| 【発明の名称】 |
複合熱移動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】新村 修三郎
【氏名】三沢 誠
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| 【要約】 |
【課題】圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とを組み合わせたシステムにおいて、外気温が低いこと等により蒸発器での吸熱量が不足した場合に、総合的な効率が低下することを防止する。
【解決手段】水冷エンジン駆動の圧縮式ヒートポンプシステム1におけるエンジン冷却水回路40にエンジン排熱回収手段7,8を設け、その下流に、吸収式冷凍システム60に設けた吸収液加熱用の熱交換器75ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式ヒートポンプシステム60の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器26へ冷却水を導く通路とを形成するとともに、外気温が所定値より低い場合に、低圧冷媒加熱用の熱交換器26への冷却水流通割合を多くするようにしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回路を備えるとともに上記圧縮機が水冷エンジンで駆動されるようになっている圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒蒸気を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備えた複合熱移動装置において、エンジン冷却水回路にエンジン排熱を回収するエンジン排熱回収手段を設け、このエンジン排熱回収手段の下流に、上記吸収式熱移動装置の吸収器から再生器へ向かう吸収液流通路の途中に設けた吸収液加熱用の熱交換器ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式熱移動装置の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器へ冷却水を導く通路とを分岐させて形成するとともに、外気温を検出する外気温検出手段と、この外気温検出手段の出力に応じ、外気温が所定値より低い場合は上記低圧冷媒加熱用の熱交換器への冷却水流通割合を多くするように制御する冷却水流通割合制御手段とを備えたことを特徴とする複合熱移動装置。 【請求項2】 エンジンの排気通路から分岐して、排ガスを吸収式熱移動装置の再生器の加熱部へ導く排ガス導通路を備えるとともに、外気温が所定値より低い場合は上記再生器への排ガス流通割合を多くするように制御する排ガス流通割合制御装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の複合熱移動装置。 【請求項3】 圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回路を備えるとともに上記圧縮機が水冷エンジンで駆動されるようになっている圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒蒸気を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備えた複合熱移動装置において、エンジン冷却水回路にエンジン排熱を回収するエンジン排熱回収手段を設け、このエンジン排熱回収手段の下流に、上記吸収式熱移動装置の吸収器から再生器へ向かう吸収液流通路の途中に設けた吸収液加熱用の熱交換器ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式熱移動装置の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器へ冷却水を導く通路とを分岐させて形成するとともに、圧縮式熱移動装置の冷媒回路における蒸発器から圧縮機までの間に配置されたアキュムレータの液面レベルを検出する液面レベル検出手段と、この液面レベル検出手段の出力に応じ、液面レベルが所定値より高い場合は上記低圧冷媒加熱用の熱交換器への冷却水流通割合を多くするように制御する冷却水流通割合制御手段とを備えたことを特徴とする複合熱移動装置。 【請求項4】 エンジンの排気通路から分岐して、排ガスを吸収式熱移動装置の再生器の加熱部へ導く排ガス導通路を備えるとともに、アキュムレータの液面レベルが所定値より高い場合は上記再生器への排ガス流通割合を多くするように制御する排ガス流通割合制御装置を設けたことを特徴とする請求項3記載の複合熱移動装置。 【請求項5】 圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回路を備えるとともに上記圧縮機が水冷エンジンで駆動されるようになっている圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒蒸気を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備えた複合熱移動装置において、エンジン冷却水回路にエンジン排熱を回収するエンジン排熱回収手段を設け、このエンジン排熱回収手段の下流に、上記吸収式熱移動装置の吸収器から再生器へ向かう吸収液流通路の途中に設けた吸収液加熱用の熱交換器ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式熱移動装置の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器へ冷却水を導く通路とを分岐させて形成するとともに、凝縮器あるいは蒸発器の一方を配置する空間の温度を検出する空間温度検出手段と、上記空間の温度を希望温度に設定する温度設定手段と、空間の温度検出値と設定希望温度との差の絶対値が大さい程圧縮機の回転数を増加させる圧縮機制御手段と、圧縮機から凝縮器を経て膨張弁に至る高圧冷媒回路の圧力を検知する高圧側圧力センサと、冷却水流通割合制御手段とを備え、この冷却水流通割合制御手段は、上記差の絶対値が所定値以上、あるいは圧縮機の回転数を検出する回転数センサによる回転数検出値が所定値以上で、かつ、高圧側圧力検出値が所定値以下、あるいは、高圧側圧力検出値と膨張弁から凝縮器を経て圧縮機に至る低圧冷媒回路の圧力を検知する低圧側圧力センサによる低圧側圧力検出値との差が所定値以下の場合に、上記低圧冷媒加熱用の熱交換器への冷却水流通割合を多くするように制御するものであることを特徴とする複合熱移動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とを備える複合熱移動装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、冷凍機またはヒートポンプを構成する熱移動装置として、圧縮式熱移動装置及び吸収式熱移動装置が知られている。 