トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 特に極低温用の可変負荷冷凍系
【発明者】 【氏名】アラン・アチャルヤ

【氏名】バイラム・アルマン

【氏名】ウォルター・ジョーゼフ・オルスゼウスキ

【氏名】ダンテ・パトリック・ボナキスト

【氏名】ジョーゼフ・アルフレッド・ウェーバー

【要約】 【課題】特に極低温を含めて広い温度範囲にわたって冷凍を発生させる方法を提供する。

【解決手段】所定の成分から無毒性で不燃性でしかも非オゾン消耗性の混合物を形成し、そして冷凍サイクルにおける圧縮、冷却、膨張及び加温の工程を通して可変負荷形態に維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも1種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、大気ガス及び炭化水素よりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む可変負荷冷媒混合物を圧縮して圧縮可変負荷冷媒混合物を生成し、(B)圧縮された可変負荷冷媒混合物を冷却して冷却圧縮可変負荷冷媒混合物を生成し、(C)冷却され圧縮された可変負荷冷媒混合物を膨張させ且つ冷凍を発生させてより低い温度の可変負荷冷媒混合物を生成し、そして(D)そのより低い温度の可変負荷冷媒混合物を加温する、ことを含む冷凍発生法。
【請求項2】 圧縮された可変負荷冷媒混合物が工程(B)の冷却の結果として部分凝縮され、得られた液体及び残留する蒸気が分離され、そしてその蒸気がその後に加温に先立って更に冷却される請求項1記載の方法。
【請求項3】 第一可変負荷冷媒混合物を使用して実施され、次いで第二可変負荷冷媒混合物を使用して実施され、この場合に該第一可変負荷冷媒混合物が、該第二可変負荷冷媒混合物を冷却することによって加温される請求項1記載の方法。
【請求項4】 (A)フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも1種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、大気ガス及び炭化水素よりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む可変負荷冷媒混合物を圧縮して圧縮可変負荷冷媒混合物を生成し、(B)圧縮された可変負荷冷媒混合物を冷却して冷却圧縮可変負荷冷媒混合物を生成し、(C)冷却され圧縮された可変負荷冷媒混合物を膨張させ且つ冷凍を発生させて極低温においてより低い温度の可変負荷冷媒混合物を生成し、そして(D)そのより低い温度の可変負荷冷媒混合物を加温する、ことを含む極低温での冷凍発生法。
【請求項5】 フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも1種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、大気ガス及び炭化水素よりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む、無毒性で、不燃性でしかも低オゾン消耗性の冷媒混合物。
【請求項6】 冷媒混合物中の成分の各々が、その冷媒混合物中の他の成分の各々の標準沸点とは少なくとも20°K程異なる標準沸点を有する請求項5記載の冷媒混合物。
【請求項7】 冷媒混合物中の最高沸点成分の標準沸点が、その冷媒混合物中の最低沸点成分の標準沸点よりも少なくとも50°K高い請求項5記載の冷媒混合物。
【請求項8】 少なくとも1種のフルオルカーボンと、少なくとも1種のヒドロフルオルカーボンと、少なくとも1種の大気ガスとを含む請求項5記載の冷媒混合物。
【請求項9】 フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも2種の成分と、少なくとも2種の大気ガスとを含む請求項5記載の冷媒混合物。
【請求項10】 少なくとも1種のフルオルエーテルと、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、フルオルエーテル、ヒドロクロルフルオルカーボン、炭化水素及び大気ガスよりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む、請求項5記載の冷媒混合物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には冷凍に関し、より具体的には冷凍を発生させるのに有用な多成分系冷媒流体の使用に関する。本発明は、極低温に至るまで冷凍を提供するのに特に有用である。
【0002】
