| 【発明の名称】 |
ロータリ圧縮機及びそれを用いた冷凍回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】西川 弘
【氏名】清水 栄一
【氏名】間 誠
【氏名】西川 剛弘
【氏名】里 和哉
【氏名】坂本 泰生
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| 【要約】 |
【課題】ロータリ圧縮機10に用いる冷媒を二酸化炭素冷媒としたときでも、従来の基本設計を略そのまま適用できるようにする。
【解決手段】前段圧縮要素20と後段圧縮要素30とを連結管により直列接続して圧縮手段12を構成し、さらに冷媒注入装置50を設ける。この冷媒注入装置50は、キャピラリチューブ等からなる減圧機構53を有して、機外から供給される冷却用冷媒を減圧して、その温度を下げて圧縮室に注入する。冷却用冷媒の注入は後段圧縮要素30の圧縮室と連通した冷媒注入口51から行う。これにより圧縮室内の冷媒の温度及び圧力を下げて、ロータリ圧縮機10に用いる冷媒を二酸化炭素冷媒としたときでも、従来の基本設計を略そのまま適用できるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮室を縮小させて、該圧縮室内の冷媒を圧縮する圧縮手段と、該圧縮手段を駆動する駆動手段とを有したロータリ圧縮機において、前記圧縮手段が、前記圧縮室を備えた圧縮要素を連結管により複数直列接続して形成され、かつ、各圧縮要素における冷媒の最高温度及び最高圧力が所定温度及び所定圧力以上にならないように機外から冷却用冷媒を減圧して前記圧縮室に注入する冷媒温度調節手段を有することを特徴とするロータリ圧縮機。 【請求項2】 前記冷媒温度調節手段が、キャピラリチューブを備えて、該キャピラリチューブにより冷却用冷媒を減圧して当該冷却用冷媒の温度を下げた後に前記圧縮室に注入することを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。 【請求項3】 冷媒を圧縮する請求項1又は2記載のロータリ圧縮機と、冷媒を冷却する冷却用熱交換器と、冷媒を減圧する減圧器と、冷媒を加熱する加熱用熱交換器とが接続されてなることを特徴とする冷凍回路。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化炭素を冷媒として用いたロータリ圧縮機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ロータリ圧縮機は種々の技術分野に用いられ、冷媒を圧縮する圧縮手段やこの圧縮手段を駆動するための駆動手段であるモータ等を有して、これらが密閉ケース内に収納された構成となっている。 【0003】このようなロータリ圧縮機においては、これまで冷媒としてR−22等の塩素を含む冷媒(以下、特定フロンガスと記載する)が用いられていたが、このR−22冷媒はオゾン層を破壊する原因となることが判明し規制対象となった。 【0004】そこで、特定フロンガスに代わる冷媒の研究開発が盛んに行われている。かかる冷媒には、二酸化炭素冷媒等がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特定フロンガスを用いることを前提とした従来構造のロータリ圧縮機に二酸化炭素冷媒を用いると、従来に比べて冷媒の最低圧力が約6倍(約30〜40kg/cm2G)、最高圧力が約4倍(約150kg/cm2G)となって差圧が大きくなると共に、最高圧力や最高温度が非常に高くなる問題がある。 【0006】このためロータリ圧縮機を構成するシリンダや密閉ケース等の部材の耐圧特性、耐熱特性及び潤滑油の熱特性を含めた基本設計をやり直す必要が生じると共に、このようなロータリ圧縮機を用いた冷凍回路の設計変更が必要となってコストアップの要因となっている。 【0007】またシリンダや密閉ケース等における耐圧及び耐熱の問題が解決しても、冷媒の圧力が高くなる構成の場合には、圧縮手段を駆動するための駆動手段の負荷が大きくなり(消費電力が大きくなる)、従来に比べて冷凍効率が低下してしまう問題がある。 【0008】そこで、本発明は、二酸化炭素冷媒を用いた場合であっても、従来の基本設計を略そのまま適用できると共に冷凍効率の低下を抑制したロータリ圧縮機及びそれを用いた冷凍回路を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、圧縮室を縮小させて、該圧縮室内の冷媒を圧縮する圧縮手段と、該圧縮手段を駆動する駆動手段とを有したロータリ圧縮機において、圧縮手段が、圧縮室を備えた圧縮要素を連結管により複数直列接続して形成され、かつ、各圧縮要素における冷媒の最高温度及び最高圧力が所定温度及び所定圧力以上にならないように機外から冷却用冷媒を減圧して圧縮室に注入する冷媒温度調節手段を有して、冷媒として二酸化炭素冷媒を用いた場合であっても、従来の基本設計を略そのまま適用できるようにすると共に冷凍効率の低下を抑制したことを特徴とする。 【0010】請求項2にかかる発明は、冷媒温度調節手段が、減圧器を備えて、該減圧器により冷却用冷媒を減圧することにより当該冷却用冷媒の温度を下げて圧縮室に注入することにより、冷媒として二酸化炭素冷媒を用いた場合であっても、容易に従来の基本設計を略そのまま適用できるようにすると共に冷凍効率の低下を抑制したことを特徴とする。 