トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】岡 昌弘

【要約】 【課題】複数の室外ユニット(11),(12),(13)と複数の室内ユニット(16)とが接続されて成る冷凍装置において、ローテーション制御の精度を向上させることにより、装置全体の寿命を延ばす。

【解決手段】室外ユニット(11),(12),(13)は、容量調節自在であって2次側冷媒回路(15)の循環駆動力を発生させる容量可変式駆動圧縮機としてのインバータ圧縮機(20A),(20B)と、容量が一定であって2次側冷媒の循環駆動力を発生させる容量固定式駆動圧縮機(21A),(21B),(20C),(21C)と、容量が一定であって2次側冷媒の循環駆動力は発生させない容量固定式非駆動圧縮機(22A),(22B),(22C)とを備えている。各圧縮機の種類に応じて圧縮機を基準としてローテーション制御を実行するコントローラ(14)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数台の室外ユニット(11,12,13)と複数台の室内ユニット(16)とが接続されて成る冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記各室外ユニット(11,12,13)は1又は2以上の圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)を備え、かつ上記複数台の室外ユニット(11,12,13)のうちの少なくとも1台は2以上の圧縮機を備え、上記複数台の室外ユニット(11,12,13)に設けられた圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)の各々を基準として、各圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)の積算運転時間を均一化させるローテーション制御を行う制御手段(14)を備えている冷凍装置。
【請求項2】 複数台の室外ユニット(11,12,13)と複数台の室内ユニット(16)とが接続されて成る冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記各室外ユニット(11,12,13)は1又は2以上の圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)を備え、かつ上記複数台の室外ユニット(11,12,13)のうちの少なくとも1台は2以上の圧縮機を備え、上記複数台の室外ユニット(11,12,13)に設けられた圧縮機は、容量制御自在な容量可変式圧縮機(20A,20B)と、容量一定の複数の容量固定式圧縮機(21A,22A,21B,22B,20C,21C,22C)とを含み、複数の容量固定式圧縮機(21A,22A,21B,22B,20C,21C,22C)の各々の積算運転時間を均一化させるローテーション制御を行う制御手段(14)を備えている冷凍装置。
【請求項3】 請求項1又は2のいずれか一つに記載の冷凍装置であって、冷媒回路(10)は、1次側冷媒回路(30,31,32)と2次側冷媒回路(15)とが主熱交換器(44,55,65)を介して接続されて成り、該主熱交換器(44,55,65)を介して該1次側冷媒回路(30,31,32)の熱を該2次側冷媒回路(15)に供給する一方、該1次側冷媒回路(30,31,32)を循環する1次側冷媒の蒸発熱及び凝縮熱を駆動源として該2次側冷媒回路(15)で2次側冷媒を循環させる熱駆動式の冷媒回路に構成され、室外ユニット(11,12,13)には、少なくとも上記1次側冷媒回路(30,31,32)が設けられる一方、複数の圧縮機は、上記1次側冷媒回路(30)に設けられ、容量調節自在に構成され且つ1次側冷媒から2次側冷媒に熱を搬送すると共に2次側冷媒を循環させる駆動源となる容量可変式駆動圧縮機(20A,20B)と、上記1次側冷媒回路(31)に設けられ、容量が一定に構成され且つ1次側冷媒から2次側冷媒に熱を搬送すると共に2次側冷媒を循環させる駆動源となる容量固定式駆動圧縮機(21A,21B,20C,21C)と、上記1次側冷媒回路(32)に設けられ、容量が一定に構成され且つ1次側冷媒から2次側冷媒への熱搬送のみを行う容量固定式非駆動圧縮機(22A,22B,22C)と、を含んでいる冷凍装置。