【従来の技術】冷凍は、通常、冷媒流体を冷凍回路内において圧縮し次いで膨張させることによって発生される。かかる従来の系の周知の例としては、冷凍機及び空気調和機が挙げられる。典型的には、冷媒は、所要の温度において液体から気体への相の変化を受け、かくしてその蒸発潜熱を冷却目的に利用可能にする単成分系流体である。従来の系の効率は、所要の温度範囲にわたって可変量の冷凍を提供することができる冷媒として多成分流体を使用することによって向上させることができる。しかしながら、公知の多成分流体冷凍サイクルは、より冷たい極低温に至る大きな温度範囲にわたって冷凍を効果的に提供することができない。その上、たいていの周知冷媒流体は、毒性で、可燃性で、及び/又はオゾン消耗性である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、極低温に至る大きな温度範囲にわたって冷凍を提供することができる多成分系冷媒流体を使用して冷凍を発生させる方法を提供することである。
【0004】本発明の他の目的は、無毒性で、不燃性で、しかも低又は非オゾン消耗性である多成分系冷媒流体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明の概要当業者にはこの開示を通読するときに明らかになるであろう上記の目的及び他の目的が本発明によって達成されるが、本発明の1つの面は、(A)フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも1種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、大気ガス及び炭化水素よりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む可変負荷冷媒混合物を圧縮して圧縮可変負荷冷媒混合物を生成し、(B)圧縮された可変負荷冷媒混合物を冷却して冷却圧縮可変負荷冷媒混合物を生成し、(C)冷却され圧縮された可変負荷冷媒混合物を膨張させ且つ冷却を発生させてより低い温度の可変負荷冷媒混合物を生成し、そして(D)そのより低い温度の可変負荷冷媒混合物を加温する、ことを含む冷凍発生法、である。
【0006】本発明の他の面は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも1種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、大気ガス及び炭化水素よりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む、無毒性で、不燃性でしかも低オゾン消耗性の冷媒混合物、である。
【0007】本明細書において用語「可変負荷冷媒」を使用するときには、それは、2種又はそれ以上の成分の混合物であって、これらの成分の液相が該混合物の泡立ち点と露点との間で連続せる且つ増大する温度変化を受けるような割合にある混合物を意味する。混合物の泡立ち点は、所定の圧力において混合物がすべて液相状態にあるがしかし加熱によって液相と平衡状態の気相の形成が開始されるような温度である。混合物の露点は、所定の圧力において混合物がすべて気相状態にあるがしかし熱の抽出によって気相と平衡状態の液相の形成が開始されるような温度である。それ故に、混合物の泡立ち点と露点との間の温度領域は、液相及び気相の両方が平衡状態で共存するような領域である。本発明の実施では、可変負荷冷媒について泡立ち点と露点との間の温度差は、少なくとも10°K、好ましくは少なくとも20°K、そして最も好ましくは少なくとも50°Kである。
【0008】本明細書で用語「フルオルカーボン」を使用するときには、それは、次の物質、即ち、テトラフルオルメタン(CF4 )、ペルフルオルエタン(C26)、ペルフルオルプロパン(C38 )、ペルフルオルブタン(C410)、ペルフルオルペンタン(C512 )、ペルフルオルエテン(C24)、ペルフルオルプロペン(C36)、ペルフルオルブテン(C48)、ペルフルオルペンテン(C510)、ヘキサフルオルシクロプロパン(シクロ−C36 )及びオクタフルオルシクロブタン(シクロ−C48)のうちの1種を意味する。
【0009】本明細書で用語「ヒドロフルオルカーボン」を使用するときには、それは、次の物質、即ち、フルオルホルム(CHF3)、ペンタフルオルエタン(C2HF5)、テトラフルオルエタン(C224)、ヘプタフルオルプロパン(C3HF7)、ヘキサフルオルプロパン(C326)、ペンタフルオルプロパン(C335)、テトラフルオルプロパン(C344 )、ノナフルオルブタン(C4HF9)、オクタフルオルブタン(C428)、ウンデカフルオルペンタン(C5HF11)、弗化メチル(CH3F)、ジフルオルメタン(CH22)、弗化エチル(C25F)、ジフルオルエタン(C242 )、トリフルオルエタン(C233)、ジフルオルエテン(C222 )、トリフルオルエテン(C2HF3)、フルオルエテン(C23F)、ペンタフルオルプロペン(C3HF5)、テトラフルオルプロペン(C324)、トリフルオルプロペン(C333)、ジフルオルプロペン(C342)、ヘプタフルオルブテン(C4HF7 )、ヘキサフルオルブテン(C426 )及びノナフルオルペンテン(C5HF9)のうちの1種を意味する。
