| 【発明の名称】 |
吸収冷凍機 |
| 【発明者】 |
【氏名】高畠 修蔵
【氏名】中島 邦彦
【氏名】斉藤 健一
【氏名】大田 益臣
【氏名】荒井 英治
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| 【要約】 |
【課題】ボイラの機能を充分に活用して冷房出力当たりの燃料消費量の低減化および省エネルギー化を図るとともに、吸収冷凍機全体のコンパクト化および簡易な取り扱いを可能とし得る吸収冷凍機を提供する。
【解決手段】吸収液を、吸収器1から順に低温熱交換器3、低温再生器4、高温熱交換器6、蒸気加熱式高温再生器7、前記高温熱交換器6および低温熱交換器3を経て前記吸収器1に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機において、前記高温熱交換器6と高温再生器7との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラ10と、前記低温再生器4からの濃吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラ10に供給するポンプ5とを備え、前記溶液濃縮ボイラ10は加熱濃縮した吸収液を前記高温再生器7に供給するよう前記高温再生器7と接続される一方、前記溶液濃縮ボイラ10において吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器7に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器7と接続されているものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸収液を、吸収器から順に低温熱交換器、低温再生器、高温熱交換器、蒸気加熱式高温再生器、前記高温熱交換器および低温熱交換器を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機において、前記高温熱交換器と高温再生器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記低温再生器からの中間吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段とを備え、前記溶液濃縮ボイラは、加熱濃縮した吸収液を前記高温再生器に供給するよう前記高温再生器と接続される一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続されていることを特徴とする吸収冷凍機。 【請求項2】 溶液濃縮ボイラの出口側から高温再生器に供給される供給吸収液を加熱源とする第1熱交換器を備え、高温熱交換器から供給される中間吸収液が、前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第1熱交換器において前記溶液濃縮ボイラからの供給吸収液との間で互いに熱交換されるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の吸収冷凍機。 【請求項3】 溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする第2熱交換器を備え、高温熱交換器から供給される中間吸収液が、前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第2熱交換器において前記燃焼排ガスと互いに熱交換されるよう構成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の吸収冷凍機。 【請求項4】 第2熱交換器は溶液濃縮ボイラに付設されたエコノマイザであり、供給吸収液が前記エコノマイザにより加熱されるように構成されてなることを特徴とする請求項3記載の吸収冷凍機。 【請求項5】 低温熱交換器から低温再生器までの間であって吸収液の低温再生器への入口側、および/または溶液濃縮ボイラから高温再生器までの間であって吸収液の高温再生器への入口側に、前記溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器が付設されていることを特徴とする請求項1、2、3まはた4記載の吸収冷凍機。 【請求項6】 低温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、稀吸収液を加熱する第3熱交換器が、低温熱交換器とパラレルにまたは低温熱交換器の供給吸収液の出口側においてシリーズに配設されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の吸収冷凍機。 