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【発明の名称】 吸収式冷凍機
【発明者】 【氏名】府内 秀樹

【氏名】吉井 一寛

【氏名】宮崎 久夫

【要約】 【課題】高温再生器4を2つ有する吸収式冷凍機において、一方の高温再生器からの冷媒蒸気が他方の高温再生器へ導かれた際に、冷媒蒸気が再凝縮したり、吸収液に吸収されて内部ロスを生じるということがないようにする。

【解決手段】吸収器3からの吸収液を流入させる第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気と、第1高温再生器4Aからの吸収液を流入させる第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気との合流場所を、第2高温再生器4B内とする。あるいは、第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気を低温再生器11へ導く第1蒸気配管13Aと、第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気を低温再生器11へ導く第2蒸気配管13Bとが合流する場所とする。あるいは、低温再生器11内とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、および吸収器を有し、前記高温再生器には吸収器からの吸収液を流入させる第1高温再生器と、第1高温再生器からの吸収液を流入させる第2高温再生器があり、これら第1、第2高温再生器からの冷媒蒸気が低温再生器に送られる吸収式冷凍機において、第1高温再生器からの冷媒蒸気を第2高温再生器へ導く第1蒸気配管と、第2高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器に導く第2蒸気配管とを有し、第2高温再生器内で前記両冷媒蒸気が合流することを特徴とする吸収式冷凍機。
【請求項2】 高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、および吸収器を有し、前記高温再生器には吸収器からの吸収液を流入させる第1高温再生器と、第1高温再生器からの吸収液を流入させる第2高温再生器があり、これら第1、第2高温再生器からの冷媒蒸気が低温再生器に送られる吸収式冷凍機において、第1高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第1蒸気配管と、第2高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第2蒸気配管とを有し、前記両蒸気配管は途中で合流する構造を有し、蒸気配管の途中で前記両冷媒蒸気が合流することを特徴とする吸収式冷凍機。
【請求項3】 高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、および吸収器を有し、前記高温再生器には吸収器からの吸収液を流入させる第1高温再生器と、第1高温再生器からの吸収液を流入させる第2高温再生器があり、これら第1、第2高温再生器からの冷媒蒸気が低温再生器に送られる吸収式冷凍機において、第1高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第1蒸気配管と、第2高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第2蒸気配管とを有し、低温再生器で前記両冷媒蒸気が合流することを特徴とする吸収式冷凍機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、吸収式冷凍機に関し、特に、高温再生器を二つ有する吸収式冷凍機の冷媒蒸気を導く蒸気配管の配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図4において、従来の高温再生器を二つ有する吸収式冷凍機を説明する。すなわち、図に示すように、蒸発吸収器胴1に蒸発器2及び吸収器3が収納される。高温再生器4には、吸収器3からの吸収液を流入させる第1高温再生器4Aと、第1高温再生器4Aからの吸収液を流入させる第2高温再生器4Bがある。第1高温再生器4Aには、排気ガスなどから廃熱を得る熱交換器4Cを備える。第2高温再生器4Bには、バーナー5を備える。吸収器3から高温再生器4Aに至る稀吸収液配管6の途中に吸収液ポンプP1、低温熱交換器7及び高温熱交換器8が設けられている。
【0003】また、高温胴10には低温再生器11及び凝縮器12が収納されている。第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気を導く第2蒸気配管13Bは、第1高温再生器4Aに接続され、第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気を導く第1蒸気配管13Aは、低温再生器11に接続される。16は凝縮器12から蒸発器2に至る冷媒液流下管、17は蒸発器2に配管接続された冷媒循環管、P2は冷媒ポンプである。21は蒸発器2に接続された冷水管である。
