開して通常の運転状態に復元することを特徴とする。以上に説明した請求項6の発明に係る運転制御方法によると、集合住宅やオフィスビルなどのように冷熱負荷変動の大きい冷房対象に対して臭化リチュウム吸収式冷凍機を適用しても、溶液中に臭化リチュウムの結晶を析出したり、冷水が凍結したりする虞れが無い。すなわち、冷熱負荷が減少したのに冷凍機が作動していると、該冷凍機が過冷してトラブルを誘発するのであるが、本請求項においては冷水温度を検知することによって冷凍機の冷凍能力と冷熱負荷とのバランス状態を監視する。そして、予め設定された温度T1′まで降下したとき、先ずバーナーの燃焼を停止する。これにより、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液の加熱が停止されて該溶液から冷媒を蒸発させながら煮詰めるという状態が解消される。(ただし、冷媒の相変化は温度だけで決定されるものではなく、圧力変化の影響も受けるので、臭化リチュウム水溶液からの冷媒蒸発は、燃焼停止のみによって完全には無くならないが、燃焼停止によって著しく抑制され、実用上、冷媒の蒸発は停止する)。一方、溶液循環ポンプの運転は継続されるので、臭化リチュウム水溶液の流動循環が引き続いて行なわれ、濃厚な溶液と稀薄な溶液とが混合されて温度−濃度条件が結晶析出領域から遠ざかる。個別冷房における冷熱負荷の変動は不規則であって予測できないので、上述の燃焼停止によって減少した冷凍能力と冷熱負荷とがバランスする場合も有り得るし、さらに冷熱負荷が減少して検出温度がT1′よりも降下する場合も充分に有り得る。そこで本請求項では、検出温度がT2′まで降下すると冷却水ポンプを停止する。冷却水流の停止によって吸収器および凝縮器が冷されなくなる。すなわち、吸収器で発生した吸収熱や凝縮器で発生した液化潜熱が冷凍サイクルの系外に運び去られなくなり、冷凍サイクルとしての冷凍能力を生じなくなる(残存冷凍能力は存在する)。 【0021】冷却水ポンプの停止後も、冷水ポンプは運転を継続するので、冷水は「冷熱負荷として作用しなくなったファンコイルユニット」と、「冷却能力が著しく衰えた蒸発器」との間を循環流動する。この際、蒸発器内の冷媒の熱容量が残っているが、冷水が循環流動して混合されるので、冷水の凍結という重大なトラブルを発生する虞れが無い。 【0022】請求項7に係る発明方法の構成は前記請求項6の発明方法の構成要件に加えて、前記の冷媒温度T2′よりも低い、管理用の温度T3′を設定しておき、冷熱負荷の減少により冷媒温度がT2′まで降下して、バーナーの燃焼および冷却水ポンプの運転を停止するとともに、冷媒ポンプおよび冷水ポンプ並びに溶液循環ポンプの運転を継続している状態で、冷熱負荷がさらに減少して冷媒温度が降下し、温度T3′に達したとき冷媒ポンプを停止させ、その後、冷熱負荷が増加して冷媒温度がT3′+γ′まで上昇したとき冷媒ポンプの運転を再開することを特徴とする。以上に説明した請求項7の発明方法によると、請求項6を適用してバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止している状態からさらに冷熱負荷が減少した場合も、臭化リチュウム結晶の析出と冷却水の凍結とをより完全に防止することができる。 【0023】請求項8に係る発明装置の構成は、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する装置において、前記冷水の温度を検出して電気信号を出力する冷水温度センサが設けられるとともに、当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の主要構成器具類の作動を制御する自動制御装置が設けられていて、上記の自動制御装置は、定格運転状態における冷水温度よりも低い、所定の温度T1、および、該温度T1よりも低い所定の温度T2を与えられてこれらを記憶する機能と、前記の温度T1よりも温度差αだけ高い温度T1+α、および前記の温度T2よりも温度差βだけ高い温度T2+βを与えられてこれらを記憶する機能とを有しており、かつ、前記の冷水温度センサの出力信号によって表される温度を、前記のようにして記憶されているT1,T2,T1+α,およびT2+βのそれぞれと比較する演算回路を有していて、冷水温度センサの出力信号によって表される計測値をTとして、T≦T1になるとバーナーの燃焼を停止させ、T≦T2になると冷却水ポンプの運転を停止させ、T≧T2+βになると冷却水ポンプの運転を再開させ、T≧T1+αになるとバーナーの燃焼を再開させて正常な運転状態に復元せしめる機能を有するものであることを特徴とする。