【請求項7】 高温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、中間吸収液を加熱する第4熱交換器が、高温熱交換器にパラレルにまたは高温熱交換器の供給吸収液の出口側においてシリーズに配設されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の吸収冷凍機。 【請求項8】 中間吸収液の一部を中間液供給手段の手前側から高温熱交換器と低温熱交換器との間の吸収液戻りラインにバイパスさせてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の吸収冷凍機。 【請求項9】 吸収器と蒸発器との組合せを複数個設け、冷水、冷却水および吸収液を前記複数個の組合せにシリーズに供給してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の吸収冷凍機。 【請求項10】 吸収器と蒸発器との組合せを複数個設け、冷水および吸収液を前記複数個の組合せにシリーズに供給し、冷却水を前記複数個の組合せにパラレルに供給してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の吸収冷凍機。 【請求項11】 冷却水が凝縮器から吸収器へ供給されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の吸収冷凍機。 【請求項12】 溶液濃縮ボイラが貫流ボイラであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の吸収冷凍機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は吸収冷凍機に関する。さらに詳しくは、いわゆるリバースサイクル形の蒸気式二重効用吸収冷凍機に対し、溶液濃縮ボイラを組み合わせて一体化した吸収冷凍機に関する。ここに、吸収冷凍機には吸収冷温水機も含むものとする。 【0002】 【従来の技術】従来より、蒸気式二重効用吸収冷凍機として、図7に例示したようなものが知られている。このものは、吸収液が吸収器aから低温再生器cを経て高温再生器eに流されるというリバースサイクルを構成している。このものにおける吸収サイクルを説明すると、まず、吸収器aで多量の冷媒蒸気を吸収して濃度が薄められた吸収液(稀吸収液)が吸収器aから低温熱交換器bに送給され、この低温熱交換器bにより加熱された後に低温再生器cに送給される。前記稀吸収液は、この低温再生器cにおいて低温再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がその分高くなって中間濃度の吸収液(中間吸収液)となる。次に、この中間吸収液は、低温再生器cから高温熱交換器dに送給され、この高温熱交換器dにより加熱された後に高温再生器eに送給される。 【0003】前記中間吸収液は、この高温再生器eにおいて高温再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がさらに高くなって高濃度の吸収液(濃吸収液)となる。そして、この濃吸収液が前記高温熱交換器dの加熱側に対し前記中間吸収液を加熱する加熱源として戻され、さらに、低温熱交換器bの加熱側に対し前記稀吸収液を加熱する加熱源として戻された後、前記吸収器aに帰還される。この帰還された濃吸収液は吸収器aにおいて散布され、冷却水により冷却されながら再び冷媒蒸気を吸収して前記稀吸収液となる。 【0004】このような蒸気式二重効用吸収冷凍機においては、前記高温再生器eには蒸気ボイラfから高温の蒸気が加熱源として供給されるようになっており、この蒸気により中間吸収液が加熱されて吸収していた冷媒を放出するようにされ、この放出された冷媒蒸気は、低温再生器cに対しこの低温再生器cでの加熱源として利用された後、凝縮器gに戻されて凝縮される。 【0005】ところが、かかる蒸気ボイラfを組合わせた蒸気式吸収冷凍機においては、以下のような不都合がある。 【0006】蒸気ボイラfはそれ自体が大型であり吸収冷凍機全体の大型化を招くことになる。しかも、その蒸気ボイラfを運転させるには吸収冷凍機の系とは別の系の給水、加熱後の蒸気ドレンの回収、および薬品の注入等が必要になるなど省エネルギーの要請に反する上に、それらのための付随設備が必要になり前記の大型化を助長している。