トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 極低温冷凍装置
【発明者】 【氏名】藤原 健治

【要約】 【課題】冷凍機が取り付けられる被冷却装置の状況に応じて運転制御を行なえ、運転開始時等において所望の極低温を従来よりも短時間で得ることのできる省エネルギタイプの極低温冷凍装置を提供する。

【解決手段】超伝導マグネット2を冷却するための極低温冷凍装置において、電源13と圧縮機ユニット9の間にインバータ14を設ける。冷凍機5に温度センサ6を取り付け、超伝導マグネット2の温度としてシールド3内部の温度を検出する。温度センサ6の出力信号を、インバータ14の制御を行なうコントローラ7に入力する。コントローラ7は、温度センサ6の出力信号に基づいてインバータ14を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被冷却装置(2,20,30,40)に直接あるいは間接に取り付けられる冷凍機(5)と、配管(11,12; 11a,11b,12a,12b)を介して上記冷凍機(5)に接続され、高圧の冷媒ガスを上記冷凍機(5)に供給すると共に、低圧の冷媒ガスが上記冷凍機(5)から戻される圧縮機(9)とを備えて、上記被冷却装置(2,20,30,40)を極低温に冷却する極低温冷凍装置において、上記被冷却装置は超伝導マグネット(2)であり、変換した周波数の信号を上記圧縮機(9)のモータに出力する周波数変換手段(14)と、上記超伝導マグネット(2)の状況に応じて上記周波数変換手段(14)を制御するコントローラ(7)とを備えたことを特徴とする極低温冷凍装置。
【請求項2】 被冷却装置(2,20,30,40)に直接あるいは間接に取り付けられる冷凍機(5)と、配管(11,12; 11a,11b,12a,12b)を介して上記冷凍機(5)に接続され、高圧の冷媒ガスを上記冷凍機(5)に供給すると共に、低圧の冷媒ガスが上記冷凍機(5)から戻される圧縮機(9)とを備えて、上記被冷却装置(2,20,30,40)を極低温に冷却する極低温冷凍装置において、上記被冷却装置は容器(20)であり、変換した周波数の信号を上記圧縮機(9)のモータに出力する周波数変換手段(14)と、上記容器(20)の状況に応じて上記周波数変換手段(14)を制御するコントローラ(7)とを備えたことを特徴とする各種の極低温実験のために使用される極低温冷凍装置。
【請求項3】 被冷却装置(2,20,30,40)に直接あるいは間接に取り付けられる冷凍機(5)と、配管(11,12; 11a,11b,12a,12b)を介して上記冷凍機(5)に接続され、高圧の冷媒ガスを上記冷凍機(5)に供給すると共に、低圧の冷媒ガスが上記冷凍機(5)から戻される圧縮機(9)とを備えて、上記被冷却装置(2,20,30,40)を極低温に冷却する極低温冷凍装置において、上記被冷却装置はチャンバ(31)内を真空排気するためのポンプ容器(30)であり、変換した周波数の信号を上記圧縮機(9)のモータに出力する周波数変換手段(14)と、上記ポンプ容器(30)の状況に応じて上記周波数変換手段(14)を制御するコントローラ(7)とを備えたことを特徴とするクライオポンプとして使用される極低温冷凍装置。
【請求項4】 被冷却装置(2,20,30,40)に直接あるいは間接に取り付けられる冷凍機(5)と、配管(11,12; 11a,11b,12a,12b)を介して上記冷凍機(5)に接続され、高圧の冷媒ガスを上記冷凍機(5)に供給すると共に、低圧の冷媒ガスが上記冷凍機(5)から戻される圧縮機(9)とを備えて、上記被冷却装置(2,20,30,40)を極低温に冷却する極低温冷凍装置において、上記被冷却装置は液溜容器(40)であり、変換した周波数の信号を上記圧縮機(9)のモータに出力する周波数変換手段(14)と、上記液溜容器内(40)部の状況に応じて上記周波数変換手段(14)を制御するコントローラ(7)とを備えたことを特徴とする簡易液化機として使用される極低温冷凍装置。
