| 【発明の名称】 |
蒸気圧縮式冷凍サイクル |
| 【発明者】 |
【氏名】小松 俊二
【氏名】山本 清一
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| 【要約】 |
【課題】蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて圧縮機の冷媒吐出温度上昇の抑制を図り潤滑油の劣化を防止しながらCOPの改善を図る。
【解決手段】切替選択手段11が第1の冷媒温度検出手段9からの冷媒温度検出値と第2の冷媒温度検出手段10からの冷媒温度検出値のいずれかを所定条件下で切替選択し、当該選択された冷媒温度検出値に基づいて、過熱度制御弁7が、圧縮機3入口側での冷媒の過熱度が所定値となるように蒸発器8に流入する冷媒の流量を調節する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二酸化炭素(CO2)を冷媒として用い、気相冷媒を圧縮する圧縮機と、上記圧縮機で圧縮された冷媒を外部流体と熱交換して冷却する放熱器と、上記放熱器からの冷媒を蒸発させて上記圧縮機に供給する蒸発器と、上記放熱器出口の冷媒と上記蒸発器出口の冷媒とで熱交換を行わせる内部熱交換器と、上記内部熱交換器に供給される上記蒸発器からの冷媒温度を検出する第1の冷媒温度検出手段と、上記内部熱交換器から流出する上記蒸発器出口からの冷媒温度を検出する第2の冷媒温度検出手段と、上記第1の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値と第2の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値のいずれかを所定条件下で切替選択する切替選択手段と、上記内部熱交換器出口側の流路に取り付けられ、上記切替選択手段の選択したいずれかの冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値に基づいて、上記圧縮機入口側での冷媒の過熱度が所定値となるように上記蒸発器に流入する冷媒の流量を調節する過熱度制御弁と、を備えることを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。 【請求項2】 上記第1の冷媒温度検出手段及び上記第2の冷媒温度検出手段は、冷媒温度検出値を電気信号で出力するサーミスタであり、上記切替選択手段は、各サーミスタからのいずれの電気信号を上記過熱度制御弁に供給するかについて切り替える切替スイッチと、外気温度を検出する温度センサと、当該温度センサの検出値に基づいて上記切替スイッチの切替制御を行う切替スイッチ制御手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。 【請求項3】 上記第1の冷媒温度検出手段及び上記第2の冷媒温度検出手段は、流体が封入され、冷媒温度検出値を当該流体の圧力により出力する感温筒であり、上記切替選択手段は、各感温筒からのいずれの流体の圧力を上記過熱度制御弁に供給するかについて切り替える切替弁と、外気温度を検出する温度センサと、当該温度センサの検出値に基づいて上記切替弁を切り替える切替弁制御手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。 【請求項4】 上記第1の冷媒温度検出手段及び上記第2の冷媒温度検出手段は、冷媒温度検出値を電気信号で出力するサーミスタであり、上記切替選択手段は、各サーミスタからのいずれの電気信号を上記過熱度制御弁に供給するかについて切り替える切替スイッチと、上記圧縮機の吐出冷媒温度を検出する第3の冷媒温度検出手段と、当該第3の冷媒温度検出手段の検出値に基づいて上記切替スイッチの切替制御を行う切替スイッチ制御手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。 