| 【発明の名称】 |
冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川瀬 義隆
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| 【要約】 |
【課題】往復動する機械要素を含む逆スターリング方式の冷凍装置には、その反作用により本体に生ずる振動を吸収するために動吸振手段を付加するが、吸収された振動エネルギーは有効に使われていない。また、この冷凍装置の冷凍熱や温熱はコールドヘッドやホットヘッドに集中するので取出しや排熱が難しい。
【解決手段】膨張機3の往復動作軸が振動節部となり他の部分が振動腹部となる振動吸収部材320を設け、これらの振動吸収部材をコールドヘッド39に熱的に接続し、撹拌翼325を付加して送風機とする。これに通風ケースあるいは通風路を設けることにより、冷凍熱を冷蔵庫に効率的に伝熱する。これにより、冷凍装置の振動を効率良く低減し且つ熱交換もできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 逆スターリング方式で動作する圧縮機と膨張機と再生器とからなる冷凍装置において、当該冷凍装置の動作で発生する振動により駆動される送風手段を設けたことを特徴とする冷凍装置。 【請求項2】 前記送風手段は、前記圧縮機側の熱交換器、膨張機側の熱交換器の少なくとも一方の熱交換器へ送風することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。 【請求項3】 前記送風手段は、前記圧縮機のピストンの往復動作又は膨張機のディスプレーサの動作による振動を吸収するための振動吸収手段を兼ねている請求項1又は請求項2に記載の冷凍装置。 【請求項4】 前記振動吸収手段は、振動を吸収するための振動吸収部材とと、この振動吸収部材の動作で送風作用を行う送風体とからなる請求項3に記載の冷凍装置。 【請求項5】 前記振動吸収部材は、前記圧縮機、又は前記膨張機の往復動作軸上に配置されている請求項4に記載の冷凍装置。 【請求項6】 前記振動吸収部材は、固定部を前記圧縮機または前記膨張機に固定することにより、自由端が所定の振幅で弾性振動する弾性部材である請求項4又は請求項5に記載の冷凍装置。 【請求項7】 前記弾性部材の固定側を気体吸入口とし、自由端側を気体排出口とする通風路を設けた請求項6に記載の冷凍装置。 【請求項8】 中心部を固定部、外周部を自由端とし、この固定部と外周部とを複数のアームで連結した請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の冷凍装置用の弾性部材。 【請求項9】 前記アームは渦状に形成されている請求項8に記載の冷凍装置用の弾性部材。 【請求項10】 外周部に重りを設けた請求項8又は請求項8に記載の冷凍装置用の弾性部材。 【請求項11】 外周部に送風体を設けた請求項8、請求項9又は請求項10に記載の冷凍装置用の弾性部材。 【請求項12】 前記送風手段は振動を回転運動とする回転送風体である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の冷凍装置。 【請求項13】 前記回転送風体は、前記圧縮機または前記膨張機の外部に設けた支軸に、回転自在に設けられている請求項12に記載の冷凍装置。 【請求項14】 請求項1記載の冷凍装置を組み込んだ冷蔵庫。 【請求項15】 前記送風手段を前記冷凍装置の膨張機側に設けて冷却器として組み込んだ請求項14に記載の冷蔵庫。 【請求項16】 前記送風手段を前記冷凍装置の圧縮機側に設けて放熱器として庫外に組み込んだ請求項14又は請求項15に記載の冷蔵庫。 【請求項17】 前記送風手段の少なくとも一部に、着霜防止のための熱伝達率の大きい合成樹脂を被覆あるいは塗装した請求項15に記載の冷蔵庫。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、逆スターリング方式で動作する冷凍装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、特開平6−300407号公報に記載されるように、対向する2つの圧縮機と、ディスプレーサを含んで一方の圧縮機の側に一体に設けられた膨張機とを備え、ヘリウム、窒素、アルゴン等の気体冷媒を用いて等温圧縮、等容移送、等温膨張、等容移送を繰り返し行う逆スターリングサイクルにより冷凍を発生する冷却装置において、膨張機のコールドヘッドから冷却風を得るために、コールドヘッドに送風ファンを一体に取り付けて熱的に接触させるとともに、その冷却装置全体を電気的に回転する構造にすることにより、送風ファンが冷却装置と一体に回転して冷却風を送風するようにしたものがある。 