【請求項4】 請求項3に記載の冷凍装置であって、冷媒回路(10)は、2次側冷媒を貯留する第1及び第2の貯留手段(101,102)と、1次側冷媒と2次側冷媒とを熱交換させて該2次側冷媒を加熱し、2次側冷媒回路に高圧圧力を発生させる加圧熱交換器(47,55a)と、1次側冷媒と2次側冷媒とを熱交換させて該2次側冷媒を冷却し、2次側冷媒回路に低圧圧力を発生させる減圧熱交換器(52)と、上記第1又は第2のいずれか一方の貯留手段(101,102)と上記加圧熱交換器(47,55a)とを連通させると共に他方の貯留手段(102,101)と上記減圧熱交換器(52)とを連通させる第1状態と、該一方の貯留手段(101,102)と該減圧熱交換器(52)とを連通させると共に該他方の貯留手段(102,101)と該加圧熱交換器(47,55a)とを連通させる第2状態とを交互に切り換える連通切換手段(111,112,121,122)とを備えている冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置に係り、特に、圧縮機のローテーション制御を行う冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平10−288428号公報に開示されているように、1又は2以上の圧縮機を備えた複数の室外ユニットと複数の室内ユニットとが接続されて成る冷凍装置が知られている。そして、この種の冷凍装置のうち、室外ユニット間でローテーション制御を行うものがある。
【0003】この種の冷凍装置では、複数の室外ユニットのうち、積算運転時間が短いユニットから優先的に運転を行うことにより、室外ユニット間の積算運転時間の平準化を図り、装置全体の寿命を延ばすこととしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の冷凍装置では、ローテーション制御は専ら室外ユニットを基準として行われていた。すなわち、1台の室外ユニットに2以上の圧縮機が設けられた場合、これら圧縮機の各々の積算運転時間に相違があったとしても、ローテーション制御に関して当該2以上の圧縮機のON/OFF動作は同時に行われていた。
【0005】そのため、同一の室外ユニットに設けられた2以上の圧縮機間においては、積算運転時間を平準化することが困難であった。その結果、一部の圧縮機は寿命に至っていないにもかかわらず、ユニット全体としては寿命が尽きるといった不経済な場合が生じることがあった。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ローテーション制御の精度を向上させることにより、装置全体の寿命を長期化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、ローテーション制御を、室外ユニットに設けられた圧縮機を基準として行うこととした。
【0008】具体的には、本発明に係る冷凍装置は、複数台の室外ユニット(11,12,13)と複数台の室内ユニット(16)とが接続されて成る冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記各室外ユニット(11,12,13)は1又は2以上の圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)を備え、かつ上記複数台の室外ユニット(11,12,13)のうちの少なくとも1台は2以上の圧縮機を備え、上記複数台の室外ユニット(11,12,13)に設けられた圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)の各々を基準として、各圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)の積算運転時間を均一化させるローテーション制御を行う制御手段(14)を備えていることとしたものである。
【0009】上記事項により、制御手段(14)によって圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)の各々を基準としてローテーション制御が行われ、各圧縮機の積算運転時間が平準化される。従って、例えば、同一の室外ユニットに設けられた複数の圧縮機間で積算運転時間が異なる場合であっても、同一ユニット内において圧縮機のローテーション制御が実行されることになり、積算運転時間の差は緩和されることになる。従って、高精度なローテーション制御が可能となり、装置全体の寿命が延びることになる。