【0003】圧縮式熱移動装置は、圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させ、蒸発器での吸熱や凝縮器での放熱を利用して冷暖房などを行なうようにしたものである。 【0004】吸収式熱移動装置は、冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器から導かれる冷媒蒸気を吸収液に吸収させる吸収器と、吸収器で冷媒の吸収を行なった後の吸収液を導入してこの吸収液から冷媒を放出する再生器と、再生器から送り出された冷媒蒸気を凝縮する凝縮器とを有し、冷凍機として使用する場合は上記蒸発器で冷熱を取り出し、ヒートポンプ装置として使用する場合は上記凝縮器で熱を取り出すようにしたものである。 【0005】一般にこれらの熱移動装置は個別に用いられるが、これらの熱移動装置を組み合わせて用いることにより、性能を高めるようにすることも考えられている。例えば、圧縮機が水冷エンジンで駆動されるようにした圧縮式熱移動装置と、吸収式熱移動装置とを備え、エンジンの排熱をエンジン冷却水で回収し、そのエンジン排熱回収後の冷却水(温水)を吸収式熱移動装置の吸収器から再生器へ向かう吸収液流通路の途中に設けた熱交換器ヘ導くことにより、エンジン排熱で上記吸収液流通路中の吸収液を加熱するようにした装置が開発されている(例えば特開平7−111285号公報参照)。 【0006】このような装置によると、再生器における吸収液加熱用のバーナーの熱量が節約可能となる。そして、圧縮式熱移動装置側で冷房運転時であっても暖房運転時であってもエンジン排熱は発生し、この熱を活用するので、吸収式熱移動装置の効率が向上される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】この種の装置において、圧縮式熱移動装置の暖房運転中で外気温が低い場合には、蒸発器となる室外熱交換器での吸熱量が不足し、膨張弁から圧縮機に流れる低圧の液冷媒を完全に気化できなくなることがある。気化できない液冷媒が圧縮機に達すると液圧縮による破損の原因となる。 【0008】また、蒸発器の下流部にアキュムレータを配置し、液冷媒を分離貯留するようにしても、貯留される液冷媒が多くなると、例えば空調装置の暖房運転中、圧縮機で加圧される気相冷媒が減って凝縮器となる室内熱交換器での暖房能力が低下してしまう。 【0009】さらに、室内熱交換器を通過して液化してから膨張弁により低圧化した冷媒は、再び室外熱交換器での吸熱量が不足して、液冷媒を完全に気化できなくなり、このようなことが繰り返されることで暖房能力を著しく低下させてしまう。 【0010】さらに、蒸発器の使用台数が少なくなり、蒸発器側の吸熱フィンの表面積が放熱フィンの表面積より過小になる場合や、蒸発器のファン入口部がゴミ等により極端に塞がれる場合等、放熱能力に比べて吸熱能力が過小になる場合に、圧縮機の回転数を上げても冷媒循環量が減少し、結果的に放熱量が極端に減少してしまう。 【0011】また、例えば圧縮冷媒循環式の冷凍機において、外気温度が低く放熱し過ぎる場合には、室外に配置される凝縮器での冷媒凝縮量が多くなり、凝縮器内の冷媒管路中に滞留する冷媒が増加し、その分膨張弁を通過し蒸発器に至る冷媒量が減少してしまう。この場合には、例えば暖房室内に配置される冷凍ケ−ス内の蒸発器での吸熱能力が低下してしまう。さらに、凝縮器の使用台数が多くなり、放熱フィンの表面積が蒸発器側の吸熱フィンの表面積より過大になる等、放熱能力が吸熱能力に比べて過大となる場合にも、圧縮機の回転数を上げても冷媒循環量が減少し、結果的に吸熱量が極端に減少してしまう。 【0012】このように圧縮式熱移動装置の効率が極端に低下してしまうので、吸収式熱移動装置の効率がある程度は向上したとしても、圧縮式及び吸収式の両熱移動装置による総合的な効率が低下してしまう。 【0013】本発明はこのような事情に鑑み、圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とを組み合わせたシステムにおいて、外気温が低いこと等により蒸発器での吸熱量が不足した場合でも、総合的な効率が低下することを防止することかできる複合熱移動装置を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回路を備えるとともに上記圧縮機が水冷エンジンで駆動されるようになっている圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒蒸気を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備えた複合熱移動装置において、エンジン冷却水回路にエンジン排熱を回収するエンジン排熱回収手段を設け、このエンジン排熱回収手段の下流に、上記吸収式熱移動装置の吸収器から再生器へ向かう吸収液流通路の途中に設けた吸収液加熱用の熱交換器ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式熱移動装置の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器へ冷却水を導く通路とを分岐させて形成するとともに、外気温を検出する外気温検出手段と、この外気温検出手段の出力に応じ、外気温が所定値より低い場合は上記低圧冷媒加熱用の熱交換器への冷却水流通割合を多くするように制御する冷却水流通割合制御手段とを備えたものである。 【0015】この複合熱移動装置によると、暖房運転中等で外気温が低いときに、圧縮式熱移動装置において蒸発器での吸熱量が不足するため低圧の液冷媒を完全に気化できない状況下でも、低圧冷媒加熱用の熱交換器にエンジン排熱が供給されることによりここで液冷媒が加熱されて気化が促進される。従って、気化しきれない液冷媒が圧縮機に達して液圧縮が生じたり、圧縮機で加圧される気相冷媒が減って暖房能力が低下したりすることが防止され、圧縮式熱移動装置の効率が高められる。 