【0003】この冷却装置では、ステータ側を永久磁石部材とし、ピストンに可動コイルを直結したリニヤモータを駆動源として圧縮機のピストンと膨張機のディスプレーサがそれぞれ往復動作している。 【0004】圧縮機を2個用いて対向式にするのは、圧縮機が単独の場合に圧縮機のピストンとそれを同軸に駆動するリニヤモータとがともに往復動作するときの反作用により圧縮機本体に発生する大きな振動を、互いのピストンの往復動作を対向して同期させることにより打ち消して防止するためであるが、冷却対象に近接する膨張機においても、圧縮機から供給される気体冷媒で作動するディスプレーサが往復動作するときの反作用により、膨張機本体に振動が発生する。 【0005】これを防止するためには、実開平5−47760号公報に示されるように、膨張機の膨張室と反対側に、ディスプレーサにコイルばねを介してウェイト部材を連結することでディスプレーサの振動を吸収する動吸振手段を膨張機のシリンダー内部に設けることにより、膨張機本体に振動が発生しないようにしているものがある。同様にして、特開平4−353361号公報では、膨張機の外部に動吸振手段を設けることにより膨張機の振動を吸収するものが示されている。 【0006】それぞれ単独の圧縮機と膨張機とが一体に配置されて、圧縮機のピストンと膨張機のディスプレーサとが同軸に往復動作するものでは、ディスプレーサがピストンと一定の位相差を保って作動するものの、冷却装置本体には往復動作の反作用による振動が発生するので、それを防止するためにこれまで述べてきたような振動吸収手段を設けている。 【0007】冷却装置に付加するこれらの振動吸収手段では、コイルばねとウェイト部材との組み合わせを、振動を防止したいものが発生する基本共振周波数に等しくなるようなばね定数と可動部の合計質量とを組合わせて選択することにより実現できるが、これまで述べてきたようなコイルばねを用いたもののほかに、ひとつあるいは複数を組合わせた放射状の板バネやさらに、ストロークを大きくして特性を改善した渦状の板バネなどが採用されており、板バネにすることによりコイルばねのとき生ずる軸方向に対して横方向に偏った反作用力の発生を防止して、冷却装置の摺動部の長寿命化などの特性改善がなされている。 【0008】板バネの形状に関し、用途が異なるが、実開平5−69564号公報には中心から円形の外周に複数の渦状に延びるバネを形成するものが示されており、板バネのストロークを等価的に大きくすることにより各部の寿命を延ばしている。さらに、特開平4−347460号公報には円形の外周に中心から放射状の半径に線対称に複数のバネを形成することにより板バネのストロークを大きくするとともに、渦状のときに生ずる板バネがたわんだときの軸方向に対して横方向に偏った反作用力の発生を防止するものが示されている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−300407号公報に記載されるように、冷却風を得るために送風ファンと一体になった冷却装置全体を電動機として回転するためには、冷却装置の外郭にコイルを付加し回転軸に摺動接触端子を設けて回転子として給電するとともに、外郭円筒容器を設けて界磁を形成する必要があるので、コールドヘッドから送風ファンに直接熱伝導することによる熱的な効率の向上があっても全体として構造が複雑になり、特に冷却対象が大きなものでは出力を増大しようとしてもこの冷却装置の大型化は難しい。 【0010】膨張機または圧縮機の外部に付加する振動吸収手段は、内部の往復動するエネルギーに見合う振動を吸収すればそれらの振動を防止することができるので、振動吸収手段を円形で放射状または渦状の板ばねで形成してその外周にウェイト部材を組み込むようにすると、冷却装置が大きな冷凍出力を発生するものでは膨張機や圧縮機の重量も大きく、それぞれの板バネの寸法もウェイト部材も大きなものとなっており、冷却装置を稼働するとこの振動吸収手段の板バネは大きな振動エネルギーを吸収して大きくたわんで振動し、冷却装置の効率を下げている。 