しかるに、前記蒸気ボイラfが吸収冷凍機に対し貢献するのは単に加熱源を供給するという役割をのみ果たすに止まっており、蒸気ボイラfでの燃焼のための燃料消費に見合う効果を充分に得ているとは言い難い。その上、法規制上も、取り扱い者として所定の有資格者や検査等が必要になるという煩わしさを伴うものとなる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、ボイラの機能を充分に活用して冷房出力当たりの燃料消費量の低減および省エネルギーを図るとともに、吸収冷凍機全体のコンパクト化および簡易な取り扱いを可能とし得る吸収冷凍機を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の吸収冷凍機は、吸収液を、吸収器から順に低温熱交換器、低温再生器、高温熱交換器、蒸気加熱式高温再生器、前記高温熱交換器および低温熱交換器を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機において、前記高温熱交換器と高温再生器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記低温再生器からの中間吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段とを備え、前記溶液濃縮ボイラは、加熱濃縮した吸収液を前記高温再生器に供給するよう前記高温再生器と接続される一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続されていることを特徴とする。 【0009】本発明の吸収冷凍機においては、溶液濃縮ボイラの出口側から高温再生器に供給される供給吸収液を加熱源とする第1熱交換器を備え、高温熱交換器から供給される中間吸収液が、前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第1熱交換器において前記溶液濃縮ボイラからの供給吸収液との間で互いに熱交換されるように構成されていてもよい。 【0010】また、本発明の吸収冷凍機においては、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする第2熱交換器を備え、高温熱交換器から供給される中間吸収液が、前記溶液濃縮ボイラへの導入前に前記第2熱交換器において前記燃焼排ガスと互いに熱交換されるよう構成されていてもよい。 【0011】さらに、本発明の吸収冷凍機においては、第2熱交換器は溶液濃縮ボイラに付設されたエコノマイザであり、供給吸収液は前記エコノマイザに対し貫流されるように構成されていてもよい。 【0012】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、低温熱交換器から低温再生器までの間であって吸収液の低温再生器への入口側、および/または溶液濃縮ボイラから高温再生器までの間であって吸収液の高温再生器への入口側に、前記溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器が付設されていてもよい。 【0013】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、低温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、稀吸収液を加熱する第3熱交換器が、低温熱交換器にパラレルにまたは低温熱交換器の吸収液の出口側にシリーズに配設されていてもよい。 【0014】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、高温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、中間吸収液を加熱する第4熱交換器が、高温熱交換器にパラレルにまたは高温熱交換器の吸収液の出口側にシリーズに配設されていてもよい。 【0015】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、吸収液の一部を中間液供給手段の手前側から高温熱交換器と低温熱交換器との間の吸収液戻りラインにバイパスさせられていてもよい。 【0016】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、吸収器と蒸発器との組合せを複数個設け、冷水、冷却水および吸収液を、前記複数個の組合せにシリーズに供給してもよく、あるいは吸収器と蒸発器との組合せを複数個設け、冷水および吸収液を前記複数個の組合せにシリーズに供給し、冷却水を前記複数個の組合せにパラレルに供給してもよい。 