| 【発明の名称】 |
熱電冷却装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】アッタム・シャマーリンデュ・ゴシャール
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| 【要約】 |
【課題】熱電冷却素子のデューティー・サイクルを増大して、すぐれた効率の熱電冷却装置を提供する。
【解決手段】ペルチェ・デバイス15すなわち熱電素子を有する熱電冷却装置は、ホット・ソース14とコールド・シンク16に接続される。ホット・ソース14は、熱電素子15によって生じた熱を放散する。コールド・シンク16は、冷却されるマスに接続される。熱電素子15に電力を供給する手段22が与えられ、ホット・ソース14に熱電素子15を選択的,熱的に接続する手段38が与えられる。ホット・ソース14への熱電素子15の選択的,熱的スイッチングは、熱電素子15が過剰の熱を有するとき、熱をホット・ソース14に放散させる。過剰の熱があるとき、過剰の熱を放散することは、熱電冷却において、より高い効率を達成させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】熱電素子と、前記熱電素子に接続され、前記熱電素子によって発生された熱を放散するホット・ソースと、対象物を冷却するコールド・シンクと、前記熱電素子に電力を供給する手段と、高効率冷却を達成できるように、前記ホット・ソースに、前記熱電素子を、選択的,熱的に接続する手段とを備える熱電冷却装置。 【請求項2】前記熱電素子を、前記ホット・ソースに、選択的,熱的に接続する手段は、微小熱電機械スイッチである、請求項1記載の熱電冷却装置。 【請求項3】前記熱電素子を、前記ホット・ソースに、選択的,熱的に接続する手段は、固体熱スイッチである、請求項1記載の熱電冷却装置。 【請求項4】前記熱電素子に電力を供給する手段と、前記熱電素子を選択的,熱的に接続する手段とは、機能的に同期して動作可能である、請求項1記載の熱電冷却装置。 【請求項5】前記熱電素子に電力を供給する手段が動作していないときに、前記熱電素子が前記ホット・ソースに選択的にスイッチされる、請求項1記載の熱電冷却装置。 【請求項6】前記熱電素子と前記ホット・ソースからの連続熱経路をさらに備える、請求項1記載の熱電冷却装置。 【請求項7】高効率冷却を与える熱電冷却装置であって、熱電素子と、この熱電素子からの熱を放散するホット・ソースと、前記熱電素子に接続され、対象物を冷却するコールド・シンクと、高効率冷却を達成できるように、前記熱電素子から前記ホット・ソースへの熱インピーダンスを選択的に制御するために、前記ホット・ソースに前記熱電素子を断続的に接続する手段とを備える熱電冷却装置。 【請求項8】前記熱電素子は、第1の表面領域,第2の表面領域,第3の表面領域をさらに有する、請求項7記載の熱電冷却装置。 【請求項9】前記熱電素子の第1の表面領域は、前記コールド・シンクに断続的に接続される、請求項7記載の熱電冷却装置。 【請求項10】前記熱電素子の第2の表面領域は、前記ホット・ソースに連続的に接続される、請求項7記載の熱電冷却装置。 【請求項11】前記熱電素子の第3の表面領域は、前記ホット・ソースに断続的,熱的に接続される、請求項7記載の熱電冷却装置。 【請求項12】前記熱電素子と前記ホット・ソースからの連続熱経路をさらに備える、請求項7記載の熱電冷却装置。 【請求項13】高効率を実現するために、第1,第2,第3の表面領域を有する熱電冷却器のコールド・シンクとホット・ソースへの熱インピーダンスを制御する方法であって、熱電素子の第1の表面領域をコールド・シンクに選択的に接続するステップと、前記熱電素子の第2の表面領域をホット・ソースに連続的に接続するステップと、前記熱電素子の第3の表面領域を前記ホット・ソースに選択的に接続するステップとを含み、前記ホット・ソースと前記コールド・シンクへの、前記熱電素子の選択的,熱的接続が、高効率を実現する、制御方法。 【請求項14】前記第1の表面領域と前記第3の表面領域の前記選択的接続は、同期している、請求項13記載の制御方法。 