| 【発明の名称】 |
積層型エバポレータ |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 美弘
【氏名】奈良原 明成
【氏名】浅沼 達
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| 【要約】 |
【課題】スーパーヒート領域を十分に確保すると共に、偏流を生じにくくして、しかもコア部2aを通過する空気を十分に均一に冷却する。
【解決手段】互いに同一の内部構造を有する、複数の第一、第二素子8、10を、裏表方向を互いに異ならせつつ、交互に1個ずつフィンを介して重ね合わせる事によりコア部2aを構成する。上記各第一素子8、8内の上流側流路19a、19aと、上記各第二素子10、10内の下流側流路19b、19bとは、一方のサイドタンクの内部に設けた、断面積の大きなサイドタンク流路14aを介して通じさせる。上記各第一素子8、8内の上流側流路19a、19aを冷媒が通過する過程で生じた偏流は、上記サイドタンク流路14a内で解消される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 それぞれの片面に凹部を形成した金属板を2枚1組とし、互いの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により、内部に扁平な流路を有する素子とし、複数の素子を、隣り合う素子同士の間にフィンを設けた状態で重ね合わせる事により構成したコア部を有し、このコア部を構成する上記各素子の内部に冷媒を流通させると共に、これら各素子の外部に空気調和用の空気を、上記コア部の厚さ方向に通過させる状態で使用する積層型エバポレータに於いて、上記コア部は、幅方向端部に設けられた、内部にサイドタンク流路を有するサイドタンクを備え、上下又は裏表の方向を互いに同じとした第一素子と、この第一素子と同じ内部構造を有し、上下又は裏表の方向を、この第一素子の上下又は裏表の方向と異ならせた第二素子とを、フィンを介して交互に幅方向に重ね合わせて成り、上記第一素子の内部に設けた流路と上記第二素子の内部に設けた流路とを、上記サイドタンク流路を介して通じさせると共に、このサイドタンク流路の断面積を、このサイドタンク流路の上流端直前に存在する複数の素子の内部に設けた流路の断面積の総和以上とした事を特徴とする積層型エバポレータ。 【請求項2】第一、第二素子は、一端部に互いに独立した状態で設けらた第一、第二深凹部と、同じく他端部に互いに独立した状態で設けられた第三、第四深凹部と、中間部に設けられて、各第一、第二素子の幅方向で互いに異なる側に存在する第一、第四深凹部同士を連通させる1本の第一浅凹部とを備えた1対の第一金属板を、それぞれの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせ、上記第一深凹部同士が突き合わされた部分に第一タンク空間を、上記第二深凹部同士が突き合わされた部分に第二タンク空間を、上記第三深凹部同士が突き合わされた部分に第三タンク空間を、上記第四深凹部同士が突き合わされた部分に第四タンク空間を、上記第一浅凹部同士が突き合わされた部分に上記第一、第四タンク空間同士を連通させる流路を、それぞれ設けたものであり、これら第一、第二素子は、裏表の方向が互いに異なる状態でフィンを介して交互に重ね合わせ、重ね合わせた状態で互いに対向するタンク空間同士のうちの少なくとも一部を連通させる事によりコア部を構成する、請求項1に記載した積層型エバポレータ。 【請求項3】第一、第二素子は、一端部に互いに独立した状態で設けらた第五、第六深凹部と、同じく他端部に互いに独立した状態で設けられた第七、第八深凹部と、中間部に設けられた、途中で180度折り返されてこれら第七、第八深凹部同士を互いに連通させる1本の第二浅凹部とを備えた1対の第二金属板を、それぞれの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせ、上記第五深凹部同士が突き合わされた部分に第五タンク空間を、上記第六深凹部同士が突き合わされた部分に第六タンク空間を、上記第七深凹部同士が突き合わされた部分に第七タンク空間を、上記第八深凹部同士が突き合わされた部分に第八タンク空間を、上記第二浅凹部同士が突き合わされた部分に上記第七、第八タンク空間同士を連通させる流路を、それぞれ設けたものであり、これら第一、第二素子は、上下の方向が互いに異なる状態でフィンを介して交互に重ね合わせ、重ね合わせた状態で互いに対向するタンク空間同士のうちの少なくとも一部を連通させる事によりコア部を構成する、請求項1に記載した積層型エバポレータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明に係る積層型エバポレータは、自動車用空気調和装置に組み込んで、車室内を空気調和する為の空気を冷却する。 【0002】 【従来の技術】自動車用空気調和装置には、内部で冷媒を蒸発させ、外部を流通する空気を冷却するエバポレータを組み込んでいる。この様な、自動車用空気調和装置に組み込むエバポレータとして従来から、例えば特開昭62−798号公報等に記載されている様な、複数枚の金属板を互いに積層して成る、所謂積層型エバポレータが知られている。この積層型エバポレータは、それぞれが2枚の金属板を最中状に組み合わせて成る素子を複数個、互いに積層する事により構成している。又、この様な、自動車用空気調和装置に組み込むエバポレータとして従来から、例えば、特許第2737286号公報、同第2737987号公報等に記載されたものも知られている。図15〜16は、このうちの特許第2737286号公報に記載された構造を略示している。 