以上に説明した請求項8の発明装置を適用すると、前記請求項1ないし請求項3の発明に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法を、自動的に容易に実施して、その効果を充分に発揮せしめることができる。 【0024】請求項9に係る発明装置の構成は、前記請求項8の発明装置の構成要件に加えて、前記の自動制御装置は、前記の温度T2よりも低い温度T3を与えられてこれを記憶する機能を有するとともに、上記の温度T3よりも温度差γだけ高い温度T3+γを与えられてこれを記憶する機能を有しており、かつ、前記冷水温度センサの出力信号によって表される計測値Tと、前記の温度T3およびT3+γのそれぞれとを比較して、T≦T3になると冷媒ポンプの運転を停止させ、T≧T3+γになると冷媒ポンプの運転を再開せしめる機能を有するものであることを特徴とする。以上に説明した請求項9の発明装置によると、前記請求項4および請求項5の発明に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法を自動的にかつ容易に実施してその効果を充分に発揮せしめることができる。 【0025】請求項10に係る発明装置の構成は、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液を加熱して冷媒蒸気を発生させるバーナーと、該高温再生器で発生した冷媒蒸気を冷却して液化させる凝縮器と、上記の凝縮器および後述する吸収器に冷却水を循環供給する冷却水ポンプと、前記凝縮器で液化した冷媒を蒸発させて冷水を降温させる蒸発器と、上記蒸発器に対して冷水を循環供給する冷水ポンプと、上記蒸発器の中で冷媒を循環させて該蒸発器内の上部空間にシャワー状に噴射する冷媒ポンプと、前記高温再生器で冷媒蒸気を発生せしめることによって濃縮された臭化リチュウム水溶液に冷媒を吸収させて稀釈する吸収器と、稀釈された臭化リチュウム水溶液を吸入吐出して溶液熱交換器を経て高温再生器および低温再生器に循環供給する溶液循環ポンプとを具備していて、前記の蒸発器内を流通して冷却された冷水が、前記冷水ポンプによって多数のファンコイルユニットに循環供給される構造の臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御する装置において、前記冷媒の温度を検出して電気信号を出力する冷媒温度センサが設けられるとともに、当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の主要構成器具類の作動を制御する自動制御装置が設けられていて、上記の自動制御装置は、定格運転状態における冷媒温度よりも低い、所定の温度T1′、および、該温度T1′よりも低い所定の温度T2′を与えられてこれらを記憶する機能と、前記の温度T1′よりも温度差α′だけ高い温度T1′+α′、および前記の温度T2′よりも温度差β′だけ高い温度T2′+β′を与えられてこれらを記憶する機能とを有しており、かつ、前記の冷媒温度センサの出力信号によって表される温度を、前記のようにして記憶されているT1′,T2′,T1′+α′,およびT2′+β′のそれぞれと比較する演算回路を有していて、冷媒温度センサの出力信号によって表される計測値をT′として、T′≦T1′になるとバーナーの燃焼を停止させ、T′≦T2′になると冷却水ポンプの運転を停止させ、T′≧T2′+β′になると冷却水ポンプの運転を再開させ、T′≧T1′+α′になるとバーナーの燃焼を再開させて正常な運転状態に復元せしめる機能を有するものであることを特徴とする。以上に説明した請求項10の発明装置によると、前記請求項6に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の制御方法を自動的にかつ容易に実施して、その効果を充分に発揮せしめることができる。 【0026】請求項11に係る発明装置の構成は、前記請求項10の発明の構成要件に加えて、前記の自動制御装置が、前記の温度T2′よりも低い温度T3′を与えられてこれを記憶する機能を有するとともに、上記の温度T3′よりも温度差γ′だけ高い温度T3′+γ′を与えられてこれを記憶する機能を有しており、かつ、前記冷媒温度センサの出力信号によって表される計測値T′と、前記の温度T3′およびT3′+γ′のそれぞれとを比較して、T′≦T3′になると冷媒ポンプの運転を停止させ、T′≧T3′+γ′にると冷媒ポンプの運転を再開せしめる機能を有するものであることを特徴とする。