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【発明の名称】 冷却装置の制御装置
【発明者】 【氏名】石井 裕

【氏名】川合 茂一

【氏名】前川 勝美

【氏名】今村 和哉

【氏名】石倉 勉

【要約】 【課題】被冷却空間の温度を検出する温度センサに異常が生じた場合にも、支障無く運転を継続できる冷却装置の制御装置を提供する。

【解決手段】庫内温度を検出する温度センサ27からのデータに基づき、所定の上限温度と下限温度においてコンプレッサ13をON/OFFサイクル制御する。コンプレッサ13のON/OFFサイクル時間に関するデータが複数サイクル分記憶され、更新されるメモリと、温度センサ27に異常が生じた場合、メモリに記憶された複数のON/OFFサイクルのデータの平均値を算出し、この平均値にてコンプレッサ13をON/OFFサイクル制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被冷却空間の温度を検出する温度センサからのデータに基づき、所定の上限温度と下限温度においてコンプレッサをON/OFFサイクル制御する冷却装置において、前記コンプレッサのON/OFFサイクル時間に関するデータが複数サイクル分記憶され、更新される記憶手段と、前記温度センサに異常が生じた場合、前記記憶手段に記憶された複数のON/OFFサイクルのデータの平均値を算出し、この平均値にて前記コンプレッサをON/OFFサイクル制御する制御手段とを備えたことを特徴とする冷却装置の制御装置。
【請求項2】 外気温を検出する外気温センサを備え、記憶手段は、外気温に対応したコンプレッサのON/OFFサイクル時間の比率を保有しており、温度センサの異常発生時、制御手段は前記外気温センサからのデータと前記記憶手段内の比率に基づいて、前記コンプレッサをON/OFFする時間を補正することを特徴とする請求項1の冷却装置の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば業務用・家庭用冷蔵庫、低温ショーケース、プレハブ冷蔵庫、空気調和機、自動販売機などの冷却装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より例えば業務用の冷蔵庫においては、コンプレッサ、凝縮器、冷却器などを内蔵し、或いは、コンプレッサ、凝縮器は別置きとし、これらによって周知の冷凍サイクルを構成すると共に、コンプレッサから吐出された冷媒を凝縮器にて凝縮し、減圧装置にて減圧した後、冷却器に供給して冷却効果を発揮させ、この冷却器にて冷却された冷気を庫内ファンにて庫内(貯蔵室などの被冷却空間)に循環して所定の低温度に冷却している。
【0003】このような種々の運転制御を行うために、冷蔵庫にはマイクロコンピュータにて構成されたコントローラが搭載される。更に、庫内温度を検出する温度センサが取り付けられると共に、コンプレッサや庫内ファンなどの取付部品の運転を制御するスイッチも搭載され、前記温度センサからのデータを取り込んでコントローラが各スイッチにより取付部品の運転を制御するものであった。
【0004】この場合、コントローラには設定温度と、その上下に例えばプラスマイナス1℃のディファレンシャルで設定された上限温度と下限温度が設定されており、温度センサが検出する庫内温度が上限温度に上昇したらコンプレッサをONし、下限温度まで降下したらコンプレッサをOFFする所謂ON/OFFサイクル制御が成される。
【0005】それによって、庫内温度を平均として設定温度に維持するものであるが、温度センサに断線や短絡などを代表とする異常が生じた場合、係る庫内温度に基づくコンプレッサの制御は出来なくなる。そこで、従来ではこのような場合、先ず異常発生の旨の警報を発すると共に、コンプレッサを連続ON(運転)することによって庫内の温度上昇を防いでいた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようにコンプレッサが連続して運転されると、庫内温度は図11に示す如く低下して行き、やがて設定温度よりも著しく低下してしまう。このような状況になると、例えば瓶入りの飲料が凍結して破裂するなどの不都合が生じると共に、コンプレッサの連続運転によって消費電力も増大してしまう問題があった。