【請求項15】前記熱電素子に電力が加えられるときに、前記第1の表面領域は前記コールド・シンクに選択的に接続される、請求項13記載の制御方法。 【請求項16】前記熱電素子に電力が加えられないときに、前記第3の表面領域は、前記ホット・ソースに選択的に接続される、請求項13記載の制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に熱電冷却素子のデューティー・サイクルを増大すること、特に熱電冷却器の大きい効率を実現する方法と装置に関する。さらに特に、本発明は、熱電冷却プロセスの熱移動サイクル内の断続周期の間、熱電素子からホット・ソースに減少した熱抵抗が実現できるように、熱電素子を熱的にスイッチングする方法と装置に関する。 【0002】 【従来の技術】工業における熱電デバイスの利用は、今日まで、非常に特殊な応用に限定されてきた。非効率の故に、非常にわずかな応用しか、熱電効果を効果的に用いることができない。高コスト,低効率のような、熱電素子の不所望な特性は、熱電デバイスの所望の特性よりもまさっている。近年、材料技術においてかなりの進歩があり、進歩に貢献できる多くのものは、半導体工業によって成されている。 【0003】冷蔵庫に見出されるような、通常の冷却装置は、熱移動を与えるために、蒸気圧縮冷凍サイクルを用いている。蒸気圧縮冷却は、最小限でも、圧縮機,凝縮器,蒸発器,関連の冷媒移動配管を含むかなりの稼動機器を必要とする。小型の蒸気圧縮冷却は、小さな冷却応用例には利用できない。 【0004】半導体と超伝導体は、低温では、高い性能を有する。CMOS論理デバイスは、低温では、著しく速く動作することができる。例えば、CMOS論理デバイスが、−50℃で動作すると、性能は室温におけるよりも50パーセント改善される。CMOS論理デバイスを−196℃に液体窒素冷却すると、速度の200パーセント性能向上を示す。 【0005】同様の利点は、集積回路の配線に対して発見された。配線抵抗は、室温での動作に比べ−50℃で動作する集積回路について、1/2に減少する。 【0006】このように、電界効果トランジスタのような集積回路論理デバイスおよび相互接続配線の低室温での動作は、集積回路性能を著しく改善することができる。しかし、常に減少するサイズの領域に、そのような冷却を実現することは、新しい挑戦を必要とする。 【0007】集積回路トランジスタの寸法は絶えず減少し続け、トランジスタの密度は常に増大している。また、単位時間あたりの、より速いスイッチング速度すなわちより多くのスイッチング遷移は、追加的な加熱の要因となる。現在では、1ギガヘルツ以上のスイッチング速度が、実施されており、そのようなデバイスでは、適切な冷却の重要度が増してきている。 【0008】電圧制御発振器,位相検出器,混合器,低雑音増幅器のようなアナログ回路は、デジタル回路より多く発熱する。さらに、レーザーとフォト・ダイオードは、より低温で、性能と分解能が非常に改善された。従って、大容量データ記憶デバイス内のセンサの冷却は、重要度が増してきている。集積回路内のホット・スポットは、多くの関連した障害を生じさせる。集積回路の寸法が減少し、よりコンパクトになると、内部で発生した熱を放散することは、大きな問題となる。 【0009】熱電冷却は、コンパクト・サイズのペルチェ・デバイスが与えられることによって、いくつかの用途を見出した1つの代替方法である。ペルチェ・デバイスの熱電冷却は、そのようなデバイスが固体なので、非常に信頼できる。熱電デバイスの非効率性は、熱電冷却構成を実現する重大な否定的側面である。ペルチェ・デバイス冷却装置は、コールド・シンクと周囲温度状態との間の相対的にわずかな温度差のため、20パーセントの範囲の効率を一般的に有する。 【0010】例えば、ペルチェ冷却装置を用いて、1ワットのレートで冷却し、0℃の低周囲温度を達成するには、装置に5ワットの電力を供給することを必要とする。移動される熱の総量が増加すると、環境に消散される全電力は、大きな対流デバイスおよび大きな電源回路に依存することになる。