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【発明の名称】 極低温冷凍機用コンプレッサ及びそれに使用される電機子コイル
【発明者】 【氏名】森山 毅

【氏名】並木 信也

【氏名】村西 哲

【氏名】小久保 修

【氏名】成吉 郁馬

【氏名】赤間 助広

【氏名】佐藤 敏美

【氏名】生田 義貴

【氏名】金尾 憲一

【氏名】小泉 達雄

【氏名】内田 年雄

【氏名】田口 芳人

【要約】 【課題】小型で効率に優れた極低温冷凍機用コンプレッサを提供する。

【解決手段】一対の環状型永久磁石4a、4bは外筒ヨーク3に軸方向に隔置されて固定され、この外筒ヨーク3は内筒ヨーク5と一体的に構成されている。一対の電機子コイル7は、単一の線材の巻回層により形成され、内筒ヨークと永久磁石間に対向して介在され、内筒ヨーク内で摺動するピストン6に固定されており、その結線部分がコイルボビン内に収容されている。磁気回路は、一対の環状型永久磁石と外筒ヨーク及び内筒ヨークとで形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】外筒ヨークに固定され軸方向に隔置された少なくとも一対の実質的に環状型の永久磁石と、前記外筒ヨークと一体的に構成された内筒ヨークと前記永久磁石間に介在され交流電流を通電することにより前記内筒ヨーク内で摺動するピストンに固定され前記軸方向に往復運動する少なくとも一対の電機子コイルとからなる一対のコンプレッサアッセンブリを対向して配置するとともに、それぞれのコンプレッサアッセンブリにおける磁束の向きが前記一対の電機子コイルの半径方向に対して逆となるように前記一対の環状型永久磁石と前記外筒ヨークと前記内筒ヨークとで磁気回路を形成し、前記一対の電機子コイルの結線部分をコイルボビン内に収容したことを特徴とする極低温冷凍機用コンプレッサ。
【請求項2】内筒ヨークに固定され軸方向に隔置された少なくとも一対の実質的に環状型の永久磁石と、前記内筒ヨークと一体的に構成された外筒ヨークと前記永久磁石間に介在され交流電流を通電することにより前記内筒ヨーク内で摺動するピストンに固定され前記軸方向に往復運動する少なくとも一対の電機子コイルとからなる一対のコンプレッサアッセンブリを対向して配置するとともに、それぞれのコンプレッサアッセンブリにおける磁束の向きが前記一対の電機子コイルの半径方向に対して逆となるように前記一対の環状型永久磁石と前記外筒ヨークと前記内筒ヨークとで磁気回路を形成し、前記一対の電機子コイルの結線部分をコイルボビン内に収容したことを特徴とする極低温冷凍機用コンプレッサ。
【請求項3】内筒ヨークおよび前記内筒ヨークと一体的に構成された外筒ヨークにそれぞれ固定され軸方向に隔置された少なくとも二対の実質的に環状型の永久磁石と、前記外筒ヨークと前記永久磁石間に介在され交流電流を通電することにより前記内筒ヨーク内で摺動するピストンに固定され前記軸方向に往復運動する少なくとも一対の電機子コイルとからなる一対のコンプレッサアッセンブリを対向して配置するとともに、それぞれのコンプレッサアッセンブリにおける磁束の向きが前記一対の電機子コイルの半径方向に対して逆となるように前記一対の環状型永久磁石と前記外筒ヨークと前記内筒ヨークとで磁気回路を形成し、前記一対の電機子コイルの結線部分をコイルボビン内に収容したことを特徴とする極低温冷凍機用コンプレッサ。
【請求項4】前記一対の永久磁石は半径方向に対して互いに逆極となるように配置し、前記一対の永久磁石にそれぞれ対置する1対の電機子コイルは前記軸方向にローレンツ力が発生するように巻線方向/通電方向が決定されることを特徴とする請求項1、2または3記載の極低温冷凍機用コンプレッサ。
【請求項5】前記一対の永久磁石に、前記永久磁石からの磁束を半径方向に並列させるための軸方向に極性が配置された補助磁石を固着させたことを特徴とする請求項1、2または3記載の極低温冷凍機用コンプレッサ。
【請求項6】前記永久磁石に対して電機子コイルは、その所望の有効ストロークに応じて軸方向長さが決定されることを特徴とする請求項1、2または3記載の極低温冷凍機用コンプレッサ。
【請求項7】軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向のいずれか一方の側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)とを備えたコイルボビンと、前記複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、前記隣接するコイル部間を前記溝部(A)を介してコイル端末を溝部(B)から導出するようにしたことを特徴とする電機子コイル。
【請求項8】軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向の両側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)と前記円筒体の内側又は外側に設けられた溝部(C)とを備えたコイルボビンと、前記複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、前記隣接するコイル部間を前記溝部(A)を介してコイル端末を前記溝部(B)及び前記溝部(C)から導出するようにしたことを特徴とする電機子コイル。