【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1つに記載の極低温冷凍装置において、上記被冷却装置(2,20,30,40)の温度を検出する温度検出手段(6)をさらに備え、上記コントローラ(7)は、上記温度検出手段(6)からの信号に基づき、上記被冷却装置(2,20,30,40)の温度が所定温度よりも高いときには、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように、上記被冷却装置(2,20,30,40)が上記所定温度まで冷却された後は、減少した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように、上記周波数変換手段(14)を制御することを特徴とする極低温冷凍装置。
【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1つに記載の極低温冷凍装置において、上記コントローラ(7)は、装置起動時、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように上記周波数変換手段(14)を制御することを特徴とする極低温冷凍装置。
【請求項7】請求項3,5または6に記載の極低温冷凍装置において、上記コントローラ(7)は、再生プロセス中は、減少した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように、上記再生プロセスの終了後には、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように、上記周波数変換手段(14)を制御することを特徴とする極低温冷凍装置。
【請求項8】請求項3,5,6または7に記載の極低温冷凍装置において、上記コントローラ(7)は、上記チャンバ(31)の排気時に、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように、上記周波数変換手段(14)を制御することを特徴とする極低温冷凍装置。
【請求項9】請求項4,5または6に記載の極低温冷凍装置において、上記液溜容器(40)内部の液面を検出する液面検出手段(42,43)を備え、上記コントローラ(7)は、上記液面検出手段(42,43)からの信号に基づいて、上記液溜容器(40)内部の液面が所定の高レベルよりも低いときには、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように、上記液溜容器(40)内部の液面が上記所定の高レベルに達した後には、減少した周波数の信号を上記周波数変換手段(14)が出力するように、上記周波数変換手段(14)を制御することを特徴とする極低温冷凍装置。
【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1つに記載の極低温冷凍装置において、上記圧縮機(9)は第1の熱交換器と共にハウジング内に収容されて屋外設置型の圧縮機ユニット(21)を構成しており、この圧縮機ユニット(21)と上記冷凍機(5)との間に第2の熱交換器を備えた室内設置型の中間ユニット(23)を介在させていることを特徴とする極低温冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はMRI(磁気共鳴映像法)などのための超伝導マグネット冷却装置、真空を得るためのクライオポンプ、あるいは簡易液化装置等として使用される極低温冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】極低温冷凍装置は、一般に、蓄冷材を収納すると共に膨脹室を内部に有する膨脹式冷凍機と、圧縮機を収納した圧縮機ユニットとを備えており、上記冷凍機が極低温に冷却されるべき装置や容器等(以下、これらをまとめて単に被冷却装置という。)に取り付けられる。そして、圧縮機によって高圧にした冷媒ガスを冷凍機に送り、ここでその高圧の冷媒ガスを蓄冷材によって冷却してから膨脹させてさらに冷却し、その低圧の冷媒ガスを圧縮機に戻すという冷凍サイクルを繰り返すことによって、極低温を得ている。
【0003】このような極低温冷凍装置は、従来、商用電源を用いて動作するように設計されている。そして、その運転は基本的にはON/OFF制御のみを行なうものであり、冷凍機が取り付けられる被冷却装置の使用状況に拘わらず、消費電力一定の運転がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、環境意識の高まりや経費節減の観点から、分野を問わず省エネルギの要求が強く、その達成が1つの重要な課題となっている。これは極低温冷凍装置の分野においても例外ではない。特に、非常に多くの台数のクライオポンプが使用される工場、たとえば半導体工場等において省エネルギ化が達成できれば、消費電力の節約量は莫大な量となり、省エネルギ化の意義は大きい。
