| 【発明の名称】 |
冷凍機用コ―ルドヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】生田 義貴
【氏名】金尾 憲一
【氏名】田口 芳人
【氏名】内田 年雄
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| 【要約】 |
【課題】製造に際しての熱応力に起因する変形を無くすことのできる冷凍機用コールドヘッドを提供すること。
【解決手段】冷凍機コールドヘッドにおけるシリンダホルダ12の材料を、シリンダ11に対してEBW、TIG溶接、レーザ溶接可能な材料で構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一端が閉塞されたシリンダと、前記シリンダの他端に取り付けられ、該シリンダと共に閉じた空間を画定するシリンダホルダと、前記シリンダ内に配置されたディスプレーサであって、前記シリンダの一端と該ディスプレーサとの間に膨張空間を画定すると共に、前記シリンダホルダと該ディスプレーサとの間に圧縮空間を画定し、該ディスプレーサ内には前記膨張空間と前記圧縮空間とを連通させるガス流路及び該ガス流路内を流れるガスと熱交換を行う蓄冷材が設けられたディスプレーサと、前記ディスプレーサを、該ディスプレーサの外周面が前記シリンダの内周面と微小間隙を隔てて対峙させ、かつ前記シリンダの軸方向に移動可能に支持する支持手段と、前記圧縮空間へ連通し、冷媒ガスの導入と排出を行う冷媒ガス供給路とを有し、前記シリンダホルダの材料を、前記シリンダに対してEBW、TIG溶接、レーザ溶接可能な材料で構成したことを特徴とする冷凍機用コールドヘッド。 【請求項2】 前記シリンダの材料はSUSであり、前記シリンダホルダの材料はNi合金、Fe−Ni−Co合金のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の冷凍機用コールドヘッド。 【請求項3】 前記シリンダホルダには更に、前記シリンダを内包するように真空容器が取付けられ、該真空容器の材料を、前記シリンダホルダに対してEBW、TIG溶接、レーザ溶接可能な材料で構成したことを特徴とする請求項1記載の冷凍機用コールドヘッド。 【請求項4】 前記シリンダホルダの材料はNi合金、Fe−Ni−Co合金のいずれかであり、前記真空容器の材料はNi合金、Fe−Ni−Co合金のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の冷凍機用コールドヘッド。 【請求項5】 前記シリンダホルダを、前記ディスプレーサとは反対側の端部において切断した筒状部と、該切断部を塞ぐための蓋部材とで構成し、前記筒状部に前記シリンダが挿通されて該シリンダの端部と前記シリンダホルダにおける切断部とが面一になるようにされて、これらの端部において溶接されていることを特徴とする請求項2記載の冷凍機用コールドヘッド。 【請求項6】 前記シリンダホルダは、前記ディスプレーサ側の端部にフランジ部を有し、前記シリンダの端部はフレアー形状にされて前記フランジ部に当接されており、前記フレアー形状の端部において前記シリンダが前記フランジ部に溶接されていることを特徴とする請求項2記載の冷凍機用コールドヘッド。 【請求項7】 前記シリンダホルダを、前記ディスプレーサとは反対側の端部において切断した筒状部と、該切断部を塞ぐための蓋部材とで構成し、前記筒状部における前記ディスプレーサ側の端部の内周面に内側に突出するフランジ部を設け、該フランジ部の内周に前記シリンダが挿通され、その端部において前記シリンダが前記筒状部に溶接されていることを特徴とする請求項2記載の冷凍機用コールドヘッド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スターリング冷凍機のような蓄冷式冷凍機システムに使用されるコールドヘッドに関する。 【0002】 【従来の技術】図5を参照して、本出願人によりすでに出願済み(特願平10−236111号)スターリング冷凍機について説明する。このスターリング冷凍機は、ガス圧縮機20、コールドヘッド50、及び両者を接続するキャピラリチューブ45を含んで構成される。 【0003】ガス圧縮機20は、隔壁22を挟んで面対称な構造を有する。隔壁22の両側にシリンダ23が配置されている。シリンダ23は、柱面状の内周面を有し、その中心軸が隔壁22に垂直になるように配置されている。シリンダ23の内部空洞内にピストン24が配置されている。ピストン24は、シリンダ23の内周面に整合する外周面を有する。ピストン24、シリンダ23、及び隔壁22により、圧縮室25が画定される。