【0007】本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、被冷却空間の温度を検出する温度センサに異常が生じた場合にも、支障無く運転を継続できる冷却装置の制御装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の制御装置は、被冷却空間の温度を検出する温度センサからのデータに基づき、所定の上限温度と下限温度においてコンプレッサをON/OFFサイクル制御する冷却装置に適用され、コンプレッサのON/OFFサイクル時間に関するデータが複数サイクル分記憶され、更新される記憶手段と、温度センサに異常が生じた場合、記憶手段に記憶された複数のON/OFFサイクルのデータの平均値を算出し、この平均値にてコンプレッサをON/OFFサイクル制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】本発明によれば、温度センサに異常が生じた場合、制御手段が記憶手段に記憶され、更新される複数のON/OFFサイクルのデータの平均値を算出し、この平均値にてコンプレッサをON/OFFサイクル制御するので、温度センサに異常が生じた場合にも、異常が発生する前と極めて近い状態でコンプレッサの運転を制御することができるようになる。これにより、温度センサの異常発生時にも被冷却空間の温度が異常となることを防止できると共に、コンプレッサの消費電力の増大も防げるものである。
【0010】請求項2の発明の冷却装置の制御装置は、上記において外気温を検出する外気温センサを備え、記憶手段は、外気温に対応したコンプレッサのON/OFFサイクル時間の比率を保有しており、温度センサの異常発生時、制御手段は外気温センサからのデータと記憶手段内の比率に基づいて、コンプレッサをON/OFFする時間を補正することを特徴とする。
【0011】請求項2の発明によれば、上記に加えて外気温を検出する外気温センサを設け、記憶手段には、外気温に対応したコンプレッサのON/OFFサイクル時間の比率が保有されると共に、温度センサの異常発生時、制御手段は外気温センサからのデータと記憶手段内の比率に基づいて、コンプレッサをON/OFFする時間を補正するようにしたので、温度センサの異常発生後、外気温が変化した場合には、当該外気温の変化に応じてコンプレッサがON/OFFされる時間が補正されるようになる。
【0012】これにより、温度センサの異常発生後に冷却装置の周囲環境が変化した場合にも、適切なコンプレッサの運転制御を実現できるようになるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する冷却装置の実施例としての業務用の冷蔵庫1の概略断面図、図2は冷蔵庫1の電気系の配線図を示している。図1において、冷蔵庫1は前面に開口する断熱箱体2により本体5を構成されており、この断熱箱体2内に貯蔵室(被冷却空間)3が構成されている。この貯蔵室3の前面開口は扉4により開閉自在に閉塞されている。また、貯蔵室3内には後述する冷凍サイクルを構成する冷却器6とモータにて駆動される庫内ファン7が設置されている。
【0014】また、断熱箱体2の開口縁には結露防止用の防露ヒータ8が配設されると共に、扉4の前面には制御手段としてのコントロールボックス9の操作パネル11が取り付けられている。また、貯蔵室3内には貯蔵室3内の温度、即ち、庫内温度を検出する庫内温度センサ27が取り付けられると共に、断熱箱体2の適所(例えばコントロールボックス9)には冷蔵庫1の周囲の温度、即ち、外気温を検出する外気温センサ29が取り付けられている。
【0015】一方、断熱箱体2の下側には機械室12が形成されており、この機械室12内には前記冷却器6と共に冷凍サイクルを構成するコンプレッサ13、凝縮器14、凝縮器用ファン16などが設置されている。前記コンプレッサ13が運転されると、コンプレッサ13から吐出された高温高圧の冷媒は凝縮器14にて放熱して凝縮し、図示しない減圧装置にて減圧された後、冷却器6に供給される。
【0016】冷却器6ではこの冷媒が蒸発することにより冷却作用を発揮し、その後低温のガス冷媒はコンプレッサ13に再び帰還する。庫内ファン7が運転されると、冷却器6で冷却された冷気は貯蔵室3内に循環され、これによって、貯蔵室3内は冷却される。
【0017】また、凝縮器用ファン16が運転されると、外気を凝縮器14、コンプレッサ13に通風するので、これらは空冷される。更に、防露ヒータ8に通電されると断熱箱体2の開口縁が加熱され、結露が防止されるものである。
【0018】次に、図2において21は冷蔵庫1の本体5内に配線されたAC電源線であり、22はデータの授受を行うための信号線である。AC電源線21と信号線22には前記コントロールボックス9が接続されると共に、コンプレッサ13の駆動基板23、前記各ファン7、16の電源基板24及び前記防露ヒータ8の電源基板26はAC電源線21に接続される。