【0011】また、圧縮機と膨張機が一体となった冷却装置の外部に付加する振動吸収手段についても同様で、冷却効率を下げるとともに、圧縮機と膨張機を同軸に一体とするときには軸方向に冷却装置が長くなるので、外部の軸上の一方の端部に振動吸収手段を取り付けると軸に直交する横方向の振動が発生しやすくなる。 【0012】膨張機または圧縮機、もしくはそれらが一体の冷却装置は、一般にピストンやディスプレーサを共振させて動作するようにしており、振動吸収手段の振動数はこれらの装置の共振周波数に合わせるように設計するが、これらの装置は共振周波数を基本周波数とする整数倍の高調波成分を含んで振動しているので、単一の振動吸収手段のみではすべての振動を除去することが難しい。 【0013】本発明は、逆スターリング方式で動作する際に発生する振動を有効に利用してその効率を上げることを目的とする。また、振動の高調波成分の除去を目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の冷凍装置は、逆スターリング方式で動作する冷凍装置の圧縮機のピストンや膨張機のディスプレーサが往復動作するときに反作用として発生する振動を吸収するために、当該振動を利用して送風手段を駆動するものである。また、その送風は膨張機側の低温熱交換機あるいは圧縮機側の高温熱交換機の少なくとも一方に送風する構成であることが望ましい。この送風手段は振動を吸収する手段を兼ねるものである。 【0015】本発明の振動吸収手段は、振動吸収部材と、この部材の動作で送風作用を行う送風体とからなり、振動吸収部材は例えばスプリング等の弾性体であって必要に応じて重り付加してなり、その一部または一端を冷凍装置などに取付け固定し、他の部分または他端が自由に弾性振動するような構造である。また、その振動吸収部材自身が気体を撹拌するか、気体を撹拌する撹拌翼を取付けたものであるので、冷凍装置本体の振動を吸収して振動吸収部材が振動するとその振動エネルギーを利用して送風することができる。この振動吸収部材の形状は中心部と外周部とを複数のアームで連結した構成が好適である。 【0016】さらに、本発明は振動吸収部材を冷凍装置などに取付け固定したところを空気吸入口とし、所定の振幅で振動する他の部分の側を空気排出口とする通風路または通風ケースを設ければ、振動吸収部材が冷凍装置などの振動を吸収して動作するときに、通風ケースの内部では冷凍装置などに取付け固定したところが静止するように作られていて正圧側となり、それに対して他の部分が所定の振幅で振動するように作られているので負圧側となって、外部からみれば、空気は負圧の空気吸入口に吸引され、正圧の空気排出口から吐出される構成となる。 【0017】本発明は、送風手段を備えた冷凍装置の例えばコールドヘッドに直接にまたはコールドヘッドに熱的に接続された低温側熱交換器に取付けるとともに、これらを冷蔵庫の庫内の冷却のための循環通風路に配置した場合、膨張機または冷凍装置が稼働すると送風を行ってコールドヘッドと直接または低温側熱交換器と冷凍熱を熱交換して庫内に循環し冷蔵庫内を冷却することができる。 【0018】同様に、本発明は、送風手段を備えた圧縮機または冷凍装置の例えばホットヘッドまたはホットヘッドに熱的に接続された高温側熱交換器に取付けるとともに、これらを冷蔵庫の庫外に配置すれば、圧縮機または冷凍装置が稼働すると送風を行って外気がホットヘッドと直接、または高温側熱交換器と熱交換して排熱することができる。 【0019】さらに、本発明は、圧縮機または膨張機もしくは圧縮機と膨張機が一体の冷凍装置では、それらの往復動作軸上の両端または両側に送風手段を分割して配置することによりそれらを小型にすることができるとともに、振動系の非線形性にともなって発生する高次の高調波振動成分を小さくできる。また、それらを往復動作軸上に取付けようとして生ずる、取付け誤差による往復動作軸に直交する振動を両側のそれぞれが打ち消しあうことで減少することができる。 【0020】本発明は、送風手段を備えた冷凍装置を冷蔵庫の冷却機として用いる場合、その送風手段の一部を熱伝達率の大きい合成樹脂で被覆あるいは塗装することで着霜を防止することができる。 【0021】更に、本発明はによれば、冷凍装置の振動を直接回転運動とする回転体を設け、その回転により送風する構成によっても、振動を吸収することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。 【0023】図1は、本発明の冷凍装置を搭載した冷蔵庫の概略を示す断面図である。冷蔵庫1の下部には冷凍装置の圧縮機2があり、庫内を冷却するための膨張機3に気体冷媒を連通するパイプ4と接続されている。