【0010】本明細書で用語「ヒドロクロルフルオルカーボン」を使用するときには、それは、次の物質、即ち、クロルジフルオルメタン(CHClF2)、クロルフルオルメタン(CH2ClF)、クロルメタン(CH3Cl)、ジクロルフルオルメタン(CHCl2F)、クロルテトラフルオルエタン(C2HClF4)、クロルトリフルオルエタン(C22ClF3)、クロルジフルオルエタン(C23ClF2)、クロルフルオルエタン(C24ClF)、クロルエタン(C25Cl)、ジクロルトリフルオルエタン(C2HCl23)、ジクロルジフルオルエタン(C22Cl22)、ジクロルフルオルエタン(C23Cl2F)、ジクロルエタン(C24Cl2)、トリクロルフルオルエタン(C22Cl3F)、トリクロルジフルオルエタン(C2HCl32)、トリクロルエタン(C23Cl3)、テトラクロルフルオルエタン(C2HCl4F)、クロルエテン(C23Cl)、ジクロルエテン(C22Cl2)、ジクロルフルオルエテン(C22ClF)及びジクロルジフルオルエテン(C2HClF2)のうちの1種を意味する。
【0011】本明細書で用語「フルオルエーテル」を使用するときには、それは、次の物質、即ち、トリフルオルメチオキシ−ペルフルオルメタン(CF3−O−CF3)、ジフルオルメトキシ−ペルフルオルメタン(CHF2−O−CF3)、フルオルメトキシ−ペルフルオルメタン(CH2F−O−CF3)、ジフルオルメトキシ−ジフルオルメタン(CHF2−O−CHF2)、ジフルオルメトキシ−ペルフルオルエタン(CHF2−O−C25 )、ジフルオルメトキシ−1,2,2,2−テトラフルオルエタン(CHF2−O−C2HF4 )、ジフルオルメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオルエタン(CHF2−O−C2HF4 )、ペルフルオルエトキシ−フルオルメタン(C25−O−CH2F )、ペルフルオル−メトキシ−1,1,2−トリフルオルエタン(CF3−O−C223)、ペルフルオルメトキシ−1,2,2−トリフルオルエタン(CF3O−C223)、シクロ−1,1,2,2−テトラフルオルプロピルエーテル( シクロ−C324−O−)、シクロ−1,1,3,3−テトラフルオルプロピルエーテル( シクロ−C324−O−)、ペルフルオルメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオルエタン(CF3−O−C2HF4 )、シクロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオルプロピルエーテル(シクロ−C35−O−)、ペルフルオルメトキシ−ペルフルオルアセトン(CF3−O−CF2−O−CF3 )、ペルフルオルメトキシ−ペルフルオルエタン(CF3−O−C25 )、ペルフルオルメトキシ−1,2,2,2−テトラフルオルエタン(CF3−O−C2HF4 )、ペルフルオルメトキシ−2,2,2−トリフルオルエタン(CF3−O−C223)、シクロ−ペルフルオルメトキシ−ペルフルオルアセトン(シクロ−CF2−O−CF2−O−CF2− )及びシクロ−ペルフルオルプロピルエーテル(シクロ−C36−O)のうちの1種を意味する。
【0012】本明細書で用語「大気ガス」を使用するときには、それは、次の物質、即ち、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ネオン(Ne)、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)及びヘリウム(He)のうちの1種を意味する。
【0013】本明細書で用語「炭化水素」を使用するときには、それは、次の物質、即ち、水素(H2)、メタン(CH4)、エタン(C26)、エテン(C24)、プロパン(C38)、プロペン(C36)、ブタン(C410)、ブテン(C48)、シクロプロパン(C36)及びシクロブタン(C48)のうちの1種を意味する。
【0014】本明細書で用語「無毒性」を使用するときには、それは、合格暴露限界に従って取り扱ったときに急性又は慢性毒性を有しないことを意味する。
【0015】本明細書で用語「不燃性」を使用するときには、それは、引火点を全く有しないか又は少なくとも600°Kの極めて高い引火点を有することのどちらかを意味する。
【0016】本明細書で用語「低オゾン消耗性」を使用するときには、それは、ジクロルフルオルメタン(CCl22)が1.0のオゾン消耗可能性を有するとするモントリオール議定書協定によって規定したときに0.15未満のオゾン消耗可能性を有することを意味する。
【0017】本明細書で用語「非オゾン消耗性」を使用するときには、それは、塩素、臭素又は沃素原子を含有する成分を全く有しないことを意味する。
【0018】本明細書で用語「標準沸点」を使用するときには、それは、1標準大気圧即ち14.696psia( pounds per square inch absolute )における沸点を意味する。