【0019】また、信号線22には貯蔵室3内の温度を検出するチップ状の前記庫内温度センサ27と、チップ状の前記外気温センサ29と、前記駆動基板23、電源基板24、26にそれぞれ取り付けられたチップ状のスイッチング素子28・・がそれぞれコネクタを介して接続される。尚、電源基板24にはスイッチング素子28を一つ示しているが、実際には各ファン7、16に対してそれぞれ設けられる。
【0020】尚、実施例ではこれら駆動基板23、電源基板24、26がコンプレッサ13、各ファン7、16及び、防露ヒータ8と別体で構成されたものを示しているが、これら駆動基板23、電源基板24、26を、それぞれのスイッチング素子28と共に、コンプレッサ13、各ファン7、16及び防露ヒータ8にそれぞれ内蔵させた構成としても良い。
【0021】係る構成によれば、コンプレッサ13やファン7、16、或いは、防露ヒータ8に内蔵された各スイッチング素子28と信号線22のコネクタに接続するだけで配線が完了するかたちとなるため、組立・配線作業性が一段と向上する。
【0022】前記コントロールボックス9の構成を図3に示す。コントロールボックス9にはコントローラ(基板)36が設けられている。このコントローラ36は、CPU(マイクロコンピュータ)31、記憶手段としてのメモリ32、I/Oインターフェース33及び送受信手段としてのバスI/Oインターフェース34などから構成されている。
【0023】また、コントロールボックス9には液晶表示パネルから構成された表示器37と、入力手段(キーボード、マウスなど)としてのスイッチ38と、切換手段としての切換器39などが設けられており、前記表示器37とスイッチ38はI/Oインターフェース33に接続されて前記操作パネル11に配設されている。
【0024】また、前記バスI/Oインターフェース34は前記切換器39を介して信号線22に接続され、信号線22を介して前記庫内温度センサ27、外気温センサ29やスイッチング素子28・・・とデータの授受を行う。切換器39には通信線42を介して外部のラップトップパソコンP(外部制御装置)などが接続可能とされている。尚、このパソコンPには複数台のコントローラ36が接続可能である。切換器39は常にはバスI/Oインターフェース34と信号線22を接続しているが、パソコンPが接続された場合には、バスI/Oインターフェース34(即ちコントロールボックス9)を信号線22から切り離し、パソコンPを信号線22に接続する。
【0025】尚、コントローラ36のメモリ32には前記庫内温度センサ27、外気温センサ29やスイッチング素子28・・、パソコンPとデータ通信を行うための所定の通信プロトコルや後述する各センサ27、29やスイッチング素子28・・をサーチして識別するためのソフトウエア、表示器37への表示画像データなどが設定されている。
【0026】また、メモリ32には後述する如くコンプレッサ13のON/OFFサイクル時間に関するデータが複数サイクル分格納され、更新されると共に、メモリ32には更に、外気温によるON/OFFサイクル時間の比率が予め書き込まれ、保存されている。
【0027】一方、パソコンPにも前記各センサ27、29やスイッチング素子28・・、コントローラ36とデータ通信を行うための所定の通信プロトコルや後述する各センサ27、29やスイッチング素子28・・をサーチして識別するためのソフトウエア、表示画像データなどが設定されているものとする。
【0028】次ぎに、前記庫内温度センサ27、外気温センサ29の構成を図4に示す。尚、各センサ27、29は同一の構成であるので以下は庫内温度センサ27について述べる。庫内温度センサ27は、センサ側制御手段としてのCPU43と、記憶手段としてのメモリ44と、送受信手段としてのI/Oインターフェース46と、A/D変換器47と、このA/D変換器47に接続された検出素子としてのセンサ部48と、蓄電素子としてのコンデンサ49と、整流素子としてのダイオード51などから構成されている。
【0029】この場合、コンデンサ49はダイオード51の出力側に接続され、このダイオード51とコンデンサ49との接続点に各素子が接続されている。信号線22には例えば+5Vの電位(高電位)が印加されており、データはこの高電位から例えば0Vの低電位に下がるパルスにて構成される。
【0030】そして、庫内温度センサ27が信号線22に接続されると、データを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま各素子に給電が成され、コンデンサ49にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ49から放電され、各素子の電源が賄われる構成とされている。