冷蔵庫1は上から冷蔵室5、第一冷凍室6、第二冷凍室7からなり、膨張機3は第一冷凍室6の奥に配置して取付けられている。圧縮機2で圧縮されたヘリウム、窒素、アルゴン等の気体冷媒は再生器を内蔵する膨張機3にパイプ4によって通じており、逆スターリング方式で動作する等温圧縮、等容移送、等温膨張、等容移送を繰り返すことにより膨張機3の発生する冷凍熱が冷蔵庫1を冷却する。膨張機3の発生する冷凍熱は膨張機3のコールドヘッド39に熱的に接続された低温側熱交換器31で熱交換され、低温側送風機32により冷却風として、まず、製氷室61とともに第一冷凍室6を矢印62のように冷却し、つぎにその冷却風が矢印71のように第二冷凍室7に流入して冷却する。そして矢印72のように低温側熱交換器31に戻るようにして循環する。 【0024】また、冷却風の一部は(図示しない)ダクトを経て冷蔵室5の上部より矢印51のように吹き出して冷蔵室5を冷却し、矢印52のように低温側熱交換器31に戻るようにして循環する。それに対して、圧縮機2で生ずる温熱は外気が矢印281のように入って高温側熱交換器28で熱交換され、高温側送風機29により矢印293のように冷蔵庫1の庫外に排出される。 【0025】ここで、第一冷凍室6は急速冷凍用に通常の冷凍温度より低い温度に設定され、第二冷凍室7は通常の冷凍温度に設定されている。第一冷凍室6の温度は冷凍装置の出力制御により達成され、第二冷凍室7の温度は、第一冷凍室6と第二冷凍室7との間の(図示しない)冷気ダンパーを制御することにより達成される。 【0026】図2は、第一冷凍室6に組み込まれた本発明による膨張機3とその周辺を示す断面図である。よく知られた膨張機3は膨張機シリンダー33とその内部で往復動するディスプレーサ34とディスプレーサ34に内蔵されている再生器35とからなり、ディスプレーサ34は、パイプ4から気体冷媒が供給される膨張機シリンダー33の一方の側の膨張機作動室36の内部で、弾性体のコイルスプリング37を介し膨張機シリンダー33に接続されている。膨張機シリンダー33の他の側は膨張室38になり、図1の圧縮機2から供給される気体冷媒の圧力変化とコイルスプリング37の作用によってディスプレーサ34が往復動すると、再生器35における蓄冷および熱交換作用と気体冷媒の膨張室38での膨張作用により膨張室38の端部であるコールドヘッド39は冷凍されて冷凍熱を生ずる。そして、このコールドヘッド39での冷凍熱の取り出しを容易にするために低温側熱交換器31がコールドヘッド39に熱的に接続され、さらに低温側送風機32がコールドヘッド39に直接、あるいは低温側熱交換器31を介装して取付けられている。 【0027】外部からみれば、この低温側送風機32は特にその中心部が負圧側となるので吸入口63を設ける。それに対して外周部が正圧側となって吐出口64となり、低温側送風機32を囲むような、吸入口63を設けた第一の隔壁65を低温側熱交換器31と低温側送風機32との間に設け、また、低温側送風機32と冷凍負荷となる第一冷凍室6との間に第二の隔壁66を設ける。これらの隔壁が第一冷凍室6の断熱箱体の上下の内壁とともに低温側送風機32の外郭となる通風ケースを形成し、庫内を循環する冷却風が吸入口63から吸入され吐出口64から排出されるような通風路を形成する。膨張機3はゴム等からなる熱伝達率が小さく、しかも、振動の吸収が容易な弾性体であるスペーサ11を介して冷蔵庫奥壁12を貫通するように取り付けられており、パイプ4は冷蔵庫奥壁12の外部に沿って下部の圧縮機2と連通している。この膨張機3だけであれば、冷凍装置が稼働してディスプレーサ34が往復動するとその反作用として膨張機3本体が振動するので、その大きな振動がスペーサ11のみでは吸収されず冷蔵庫奥壁12に伝搬するので好ましくない。 【0028】そこで、これら往復動する装置には振動を吸収するために各種の振動吸収手段を付加する訳であるが、例えばディスプレーサ34と同軸上に、スプリング等の弾性体と弾性体自身の重量やさらに付加する重りからなるウェイト材とからなる振動吸収手段を、その振動節部を同軸上に振動腹部を軸に直交する平面に置くようにコールドヘッド39に取り付けることにより、膨張機3本体が振動するかわりにその振動吸収手段が振動する。本発明はそのような振動吸収手段の振動エネルギーを送風に利用するようにしたものである。 【0029】図3(A)は、振動を吸収する手段として、膨張機3の端部から突出した軸Gに設けた送風手段である送風機32の例を示す外形説明図である。