【0017】さらにまた、本発明の吸収冷凍機においては、冷却水が凝縮器から吸収器へ流されてもよい。 【0018】なお、本発明の吸収冷凍機においては、溶液濃縮ボイラが貫流ボイラであるのが好ましい。 【0019】 【作用】本発明の吸収冷凍機は、前記の如く構成されているので、ボイラに特段の給水設備を設ける必要がないとともに、蒸気ドレンの回収も不要となる。また、そのため薬注設備なども不要となるので、ボイラが小型化される。その結果、吸収冷凍機にボイラを一体化できる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。 【0021】本発明は、ボイラに対し給水する代わりに吸収液を供給し、そのボイラを吸収液の濃縮に直接利用して冷房出力当たりの燃料消費量の低減化を図る一方、その結果として放出される冷媒蒸気を高温再生器等の加熱源として利用することを基本とするものである。 【0022】具体的には、本発明は、吸収液を、吸収器から順に低温熱交換器、低温再生器、高温熱交換器、蒸気加熱式高温再生器、前記高温熱交換器および低温熱交換器を経て前記吸収器に戻るよう循環させる蒸気式吸収冷凍機を前提とし、前記高温熱交換器と高温再生器との間に介装されて吸収液を加熱濃縮する溶液濃縮ボイラと、前記低温再生器からの中間吸収液の一部または全てを抽出して前記溶液濃縮ボイラに供給する供給手段、例えばポンプとを備えるものであって、前記溶液濃縮ボイラを、加熱濃縮した吸収液を前記高温再生器に供給するよう前記高温再生器と接続する一方、前記溶液濃縮ボイラにおいて吸収液から蒸発した冷媒蒸気を前記高温再生器に対し加熱源として供給するよう前記高温再生器と接続してなるものである。 【0023】ここで、「溶液濃縮ボイラ」としては、燃料の燃焼により中間吸収液を加熱させる機能、その加熱により吸収している冷媒を冷媒蒸気として放出させる機能、および中間吸収液の加熱の際の内圧に耐えうる機能を備えるものであればよい。本発明の場合には、低温再生器により低温再生された中間吸収液が中間液ポンプにより溶液濃縮ボイラに対し送給され、この溶液濃縮ボイラによって濃縮される。この濃縮された吸収液、つまり高加熱された吸収液は、高温再生吸収冷凍機に供給されて高温再生されて高濃度吸収液となる。そして、この高濃度吸収液は、高温熱交換器の加熱源、ついで低温熱交換器の加熱源として戻されることになる。その一方、前記溶液濃縮ボイラにおいては、吸収液の濃縮の際に冷媒が冷媒蒸気として放出され、その冷媒蒸気が前記高温再生器の加熱源として供給されることになる。その結果、高温再生器での高温再生もより効率的に行われることになる。 【0024】このように、吸収冷凍機に対し溶液濃縮ボイラを組合わせることにより、全体として冷房出力当たりの燃料消費量の可及的な低減化が図られると同時に、省エネルギー・省資源も図ることが可能になる。このような作用は、定性的には、溶液濃縮ボイラに対し供給される、低温再生器からの中間吸収液の量の大小の如何に拘わらず得ることができる。 【0025】その上、本発明では、従来の蒸気ボイラの如く給水、薬品注入および蒸気ドレン回収等が不要になるため、それらに対応する設備も不要になり吸収冷凍機全体のコンパクト化が図られる上に、それらに要するエネルギーも不要となってより大きな省エネルギー・省資源が図られる。 【0026】また、本発明においては、熱効率の向上を図る点、主として溶液濃縮ボイラのボイラ効率向上を図る点より、以下の構成を付加してもよい。 【0027】すなわち、溶液濃縮ボイラに対し高温熱交換器から供給される供給吸収液(中間吸収液)と、前記溶液濃縮ボイラから高温再生器に供給される供給吸収液(濃吸収液)との間で互いに熱交換させる第1熱交換器を備えるようにしてもよい。この場合には、第1熱交換器において高加熱された供給吸収液(濃吸収液)からの熱を受けて供給吸収液(中間吸収液)が昇温され、この昇温された供給吸収液(中間吸収液)が溶液濃縮ボイラに対し導入されることになるため、前記熱交換器のない場合と比べボイラ効率の増大化が図られることになる。また、前記溶液濃縮ボイラに対し高温熱交換器から供給される供給吸収液(中間吸収液)と、前記溶液濃縮ボイラから排出される燃焼排ガスとの間で互いに熱交換させる第2熱交換器を備えるようにしてもよい。 【0028】この第2熱交換器としては、例えば溶液濃縮ボイラに付設したエコノマイザにより構成し、このエコノマイザに対し前記供給吸収液(中間吸収液)を貫流させるようにすればよい。