【0031】尚、庫内温度センサ27にはVcc(DC+5V)電源端子45も設けられ、ダイオード51とコンデンサ49との接続点に接続されており、庫内温度センサ27は、このVcc電源端子45をDC電源に接続すれば、各素子はDC電源からの給電によっても動作することができるように構成されている。即ち、その場合にはコンデンサ49に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などの庫内温度センサ27を迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0032】また、CPU43はセンサ部48が検出する温度データをA/D変換器47を介して取り込み、一旦メモり44に書き込む。そして、I/Oインターフェース46により、信号線22を介してコントローラ36からポーリングされると、メモリ44に書き込まれた温度データをI/Oインターフェース46により信号線22を介してコントローラ36に送信する。
【0033】ここで、メモリ44には庫内温度センサ27自体のIDコードやセンサである旨の識別データ、低温・高温警報温度などの設定値データ及びコントローラ36との間のデータ通信を行うためのプロトコルなどが記憶されている。また、庫内温度センサ27において異常が生じている場合には当該故障データもメモリ44に書き込まれ、コントローラ36に送信される。
【0034】一方、前記スイッチング素子28の構成を図5に示す。スイッチング素子28は、スイッチング素子側制御手段としてのCPU58と、記憶手段としてのメモリ59と、送受信手段としてのI/Oインターフェース61と、ドライバとしてのI/Oインターフェース62と、このI/Oインターフェース62に接続されたスイッチング手段としてのトランジスタ63と、蓄電素子としてのコンデンサ64と、整流素子としてのダイオード66などから構成されている。
【0035】この場合、コンデンサ64はダイオード66の出力側に接続され、このダイオード66とコンデンサ64との接続点に各素子が接続されている。スイッチング素子28が信号線22に接続されると、前述の如くデータを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま各素子に給電が成され、コンデンサ64にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ64から放電され、各素子の電源が賄われる構成とされている。
【0036】尚、スイッチング素子28にも図5に破線で示す如く、ダイオード66とコンデンサ64との接続点に接続されたVcc(DC+5V)電源端子55を設け、このVcc電源端子55をDC電源に接続すれば、スイッチング素子28の各素子はDC電源からの給電によっても動作することができるようになる。即ち、その場合にはコンデンサ64に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などのスイッチング素子28を迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0037】また、CPU58はI/Oインターフェース61により、信号線22を介してコントローラ36からON/OFFデータが送信されると、このON/OFFデータに基づき、I/Oインターフェース62によりトランジスタ63をON/OFFする。
【0038】ここで、メモリ59にはスイッチング素子28自体のIDコードやスイッチング素子である旨の識別データ及びコントローラ36との間のデータ通信を行うためのプロトコルなどが記憶されている。また、スイッチング素子28において故障が生じている場合には当該データもメモリ59に書き込まれ、コントローラ36に送信される。
【0039】係るスイッチング素子28は各駆動基板23、電源基板24、26上において図6の如く配線されてスイッチングユニット68を構成する。即ち、69はフォトダイオード69Aとフォトトライアック69Bから成るフォトカプラであり、71は抵抗、72は整流素子としてのダイオード、74は蓄電素子としてのコンデンサである。
【0040】この場合、コンデンサ74はダイオード72の出力側に接続され、このダイオード72とコンデンサ74との接続点とスイッチング素子28のトランジスタ63のコレクタ端子(図5にS2で示す)間に抵抗71とフォトダイオード69Aが直列に接続される。また、スイッチング素子28の端子S1(図5)はダイオード72の手前に接続される。そして、フォトトライアック69BはAC電源線21とコンプレッサ13、ファン7、16、防露ヒータ8間にそれぞれ介設される。
【0041】ダイオード72が信号線22に接続されると、データを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま抵抗71を介してフォトダイオード69Aに給電が成され、コンデンサ74にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ74から放電されて、フォトダイオード69Aの電源を賄う構成とされている。