この送風手段は弾性を有する円盤状の振動吸収部材320とその外周部に設けられた送風体である撹拌翼325とから成る。この振動吸収部材320は、その中心の取付部321から放射状に複数のアーム322が円環状の外周部323に伸びるような形状に鋼板を打抜き加工したのち、油焼入れ等の熱処理をして弾性を持たせた板バネであり、取付部321には前記軸Gに嵌着するための取付穴321aが設けられている。 【0030】前記撹拌翼325は半円状に形成され、外周部323にほぼ均等に複数個設けられている。この撹拌翼325は板バネ320と一体に打抜き形成してもよいし、より機能的には板バネよりも薄い金属板あるいは適度の厚みを有するプラスチックからなり、内周の形状が前記円環状の外周部323の内周に合致しそれに外周の撹拌翼325を付け加えた形態のものを、板バネ320と重り324の間に挟んで装着することにより、図2の低温側送風機32を形成する。このような低温側送風機32は、その一部をプラスチックで被覆するか、またはプラスチックが主剤の塗料で塗装することにより、鋼板や金属板が庫内で裸出しないようにして着霜を防止している。 【0031】前記取付穴325aをもって軸Gに取付固定された送風機32は、中心の取付部321を固定端として振動節部となり、振動腹部となる外周部323が均等に撓むことで振動する。振動吸収部材320自身の質量のみでは質量が不足するとき、外周部323に例えば環状の重り324を均等に分布するように取付けて振動特性を調整しても良い。前記振動吸収部材320が振動すると、中心の取付部321の振幅は0であるが、アーム322が撓むことで外周部323の振幅は大きく、この撓み量が中心から外周にゆくに従って増加することにより、低温側送風機32の内部では中心側に対して外周側が負圧となるので、中心から外周に向かって気流を発生する。 【0032】なお、振動特性の調整は、この振動吸収部材320のアーム322の長さと厚みと金属板の弾性係数とに依存するばね定数と、当該部材320自身の質量と付加する環状の重り324の質量とをウェイト材として選択して組合わせることにより、その固有振動数を膨張機3の基本共振周波数に合わせればよい。 【0033】図3(B)は本発明の送風機の他の例を示す外形説明図である。 【0034】振動吸収部材320は図3(A)と同様であるが、外周に設ける撹拌翼325の形状が異なり扇状に形成されている。 【0035】図3(C)は本発明の送風機の更に他の例を示す外形説明図であり、複数のアーム322の形状が全体として渦状になっている。アーム長を増大することで単位長さあたりの撓み量を小さくして振動吸収手段320である例えば板バネの金属疲労を減少するためであるが、アーム322の面積も増大するのでアーム全体が撹拌翼の機能をはたしており、振動吸収部材自身が気体を撹拌するように作用している。 【0036】図4は、本発明の圧縮機の概要を示す断面図である。圧縮機2は、圧縮機シリンダー20とピストン21とリニヤモータ22と、ピストン21と一体のリニヤモータ22を受ける板状スプリング23とそれらを接続するロッド24と外郭ケース25とからなり、気体冷媒が圧縮される圧縮機作動室26の周辺には圧縮熱を放熱するために熱伝達特性のよい銅等の金属からなる環状のホットヘッド27が設けられており、そのホットヘッド27に高温側熱交換器28が熱的に接続されている。 【0037】よく知られたリニヤモータ22は可動部221と界磁223とからなり、可動部221の主な部分は円筒形の非磁性体から構成されており、稀土類磁石などからなる永久磁石222が組込まれている。界磁223は、透磁率の大きい磁性体からなる断面がU字型のヨーク224に電磁コイル225が組込まれたものであり、電磁コイル225に駆動電圧が印加されて磁界が生ずると、界磁223の磁化の方向に応じるようにあらかじめ着磁されている永久磁石222がその磁界に引込まれることにより、可動部221がヨーク224のU字型の空洞部に引込まれる。このとき可動部221と一体になっているピストン21は圧縮機作動室26の内部の気体冷媒を圧縮し、パイプ4を通じて膨張機3に圧縮気体冷媒を供給する。そして、このとき発生する圧縮熱はホットヘッド27に吸熱され高温側熱交換器28にも伝達される。 【0038】電磁コイル225に交流電圧、例えば商用交流電圧を供給する。そのとき、ロッド24に接続された板状スプリング23を弾性体とし、ピストン21とリニヤモータ22とロッド24と板状スプリング23自身とのそれを質量として、その弾性体のバネ定数とそれらの質量とを選択調整すれば、圧縮機2は商用交流電圧の周波数と等しい周波数に共振して往復動する。