圧縮室25は、隔壁22内に形成されたガス流路26を介してキャピラリチューブ45に連通している。 【0004】ピストン24の、圧縮室25とは反対側の端部にピストンロッド28が連結されている。ピストンロッド28は、シリンダ23の中心軸の延長線に沿って延在している。ピストンロッド28は、スラスト軸受27及び29により、その軸方向に移動可能に、かつ軸に直交する方向には移動が禁止されるように支持されている。スラスト軸受27及び29は、それぞれ軸受支持部材33及び34を介してシリンダ23に固定されている。 【0005】ピストン24は、スラスト軸受27及び29により、シリンダ23の内周面とピストン24の外周面との間に微小な間隙が形成されるように保持される。この間隙が10μm程度以下であれば、クリアランスシールとして作用する。 【0006】シリンダ23に、その内部空間を取り囲むように、隔壁22とは反対側の端面から隔壁22に向かって環状のギャップ36が形成されている。ギャップ36の外周面を形成している内壁には環状の永久磁石37が取り付けられている。シリンダ23はヨークを兼ね、永久磁石37、シリンダ23及びギャップ36により磁気回路が形成される。 【0007】この磁気回路に鎖交するように、ギャップ36内に電磁コイル40が挿入されている。電磁コイル40は、コイル支持部材41を介してピストンロッド28に固定されている。 【0008】電磁コイル40に、電流リード43及び44を介して電流が供給される。電流リ−ド43及び44は、シリンダ23に固定された軸受支持部材34とピストンロッド28に固定されたコイル支持部材41との間を接続するコイルばねを含んで構成される。コイルばねは、ピストンロッド28の軸方向に弾性変形する。電流リード43及び44を構成するコイルばねとして、ピストン24等の可動部分の往復運動が、運転周波数に共鳴するようなものが採用される。 【0009】ピストン24、スラスト軸受27、29、電流リード43、44等が配置された空間は、外側ケース30により密閉されている。 【0010】コールドヘッド50は、シリンダ51、ディスプレーサ(ピストン)52、コイルばね53、及び外枠57を含んで構成される。シリンダ51は、柱面状、例えば円柱面状の内周面を有する。シリンダ51の一端は閉塞され、他端は外枠57で塞がれている。シリンダ51の内部空洞内にディスプレーサ52が挿入されている。ディスプレーサ52の外周面とシリンダ51の内周面との間に、シール部材54が配置されている。 【0011】シリンダ51の一端とディスプレーサ52との間に、低温側オリフィス61を通して膨張空間55が画定され、ディスプレーサ52と外枠57との間に、室温(常温)側オリフィス62を通して圧縮空間56が画定される。ディスプレーサ52内には、膨張空間55と圧縮空間56とを連通させるガス流路58が設けられている。ガス流路58内には、銅金網、鉛球等の蓄冷材59が充填されている。 【0012】ディスプレーサ52は、圧縮空間56内に配置されたコイルばね53により、軸方向に関して弾性的に支持されている。圧縮空間56は、キャピラリチューブ45及びガス流路26を介してガス圧縮機20の圧縮室25に連通している。 【0013】このようなスターリング冷凍機の動作原理は、上記の出願明細書に詳しく述べられており、以下では簡単に説明する。 【0014】電磁コイル40に所定周波数の交流電流を流すと、電流リード43、44の弾性力に抗してピストン24が往復運動する。隔壁22の両側の2つのピストン24が、相互に反対向きに移動するように、交流電流の位相が制御される。2つのピストン24が近づく向きに移動する時、圧縮室25内が高圧になり、両者が遠ざかる向きに移動するとき、圧縮室25内が低圧になる。ピストン24が往復運動を繰り返すことにより、周期的にガス圧を変化させることができる。 【0015】コールドヘッド50への冷媒ガスの供給及び排気を繰り返すことにより、逆スターリングサイクルを実行させ、膨張空間55に寒冷を発生させることができる。 【0016】スラスト軸受27、29により、ピストン24がシリンダ23内に所定のクリアランスをもって支持される。このため、シリンダ23の内周面へのピストン24の片当たりによる磨耗を防止し、信頼性を高めることができる。また、ピストン24を板ばねで支持する場合に比べて、大きなストロークを確保することができる。また、スラスト軸受27、29は、板ばねのように疲労破壊を起こすこともない。ピストン24のストロークを大きくすることにより、スターリング冷凍機の性能の向上を図ることができる。 【0017】スラスト軸受27、29には真空用グリスを使用することが好ましい。真空用グリスを使用することにより、冷媒ガスの汚染を防止することができる。