【0019】本明細書で用語「極低温」を使用するときには、それは、150°K又はそれ以下の温度を意味する。
【0020】本明細書で用語「間接熱交換」を使用するときには、それは、2種の流体を互いに物理的に接触又は混合させずに熱交換関係にすることを意味する。
【0021】本明細書で用語「膨張」を使用するときには、それは、圧力の低下を生じさせることを意味する。
【0022】本明細書で用語「ターボ膨張」及び「ターボ膨張機」を使用するときには、それらは、それぞれ、高圧流体の流れをタービンに通してその流体の圧力及び温度を低下させ、これによって冷凍を発生させるための方法及び装置を意味する。
【0023】
【発明の実施の形態】発明の具体的な説明本発明は、可変負荷冷媒混合物を形成する割合の所定成分からなる冷媒混合物、及び冷凍サイクルでのかかる冷媒混合物の使用を包含する。可変負荷冷媒混合物は、プロセス及びプロセス内の位置即ち熱交換位置(頂部、中間、底部)に依存して全気相、気/液相又は全液相の状態にあってよい。好ましくは、サイクルは閉ループサイクルである。可変負荷冷媒混合物は、相の変化を伴ったなだらかな温度変化を示す。これは、所定の圧力における可変負荷冷媒混合物の温度対濃度の線図を示す図1に例証されている。温度(tmix)における成分A及びBの任意の所定混合物(xmix)では、2つの相が存在し、飽和蒸気の組成(xmixv)はその蒸気と平衡状態にある液体とは異なり、そしてその液体は組成(xmixl)を有する。温度が低下するにつれて、液相の組成及び蒸気相の組成は両方とも変化し、各々は成分Bに富んだ状態になる。凝縮する混合物はその組成を絶えず変化し、かくしてその凝縮温度を変える。この特徴によって、冷凍サイクルの性能を向上させることが可能になる。このサイクルの向上は、それ自身の標準沸点及び関連する蒸発潜熱を有する多成分の使用に関係する。冷媒成分、混合物中の最適濃度、操作圧レベル及び冷媒サイクルの適当な選択によって、所定の温度範囲にわたって可変量の冷凍を発生させるのが可能になる。温度の関数として可変量の冷凍を発生させることによって、冷凍ユーザー系内の熱交換温度差の最適制御が可能になり、これによって系のエネルギー所要量が減少される。
【0024】本発明の可変負荷冷媒混合物は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも1種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、大気ガス及び炭化水素よりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む。
【0025】本発明の1つの好ましい可変負荷冷媒混合物は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも2種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、大気ガス及び炭化水素よりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む。
【0026】本発明の他の好ましい可変負荷冷媒混合物は、少なくとも1種のフルオルカーボンと、ヒドロフルオルカーボン及び大気ガスよりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む。
【0027】本発明の他の好ましい可変負荷冷媒混合物は、少なくとも1種のフルオルカーボンと、少なくとも1種のヒドロフルオルカーボンと、少なくとも1種の大気ガスとを含む。
【0028】本発明の他の好ましい可変負荷冷媒混合物は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも3種の成分と、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、炭化水素及び大気ガスよりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む。
【0029】本発明の他の好ましい可変負荷冷媒混合物は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも2種の成分と、少なくとも1種の大気ガスとを含む。
【0030】本発明の他の好ましい可変負荷冷媒混合物は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも2種の成分と、少なくとも1種の大気ガスと、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、ヒドロクロルフルオルカーボン、フルオルエーテル、炭化水素及び大気ガスよりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む。