出力は、商用交流電圧を変えるとピストン21の振幅が変化することにより調節される。 【0039】前記圧縮機2は、これまでに述べた膨張機3と同様に、冷凍装置が稼働してピストン21が往復動するとその反作用として圧縮機2本体が振動し、その大きな振動が圧縮機2の取付けられた(図示しない)冷蔵庫1の底板などに伝搬するので好ましくない。そこで、これら往復動する装置には、振動を吸収するために膨張機3と同様の送風手段をホットヘッド27の往復動作軸上に取付け、圧縮機2本体の振動を利用して送風手段を動作させ圧縮機2本体の振動を低減する。高温側送風機29は軸G1に取り付けられ、形態的には図3の例と同一であるが、膨張機3に対して圧縮機2の場合には、ピストン21とリニヤモータ22が一体の構造となって往復動しており、その合計質量が大きいために高温側送風機29も大きくなって、送風量を多くすることができる。 【0040】この高温側送風機29はホットヘッド27に取付られた中心側の箇所を振動節部とし、その外周を振動腹部として振動するので、高温側送風機29の内部では中心側に対して外周側が負圧となり中心から外周に向かって気流を発生する。 【0041】そこで、高温側熱交換器28の一方の外郭を覆うとともに、高温側送風機29の外郭の一部を形成する隔壁を設けてさらに、その高温側送風機29の中心近くに吸気口291を設け、高温側送風機29の他方の隔壁と併せて外周側を排気口292とする熱気通気ケース290を設けると、圧縮機2の排熱を行うための外気は、矢印281のように高温側熱交換機28に流入して熱交換し、吸気口291に流入して排気口292から矢印293のように排気するような通風路を形成する。 【0042】図5は、これまでに述べた往復動作式の圧縮機2と膨張機3を同軸に一体にした本発明の冷凍装置8を冷蔵庫1に装着した例の概要を示す断面図である。このとき、パイプ4に相当する部分は圧縮機2と膨張機3との間で気体冷媒を連通する(図示しない)オリフィスとなる通気口を形成している。 【0043】圧縮機2には気体冷媒の圧縮熱を吸熱するホットヘッド27があり、それに高温側熱交換器28が熱的に接続されている。さらに、圧縮機2の他の側にはこれまで述べたような送風手段である高温側送風機29が軸G2を介して取付けられており、この高温側送風機29を含め圧縮機2の外郭を通気のための所定のスペースを設けて覆う熱気通気ケース290があって、圧縮機2が稼働すると外気が矢印281のように流入して高温側熱交換器28で熱交換し、圧縮機2の外郭を通って吸気口291に吸入され、排気口292から矢印293のように排気されて圧縮熱を排出する。 【0044】膨張機3には気体冷媒の膨張により生ずる冷凍熱を吸熱するコールドヘッド39がありそれと熱的に接続された低温側熱交換器31がある。さらに、膨張機3にはこれまで述べたような送風手段である低温側送風機32が軸G3を介して取付けられており、この低温側送風機32には冷気通風ケース67があって、冷凍機8が稼働すると庫内の冷気が冷気吸入口68から流入して低温側熱交換器31で熱交換され、低温側送風機32の吸入口63を経て吐出口64から吹出して冷蔵庫1の庫内を冷却する。この冷凍装置8は、膨張機3の振動と低温側熱交換器31と高温側熱交換器28の熱とから冷蔵庫奥壁12を隔絶するように、冷蔵庫奥壁12との間にスペーサ11を介装して冷蔵庫奥壁12を貫通するように装着されている。 【0045】この冷凍装置8の圧縮機2が、例えば商用交流電源で駆動されると、圧縮機2の内部はその周波数で共振して動作するように作られており、膨張機3の内部は圧縮機2の内部と所定の位相差を有しながらそれと同一の周波数で共振して動作するように作られている。送風機は振動吸収手段の機能に関する限りどちらか一方の側に取付ければいが、複数に分割して圧縮機2または膨張機3の、あるいは一体の冷凍装置8の両端もしくは両側に配置することにより、そのそれぞれを小型化することができるので、系の非線形性により生ずる共振周波数の高次の高調波振動成分を小さくすることができる。 【0046】さらに、分割したものを両端もしくは両側に配置することにより、送風機を往復動作軸上に取付けるときの軸上に乗らなかったり、あるいは往復動作軸と送風機の振動面とが直交しなかったりする取付け誤差により発生する、往復動作軸に直交する振動を相互に打消しあうことができる。 