従って、ペルチェ・デバイス熱電冷却は、電子および光デバイスの冷却に広く応用可能な技術であると考えられてこなかった。 【0011】一般に、ペルチェ・デバイスは、テルル化ビスマスまたはテルル化鉛のような半導体材料から作製される。一般に利用されるペルチェ材料は、非常に高い電気伝導率と比較的低い熱伝導率を示す。対照的に、ほとんどの金属は、高い電気伝導率と高い熱伝導率を両方有している。 【0012】動作中、ペルチェ・デバイスは、ペルチェ・デバイスを横切る電界に応じて、温度Tcoldのコールド・シンクから温度Thotのホット・ソースへ電子を移動させる。 【0013】図1は、従来のペルチェ・タイプ熱電素子(TE)1を示し、このTE1は、TE1を横切る電界と負荷電流3とを生成するDC電源2を有している。要求される熱移動は、温度Tcoldのコールド・マス4から温度Thotの熱交換機6へである。熱電素子の基本的熱移動は、以下に示される。 【0014】 【数1】
【0015】ペルチェ・デバイスによって伝達される正味の熱エネルギーは、3つの要素よりなる。式1では、1番目の要素αTcoldIは、ペルチェ効果(熱電効果)寄与部分を示し、2番目の要素1/2I2Rは、負のジュール加熱すなわち抵抗性効果を示し、そして3番目の要素KΔTは、熱の負の伝導率効果(バックフロー)を示す。熱電成分は、ゼーベック係数αと、動作温度(Tcold)と、TEデバイスIを流れる電流とから構成される。 【0016】バイアス電流によって生じるジュール加熱のほぼ半分は、コールド・シンクに伝導され、残りはホット・ソースに伝導される。最後に、熱伝導に起因する負の成分は、ペルチェ・デバイスを通る熱の流れすなわち熱伝導を示す。Kは、ホット・ソースからコールド・シンクへのペルチェ・デバイスの熱伝導率である。 【0017】式1では、熱移動の熱電成分は、ペルチェ・デバイスを流れる電流に対して線形に増加し、ジュール加熱は電流の2乗に比例して増加する。別言すれば、抵抗性加熱は、ペルチェ・デバイスを流れる電流により、指数関数的に増加し、一方、冷却効果は、増加した電流に対して線形に増加する。熱伝導は、また、ホット・ソースとコールド・シンクとの間の温度差に正比例する。式1は、いかに速くペルチェ・デバイスが非効率になるかを明瞭に示している。 【0018】以下の式2は、ペルチェ・デバイスの成績係数を示している。成績係数は、ペルチェ・デバイス内で消費される電力に対する、低温で移動された正味熱エネルギーの比である。テルル化ビスマス材料から作られた典型的なペルチェ・デバイスでは、成績係数は、30Kの温度差に対して0.3より小さい。 【0019】 【数2】
【0020】式2の分子は、ペルチェ・デバイスの正味の冷却能力を示すことに注意すべきである。式2の分母は、外部DC電源2によって与えられた全エネルギーを示す。分子の各要素は、式1に関連して、前述されている。分子の第1の要素は、全ジュール加熱であり、一方、第2の要素は、TcoldシンクからThotソースへエネルギーを移動する際に、ペルチェ・デバイスによって行われた熱エネルギー移動仕事である。この関係に基づき、式1の構成で可能な最大成績係数は、式3によって与えられる。 【0021】 【数3】
【0022】パラメータYは、式4に示されるように、ゼーベック係数α、電気伝導率σおよび熱伝導率λで表すことができる。 【0023】 【数4】
【0024】式3の第1因数Tcold/ΔTは、2つの熱シンクTcoldとThotとの間で動作するヒート・ポンプに対して可能な最大効率である。Tcold/ΔTは、一般にカルノー効率と称される。第2因数は、非理想的な熱電冷却を示し、この熱電冷却は、また、良度指数ZTによって特徴づけられる。Y→∞となるに従って、η→(Tcold/ΔT)となることに注意すべきである。現在まで、ZTの高い値をもたらす熱電材料を開発することは非常に難しかった。 【0025】歴史的に、熱電冷却器用の一般的な材料は、テルル化ビスマス(Bi2Te3)、テルル化鉛(PbTe)であった。これらの材料は、室温で約0.3のZT値を有する。最近の研究は、ZT値を1に近づけることが、テルル化鉛量子井戸と多格子で可能になることを示している。しかし、それらの材料でさえ、熱電デバイスは、実用的な冷却の解決方法を提示できない。 【0026】ペルチェ・デバイス冷却の他の制約は、周囲温度以下の限定された温度偏位しか、達成できないことである。温度差の制限は、有効な温度差が、効率によって制約を加えられる事実から生じる。効率は、ホット・ソースとコールド・シンクとの間の温度差が増加すると、急速に低下する。可能な最大温度差Tmaxは、以下の式5で与えられる。 【0027】 【数5】