【0005】また、従来の極低温装置は、運転開始時等において、冷却すべき容器や装置等を室温から所望の極低温にまで冷却するのに比較的長い時間を必要としていた。
【0006】そこで,本発明の目的は、冷凍機が取り付けられる被冷却装置の状況に応じて運転制御を行なえ、運転開始時等において所望の極低温を従来よりも短時間で得ることのできる省エネルギタイプの極低温冷凍装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、被冷却装置に直接あるいは間接に取り付けられる冷凍機と、配管を介して上記冷凍機に接続され、高圧の冷媒ガスを上記冷凍機に供給すると共に、低圧の冷媒ガスが上記冷凍機から戻される圧縮機とを備えて、上記被冷却装置を極低温に冷却する極低温冷凍装置において、以下に記載の構成を特徴としている。
【0008】請求項1の発明は、上記被冷却装置が超伝導マグネットであり、変換した周波数の信号を上記圧縮機のモータに出力する周波数変換手段と、上記超伝導マグネットの状況に応じて上記周波数変換手段を制御するコントローラとを備えたことを特徴としている。
【0009】請求項2の発明は各種の極低温実験のために使用される極低温冷凍装置を提供するものであり、上記被冷却装置は容器であり、変換した周波数の信号を上記圧縮機のモータに出力する周波数変換手段と、上記容器の状況に応じて上記周波数変換手段を制御するコントローラとを備えたことを特徴としている。
【0010】また、請求項3の発明はクライオポンプとして使用される極低温冷凍装置を提供するものであり、上記被冷却装置はチャンバ内を真空排気するためのポンプ容器であり、変換した周波数の信号を上記圧縮機のモータに出力する周波数変換手段と、上記ポンプ容器の状況に応じて上記周波数変換手段を制御するコントローラとを備えたことを特徴としている。
【0011】請求項4の発明は簡易液化器として使用される極低温冷凍装置を提供するものであり、上記被冷却装置は液溜容器であり、変換した周波数の信号を上記圧縮機のモータに出力する周波数変換手段と、上記液溜容器の状況に応じて上記周波数変換手段を制御するコントローラとを備えたことを特徴としている。
【0012】上記請求項1乃至4のいずれの極低温冷凍装置においても、被冷却装置(超伝導マグネット、容器、ポンプ容器、液溜容器)が所望の極低温にまで冷却されねばならない状況にあるときなどには、上記コントローラと周波数変換手段の働きによって、冷凍能力を高めるべく圧縮機のモータを増速させる制御が可能となる。したがって、このような制御の下では、被冷却装置は短時間で所望の極低温に冷却される。
【0013】一方、被冷却装置がすでに所望の極低温状態にあるときや、温度を上げなければならない状況にあるとき、上記コントローラと周波数変換手段の働きによって、冷凍能力を低下させるべく圧縮機のモータを減速させる制御が可能となる。したがって、このような制御の下では、省電力運転が行なわれる。ところで、一般に、極低温冷凍装置は、断熱性に非常に優れている。したがって、上記請求項1乃至4のいずれの極低温冷凍装置においても、被冷却装置(超伝導マグネット、容器、ポンプ容器、液溜容器)を一旦所望の温度にまで冷却してしまえば、省エネルギーのため圧縮機の働きをある程度低下させて冷凍能力を落としても被冷却装置の温度は上昇しにくく、問題はない。
【0014】請求項5の発明は、上述の各極低温冷凍装置が上記被冷却装置の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、上記コントローラは、上記温度検出手段からの信号に基づき、上記被冷却装置の温度が所定温度よりも高いときには、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記被冷却装置が上記所定温度まで冷却された後は、減少した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記周波数変換手段を制御することを特徴としている。
【0015】この構成によれば、被冷却装置の温度変化に応じてきめ細かな運転制御が行なわれる。