【請求項9】軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向のいずれか一方の側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)とを備えたコイルボビンと、前記複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、前記コイル部の巻数を偶数層とするとともに、隣接するコイル部の巻線方向を逆方向に巻回し、前記隣接するコイル部間を前記溝部(A)を介してコイル端末を溝部(B)から導出するようにしたことを特徴とする電機子コイル。
【請求項10】軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向の両側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)と前記円筒体の内側又は外側に設けられた溝部(C)とを備えたコイルボビンと、前記複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、前記コイル部の巻数を奇数層とするとともに、隣接するコイル部の巻線方向を逆方向に巻回し、前記隣接するコイル間を前記溝部(A)を介してコイル端末を前記溝部(B)及び前記溝部(C)から導出するようにしたことを特徴とする電機子コイル。
【請求項11】軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向の両側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)と前記円筒体に設けられたスリット部(D)とを備えたコイルボビンと、前記複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、前記隣接するコイル部間を前記溝部(A)を介してコイル端末を前記溝部(B)及び前記スリット部(D)から導出するようにしたことを特徴とする電機子コイル。
【請求項12】軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)と前記円筒体の外側に設けられ前記溝部から前記円筒体の一端まで軸方向に設けられコイル端末を導出するための溝部(E)とを備えたコイルボビンと、前記複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、前記隣接するコイル部間を前記溝部(A)を介して前記隣接するコイル部のコイル端末を前記溝部(E)から導出するようにしたことを特徴とする電機子コイル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は極低温冷凍機用コンプレッサに係り、特にスターリング冷凍機、パルスチューブ冷凍機等の小型冷凍機に好適する極低温冷凍機用コンプレッサ及びそれに使用される電機子コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、極低温を生成するためのガスサイクル機関として可動コイルを2組設け、これらを互いに対向して往復運動させるように構成したものが知られている。この装置は、ピストン、スリーブ、可動コイルからなる組立系および永久磁石、環状ディスク、軟鉄シリンダ、円形ディスクからなる閉磁気回路をそれぞれ2組設けるとともに、これらを互いに対向して配置し、かつ第1の可動コイルが挿入された第1の間隙の磁界の向きを内径側から外径側へ、第2の可動コイルが挿入された第2の間隙の磁界の向きを内径側から外径側へ向かうように永久磁石を配置した構造を有する。即ち、この装置は対向型単極でそれぞれのVCMは同極である。
【0003】このような構成とすることにより、この装置においては、2つの組立系が互いに同位相、同振幅で逆方向に往復運動することにより、お互い振動を打ち消しあって低振動となり、また、永久磁石をその磁束の方向が第1の間隙と第2の間隙で同じ向きとなるように配置される。また、従来、小型冷凍機に用いられているコンプレッサの構造は、通常1つの円筒状(あるいは分割構造)の永久磁石と1つのコイルにより磁気回路が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた単極VCMを使用したコンプレッサにおいては、駆動電流の方向の変化でコイルから発生するフラックスの向きが変り、推力変動が発生するためコントロールが困難となり、また、駆動電流の大きさでコイルから発生するフラックスの大きさが変り、推力が駆動電流に比例しなくなるためコントロールが困難となり、また駆動電流の周波数が大きくなるにつれ、コイルから発生するフラックスにより、鉄損が生じコンプレッサ効率が悪くなり、またコイルから発生するフラックスがマグネットから発生するフラックスに付加される場合が生ずるため、そのフラックス量も含めてヨークが飽和しないように、そして、単極型の特徴としてヨークの断面積が大きくなる事も考慮し、その断面積を決定する必要がある。即ち、ヨークが飽和している場合には、漏洩磁束が増加して可動部にサイドフォースを与えたり、電流に対する推力の増加が頭打ちになるため、ヨークの断面積を大きくしなけれならず、その結果コンプレッサ自体が大型化するという欠点があった。
【0005】また、2極VCMを使用したコンプレッサにおいては、隣接するコイルの結線部分がコイルボビンから突出するため、磁気回路の総磁束の低下を生じ、効率が低下する。また、結線部分の突出部と永久磁石の切込み部が運転中又は輸送中に噛み込むことによるトラブルが発生するという問題がある。さらに、隣接するコイルの結線部分の半田付け作業が必要となる。