【0047】なお、本発明は逆スターリング方式のピストンやディスプレーサが往復動する冷凍装置について述べてきたが、一定の周波数の振動を発生する冷凍装置や機械装置の振動を防止する必要があり、同時に、熱交換作用や冷却のための送風機を必要とするものであれば、これまで述べたような方法を任意に適用することができる。また、低温側送風機32や、特に高温側送風機29の送風量が不足するときにはモータ駆動のファンを併用することで従来と同様の熱交換を可能とする。 【0048】前記送風手段は、振動吸収部材の振幅を利用して送風するものであるが、プロペラファンを前記軸G、G1、G2に回転自在に緩挿すれば、当該軸の振れにより当該プロペラファンに直接回転を起こすことができる。従って、このような送風手段を用いても良いが、先に説明した振動吸収部材を利用した送風機と、回転式のフアンを同一軸状に設けて、両者による送風を行っても良い。この場合、軸Gの左右の振れ、及びこれとは直角方向の上下方向の振れをそれぞれ有効に利用することが可能になる。 【0049】 【発明の効果】本発明によれば、逆スターリング方式で動作する冷凍装置の振動を利用して送風手段を駆動するので、この送風を熱交換に利用すれば、振動吸収と熱交換とを効率良く行うことができる。また、振動吸収手段と送風手段とを兼ねるので構造が簡単になる。電動式ファンモータを併用する場合でもその出力容量を小さくできる。 【0050】また、本発明によれば、振動吸収部材がスプリング等の弾性体の一端または一部を振動を発生する装置に固定し、他端または他の部分が所定の振幅で弾性振動することにより装置の振動を吸収するものであり、振動吸収部材そのものが気体を送風する形状か、これに送風体を付加すれば送風手段となって送風することができるので、構造が簡単になる。特に電動式フアンモータと併用する場合でも、その構造は簡単となる。 【0051】さらに、振動吸収部材は冷凍装置などに取付け固定した個所を静止部とし他の自由端が弾性振動する構造であるので、これを覆う通風ケースを設けるか通風路を形成すれば、静止部が空気吸入口となり振動側が空気排出口となって空気を送風することができる。この静止部は自由端に比べて占有面積が小さく、冷凍熱や排熱が集中する構造の装置の冷熱を吸熱して大きな広いスペースに分配するのに適している。 【0052】前記送風手段を膨張機や冷凍装置のコールドヘッドに直接または、その熱交換器に取付けて、冷蔵庫の庫内の冷却のための循環通風路に配置すれば、冷凍熱を効率よく伝えて冷蔵庫の庫内を冷却することができる。この場合、電動式ファンモータを補助的に使用することもできる。 【0053】同様に、送風手段を冷凍装置のホットヘッドに直接または、その熱交換器に取付けて冷蔵庫の庫外に配置すれば、圧縮熱を集中して効率よく排出することができ、全体を冷却するのに適した回転機を駆動源とする送風用のファンモータを併用するときにも、容易に協調して用いることができる。 【0054】送風手段を圧縮機または膨張機または、圧縮機と膨張機が一体の冷凍装置の往復動作軸上の両端に配置すれば、一個のみで構成するのに比べて個々を小さくでき、振動系の非線形性にともなって発生する高次の高調波振動成分も小さくできる。特に一体の冷凍装置では圧縮機と膨張機が所定の位相差を有して往復動しているので、振動系の非線形性が強く高次の高調波振動成分の発生量も大きいが、その吸収防止が可能となる。さらに、この送風手段を備えた動吸振手段の取付誤差に起因して発生する往復動作軸に直交する振動成分も小さくすることができ、冷蔵庫の奥壁などに直接取付けることも可能となる。 【0055】なお、送風手段の一部を熱伝達率の大きな合成樹脂で被覆あるいは塗装すれば、冷凍熱の集中があっても着霜を防止して送風機の機能を失うことがない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月28日(1998.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103296 【弁理士】 【氏名又は名称】小池 隆彌
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| 【公開番号】 |
特開2000−193337(P2000−193337A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−372010 |
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