【0003】この公報に記載された積層型エバポレータ1は、コア部2の幅方向端部に、このコア部2に冷媒を送り込む為の冷媒送り込み管3と、このコア部2から冷媒を取り出す為の冷媒取り出し管4とを、互いに独立して導出する状態で設けている。上記冷媒送り込み管3から送り込まれた冷媒は、上記コア部2の幅方向に亙り1個おきに配置された一部の素子5a、5bの内部に設けた流路7、7を介して、上記コア部2の幅方向片側から他側(図15、16の右側から左側)に向けて流れる。この冷媒は上記コア部2の幅方向他半部(図15、16の左半部)で、上記一部の素子5a、5bと隣り合う残部の素子6、6の内部に向けて流れ、この残部の素子6、6の内部に設けた流路7、7を介して、上記コア部2の幅方向他側から片側に向けて流れた後、上記冷媒取り出し管4から流出する。従って、この積層型エバポレータ1は、液状冷媒を多く含む低温領域(図15、16で実線矢印に示す方向に冷媒が流れる部分)と、気化し切った冷媒が流れる過熱領域(図15、16で破線矢印に示す方向に冷媒が流れる部分)とが上記コア部2の幅方向に亙り交互に存在して、このコア部2の温度分布を良好にできる。 【0004】又、前記特許第2737987号公報に記載された積層型エバポレータは、内部にU字形の流路を有し、互いに内部構造が同一である複数の素子を、上下方向が交互に異なる様にフィンを介して重ね合わせ、重ね合わせた状態で互いに対向するタンク空間同士を連通させる事でコア部を構成している。この公報に記載された積層型エバポレータの場合にも、液状冷媒を多く含む低温領域と、気化し切った冷媒が流れる過熱領域とが上記コア部の幅方向に亙り交互に存在する事により、このコア部の温度分布を良好にできる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上述した何れの従来構造の場合でも、内部を冷媒が分流しつつ流れる為、各流路間で冷媒の偏流が生じると共に、この偏流の度合いが下流側に向かう程累積して顕著になる。そして、例えば図15の斜線部分で示した、上記コア部の幅方向中間部分では、冷媒が各流路内に進入しにくくなり、この部分での冷媒と外部を通過する空気との間での熱交換を十分に行なえなくなる。従って、冷媒の偏流の度合いが顕著になると、積層型エバポレータの全面に亙る温度分布が不均一になると共に、圧力損失が増大して、積層型エバポレータの熱交換性能を十分に発揮する事が難しくなる。尚、積層型エバポレータの全面に亙る温度分布が不均一になると、乗員にとって快適な冷房状態を実現しにくい。 【0006】更に、上記特許第2737987号公報に記載された積層型エバポレータの場合、冷媒送り込み管及び冷媒取り出し管が存在する、コア部の端部近くでは、このコア部の内部を流れる冷媒の流路が短い。この為、この公報に記載された積層型エバポレータの場合、冷媒取り出し管から流出する直前の冷媒が外部を通過する空気との間で十分に熱交換を行なえず、その結果、十分に気化し切らない冷媒が上記冷媒取り出し管から流出する可能性がある。この様に十分に気化し切らない冷媒がこの冷媒取り出し管から流出してコンプレッサに送り込まれる、所謂リキッドバックが発生すると、このコンプレッサの故障を招く可能性がある。従って、積層型エバポレータの内部で冷媒取り出し管から冷媒が流出する直前の部分に、冷媒を十分に気化し切る、所謂スーパーヒート領域を十分に確保する必要がある。本発明は、上述の様な事情に鑑みて、スーパーヒート領域を十分に確保すると共に、偏流を生じにくくして、しかもコア部を通過する空気を十分に均一に冷却できる構造を実現すべく発明したものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の積層型エバポレータは、前述した従来から知られている積層型エバポレータと同様に、それぞれの片面に凹部を形成した金属板を2枚1組とし、互いの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により、内側に扁平な流路を有する素子とし、複数の素子を、隣り合う素子同士の間にフィンを設けた状態で重ね合わせる事により構成したコア部を有する。そして、このコア部を構成する上記各素子の内部に冷媒を流通させると共に、これら各素子の外部に空気調和用の空気を、上記コア部の厚さ方向に通過させる状態で使用する。 【0008】特に、本発明の積層型エバポレータに於いては、上記コア部は、幅方向端部に設けられた、内部にサイドタンク流路を有するサイドタンクを備え、上下又は裏表の方向を互いに同じとした第一素子と、この第一素子と同じ内部構造を有し、上下又は裏表の方向を、この第一素子の上下又は裏表の方向と異ならせた第二素子とを、フィンを介して交互に幅方向に重ね合わせて成る。そして、上記第一素子の内部に設けた流路と上記第二素子の内部に設けた流路とを、上記サイドタンク流路を介して通じさせると共に、このサイドタンク流路の断面積を、このサイドタンク流路の上流端直前に存在する複数の素子の内部に設けた流路の断面積の総和以上としている。 【0009】 【作用】上述の様に構成する本発明の積層型エバポレータの場合、液状冷媒を多く含む低温領域と、気化し切った冷媒が流れる過熱領域とがコア部の幅方向に亙り交互に存在すると共に、第一素子の内部を流れた冷媒が、断面積の大きなサイドタンク流路内を通過して、上記第一素子内を通過する過程で生じた偏流を解消する事ができる。従って、積層型エバポレータ全体での偏流の程度を小さく抑えて、熱交換性能を十分に確保すると共に、上記コア部の全面に亙る温度分布を十分に均一にする事ができる。更に、このコア部の内部を流れる冷媒と、このコア部の外部を通過する空気との間での熱交換を十分に行なえる為、スーパーヒート領域を十分に確保して、上記コア部から流出する直前の冷媒を十分に気化する事ができる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1〜9は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。