【0010】また、本発明に係る冷凍装置は、複数台の室外ユニット(11,12,13)と複数台の室内ユニット(16)とが接続されて成る冷媒回路(10)を備えた冷凍装置であって、上記各室外ユニット(11,12,13)は1又は2以上の圧縮機(20a〜20c,21a〜21c,22a〜22c)を備え、かつ上記複数台の室外ユニット(11,12,13)のうちの少なくとも1台は2以上の圧縮機を備え、上記複数台の室外ユニット(11,12,13)に設けられた圧縮機は、容量制御自在な容量可変式圧縮機(20A,20B)と、容量一定の複数の容量固定式圧縮機(21A,22A,21B,22B,20C,21C,22C)とを含み、複数の容量固定式圧縮機(21A,22A,21B,22B,20C,21C,22C)の各々の積算運転時間を均一化させるローテーション制御を行う制御手段(14)を備えていることとしたものである。
【0011】上記事項により、積算運転時間の相違が顕著になりやすい容量固定式圧縮機間において積算運転時間の平準化が行われ、装置全体の高寿命化が効率的に達成されることになる。
【0012】上記冷媒回路(10)は、1次側冷媒回路(30,31,32)と2次側冷媒回路(15)とが主熱交換器(44,55,65)を介して接続されて成り、該主熱交換器(44,55,65)を介して該1次側冷媒回路(30,31,32)の熱を該2次側冷媒回路(15)に供給する一方、該1次側冷媒回路(30,31,32)を循環する1次側冷媒の蒸発熱及び凝縮熱を駆動源として該2次側冷媒回路(15)で2次側冷媒を循環させる熱駆動式の冷媒回路に構成され、室外ユニット(11,12,13)には、少なくとも上記1次側冷媒回路(30,31,32)が設けられる一方、複数の圧縮機は、上記1次側冷媒回路(30)に設けられ、容量調節自在に構成され且つ1次側冷媒から2次側冷媒に熱を搬送すると共に2次側冷媒を循環させる駆動源となる容量可変式駆動圧縮機(20A,20B)と、上記1次側冷媒回路(31)に設けられ、容量が一定に構成され且つ1次側冷媒から2次側冷媒に熱を搬送すると共に2次側冷媒を循環させる駆動源となる容量固定式駆動圧縮機(21A,21B,20C,21C)と、上記1次側冷媒回路(32)に設けられ、容量が一定に構成され且つ1次側冷媒から2次側冷媒への熱搬送のみを行う容量固定式非駆動圧縮機(22A,22B,22C)とを含んでいてもよい。
【0013】上記事項により、種類の異なる圧縮機に対し、圧縮機を基準としたローテーション制御が実行されることになる。
【0014】上記冷媒回路(10)は、2次側冷媒を貯留する第1及び第2の貯留手段(101,102)と、1次側冷媒と2次側冷媒とを熱交換させて該2次側冷媒を加熱し、2次側冷媒回路に高圧圧力を発生させる加圧熱交換器(47,55a)と、1次側冷媒と2次側冷媒とを熱交換させて該2次側冷媒を冷却し、2次側冷媒回路に低圧圧力を発生させる減圧熱交換器(52)と、上記第1又は第2のいずれか一方の貯留手段(101,102)と上記加圧熱交換器(47,55a)とを連通させると共に他方の貯留手段(102,101)と上記減圧熱交換器(52)とを連通させる第1状態と、該一方の貯留手段(101,102)と該減圧熱交換器(52)とを連通させると共に該他方の貯留手段(102,101)と該加圧熱交換器(47,55a)とを連通させる第2状態とを交互に切り換える連通切換手段(111,112,121,122)とを備えていてもよい。
【0015】上記事項により、圧縮機を基準としたローテーション制御が、熱駆動式のシステムにおいて実現されることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】−全体構成−図1に示すように、本実施形態の冷凍装置は、複数台の室外ユニット(11),(12),(13)と複数台の室内ユニット(16),(16),…とが接続されて構成されている。本冷凍装置は、いわゆる熱駆動式の冷媒回路(10)を備えている。
【0018】冷媒回路(10)は、各室外ユニット(11),(12),(13)に設けられた1次側冷媒回路(図1では図示せず)と2次側冷媒回路(15)とが、主熱交換器(44),(55),(65)(図1では図示せず)を介して接続されて構成されている。
【0019】詳細は後述するが、第1室外ユニット(11)は、容量調節自在であって2次側冷媒を循環させる駆動源となる容量可変式駆動圧縮機(20A)と、容量が一定であって2次側冷媒を循環させる駆動源となる容量固定式駆動圧縮機(21A)と、容量が一定であって2次側冷媒を循環させる駆動源にならない容量固定式非駆動圧縮機(22A)とを備えている。第2室外ユニット(12)は、同様に、容量可変式駆動圧縮機(20B)と容量固定式駆動圧縮機(21B)と容量固定式非駆動圧縮機(22B)とを備えている。第3室外ユニット(13)は、容量固定式駆動圧縮機(20C),(21C)と容量固定式非駆動圧縮機(22C)とを備えている。