【0031】本発明の他の好ましい可変負荷冷媒混合物は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルよりなる群からの少なくとも2種の成分と、少なくとも2種の異なる大気ガスとを含む。
【0032】本発明の他の好ましい可変負荷冷媒混合物は、少なくとも1種のフルオルエーテルを含み、即ち、少なくとも1種のフルオルエーテルと、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、フルオルエーテル、ヒドロクロルフルオルカーボン、炭化水素及び大気ガスよりなる群からの少なくとも1種の成分とを含む。
【0033】本発明の1つの好ましい具体例では、可変負荷冷媒混合物は、ヒドロクロルフルオルカーボンを全く含有しない。本発明の他の好ましい具体例では、可変負荷冷媒混合物は、炭化水素を全く含有しない。最も好ましくは、可変負荷冷媒混合物は、ヒドロクロルフルオルカーボンも炭化水素も含有しない。最も好ましくは、可変負荷冷媒混合物は、無毒性で、不燃性で、しかも非オゾン消耗性であり、そしてどの可変負荷冷媒混合物にも共通の成分は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、フルオルエーテル又は大気ガスのいずれかである。
【0034】本発明の1つの好ましい具体例では、可変負荷冷媒はフルオルカーボンのみよりなる。本発明の他の好ましい具体例では、可変負荷冷媒は、フルオルカーボン及びヒドロフルオルカーボンのみよりなる。本発明の他の好ましい具体例では、可変負荷冷媒は、フルオルカーボン及び大気ガスのみよりなる。本発明の他の好ましい具体例では、可変負荷冷媒は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン及びフルオルエーテルのみよりなる。本発明の他の好ましい具体例では、可変負荷冷媒は、フルオルカーボン、フルオルエーテル及び大気ガスのみよりなる。最も好ましくは、どの可変負荷冷媒混合物にも共通の成分は、フルオルカーボン、ヒドロフルオルカーボン、フルオルエーテル又は大気ガスのいずれかである。
【0035】本発明は、周囲温度から極低温に効率的に達する際に使用するのに特に有益である。表1〜15は、本発明の可変負荷冷媒混合物の好ましい例を表に記載したものである。各表に与えられる濃度範囲はモル%単位である。表1〜5に示される例は約200°Kよりも高い冷凍を発生させるための好ましい混合物であり、そして表6〜15に示される例は約200°Kよりも低い冷凍を発生させるための好ましい混合物である。
【0036】表1成分 濃度範囲512 5−35C410 0−25C38 10−50C26 10−60CF4 0−25【0037】表2成分 濃度範囲512 5−35C336 0−25C38 10−50CHF3 10−60CF4 0−25【0038】表3成分 濃度範囲335 5−35C326 0−25C224 5−20C2HF5 5−20C26 10−60CF4 0−25【0039】表4成分 濃度範囲CHF2−O−C2HF4 5−35C410 0−25CF3−O−CHF2 10−25CF3−O−CF3 0−2026 10−60CF4 0−25【0040】表5成分 濃度範囲CHF2−O−C2HF4 5−35C326 0−25CF3−O−CHF2 10−50CHF3 10−60CF4 0−25【0041】表6成分 濃度範囲512 5−35C410 0−25C38 10−40C26 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80【0042】表7成分 濃度範囲335 5−25C410 0−15C38 10−40CHF3 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80【0043】表8成分 濃度範囲335 5−25C336 0−15C224 0−20C2HF5 5−20C26 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80【0044】表9成分 濃度範囲CHF2−O−C2HF4 5−25C410 0−15CF3−O−CHF2 10−40CF3−O−CF3 0−20C26 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80【0045】表10成分 濃度範囲335 5−25326 0−15CF3−0−CHF2 10−40CHF3 0−30CF4 0−25Ar 0−40N2 10−80【0046】表11成分 濃度範囲512 5−25C410 0−15C38 10−40C26 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80Ne 0−10He 0−10【0047】表12成分 濃度範囲335 5−25C410 0−15C38 10−40CHF3 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80Ne 0−10He 0−10【0048】表13成分 