【0016】請求項6の発明は、上述の各極低温冷凍装置において、上記コントローラが、装置起動時、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記周波数変換手段を制御することを特徴としている。
【0017】この構成によれば、起動時に被冷却装置は急速に冷却されるので、短時間で目的とする使用可能状態となる。
【0018】請求項7の発明は、クライオポンプとして使用される上記各極低温冷凍装置において、上記コントローラが、再生プロセス中は、減少した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記再生プロセスの終了後には、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記周波数変換手段を制御することを特徴としている。
【0019】この構成によれば、再生プロセス中には低能力運転が行なわれる。また、再生プロセス後はポンプ容器が急速に冷却され、短時間で次のチャンバ排気プロセスに移行できる。
【0020】請求項8の発明は、クライオポンプとして使用される上記各極低温冷凍装置において、上記コントローラが、上記チャンバの排気時に、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記周波数変換手段を制御することを特徴としている。
【0021】この構成によれば、熱負荷が増加する排気時に冷凍能力を高めるよう制御が行なわれるので、チャンバ内の排気が良好に行なわれる。
【0022】請求項9の発明は、簡易液化機として使用される上記極低温冷凍装置が上記液溜容器内部の液面を検出する液面検出手段を備え、上記コントローラが、上記液面検出手段からの信号に基づいて、上記液溜容器内部の液面が所定の高レベルよりも低いときには、増加した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記液溜容器内部の液面が上記所定の高レベルに達した後には、減少した周波数の信号を上記周波数変換手段が出力するように、上記周波数変換手段を制御することを特徴としている。
【0023】この構成によれば、液化中には冷凍能力を高め、液化完了後には省電力運転を行なうことが可能となる。
【0024】請求項10の発明は、上述の各極低温冷凍装置において、上記圧縮機が第1の熱交換器と共にハウジング内に収容されて屋外設置型の圧縮機ユニットを構成しており、この圧縮機ユニットと上記冷凍機との間に第2の熱交換器を備えた室内設置型の中間ユニットを介在させていることを特徴としている。
【0025】この構成によれば、運転騒音の大きい圧縮機ユニットは屋外に設置されるため、被冷却装置が設置されている室内が静かになる。また、第1の熱交換器と第2の熱交換器とによる2段階冷却によって、室外温度が上がっても、圧縮機によって圧縮された高圧の冷媒ガスは確実に冷却される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1に本発明の第1の実施の形態である超伝導マグネット冷却装置の構成を示す。この超伝導マグネット冷却装置はMRIのためのものであり、図1において、1は中央部分に患者を収容するための空洞部分1aと、上記空洞部分1aを取り巻く筒状空間1bとを有する容器で、上記筒状空間1bには超伝導マグネット(以下、マグネット)2がシールド3内に封入された状態で設置されている。この冷却装置は冷凍機5でマグネット2を直接冷却する直冷方式であり、冷凍機5はその第1のヒートステーション5aがマグネット2に、そして第2のヒートステーション5bがシールド3に接触した状態で容器1に取り付けられている。図示の冷凍機5は公知の膨脹式冷凍機であるが、それ以外のタイプの冷凍機を使用してもよい。
【0028】上記冷凍機5には温度センサ6を取り付け、マグネット2の温度としてシールド3内部の温度を検出するようにしている。温度センサ6の出力信号はコントローラ7に送られる。上記コントローラ7には、温度センサ6からの出力信号のほか、図示してはいないが、電源スイッチやスタートボタン、運転停止ボタン、あるいは励磁指示ボタンといった運転制御手段からの信号も入力されるようになっている。コントローラ7は温度センサ6によって検出された温度はもちろんのこと、上記したような運転制御手段からの信号に応じて、制御信号を生成する。