【0006】本発明は、以上の欠点を解消するためになされたもので、多極VCMを使用し小型化が可能で、かつ効率及び熱的に優れた極低温冷凍機用コンプレッサ及びそれに使用される電機子コイルを提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するために、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサは、外筒ヨークに固定され軸方向に隔置された少なくとも一対の実質的に環状型の永久磁石と、外筒ヨークと一体的に構成された内筒ヨークと永久磁石間に介在され交流電流を通電することにより内筒ヨーク内で摺動するピストンに固定され軸方向に往復運動する少なくとも一対の電機子コイルとからなる一対のコンプレッサアッセンブリを対向して配置するとともに、それぞれのコンプレッサアッセンブリにおける磁束の向きが一対の電機子コイルの半径方向に対して逆となるように一対の環状型永久磁石と外筒ヨークと内筒ヨークとで磁気回路を形成し、一対の電機子コイルの結線部分をコイルボビン内に収容して構成される。
【0008】また、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサは、内筒ヨークに固定され軸方向に隔置された少なくとも一対の実質的に環状型の永久磁石と、内筒ヨークと一体的に構成された外筒ヨークと永久磁石間に介在され交流電流を通電することにより内筒ヨーク内で摺動するピストンに固定され軸方向に往復運動する少なくとも一対の電機子コイルとからなる一対のコンプレッサアッセンブリを対向して配置するとともに、それぞれのコンプレッサアッセンブリにおける磁束の向きが一対の電機子コイルの半径方向に対して逆となるように一対の環状型永久磁石と外筒ヨークと内筒ヨークとで磁気回路を形成し、一対の電機子コイルの結線部分をコイルボビン内に収容して構成される。
【0009】また、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサは、内筒ヨークおよび内筒ヨークと一体的に構成された外筒ヨークにそれぞれ固定され軸方向に隔置された少なくとも二対の実質的に環状型の永久磁石と、外筒ヨークと永久磁石間に介在され交流電流を通電することにより内筒ヨーク内で摺動するピストンに固定され軸方向に往復運動する少なくとも一対の電機子コイルとからなる一対のコンプレッサアッセンブリを対向して配置するとともに、それぞれのコンプレッサアッセンブリにおける磁束の向きが一対の電機子コイルの半径方向に対して逆となるように一対の環状型永久磁石と外筒ヨークと内筒ヨークとで磁気回路を形成し、一対の電機子コイルの結線部分をコイルボビン内に収容して構成される。
【0010】この極低温冷凍機用コンプレッサにおいて、一対の永久磁石は半径方向に対して互いに逆極となるように配置され、一対の永久磁石にそれぞれ対置する1対の電機子コイルは軸方向にローレンツ力が発生するように巻線方向/通電方向が決定される。この極低温冷凍機用コンプレッサにおいて、一対の永久磁石に、永久磁石からの磁束を半径方向に並列させるための軸方向に極性が配置された補助磁石が固着されている。
【0011】この極低温冷凍機用コンプレッサにおいて、永久磁石に対して電機子コイルは、その所望の有効ストロークに応じて軸方向長さが決定される。さらに、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサに使用される電機子コイルは、軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向のいずれか一方の側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)とを備えたコイルボビンと、複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、隣接するコイル部間を溝部(A)を介してコイル端末を溝部(B)から導出するようにしたものである。
【0012】また、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサに使用される電機子コイルは、軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向の両側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)と円筒体の内側又は外側に設けられた溝部(C)とを備えたコイルボビンと、複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、隣接するコイル部間を溝部(A)を介してコイル端末を溝部(B)及び溝部(C)から導出するようにしたものである。
【0013】また、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサに使用される電機子コイルは、軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向のいずれか一方の側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)とを備えたコイルボビンと、複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、コイル部の巻数を偶数層とするとともに、隣接するコイル部の巻線方向を逆方向に巻回し、隣接するコイル部間を溝部(A)を介してコイル端末を溝部(B)から導出するようにしたものである。