【0028】約0.3のZTを有するテルル化ビスマスについては、Tmaxは300Kで45Kであり、ここで32°Fは273Kに相当する。 【0029】従って、冷却応用に対する従来の熱電素子の実用的利用を制限する効率と温度差に対する、多くの非常に基礎的な制約がある。特に、周囲温度を用いて熱を放散する応用は、実行不可能である。一般的に、ペルチェ・デバイスは、寸法が小さく、限定された量の熱を移動できるだけである。従って、要求された大きさの冷却効果を生じさせるために、多くのペルチェ・デバイスは、互いに接続されなければならない。 【0030】基本的熱電冷却構成の拡張は、熱電素子のスイッチングによって、実現できる。ペルチェ冷却は高速(マイクロ秒以下)であり、一方、熱伝導は低速(ミリ秒)である。時間スケールにおける差は、過渡状態下で強化された冷却を生じる。熱的および電気的スイッチングは、微小電気機械スイッチとトンネル接合熱スイッチによって実現される。切り換えられる冷却器は、ペルチェ・デバイスの効率を増大し、200Kほどの大きさの最大温度差を可能にする。 【0031】 【発明が解決しようとする課題】従って、熱電デバイスに選択的に電力を供給し、選択的,熱的にスイッチングして、熱電冷却器の効率を増大する方法と装置が必要であることは明らかである。 【0032】従って、本発明の一つの目的は、熱電冷却素子の増大されたデューティー・サイクルを提供することにある。 【0033】本発明の他の目的は、高効率を有する熱電冷却装置を提供することにある。 【0034】さらに本発明のさらに他の目的は、冷却サイクルの重要な部分の間、熱電素子からホット・ソースへの減少した熱抵抗を達成するために、熱電素子を熱的にスイッチングする方法と装置を提供することにある。 【0035】 【課題を解決するための手段】前述の目的は、以下に説明するように達成される。ペルチェ・デバイスすなわち熱電素子を有する熱電冷却装置は、ホット・ソースとコールド・シンクに接続される。ホット・ソースは、熱電素子によって生じた熱を放散する。コールド・シンクは、冷却されるマスに接続される。熱電素子に電力を供給する手段が与えられ、ホット・ソースに熱電素子を選択的,熱的に接続する手段が与えられる。ホット・ソースへの熱電素子の選択的,熱的スイッチングは、熱電素子が過剰の熱を有するとき、熱をホット・ソースに放散させる。過剰の熱があるときに、過剰の熱を放散することは、熱電冷却において、より高い効率を達成させる。 【0036】本発明の上述および追加の目的,特徴,利点は、次に詳述された説明で明らかになるであろう。 【0037】 【発明の実施の形態】図2には、本発明の一実施の形態による、ホット・ソース14とコールド・シンク16へのペルチェ・デバイスの新規な相互接続が示されている。動作の際、ペルチェ・デバイス15は、ホット・ソース14を加熱し、コールド・シンク16を冷却する。図2は、第1の熱電スイッチ18を介してコールド・シンク16に接続されるペルチェ・デバイスを表す簡略化した図を示している。 【0038】第1の熱電スイッチ18は、コールド・シンク16をペルチェ・デバイス15へ、熱的に接続する。第2の熱スイッチ38は、ホット・ソース14をペルチェ・デバイス15へ接続する。その結果、ペルチェ・デバイス15は、第1の熱電スイッチ18が閉位置の時、コールド・シンク16に電気的かつ熱的に接続される。図示の実施の形態においては、ペルチェ・デバイス15は、小さい熱抵抗を有する熱経路を介して、ペルチェ・デバイス15の第1の端部19でホット・ソース14に連続的に熱的かつ電気的に接続される。 【0039】ペルチェ・デバイス15の第2の端部17は、第1の熱電スイッチ18が閉位置の時、コールド・シンク16へ熱的に接続される。