【0029】上記冷凍機5には室内設置型の圧縮機ユニット8が接続されている。圧縮機ユニット8は圧縮機9を内蔵しており、圧縮機9で圧縮されたヘリウム等の高圧冷媒ガスを配管11を通して冷凍機5に供給する一方、冷凍機5から排出された低圧冷媒ガスを配管12を通して圧縮機5に戻す。一方、圧縮機ユニット8と商用電源13との間には周波数変換手段としてインバータ14が設けられており、このインバータ14からの出力信号が圧縮機9のモータに供給される。インバータ14は上記コントローラ7によって制御され、コントローラ7からの制御信号に応じて周波数を変化させる。上記インバータ14の種類にはCVCF(controlled voltage controlled frequency )も含まれる。
【0030】コントローラ7は、温度センサ6によって検出された温度が所定の設定温度(たとえば10K)よりも高いか、又はそれ以下であるかを判定して、設定温度よりも高ければ、インバータ14が生成信号の周波数を上げるように、設定温度以下であれば、周波数を下げるように、インバータ14を制御する。
【0031】コントローラ7によるこのような制御の下で、シールド3内部の温度したがってマグネット2の温度が室温となっている装置起動時(初めての使用時やメンテナンス後の使用時を含む)や、励磁のときには、インバータ14は周波数を所定の値(たとえば60Hz)よりも増大(たとえば70Hz)させた信号を生成し、その信号を圧縮機9のモータに出力する。この結果、モータの回転速度が上がり、冷媒ガスの循環量が増加するので、冷凍能力が高まり、マグネット2は所望の極低温にまで急速に、従って従来よりも短い時間で冷却される。たとえば、従来では40分かかっていた冷却時間を、この実施形態では20分程度まで短くすることが可能である。
【0032】マグネット2の温度が設定温度に達すると、直ちにあるいは一定時間経過後に、インバータ14がコントローラ7の制御の下、周波数を所定値以下に減らした信号をモータに出力する。こうして省電力運転が行なわれる。このとき、極低温冷凍装置は断熱性が非常によいことから、モータを少々減速させて冷凍能力を低下させても温度は上がりにくい。つまり極低温を維持できる。
【0033】なお、ここでは医療の分野で使用される超伝導マグネット冷却装置について説明したが、本発明はそれ以外の分野で使用される超伝導マグネット冷却装置についても適用できる。
【0034】また、ここで説明した超伝導マグネット冷却装置は直冷式のものであったが、間接冷凍式、すなわち、冷凍機5をマグネット2に直接取り付けるのではなく、マグネット2を収容した容器に冷凍機5をつなぎ、その容器の中に液体ヘリウムを入れることによってマグネット2を冷却する方式としてもよい。この場合には、容器に液体ヘリウムを入れ始めるときに周波数を上げ、完全に液体ヘリウムを容器に入れてしまったら、周波数を下げて消費電力を減らすようにすればよい。
【0035】図1に示した冷却装置では、インバータ14やコントローラ7を圧縮ユニット9の外部に設置しているが、圧縮機ユニット9に組み込んでもよい。
【0036】また、上記温度センサ6に代えて、あるいは温度センサ6に加えて、圧力センサ等、別の種類のセンサを用いてもよい。
【0037】(第2の実施の形態)第2の実施の形態を図2に示す。この図において、図1に示したものと同じ構成、働きを有する部分は同じ符号で表し、その部分についての説明は省略する。
【0038】この第2の実施の形態である極低温冷凍装置は主として研究目的に用いることを意図したものであり、冷凍機5は実験サンプルを収容したりする容器20に取り付けられる。この場合、実験内容(アプリケーション)に応じて冷却目標温度が異なるため、コントローラ7における設定温度は実験内容に応じて変更される。
【0039】この実施形態においても、装置起動時は容器20内部は室温となっているため、コントローラ7の制御の下で、インバータ14は周波数を所定値(たとえば60Hz)よりも増大させた信号をモータに出力し、モータを増速させる。この結果、冷却能力が向上し、容器20内部は短時間で設定温度にまで冷却される。一旦容器20の内部が設定温度まで冷却されると、今度は周波数を所定値以下にして省電力運転を行なう。
【0040】第1の実施の形態について説明した種々の変形の幾つかは本実施の形態にも当てはまることは言うまでもない。
【0041】(第3の実施の形態)本発明をクライオポンプに適用した実施の形態を図3に示す。この図において、図1に示したものと同様な構成、働きを有する部分は同じ符号で表し、その部分についての説明は省略する。