濃度範囲335 5−25C326 0−15C224 5−20C2HF5 5−20C26 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80Ne 0−10He 0−10【0049】表14成分 濃度範囲CHF2−O−C2HF4 5−25C410 0−15CF3−O−CHF2 10−40CF3−O−CF3 0−20C26 0−30CF4 10−50Ar 0−40N2 10−80Ne 0−10He 0−10【0050】表15成分 濃度範囲335 5−25C326 0−15CF3−O−CHF3 10−40CHF3 0−30CF4 0−25Ar 0−40N2 10−80Ne 0−10He 0−10【0051】図2は、本発明を実施することができる1つの冷凍サイクルを例示する。ここで図2を説明すると、本発明の可変負荷冷媒混合物は、冷凍回路又はループ1を循環する。冷媒2は、圧縮機3を通ることによって圧縮されて圧縮冷媒流体4を形成し、最終冷却器(アフタークーラー)70を通ることによってほぼ周囲温度に冷却され、次いで熱交換器5を通ることによって冷却されそして好ましくは少なくとも一部分液化される。特に記していなければ、図面に例示される各熱交換工程は間接熱交換工程である。冷却された冷媒流体6は、次いで、弁7によって絞られ、即ち、より低い圧力に膨張される。この圧力膨張は、気体膨張、二相膨張又は液体膨張タービンの如きタービンによって達成することができる。生じた冷凍は、流体8を熱交換器9での間接熱交換によって冷却することによって単一の若しくは狭い温度レベルで利用することができ、又は熱交換器5においてずっと広い温度範囲にわたって利用することができる。冷凍は、向流流れ10及び並流流れ11によって例示されるように熱交換器5を通る1つ又はそれ以上の流体流れを冷却するのに使用されることができる。全体としては流れ11は交換器5で加熱されるようにして示されているけれども、局部的にはそれは交換器5内で冷却されることができる。得られる加温された冷媒混合物は、次いで、流れ2として圧縮機3に送られ、そしてこのサイクルが反復される。
【0052】冷却装置は予備冷却回路又はループ12を含むこともできるが、この場合では、中間温度レベルで冷凍を提供するように設計された本発明の可変負荷冷媒混合物は予備冷却圧縮機14において圧縮され、最終冷却器71において周囲温度に冷却され、そして得られる圧縮された流体15は熱交換器5で冷却される。得られる冷却された流体16は弁又は適当なタービン17によって絞られて冷凍を発生し、そして得られるより低い温度の冷媒流体18は加温され、次いで流れ13として圧縮機14に循環される。
【0053】予備冷却ループの作用効果は、図3に例示されるように、冷媒混合物のうちのいくらかの中間除去及び液体の再循環によって達成することができる。この液体再循環の特徴は、冷媒混合物を所要の温度範囲に整合させる際のプロセス融通性を提供し、そして液体冷媒の不必要な冷却及び潜在的な凍結を回避する。図3に示される参照数字は、共通の部材については図2のものと同じであるので、これらを再び詳細には説明しない。ここで図3を説明すると、冷媒流体20は圧縮機21を通ることによって圧縮されて圧縮冷媒流体22を形成し、これは最終冷却器71によってほぼ周囲温度に冷却され、次いで熱交換器5の部分横断によって冷却されそして一部分凝縮される。冷却された二相冷媒混合物23は相分離器24に送られ、ここでそれは蒸気と液体とに分離される。蒸気25は熱交換器5によって更に冷却され、弁26によって絞られ、そして熱交換器9及び/又は5を通ることによって加温される。液体27は弁28を通され、次いで熱交換器5を通ることによって気化される。図3に例示される具体例では、液体は、気化に先立って弁26によって絞られたより低い圧力の蒸気と合流される。得られる加温された冷媒混合物は、次いで、流れ20として圧縮機21に戻され、そして冷凍サイクルが新たに始まる。単相分離が例示されているけれども、異なる温度レベルでの多相分離を利用して段階的予備冷却回路を提供することができることも理解されたい。
【0054】本発明は、周囲温度から極低温にそして5°K程の低い温度にさえ至るまでにわたって冷凍を提供するのに特に有用である。本発明はこの温度範囲全体にわたってかかる冷凍を単一のループで提供するのに使用されることができるけれども、この冷凍を複数のカスケード式ループで提供することが一般に好ましい。複数のカスケード式ループの使用は、各回路が選択された温度範囲にわたって冷凍を提供するのを可能にする。これによって、適当な冷媒混合物の選択が容易になる。というのは、選択された混合物は、より限定された温度範囲にわたって使用可能でさえあればよいからである。各々のカスケード回路は主としてその関連する温度範囲にわたって冷凍を提供することを意図しているけれども、それはより高い温度レベルにおいてもいくらかの冷凍を提供することができることも理解されたい。かくして、カスケード回路は、所定の温度範囲において冷凍を提供することに関して互いに部分的に重なる場合がある。