以上に説明した請求項11の発明装置によると、前記請求項7に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法を自動的にかつ容易に実施して、その効果を充分に発揮せしめることができる。 【0027】 【発明の実施の形態】図2は、本発明に係る運転制御装置を設けた臭化リチュウム吸収式冷凍機の実施形態を示す系統図である。本実施形態は、前掲の図3に示した従来例の臭化リチュウム吸収式冷凍機に本発明を適用して改良した1例であって、図3(従来例)と同様の符号を付したものは同様ないし類似の構成部材である。次に、従来例(図3)と異なる点について述べる。CPUは、当該臭化リチュウム吸収式冷凍機の全体を自動運転するように構成された自動制御装置であるが、本実施形態においては該CPUの中に負荷変動対応制御部が設けられている。そして、本図2に実線で描いた部材によって構成されている冷凍サイクルの冷凍能力と、冷熱負荷であるファンコイルユニット14との熱的バランスを検知するために、冷水出口部に冷水温度センサ12が設けられている。上記冷水温度センサ12の出力信号は、前記の負荷対応制御部に入力される。該負荷対応制御部は、予め与えられたプログラムに従って、冷水温度に基づいて比較演算を行ない。バーナー2の燃焼を制御している燃料弁2a、冷却水ポンプ4、および冷媒ポンプ7の運転を制御する。念のため、本発明において冷凍ポンプとは、先に述べたように蒸発器5内で冷媒を循環させるスプレー用のポンプである)。上記と異なる実施例として、前記の冷水温度センサ12に代えて、蒸発器5内の冷媒温度を検出する冷媒温度センサ13を設けても良い。該冷媒温度センサ13の出力信号は、前記の負荷変動制御部に入力される。 【0028】図1は、本発明の実施形態(2例)について、その作動を説明するために示した図表であって、(A)は横軸に時間をとって冷水の温度変化および冷媒の温度変化を表した曲線図表、(B)は上記曲線図表と時間軸を共用して、バーナー、冷却水ポンプ、冷媒ポンプ、冷水ポンプ、および溶液循環ポンプの作動状態を表すON,OFF図表である。(図1および図2を併せて参照)。先ず、図1(A)に実線で表した冷水温度に着目する。T0は、定常運転状態における正常な温度を表している。冷熱負荷が減少すると、冷水温度カーブは下降し始める。本例では時刻t1で、予め設定された温度T1まで降下した。ここに、上記の温度T1は、T0>T1>T2>T3>冷水の氷点温度 となるように設定されている。冷水温度がT1になると(時刻t1)、バーナー2の燃料弁2aを閉じて燃焼を停止する。これにより、高温再生器1内で臭化リチュウム水溶液が煮詰められる現象は停止し、しかも溶液循環ポンプ8は作動を続けているので、臭化リチュウム水溶液循環流路中の濃厚部分と稀薄部分とが混合され、臭化リチュウム結晶の析出が防止される。前記の数値T1,T2,T3は、負荷変動対応制御部に記憶されていて、図1(B)に示される制御操作は該負荷変動対応制御部によって行なわれる。 【0029】個別冷房における冷熱負荷の変動は複雑であって予測困難である。本例においては前記の時刻t1以後も冷熱負荷が減少して、冷水温度が降下し、時刻t2で前記の設定温度T2に達した。この時点で、冷却水ポンプ4の運転が停止される。ただし本発明においてポンプの運転を停止するとは、ポンプとしての機能を実質的に発現しないようにすることであって、例えばポンプを回転させながらバイパス弁(図示せず)を開いて液体の圧送を無効ならしめる等の操作も「運転停止」に含まれる。冷却水ポンプ4の停止により、吸収器8および凝縮器3は冷却水の循環供給を受けなくなる。従って、吸収器8で発生する吸収熱が冷凍サイクル系外に運び出されなくなり、凝縮器3で発生する液化潜熱を冷凍サイクル系外に運び出されなくなる。このため、吸収器8および凝縮器3は本来の機能を果たさなくなって、冷凍サイクルの機能は著しく衰える(熱容量を有する低温材料によって、冷水を冷却する能力が若干残存しているが、新たな冷却能の発生はほとんど消滅することになる。次いで、冷水温度が時刻t3に達したとき、冷水温度がT3まで降下して、冷媒ポンプ7の運転が停止される。