【0042】図3において、30は冷凍機5が取り付けられたポンプ容器、31はたとえば半導体装置を製造するための真空排気されるチャンバ31である。温度センサ6はポンプ容器30内の適当な箇所(たとえば、図示しないクライオパネル)に取り付けられる。この実施の形態では、ポンプの処理工程と温度センサ6からの出力信号とに応じて次のような運転制御が行なわれる。
【0043】まず、装置起動時には前述の実施の形態同様、ポンプ容器30内は室温状態なので、周波数を所定値(たとえば60Hz)よりも上げて、ポンプ容器30内を所定の設定温度まで急速に冷却する。この設定温度は排気すべきガスの種類に応じて決定すればよい。そして、一旦設定温度まで冷却してしまうと、周波数を所定値まで下げる。
【0044】次に、チャンバ31とポンプ容器30との間のシャッタが開けられてチャンバ31の排気処理が開始されると、冷凍機の熱負荷が増大するため、ポンプ容器30内の温度が上昇する。したがって、周波数を再び上げて冷凍能力を高め、ポンプ容器30内部を設定温度まで急速に冷却する。そして、設定温度に達すると、周波数を所定値以下に下げて、省電力運転を行なう。なお、排気処理時の周波数増加タイミングは、温度センサ6による検出温度の変化に従ってもよいし、あるいは、排気処理の開始を知らせる信号をコントローラ7に入力するようにしておき、その信号の入力タイミングに従うようにしてもよい。
【0045】再生プロセス時には、ポンプ容器30内に凍結捕集あるいは吸着されたガス分子を蒸発させるために、ポンプ容器30内の温度を上げる必要がある。したがって、このときには、低能力運転モードとなり、周波数を減少させて冷凍能力を落とす。
【0046】再生プロセスが終了すると、ポンプ容器30内の温度が所定温度よりも高くなってしまっているため、次のチャンバ内排気処理のために、周波数を所定値よりも大きくして冷凍能力を高め、ポンプ容器30内を急速に冷却する。したがって、再生プロセス終了後、短時間で次の排気処理を行なうことができる。
【0047】なお、コントローラ7には、温度センサ6からの出力信号のほか、再生プロセスの開始、終了を制御する手段(図示せず)からの出力信号も入力されており、これによって、コントローラ7はクライオポンプが再生プロセス中であるかどうかを知ることができる。
【0048】なお、ここでは、説明を簡単にするために1つの設定温度のみを用いた例を用いたが、細かい制御を行なうためには2つ以上の設定温度を用いるのが望ましい。たとえば、再生プロセス時の運転制御のために、チャンバ内排気時の運転制御に使用される設定温度よりも高い温度を第2の設定温度として使用することができる。
【0049】第1の実施の形態について説明した種々の変形の幾つかは本実施の形態にも当てはまることは言うまでもない。
【0050】(第4の実施の形態)図4は本発明を窒素ガス等のガスを液化するための簡易液化機に適用した第4の実施の形態である。この図において、図1に示したものと同様な構成、働きを有する部分は同じ符号で表し、その部分についての説明は省略する。
【0051】図4において、40は冷凍機5が取り付けられた液溜容器、41はガスラインである。コントローラ7には上記ガスライン41に設けられたバルブの開閉を制御する手段(図示せず)からの信号も入力されるようになっている。
【0052】この簡易液化機では、上述の各実施の形態と同じく、装置起動時で液溜容器が室温にあるときには、周波数を増加させて液溜容器40内部を設定温度まで急速に冷却する。また、その後の液溜容器40内にガスを導入して液化処理を行なうときにも、導入されるガスによって液溜容器40内の温度が上昇するため、周波数を増加させて冷凍能力を高める運転制御が行なわれる。液溜容器40内の温度が設定温度にまで冷却されると、周波数を減少させる。
【0053】温度センサ6の代りに、図5に示すように、上記液溜容器40内の上側位置と下側位置にオン/オフ式の液面センサ42,43を取り付け、これらのセンサからのオン信号あるいはオフ信号をコントローラ7に入力することによって、液溜容器内の液量に基づいた制御を行なうこともできる。この場合、コントローラ7はたとえば、次のような制御を行なうことができる。