【0020】−第1室外ユニット(11)の構成−図2に示すように、第1室外ユニット(11)は、容量可変式駆動圧縮機としてのインバータ圧縮機(20A)を備え、2次側冷媒回路(15)の2次側冷媒を循環させる駆動源となる容量可変式駆動ユニットである。
【0021】詳しくは、第1室外ユニット(11)には、インバータ圧縮機(20A)が設けられた主回路(30)と、容量固定式駆動圧縮機から成る第1圧縮機(21A)が設けられた第1回路(31)と、容量固定式非駆動圧縮機から成る第2圧縮機(22A)が設けられた第2回路(32)と、2次側冷媒回路(15)の一部を構成する駆動回路(33)とが収容されている。主回路(30)、第1回路(31)及び第2回路(32)はそれぞれ、1次側冷媒が循環する1次側冷媒回路を構成している。
【0022】主回路(30)は、インバータ圧縮機(20A)、四路切換弁(41)、第1室外熱交換器(42)、膨張弁(43)、第1主熱交換器(44)及び上記四路切換弁(41)が順に接続されて成る回路(45)と、当該回路(45)に接続された加熱回路(46)及び冷却回路(50)を備えている。加熱回路(46)の一端はインバータ圧縮機(20A)の吐出側配管に接続され、その他端は第1室外熱交換器(42)と膨張弁(43)との間に接続されている。この加熱回路(46)には、上記一端から他端に向かって順に、第1加圧熱交換器(47)と、電磁弁(48)と、上記他端から一端に向かう方向の冷媒流れのみを許容する逆止弁(49)とが設けられている。冷却回路(50)の一端は、加熱回路(46)における電磁弁(48)と逆止弁(49)との間に接続され、その他端はインバータ圧縮機(20A)の吸入側配管に接続されている。冷却回路(50)には、上記一端から他端に向かって順に膨張弁(51)及び減圧熱交換器(52)が設けられている。
【0023】第1回路(31)は、第1圧縮機(21A)、四路切換弁(53)、第2室外熱交換器(54)、第2加圧熱交換器(55a)、膨張弁(54a)、第2主熱交換器(55)、及び上記四路切換弁(53)が接続されて成る回路(56)に対し、冷却回路(57)及び補助回路(58)が接続されて構成されている。冷却回路(57)の一端は回路(56)における第2加圧熱交換器(55a)と膨張弁(54a)との間に接続され、その他端は第1圧縮機(21A)の吸入側配管に接続されている。この冷却回路(57)にはキャピラリーチューブ(59)が設けられ、このキャピラリーチューブ(59)の下流側に減圧熱交換器(52)が介設されている。補助回路(58)の一端は冷却回路(57)のキャピラリーチューブ(59)の上流側に接続され、その他端は第1圧縮機(21A)の吸入側配管に接続されている。この補助回路(58)には、上記一端から他端に向かって順に膨張弁(60)及び冷却熱交換器(61)が設けられている。
【0024】第2回路(32)は、第2圧縮機(22A)、四路切換弁(62)、第3室外熱交換器(63)、膨張弁(64)、第3主熱交換器(65)、及び上記四路切換弁(62)が順に接続されて構成されている。
【0025】駆動回路(100)は、第1及び第2貯留手段に対応する第1タンク(101)及び第2タンク(102)と補助タンク(103)とを備えている。
【0026】第1タンク(101)の上端と各加圧熱交換器(47),(55a)の上端とは、第1加圧電磁弁(111)が設けられた配管によって接続されている。第2タンク(102)の上端と各加圧熱交換器(47),(55a)の上端とは、第2加圧電磁弁(112)が設けられた配管によって接続されている。補助タンク(103)の上端と各加圧熱交換器(47),(55a)の上端とは、補助加圧電磁弁(113)が設けられた配管によって接続されている。
【0027】第1タンク(101)の上端と減圧熱交換器(52)の上端とは、第1減圧電磁弁(121)が設けられた配管によって接続されている。第2タンク(102)の上端と減圧熱交換器(52)の上端とは、第2減圧電磁弁(122)が設けられた配管によって接続されている。補助タンク(103)の上端と減圧熱交換器(52)の上端とは、補助減圧電磁弁(123)が設けられた配管によって接続されている。