図2の実施の形態では、電源22は、ペルチェ・デバイス15へ制御された電流を供給する。ペルチェ・デバイス15の抵抗は、低く、ペルチェ・デバイス15を経る数ミリボルトの電圧は、ペルチェ・デバイス15を流れる約1アンペアの電流を生ずる。好ましい実施の形態では、電流パルス36が、電源22によってペルチェ・デバイス15に供給される。 【0040】図3には、スイッチ位置と温度拡散の時間に関係するグラフが、示されている。図2と図3とを、交互に参照して、熱電冷却器の一実施の形態の動作説明を行う。 【0041】サイクルの最初は、ペルチェ・デバイス15とホット・ソース14の温度は、ペルチェ・デバイス15のホット・ソース14への熱結合によって、はぼ同じである。第1の熱電スイッチ18を閉じることにより、ペルチェ・デバイス15を流れる電流で、ペルチェ・デバイス15は、ペルチェ効果によりホット・ソース14とコールド・シンク16との間の相対温度差をすぐに形成する。具体的には、ペルチェ・デバイス15によって、ホット・ソース14は加熱され、コールド・シンク16は冷却される。温度差は、ペルチェ・デバイス15の第2の端部17からコールド・シンク16へ熱移動させる。 【0042】ペルチェ・デバイス15の第1の端部の温度は、ホット・ソース14の温度以上に上昇し、第1の熱電スイッチ18が開いて、電流を遮断し、さらなるジュール加熱を阻止する。第1の熱電スイッチ18が開くときに近い時刻に、第2の熱スイッチ38が閉じて、ペルチェ・デバイス15からホット・ソース14へのジュール熱伝導を促進する。 【0043】特に、電流パルス36の立ち上がりエッジが、ペルチェ・デバイス15に供給されて約3ミリ秒経過すると、ペルチェ・デバイス15内の抵抗のため、ジュール加熱効果は、ペルチェ・デバイス15の平均温度を上昇させて、ペルチェ効果による、ペルチェ・デバイス15を通る正味ペルチェ熱移動が減少し始める。電流パルス36の立ち下がりエッジで、第1の熱電スイッチ18が開き、ペルチェ・デバイス15からコールド・シンク16への熱経路を遮断する。 【0044】ペルチェ・デバイス15に対する第2の熱スイッチ38の位置は、本発明の範囲に関係せず、第2の熱スイッチ38を、ペルチェ・デバイス15に対して任意の位置に接続することは、本発明による冷却強化を与える。 【0045】ジュール加熱による、ペルチェ・デバイス15内の残りの熱エネルギーは、ホット・ソース14にまで減衰する。加速された指数関数的減衰は、第2の熱スイッチ38がペルチェ・デバイスからホット・ソース14に与える、減少した熱抵抗のために、第2の熱スイッチ38により実現される。ペルチェ・デバイス15の温度が、ホット・ソース14に近い温度にまで減衰すると、サイクルが繰り返される。 【0046】ペルチェ・デバイス15が比較的に高い熱インピーダンスを持つことは、好ましい。冷却サイクルの間、ペルチェ・デバイス15はホット・ソース14とコールド・シンク16との間の最大温度差を与えなければならないので、高い熱インピーダンスは、重要である。高い熱インピーダンスは、また、熱平衡が望まれるサイクルの不作動部分に対して重要である。第2の熱スイッチ38は、熱平衡のプロセスを増大し、そして増大されたデューティー・サイクルは、増大した効率を生じる。 【0047】熱移動の動作の過渡特性は、熱電の熱移動が、相対電圧を受け取るとすぐに生じるが、ジュール加熱とその後の熱電素子の伝導損とは、遅れた効果であることを認めている。従って、本発明は、ペルチェ冷却,抵抗加熱,熱伝導の異なるタイム・スケールと時定数に依存する。 【0048】電流パルス36と、第1の熱電スイッチ18および第2の熱スイッチ38のデューティー・サイクルとを制御する能力は、本発明のスイッチング同期の決定における柔軟性を与える。電流パルス36と、第1の熱電スイッチ18および第2の熱スイッチ38の動作は、共に、非常に短いデューティー・サイクルを有し、そして互いに比較的同期した動作を示すが、開閉サイクルのパルス幅とタイミングは、用いられる熱電素子の過渡特性と、ペルチェ・デバイス15からホット・ソース14とコールド・シンク16への熱伝導の完全な状態とに依存して異なることがありうる。 