【0004】そして、22は高温再生器4から高温熱交換器8に至る中間吸収液管、23は高温熱交換器8から低温再生器11に至る中間吸収液である。25は低温再生器11から低温熱交換器7に至る濃吸収液管、26は低温熱交換器7から吸収器3に至る濃吸収液管である。29は冷却水管、30は吸収液の散布装置である。
【0005】上記のように構成した吸収式冷凍機の運転時、吸収器3から流れてきた稀吸収液は第1高温再生器4Aで、廃熱などにより加熱される。この稀吸収液は、例えば臭化リチウム(LiBr)水溶液(界面活性剤を含む)などである吸収液が、水などの冷媒を多く含んだものである。この加熱により、稀吸収液が沸騰し、冷媒蒸気が稀吸収液から分離する。加熱された稀吸収液は、更に、第2高温再生器4Bのバーナー5の燃焼により、加熱される。これによっても、稀吸収液が沸騰し、冷媒蒸気が稀吸収液から分離する。これにより稀吸収液が濃縮され、濃度が中程度の中間吸収液になる。
【0006】第2高温再生器4Bで分離した冷媒蒸気は、第2蒸気配管13Bを通って第1高温再生器4Aへ導かれ、第1高温再生器4Aで分離した冷媒蒸気とここで合流して、第1蒸気配管13Aを経て低温再生器11へ流れ、高温再生器4からの中間吸収液を加熱して凝縮する。加熱された中間吸収液からは、冷媒蒸気が分離する。凝縮した冷媒液は凝縮器12へ流れる。凝縮器12では、低温再生器11で分離した冷媒蒸気が、冷却水管29の冷却水により冷却され凝縮して冷媒液になり、低温再生器11から流れて来た冷媒液と共に、蒸発器2へ流下する。
【0007】蒸発器2では冷媒ポンプP2の運転によって、冷媒液が冷水管21の上に散布される。散布された冷媒は冷水管21の水から熱を奪って気化し、冷媒に気化熱を奪われて冷却され温度が低下した冷水管21の冷水が負荷に供給される。蒸発器2で気化した冷媒蒸気は吸収器3へ流れ、冷却水管29によって冷却され、散布される濃吸収液によく吸収される。この吸収により、冷媒の気化は促進される。
【0008】他方、第1、第2高温再生器4A、4Bで冷媒蒸気が分離して濃度が上昇した中間吸収液は中間吸収液管22、高温熱交換器8、中間吸収液管23を経て低温再生器11へ流れる。この低温再生器11において、中間吸収液は、第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気が内部を流れる加熱器14によって加熱される。そして、中間吸収液から冷媒蒸気が分離して吸収液の濃度はさらに上昇し、濃吸収液になる。
【0009】この濃吸収液は濃吸収液管25へ流入して低温熱交換器7及び濃吸収液管26を経て吸収器3へ流れ、散布装置30から冷却水管29の上に滴下する。そして、冷却水管29によって冷却された濃吸収液は、蒸発器2を経由して入ってくる冷媒蒸気を、よく吸収して冷媒濃度が高くなり、稀吸収液になる。この稀吸収液は、吸収液ポンプP1の駆動力により、低温熱交換器7および高温熱交換器8で予熱され、第1高温再生器4Aに流入する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第2高温再生器4Bから冷媒蒸気を第1高温再生器4Aへ導くと、この冷媒蒸気は、第1高温再生器4Aに流入してくる冷たい吸収液に触れ、あるいは冷たい吸収液により温度が下がった雰囲気や周囲部分に触れる。そして、一部が凝縮し、この吸収液に吸収され、吸収液の濃度を下げてしまい、よって再生器で内部ロスを生じてしまうものであった。この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、高温再生器を二つ有する吸収式冷凍機の内部ロスを無くすことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、第一の発明は、高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、および吸収器を有し、前記高温再生器には吸収器からの吸収液を流入させる第1高温再生器と、第1高温再生器からの吸収液を流入させる第2高温再生器があり、これら第1、第2高温再生器からの冷媒蒸気が低温再生器に送られる吸収式冷凍機において、 第1高温再生器からの冷媒蒸気を第2高温再生器へ導く第1蒸気配管と、第2高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器に導く第2蒸気配管とを有し、第2高温再生器内で前記両冷媒蒸気が合流することを特徴とする吸収式冷凍機である。