【0042】尚、同様にダイオード72とコンデンサ74の接続点にVcc電源端子60を接続し、このVcc電源端子60を電源線に接続すれば、フォトダイオード69Aは電源線からの給電によっても動作することができるようになる。即ち、その場合にはコンデンサ74に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などに迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0043】以上の構成で、動作を説明する。先ず、最初にパソコンPは切換器39に接続されていないものとし、冷蔵庫1の生産時の動作を説明する。各センサ27、29やスイッチング素子28・・が信号線22に接続されたものとすると、コントローラ36(のCPU31)は先ず信号線22への各素子(センサ27、29、スイッチング素子28・・)の接続状況をサーチする。
【0044】この場合、コントローラ36は全てのセンサ27、29、スイッチング素子28・・にID要求を行い、これに応えて全てのセンサ27、29、スイッチング素子28・・は自らのIDコードなどをコントローラ36に返答する。コントローラ36は返答されたIDコードなどに基づき、信号線22に庫内温度センサ27、外気温センサ29が接続され、コンプレッサ13用のスイッチング素子28、庫内ファン7用のスイッチング素子28、防露ヒータ8用のスイッチング素子28(実際には凝縮器用ファンもある)の各スイッチング素子が接続されていることを認識する。
【0045】コントローラ36は認識された温度センサ27、29とスイッチング素子28・・の接続状況はメモリ32に保有すると共に、以後はこのIDコードを用いて各素子に対してデータを送信することになる。
【0046】次ぎに、冷蔵庫1の据え付け後の実際の制御動作を説明する。コントローラ36のCPU31は各センサ27、29に所定の周期でポーリングを行う。このポーリングは前述のIDコードに基づいて行われる。センサ27、29のCPU43はこのポーリングに応えて前述の如く温度データをコントローラ36に送信する。
【0047】コントローラ36のCPU31は受け取った温度データ(庫内温度と外気温)を一旦メモり32に書き込み、このうちの庫内温度センサ27からの庫内温度データと予め設定されている貯蔵室3の設定温度とを比較してON/OFFデータを、駆動基板23のスイッチング素子28のIDコードと共に信号線22に送信する。
【0048】駆動基板23のスイッチング素子28のCPU58は自らのIDコードのON/OFFデータを受信すると、それに基づいてトランジスタ63をON/OFFする。このトランジスタ63のON/OFFにより、フォトダイオード69AがON(発光)/OFF(消灯)し、それによって、フォトトライアック69BがON/OFFされ、これによって、コンプレッサ13がON(起動)/OFF(停止)される。
【0049】このとき、コントローラ36は上記設定温度+1℃の上限温度に庫内温度が上昇した場合にスイッチング素子28によってコンプレッサ13をON(起動)し、設定温度−1℃の下限温度に庫内温度が降下した場合に、スイッチング素子28によってコンプレッサ13をOFF(停止)させる。係るON/OFFサイクル制御によって、庫内温度を平均として設定温度に維持する。
【0050】尚、各ファン7、16及び防露ヒータ8は連続通電であるので、その旨のON/OFFデータが、各電源基板24、26のスイッチング素子28のIDコードに基づいて送信される。そして、各スイッチング素子28は当該ON/OFFデータに基づいて各ファン7、16若しくは防露ヒータ8を運転若しくは通電するものである。
【0051】ここで、コントローラ36(CPU31)のは係る冷却運転中、コンプレッサ13がONしている時間(図9のT11)とOFFしている時間(図9のT12)とを計測し、二つのデータを1レコードとして、nサイクル(ONからOFFになり、OFFからONになって1サイクル)分をメモリ32に格納する。
【0052】図7は係るコンプレッサのON/OFFサイクル時間のデータを示しており、T11〜Tn1がn個分のコンプレッサのON時間を表し、T12〜Tn2がn個分のコンプレッサのOFF時間を表している。即ち、ここにはnレコードのデータが格納される。
【0053】そして、nサイクルが終了すると、最も古いデータ(ここではT11とT12)を廃棄して次のサイクルのデータを格納することにより、順次コンプレッサ13のON/OFFサイクル時間のデータを更新して行く。