上記の温度T3は氷点温度よりも高く設定されているので、この温度で冷水が凍結する虞れは無い。図2から理解されるように、冷媒ポンプ7が停止すると、冷水を循環させている伝熱管に対して液状の冷媒が注ぎ掛けられなくなり、冷水を凍結せしめる虞れは事実上、完全に消失する。 【0030】上述のようにして、冷熱負荷が予測不能に変化して冷水温度がT3まで降下しても、臭化リチュウム溶液内の結晶析出および冷水の凍結が防止される。しかし、その反面、個別冷房における冷熱負荷は予測不能に上昇する可能性も有しているので、冷熱負荷増加に対して即時順応できる準備を整えておくことも大切である。 【0031】図1(A)において、前記の管理用の温度T1,T2,T3のそれぞれに対して、正の温度差(高温側の温度差)α,β,γを設定しておく。これらの温度差は、大きい値であることを要せず、本実施形態においてはいずれも1°C以内に設定されている。時刻t4で、冷水温度がT3+γまで上昇した。これは冷熱負荷の微増を意味している。このとき、冷媒ポンプ7の運転を再開して、それ以上の冷熱負荷上昇に即時順応し得る体勢を整える。さらに時刻t5で冷水温度がT2+βまで上昇すると、冷却水ポンプ4の運転を再開し、時刻t6で冷水温度がT1+αに達するとバーナー2の燃焼を再開して正常な運転状態に復元する。前述のように、作動再開の温度は、運転停止の温度に比して温度差α,β,γだけ高く設定されているので、冷水温度の微小変化や温度センサの誤差に対して過敏に反応することなく、安定した自動制御が行なわれる。ここで、温度T3まで冷水が降温して冷媒ポンプ4を停止した後、温度T3+γまで昇温しない場合、溶液中に結晶析出の虞れが無くなれば(例えばタイマーで一定時間の運転を確認すれば)溶液循環ポンプ8は停止ても良い。すなわち、本発明において「ポンプの運転を継続する」とは数分間程度運転すれば足り、その後は停止しても良い。 【0032】次に、図1,図2を併せて参照しつつ、前記と異なる実施形態について説明する。この実施形態を前記実施形態と比較して概要的に述べると、図1(A)に表されているように、冷熱負荷の変化に伴って冷水温度(実線カーブ)が変化する場合、冷媒温度センサ13によって検出される冷媒温度(図1(A)の鎖線カーブ)は、相関関係を保って変化する。この現象を利用することにより、前記実施形態における冷水温度に代えて、冷媒温度を用いて臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転を制御して、同様の効果を奏することができる。時刻t1で、冷媒温度がT1′まで降下するとバーナー2の燃焼を停止し、時刻t2で冷媒温度がT2′まで降下すると冷却水ポンプ4の運転を停止し、時刻t3で冷媒温度がT3′まで降下すると冷媒ポンプ7の運転を停止する。 【0033】そして、冷熱負荷が増加傾向に転じて時刻t4で冷媒温度がT3′+γ′まで上昇すると冷媒ポンプ7の運転を再開し、時刻t5で冷媒温度がT2′+β′まで上昇すると冷却水ポンプ4の運転を再開し、時刻t6で冷媒温度がT1′+α′まで上昇したときバーナー2の燃焼を再開して通常の運転状態に復元する。 【0034】 【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明に係る運転制御方法によると、集合住宅やオフィスビルなどのように冷熱負荷変動の大きい冷房対象に対して臭化リチュウム吸収式冷凍機を適用しても、溶液中に臭化リチュウムの結晶を析出したり、冷水が凍結したりする虞れが無い。すなわち、冷熱負荷が減少したのに冷凍機が作動していると、該冷凍機が過冷してトラブルを誘発するのであるが、本請求項においては冷水温度を検知することによって冷凍機の冷凍能力と冷熱負荷とのバランス状態を監視する。そして、予め設定された温度T1まで降下したとき、先ずバーナーの燃焼を停止する。これにより、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液の加熱が停止されて該溶液から冷媒を蒸発させながら煮詰めるという状態が解消される。(ただし、冷媒の相変化は温度だけで決定されるものではなく、圧力変化の影響も受けるので、臭化リチュウム水溶液からの冷媒蒸発は、燃焼停止のみによって完全には無くならないが、燃焼停止によって著しく抑制され、実用上、冷媒の蒸発は停止する。一方、溶液循環ポンプの運転は継続されるので、臭化リチュウム水溶液の流動循環が引き続いて行なわれ、濃厚な溶液と稀薄な溶液とが混合されて温度−濃度条件が結晶析出領域から遠ざかる。