【0011】請求項3にかかる発明は、冷媒を圧縮する請求項1又は2記載のロータリ圧縮機と、冷媒を冷却する冷却用熱交換器と、冷媒を減圧する減圧器と、冷媒を加熱する加熱用熱交換器とが接続されて、基本設計を変更することなく二酸化炭素冷媒を用いた冷凍回路を構成し、その際に従来の基本設計を略そのまま適用できるようにすると共に冷凍効率の低下を抑制したことを特徴とする。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1はロータリ圧縮機10の側断面図で、本発明にかかるロータリ圧縮機10は駆動手段であるモータ11、このモータ11の下方に設けられた圧縮手段12等を有して、これらが密閉ケース13内に収納されて冷媒として二酸化炭素冷媒が用いられている。 【0013】なお、密閉ケース13の底部には潤滑油14が貯留しており、圧縮手段12における摺動部等を潤滑するようになっている。 【0014】圧縮手段12は、前段圧縮要素20と後段圧縮要素30とから構成され、各圧縮要素20,30には吸入管21,31及び吐出管22,32が設けられると共に、連結管40により前段圧縮要素20の吐出管22と後段圧縮要素30の吸入管31とが連結されている。 【0015】従って、機外から供給された冷媒は前段圧縮要素20と後段圧縮要素30とで順次圧縮されて機外に吐出されることになる。 【0016】前段圧縮要素20と後段圧縮要素30とは略同じ構成で、各圧縮要素20,30は円筒状のシリンダ23,33内にローラ24,34が配設されている。このローラ24,34は円筒状に形成され、その内側にクランク25,35が配設されると共に、ローラ24,34の外側面に図示しないベーンが当接している。 【0017】クランク25,35はモータ11の回転軸15に固着して(又は一体形成されて)設けられているので、クランク25,35の回転によりローラ24,34は偏心回転運動するようになる。 【0018】このときローラ24,34における外側面の一端がシリンダ23,33と常に最小隙間で保持されるので、シリンダ23,33とローラ24,34との間に形成される空間は三日月状となる。 【0019】そして、ベーンがローラ24,34の外側面に当接しているので、このベーンにより三日月状の空間は図示しない吸気室と圧縮室とに区画される。 【0020】シリンダ23,33の内径及びローラ24,34の外径は変化しないので、ローラ24,34が回転しても三日月状空間の容積は常に一定である。しかしローラ24,34が回転するに伴い、ローラ24,34とシリンダ23,33との最小隙間の位置が変化するため三日月状空間の向きが変化する。 【0021】一方、ベーンはローラ24,34の外側面に常に当接するようにシリンダ23,33の半径方向に出入りする。 【0022】従って、このベーンにより三日月状空間が区画されて形成される吸気室と圧縮室との容積比は、ローラ24,34の回転に従い変化し、吸気室の容積が拡張すると、圧縮室の容積は縮小する。 【0023】吸気室には図示しない吸気口が連通し、また圧縮室には図示しない吐出口が連通しており、ローラ24,34が吸気口を横切ることにより吸気室は吐出口と連通するようになって、吸気室が圧縮室に変る。 【0024】吐出口には図示しない吐出バルブが設けられており、圧縮室の縮小に伴い冷媒が圧縮されて、この吐出バルブで規定される吐出圧に達すると冷媒が吐出される。 【0025】なお、前段圧縮要素20のローラ24と後段圧縮要素30のローラ34とは、各ローラ24,34が偏心回転運動することにより発生する振動が相殺されるように、回転位相が180度ずれて設けられている。即ち、クランク25とクランク35とは、回転軸15を中心に対称に設けられている。 【0026】以上が圧縮要素20,30の共通構成であるが、後段圧縮要素30にはさらに冷媒温度調節手段である冷媒注入装置50が設けられて、圧縮室における冷媒の温度及び圧力を調節するようになっている。 【0027】冷媒注入装置50は、後段圧縮要素30の圧縮室と連通する冷媒注入口51、この冷媒注入口51に連結された冷媒注入管52、この冷媒注入管52を流れる冷媒(この冷媒を特に、冷却用冷媒と記載する)を減圧するキャピラリチューブ等からなる減圧機構53、冷媒注入管52に冷却用冷媒を流すか否かを制御する電磁弁等の開閉弁54が設けられている。 【0028】そして、冷媒の温度が所定温度より高くならないように開閉弁54が開かれると、冷却用冷媒が減圧機構53で減圧されながら冷媒注入管52を流動して冷媒注入口51から圧縮室に注入される。 【0029】これにより冷却用冷媒は、吸入管31から吸気された圧縮室の冷媒と混じってこの圧縮室内の冷媒の温度を下げる。冷媒の温度が下がることは、冷媒の圧力も下がることを意味する。 【0030】なお、冷却用冷媒が減圧機構53を通過することにより減圧されるが、この減圧により冷却用冷媒の温度が下がるので、効率的に圧縮室内の冷媒の温度及び圧力を下げることが可能になる。 【0031】ところで冷媒注入口51は、冷媒が圧縮され始めた後に冷却用冷媒を注入するように設けることが好ましい。