【0055】カスケードループ系は図4において例示され、それに関連して説明される。ここで図4を説明すると、例えば、テトラフルオルメタン、フルオルホルム、ペルフルオルプロパン、ペンタフルオルブタン、ペンタフルオルプロパン、テトラフルオルエタン、ジフルオルメトキシ−ジフルオルメタン及びペルフルオルペンタンのうちの2種又はそれ以上を含むより高い温度の可変負荷冷媒流体はより高温のループ30を循環し、そこで約300°Kの周囲温度から約200°Kに至るまで冷凍が提供される。約300°Kにあるより高温の冷媒流体31は、圧縮機32で圧縮され、冷却器33及び熱交換器60によって冷却され、そして弁34によって絞られて約200°Kにあるより低温の冷媒流体35を生成する。そのより低温の冷媒流体は、次いで、約300°Kに加温され、そして流れ31として圧縮機32に戻される。
【0056】中間温度可変負荷冷媒流体(これは、高い温度の流体に関して記載した成分のうちの1種又はそれ以上の他に窒素及び/又はアルゴンを含有することができる)は中間温度ループ40を循環し、そこで約200°Kから約100°Kに至るまで冷凍が提供される。中間温度冷媒流体41は、圧縮機42で圧縮され、冷却器43及び熱交換器60、61によって冷却され、そして弁44によって絞られて約100°Kにあるより低温の冷媒流体45を生成し、そしてこれは加温され、次いで流れ41として圧縮機42に戻される。
【0057】窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン及び水素のうちの2種又はそれ以上を含む極低温冷媒流体は極低温ループ50を循環し、そこで温度は約100°Kから約20°K又はそれ以下にさえされる。極低温冷媒流体51は、圧縮機52で圧縮され、冷却器53及び熱交換器60、61、62によって冷却され、そして弁54によって絞られて約20°K又はそれ以下にあるより低温の冷媒流体55を生成し、そしてこれは加温器56を通ることによって加温され、次いで流れ51として圧縮機52に戻される。
【0058】本発明は、広い温度範囲にわたって、特に極低温を包含する温度範囲にわたって冷凍を提供するのに特に有用である。本発明の好ましい具体例では、可変負荷冷媒混合物中の2種又はそれ以上の成分の各々は、その冷媒混合物中のすべての他の成分の標準沸点とは少なくとも20°K程異なる標準沸点を有する。これは、広い温度範囲にわたって特に極低温を包含する温度範囲にわたって冷凍を提供する効率を向上させる。本発明の好ましい具体例では、多成分系冷媒流体中の最高沸点成分の標準沸点は、その多成分系冷媒流体中の最低沸点成分の標準沸点よりも少なくとも50°K、好ましくは少なくとも100°K、そして最も好ましくは少なくとも200°K高い。
【0059】本発明の冷媒混合物を構成する成分及びそれらの濃度は、可変負荷冷媒混合物を形成し、そして好ましくは本発明の方法の全温度範囲を通してかかる可変負荷特性を維持するようなものである。これは、冷凍を発生させてかかる広い温度範囲にわたって利用することができる場合の効率を著しく向上させる。限定された群の成分は、それらを使用して無毒性で不燃性で且つ低又は非オゾン消耗性の混合物を形成することができるという点で付加的利益を有する。これは、典型的には毒性で可燃性でしかもオゾン消耗性の従来の冷媒に勝る追加的な利益を提供する。
【0060】無毒性で不燃性でしかも非オゾン消耗性である本発明の1つの好ましい可変負荷冷媒混合物は、C512、CHF2−O−C2HF4、C4HF9、C335、C25−O−CH2F、C326、CHF2−O−CHF2、C410、CF3−O−C223、C3HF7、CH2F−O−CF3、C224、CHF2−O−CF3、C38、C2HF5、CF3−O−CF3、C26、CHF3、CF4、O2、Ar、N2、Ne及びHeよりなる群から選択される2種以上の成分を含む。
【0061】
【発明の効果】本発明は、多数の用途、特に極低温用途に対して冷凍を発生させるのに使用することができる。このような用途としては、極低温空気分離及び他の極低温分離のようなガス分離プロセス、天然ガス品質改善、液化器、食品冷蔵、ベントガス回収、ヒートポンプ、極低温液体貯蔵、輸送容器再凝縮、晶質、凝固、低温粉砕、化学薬品貯蔵及び輸送、生化学及び医薬物質貯蔵及び輸送、並びに冷凍室、即ち、物質の取り扱い及び貯蔵に利用される冷蔵庫を挙げることができる。
【出願人】 【識別番号】392032409
【氏名又は名称】プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100067817
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 基弘 (外1名)
【公開番号】 特開2000−205675(P2000−205675A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−373465