個別冷房における冷熱負荷の変動は不規則であって予測できないので、上述の燃焼停止によって減少した冷凍能力と冷熱負荷とがバランスする場合も有り得るし、さらに冷熱負荷が減少して検出温度がT1よりも降下する場合も充分に有り得る。そこで本請求項では、検出温度がT2まで降下すると冷却水ポンプを停止する。冷却水流の停止によって吸収器および凝縮器が冷されなくなる。すなわち、吸収器で発生した吸収熱や凝縮器で発生した液化潜熱が冷凍サイクルの系外に運び去られなくなり、冷凍サイクルとしての冷凍能力を生じなくなる(残存冷凍能力は存在する)。 【0035】冷却水ポンプの停止後も、冷水ポンプは運転を継続するので、冷水は「冷熱負荷として作用しなくなったファンコイルユニット」と、「冷却能力が著しく衰えた蒸発器」との間を循環流動する。この際、蒸発器内の冷媒の熱容量が残っているが、冷水が循環流動して混合されるので、冷水の凍結という重大トラブルを発生する虞れが無い。 【0036】請求項2の発明方法によると、個別冷房における冷熱負荷が不規則に変動して「一時的にバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止していた状態」から再び冷熱負荷が増加傾向となったとき、冷却水ポンプの作動を再開するので、その後に冷熱負荷が増加しても減少しても、直ちに対応できる状態となる。この場合、冷熱負荷が減少したときに冷却水ポンプを停止させる温度に比して、冷熱負荷の微増による冷却水ポンプの運転再開温度をβだけ高くしたので、冷却水ポンプの運転・停止作動の頻度を下げて、制御状態を安定せしめる効果が得られる。 【0037】請求項3の発明方法は、前述した請求項2の発明と併せて実施される。そして、一旦減少した冷熱負荷が増加傾向に転じたため請求項2の発明によりバーナーの燃焼を停止したままで冷却水ポンプの運転を再開した後、冷熱負荷が増加するか減少するかは予測できなかった。上記の冷熱負荷が再度減少傾向に転じた場合は請求項1の構成に従って冷却水ポンプの運転が再び停止されることになるのであるが、上記の冷熱負荷が引き続き増加傾向を示した場合は本請求項によりバーナーの燃焼を再開することによって正常な運転状態に復する。本請求項の適用によって正常運転に復元した後、再び冷熱負荷が減少した場合は、あらためて請求項1を適用した制御が行なわれることになる。 【0038】請求項4の発明方法は請求項1の発明と併せて実施される。冷熱負荷の減少により、請求項1の発明が適用されてバーナーの燃焼および冷却水ポンプの運転が停止された後、さらに冷熱負荷の減少傾向が進行して、「燃焼および冷却水ポンプの停止」に拘らず、冷水温度がさらに降下したとき本請求項によって冷媒ポンプの運転が停止される。冷媒ポンプの運転が停止されると、蒸発器の底部に溜まっている低温の冷媒を汲み上げて冷水の流通している管状部材に注ぎかける動作が行なわれなくなる。このようにして、冷水が流通している管状部材に対して液状の冷媒が直接的に接触しなくなるので、蒸発器の中に低温の冷媒液が存在していても、冷水が冷媒によって冷却されることが無い。 【0039】その上、上述の状態においても冷水ポンプの運転は継続されているので、冷水は循環流動を続ける。従って、循環経路の内の一部分が局部的に過冷されて凍結するというトラブルは発生しない。また、溶液循環ポンプも運転を継続されるので、臭化リチュウム水溶液の濃厚部分と稀薄部分とが良く混合される。従って、濃厚溶液から結晶が析出するというトラブルを発生する虞れも無い。 【0040】請求項5の発明方法は請求項4の発明方法と併せて用いられる。冷熱負荷の減少による冷水温度の降下傾向が継続して温度T3まで降下したときは請求項4の発明に従って、バーナーの燃焼停止および冷却水ポンプの運転停止に加えて冷媒ポンプの運転も停止される。これによって結晶析出防止および冷水凍結防止が図られるのであるが、個別冷房は冷熱負荷変動を予測できないので、いきなり冷熱負荷が急激に増加する場合も有り得る。本請求項においては、冷熱負荷が緩徐にでも増加傾向を示した場合、冷水の温度上昇によって該傾向を察知し、冷媒ポンプの運転を再開するので、予測し得ない冷熱負荷の増加を生じても直ちに対応し得る準備体勢が整えられる。本請求項を適用した状態においても、冷却水ポンプの運転やバーナーの燃焼は停止したままであるから、冷凍サイクルによる冷却能力はほとんど発揮されない。従って、冷水の凍結や臭化リチュウム結晶の析出といったトラブルを生じる虞れは無い。 