また、スラスト軸受27、29として、例えばNSK社製のリニアボールベアリングLB型等のリニアベアリングを用いることができる。また、リニアベアリングの代わりにすべり軸受を用いてもよい。上記例では、ディスプレーサ52の径方向の位置を、シール部材54で固定する場合を示しているが、ディスプレーサ52も、ガス圧縮機20のピストン24と同様に、スラスト軸受で支持してもよい。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでのこの種の冷凍機においては、シリンダ51はSUSにより、外枠57は銅によりそれぞれ作られている。そして、シリンダ51と外枠57との間の気密接続は、これらのフランジ部において蝋付けを行うことにより実現されている。しかし、このような蝋付け方法では、以下のような問題点が生ずる。 【0019】(1)蝋付け後、銅による外枠57が焼きなまし(応力解除)を受けて柔らかくなり、変形し易い。 【0020】(2)また、蝋付けの際にシリンダ51も変形してしまうことがある。 【0021】(3)蝋付けの場合、蝋材の介在体積を確保しなければならず、外枠57に対するシリンダ51の真円度、垂直度を確保しにくい。 【0022】一方、図5に示されたシリンダ51を更に真空容器内に収容するようにした冷凍機も知られている(例えば、特開平9−119728)。この冷凍機においては、図5の外枠57に対応する部分が第1の材料による筒状の保持部材と第2の材料によるフランジ部材とで構成されている。第1の材料は銅であり、第2の材料はステンレス鋼である。そして、保持部材とフランジ部材とは銀蝋付けにより気密保持がなされている。したがって、この冷凍機においても、蝋付けの際に保持部材が焼きなましを受けて柔らかくなり、変形し易いという問題点を有している。 【0023】そこで、本発明の課題は、製造に際しての熱応力に起因する変形を無くすことのできる冷凍機用コールドヘッドを提供することにある。 【0024】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、一端が閉塞されたシリンダと、前記シリンダの他端に取り付けられ、該シリンダと共に閉じた空間を画定するシリンダホルダと、前記シリンダ内に配置されたディスプレーサであって、前記シリンダの一端と該ディスプレーサとの間に膨張空間を画定すると共に、前記シリンダホルダと該ディスプレーサとの間に圧縮空間を画定し、該ディスプレーサ内には前記膨張空間と前記圧縮空間とを連通させるガス流路及び該ガス流路内を流れるガスと熱交換を行う蓄冷材が設けられたディスプレーサと、前記ディスプレーサを、該ディスプレーサの外周面が前記シリンダの内周面と微小間隙を隔てて対峙させ、かつ前記シリンダの軸方向に移動可能に支持する支持手段と、前記圧縮空間へ連通し、冷媒ガスの導入と排出を行う冷媒ガス供給路とを有し、前記シリンダホルダの材料を、前記シリンダに対してEBW、TIG溶接、レーザ溶接可能な材料で構成したことを特徴とする冷凍機用コールドヘッドが提供される。 【0025】なお、前記シリンダの材料はSUSであり、前記シリンダホルダの材料はNi合金、Fe−Ni−Co合金のいずれかであることが好ましい。 【0026】また、前記シリンダホルダに、前記シリンダを内包するように真空容器が取付けられる場合には、該真空容器の材料を、前記シリンダホルダに対してEBW、TIG溶接、レーザ溶接可能な材料で構成される。 【0027】この場合、前記シリンダホルダの材料はNi合金、Fe−Ni−Co合金のいずれかであり、前記真空容器の材料はNi合金、Fe−Ni−Co合金のいずれかであることが好ましい。 【0028】前記シリンダホルダを、前記ディスプレーサとは反対側の端部において切断した筒状部と、該切断部を塞ぐための蓋部材とで構成し、前記筒状部に前記シリンダが挿通されて該シリンダの端部と前記シリンダホルダにおける切断部とが面一になるようにされて、これらの端部において溶接が行われる。 【0029】また、前記シリンダホルダは、前記ディスプレーサ側の端部にフランジ部を有し、前記シリンダの端部はフレアー形状にされて前記フランジ部に当接されており、前記フレアー形状の端部において前記シリンダが前記フランジ部に溶接されても良い。 【0030】更に、前記シリンダホルダを、前記ディスプレーサとは反対側の端部において切断した筒状部と、該切断部を塞ぐための蓋部材とで構成し、前記筒状部における前記ディスプレーサ側の端部の内周面に内側に突出するフランジ部を設け、該フランジ部の内周に前記シリンダが挿通され、その端部において前記シリンダが前記筒状部に溶接されていても良い。 