【0054】ガス導入開始後に下側液面センサ43がオンした後、上側液面センサ42がオンするまでの間は、液化中だと判断して、周波数を上げるようにインバータ14を制御する。また、上側液面センサ42がオンすると、液化が完了したと判断して、周波数を所定値まで下げるようにインバータ14を制御する。液化が完了し、液を図示しない配管を通して排出すると、先ず、上側液面センサ42がオフし、続いて、下側液面センサ43がオフする。このとき、コントローラ7は液量が少量になったと判断して、省電力モードに入り、周波数を所定値以下に下げるようインバータを制御する。
【0055】これらの液面センサ42,43は、その少なくとも一方を温度センサ6と同時に使用することもできる。この場合には、より細かい運転制御を行なうことができる。
【0056】この簡易液化機でも、装置起動時には周波数を増大させるので短時間にガス導入前の準備を行なうことができ、また、ガス導入中も周波数を増大させて冷凍能力を高めているので液化を迅速に行うことができる。一方、所望の温度にまで冷却した後あるいは少量の液しか液溜容器40に入っていないときには周波数を減少させるので、電力消費を低減できる。
【0057】第1の実施の形態について説明した種々の変形の幾つかは本実施の形態にも当てはまることは言うまでもない。
【0058】(第5の実施の形態)上記第1〜第4実施の形態において使用した圧縮機ユニット8は室内設置型のものであったが、これらいずれの実施形態においても屋外設置型の圧縮機ユニットを使用することができる。図6は、一例として、図2に示した実施の形態における圧縮機ユニット8を屋外設置型の圧縮機ユニット21に置き換えたものを示している。図6において、図2に示したものと同様な構成、働きを有する部分は同じ符号で表し、その部分についての説明は省略する。
【0059】屋外設置型の圧縮機ユニット21としては、たとえば国際公開番号WO97/04277に開示された公知のものを使用でき、図示はしないが、圧縮機のほか、圧縮機の吐出側配管に介設された第1空冷熱交換器を内蔵している。圧縮機ユニット21内の圧縮機のモータには、インバータ14の出力信号が入力される。
【0060】圧縮機ユニット21と冷凍機5との間には室内に設置される中間ユニット23が設けられる。中間ユニット23は第2空冷熱交換器(図示せず)を内蔵している。この中間ユニット23についても、たとえば前述の国際公開番号WO97/04277に開示された公知のものを使用できる。
【0061】この装置では、第1空冷熱交換器において外気と熱交換させて冷却したヘリウム等の高圧冷媒ガスを、配管11aを介して中間ユニット23内の第2空冷熱交換器に送り、ここで室内空気と熱交換させてさらに冷却した後、配管11bを介して冷凍機5に供給する。そして、冷凍機5から排出された低圧冷媒ガスを配管12b、中間ユニット内の図示しない戻り管、そして配管12aを通して圧縮機5に戻す。
【0062】上の説明からもわかるように、第2空冷熱交換器を有する中間ユニット23を屋外の圧縮ユニット21と冷凍機5との間に設置する理由は、高い室外温度による冷媒ガスへの影響をなくすためである。つまり、室外温度が高い場合には、冷媒ガスの温度も上昇してしまうため、この上昇した温度を下げるために、室内に設置した第2空冷熱交換器によって冷媒ガスを冷却しているのである。
【0063】圧縮機ユニット21には室外温度を検出するための室外温度センサ22が設けられており、この室外温度センサ22の出力信号もコントローラ7に入力されるようになっている。
【0064】この装置においては、コントローラ7は温度センサ6による検出温度や、各種のスイッチ等から送られる情報に基づき、第2の実施の形態に関連して説明したのと同様の制御を行なう。さらに、室外温度に拘わらず高圧冷媒ガスの2段階熱交換後の温度を略一定に保つべく、室外温度センサ22の出力信号に基づいて、次のような制御を行なう。つまり、室外温度が所定の高温度(たとえば32℃)よりも高い場合にはインバータ14から出力される信号の周波数を下げて圧縮能力を落とし、圧縮後の高圧冷媒ガスの温度を余り上げないようにすることによって、2段階の空冷熱交換を通じて高圧冷媒ガスを所定温度まで冷却する。一方、室外温度が所定の低温度(たとえば12℃)よりも低い場合には、インバータ14から出力される信号の周波数を上げて圧縮能力を高めることによって、圧縮後の高圧冷媒ガスの温度を上げ、2段階の空冷熱交換を経ても高圧冷媒ガスが冷却され過ぎることのないようにするのである。こうして、外気温の変化に拘わらず、2段階の空冷熱交換後の高圧冷媒ガスの温度を常にほほ一定に保つことができる。