【0028】第1タンク(101)の下方には、第1タンク(101)内の液冷媒を室内ユニット(16)側に供給する方向の冷媒流れのみを許容する第1流出逆止弁(114)と、室内ユニット(16)側からの冷媒を第1タンク(101)に回収する方向の冷媒流れのみを許容する第1流入逆止弁(115)と、減圧熱交換器(52)からの冷媒を第1タンク(101)に回収する方向の冷媒流れのみを許容する第1回収逆止弁(116)とが設けられている。
【0029】同様に、第2タンク(102)の下方には、第2タンク(102)内の液冷媒を室内ユニット(16)側に供給する方向の冷媒流れのみを許容する第2流出逆止弁(117)と、室内ユニット(16)側からの冷媒を第2タンク(102)に回収する方向の冷媒流れのみを許容する第2流入逆止弁(118)と、減圧熱交換器(52)からの冷媒を第2タンク(102)に回収する方向の冷媒流れのみを許容する第2回収逆止弁(119)とが設けられている。
【0030】補助タンク(103)の下方には、補助タンク(103)内の液冷媒を各加圧熱交換器(47),(55a)に供給する方向の冷媒流れのみを許容する液供給逆止弁(124)と、補助タンク(103)に液冷媒を補給する方向の冷媒流れのみを許容する液補給逆止弁(125)とが設けられている。なお、補助タンク(103)は、補助タンク(103)内の液冷媒が重力の作用(自然落下)によって各加圧熱交換器(47),(55a)に自然に流れていくように、両加圧熱交換器(47),(55a)よりも高い位置に設置されている。
【0031】第1加圧電磁弁(111)、第2加圧電磁弁(112)、第1減圧電磁弁(121)及び第2減圧電磁弁(122)は、第1タンク(101)又は第2タンク(102)のいずれか一方のタンクを加圧熱交換器(47),(55a)に連通させると共に、他方のタンクを減圧熱交換器(52)に連通させて冷媒の循環駆動力を発生させる連通切換手段を構成している。
【0032】室内ユニット(16)側から第1タンク(101)又は第2タンク(102)に冷媒を回収する配管には、冷却熱交換器(61)が設けられている。この冷却熱交換器(61)は、1次側の冷媒回路(30),(31)における冷媒の熱バランスを調節することを主目的に設けられている。また、冷却熱交換器(61)は、第1タンク(101)又は第2タンク(102)に流入する冷媒中に気泡が含まれないように、流入冷媒を予め冷却する役割を果たすものでもある。
【0033】第1タンク(101)及び第2タンク(102)の上端には、互いのタンク(101),(102)を連通する連通管(126)が接続されている。連通管(126)の中間部よりも第1タンク(101)側には、第1排出弁(127)が設けられている。連通管(126)の中間部よりも第2タンク(102)側には、第2排出弁(128)が設けられている。連通管(126)の中間部には、一端が四路切換弁(129)と冷却熱交換器(61)との間に接続された冷媒排出管(130a)が接続されている。
【0034】第1タンク(101)及び第2タンク(102)の下方に設けられた配管は互いに合流して四路切換弁(129)の第1ポートに接続されている。四路切換弁(129)の第2ポートは、配管(130)を介して各主熱交換器(44),(55),(65)に接続されている。四路切換弁(129)の第3ポートは、配管(131)を介して冷却熱交換器(61)の下端に接続されている。四路切換弁(129)の第4ポートは、室内ユニット(16)側に延びる配管(132)に接続されている。
【0035】−第2室外ユニット(12)及び第3室外ユニット(13)の構成−第2室外ユニット(12)の構成は、第1室外ユニット(11)と同様である。
【0036】第3室外ユニット(13)は、第1室外ユニット(11)において、インバータ圧縮機(20A)を容量固定式駆動圧縮機(20C)に置き換えた構成を有している。つまり、第3室外ユニット(13)は、圧縮機がすべて容量固定式の圧縮機で構成されている室外ユニットである。
【0037】−室外ユニット(11)の冷媒循環動作−各室外ユニット(11),(12),(13)の冷媒循環動作は基本的に同様であるので、ここでは第1室外ユニット(11)における冷媒循環動作のみを説明する。
【0038】<冷房運転>冷房運転では、主回路(30)の四路切換弁(41)、第1回路(31)の四路切換弁(53)、及び第2回路(32)の四路切換弁(62)は、それぞれ図2の実線側に設定される。また、駆動回路(100)の液供給逆止弁(124)も図2の実線側に設定される。