このような第2熱交換器を設けた場合にも、第2熱交換器において昇温された状態の供給吸収液(中間吸収液)が溶液濃縮ボイラに導入されることになるため、前記第2熱交換器のない場合と比べボイラ効率の増大化が図られることになる。その上、この場合には、前記供給吸収液(中間吸収液)の昇温が溶液濃縮ボイラ自身の燃焼排ガスを熱源として行われるため、省エネルギーおよび省資源も図ることが可能になる。 【0029】さらに、主として省エネルギーの観点より以下の構成を付加してもよい。 【0030】その第1として、低温熱交換器から低温再生器までの間であって吸収液の低温再生器への入口側の位置、および/または高温熱交換器から高温再生器までの間であって吸収液の高温再生器への入口側の位置に、溶液濃縮ボイラの燃焼排ガスを加熱源とする補助再生器(熱交換器)を付設してもよい。この場合には、外部から加熱する必要のある冷房出力当たりの加熱熱量の一部を燃焼排ガスにより賄えるため、前記加熱熱量を前記補助再生器のない場合に比べ低減化することが可能になり、省エネルギーが図られる。 【0031】その第2として、低温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、稀吸収液を加熱する第3熱交換器が、低温熱交換器にパラレルにまたは低温熱交換器の稀吸収液の出口側にシリーズに付設されてもよい。この場合には、外部から加熱する必要のある冷房出力当たりの加熱熱量の一部を冷媒ドレンにより賄えるため、前記加熱熱量を前記第3熱交換器のない場合に比べ低減することが可能になり、省エネルギーが図られる。 【0032】その第3として、高温再生器の冷媒ドレンを加熱源とする、中間吸収液を加熱する第4熱交換器が、高温熱交換器にパラレルにまたは高温熱交換器の中間吸収液の出口側にシリーズに付設されてもよい。この場合には、外部から加熱する必要のある冷房出力当たりの加熱熱量の一部を冷媒ドレンにより賄えるため、前記加熱熱量を前記第4熱交換器のない場合に比べ低減することが可能になり、省エネルギーが図られる。 【0033】その第4として、中間吸収液の一部を中間液ポンプ(中間液供給手段)の手前側から高温熱交換器と低温熱交換器との間の吸収液戻りラインにバイパスさせてもよい。この場合には、より高温側へ供給される臭化リチウム量を減少させることができるので、高温側で発生する熱損失量が低減されて熱効率の向上が図られるとともに、吸収器へ戻る吸収液の量が多くなり、ポンプのキャビテーション防止および騒音の低下も達成される。 【0034】その第5として、吸収器と蒸発器との組合せを複数個設け、冷水、冷却水および吸収液を、前記複数個の組合せにシリーズに供給してもよく、あるいは吸収器と蒸発器との組合せを複数個設け、冷水および吸収液を前記複数個の組合せにシリーズに供給し、冷却水を前記複数個の組合せにパラレルに供給してもよい。この場合には、吸収器の器内圧力および蒸発器の器内圧力をグループ毎に段階的に変えることができ、それにより従来以上に希薄な吸収液濃度領域における利用が可能となり、効率が向上するとともに高温再生器および熱交換器を大幅に小型化できる。その結果、吸収冷凍機の小型化が達成される。 【0035】その第6として、冷却水が凝縮器から吸収器へ流されてもよい。この場合には、複数個の再生器を有する吸収冷凍機の欠点である高温再生系、あるいはボイラ系における温度上昇および圧力上昇を比較的小さく抑えることができる。すなわち、凝縮器の温度および圧力が低下し、それにより低温再生器の温度が下がり、それにより高温再生器の温度が下がり、それによりボイラ系の温度および圧力が下がる。 【0036】なお、本発明においては取り扱いの簡易化の観点より、前記の溶液濃縮ボイラとして貫流ボイラを用いるようにしてもよい。この場合には、ボイラ内での吸収液保有量が低減されるため、吸収液の全体量の低減化が図られ、これに伴い、吸収液のリチウムが高価であるためコストの低減化をも図ることが可能になる。さらに、伝熱面積が10m2以下の場合には小型ボイラ、5m2以下の場合には簡易ボイラとされるため、取り扱いに際し資格者および設置許可がそれぞれ不要となる上に、検査等の規制が緩和されることになる。 【0037】 【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明を実施例に基づいて説明する。 【0038】実施例1本発明の実施例1に係る吸収冷凍機を図1に示す。この実施例1は、吸収器1、ポンプ(稀液ポンプ)2、低温熱交換器3、低温再生器4、ポンプ(中間液ポンプ)5、高温熱交換器6、高温再生器7、凝縮器8および蒸発器9からなるリバースサイクル式の二重効用吸収冷凍機に対し、溶液濃縮ボイラとしての貫流ボイラ10を組み合わせたものである。