【請求項5】 上記第1の冷媒温度検出手段及び上記第2の冷媒温度検出手段は、流体が封入され、冷媒温度検出値を当該流体の圧力により出力する感温筒であり、上記切替選択手段は、各感温筒からのいずれの流体の圧力を上記過熱度制御弁に供給するかについて切り替える切替弁と、上記圧縮機の吐出冷媒温度を検出する第3の冷媒温度検出手段と、当該第3の冷媒温度検出手段の検出値に基づいて上記切替弁を切り替える切替弁制御手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用、業務用、或いは家庭用の空調機として好適に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクルに関する。 【0002】 【従来の技術】フロンガスによる地球温暖化を防止することが世界的に求められている今日において、従来フロンを冷媒として用いていた蒸気圧縮式冷凍サイクルの分野では、冷媒の脱フロン対策の一つとして、例えば二酸化炭素(CO2)を使用した蒸気圧縮式冷凍サイクル(以下、CO2サイクルと略す。)が提案されている。 【0003】このようなCO2サイクルでは、フロンを用いたものと比較して冷凍サイクルの成績係数(COP:Coefficient of Performance)が悪いため、これを向上させることが要求されている。 【0004】CO2サイクルのCOPを改善する方法としては、例えば内部熱交換器を用いて冷媒の熱交換を行うことが一般に行われていた。ここで、図6に、内部熱交換器を用いたCO2サイクルの回路を示す。この蒸気圧縮式冷凍サイクル101(以下、単に冷凍サイクル101と言う。)は、冷媒CO2が貯められる気液分離器102と、気液分離器102からの気相状態の冷媒を圧縮する圧縮機103と、この圧縮機103で圧縮された冷媒を外気等との間で熱交換して冷却する放熱器(ガスクーラー)104と、ガスクーラー104からの冷媒を蒸発させて圧縮機102に供給する蒸発器108と、ガスクーラー104出口の冷媒と蒸発器108出口の冷媒とで熱交換を行わせる内部熱交換器105と、内部熱交換器105の後段に配されガスクーラー104からの冷媒の圧力を制御する高圧制御弁106と、高圧制御弁106の後段に配され圧縮機103入口側での冷媒CO2の過熱度が所定値となるようにガスクーラー104から蒸発器108への冷媒の流量を調整する過熱度制御弁107とにより基本回路が構成される。 【0005】この冷凍サイクル101では、図6に示すように、気液分離器102と圧縮機103とが配管P101で、圧縮機103とガスクーラー104とが配管P102で、ガスクーラー104と内部熱交換器105とが配管P103で、内部熱交換器105と高圧制御弁106とが配管P104で、高圧制御弁106と過熱度制御弁107とが配管P105で、過熱度制御弁107と蒸発器108とが配管P106で、蒸発器108と内部熱交換器105とが配管P107で、内部熱交換器105と気液分離器102とが配管P108で、それぞれ接続される。 【0006】このような冷凍サイクル101では、気液分離器102から供給される冷媒の二酸化炭素(CO2)が圧縮機103によってその臨界圧力以上に圧縮して吐出され、このCO2は、配管P102を介してガスクーラー104に流入し、以後、内部熱交換器105、高圧制御弁106、過熱度制御弁107、蒸発器108、内部熱交換器105、気液分離器102、圧縮機103の順で循環する。 【0007】これにより、冷凍サイクル101では、内部熱交換器105によって、ガスクーラー104から流出した比較的高温(例えば40〜50度位)のCO2と蒸発器108から流出した比較的低温(例えば5〜10度位)のCO2とで熱交換が行われ、蒸発器108出口からのCO2が温度上昇して気液分離器102に戻されることになる。そして、冷凍サイクル101では、内部熱交換器105で交換された温度量に比例して、ガスクーラー104出口冷媒の冷却のため、COPが改善されることになる。 【0008】ここで、冷凍サイクル101では、圧縮機103で吸入する際の上記CO2の過熱度を制御するため、蒸発器108出口の配管P107に図示しない感温筒等の温度検出手段を取り付けて、蒸発器108出口の冷媒温度をこの温度検出手段で検出し、当該検出温度に応じて過熱度制御弁107の開閉制御を行っていた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】図7に、内部熱交換器105を用いた場合の冷凍サイクル101における外気温度とCOPの改善率(%)及び圧縮機103の吐出温度との関係について示す。 