【0016】また、外気温が高くなったときは、蒸発器での吸熱量が多いため低圧冷媒加熱用の熱交換器に供給されるエンジン排熱が少なくなっても冷媒の気化は充分に行われ、このような状況下では吸収式熱移動装置の吸収液加熱用の熱交換器に供給されるエンジン排熱が増加することにより吸収液の加熱作用が促進される。 【0017】また、請求項3に係る発明は、圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回路を備えるとともに上記圧縮機が水冷エンジンで駆動されるようになっている圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒蒸気を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備えた複合熱移動装置において、エンジン冷却水回路にエンジン排熱を回収するエンジン排熱回収手段を設け、このエンジン排熱回収手段の下流に、上記吸収式熱移動装置の吸収器から再生器へ向かう吸収液流通路の途中に設けた吸収液加熱用の熱交換器ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式熱移動装置の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器へ冷却水を導く通路とを互いに分岐させて形成するとともに、圧縮式熱移動装置の冷媒回路における蒸発器から圧縮機までの間に配置されたアキュムレータの液面レベルを検出する液面レベル検出手段と、この液面レベル検出手段の出力に応じ、液面レベルが所定値より高い場合は上記低圧冷媒加熱用の熱交換器への冷却水流通割合を多くするように制御する冷却水流通割合制御手段とを備えたものである。 【0018】この発明の装置によっても、外気温が低いときにはアキュムレータの液面レベルが高くなることから、請求項1に係る発明と同様の作用が得られる。 【0019】これらの発明の装置において、エンジンの排気通路から分岐して、排ガスを吸収式熱移動装置の再生器の加熱部へ導く排ガス導通路を備えるとともに、外気温が所定値より低い場合、あるいはアキュムレータの液面レベルが所定値より高い場合に、上記再生器への排ガス流通割合を多くするように制御する排ガス流通割合制御装置を設けておくこと(請求項2、請求項4)が好ましい。 【0020】このようにすると、外気温が所定値より低い場合、あるいはアキュムレータの液面レベルが所定値より高い場合に、排熱回収後のエンジン冷却水が低圧冷媒加熱用の熱交換器に多く送られて冷媒の気化を促進する作用が得られるとともに、エンジン排ガスが吸収式冷凍システムの再生器の加熱部に多く送られることにより、吸収液の加熱を促進する作用も良好に得られる。 【0021】また、請求項5に係る発明は、圧縮機から吐出した冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を経て圧縮機に戻すように循環させる冷媒回路を備えるとともに上記圧縮機が水冷エンジンで駆動されるようになっている圧縮式熱移動装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器、吸収液に冷媒蒸気を吸収させる吸収器、吸収液から冷媒を放出する再生器及び冷媒蒸気を凝縮する凝縮器を有する吸収式熱移動装置とを備えた複合熱移動装置において、エンジン冷却水回路にエンジン排熱を回収するエンジン排熱回収手段を設け、このエンジン排熱回収手段の下流に、上記吸収式熱移動装置の吸収器から再生器へ向かう吸収液流通路の途中に設けた吸収液加熱用の熱交換器ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式熱移動装置の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器へ冷却水を導く通路とを分岐させて形成するとともに、凝縮器あるいは蒸発器の一方を配置する空間の温度を検出する空間温度検出手段と、上記空間の温度を希望温度に設定する温度設定手段と、空間の温度検出値と設定希望温度との差の絶対値が大さい程圧縮機の回転数を増加させる圧縮機制御手段と、圧縮機から凝縮器を経て膨張弁に至る高圧冷媒回路の圧力を検知する高圧側圧力センサと、冷却水流通割合制御手段とを備え、この冷却水流通割合制御手段は、上記差の絶対値が所定値以上、あるいは圧縮機の回転数を検出する回転数センサによる回転数検出値が所定値以上で、かつ、高圧側圧力検出値が所定値以下、あるいは、高圧側圧力検出値と膨張弁から凝縮器を経て圧縮機に至る低圧冷媒回路の圧力を検知する低圧側圧力センサによる低圧側圧力検出値との差が所定値以下の場合に、上記低圧冷媒加熱用の熱交換器への冷却水流通割合を多くするように制御する構成としたものである。 【0022】この発明の装置によると、圧縮機が十分に回転しているにも拘らず、高圧側の圧力が上がらないか、高圧側の圧力と低圧側の圧力の差が十分な大きさとならない場合に、低圧冷媒加熱用の熱交換器にエンジン排熱が供給される。 【0023】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。 【0024】図1は、本発明の複合熱移動装置の一例としての空調装置を示しており、この空調装置は、圧縮式熱移動装置としての圧縮式ヒートポンプシステム1と、吸収式熱移動装置としての吸収式冷凍システム60と、室内熱交換器101を含む熱媒流体導通路100とを備えている。 【0025】圧縮式ヒートポンプシステム1には、水冷式ガスエンジン2(以下、エンジン2と略す)と、このエンジン2により駆動される圧縮機11を備えた冷媒回路10と、上記エンジン2を冷却するための冷却水回路40とが設けられている。 【0026】上記エンジン2の本体3には、燃料ガスを供給する燃料ガス供給通路4と不図示の空気導入通路とが不図示の混合器により合体されて、混合気の通路とされる不図示の吸気通路と、排気通路5とが接続されている。上記燃料ガス供給通路4には、燃料ガスの流量を制御し、また空燃比を制御する電磁弁6が設けられている。上記混合器内の下流部には混合気量を制御しエンジン2の出力を制御する不図示のスロットル弁が設けられている。エンジン本体3にはウォータジャケット7が設けられている。 【0027】また、排気通路5には、排ガス熱交換器8が設けられるとともに、これより上流側にリニア三方電磁弁9が設けられ、このリニア三方電磁弁9と排ガス熱交換器8との間に、排ガスを直接排ガス熱交換器8に導く主通路5aと、排ガスを吸収式冷凍システム70側に導き後記再生器63の加熱部77を経て主通路5aに戻す排ガス導通路5bとが形成されている。