先ず、図1〜3は、本発明の対象となる積層型エバポレータ1aの全体構造を示している。この積層型エバポレータ1aは、それぞれが複数個ずつの第一素子8、8と、第二素子10、10と、コルゲート型のフィン12、12とを、幅方向(図1、3、6の左右方向、図2の表裏方向)に亙り互いに直列に積層し、更に幅方向両端に1対のサイドタンク14a、14b(図7、8)を重ね合わせて成るコア部2aを有する。このコア部2aの幅方向一端部(図1、3の右端部)に、上記コア部2a内に液状若しくは気液混合状態の冷媒を送り込む為の冷媒送り込み管3の下流側端部と、上記コア部2aからガス状の冷媒を取り出す為の冷媒取り出し管4の上流側端部とを、互いに独立して導出する状態で設けている。この為、本例の場合には、上記コア部2aの幅方向一端部に、上記冷媒送り込み管3及び冷媒取り出し管4の端部を接続する為のコネクタ15を設け、このコネクタ15を介して、上記冷媒送り込み管3を後述する入口タンク部16の内部に、上記冷媒取り出し管4を同じく後述する出口タンク部17の内部に、互いに独立して通じさせている。 【0011】上記コア部を構成する為の上記第一、第二素子8、10は、互いに同じ内部構造を有する。即ち、これら第一、第二素子8、10は、後で詳しく説明する様に、それぞれの片面に凹部を形成した第一金属板18、18をそれぞれ2枚1組とし、互いの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により造ったもので、それぞれ内部に扁平な流路である、上流側、下流側流路19a、19bを有する。 【0012】又、上記第一金属板18、18は、芯材(比較的融点が高いアルミニウム合金)の両面にろう材(Siを多く含み、比較的融点が低いアルミニウム合金)を積層した、所謂両面クラッド材としている。前記積層型エバポレータ1aを造るには、上記第一金属板18、18と、前記サイドタンク14a、14bと、前記フィン12、12と、上記コネクタ15と、サイドプレート20a、20bとを、図1〜3に示した状態に組み合わせ、加熱炉中で加熱して、上記ろう材により上記各部材18、14a、14b、12、15、20a、20bを、互いにろう付け接合する。 【0013】特に、本発明の積層型エバポレータ1aに於いては、内部構造を互いに同一とした、上記第一素子8、8と第二素子10、10とを、それぞれ1個ずつフィン12、12を介して交互に重ね合わせて、上記コア部2aを構成している。この際、上記各第一素子8、8は、裏表の方向を互いに一致させて配置し、上記各第二素子10、10は、裏表の方向を上記第一素子8、8の裏表の方向と異ならせて配置している。即ち、上記各第一、第二素子8、10として、図4に示す様に、それぞれ内部に1本の上流側、下流側流路19a、19bを有するものを用いる。これら上流側、下流側流路19a、19bは、上記各素子8、10の一端部(同図の上端部)で幅方向片側(同図の左側)に存在する、後述する第一タンク空間21と、同じく他端部(同図の下端部)で幅方向他側(同図の右側)に存在する、後述する第四タンク空間24とを互いに連通させている。そして、上記コア部2aを構成する際に、上記第一素子8、8を、裏表方向を図4の裏表方向と一致させて配置するとすれば、上記第二素子10、10を、裏表方向を図4の裏表方向と異ならせて配置する。 【0014】上記各第一、第二素子8、10は、何れも図5(A)(B)に詳示する様な第一金属板18を2枚、最中状に重ね合わせ、互いにろう付けして成る。アルミニウム合金製の両面クラッド材である素板にプレス加工を施して成る、上記第一金属板18は、それぞれの上端部に、互いに独立した第一、第二深凹部25、26を設けている。又、下端部に、互いに独立した第三、第四深凹部27、28を設けている。更に、中間部には、上記第一金属板18の上端部で幅方向片側{図5(B)の左側}に存在する第一深凹部25と、同じく下端部で幅方向他側{図5(B)の右側}に存在する第四深凹部28とを互いに連通させる、1本の第一浅凹部29を設けている。 【0015】上記各第一、第二素子8、10はそれぞれ、上述の様な第一金属板18を1対ずつ、それぞれの凹部同士を対向させた状態、即ち、第一深凹部25同士、第二深凹部26同士、第三深凹部27同士、第四深凹部28同士、第一浅凹部29同士を互いに対向させた状態で、最中状に重ね合わせている。そして、上記第一深凹部25同士が突き合わされた部分に前記第一タンク空間21を、上記第二深凹部26同士が突き合わされた部分に第二タンク空間22を、上記第三深凹部27同士が突き合わされた部分に第三タンク空間23を、上記第四深凹部28同士が突き合わされた部分に前記第四タンク空間24を、それぞれ形成している。 【0016】又、上記各第一素子8、8を構成する為に第一浅凹部29同士が突き合わされた部分を前記上流側流路19aとし、上記各第二素子10、10を構成する為に第一浅凹部29同士が突き合わされた部分を前記下流側流路19bとして、これら上流側、下流側流路19a、19bにより上記第一、第四タンク空間21、24同士を連通させている。尚、上記第一浅凹部29内には多数の突起30、30を形成している。これら各突起30、30の先端面は、上記第一金属板18、18同士を最中状に組み合わせる際に、これら第一金属板18、18の周縁部等と共に、互いに突き合わされてろう付けされる。そして、上記各第一、第二素子8、10の耐圧強度を確保すると共に、上記上流側流路19a、下流側流路19b内を流れる冷媒の流れを攪乱する役目を果たす。 