【0012】第二の発明は、高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、および吸収器を有し、前記高温再生器には吸収器からの吸収液を流入させる第1高温再生器と、第1高温再生器からの吸収液を流入させる第2高温再生器があり、これら第1、第2高温再生器からの冷媒蒸気が低温再生器に送られる吸収式冷凍機において、第1高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第1蒸気配管と、第2高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第2蒸気配管とを有し、前記両蒸気配管は途中で合流する構造を有し、蒸気配管の途中で前記両冷媒蒸気が合流することを特徴とする吸収式冷凍機である。
【0013】第三の発明は、高温再生器、低温再生器、凝縮器、蒸発器、および吸収器を有し、前記高温再生器には吸収器からの吸収液を流入させる第1高温再生器と、第1高温再生器からの吸収液を流入させる第2高温再生器があり、これら第1、第2高温再生器からの冷媒蒸気が低温再生器に送られる吸収式冷凍機において、第1高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第1蒸気配管と、第2高温再生器からの冷媒蒸気を低温再生器へ導く第2蒸気配管とを有し、低温再生器で前記両冷媒蒸気が合流することを特徴とする吸収式冷凍機である。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の第1実施形態を、図1に示す。なお、従来例の図4と同様の機能を有する部分については同一の符号を付す。すなわち、図1に示すように、蒸発吸収器胴1に蒸発器2及び吸収器3が収納される。高温再生器4には、吸収器3からの吸収液を流入させる第1高温再生器4Aと、第1高温再生器4Aからの吸収液を流入させる第2高温再生器4Bが、いわば直列に設けられる。第1高温再生器4Aには、排気ガスや排水などから廃熱を得る熱交換器4Cを備える。すなわち熱交換器4Cの内部を排気ガスや排水が通り、外部を吸収液が通る。
【0015】また、第2高温再生器4Bには、バーナー5が備えられている。そして、吸収器3から高温再生器4Aに至る稀吸収液配管6の途中には吸収液ポンプP1、低温熱交換器7及び高温熱交換器8が設けられている。
【0016】また、高温胴10には低温再生器11及び凝縮器12が収納されている。そして、第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気を導く第1蒸気配管13Aは、第2高温再生器4Bに接続される。第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気を導く第2蒸気配管13Bは、低温再生器11に接続される。16は凝縮器12から蒸発器2に至る冷媒液流下管、17は蒸発器2に配管接続された冷媒循環管、P2は冷媒ポンプである。21は蒸発器2に接続された冷水管である。
【0017】そして、22は高温再生器4から高温熱交換器8に至る中間吸収液管、23は高温熱交換器8から低温再生器11に至る中間吸収液である。25は低温再生器11から低温熱交換器7に至る濃吸収液管、26は低温熱交換器7から吸収器3に至る濃吸収液管である。29は冷却水管、30は吸収液の散布装置である。
【0018】(実施形態の作用)上記のように構成した吸収式冷凍機の運転時、吸収器3から流れてきた稀吸収液は第1高温再生器4Aで、廃熱などにより加熱される。この稀吸収液は、例えば臭化リチウム(LiBr)水溶液(界面活性剤を含む)などである吸収液が、水などの冷媒を多く含んだものである。この加熱により、稀吸収液が沸騰し、冷媒蒸気が稀吸収液から分離する。加熱された稀吸収液は、更に、第2高温再生器4Bのバーナー5の燃焼により、加熱される。これによっても、稀吸収液が沸騰し、冷媒蒸気が稀吸収液から分離する。これにより稀吸収液が濃縮され、濃度が中程度の中間吸収液になる。
【0019】第1高温再生器4Aで分離した冷媒蒸気は、第1蒸気配管13Aを経て第2高温再生器4Bへ導かれ、第2高温再生器4Bの内部において、第2高温再生器4Bで分離した冷媒蒸気と合流する。この合流した冷媒蒸気は、第2蒸気配管13Bを通って低温再生器11へ流れ、第2高温再生器4Bからの中間吸収液を加熱して凝縮する。加熱された中間吸収液からは、冷媒蒸気が分離する。凝縮した冷媒液は凝縮器12へ流れる。凝縮器12では、低温再生器11で分離した冷媒蒸気が、冷却水管29の冷却水により冷却され凝縮して冷媒液になり、低温再生器11から流れて来た冷媒液と共に、蒸発器2へ流下する。
【0020】蒸発器2では冷媒ポンプP2の運転によって、冷媒液が冷水管21の上に散布される。散布された冷媒は冷水管21の水から熱を奪って気化し、冷媒に気化熱を奪われて冷却され温度が低下した冷水管21の冷水が負荷に供給される。蒸発器2で気化した冷媒蒸気は吸収器3へ流れ、冷却水管29によって冷却され、散布される濃吸収液によく吸収される。この吸収により、冷媒の気化は促進される。