【0031】 【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1では、シリンダ11とシリンダホルダ12との接続構造のみを示しており、コールドヘッドとしての内部構造は図5に示されたものと同じである。本形態では、シリンダホルダ12におけるディスプレーサとは反対側の端部が切断されており、この切断端面においてシリンダ11の端部が溶接される。溶接方法は、EBW(電子ビーム溶接)、TIG(タングステン イナート ガス)溶接、レーザ溶接等が利用される。 【0032】特に、このような溶接を行う場合には、材料の相性を考慮する必要がある。そこで、本形態では、シリンダ11の材料としてNi合金(主にSUS)を、シリンダホルダ12の材料としてはNi合金、特にSUSや、Fe−Ni−Co合金を使用する点に特徴を有する。 【0033】このような材料を使用して溶接により気密接続を行うことにより、シリンダ11及びシリンダホルダ12の熱応力に起因する変形を防止することができる。 【0034】なお、シリンダホルダ12の端面には、シリンダ11の端部の周囲に溶接リップ12−1が設けられ、溶接時の熱歪みが周囲に広がらないようにしている。また、溶接が終了した後は、シリンダホルダ12の端部は蓋材(図示せず)でふさがれる。この蓋材には、図5で説明したコイルばね53の一端側を支持するための支持部が設けられる。更に、シリンダホルダ12にはフランジ部は不要であり、径方向の寸法を小さくすることができる。 【0035】図2を参照して、本発明の第2の実施の形態においては、シリンダ11の端部をフレアー形状にし、このフレアー形状部をシリンダホルダ12のフランジ部の端面に溶接するようにしている。シリンダ11及びシリンダホルダ12の材料及び溶接方法は第1の実施の形態と同じである。 【0036】図3を参照して、本発明の第3の実施の形態においては、シリンダホルダ12におけるディスプレーサ側の端部の内周面に内側に突出するフランジ部12−2を設ける。そして、このフランジ部12−2の内周にシリンダ11が挿通され、その端部において溶接が行われる。このために、図1と同様に、シリンダホルダ12におけるディスプレーサとは反対側の端部が切断されている。 【0037】図4を参照して、本発明の第4の実施の形態においては、シリンダホルダ12のフランジ部に真空容器13が溶接により接続される。このために、真空容器13は、シリンダホルダ12に対してEBW、TIG溶接、レーザ溶接可能な材料、例えばSUS、Ni合金、Fe−Ni−Co合金のいずれかで構成される。なお、シリンダ11とシリンダホルダ12との接続は、上記の第1〜第3の実施の形態と同様の方法で行われる。 【0038】真空容器13は、シリンダ11の周囲を真空に保持するためのものであり、これは前に述べた特開平9−119728において説明されている。シリンダホルダ13の先端にはGe(ゲルマニウム)窓13−1が設けられ、このGe窓13−1を通してシリンダ11の先端に取付けられた赤外線センサ14により赤外線の検出が行われる。赤外線センサ14で検出された信号は、リード線15により気密端子16に導かれ真空容器13外に導出される。なお、赤外線センサ14は、絶縁材17を介してシリンダ11の先端に取付けられている。13−2は溶接リップである。 【0039】なお、本発明は、図5において説明したスターリング冷凍機に限らず、他のガス圧縮機、例えばパルス管冷凍機(例えば、特許第2780934号に開示)にも適用可能である。 【0040】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、コールドヘッドにおけるシリンダとシリンダホルダ、更には真空容器とシリンダホルダの材料及び接続構造を溶接の可能なようにしたことにより、熱応力によるシリンダ及びシリンダホルダの変形を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002107 【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月25日(1998.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071272 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193334(P2000−193334A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−368693 |
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