【0017】前記コア部2aは、それぞれが上述した様に構成する複数の第一素子8、8と、複数の第二素子10、10とを、交互に1個ずつ、裏表方向を互いに異ならせて、フィン12、12を介して重ね合わせる事により構成している。これと共に、冷媒が上記第一素子8、8及び第二素子10、10の内部を流れる方向を、上記コア部2aの片半部(図1、3、6の右半部)と他半部(図1、3、6の左半部)とで互いに異ならせている。 【0018】この為に、上記第一素子8、8と、第二素子10、10とを、フィン12、12を介して交互に重ね合わせた状態で、上記コア部2aの片半部に於いてそれぞれが互いに対向する、上記各第一素子8、8の第一タンク空間21及び上記各第二素子10、10の第二タンク空間22同士を、互いに連通して、前記入口タンク部16を構成している。この為に、上記コア部2aの片半部で上記各第一素子8、8を構成する第一金属板18、18に形成した第一深凹部25の底部と、同じく上記各第二素子10、10を構成する第一金属板18、18に形成した第二深凹部26の底部とには、上記コア部2aの幅方向中央部に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。この様にして構成した、上記入口タンク部16は、前記コネクタ15及び後述する他方のサイドタンク14bに設けた入口タンク空間36を介して、前記冷媒送り込み管3に通じさせている。尚、上記コア部2aの幅方向両端に位置する1対の素子と重ね合わせる1対のサイドプレート20a、20bには、それぞれ上記コア部2aと対向する側面に、4個の深凹部を突出形成している。これら各深凹部の底部は、上記1対の素子に形成した各深凹部の底部と突き合わせる。又、上記コネクタ15が固定される一方(図1、3の右方)のサイドプレート20aの上端部に形成した1対の深凹部にのみ、冷媒を通過させる為の通孔を形成している。1対のサイドプレート20a、20bに形成した他の深凹部の底部には、この様な通孔は形成しない。 【0019】又、上記コア部2aの下端部風上側部分に於いてそれぞれが互いに対向する、上記各第一素子8、8の第四タンク空間24及び上記各第二素子10、10の第三タンク空間23同士を、互いに連通して、上記コア部2aの片半部に存在する上記各第一素子8、8内の上流側流路19aと、同じく他半部に存在する上記各第一素子8、8内の上流側流路19aとを連通させる、上流側冷媒移送タンク部32を構成している。この為に、上記各第一素子8、8を構成する第一金属板18、18に形成した第四深凹部28の底部と、上記各第二素子10、10を構成する第一金属板18、18に形成した第三深凹部27の底部とには、上記コア部2aの幅方向両端(図1、3の左右両端)に位置する2枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。 【0020】又、上記コア部2aの他半部に於いてそれぞれが互いに対向する、上記各第一素子8、8の第一タンク空間21及び上記各第二素子10、10の第二タンク空間22同士を、互いに連通して、上記コア部2aの他半部に存在する上記各第一素子8、8内の上流側流路19aと、後述する1対のサイドタンク14a、14bのうち一方(図1、3の左方)のサイドタンク14a内に設けたサイドタンク流路13aとを連通させる、第一中間タンク部33を構成している。この為に、上記コア部2aの他半部で上記各第一素子8、8を構成する第一金属板18、18に形成した第一深凹部25の底部と、同じく上記各第二素子10、10を構成する第一金属板18、18に形成した第二深凹部26の底部とには、上記コア部2aの幅方向中央部に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。 【0021】又、上記コア部2aの他半部に於いてそれぞれが互いに対向する、上記各第一素子8、8の第三タンク空間23及び上記各第二素子10、10の第四タンク空間24同士を、互いに連通して、上記一方のサイドタンク14a内に設けたサイドタンク流路13aと、上記コア部2aの他半部に存在する上記各第二素子10、10内の下流側流路19bとを連通させる、第二中間タンク部34を構成している。この為に、上記コア部2aの他半部で上記各第一素子8、8を構成する第一金属板18、18に形成した第三深凹部27の底部と、同じく上記各第二素子10、10を構成する第一金属板18、18に形成した第四深凹部28の底部とには、上記コア部2aの幅方向中央部に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。 【0022】又、上記コア部2aの上端部風上側部分に於いてそれぞれが互いに対向する、上記各第一素子8、8の第二タンク空間22及び上記各第二素子10、10の第一タンク空間21同士を、互いに連通して、上記コア部2aの他半部に存在する上記各第二素子10、10内の下流側流路19bと、同じく片半部に存在する上記各第二素子10、10内の下流側流路19bとを連通させる、下流側冷媒移送タンク部35を構成している。この為に、上記各第一素子8、8を構成する第一金属板18、18に形成した第二深凹部26の底部と、上記各第二素子10、10を構成する第一金属板18、18に形成した第一深凹部25の底部とには、上記コア部2aの幅方向両端(図1、3の両端)に位置する1対の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。 【0023】又、上記コア部2aの片半部の風下側部分に於いてそれぞれが互いに対向する、上記各第一素子8、8の第三タンク空間23及び上記各第二素子10、10の第四タンク空間22同士を、互いに連通して、前記出口タンク部17を構成している。