すなわち、この実施例1は、前記二重効用吸収冷凍機と、溶液濃縮ボイラ10とを吸収液による冷凍サイクルの中に組み込んだ状態で一体化したものである。そして、この実施例1では、前記溶液濃縮ボイラ10に加え、補助再生器11,12、第1熱交換器としての付加熱交換器14、および第2熱交換器としてのエコノマイザ15等を付加している。なお、図1において実線に付した矢印は吸収液もしくは冷媒の流れ方向を示し、破線に付した矢印は冷媒蒸気の流れ方向を示す。 【0039】吸収液の循環サイクルについて順に説明すると、まず、吸収器1で多量の冷媒蒸気を吸収して濃度が薄められた稀吸収液が、稀液ポンプ2によって吸収器1から低温熱交換器3に送給され、この低温熱交換器3により加熱された後に低温再生器4に送給される。この稀吸収液は、低温再生器4に導入される前に、後述する補助再生器11によってさらに加熱され、この加熱された状態で前記低温再生器4内に導入されるようになっている。そして、前記稀吸収液は、この低温再生器4において低温再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がその分高くなって中間濃度の中間吸収液となる。 【0040】次に、この中間吸収液は、低温再生器4から中間液ポンプ5によって高温熱交換器6に送給され、この高温熱交換器6により加熱された後に溶液濃縮ボイラ10に送給されるがその前に、まず付加熱交換器14により加熱され、ついでエコノマイザ15により加熱されるようにされている。すなわち、前記付加熱交換器14では、前記中間液ポンプ5により送給される中間吸収液が、前記貫流ボイラ10により濃縮された後に高温再生器7に供給される濃吸収液と熱交換されて加熱されることになる。また、前記エコノマイザ15では、前記付加熱交換器14により加熱された中間吸収液が、貫流ボイラ10から排出される燃焼排ガスと熱交換されてさらに加熱されることになる。 【0041】前記付加熱交換器14において中間吸収液を加熱した濃吸収液は、高温再生器7に導入される前に、前記低温再生器4への導入前と同様に、補助再生器12によってさらに加熱され、この加熱された状態で前記高温再生器7内に導入されるようになっている。前記濃吸収液は、この高温再生器7において高温再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がさらに高くなって高濃度の濃吸収液(高濃吸収液)となる。 【0042】前記高濃吸収液は、まず高温熱交換器6の加熱側に通されて前記中間吸収液を加熱し、ついで低温熱交換器3の加熱側に通されて前記稀吸収液を加熱し、しかる後、吸収器1に戻される。この吸収器1において、戻された高濃吸収液は散布されて冷却水により冷却されながら、蒸発器9から供給される冷媒蒸気を多量に吸収して再び稀吸収液となる。 【0043】一方、前記貫流ボイラ10において蒸発した冷媒蒸気は、配管16を通して高温再生器7に対し蒸気加熱源として送られ、高温再生器7での濃吸収液の高温再生に利用される。そして、この高温再生器7で利用された後の冷媒蒸気は配管19に合流される。また、前記高温再生器7にて放出された冷媒蒸気は、低温再生器4に対し加熱源として送られることになる。しかして、この加熱に利用された冷媒蒸気は配管19に合流して凝縮器8に送られ、冷却水により凝縮されて冷媒となる。 【0044】前記貫流ボイラ10から排出される燃焼排ガスは、エコノマイザ15を通された後、二つの補助再生器11,12に対し加熱源として送られるようになっている。この二つの補助再生器11,12に対しては、前記燃焼排ガスをまず補助再生器12に、その次に補助再生器11にというようにシリーズに供給するようにしてもよいし、前記燃焼排ガスを両補助再生器11,12に対しパラレルに供給するようにしてもよい。 【0045】実施例2本発明の実施例2は実施例1を改変したものであって、図2に示すように、低温熱交換器3とパラレルに低温再生器4からの冷媒ドレンにより稀吸収液を加熱する第2低温熱交換器21を付設し、かつ、高温熱交換器6とパラレルに高温再生器7からの冷媒ドレンにより中間吸収液を加熱する第2高温熱交換器31を付設してなるものである。 【0046】なお、図示例においては、第2低温熱交換器21および第2高温熱交換器31は、それぞれ低温熱交換器3および高温熱交換器6にパラレルに配設されているが、第2低温熱交換器21は低温熱交換器3の稀吸収液出口側において低温熱交換器3とシリーズに配設されてもよく、また第2高温熱交換器31は高温熱交換器6の中間液出口側において高温熱交換器6とシリーズに配設されてもよい。 