【0014】また、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサに使用される電機子コイルは、軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向の両側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)と円筒体の内側又は外側に設けられた溝部(C)とを備えたコイルボビンと、複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、コイル部の巻数を奇数層とするとともに、隣接するコイル部の巻線方向を逆方向に巻回し、隣接するコイル間を溝部(A)を介してコイル端末を溝部(B)及び溝部(C)から導出するようにしたものである。
【0015】また、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサに使用される電機子コイルは、軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)とその軸方向の両側に設けられたコイル端末を導出するための溝部(B)と円筒体に設けられたスリット部(D)とを備えたコイルボビンと、複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、隣接するコイル部間を溝部(A)を介してコイル端末を溝部(B)及びスリット部(D)から導出するようにしたものである。
【0016】また、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサに使用される電機子コイルは、軸方向断面において複数の断面凹状の巻線部を有する円筒体と、この円筒体の隣接する巻線部を連通する溝部(A)と円筒体の外側に設けられ溝部から円筒体の一端まで軸方向に設けられコイル端末を導出するための溝部(E)とを備えたコイルボビンと、複数の巻線部に線材を巻回して形成したコイル部とを備え、隣接するコイル部間を溝部(A)を介して隣接するコイル部のコイル端末を溝部(E)から導出するようにしたものである。
【0017】上記のいずれの電機子コイルの場合においても、単一の線材で複数のコイル部を形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明による極低温冷凍機用コンプレッサ及びそれに使用される電機子コイルの好ましい実施の形態について説明する。図1は本発明の極低温冷凍機用コンプレッサの断面を示したもので、1はシリンダ、2はハウジング、3は外筒ヨーク、4は環状型永久磁石、5はシリンダ1によって構成される内筒ヨーク、6はピストン、7は電機子コイルである。
【0019】ハウジング2にはフリーディスプレーサ12が収容され、ピストン6の作動によりピストンと同じ周波数で、かつ異なる位相で往復運動する点は従来の装置と同様である。一対の環状型永久磁石4a、4bは外筒ヨーク3に軸方向に隔置されて固定され、この外筒ヨーク3は内筒ヨーク5と一体的に構成されている。
【0020】一対の電機子コイル7は、電機子コイル7aと7bで構成され、内筒ヨーク5と永久磁石4間に永久磁石4と対向して介在され、内筒ヨーク5内で摺動するピストン6に固定されている。図4に示すように、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサは、環状型永久磁石40を構成する一対の環状型永久磁石40a、40bが内筒ヨーク5に固定され軸方向に隔置されて配置してもよい。一対の電機子コイル70は、電機子コイル70aと70bで構成され、外筒ヨーク3と永久磁石40間に永久磁石40と対向して介在され、内筒ヨーク5内で摺動するピストン6に固定されている。
【0021】図5に示すように、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサは、環状型永久磁石41を構成する二対の環状型永久磁石41a、41b、41c、41dが内筒ヨーク5および内筒ヨーク5と一体的に構成された外筒ヨーク3にそれぞれ固定され軸方向に隔置されて配置されてもよい。一対の電機子コイル71は、電機子コイル71aと71bで構成され、外筒ヨーク3に固定された環状型永久磁石41a、41bと内筒ヨーク5に固定された環状型永久磁石41c、41d間に二対の環状型永久磁石41a、41b、41c、41dと対向して介在され、内筒ヨーク5内で摺動するピストン6に固定されている。
【0022】これらの環状型永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41dはリング状に一体的に形成された永久磁石で構成することができるが、個別の永久磁石をリング状に組み合わせて形成された実質的に環状型の永久磁石で構成することもできる。この極低温冷凍機用コンプレッサにおいて、少なくとも一対の永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41dは半径方向に対して互いに逆極となるように配置され、一対の永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41dにそれぞれ対置する1対の電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bは軸方向にローレンツ力が発生するように巻線方向/通電方向が決定される。即ち、一対の電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bの巻線方向は互いに逆巻とし、それぞれの電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bの通電方向は同方向としてもよく、又は一対の電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bの巻線方向は互いに同巻とし、それぞれの電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bの通電方向は逆方向としてもよいものである。