この為に、上記コア部2aの片半部で上記各第一素子8、8を構成する第一金属板18、18に形成した第三深凹部27の底部と、同じく上記各第二素子10、10を構成する第一金属板18、18に形成した第四深凹部28の底部とには、上記コア部2aの幅方向中央部に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。この様にして構成した、上記出口タンク部17は、前記コネクタ15及び後述する1対のサイドタンク14a、14bのうちの他方(図1、3の右方)のサイドタンク14bに設けたサイドタンク流路13bを介して、前記冷媒取り出し管4に通じさせている。 【0024】又、上記コア部2aの幅方向両端部に、両端部に存在する素子とフィン12、12を介して重ね合わせる状態で、1対のサイドタンク14a、14bを設けている。これら1対のサイドタンク14a、14bは、上記第一、第二素子8、10を構成する第一金属板18と同様に、それぞれの片面に凹部を形成した金属板を2枚1組とし、互いの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により造ったもので、内部にそれぞれ扁平な前記サイドタンク流路13a、13bを有する。このうちの一方のサイドタンク14aに設けるサイドタンク流路13aは、図7に示す様に、このサイドタンク14aの上端部で幅方向片側(同図の右側)に存在する部分の内側と、同じく下端部で幅方向他側(同図の左側)に存在する部分の内側とを連通させている。この為、このサイドタンク14aを構成する為の1対の金属板には、それぞれ上記サイドタンク流路13aを構成する為の1本の深凹部を設けている。そして、このサイドタンク14aを上記コア部2aを構成する為の素子にフィン12、12を介して重ね合わせた状態で、上記サイドタンク流路13aの上流端を前記第一中間タンク部33の下流端に、同じくサイドタンク流路13aの下流端を前記第二中間タンク部34の上流端に、それぞれ通じさせる。この為、上記サイドタンク14aを構成する為の1対の金属板のうち上記コア部2aを構成する為の素子に対向する金属板に設ける深凹部には、両端の底部に冷媒を通過させる為の通孔を設けている。又、この様に設ける上記サイドタンク流路13aの断面積を、このサイドタンク流路13aの上流端直前に存在する複数の第一素子8、8の内部に設けた上流側流路19a、19aの断面積の総和以上としている。例えばこのサイドタンク流路13aの上流端直前に存在する、上記コア部2aの他半部に存在する第一素子8、8を4本とすれば、上記サイドタンク流路13aの断面積を、上記上流側流路19a、19aの断面積の4倍以上とする。 【0025】一方、上記1対のサイドタンク14a、14bのうち他方(図1、3の右方)のサイドタンク14bの内部には、図8に示す様に、上記一方のサイドタンク14aに設けたサイドタンク流路13aと同様のサイドタンク流路13bを設けると共に、このサイドタンク14bの上端部で上記サイドタンク流路13bと異なる部分に、前記入口タンク空間36を設けている。この為、上記他方のサイドタンク14bを構成する為の1対の金属板には、それぞれ上記サイドタンク流路13bを構成する為の深凹部と、上記入口タンク空間36を構成する為の深凹部とを設ける。この他方のサイドタンク14b内のサイドタンク流路13bの断面積は、このサイドタンク流路13bの上流端直前に存在する複数の第二素子10、10の内部に設けた下流側流路19b、19bの断面積の総和以上としている。 【0026】そして、この他方のサイドタンク14bを上記コア部2aを構成する為の素子にフィン12、12を介して重ね合わせた状態で、上記サイドタンク流路13bの上流端(図8の下端)を前記出口タンク部17の下流端に、同じくこのサイドタンク流路13bの下流端(図8の上端)を前記冷媒取り出し管4に、それぞれ通じさせる。又、前記冷媒送り込み管3と前記入口タンク部16とを、上記サイドタンク13bに設けた上記入口タンク空間36により通じさせる。この為、上記1対の金属板のうち上記コア部2aを構成する為の素子に対向する金属板に設ける、上記サイドタンク流路13bを構成する為の深凹部の一端(図8の下端)底部と、上記1対の金属板のうち上記コア部2aを構成する為の素子に対向しない金属板に設ける、上記サイドタンク流路13bを構成する為の深凹部の他端(図8の上端)底部とには、それぞれ冷媒を通過させる為の通孔を設けている。又、上記1対の金属板に設ける、上記入口タンク空間36を構成する為の深凹部の底部には、それぞれ冷媒を通過させる為の通孔を設けている。但し、冷媒取り出し管4を上記コア部2aから導出する位置を特に規制する必要がなければ、上記他方のサイドタンク14bを設けずに、上記冷媒送り込み管3を直接上記入口タンク部16に通じさせ、上記出口タンク部17を直接上記冷媒取り出し管4に通じさせても良い。 【0027】上述の様に構成する本発明の積層型エバポレータの使用時には、コンデンサから吐出され、膨張弁を通過した液状若しくは気液混合状態の冷媒を、前記冷媒送り込み管3から前記コネクタ15及び上記入口タンク空間36を介して、上記入口タンク部16に送り込む。この入口タンク部16に送り込まれた冷媒は、図6、9に実線矢印イで示す様に、この入口タンク部16全体に広がる。この入口タンク部16内に広がった冷媒は、続いて、同図に実線矢印ロ、ロで示す様に、上記コア部2aの片半部を構成する為に交互に配置された第一、第二素子8、10のうちの第一素子8、8内の上流側流路19a、19aを、上記上流側冷媒移送タンク部32に向けて、図6の矢印α方向に流れる空気との間で熱交換を行ないつつ流れる。 【0028】この様にして上記上流側冷媒移送タンク部32内に流れ込んだ冷媒は、この上流側冷媒移送タンク部32内を、同図に実線矢印ハで示す様に、風上側部分を一端から他端(同図の右端から左端)に向けて流れる。