【0039】主回路(30)の運転時には、インバータ圧縮機(20A)から吐出された1次側冷媒は、第1室外熱交換器(42)で凝縮し、膨張弁(43)で減圧し、第1主熱交換器(44)で蒸発して2次側冷媒を冷却し、インバータ圧縮機(20A)に戻る循環動作を行うと共に、第1室外熱交換器(42)からの冷媒の一部は第1加圧熱交換器(47)で凝縮し、1次側冷媒を加熱して駆動回路(100)に高圧圧力を生成する。また、第1室外熱交換器(42)からの冷媒の一部は膨張弁(51)で減圧し、減圧熱交換器(52)で蒸発して1次側冷媒を冷却し、駆動回路(100)に低圧圧力を生成する。
【0040】第1回路(31)の運転時には、第1圧縮機(21A)から吐出された1次側冷媒は、第2室外熱交換器(54)及び第2加圧熱交換器(55a)で凝縮し、第2加圧熱交換器(55a)において2次側冷媒を加熱する。これにより、駆動回路(100)において高圧圧力が生成される。第2加圧熱交換器(55a)を流出した1次側冷媒の一部は、膨張弁(54a)で減圧し、第2主熱交換器(55)で蒸発し、第1圧縮機(21A)に吸入される。また、第2加圧熱交換器(55a)から流出した冷媒の一部は、膨張弁(60)で減圧し、冷却熱交換器(61)で蒸発し、第1圧縮機(21A)に吸入される。
【0041】第2回路(32)の運転時には、第2圧縮機(22A)から吐出された1次側冷媒は、第3室外熱交換器(63)で凝縮し、膨張弁(64)で減圧し、第3主熱交換器(65)で蒸発し、第2圧縮機(22A)に戻る循環動作を行う。
【0042】駆動回路(100)では、以下に説明する第1状態及び第2状態が交互に繰り返されることにより、2次側冷媒が各室内ユニット(16)に供給される循環駆動力が発生する。
【0043】第1状態では、第1加圧電磁弁(111)及び第2減圧電磁弁(122)は開口され、第2加圧電磁弁(112)及び第1減圧電磁弁(121)は閉鎖される。このことにより、第1タンク(101)と各加圧熱交換器(47),(55a)とが連通すると共に、第2タンク(102)と減圧熱交換器(52)とが連通する。その結果、第1タンク(101)は上方から加圧され、第1タンク(101)内の液冷媒が下方に押し出される。押し出された冷媒は、第1流出逆止弁(114)、四路切換弁(129)及び配管(132)を通過し、各室内ユニット(16)に供給される。この冷媒は、各室内ユニット(16)の室内熱交換器(図示せず)で蒸発し、室内空気を冷却する。蒸発した冷媒は、室内ユニット(16)から第1室外ユニット(11)に戻り、各主熱交換器(44),(55),(65)で凝縮し、液冷媒となって四路切換弁(129)を通過し、更に第2流入逆止弁(118)を通じて第2タンク(102)に流入する。この際、第2タンク(102)は減圧熱交換器(52)に連通されて減圧されているため、第2タンク(102)への冷媒の回収は円滑に行われる。
【0044】このように、第1状態は、第1タンク(101)から供給された液冷媒が室内ユニット(16)を経て第2タンク(102)に回収される状態である。
【0045】ところで、このまま第1状態を継続していくと、第1タンク(101)の液冷媒が不足気味になる一方、第2タンク(102)の液冷媒が過剰気味になる。そこで、このような状態になると、冷媒の循環動作を第1状態から以下の第2状態に切り換える。
【0046】第2状態は、第1加圧電磁弁(111)及び第2減圧電磁弁(122)を閉鎖する一方、第2加圧電磁弁(112)及び第1減圧電磁弁(121)を開口させる状態である。このことにより、第2タンク(102)と各加圧熱交換器(47),(55a)とが連通すると共に、第1タンク(101)と減圧熱交換器(52)とが連通する。その結果、第2タンク(102)は上方から加圧されると同時に、第1タンク(101)は上方から減圧される。これにより、第1状態とは逆に、液冷媒が第2タンク(102)から押し出され、第1タンク(101)に回収される冷媒循環動作が行われる。
【0047】そして、第2タンク(102)の液冷媒が不足気味になると、再び第2状態から第1状態に切り換えられる。このように、第1状態と第2状態とが交互に繰り返されることにより、冷媒は循環動作を継続的に行うようになる。
【0048】なお、補助タンク(103)は、第1室外ユニット(11)の起動時など加圧熱交換器(47),(55a)に液冷媒が不足している場合等に、液冷媒を供給するための貯留手段である。加圧熱交換器(47),(55a)に液冷媒が不足している状態では、補助加圧電磁弁(113)を開口すると共に補助減圧電磁弁(123)を閉鎖する。この結果、補助タンク(103)と加圧熱交換器(47),(55a)とが連通する。そのため、補助タンク(103)から液冷媒が押し出され、この冷媒は液供給逆止弁(124)を通過して加圧熱交換器(47),(55a)に供給されることになる。