【0010】この図7からも明らかなように、冷凍サイクル101では、外気温度が低い状態では内部熱交換器105を用いた場合のCOP改善の効果が少なく、外気温度がある一定レベルを越えた時点から、外気温度に比例するようにCOPの改善率が上がってゆく。 【0011】しかしながら、内部熱交換器105を用いたCO2の冷凍サイクル101では、圧縮機103の吸い込み蒸気を過熱させることから、これに伴って圧縮機103の吐出温度が過度に上昇し、圧縮機103内部のオイル(潤滑油)が劣化してしまうという問題があった。具体的には、冷凍サイクル101においては、圧縮機103の吐出冷媒温度が略150度を越えた場合に潤滑油の性質に影響を与え始めるが、内部熱交換器105を用いることによって、当該吐出温度が150度〜180度にまで上昇してしまい、潤滑油の寿命が著しく短くなる問題があった。 【0012】本発明はこのような実情に鑑みて提案されたものであって、圧縮機の冷媒吐出温度上昇の抑制を図り潤滑油の劣化を防止しながらCOPの改善を図ることのできる蒸気圧縮式冷凍サイクルを提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発明に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルは、二酸化炭素(CO2)を冷媒として用い、気相冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮された冷媒を外部流体と熱交換して冷却する放熱器と、放熱器からの冷媒を蒸発させて圧縮機に供給する蒸発器と、放熱器出口の冷媒と蒸発器出口の冷媒とで熱交換を行わせる内部熱交換器と、内部熱交換器に供給される蒸発器からの冷媒温度を検出する第1の冷媒温度検出手段と、内部熱交換器から流出する蒸発器出口からの冷媒温度を検出する第2の冷媒温度検出手段と、第1の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値と第2の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値のいずれかを、所定条件下で切替選択する切替選択手段と、内部熱交換器出口側の流路に取り付けられ、切替選択手段の選択した冷媒温度検出値に基づいて、圧縮機入口側での冷媒の過熱度が所定値となるように蒸発器に流入する冷媒の流量を調節する過熱度制御弁とを備える。 【0014】蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいては、切替選択手段が第1の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値と第2の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値のいずれかを所定条件下で切替選択し、当該選択された冷媒温度検出値に基づいて、過熱度制御弁が、圧縮機入口側での冷媒の過熱度が所定値となるように蒸発器に流入する冷媒の流量を調節する。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明を適用した図1に示す蒸気圧縮式冷凍サイクル1(以下、単に冷凍サイクル1と言う。)は、例えば乗用車などの車両用に搭載される空調システムであって、二酸化炭素(CO2)を冷媒とし、この冷媒を液相状態と気相状態とに分離して蓄える気液分離器2と、気液分離器2からの気相状態の冷媒を圧縮する圧縮機3と、圧縮機3の後段に接続される放熱器(ガスクーラー)4と、ガスクーラー4からの冷媒を蒸発させて圧縮機3に供給する蒸発器8と、ガスクーラー4出口の冷媒と蒸発器8出口の冷媒とで熱交換を行わせる内部熱交換器5と、内部熱交換器5の後段に配され、ガスクーラー4からの冷媒の圧力を制御する高圧制御弁6と、高圧制御弁6の後段に配され、圧縮機2入口側での冷媒の過熱度が所定値となるように蒸発器8へ流入する冷媒の流量を調整する過熱度制御弁7とにより基本回路が構成される。 