そして、リニア三方電磁弁9により、主通路5aのガス流量i3と排ガス導通路5bのガス流通i4との割合を調節し得るようになっている。 【0028】上記冷媒回路10は、圧縮機11から吐出される冷媒を凝縮器、膨張弁、蒸発器を通して圧縮機11に戻すように循環させるための閉回路を構成するものである。当実施形態では、冷房時と暖房時とに応じて冷媒循環経路を切替えるための四方弁12を備えるとともに、凝縮器及び蒸発器のうちの一方を構成する室外熱交換器13と、他方を構成する熱交換器14と、電子膨張弁15とを備えている。さらに、室外熱交換器13とこれをバイパスするバイパス通路31に対して、冷媒流通状態を変更する電磁弁16,17,33を備えている。 【0029】冷媒回路10を具体的に説明すると、圧縮機11と四方弁12との間には、圧縮機11の吐出口と四方弁12の第1ポートとを接続する吐出側ライン21と、四方弁12の第2ポートと圧縮機11の吸込口とを接続する吸込側ライン22とが配設されている。上記吐出側ライン21には、高圧冷媒からオイルを分離するオイルセパレータ23が設置されており、分離されたオイルは不図示の管路により圧縮機11に戻される。また、上記吸込側ライン22には、液相冷媒を分離して気相冷媒のみを圧縮機11の吸込口に戻すためのアキュムレータ24が設置されている。このアキュムレータ24には、冷媒が導かれる熱交換器25及びエンジン冷却水が導かれる低圧冷媒加熱用の熱交換器26が設けられている。 【0030】上記四方弁12の第3ポートには室外熱交換器13が接続されている。この室外熱交換器13には電磁弁16を介して電子膨張弁15が接続されており、この電子膨張弁15に熱媒流体循環路100との間で熱交換を行う熱交換器14が接続されている。そして、四方弁12の第4ポートと上記熱交換器14とが接続されている。 【0031】さらに冷媒回路10には、圧縮機11と四方弁12との間の吐出側ライン21から分岐し、四方弁12、室外熱交換器13及び電磁弁16をバイパスして熱交換器25に接続されたバイパス通路31が設けられている。このバイパス通路31には、この通路を開閉する電磁弁17が設けられるとともに、この電磁弁17の上流に凝縮熱回収用熱交換器32(冷媒から冷却水への熱移動を目的とする熱交換器であるので、以下、R−W熱交換器32と呼ぶ)が設けられ、さらにこのR−W熱交換器32の上流に、流量調節用の電磁弁33が設けられている。 【0032】なお、冷媒回路10の吐出側ライン21及び吸入側ライン22には、高圧側及び低圧側の各冷媒圧力を検出する高圧側圧力センサ35及び低圧側圧力センサ36が設けられている。また、室外熱交換器13の近傍に、外気温を検出する外気温センサ37が設けられている。 【0033】上記冷却水回路40は、その主通路41に、水ポンプ42と、上記R−W熱交換器32と、エンジン排熱回収手段としてのウォータジャケット7及び排ガス熱交換器8と、ラジエータ44とを備えており、水ポンプ42から吐出された冷却水がR−W熱交換器32、ウォータジャケット7、排ガス熱交換器8及びラジエータ44を経て水ポンプ42に戻るように主通路41が形成されている。 【0034】また、排ガス熱交換器8の下流側でリニア三方電磁弁45を介して主通路41から分岐した通路46が設けられており、この通路46はアキュムレータ24に設けられた熱交換器26を経てラジエータ44より下流の主通路41に至っている。そして、上記リニア三方電磁弁45により、通路46側の冷却水流量i1と主通路41側の冷却水流量i2との割合が調節されるようになっている。 【0035】さらに、リニア三方電磁弁45の下流で主通路41から分岐した通路47が設けられている。この通路47は、吸収式冷凍システム60側に延び、後記吸収液加熱用の熱交換器75を経て、ラジエータ44と水ポンプ42との間の主通路41に至るように形成されている。 【0036】上記通路47に対し、熱交換器75をバイパスするバイパス通路48と、熱交換器75をバイパスして吸収式冷凍システム60における後記冷却水温調整用の熱交換器84を通る通路49とが接続されている。そして、通路47の分岐個所よりも下流側の主通路41と、通路47と、バイパス通路48と、通路49とにそれぞれ、電磁弁50,51,52,53が設けられ、これらの通路の冷却水流通割合が調節されるようになっている。 【0037】一方、吸収式冷凍システム60は、当実施形態では単効用サイクルであって、蒸発器61、吸収器62、再生器63及び凝縮器64を備え、これらの間に冷媒及び吸収液の通路が配設されるとともに、上記吸収器62及び凝縮器64において冷媒及び吸収液を冷却するための冷却水回路80が設けられている。 【0038】上記蒸発器61は、高真空に保たれた容器内に伝熱管65を配置し、上部から導入される水等の冷媒液を上記伝熱管65に滴下させて蒸発させることにより、伝熱管65を流れる流体(水)から気化熱に相当する熱を奪うようにしたものである。この蒸発器61には、凝縮器64から冷媒液を導く冷媒液通路67と、蒸発器61で生じる冷媒蒸気を導出する冷媒蒸気通路68とが接続されている。さらに、蒸発器61の底部に溜る未蒸発の冷媒(冷媒液)を蒸発器61の上部に戻すため、冷媒ポンプ70を介設した通路69が蒸発器61に接続されている。 【0039】上記吸収器62は、高真空に保たれた容器内に吸収液を滴下させて、上記蒸発器61から送られる冷媒蒸気を吸収液に吸収させるようにしたものである。この吸収器62には、上記冷媒蒸気通路68と、再生器63から吸収液を導く濃溶液通路71と、冷媒吸収後の吸収液(希溶液)を導出する希溶液通路72とが接続されており、希溶液通路72には希溶液を再生器63へ送るための溶液ポンプ73が介設されている。 【0040】上記再生器63は、吸収器62から送られる希溶液を加熱することにより冷媒を蒸発分離するようにしたものであり、希溶液を導入すべく再生器63の上部に希溶液通路72の下流端が接続されるとともに、分離された冷媒蒸気と冷媒分離後の吸収液(濃溶液)とを導出すべく再生器63の上端部及び下端部に冷媒蒸気通路74及び濃溶液通路71が接続されている。 【0041】また、上記凝縮器64は、再生器63から送られる冷媒蒸気を冷却水で冷却して凝縮液化させるようにしたものであり、凝縮器64の上端部に冷媒蒸気通路74が接続される一方、凝縮器64の下端部に冷媒液通路67が接続されている。 