そして、上記上流側冷媒移送タンク部32から上記コア部2aの他半部に存在する上記第一素子8、8内の上流側流路19a、19aに送り込まれ、この上流側流路19a、19aを、同図に実線矢印ニ、ニで示す様に、上記第一中間タンク部33に向けて、上記空気との間で熱交換を行ないつつ流れる。そして、上記第一中間タンク部33内に達した冷媒は、同図に実線矢印ホで示す様に、前記一方のサイドタンク14aに設けたサイドタンク流路13a内に向けて流れる。 【0029】上述の様に冷媒は、上記第一素子8、8内の上流側流路19a、19aを分流しつつ流れる為、これら各上流側流路19a、19a同士の間で若干の偏流を生じるが、この冷媒は断面積を前述の様に規制した上記サイドタンク流路13a内を、同図に実線矢印へで示す様に通過する際に合流する。そして、合流する事により偏流を解消した冷媒は、上記第二中間タンク部34内に流入し、この第二中間タンク34内で同図で破線矢印トに示す様に広がった後、上記各第一素子8、8の間に配置された各第二素子10、10の内部に設けた下流側流路19b、19b内に流入する。そして、この冷媒は、これら各下流側流路19b、19b内を、同図で破線矢印チ、チに示す様に、前記下流側冷媒移送タンク35部に向けて、前記空気との間で熱交換を行ないつつ流れる。次いで冷媒は、この下流側冷媒移送タンク部35内を、同図で破線矢印リに示す様に、他端から一端(同図の左端から右端)に向けて流れる。 【0030】そして、上記冷媒は、上記コア部2aの片半部に存在する第二素子10、10の内部に設けた下流側流路19b、19b内を、同図で破線矢印ヌ、ヌに示す様に、前記出口タンク部17に向け、上記空気との間で熱交換を行ないつつ流れ、この出口タンク部17内を、同図で破線矢印ルに示す方向に流れる。そして、この出口タンク部17の下流端から上記他方のサイドタンク14bに設けたサイドタンク流路13b内に送り込まれて、同図で破線矢印ヲに示す様に流れた冷媒は、このサイドタンク流路13bの下流端から前記冷媒取り出し管4の下流端に接続した配管を通じてコンプレッサの吸入口に送られる。 【0031】前述の様に構成し、上述の様に上記コア部2aの内部を流れる冷媒とこのコア部2aの外部を通過する空気との間で熱交換を行ない、この空気を冷却する、本発明の積層型エバポレータによれば、冷媒送り込み管3から入口タンク部16内に送り込まれた冷媒が、上記コア部2aの片半部と他半部とに設けた第一素子8、8内の上流側流路19a、19aと、同じく第二素子10、10内の下流側流路19b、19bとをそれぞれ流れた後、出口タンク部17に達し、この出口タンク部17内から冷媒取り出し管4を通じてコンプレッサに向けて流出する。従って、上記コア部2aの内部を流れる冷媒は、上記各流路19a、19b内でこのコア部2aの外部を通過する空気との間で十分に熱交換を行なえる。この為、冷媒の量を多くしても、このコア部2aのスーパーヒート領域を十分に確保して、冷媒取り出し管4から流出する直前の冷媒を十分に気化し、積層型エバポレータ1aの熱交換性能を確保すると共に、この積層型エバポレータ1aを組み込んだ自動車用空気調和装置の信頼性確保を図れる。 【0032】更に、本発明の積層型エバポレータによれば、液状冷媒を多く含む低温領域と、気化し切った冷媒が流れる過熱領域とがコア部2aの幅方向に亙り交互に存在すると共に、第一素子8、8の内部を流れた冷媒が、断面積の大きな一方のサイドタンク流路13a内を通過して、上記第一素子8、8内を冷媒が通過する過程で生じた偏流を解消する事ができる。従って、積層型エバポレータ1a全体での偏流の程度を小さく抑えて、熱交換性能を十分に確保すると共に、上記コア部2aの温度差を、このコア部2aの幅方向に亙り、十分に均一化して、このコア部2aを通過後の空気の温度分布を十分に均一化し、乗員に快適な空気調和を実現できる。 【0033】次に、図10〜12は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、上述した第1例の場合と異なり、1個のサイドタンク37のみを、コア部2bの幅方向一端(図10、12の右端)に設けている。又、このコア部2bを構成する為の第一、第二素子9、11の内部構造を互いに同一とし、それぞれ内部に1本の上流側、下流側流路40a、40bを設けている。 【0034】この為に上記各第一、第二素子9、11は、何れも図11(A)(B)に詳示する様な第二金属板41を2枚、最中状に重ね合わせ、互いにろう付けして成る。アルミニウム合金製の両面クラッド材である素板にプレス加工を施して成る、上記第二金属板41は、それぞれの上下方向一端部に、互いに独立した第五、第六深凹部42、43を設けている。又、上下方向他端部に、互いに独立した第三、第四深凹部44、45を設けている。更に、中間部には、途中で180度折り返してこれら第七、第八深凹部44、45同士をそれぞれ連通させる1本の第二浅凹部46を設けている。 【0035】上記各第一、第二素子9、11はそれぞれ、上述の様な第二金属板41を1対ずつ、それぞれの凹部同士を対向させた状態、即ち、第五深凹部42同士、第六深凹部43同士、第七深凹部44同士、第八深凹部45同士、第二浅凹部46同士を互いに対向させた状態で、最中状に重ね合わせている。そして、上記第五深凹部42同士が突き合わされた部分に第五タンク空間を、上記第六深凹部43同士が突き合わされた部分に第六タンク空間を、上記第七深凹部44同士が突き合わされた部分に第七タンク空間を、上記第八深凹部45同士が突き合わされた部分に第八タンク空間を、それぞれ形成している。 【0036】又、上記各第一素子9、9を構成する為に第二浅凹部46同士が突き合わされた部分を前記上流側流路40aとし、上記各第二素子11、11を構成する為に第二浅凹部46同士が突き合わされた部分を前記下流側流路40bとして、これら上流側、下流側流路40a、40bにより上記第七、第八タンク空間同士を連通させている。 