【0065】以上、被冷却装置の種々の状況に応じた周波数制御を説明したが、上記以外の周波数制御ももちろん可能である。
【0066】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項1の極低温冷凍装置は超伝導マグネット冷却装置として使用されるものであり、請求項2の極低温冷凍装置は研究,評価用に使用されるものであり、請求項3の極低温冷凍装置はクライオポンプとして使用されるものであり、請求項4の極低温冷凍装置は簡易液化機として使用されるものであるが、そのいずれにおいても、変換した周波数の信号を圧縮機のモータに出力する周波数変換手段と、被冷却装置(請求項1においては超伝導マグネット、請求項2においては容器、請求項3においてはポンプ容器,請求項4においては液溜容器)の状況に応じて上記周波数変換手段を制御するコントローラとを備えているので、それぞれの被冷却装置が所望の極低温にまで冷却されねばならない状況にあるときなどには、上記コントローラと周波数変換手段の働きによって、冷凍能力を高めるべく圧縮機のモータを増速させる制御を行なって冷凍能力を高めることができる。したがって、被冷却装置を短時間で所望の極低温に冷却することができる。一方、被冷却装置がすでに所望の極低温状態にあるときや、温度を上げなければならない状況にあるときには、上記コントローラと周波数変換手段の働きによって、省電力運転を行なうことができる。
【0067】請求項5の発明によれば、上述の各極低温冷凍装置において、上記コントローラが、温度検出手段からの信号に基づき上記周波数変換手段を制御するので、被冷却装置の温度変化に応じたきめ細かな運転制御を行なうことができる。
【0068】請求項6の発明によれば、上述の各極低温冷凍装置において、上記コントローラが、装置起動時、上記周波数変換手段を、出力信号の周波数を増加するように制御するので、装置起動時に被冷却装置を所望の極低温にまで急速に、したがって従来よりも短時間で冷却することができる。
【0069】請求項7の発明によれば、クライオポンプとして使用される上記各極低温冷凍装置において、再生プロセス中には、上記コントローラが上記周波数変換手段を出力信号の周波数を減少させるように制御するので、省電力運転を行なうことができる。一方、再生プロセスの終了後には、上記コントローラが上記周波数変換手段を、増加した周波数の信号を出力するように制御するので、加温されたポンプ容器を急速に冷却でき、短時間で次のチャンバ排気プロセスに移行できる。
【0070】請求項8の発明によれば、クライオポンプとして使用される上記各極低温冷凍装置において、上記チャンバの排気時には、上記コントローラが、増加した周波数の信号を出力するように上記周波数変換手段を制御するので、熱負荷が増加する排気時にあっても、ポンプ容器内を所望の極低温状態に保つことができ、チャンバ内の排気を良好に行なうことができる。
【0071】請求項9の発明によれば、簡易液化機として使用される上記極低温冷凍装置において、上記コントローラは、液溜容器内部の液面を検出する液面検出手段からの信号に基づいて、上記液溜容器内部の液面が所定の高レベルよりも低いときには、増加した周波数の信号を出力するように、上記液溜容器内部の液面が上記所定の高レベルに達した後には、減少した周波数の信号を出力するように上記周波数変換手段を制御するので、液化中には冷凍能力を高め、液化完了後には省電力運転を行なうことができる。
【0072】請求項10の発明によれば、運転騒音の大きい圧縮機ユニットは屋外に設置されるため、被冷却装置が設置されている室内が静かになる。また、第2の熱交換器を有する室内設置型の中間ユニットを圧縮機ユニットと冷凍機との間に設けているので、第1の熱交換器と第2の熱交換器とによる2段階冷却によって、室外温度が上昇しても、高圧冷媒ガスを所定の温度まで冷却することができ、室外温度の上昇による冷凍能力の低下を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成10年10月21日(1998.10.21)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2000−121192(P2000−121192A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−299508