【0021】他方、第1、第2高温再生器4A、4Bで冷媒蒸気が分離して濃度が上昇した中間吸収液は中間吸収液管22、高温熱交換器8、中間吸収液管23を経て低温再生器11へ流れる。この低温再生器11において、中間吸収液は、第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気が内部を流れる加熱器14によって加熱される。そして、中間吸収液から冷媒蒸気が分離して吸収液の濃度はさらに上昇し、濃吸収液になる。
【0022】この濃吸収液は濃吸収液管25へ流入して低温熱交換器7及び濃吸収液管26を経て吸収器3へ流れ、散布装置30から冷却水管29の上に滴下する。そして、冷却水管29によって冷却された濃吸収液は、蒸発器2を経由して入ってくる冷媒蒸気を、よく吸収して冷媒濃度が高くなり、稀吸収液になる。この稀吸収液は、吸収液ポンプP1の駆動力により、低温熱交換器7および高温熱交換器8で予熱され、第1高温再生器4Aに流入する。
【0023】(実施形態の効果)以上の実施形態によれば、第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気は、直接に低温再生器11に導かれる。従って、従来のように第1高温再生器4Aに送られることがないので、第1高温再生器4Aに流入してくる冷たい吸収液に触れたり、あるいは冷たい吸収液により温度が下がった雰囲気や周囲部分に触れたりすることがなく、よって凝縮せず、吸収液に吸収されることがない。
【0024】また、第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気は第2高温再生器4Bに導かれるものの、この第2高温再生器4Bへ流入する吸収液は、既に第1高温再生器4Aで加熱されており、冷たくないので、冷媒蒸気は凝縮しない。しかも、吸収液および冷媒蒸気とも高温なので、吸収は起きにくい。よって、吸収液に吸収され吸収液の濃度を下げてしまことを避けら続きれるので、内部ロスを生じてしまうことがなくなる。
【0025】(他の実施形態)以上の実施形態では、第1高温再生器4Aで分離した冷媒蒸気と第2高温再生器4Bで分離した冷媒蒸気との合流場所は、第2高温再生器4B内であったが、他の実施形態においては、例えば図2に示すように、合流場所は蒸気配管13の途中であっても良い。なお、各実施形態を示す図において同様の機能を有する部分については同一の番号を付す。
【0026】すなわち、図2において、第1高温再生器4Aからの蒸気冷媒を低温再生器11へ導く第1蒸気配管13Aと、第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気を低温再生器11へ導く第2蒸気配管13Bとは途中で合流する構造を有する。このような構造にすることで、両蒸気配管13A、13Bを通る冷媒蒸気は、途中で合流することになる。
【0027】以上の第二実施形態(図2)においては、第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気が従来のように第1高温再生器4Aに送られることがない。また、第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気が第2高温再生器4Bへ送られることもない。したがって、冷媒蒸気が何れかの高温再生器4A、4B内で凝縮したり、吸収液に吸収したりすることがない。したがって吸収液の濃度を下げてしまう事を避けられ、内部ロスを生じてしまうことがなくなる。
【0028】また、他の実施形態においては、合流場所を低温再生器11内とすることも可能である。すなわち図3に示すように、第1高温再生器4Aからの冷媒蒸気を低温再生器11へ導く蒸気配管13Aと、第2高温再生器4Bからの冷媒蒸気を低温再生器11へ導く第2蒸気配管13Bとは、低温再生器11内で合流する。この実施形態においても前記第二実施形態(図2)と同様の作用効果を有する。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、第一、第二、または第三の発明によれば、第2高温再生器からの冷媒蒸気は、従来のように第1高温再生器に送られることがないので、第1高温再生器に流入してくる冷たい吸収液に触たり、あるいは冷たい吸収液により温度が下がった雰囲気や周囲部分に触れたりすることがなく、よって第1高温再生器で凝縮したり、吸収液に吸収されて吸収液の濃度を下げてしまことが避けられるので、内部ロスの発生を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年1月7日(1999.1.7)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2000−205689(P2000−205689A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−1880