【0049】図2と図3を要約すると、電流パルス36は、ペルチェ効果による瞬間冷却を引き起こす。ペルチェ効果は、閉じた第1の熱電スイッチ18を経てコールド・シンク16からホット・ソース14へ熱移動を引き起こす。しかし、ジュール加熱による熱が、ペルチェ効果の反対方向に移動する前に、第1の熱電スイッチ18はそのような不所望な熱移動を阻止するために開き、第2の熱スイッチ38はホット・ソース14への熱移動を促進するために閉じる。具体的には、第1の熱電スイッチ18は、ジュール加熱によるエネルギーがペルチェ・デバイス15からコールド・シンク16へ移動できないように、開く。 【0050】従来技術の構成の効率を改善する基本概念が、この明細書で述べられている。図2のペルチェ・デバイス15に関して、それらのさらに詳しい説明と変形例は、本出願に関連する出願に、さらに完全に述べられている。多くの構成が本発明に関連して用いることができるので、図2の説明は、本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。 【0051】図4には、デュアル・ペルチェ・デバイス熱電冷却の構成が、示されている。熱電デバイス20は、N形熱電素子10とP形熱電素子12とを備えている。図4に示された装置は、図2に示された構成と類似しているが、2つのペルチェ・デバイスが示されており、各ペルチェ・デバイスはホット・ソース14への熱移動を促進する熱スイッチを有している。 【0052】N形熱電素子10とP形熱電素子12とは、電源22と直列構成に相互接続されている。熱流の方向は、ドーピングのタイプ(例えばN形またはP形)と電流の方向とに依存する。従って、N形とP形のデバイスの曲がりくねった構成は、電気的直列相互接続と熱的並列相互接続を可能にする。 【0053】図4では、電気的スイッチングは示されておらず、第3の熱スイッチ50,第4の熱スイッチ52,第5の熱スイッチ54は、熱的スイッチングを行うが、電気的スイッチングを行わず、電流を流すことはない。 【0054】第4の熱スイッチ52,第5の熱スイッチ54は、ジュール加熱による熱が、N形熱電素子10とP形熱電素子12の最大表面領域からホット・ソース14に放散できるように、同時に開閉する。熱インピーダンスをほとんど有さない最大化された表面領域は、熱電素子の効率を増大する。しかし、熱電素子10の第1の端部19を介して低い熱インピーダンス経路によって、熱電素子10からホット・ソース14への連続する熱結合が与えられる。 【0055】熱電デバイス20が電流を流し、熱電装置がサイクルの冷却部分にあるときに、第3の熱スイッチ50が閉じると、熱電デバイス20の第2の端部17を介した、熱電デバイス20とコールド・シンク16との間の低インピーダンスの熱経路のため、熱電デバイス20は、コールド・シンク16を冷却する。 【0056】熱的スイッチングは、微小電気機械装置によって、すなわち固体熱スイッチによって、実現できる。微小電気機械装置は、電流によって置換できるニッケル磁石のアレイをシリコン・チップの表面上に形成するように、集積回路技術を用いて作製できる。微小電気機械スイッチは、開位置で比較的に高い熱インピーダンスを、閉位置で比較的に低い熱インピーダンスを与えることができる。 【0057】本発明を、実施の形態を参照して、特に説明したが、当業者によれば、本発明の趣旨と範囲から逸脱すること無しに、形態と詳細の多くの変更を行うことができることが分かるであろう。 【0058】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。 【0059】(1)熱電素子と、前記熱電素子に接続され、前記熱電素子によって発生された熱を放散するホット・ソースと、対象物を冷却するコールド・シンクと、前記熱電素子に電力を供給する手段と、高効率冷却を達成できるように、前記ホット・ソースに、前記熱電素子を、選択的,熱的に接続する手段とを備える熱電冷却装置。 【0060】(2)前記熱電素子を、前記ホット・ソースに、選択的,熱的に接続する手段は、微小熱電機械スイッチである、上記(1)記載の熱電冷却装置。 