【0042】この吸収式冷凍システム60において、吸収器62から再生器63に向かう希溶液通路72に吸収液加熱用の熱交換器75が設けられており、この熱交換器75に、圧縮式ヒートポンプシステム1の冷却水回路40から排熱を回収した冷却水を導く通路47が接続されている。さらに、この熱交換器75と再生器63との間の希溶液通路72に、この通路72中の希溶液と濃溶液通路71中の濃溶液との間で熱交換を行なう溶液熱交換器76が設けられている。 【0043】また、再生器63には、再生器63内の希溶液を加熱して冷媒を蒸発させるため、圧縮式ヒートポンプシステム1のエンジン排ガスを利用する加熱部77と、バーナー78とが設けられている。上記加熱部77には排ガス導通路5bが接続されている。また、上記バーナー78には、ガス制御弁79を備えた燃料ガス通路が接続されている。 【0044】上記冷却水回路80は、ラジエータとして機能する室外熱交換器81と、ポンプ82とを備え、ポンプ82で送給される冷却水が吸収器62及び凝縮器64を通るように構成される。また、熱媒流体導通路100は、圧縮式ヒートポンプシステム1と吸収式冷凍システム60とにわたって設けられ、冷房時は圧縮式ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍システム60で冷却された流体を室内熱交換器101に導き、暖房時は圧縮式ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍システム60で加熱された流体を室内熱交換器101に導くようになっている。 【0045】当実施形態では、上記冷却水回路80と熱媒流体導通路100とが接続され、冷却水回路80を流れる水が熱媒流体としても共用されるように、冷却水回路80と熱媒流体導通路100とにわたり水が循環される構成となっている。 【0046】具体的に説明すると、ポンプ82と吸収器62との間の通路には三方電磁弁83及び熱交換器84が介設されており、上記三方電磁弁83により、ポンプ82から吐出された冷却水が低負荷時以外は熱交換器84を通って吸収器62に送られ、低負荷時には上記冷却水が分岐通路85を通って熱媒流体導通路100に導かれるようになっている。上記熱交換器84は、圧縮式ヒートポンプシステム1の冷却水回路40から通路49を介して導かれるエンジン冷却水と冷却水回路80の冷却水との間で熱交換を行うことができるようになっている。 【0047】吸収器62に送られる冷却水は、吸収熱や混合熱を除去すべく吸収器62内を冷却した後、さらに凝縮器64に送られて、冷媒蒸気の凝縮のために凝縮器64内を冷却する。 【0048】上記凝縮器64を経た冷却水の通路は、三方電磁弁86を介し、室外熱交換器81を通る通路87と、室外熱交換器81を通らない通路88とに分岐している。上記通路87は蒸発器61内の伝熱管65の入り口側に接続され、伝熱管65の出口側の通路は三方電磁弁89を介して2つの通路90,91に分岐し、その一方の通路90がポンプ82の吸入側に接続されている。また、通路91及び通路88は、一方向弁92を介して熱媒流体導通路100に接続されている。 【0049】熱媒流体導通路100は圧縮式ヒートポンプシステム1の熱交換器14を通り、制御弁102を介して室内熱交換機101に接続されている。上記制御弁102及び室内熱交換器101は、冷暖房を行なう各部屋に設置される室内機105に設けられている。 【0050】室内熱交換器101から導出された通路は、三方電磁弁93を介して2つの通路94,95に分岐し、その一方の通路94はポンプ82の吸入側に接続され、他方の通路95は蒸発器61内の伝熱管65の入り口側に接続されている。 【0051】図2は上記空調装置に装備されている制御系統の構成を示している。この図のように、空調装置はマイクロコンピュータ等で構成される制御装置110を備えている。この制御装置110には、圧縮式ヒートポンプシステム1に設けられている高圧側圧力センサ35、低圧側圧力センサ36、外気温センサ37及びその他の各種センサ群111からの信号が入力されるとともに、吸収式冷凍システム60に設けられている各種センサ群112からの信号が入力され、さらに、室内機105に設けられているリモコン操作部113及び室内温度センサ114からの信号も入力されている。その他の各種センサ群111としては、エンジン回転数センサや圧縮機回転数センサ等がある。そして、これらの信号に応じて上記制御装置110は、圧縮式ヒートポンプシステム1におけるエンジン2のコントロール部(電磁弁6、スロットル弁駆動用アクチュエータ等)、リニア三方電磁弁9,45、四方弁12、その他のアクチュエータ群15,16,17,33,42,50,51,52,53を制御するとともに、吸収式冷凍システム60におけるバーナー制御部(ガス制御弁79等)、ポンプ70,73,82及び三方電磁弁83,86,89,93を制御する。さらに、室内機105における流量制御弁102及び送風ファン115を制御するようになっている。 【0052】上記制御装置110とリニア三方電磁弁45とで冷却水流通割合制御手段が構成されるとともに、上記制御装置110とリニア三方電磁弁9とで排ガス流通割合制御装置が構成されている。 【0053】以上のような当実施形態の複合熱移動装置の作用を、冷房運転時と暖房運転時とについて次に説明する。 【0054】冷房運転時には、圧縮式ヒートポンプシステム1における冷媒、エンジン冷却水、エンジン排ガス、吸収式冷凍システム60における冷媒、吸収液、冷却水及び熱媒流体導通路100中の水のそれぞれの流れは、図1中に実線矢印で示すようになる。 【0055】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10においては、四方弁12が実線で示す回路接続状態とされるとともに、バイパス通路31の電磁弁17,33が開とされ、室外熱交換器13側の通路の電磁弁16は閉とされ、電子膨張弁15は適度の絞り状態とされる。この状態では、圧縮機11から吐出された冷媒は、バイパス通路31を通り、R−W熱交換器32で放熱、凝縮されて液化した後、電磁弁17及び熱交換器25を経て電子膨張弁15に達し、ここで膨張されてから熱交換器14に導かれて蒸発し、さらに四方弁12を通って吸込側ライン22に流れ、アキュムレータ24を経て圧縮機11に戻される。 【0056】この場合に上記熱交換器14が蒸発器となり、この熱交換器14での冷媒の蒸発により熱媒流体導通路100内の水から熱が奪われる。