これは圧縮開始前(吸気室が圧縮室に変る前)に冷却用冷媒を注入すると、圧力バランスの関係から注入された冷却用冷媒が吸入管31から流出してしまうのを防止するためである。 【0032】このような構成により、冷媒の最高圧力及び最高温度を抑えることができロータリ圧縮機10を構成する各部材の耐圧、耐熱評価を含めた基本設計をやり直す必要が無くなると共に、冷媒の圧力が予め設定された圧力よりも大きくなることはないので、冷凍効率の低下を抑制することが可能になる。 【0033】図2はかかるロータリ圧縮機10を空気調和機に適用した際の冷凍回路図で、室内に配設される室内機A、室外に配設される室外機Bを主要構成とし、室内機Aは冷媒と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器19等を有している。 【0034】また室外機Bは、上記ロータリ圧縮機10、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器17、冷媒を減圧する減圧器18、冷媒の循環路を切替える四方弁16等を有し、室外熱交換器17と減圧器18との間の配管に冷媒注入管52が接続されている。 【0035】そして、冷房運転する時は、冷媒がロータリ圧縮機10、室外熱交換器17、減圧器18、室内熱交換器19を循環するように循環路を切換える。 【0036】この場合、冷媒は室外熱交換器17で熱交換して冷却され(冷却用熱交換器として作用する)、室内熱交換器19で熱交換して加熱される(加熱用熱交換器として作用する)。 【0037】これにより、ロータリ圧縮機10で圧縮された冷媒は、室外熱交換器17で外気と熱交換して冷媒の温度が下がり、減圧器18で減圧されて室内機Aに供給される。 【0038】このとき冷媒注入管52の開閉弁54が開かれていると、減圧器18に供給される冷媒の一部がこの冷媒注入管52を介して、後段圧縮要素30に供給され、ロータリ圧縮機10を含め冷凍回路内での冷媒の最高温度及び最高圧力が所定圧力及び温度範囲に保たれようになる。 【0039】室内機Aに供給された冷媒は、室内熱交換器19で室内空気と熱交換して、室内空気を冷却して室外機Bに戻りサイクルが1巡する。 【0040】また暖房運転をする時は、冷媒がロータリ圧縮機10、室内熱交換器19、減圧器18、室外熱交換器17を循環するように循環路を切換える。 【0041】この場合、冷媒は室内熱交換器19で熱交換して冷却され(冷却用熱交換器として作用)、室外熱交換器17で熱交換して加熱される(加熱用熱交換器として作用)。 【0042】これにより、ロータリ圧縮機10で圧縮された冷媒は、室内熱交換器19で室内空気と熱交換してこの室内空気を加熱して室外機Bに供給される。 【0043】室外機Bに供給された冷媒は、減圧器18により減圧され、室外熱交換器17で外気と熱交換してロータリ圧縮機10に戻りサイクルが1巡する。 【0044】このとき冷媒注入管52の開閉弁54が開かれていると、室外熱交換器17に供給される冷媒の一部がこの冷媒注入管52を介して、後段圧縮要素30に供給され、ロータリ圧縮機10を含め冷凍回路内での冷媒の最高温度及び最高圧力は所定の圧力範囲及び温度範囲に保たれるようになっている。 【0045】 【発明の効果】以上説明したように請求項1にかかる発明によれば、圧縮室を備えた圧縮要素を連結管により複数直列接続して圧縮手段を形成し、かつ、各圧縮要素における冷媒の最高温度及び最高圧力が所定温度及び所定圧力以上にならないように機外から冷却用冷媒を減圧して圧縮室に注入する冷媒温度調節手段を設けたので、冷媒として二酸化炭素冷媒を用いた場合であっても、従来の基本設計を略そのまま適用できるようにすると共に冷凍効率の低下を抑制することが可能になる。 【0046】請求項2にかかる発明によれば、冷媒温度調節手段に減圧器を設けたので該減圧器により冷却用冷媒を減圧し冷却用冷媒の温度を下げて圧縮室に注入するようにしたので、冷媒として二酸化炭素冷媒を用いた場合であっても、容易に従来の基本設計を略そのまま適用できるようにすると共に冷凍効率の低下を抑制したことを特徴とする。 【0047】請求項3にかかる発明によれば、冷媒音戸町清酒団を備えたロータリ圧縮機と、冷媒を冷却する冷却用熱交換器と、冷媒を減圧する減圧器と、冷媒を加熱する加熱用熱交換器とが接続されて冷凍回路を形成したので、基本設計を変更することなく二酸化炭素冷媒を用いた冷凍回路が容易に構成できると共に冷凍効率の低下が抑制できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月3日(1998.12.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111383 【弁理士】 【氏名又は名称】芝野 正雅
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| 【公開番号】 |
特開2000−171108(P2000−171108A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−344367 |
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