【0037】前記コア部2bは、それぞれが上述した様に構成する複数の第一素子9、9と、複数の第二素子11、11とを、交互に1個ずつ、上下方向を互いに異ならせ、フィン12、12を介して重ね合わせる事により構成している。そして、この様に重ね合わせた状態で、それぞれが互いに対向する、上記各第一素子9、9の第六タンク空間及び上記各第二素子11、11の第七タンク空間同士を、互いに連通して、上流側冷媒分配タンク部47を構成している。この為に、上記各第一素子9、9を構成する上記第二金属板41、41に形成した第六深凹部43の底部と、上記各第二素子11、11を構成する第二金属板41、41に形成した第七深凹部44の底部とには、上記コア部2bの幅方向他端(図9、11の左端)に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。この様にして構成した、上記上流側冷媒分配タンク部47は、後述するサイドタンク37に設けた入口タンク空間36を介して、冷媒送り込み管3に通じさせている。 【0038】又、それぞれが互いに対向する、上記各第一素子9、9の第五タンク空間及び上記各第二素子11、11の第八タンク空間同士を、互いに連通して、上記各第一素子内の上流側流路40a、40aと、後述するサイドタンク37内に設けたサイドタンク流路38とを通じさせる、上流側冷媒移送タンク部48を構成している。この為に、上記各第一素子9、9を構成する上記第二金属板41、41に形成した第五深凹部42の底部と、上記各第二素子11、11を構成する第二金属板41、41に形成した第八深凹部45の底部とには、上記コア部2bの幅方向他端に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔37を形成している。 【0039】又、それぞれが互いに対向する、上記各第一素子9、9の第八タンク空間及び上記各第二素子11、11の第五タンク空間同士を、互いに連通して、上記各第二素子11、11内の下流側流路40b、40bと、上記サイドタンク流路38とを通じさせる、下流側冷媒分配タンク部49を構成している。この為に、上記各第一素子9、9を構成する上記第二金属板41、41に形成した第八深凹部45の底部と、上記各第二素子11、11を構成する第二金属板41、41に形成した第五深凹部42の底部とには、上記コア部2aの幅方向他端に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。 【0040】又、それぞれが互いに対向する、上記各第一素子9、9の第七タンク空間及び上記各第二素子11、11の第六タンク空間同士を、互いに連通して、下流側冷媒移送タンク部50を構成している。この為に、上記各第一素子9、9を構成する上記第二金属板41、41に形成した第七深凹部44の底部と、上記各第二素子11、11を構成する第二金属板41、41に形成した第六深凹部43の底部とには、上記コア部2bの幅方向他端に位置する1枚の金属板を除き、冷媒を通過させる為の通孔31を形成している。この様にして構成した、上記下流側冷媒移送タンク部50は、後述するサイドタンク37に設けた出口タンク空間39を介して、冷媒取り出し管4に通じさせている。 【0041】そして、上記コア部2bの一端に、内部に前記サイドタンク流路38を設けたサイドタンク37を、上記コア部2bを構成する素子にフィン12、12を介して重ね合わせる状態で設けている。このサイドタンク37は、それぞれの片面に凹部を形成した金属板を2枚1組とし、互いの凹部同士を対向させた状態で最中状に重ね合わせて互いに気密且つ液密に接合する事により造ったもので、内部に1本の扁平なサイドタンク流路38を有する。又、このサイドタンク37の両端で上記サイドタンク流路38と異なる部分に、上記入口タンク空間36と出口タンク空間39とを、それぞれ設けている。この為、上記サイドタンク37を構成する為の1対の金属板には、それぞれ上記サイドタンク流路38を構成する為の深凹部と、上記入口、出口タンク空間36、39を構成する為の1対の深凹部とを設ける。又、このサイドタンク37内のサイドタンク流路38の断面積は、このサイドタンク流路38の上流端直前に存在する複数の第一素子9、9の内部に設けた上流側流路40a、40aの断面積の総和以上としている。 【0042】そして、このサイドタンク37を上記コア部2bを構成する為の素子にフィン12、12を介して重ね合わせた状態で、上記サイドタンク流路38の上流端(図10、12の上端)を前記上流側冷媒移送タンク部48の下流端に、同じくこのサイドタンク流路38の下流端(図10、12の下端)を前記下流側冷媒分配タンク部49の上端に、それぞれ通じさせる。又、前記冷媒送り込み管3と前記上流側冷媒分配タンク部47とを上記サイドタンク37に設けた上記入口タンク空間36により、前記冷媒取り出し管4と前記下流側冷媒移送タンク部50とを上記サイドタンク37に設けた上記出口タンク空間39により、それぞれ通じさせる。この為、上記1対の金属板のうち上記コア部2bを構成する為の素子に対向する金属板に設ける、上記サイドタンク流路38を構成する為の深凹部の両端底部には、それぞれ冷媒を通過させる為の通孔を設けている。又、上記1対の金属板に設ける、上記入口タンク空間36及び出口タンク空間39を構成する為の1対の深凹部の底部には、それぞれ冷媒を通過させる為の通孔を設けている。 【0043】上述の様に構成する本例の積層型エバポレータの使用時には、コンデンサから吐出され、膨張弁を通過した液状若しくは気液混合状態の冷媒を、前記冷媒送り込み管3から上記入口タンク空間36を介して、上記上流側冷媒分配タンク部47に送り込む。