また、従来の圧縮式ヒートポンプシステムでは冷房運転時に室外熱交換器が凝縮器となるように冷媒が循環されていたが、当実施形態では、室外熱交換器13に代わってR−W熱交換器32が凝縮器となるようにバイパス通路31に冷媒が流され、このR−W熱交換器32により凝縮熱が冷却水回路40中のエンジン冷却水に与えられる。また、上記熱交換器25は、R−W熱交換器32を通過し液化した冷媒をアキュムレータ24内の低温の液冷媒によりさらに冷却し過冷却状態にし、圧縮式ヒートポンプシステム1側の冷凍サイクルの効率を上げる。 【0057】冷却水回路40においては、ラジエータ44に通じる通路中の電磁弁50は設定冷却水温(90°C程度)以上で閉、設定冷却水温未満で開とされ、これによりエンジン冷却水温が適正範囲に保たれるようにラジエータ44へ流れる冷却水の量が調節される。吸収液加熱用の熱交換器75ヘ冷却水を導く通路47の電磁弁51及びバイパス通路48の電磁弁52はエンジン冷却水温に応じて制御され、設定冷却水温(50°C程度)以上では電磁弁51が開、電磁弁52が閉とされることにより熱交換器75側に冷却水が流され、設定冷却水温未満では電磁弁51が閉、電磁弁52が開とされることによりバイパス通路48に冷却水が流される。通路49の電磁弁53は閉とされる。 【0058】また、吸収式冷凍システム60は、所定負荷以上の中高負荷以上で運転される。つまり、所定負荷以上ではポンプ70,73,82が駆動されるとともに、加熱部77に供給されるエンジン排ガスやバーナー78により再生器63が加熱される。 【0059】この状態では、蒸発器61で冷媒液が蒸発され、その冷媒蒸気が吸収器62に導かれて吸収液に吸収され、冷媒吸収後の吸収液が再生器63に送られて加熱により冷媒が蒸発分離され、冷媒分離後の吸収液が上記吸収器62に送られる一方、分離された冷媒蒸気が凝縮器64で凝縮液化された後、蒸発器61に送られるというサイクルが繰り返される。そして、上記蒸発器61での冷媒の蒸発により伝熱管65内の水が冷却される。 【0060】このように冷房時で吸収式冷凍システムが運転されているとき、三方電磁弁83は熱交換器84側に冷却水を導く状態、三方電磁弁86は通路87に冷却水を導く状態、三方電磁弁89は通路91に冷却水を導く状態、三方電磁弁93は通路94に冷却水を導く状態とされる。この状態では、ポンプ82から吐出された冷却水が吸収器62及び凝縮器64を通った後、室外熱交換器81を通過してここで放熱され、次いで蒸発器61内の伝熱管65を通過して充分に冷却される。 【0061】そして、蒸発器61で冷却された水は、一方向弁92を経て熱媒流体導通路100に送られ、圧縮式ヒートポンプシステム1の熱交換器14を通過してさらに冷却されてから、室内機105に送られ、室内熱交換器101通過する間に吸熱を行う。 【0062】こうして、圧縮式ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍システムの両方の働きで効率よく冷房が行われる。 【0063】また、この冷房運転中に、圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10において生じる凝縮熱及びエンジン2の排熱がエンジン冷却水を媒体として吸収式冷凍システム60の吸収液加熱用の熱交換器75へ送られ、さらにエンジンの排ガスが加熱部77に送られ、これらにより再生器63での吸収液の加熱が促進され、バーナー78での燃料消費が節減される。 【0064】また、暖房運転時には、圧縮式ヒートポンプシステム1における冷媒、エンジン冷却水、エンジン排ガス、吸収式冷凍システム60における冷媒、吸収液、冷却水及び熱媒流体導通路100中の水のそれぞれの流れは、図1中に破線矢印で示すようになる。 【0065】すなわち、上記圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10においては、四方弁12が破線で示す回路接続状態とされるとともに、バイパス通路31の電磁弁17,33が閉とされ、室外熱交換器13側の通路の電磁弁16は開とされ、電子膨張弁15は適度の絞り状態とされる。この状態では、圧縮機11から吐出された冷媒は、四方弁12、熱交換器14、電子膨張弁15、電磁弁16、室外熱交換器13、四方弁12及びアキュムレータ24をこの順に通って圧縮機11に戻される。 【0066】この場合、熱交換器14が凝縮器となり、熱交換器14での冷媒の凝縮により熱媒流体導通路100内の水に熱が与えられる。また、室外熱交換器13が蒸発器となって、ここで冷媒が吸熱して蒸発する。なお、電磁弁17,33を全閉とせず、冷媒回路10の高圧冷媒の一部がバイパス通路31に流れてR−W熱交換器32でエンジン冷却水を加熱する一方、高圧冷媒の残部が熱交換器14側へ流れるように制御してもよい。 【0067】一方、吸収式冷凍システム60は、所定負荷以上の中高負荷時に運転され、つまりポンプ70,73,82が駆動されるとともに加熱部77に供給されるエンジン排ガスやバーナー78で再生器63が加熱される。これは冷房時と同様である。 【0068】ただし暖房時における吸収式冷凍システム60の運転時は、三方電磁弁83は熱交換器84側に冷却水を導く状態、三方電磁弁86は通路88に冷却水を導く状態、三方電磁弁93は室内熱交換器101から通路95に冷却水を導く状態、三方電磁弁89は伝熱管65から通路90に冷却水を導く状態とされる。この状態では、ポンプ82から吐出された冷却水が吸収器62及び凝縮器64を通った後、室外熱交換器81を通らない通路88から一方向弁92を経て熱媒流体導通路100に送られる。 【0069】こうして、凝縮熱などで加熱された水が熱媒流体導通路100に送られ、圧縮式ヒートポンプシステム1の熱交換器14を通過してさらに加熱されてから、室内機105に送られ、室内熱交換器101を通過する間に放熱を行う。室内熱交換器101を通過した後は、通路95から蒸発器61の伝熱管65を通り、通路90を経てポンプ82に循環する。なお、伝熱管65で過冷却された冷却水はポンプ82の下流に設けられた熱交換器84により吸収器62での冷却作用に適した温度に調整される。 【0070】なお、負荷とは室内熱交換器101に要求される冷房時は吸熱能力、暖房時は放熱能力であり、部屋の大きさが大なる程、部屋の数が多くなる程、冷房時室内温度が高くなる程(暖房時は低くなる程)、冷房時室温の設定温度が低くなる程(暖房時は高くなる程)、大きな負荷として制御装置110に把握される。制御装置110は、負荷が大なる程、圧縮式ヒートポンプシステム1のスロットル弁開度を大きくしてエンジン1の出力を大きくし、圧縮機の回転数を増大して冷媒循環量を増大きせて熱交換器14での吸熱能力あるいは放熱能力を増大するとともに、エンジン排熱量を増加し、加熱部77及び熱交換器75の加熱能力を増大する。 