【0016】この冷凍サイクル1では、図1に示すように、気液分離器2と圧縮機3とが配管P1で、圧縮機3とガスクーラー4とが配管P2で、ガスクーラー4と内部熱交換器5とが配管P3で、内部熱交換器5と高圧制御弁6とが配管P4で、高圧制御弁6と過熱度制御弁7とが配管P5で、過熱度制御弁7と蒸発器8とが配管P6で、蒸発器8と内部熱交換器5とが配管P7で、内部熱交換器5と気液分離器2とが配管P8で、それぞれ接続されている。 【0017】また、この冷凍サイクル1は、蒸発器8出口の配管P7上に配され、蒸発器8から流出される冷媒の温度を検出する第1の冷媒温度検出手段9と、配管P8上に配され、蒸発器8から流出される冷媒の温度を内部熱交換器5の出口の位置で検出する第2の冷媒温度検出手段10と、第1の冷媒温度検出手段9からの冷媒温度検出値と第2の冷媒温度検出手段10からの冷媒温度検出値のいずれかを、所定条件下で切替選択して検出信号として過熱度制御弁7に出力する切替制御部11とを備えている。 【0018】気液分離器2は、気相状態の冷媒CO2を圧縮機3に供給するとともに、内部熱交換器5を介して流入される蒸発器8からのCO2を、液相のCO2と気相のCO2とに分離して蓄える。 【0019】圧縮機3は、気液分離器2からの気相状態のCO2をその臨界圧力以上に圧縮して吐出する。 【0020】ガスクーラー4は、圧縮機3によって臨界圧力以上に圧縮されたCO2を外気等の外部流体と熱交換して冷却する。 【0021】内部熱交換器5は、ガスクーラー4から流出したCO2と蒸発器8から流出したCO2との熱交換を行う。 【0022】高圧制御弁6は、内部熱交換器5を通過したガスクーラー4からのCO2を減圧するとともに、内部熱交換器5の出口側(配管P4側)のCO2の温度に応じて内部熱交換器5の当該出口側の圧力を制御する。 【0023】過熱度制御弁7は、圧縮機3の入口側でのCO2の吸入の過熱度が所定値となるように、蒸発器8に流入されるCO2の流量を調整する。この実施の形態では、過熱度制御弁7は、電磁弁を用いた構成となっており、詳細を後述する切替制御部11から出力される検出信号に基づいて圧縮機3入口側でのCO2の吸入の過熱度が0〜50度(deg)となるように当該電磁弁の開閉を行う。 【0024】ここで、過熱度制御弁7は、切替制御部11を介して入力される第1の冷媒温度検出手段9又は第2の冷媒温度検出手段10のいずれかからの検出温度がCO2の蒸発温度+上記過熱度に相当する温度になるように、当該電磁弁の開度を調節する制御を行う。具体的には、CO2の蒸発温度がほぼ0度であり、過熱度の設定が上述の如く0〜50度なので、第1の冷媒温度検出手段9又は第2の冷媒温度検出手段10から0度〜50度の温度検出値が得られればよいことになる。従って、過熱度制御弁7は、切替制御部11を介して入力される第1の冷媒温度検出手段9又は第2の冷媒温度検出手段10からの検出温度が0度〜50度になるように、当該電磁弁の開度を調節する。 【0025】第1の冷媒温度検出手段9及び第2の冷媒温度検出手段10は、この実施の形態では、それぞれサーミスタを用いて構成されており(以下、適宜サーミスタ9,サーミスタ10と呼ぶ。)、サーミスタ9が蒸発器8出口の配管P7における冷媒温度を検出して検出信号を切替制御部11に出力し、サーミスタ10が内部熱交換器5出口の配管P8における冷媒温度を検出して検出信号を切替制御部11に出力するようになっている。 【0026】切替制御部11は、図1に示すように、センサ部12と制御部13と切替スイッチ14により構成されており、サーミスタ9及びサーミスタ10からの検出信号のうちのいずれか一方を選択して過熱度制御弁7に出力するようになっている。ここで、センサ部12は、外気の温度を検出して、当該検出値のデータを制御部13に供給する。そして、制御部13は、センサ部12から供給される外気温度についての検出値データを監視して、当該外気温度が所定温度を越えた場合に切替スイッチ14に切替制御信号を出力する。 