【0047】実施例3本発明の実施例3は、図3に示すように、中間吸収液の一部を中間液ポンプ5により高温熱交換器6に送給し、残部を中間液ポンプ5の吸込み側手前側より配管41により分岐させて低温熱交換器3の加熱側に直接送給するようにしてなるものである。すなわち、配管41により中間液ポンプ5の入口側と低温熱交換器3の加熱側の入口側とを連通させてなるものである。こうすることにより、吸収器に戻る吸収液の量が多くなり、稀液ポンプのキャビテーションの防止および騒音の低下が図られる。なお、分岐部の流量制御は、例えばオリフィス42によりなせばよい。 【0048】実施例4本発明の実施例4は実施例1を改変したものであって、図4に示すように、吸収器1と蒸発器9との組合せを二組とし、すなわち吸収器1と蒸発器9を第1吸収1A器と第1蒸発器9Aとの組からなる第1ブロックAと、第2吸収器1Bと第2蒸発器9Bとの組からなる第2ブロックBとにより構成し、そして冷水および冷却水を第2ブロックBから第1ブロックAに供給する一方、高濃吸収液を第1ブロックAから第2ブロックBにシリーズに供給してなるものである。 【0049】実施例5本発明の実施例5は実施例4を改変したものであって、図5に示すように、吸収器1と蒸発器9との組合せを二組とし、すなわち吸収器1と蒸発器9を第1吸収器1Aと第1蒸発器1Bとの組からなる第1ブロックAと、第2吸収器1Bと第2蒸発器9Bとの組からなる第2ブロックBとにより構成し、そして冷水を第2ブロックBから第1ブロックAに供給し、高濃吸収液を第1ブロックAから第2ブロックBに供給し、冷却水を第1ブロックAおよび第2ブロックBにパラレルに供給してなるものである。 【0050】実施例6本発明の実施例6は実施例1を改変したものであって、図6に示すように、通常とは逆に冷却水を凝縮器8から吸収器1に流すようにしてなるものである。 【0051】以上、本発明を実施形態および実施例に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能である。例えば、実施例5および実施例6においては、吸収器1と蒸発器9との組合せを二組とされているが、三組またはそれ以上とされてもよい。 【0052】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の吸収冷凍機によれば、吸収冷凍機に対し溶液濃縮ボイラを組み合わせて一体化することによって、全体として冷房出力当たりの燃料消費量の可及的な低減を図ることができると同時に、省エネルギーおよび省資源を図ることができ、併せて吸収冷凍機全体のコンパクト化をも図ることができるという優れた効果が得られる。 【0053】また、溶液濃縮ボイラに供給吸収液を導入する際、この供給吸収液に対し、溶液濃縮ボイラでの生成物(濃吸収液)を熱源とする第1熱交換器や、溶液濃縮ボイラからの排出物(燃焼排ガス)を熱源とする第2熱交換器の一方もしくは双方を備えることにより、ボイラ効率の増大化を図ることができる上に、より大きな省エネルギーおよび省資源も達成されるという優れた効果も得られる。 【0054】さらに、低温再生器への吸収液入口側位置、および/または高温再生器への吸収液入口側位置に、溶液濃縮ボイラからの前記排出物を加熱源とする補助再生器を付設することにより、外部から加熱する必要のある冷房出力当たりの加熱熱量を低減させることができ、さらに大きな省エネルギーを図ることができるという優れた効果も得られる。 【0055】その上、前記溶液濃縮ボイラとして貫流ボイラを用いることにより、吸収冷凍機全体のコンパクト化および取り扱いの簡易化に加え、吸収液コストの低減も図ることができるという効果も得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000199887 【氏名又は名称】川重冷熱工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月6日(1999.1.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096839 【弁理士】 【氏名又は名称】曽々木 太郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−205691(P2000−205691A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−974 |
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