【0071】このようして、圧縮式ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍システム60の両方の働きで効率よく暖房が行われる。 【0072】また、この暖房運転中に、図3のフローチャートに示すようにリニア三方電磁弁45及び同9が外気温に応じて制御される。 【0073】すなわち、このフローチャートは暖房運転が開始されたときスタートし、まずステップS1で外気温toutが検知され、ステップS2で外気温toutが第1設定値t1より低いかか否かが判定され、その判定がNOのときはステップS3で外気温toutが第2設定値t2(第1設定値t1より所定量大きい値)より高いか否かが判定される。 【0074】これらの判定に基づき、外気温toutが第1設定値t1より低い場合は、リニア三方電磁弁45が熱交換器26側へ流れる冷却水量I1の割合を増加させるように制御されるとともに、リニア三方電磁弁9が加熱部77へ流れる排ガス量I4の割合を増加させるように制御される。また、外気温toutが第2設定値t2より高い場合は、リニア三方電磁弁45が熱交換器75側へ流れる冷却水量I2の割合を増加させるように制御されるとともに、リニア三方電磁弁9が排気通路5の主通路5b側へ流れる排ガス量I3の割合を増加させるように制御される。 【0075】次に、ステップS6で停止または冷房運転に切り替わったか否かが判定され、暖房運転が持続しているときはステップS1に戻ってそれ以下の処理が繰り返され、停止または冷房運転となったときは終了する。 【0076】このような制御が行われると、暖房運転中で外気温が低いときに、圧縮式ヒートポンプシステム1において蒸発器となる室外熱交換器13では吸熱量が不足するため低圧の液冷媒を完全に気化できない状況下でも、熱交換器26に供給されるエンジン排熱により、アキュムレータ24内で冷媒が加熱されて気化が促進される。従って、液冷媒が圧縮機に達して液圧縮が生じたり、圧縮機で加圧される気相冷媒が減って暖房能力が低下したりすることが防止され、圧縮式ヒートポンプシステム1の効率が高められる。またこのときに、吸収式冷凍システム60の再生器の加熱部に送られる排ガス量が増加されることにより、吸収液の加熱を促進する作用も良好に得られる。 【0077】また、暖房運転中で外気温が高くなったときは、熱交換器26に供給されるエンジン排熱が少なくされても、室外熱交換器13で充分に気化が行われることにより圧縮式ヒートポンプシステム1の効率は高く保たれ、かつ、吸収式冷凍システム60の吸収液加熱用の熱交換器75に供給されるエンジン排熱が増加することにより吸収液の加熱作用が促進される。 【0078】こうして、圧縮式ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍システム60の総合的な効率が向上される。 【0079】なお、暖房運転中に凝縮器64から三方電磁弁86及び通路88を通って熱媒流体導通路100に送られる冷却水の温度が圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10における高温冷媒の温度よりも高い場合は、冷却水回路80における吸収器62と凝縮器64との間に熱交換器117を配置し、圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10中の高温冷媒が熱交換器14をバイパスして点イ、ロ間で熱交換器117に導かれるようにしておいてもよい。 【0080】暖房運転時におけるリニア三方電磁弁45及び同9の制御は、上記のように外気温に応じて行う代わりに、図4のようにアキュムレータ24の液面レベルに応じて行うようにしてもよい。この場合、図外の液面レベル検出手段によりアキュムレータ24の液面レベル(L1)が検知され(ステップS1′)、その液面レベルが所定の上限値Lupperより高いか否かが判定され(ステップS2′)、その判定がNOであれば液面レベルが所定の下限値Llowerより低いか否かが判定される(ステップS3′)。ステップS2′がYESの場合はステップS4に移り、またステップ3′がYESの場合はステップS5に移る。ステップS4,S5,S6の処理は図3と同様である。 【0081】また、上記のような制御ほかに、運転状態や温度状態等に応じて次のような制御が制御装置110により行われるようにしておくことが好ましい。 【0082】負荷に応じた再生器63の加熱の制御として、吸収式冷凍システム60が運転される負荷範囲のうちで比較的低負荷側では加熱部77に供給するエンジン排ガスのみで再生器63が加熱され、負荷が高くなると上記再生器63の加熱部77に送られる排ガス量が増加するように三方電磁弁9が制御され、さらに負荷が高くなるとバーナー78による再生器63の加熱も行われるようにしておけばよい。 【0083】冷房運転時及び暖房運転時とも、低負荷時には吸収式冷凍システム60の運転が停止され、COP(成績係数)の高い圧縮式ヒートポンプシステム1のみが運転されるようにする。この場合、吸収式冷凍システム60におけるポンプ70,73は停止され、ポンプ82が駆動されるとともに、三方電磁弁83は通路85に冷却水を導く状態、三方電磁弁93は通路94に冷却水を導く状態とされることにより、ポンプ82と熱媒流体導通路100との間で水が循環される。 【0084】室内温度と希望温度との温度差に応じた圧縮機11の制御として、暖房運転中は高圧側圧力の目標値を温度偏差(上記温度差の絶対値)が大きいほど高い値に設定し、また冷房運転中は低圧側圧力の目標値を上記温度偏差が大きいほど小さい値に設定して、その目標値とセンサ35または36による圧力検出値との差を小さくするように圧縮機11の回転数が制御される。 【0085】そして、負荷がある状態で圧縮式ヒートポンプシステム1の圧縮機11が回転維持されている状態で、凝縮器の放熱能力が過大となる場合には高圧側圧力が低下してしまい凝縮器に滞留する液冷媒量が増加し、あるいは蒸発器の吸熱能力が過小となる場合には、アキュムレータ24に滞留する液冷媒量が増加し、冷媒循環量が極端に低下し圧縮式ヒートポンプシステム1の能力が発揮できなくなる。外部温度の検知や、アキュムレータ24の液面レベルの検知でこの現象を検知できない場合でも、高圧側圧力や、さらに低圧側圧力を検知することにより、この現象を検知可能である。 