【0027】切替スイッチ14は、サーミスタ9からの検出信号が供給される端子14aと、サーミスタ10からの検出信号が供給される端子14bとのいずれかにスイッチSの接続を切り替えることにより、いずれか一方の検出信号を過熱度制御弁7に供給する。 【0028】このような構成とされた冷凍サイクル1では、冷媒CO2が圧縮機3によってその臨界圧力以上に圧縮されて100度以上の温度で吐出される。そして、このCO2は、配管P2を介してガスクーラー4に流入し、以後、内部熱交換器5、高圧制御弁6、過熱度制御弁7、蒸発器8、内部熱交換器5、気液分離器2、圧縮機3の順で循環する。ここで、冷媒CO2は、ガスクーラー4で外気と熱交換することにより例えば40〜50度位に冷却され、高圧制御弁6及び過熱度制御弁7で圧力及び流量の制御が行われて0度程度の液相状態となって蒸発器8に流入する。そして、冷媒CO2は、蒸発器8内で蒸発し、このとき当該蒸発器8周囲の流体から熱を奪うことで車両の室内を冷却する。さらに、冷凍サイクル1では、内部熱交換器5によって、蒸発器8からの比較的温度の低いCO2とガスクーラー4からの比較的温度の高いCO2とで熱交換が行われる。この熱交換により、冷凍サイクル1では、冷媒温度が上昇して気液分離器2に当該冷媒CO2が流入する。気液分離器2では、内部熱交換器5で熱交換された蒸発器8からのCO2を液層CO2と気相CO2とに分離して蓄える。 【0029】このような冷媒CO2の循環がなされる冷凍サイクル1では、蒸発器8出口からの冷媒CO2が内部熱交換器5で温度上昇して圧縮機2に供給されるので、配管P7における冷媒温度を検出するサーミスタ9の検出温度よりも配管P8における冷媒温度を検出するサーミスタ10の検出温度の方が常に高くなる。そして、冷凍サイクル1では、内部熱交換器5で交換された温度量に比例して、ガスクーラー4出口冷媒の冷却のため、COPが改善されることになる。 【0030】以下、この冷凍サイクル1の制御について説明する。冷凍サイクル1の始動時には、切替制御部11の制御部13は、センサ部12からの外気温度の検出値のデータに基づき、外気温度が所定値(例えば30度)まで上昇した場合に、圧縮機3で吸入する際の冷媒CO2の過熱度(SH)を小さくするように制御する。具体的には、制御部13は、外気温度が30度以下の場合にはサーミスタ9により蒸発器8出口の冷媒温度を検出し、外気温度が30度を越えた場合にはサーミスタ10により内部熱交換器5の出口の冷媒温度を検出するように制御する。これにより、冷凍サイクル1では、外気温度が30度以下の場合には蒸発器8出口の冷媒温度を検出したサーミスタ9の当該検出値に基づいて過熱度制御弁7における電磁弁の開閉が調節され、外気温度が30度を越えた場合には内部熱交換器5の出口の冷媒温度を検出したサーミスタ10の当該検出値に基づいて過熱度制御弁7の電磁弁の開閉が調節される。 【0031】なお、過熱度制御弁7による当該電磁弁の開閉については、過熱度の値が所定値よりも高い場合には、電磁弁の開度を大きくする(開く)ようにし、逆に、過熱度の値が所定値よりも低い場合には、電磁弁の開度を小さくする(閉じる)ようにすればよい。すなわち、電磁弁の開度を大きくすることによって、冷凍サイクル1では、蒸発器8及び内部熱交換器5を流通する冷媒の量が増加し、サーミスタ9及び10の検出値が低くなる。一方、電磁弁の開度を小さくすると、蒸発器8及び内部熱交換器5を流通する冷媒の量が減少し、サーミスタ9及び10の検出値が高くなる。 【0032】過熱度制御弁7の電磁弁の開度調節が第1の冷媒温度検出手段としてのサーミスタ9からの冷媒温度検出値に基づいて行われる場合の冷凍サイクル1の状態について説明する。この場合には、冷媒CO2は、過熱度制御弁7によって減圧されて温度が0度程度となっており、蒸発器8によって周囲の流体から熱を奪うことで温度が上昇する。ここで、過熱度制御弁7は、蒸発器8出口の配管P7に取り付けられたサーミスタ9の検出温度が蒸発温度+過熱度に相当する温度になるように、電磁弁の開度を調節する。具体的には、この場合には蒸発温度が0度であり、過熱度を0〜50度に設定したとして、サーミスタ9から検出されるべき温度は0度〜50度ということになる。