【0041】請求項6の発明に係る運転制御方法によると、集合住宅やオフィスビルなどのように冷熱負荷変動の大きい冷房対象に対して臭化リチュウム吸収式冷凍機を適用しても、溶液中に臭化リチュウムの結晶を析出したり、冷水が凍結したりする虞れが無い。すなわち、冷熱負荷が減少したのに冷凍機が作動していると、該冷凍機が過冷してトラブルを誘発するのであるが、本請求項においては冷水温度を検知することによって冷凍機の冷凍能力と冷熱負荷とのバランス状態を監視する。そして、予め設定された温度T1′まで降下したとき、先ずバーナーの燃焼を停止する。これにより、高温再生器内の臭化リチュウム水溶液の加熱が停止されて該溶液から冷媒を蒸発させながら煮詰めるという状態が解消される。(ただし、冷媒の相変化は温度だけで決定されるものではなく、圧力変化の影響も受けるので、臭化リチュウム水溶液からの冷媒蒸発は、燃焼停止のみによって完全には無くならないが、燃焼停止によって著しく抑制され、実用上、冷媒の蒸発は停止する)。一方、溶液循環ポンプの運転は継続されるので、臭化リチュウム水溶液の流動循環が引き続いて行なわれ、濃厚な溶液と稀薄な溶液とが混合されて温度−濃度条件が結晶析出領域から遠ざかる。個別冷房における冷熱負荷の変動は不規則であって予測できないので、上述の燃焼停止によって減少した冷凍能力と冷熱負荷とがバランスする場合も有り得るし、さらに冷熱負荷が減少して検出温度がT1′よりも降下する場合も充分に有り得る。そこで本請求項では、検出温度がT2′まで降下すると冷却水ポンプを停止する。冷却水流の停止によって吸収器および凝縮器が冷されなくなる。すなわち、吸収器で発生した吸収熱や凝縮器で発生した液化潜熱が冷凍サイクルの系外に運び去られなくなり、冷凍サイクルとしての冷凍能力を生じなくなる(残存冷凍能力は存在する)。 【0042】冷却水ポンプの停止後も、冷水ポンプは運転を継続するので、冷水は「冷熱負荷として作用しなくなったファンコイルユニット」と、「冷却能力が著しく衰えた蒸発器」との間を循環流動する。この際、蒸発器内の冷媒の熱容量が残っているが、冷水が循環流動して混合されるので、冷水の凍結という重大なトラブルを発生する虞れが無い。請求項7の発明方法によると、請求項6を適用してバーナーの燃焼と冷却水ポンプの運転とを停止している状態からさらに冷熱負荷が減少した場合も、臭化リチュウム結晶の析出と冷却水の凍結とをより完全に防止することができる。 【0043】請求項8の発明装置を適用すると、前記請求項1ないし請求項3の発明に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法を、自動的に容易に実施して、その効果を充分に発揮せしめることができる。請求項9の発明装置によると、前記請求項4および請求項5の発明に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法を自動的にかつ容易に実施してその効果を充分に発揮せしめることができる。請求項10の発明装置によると、前記請求項6に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の制御方法を自動的にかつ容易に実施して、その効果を充分に発揮せしめることができる。 【0044】請求項11の発明装置によると、前記請求項7に係る臭化リチュウム吸収式冷凍機の運転制御方法を自動的にかつ容易に実施して、その効果を充分に発揮せしめることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391048050 【氏名又は名称】日立ビル施設エンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月11日(1999.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059269 【弁理士】 【氏名又は名称】秋本 正実
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| 【公開番号】 |
特開2000−205692(P2000−205692A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−4502 |
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