【0086】すなわち、図3の処理を行うのであるが、ステップSl及びS2は代替の処理を行う。図3のステップSlの替わりに、リモコン操作部113から入力される設定温度と、室内温度センサ114により検知される室内温度の差が所定以上であることを検知して、圧縮機11が停止状態にないことを確認するか、直接圧縮機11の回転数を検知し圧縮機11が停止状態にないことを確認する。そして、上記温度の差あるいは圧縮機11の回転数に対応し、差あるいは回転数が大なる程、高い値を持つ高圧圧力データを不図示のメモリ装置より導き、高圧側圧力センサ35からの高圧側圧力検出値と比較する。あるいは、上記温度の差または圧縮機11の回転数に対応し、差あるいは回転数が大なる程、大きな高圧側圧力と低圧側圧力との差データを不図示のメモリ装置より導く。 【0087】続いて図3のステップS2の替わりに、比較の結果高圧側圧力検出値、あるいは高圧側圧力センサ35からの高圧側圧力検出値と低圧側圧力センサ36からの低圧側圧力検出値との差が、メモり装置より導き出きれる高圧圧力データ値、あるいは上記差データ値より小さいか否かの比較をし、小さければ図3のステップS4へ、大きければ図3のステップS3に進むようにする。 【0088】図5は空調装置全体の回路構成の別の実施形態を示している。この実施形態では、圧縮式ヒートポンプシステム1と吸収式冷凍システム60とが別個の室内機105A,105Bに接続されるようになっている。すなわち、圧縮式ヒートポンプシステム1の冷媒回路10は図1に示すものと同様であるが、この冷媒回路10において冷房時に蒸発器、暖房時に凝縮器となる熱交換器14′は室内熱交換器を構成し、膨張弁15′とともに室内機105Aに配置されている。 【0089】また、吸収式冷凍システム60において、蒸発器61、吸収器62、再生器63及び凝縮器64などの構成は図1に示すものと同様であるが、冷却水回路120はポンプ122,吸収器62、凝縮器64及び室外熱交換器(ラジエータ)121を冷却水が循環するように構成されている。一方、熱媒流体導通路130は、冷却水回路120とは別個に、ポンプ131と、蒸発器61内の伝熱管65と、室内機106Bに配置された電磁弁102及び室内熱交換器101を水が循環するように構成されている。 【0090】さらに、暖房時に熱媒流体導通路130内の水を加熱する構造として、再生器63から凝縮器64に向かう冷媒蒸気通路74から分岐した通路140と、この通路140を冷房時開、暖房時閉とする電磁弁141とが設けられており、上記通路140は蒸発器61に接続されている。蒸発器61は、冷房時伝熱管65を流れる熱媒流体の熱を奪って液冷媒を蒸発させる一方、暖房時は電磁弁14l及び通路140を通り蒸発器61に高温の気相冷媒が供給され、その分凝縮器64からの液冷媒量が減少するので、高温の気相冷媒の熱の一部で液冷媒を蒸発させるとともに、さらに高温の気相冷媒の熱の残部で冷房時伝熱管65を流れる熱媒流体を加熱する。 【0091】また、この実施形態による場合の制御系統は図6のように構成される。すなわち、圧縮式ヒートポンプシステム1の制御装置(GHP制御装置)110A及び吸収式冷凍システムの制御装置(ABS制御装置)110Bが互いに通信可能に設けられている。GHP制御装置110Aには、エンジン2のコントロール部分、リニア三方電磁弁9,45、四方弁12、その他のアクチュエータ16,17,33,42,50、高圧側圧力センサ35、低圧側圧力センサ36及びその他のセンサ群11が接続されるとともに、室内機105Aの送風ファン115、電子膨張弁15′、リモコン操作部113及び室内温度センサ114が接続されている。また、ABS制御装置110Bには、バーナー駆動部79、吸収液・冷媒循環ポンプ群70,73、冷却水循環ポンプ122、室内冷房用水循環ポンプ131、電磁弁151及びセンサ群112が接続されるとともに、室内機105Bの送風ファン115、リモコン操作部113、室内温度センサ114及び流量制御弁102が接続されている。 【0092】この実施形態によると、圧縮式ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍システム60がそれぞれ別個の室内機105A,105Bに対して冷暖房を行うが、水冷エンジン駆動の圧縮式ヒートポンプシステム1に生じるエンジン排熱や排ガス等が吸収式冷凍システム60の吸収液の加熱に利用されるようにしている点は第1の実施形態と同様である。 【0093】さらに、外気温センサ37による外気温の検出または図外の検出手段によるアキュムレータ24の液面レベルの検出に基づき、図3または図4に示すような制御が行われることにより、外気温が低い場合の圧縮式ヒートポンプシステム1の効率の悪化を防止し、圧縮式ヒートポンプシステム1及び吸収式冷凍システム60の総合的な効率を向上するようにしている点等も第1の実施形態と同様である。 【0094】 【発明の効果】以上のように、本発明は、水冷エンジン駆動の圧縮式熱移動装置におけるエンジン冷却水回路にエンジン排熱回収手段を設け、その下流に、吸収式熱移動装置に設けた吸収液加熱用の熱交換器ヘ冷却水を導く通路と、圧縮式熱移動装置の低圧回路に設けた低圧冷媒加熱用の熱交換器へ冷却水を導く通路とを形成するとともに、外気温が所定値より低い場合あるいは低圧回路中のアキュムレータの液面レベルが所定値より高い場合に、低圧冷媒加熱用の熱交換器への冷却水流通割合を多くするようにしているため、吸収式熱移動装置での吸収液の加熱促進を図る一方、暖房運転中等において外気温が低いときに、圧縮式熱移動装置の冷媒回路において低圧冷媒の気化を充分に促進することができる。このようにして、圧縮式熱移動装置と吸収式熱移動装置とを含む複合熱移動装置の総合的な効率を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010076 【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月29日(1998.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067828 【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193340(P2000−193340A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−309017 |
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