従って、過熱度制御弁7は、蒸発器8出口の配管P7に取り付けられたサーミスタ9の検出温度が0度〜50度になるように、弁の開度を調節する。なお、この場合には、第2の冷媒温度検出手段であるサーミスタ10の検出温度は20度〜30度位であり、気液分離器2内には余剰の冷媒CO2が溜まっている状態となる。 【0033】次に、過熱度制御弁7の電磁弁の開度調節が第2の冷媒温度検出手段としてのサーミスタ10からの冷媒温度検出値に基づいて行われるように切り替えられた場合の冷凍サイクル1の状態について説明する。この場合にも、過熱度制御弁7は、サーミスタ10の検出温度が蒸発温度+過熱度に相当する温度になるように、電磁弁の開度を調節する。従って、過熱度制御弁7は、サーミスタ10で検出される内部熱交換器5出口の冷媒温度が0度〜50度になるように、弁の開度を調節する。ここで、サーミスタ10による検出温度がサーミスタ9による検出温度よりも常に高いことから、過熱度制御弁7は、内部熱交換器5出口の冷媒温度を相対的に下げるように、電磁弁を開いて回路内を循環する冷媒CO2の量を増やすように制御する。これにより、冷凍サイクル1では、圧縮機3に吸入される冷媒の過熱度が下がることになる。なお、この場合には、密度の高い冷媒CO2が回路内に多く流れることになるので、気液分離器2内には余剰の冷媒CO2がほとんど無い状態となる。 【0034】このような制御を行うことにより、この冷凍サイクル1では、図2に示すように、外気温度が上昇して30度を越えた場合にも、圧縮機3の冷媒吐出温度を100〜120度程度に抑えることが可能となり、この結果、圧縮機3の吐出温度を抑えてオイル(潤滑油)劣化を防止しながらCOPの改善を図ることが可能となった。 【0035】次に、冷凍サイクルの他の実施の形態について図3を参照して説明する。なお、図1の冷凍サイクル1と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図3に示す冷凍サイクル1Aは、上述した冷凍サイクル1と基本的な回路構成については同一であり、第1の冷媒温度検出手段9A及び第2の冷媒温度検出手段10Aとして感温筒を用いており(以下、感温筒9A,感温筒10Aと呼ぶ。)、過熱度制御弁の開閉制御について圧力式の構成としたものである。すなわち、冷凍サイクル1Aの感温筒9A及び感温筒10Aは、所定密度で流体が封入されており、冷媒温度検出値を当該流体の圧力(以下、検出圧力という。)により切替制御部11Aに出力するようになっている。 【0036】また、冷凍サイクル1Aでは、切替スイッチ14の代わりに切替弁15を用いて切替制御部11Aが構成されており、この切替弁15が制御部13Aからの切替制御信号に基づいて、感温筒9A及び感温筒10Aのいずれかの検出圧力を切替選択して過熱度制御弁7Aに供給する。さらには、冷凍サイクル1Aにおける過熱度制御弁7Aは、切替制御部11Aから供給される検出圧力に応じて弁の開度を調節する機械式のものとなっている。 【0037】そして、図1の冷凍サイクル1の場合と同様の設定及び制御を行うことにより、冷凍サイクル1Aにおいても、上述した冷凍サイクル1と同様に、外気温度が上昇して30度を越えた場合にも、圧縮機3の冷媒吐出温度を100〜150度程度に抑えることが可能となり、圧縮機3のオイル(潤滑油)劣化を防止しながらCOPの改善を図ることが可能となる。 【0038】冷凍サイクルの他の実施の形態について図4を参照して説明する。なお、図1の冷凍サイクル1と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図4に示す冷凍サイクル1Bは、上述した冷凍サイクル1と基本的な回路構成については同一であるが、切替制御部11Bにつき、圧縮機3の吐出冷媒温度を検出する第3の冷媒温度検出手段としてのセンサ部12Aが配管P2に取り付けられ、このセンサ部12Aの検出値に基づいて、制御部13Bが、過熱度制御弁7に供給される検出信号を切り替える構成となっている。 【0039】この冷凍サイクル1Bでは、運転開始時の初期状態では、図4に示すように、第1の冷媒温度検出手段としてのサーミスタ9からの検出信号が過熱度制御弁7に供給されるようにしておく。