【0061】(3)前記熱電素子を、前記ホット・ソースに、選択的,熱的に接続する手段は、固体熱スイッチである、上記(1)記載の熱電冷却装置。 【0062】(4)前記熱電素子に電力を供給する手段と、前記熱電素子を選択的,熱的に接続する手段とは、機能的に同期して動作可能である、上記(1)記載の熱電冷却装置。 【0063】(5)前記熱電素子に電力を供給する手段が動作していないときに、前記熱電素子が前記ホット・ソースに選択的にスイッチされる、上記(1)記載の熱電冷却装置。 【0064】(6)前記熱電素子と前記ホット・ソースからの連続熱経路をさらに備える、上記(1)記載の熱電冷却装置。 【0065】(7)高効率冷却を与える熱電冷却装置であって、熱電素子と、この熱電素子からの熱を放散するホット・ソースと、前記熱電素子に接続され、対象物を冷却するコールド・シンクと、高効率冷却を達成できるように、前記熱電素子から前記ホット・ソースへの熱インピーダンスを選択的に制御するために、前記ホット・ソースに前記熱電素子を断続的に接続する手段とを備える熱電冷却装置。 【0066】(8)前記熱電素子は、第1の表面領域,第2の表面領域,第3の表面領域をさらに有する、上記(7)記載の熱電冷却装置。 【0067】(9)前記熱電素子の第1の表面領域は、前記コールド・シンクに断続的に接続される、上記(7)記載の熱電冷却装置。 【0068】(10)前記熱電素子の第2の表面領域は、前記ホット・ソースに連続的に接続される、上記(7)記載の熱電冷却装置。 【0069】(11)前記熱電素子の第3の表面領域は、前記ホット・ソースに断続的,熱的に接続される、上記(7)記載の熱電冷却装置。 【0070】(12)前記熱電素子と前記ホット・ソースからの連続熱経路をさらに備える、上記(7)記載の熱電冷却装置。 【0071】(13)高効率を実現するために、第1,第2,第3の表面領域を有する熱電冷却器のコールド・シンクとホット・ソースへの熱インピーダンスを制御する方法であって、熱電素子の第1の表面領域をコールド・シンクに選択的に接続するステップと、前記熱電素子の第2の表面領域をホット・ソースに連続的に接続するステップと、前記熱電素子の第3の表面領域を前記ホット・ソースに選択的に接続するステップとを含み、前記ホット・ソースと前記コールド・シンクへの、前記熱電素子の選択的,熱的接続が、高効率を実現する、制御方法。 【0072】(14)前記第1の表面領域と前記第3の表面領域の前記選択的接続は、同期している、上記(13)記載の制御方法。 【0073】(15)前記熱電素子に電力が加えられるときに、前記第1の表面領域は前記コールド・シンクに選択的に接続される、上記(13)記載の制御方法。 【0074】(16)前記熱電素子に電力が加えられないときに、前記第3の表面領域は、前記ホット・ソースに選択的に接続される、上記(13)記載の制御方法。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390009531 【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション 【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
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| 【出願日】 |
平成11年12月22日(1999.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086243 【弁理士】 【氏名又は名称】坂口 博 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193338(P2000−193338A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平11−363840 |
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