この上流側冷媒分配タンク部47に送り込まれた冷媒は、図10、12に実線矢印イで示す様に、この上流側冷媒分配タンク部47全体に広がる。この上流側冷媒分配タンク部47内に広がった冷媒は、続いて、同図に実線矢印ロ、ロで示す様に、上記コア部2bを構成する為に交互に配置された第一、第二素子9、11のうちの第一素子9、9内の上流側流路40a、40a内を、上記上流側冷媒移送タンク部48に向けて、図12の矢印α方向に流れる空気との間で熱交換を行ないつつ流れる。即ち、冷媒は、これら各上流側流路40a、40a内で、風下側部分を上から下に流れ、下端で180度折り返して風上側部分を下から上に流れた後、上記上流側冷媒移送タンク部48に達する。 【0044】この様にして上記上流側冷媒移送タンク部48内に流れ込んだ冷媒は、この上流側冷媒移送タンク部48内を、同図に実線矢印ハで示す様に、風上側部分を他端から一端(同図の左端から右端)に向けて流れ、上記サイドタンク37内のサイドタンク流路38に達し、このサイドタンク流路38内を、同図に実線矢印ニで示す様に流れて、上記下流側冷媒分配タンク部49内に流入する。そして、この下流側冷媒分配タンク部49内を、同図に破線矢印ホで示す様に広がった冷媒は、上記第二素子11、11内の下流側流路40b、40bに送り込まれる。そして、この下流側流路40b、40b内を、同図に破線矢印へ、へで示す様に、上記下流側冷媒移送タンク部50に向けて、上記空気との間で熱交換を行ないつつ流れる。即ち、冷媒は、これら各下流側流路40b、40b内で、風下側部分を下から上に流れ、上端で180度折り返して風上側部分を上から下に流れた後、上記下流側冷媒移送タンク部50に達する。そして下流側冷媒移送タンク部50内を、同図に破線矢印トで示す様に、他端から一端(同図の左端から右端)に向けて流れ、上記サイドタンク47に設けた出口タンク部39及び前記冷媒取り出し管4の下流端に接続した配管を通じてコンプレッサの吸入口に送られる。 【0045】前述の様に構成し、上述の様に上記コア部2bの内部を流れる冷媒とこのコア部2bの外部を通過する空気との間で熱交換を行ない、この空気を冷却する、本例の積層型エバポレータの場合にも、前述した第1例の場合と同様に、上記コア部2bの内部を流れる冷媒は、上記各流路40a、40b内でこのコア部2bの外部を通過する空気との間で十分に熱交換を行なえ、冷媒の量を多くしても、このコア部2bのスーパーヒート領域を十分に確保して、冷媒取り出し管4から流出する直前の冷媒を十分に気化する事ができる。 【0046】更に、液状冷媒を多く含む低温領域と、気化し切った冷媒が流れる過熱領域とがコア部2bの幅方向に亙り交互に存在すると共に、第一素子9、9の内部を流れた冷媒が、断面積の大きなサイドタンク流路38内を通過する際に、上記第一素子8、8内を冷媒が通過する過程で生じた偏流を解消する事ができる。従って、積層型エバポレータ全体での偏流の程度を小さく抑えて、熱交換性能を十分に確保すると共に、上記コア部2bの温度差を、このコア部2bの幅方向に亙り、十分に均一化して、このコア部2bを通過後の空気の温度分布を十分に均一化し、乗員に快適な空気調和を実現できる。 【0047】しかも、本例の場合には、上記コア部2bを構成する上記各第一、第二素子9、11の何れも比較的高温側を風上側に、比較的低温側を風下側に、それぞれ位置させている為、これら各第一、第二素子9、11間に配置した各フィン12、12と、上記コア部2bを通過する空気との温度差を、風上側から風下側まで十分に確保して、上記コア部2bと空気との熱交換を効率良く行なわせる事ができる。尚、このコア部2b内を冷媒が流れる方向を本例の場合と総て反対にする事により、冷媒送り込み管3の位置を上記コア部2bの下端に、冷媒取り出し管4の位置を上記コア部2aの上端にする事もできる。 【0048】又、本例の場合に用いたサイドタンクの構造を、図14に示すサイドタンク37aに変更する事により、図13に示す様に、冷媒送り込み管3及び冷媒取り出し管4の位置を互いに同じ高さ位置に設ける事もできる。この場合には、入口タンク空間36a及び出口タンク空間39aをそれぞれ上下方向に亙り長くして、これら各入口、出口タンク空間36a、39aの両端に位置する部分に、上記冷媒送り込み管3と上流側冷媒分配タンク部47とを、上記冷媒取り出し管4と下流側冷媒移送タンク部50とを、それぞれ通じさせる。 【0049】尚、上述した各例の場合、第一、第二素子8〜11を構成する為の第一、第二金属板18、41の内部に、多数の突起30、30を設けているが、この突起30、30を設けない代わりに上記第一、第二素子8〜11内に土手状のビード或は別体のインナーフィン等を設ける事もできる。 【0050】 【発明の効果】本発明の積層型エバポレータは、以上に述べた通り構成され作用するので、スーパーヒート領域を十分に確保して、積層型エバポレータを組み込んだ自動車用空気調和装置の信頼性を確保すると共に、偏流を生じにくくして、コア部を通過する空気を十分に均一に冷却する事ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004765 【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月24日(1998.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087457 【弁理士】 【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193343(P2000−193343A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−366692 |
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