【0023】図6に示すように、この極低温冷凍機用コンプレッサにおいて、一対の永久磁石4a、4bに、永久磁石4a、4bからの磁束を半径方向に並列させるための軸方向に極性が配置された補助磁石72a、72bが固着されている。この極低温冷凍機用コンプレッサにおいて、永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41dに対して電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bは、その所望の有効ストロークに応じて軸方向長さが決定される。即ち、図1に示すように、永久磁石4a、4bに対して電機子コイル7a、7bは、その所望の有効ストロークに応じて軸方向長さが短長に設定される。また、図7に示すように、永久磁石4a、4bに対して電機子コイル7a、7bは、その所望の有効ストロークに応じて軸方向長さが長く設定される。さらに、図8に示すように、永久磁石4a、4bに対して電機子コイル7a、7bは、その所望の有効ストロークに応じて軸方向長さが同長に設定される。
【0024】このようにして少なくとも一対の環状型永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41dと、外筒ヨーク3と一体的に構成された内筒ヨーク5と永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41d間に介在され交流電流を通電することにより内筒ヨーク5内で摺動するピストン6に固定され軸方向に往復運動する少なくとも一対の電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bとからなる一対のコンプレッサアッセンブリが対向して配置される。
【0025】それぞれのコンプレッサアッセンブリにおける磁束の向きが一対の電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bの半径方向に対して逆となるように一対の環状型永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41dと外筒ヨーク3と内筒ヨーク5とで磁気回路(鎖線で示す)が形成される。
【0026】以上の構成のコンプレッサにおいては、それぞれのコンプレッサアッセンブリの電流供給端子8a、8b及びコイル端末9a、9bより電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bに正弦波電流を供給すると、電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bには一対の環状型永久磁石4a、4b、40a、40b、41a、41b、41c、41dと外筒ヨーク3及び内筒ヨーク5とで形成される磁気回路との相互作用により、軸方向にローレンツ力が作用し、電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bに固定されたピストン6がその軸方向に往復運動する。
【0027】この場合、一対のコンプレッサアッセンブリは対象的に作動する。即ち、同位相、同振幅の正弦波電流を各電流供給端子8a、8bに供給すると、各コンプレッサアッセンブリにおける磁界の方向が対象であるため、各ピストン6は互いに逆方向に振動し、圧縮空間10の体積が周期的に変化する。その結果、作動空間内のガスの圧縮、膨脹によりガス圧が変動し、従前と同様に、フリーディスプレーサ12がピストン6と同じ周波数で、かつ異なる位相で往復運動する。
【0028】尚、上記のピストン6には、磁気回路との相互作用による推力と共振させるためにバネ11が接続されている。これらの一対の電機子コイル7a、7b、70a、70b、71a、71bは、以下に示すようにその結線部分をコイルボビン20内に収容して構成される。即ち、図2は、上記の電機子コイル7の一例を示したもので、コイルボビン20はその軸方向断面において断面凹状の2ケ所の巻線部21a、21bが形成されており、巻線部21a、21bとの間には巻線部を連通する溝部(A)が、また一方の大径部にはコイル端末を導出するための溝部(B)が形成されている。
【0029】上記の巻線部21a、21bには、隣接するコイル22a、22bの巻線方向を逆方向とし、かつその巻数が偶数層となるように線材が巻回されており、このコイル22a、22b間を溝部(A)で接続するとともに、コイル端末23を溝部(B)から導出するようにしたものである。以上の電機子コイル7、70、71は、接続部を形成することなく、コイルボビン20と単一の線材で構成することが可能となる。