【0049】一方、補助タンク(103)内の液冷媒が不足した場合には、補助加圧電磁弁(113)を閉鎖すると共に補助減圧電磁弁(123)を開口する。これにより、液冷媒は液補給逆止弁(125)を通じて補助タンク(103)に補給されることになる。
【0050】<暖房運転>暖房運転では、主回路(30)の四路切換弁(41)、第1回路(31)の四路切換弁(53)、及び第2回路(32)の四路切換弁(62)は、それぞれ図2の破線側に設定される。
【0051】主回路(30)の運転時には、インバータ圧縮機(20A)から吐出された1次側冷媒は、第1主熱交換器(44)で凝縮して2次側冷媒を加熱し、膨張弁(43)で減圧し、第1室外熱交換器(42)で蒸発し、インバータ圧縮機(20A)に戻る循環動作を行う。また、インバータ圧縮機(20A)から吐出された冷媒の一部は、第1加圧熱交換器(47)で凝縮し、膨張弁(51)で減圧し、減圧熱交換器(52)で蒸発し、インバータ圧縮機(20A)に戻る循環動作を行う。
【0052】第1回路(31)の運転時には、第1圧縮機(21A)から吐出された1次側冷媒は、第2主熱交換器(55)及び第2加圧熱交換器(55a)で凝縮し、キャピラリーチューブ(59)で減圧し、減圧熱交換器(52)で蒸発し、第1圧縮機(21A)に戻る循環動作を行う。この際、第2加圧熱交換器(55a)を流出した冷媒の一部は、膨張弁(60)で減圧し、冷却熱交換器(61)で蒸発し、第1圧縮機(21A)に吸入される。
【0053】第2回路(32)の運転時には、第2圧縮機(22A)から吐出された1次側冷媒は、第3主熱交換器(65)で凝縮し、膨張弁(64)で減圧し、第3室外熱交換器(63)で蒸発し、第2圧縮機(22A)に戻る循環動作を行う。
【0054】駆動回路(100)では、上記第1状態と第2状態とが交互に繰り返され、第1タンク(101)又は第2タンク(102)のいずれか一方から押し出された液冷媒は各主熱交換器(44),(55),(65)で蒸発した後、各室内ユニット(16)に供給され、図示しない室内熱交換器で凝縮して室内空気を加熱する。各室内ユニット(16)から第1室外ユニット(11)に戻った冷媒は、他方のタンク(101),(102)に回収される。
【0055】−圧縮機のローテーション制御−次に、圧縮機のローテーション制御について説明する。本ローテーション制御は、起動ローテーション制御と停止ローテーション制御とから構成されている。
【0056】<起動ローテーション制御>図3を参照しながら、起動ローテーション制御について説明する。まず、所定の起動制御信号を受け、ステップST1において、システム(冷凍装置)内に既に駆動している圧縮機が存在しているか否かを判定する。つまり、当該起動制御信号に基づいて起動すべき圧縮機が、1台目の圧縮機であるか否かを判定する。なお、所定の起動制御信号は、例えば、システムの運転を開始するときや、冷凍負荷が大きくなった場合に圧縮機の運転台数を増加させるときなどに、運転停止中の圧縮機の運転を開始するために伝達される信号である。
【0057】ステップST1の判定がYESの場合はステップST2に進み、システム内に容量可変式駆動圧縮機つまりインバータ圧縮機が存在しているか否かを判定する。このような判定を行う理由は、システムの容量制御が容易なように、1台目の圧縮機はインバータ圧縮機とすることが好ましいことから、システム内にインバータ圧縮機がある場合には容量固定式の圧縮機に優先してインバータ圧縮機を起動させるためである。そのため、ステップST2の判定がYESの場合は、ステップST3に進み、積算運転時間DTlが最小のインバータ圧縮機を起動する。なお、本冷凍装置では、第1室外ユニット(11)及び第2室外ユニット(12)にそれぞれインバータ圧縮機(20A),(20B)が存在しているため、ステップST2の判定はYESとなる。
【0058】ステップST2の判定がNOの場合は、ステップST4に進み、容量固定式駆動圧縮機(21A),(21B),(20C),(21C)すなわちスタンダード圧縮機のうち、積算運転時間が最小のものを起動する。つまり、容量固定式圧縮機の各々の積算運転時間を均一化させるような制御を行う。