【0054】更に、前述の如くメモリ32には外気温によるON/OFFサイクル時間の比率が予め書き込まれている。図8は係る比率を示している。この場合、例えば外気温30℃の場合のコンプレッサ13のON時間をZ1=1として基準とし、それに対するOFF時間の比率X1と他の外気温のON時間の比率Z2とOFF時間の比率X2が−10℃の外気温まで設定されている。
【0055】即ち、図10に示す如く外気温が高い方が庫内温度は下がり難くなり(コンプレッサ13ON)、上がり易くなる(コンプレッサ13OFF)。従って、例えば20℃のON時間の比率Z2は30℃の比率Z1=1よりも小さくなる。一方、OFF時間は30℃の場合より20℃の方が長くなるようX1、X2の比率は設定される。
【0056】そして、庫内温度センサ27に異常が発生し、庫内温度センサ27から送られてくるデータ中に故障データが含まれ、或いは、データそのものが送られて来なくなったような場合、コントローラ36(のCPU31)は先ず表示器37に異常発生の旨の表示を行う。そして、メモリ32内に格納されているnサイクル分のON/OFFサイクル時間のデータを用いて、それらの平均値のON時間T1とOFF時間T2を算出する。
【0057】次に、コントローラ36は現在コンプレッサ13がONしているかOFFしているか確認し、その時点までの経過時間(ON時間若しくはOFF時間)を取り込む。そして、上記平均値(ON時間T1若しくはOFF時間T2)から経過時間をマイナスし、残余の時間はその状態(ON若しくはOFF)を維持する。
【0058】そして、上記残余時間が経過したら、前述の平均値と比率を用いてコンプレッサ13のON時間TonとOFF時間Toffを算出し、コンプレッサ13の自動サイクル制御を実行する。
【0059】即ち、コントローラ36は外気温センサ29から取り込んだ外気温の温度データに基づき、異常発生時点が夜でそのときの外気温が例えば20℃であった場合、平均値のON時間T1をON時間Tonとすると共に、T1×X2によりOFF時間Toffを算出してコンプレッサ13をON/OFFする。
【0060】コントローラ36は一定周期で外気温センサ29からのデータを参照し、異常発生時点(20℃)から時間が経過して昼となり、外気温が例えば30℃に上昇したものとすると、(Z1/Z2)×T1でON時間Tonを補正すると共に、このTon×X1でOFF時間Toffを補正算出してコンプレッサ13をON/OFFするものである。
【0061】これによって、庫内温度センサ27に異常が生じた場合にも、異常が発生する前と極めて近い状態でコンプレッサ13の運転を制御することができるようになると共に、庫内温度センサ27の異常発生後、外気温が変化した場合にも、当該外気温の変化に応じてコンプレッサ13がON/OFFされる時間を補正することができるようになる。
【0062】尚、実施例では業務用冷蔵庫にて本発明を説明したが、それに限らず、家庭用冷蔵庫や低温ショーケース、プレハブ冷蔵庫、自動販売機などの各種冷却装置に本発明は有効である。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、温度センサに異常が生じた場合、制御手段が記憶手段に記憶され、更新される複数のON/OFFサイクルのデータの平均値を算出し、この平均値にてコンプレッサをON/OFFサイクル制御するので、温度センサに異常が生じた場合にも、異常が発生する前と極めて近い状態でコンプレッサの運転を制御することができるようになる。これにより、温度センサの異常発生時にも被冷却空間の温度が異常となることを防止できると共に、コンプレッサの消費電力の増大も防げるものである。
【0064】請求項2の発明によれば、上記に加えて外気温を検出する外気温センサを設け、記憶手段には、外気温に対応したコンプレッサのON/OFFサイクル時間の比率が保有されると共に、温度センサの異常発生時、制御手段は外気温センサからのデータと記憶手段内の比率に基づいて、コンプレッサをON/OFFする時間を補正するようにしたので、温度センサの異常発生後、外気温が変化した場合には、当該外気温の変化に応じてコンプレッサがON/OFFされる時間が補正されるようになる。
【0065】これにより、温度センサの異常発生後に冷却装置の周囲環境が変化した場合にも、適切なコンプレッサの運転制御を実現できるようになるものである。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成10年12月2日(1998.12.2)
【代理人】 【識別番号】100098361
【弁理士】
【氏名又は名称】雨笠 敬
【公開番号】 特開2000−171131(P2000−171131A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−342988