【0030】即ち、コイル部の全層数をnとすると、コイル端末23を溝部(B)から導入し、巻線部21aに線材を左巻にn−1層巻回する。この巻終端を溝部(A)から巻線部21bに導入し、線材を右巻にn層巻回した後、巻終端で巻き返して巻線部21aに左巻のn層目を巻回した後、溝部(B)からコイル端末の他端を導出して電機子コイル7、70、71を形成することができる。また、他の偶数層の巻数を有するコイルも同様の方法により形成することが可能である。図9は、上記の電機子コイル7、70、71の一例を示したもので、コイルボビン20はその軸方向断面において断面凹状の2ケ所の巻線部21a、21bが形成されており、巻線部21a、21bとの間には巻線部21a、21bを連通する溝部(A)が、また一方の大径部にはコイル端末を導出するための溝部(E)が形成されている。
【0031】上記の巻線部21a、21bには、隣接するコイル22a、22bの巻線方向を逆方向とし、かつその巻数が偶数層となるように線材が巻回されており、このコイル22a、22b間を連続線材23aで溝部(A)で接続するとともに、コイル端末23を溝部(E)から導出する(E)から導出するようにし又は溝部(E)に丸状、角状、膜状の導体を取付け、それにコイル端末を接続したものである。
【0032】以上の電機子コイル7、70、71は、接続部を形成することなく、コイルボビン20と単一の線材で構成することが可能となる。即ち、コイル部の全層数をnとすると、コイル端末23を溝部(E)から導入し、巻線部21bに線材を左巻にn層巻回する。この巻終端を溝部(A)から巻線部21aに導入し、線材を右巻にn層巻回した後、この巻終端を溝部(E)からコイル端末の他端を導出して電機子コイル7を形成することができる。また、他の偶数層の巻数を有するコイルも同様の方法により形成することが可能である。
【0033】図3は、上記の電機子コイル7´の他の一例を示したもので、コイルボビン30はその軸方向断面において断面凹状の2ケ所の巻線部31a、31bが形成されており、巻線部31a、31bとの間には巻線部を連通する溝部(A)が、また一方の大径部にはコイル端末を導出するための溝部(B)が形成されるとともに、コイルボビン30の内側に溝部(C)が設けられている。
【0034】上記の巻線部31a、31bには、隣接するコイル32a、32bの巻線方向を逆方向とし、かつその巻数が奇数層となるように線材が巻回されており、このコイル32a、32b間を溝部(A)で接続するとともに、コイル端末33の一端を溝部(B)から、またコイル端末の他端34を溝部(C)から導出するようにし又は溝部(C)に丸状、角状、膜状の導体を取付け、それにコイル端末を接続するようにしたものである。
【0035】以上の電機子コイル7´は、接続部を形成することなく、コイルボビン30と単一の線材で構成することが可能となる。即ち、コイル部の全層数をnとすると、コイル端末33を溝部(B)から導入し、巻線部31aに線材を左巻にn層巻回する。この巻終端を溝部(A)から巻線部31bに導入し、線材を右巻にn層巻回した後、コイル端末の他端34を溝部(C)から導出して電機子コイル7´を形成することができる。また、他の奇数層の巻数を有するコイルも同様の方法により形成することが可能である。
【0036】尚、上記のコイルボビン30の内側の溝部(C)の代わりに渦電流防止用のスリット部(D)を利用してコイル端末の他端34を導出することもできる。さらに、巻線部の巻き方向を限定することなくそれぞれ別個に巻線部を形成し、所望の電流方向を有するように溝部(A)で接続することもできる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の極低温冷凍機用コンプレッサは、以下のような効果を奏する。
イ)同一の磁場強さ、面積であっても従来のヨークに比較してその断面積を半分にすることができる。
【0038】ロ)ヨークの断面積の減少が可能となることにより、導体面積を大きくすることができ、同一巻数であっても導体径を大きくできる結果、ジュール損を大幅に減少させてその効率を向上させることが可能となる。
ハ)それぞれのコイルから発生する磁束が相殺され、鉄損が減少する結果、効率が向上する。
【0039】ニ)それぞれのコイルから発生する磁束が相殺されるため、電流の向きによる推力のヒステリシスが無くなり制御が簡単である。
ホ)それぞれのコイルから発生する磁束が相殺さるため、電流―推力特性がリニアであり、制御が簡単である。
ヘ)ヨークの断面積の減少が可能となることにより、磁石を厚くでき、このためコイルに流す電流も小さくなるため、熱的に有利となり、本体の温度上昇が抑制される結果、冷却が不要となる。
【0040】ト)コイルの電流による磁束でヨークが飽和することがなくなる。
チ)磁気回路間の円形ディスクを磁経路として使用しないため必要最小限に薄くすることが出来る。また、本発明の電機子コイルによれば、以下のような利点をもたらすものである。
【0041】リ)隣接するコイルの結線部分がコイルボビンから突出することがないため、磁気回路のギャップを小さくでき、このため、総磁束の低下を防止することができ効率が向上する。
ヌ)結線部分の突出部と永久磁石の切込み部が運転中又は輸送中に噛み込みことによるトラブルの発生がなくなる。
【0042】ル)隣接するコイルの結線部分の半田付け作業が不要となる。
【出願人】 【識別番号】000002255
【氏名又は名称】昭和電線電纜株式会社
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【出願日】 平成11年1月8日(1999.1.8)
【代理人】 【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
【公開番号】 特開2000−205680(P2000−205680A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−2825