そして、切替制御部11Bは、圧縮機3の吐出冷媒温度が上昇して所定温度を越えた場合に第2の冷媒温度検出手段であるサーミスタ10からの検出信号が過熱度制御弁7に供給されるように切り替える制御を行う。 【0040】具体的には、切替制御部11Bにおいては、制御部13が、センサ部12Aから供給される圧縮機3の吐出冷媒温度についての検出値データを監視して、センサ部12Aが検出した圧縮機3の吐出冷媒温度の値が潤滑油の性質に影響を与え始める120度となった場合に、切替スイッチ14に切替制御信号を出力して、スイッチSの接続を端子14aから14b側に切り替える制御を行う。 【0041】このような制御を行うことによって、冷凍サイクル1Bでは、圧縮機3の吐出温度が一定値を越えた場合にその吸入の過熱度が下がるので、圧縮機3の吐出温度を抑えてオイル(潤滑油)劣化を防止しながらCOPの改善を図ることが可能となる。 【0042】なお、冷凍サイクル1Bは、図1の冷凍サイクル1と同様に、第1の冷媒温度検出手段9及び第2の冷媒温度検出手段10としてサーミスタを用い、過熱度制御弁7として電磁弁を用いたものとし、さらには電気式のスイッチ14により構成しているが、図3の冷凍サイクル1Aと同様に、これらを圧力式のもので構成することが可能であることは勿論である。 【0043】さらに、上述した実施の形態では気液分離器を用いて回路を構成したが、本発明は、例えば図5に示すように、気液分離器を用いないで回路を構成することも可能である。なお、図5では、上述した実施の形態と同一の部分には同一の符号を付している。図5に示す冷凍サイクル1Cでは、蒸発器8から流出する冷媒を気液分離器を介さずに圧縮機3に供給している。一方、冷凍サイクル1Cでは、高圧制御弁6と過熱度制御弁7との間にサージタンク16を配して、このサージタンク16で余剰冷媒を貯留させるようにしている。ここで、サージタンク16としては、500〜1000ml程度の貯留能力のあるものであればよい。このような構成の冷凍サイクル1Cにおいても、上述と同様の制御を行うことにより、圧縮機3の吐出温度を抑えて潤滑油の劣化を防止しながらCOPの改善を図ることが可能となる。 【0044】なお、上述した実施の形態では外気温度や圧縮機3の冷媒吐出温度に応じて圧縮機3に吸入される冷媒の過熱度の大小を切り替えることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の要素、例えば車両空調負荷に応じて上記冷媒の過熱度の大小を制御してもよい。 【0045】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、切替選択手段が、第1の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値と第2の冷媒温度検出手段からの冷媒温度検出値のいずれかを所定条件下で切替選択することにより、当該選択された冷媒温度検出値に基づいて、過熱度制御弁が、圧縮機入口側での冷媒の過熱度が所定値となるように放熱器から蒸発器への冷媒の流量を調節するので、圧縮機の冷媒吐出温度上昇の抑制を図り潤滑油の劣化を防止しながらCOPの改善を図ることのできる蒸気圧縮式冷凍サイクルを提供することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001845 【氏名又は名称】サンデン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月11日(1999.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108888 【弁理士】 【氏名又は名称】本田 紘一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−205670(P2000−205670A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願平11−3823 |
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