【0059】ステップST1の判定結果がNOの場合は、ステップST5に進み、システム内の停止している圧縮機のうちに、インバータ圧縮機が存在するか否かを判定する。その結果、YESの場合はステップST6に進み、NOの場合はステップST7に進む。
【0060】ステップST7では、容量固定式の圧縮機のうち積算運転時間が最小のものを起動する。つまり、容量固定式駆動圧縮機(21A),(21B),(20C),(21C)及び容量固定式非駆動圧縮機(22A),(22B),(22C)のうち運転停止中の圧縮機の中から、積算運転時間が最小のものを優先的に起動する。
【0061】ステップST6では、システム中で積算運転時間が最小である圧縮機が容量固定式非駆動圧縮機(22A),(22B),(22C)であるか否かを判定する。その結果、YESの場合はステップST8に進み、積算運転時間が最小である圧縮機の属する室外ユニットのインバータ圧縮機と、容量固定式駆動圧縮機のうち積算運転時間が最小のものとを比較し、積算運転時間が短い方のいずれか一方を起動する。
【0062】ステップST6における判定結果がNOの場合は、ステップST9に進み、積算運転時間の最小の圧縮機を起動する。
【0063】<停止ローテーション制御>次に、図4を参照しながら、停止ローテーション制御について説明する。
【0064】まず、所定の停止制御信号を受け、ステップST11において、システム内で運転中の圧縮機が1台のみであるか否かを判定する。つまり、当該停止制御信号に基づいて停止させるべき圧縮機が、最後の圧縮機であるか否かを判定する。
【0065】ステップST11の判定結果がYESの場合はステップST12に進み、運転中の圧縮機の運転を停止させる。ステップST11の判定結果がNOの場合はステップST13に進み、運転中の2以上の圧縮機のうちにインバータ圧縮機が2台以上あるか否かを判定する。
【0066】ステップST13の判定結果がYESの場合はステップST15に進み、NOの場合はステップST14に進む。ステップST14では、容量固定式駆動圧縮機のうち、積算運転時間が最大のものを優先的に停止させる。
【0067】ステップST15では、容量可変式駆動圧縮機(20A),(20B)及び容量固定式駆動圧縮機(21A),(21B),(20C),(21C)のうち積算運転時間が最大のものが、容量可変式駆動圧縮機であるか否かを判定する。YESの場合はステップST16に進み、NOの場合はステップST14に進む。
【0068】ステップST16では、積算運転時間が最大の室外ユニットにおいて、運転継続中の圧縮機がインバータ圧縮機のみであるか否かを判定する。YESの場合はステップST17に進み、当該インバータ圧縮機の運転を停止させる。NOの場合はステップST14に進む。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、複数台の室外ユニットに設けられた圧縮機の各々を基準としてローテーション制御を行うこととしたので、個々の圧縮機の積算運転時間に対応したより高精度なローテーション制御が可能となり、装置全体の寿命を長期化することができる。
【0070】複数の圧縮機は容量可変式圧縮機と容量固定式圧縮機とを含み、複数の容量固定式圧縮機の各々の積算運転時間が均一化するようにローテーション運転を行うようにすることにより、積算運転時間の相違が顕著になりやすい容量固定式圧縮機に対して積算運転時間の平準化を行うことができ、装置全体の高寿命化を効率よく実現することができる。
【0071】1次側冷媒回路及び2次側冷媒回路を有する冷媒回路を備え、複数の圧縮機として容量可変式駆動圧縮機と容量固定式駆動圧縮機と容量固定式非駆動圧縮機とを備えることにより、種類の異なる圧縮機に対し圧縮機を基準としたローテーション制御を行うことが可能となり、上記の効果をより顕著に発揮することができる。
【0072】第1又は第2の貯留手段のいずれか一方と加圧熱交換器とを連通させると共に他方の貯留手段と減圧熱交換器とを連通させることによって冷媒を循環させるように冷媒回路を構成することにより、いわゆる熱駆動式の熱搬送システムにおいて、上記の効果を発揮させることができる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成10年12月7日(1998.12.7)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
【公開番号】 特開2000−171116(P2000−171116A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−346725